JP5538643B2 - 回転式圧縮機 - Google Patents

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本発明は、内部に圧縮機構部と潤滑油の油溜めと電動機とを備え、電動機により圧縮機構部が回転駆動される回転式圧縮機に関するものである。
従来の回転式圧縮機として、密閉容器内に収容され、密閉容器内に導入された冷媒を圧縮して密閉容器外に吐出する圧縮機構部と、圧縮機構部の摺動を潤滑する潤滑油が貯留された油溜めと、給油通路を有し一端が圧縮機構部に連結され他端が油溜めに浸漬されたクランク軸と、このクランク軸を介して圧縮機構部を駆動する電動機から構成されるものがあった(特許文献1参照)。
特開2008−215220号公報(図1)
従来の回転式圧縮機は以上のように構成されていたので、密閉容器内部の油溜めに大量の潤滑油が存在しているとき、電動機の回転子はその下端面が油溜めに溜められた潤滑油に浸漬され、電動機の駆動時に潤滑油との接触摩擦抵抗が発生することにより大きなエネルギーの損失が発生するという問題点があった。
また、回転子は潤滑油を大きな運動エネルギーを与えて撹拌するため、飛散した潤滑油が冷媒と共に吐出される所謂油上りが発生すると共に、運動エネルギーを得た潤滑油の逆流によって密閉容器内部での潤滑油の循環が妨げられて、回転式圧縮機の動作が不安定になるという問題点もあった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、潤滑油が回転子と接触することによって発生するエネルギーの損失を低減するとともに、回転子によって攪拌された潤滑油が油上りや循環不全を起こすこと無く、安定して動作することのできる回転式圧縮機を提供することを目的とするものである。
この発明に係る回転式圧縮機は、密閉容器の上部に収容され、密閉容器内に導入された冷媒を圧縮して密閉容器外へ吐出する圧縮機構部と、密閉容器の下部に設けられるとともに圧縮機構部の摺動部を潤滑するための潤滑油が貯蔵された油溜めと、内部に給油孔を有し、上端が圧縮機構部に連結されるとともに下端が潤滑油に浸漬された主軸と、回転子は主軸と一体に回転するとともに固定子は回転子の外周側に配置されている電動機とを備え、回転子の下端部は上記潤滑油に浸漬しているものであって、主軸が挿通可能であるとともに回転子よりも大きな径を有する円形部で構成された開口部が設けられた隔壁を固定子に固定し、隔壁の下部には主軸を回転自在に保持するための下フレームを設け、隔壁と回転子の下端部と固定子の下端部と下フレームとにより隔離領域を形成して、隔離領域内の潤滑油を油溜めに貯蔵された他の潤滑油から隔離したものである。
上記のように構成された回転式圧縮機によれば、隔離領域に存在する一部の潤滑油のみが回転子の回転によって攪拌されることになり、回転子が潤滑油から受ける抵抗を小さくして、エネルギーの損失を低減することができる。更に撹拌された潤滑油が飛散することを防ぎ、油上がりを防止するとともに、油溜めに貯留された潤滑油全体が、回転子の回転によって運動エネルギーを得て、遠心力により密閉容器内の側壁側に偏在し、切り欠き部を逆流することを防止することができる。又固定子に隔壁を固定した状態で回転子を挿入することができるので、位置調整が狂うことなく、組立て性が向上する。
この発明の実施の形態1による回転式圧縮機を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による隔壁を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による回転式圧縮機を示す断面図である。 この発明の実施の形態2による隔壁を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による回転式圧縮機の下部を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態3による回転式圧縮機を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による隔壁を示す斜視図である。
実施の形態1.
以下この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による回転式圧縮機を示す断面図、図2は隔壁を示す斜視図である。図において、上下が閉塞された円筒状の密閉容器1の底部には潤滑油3が貯留された油溜め4が設けられている。圧縮機構部(ロータリーポンプ式)2は密閉容器1に固定され、主軸5を介して電動機7に接続されている。
主軸5は上側端部が圧縮機構部2に取付けられており、中間部において電動機7の回転子9が固定され、電動機7の下部にある下フレーム16に対して軸受け17を介して回転自在で取付けられ、更には主軸5の下側端部にはオイルポンプ8が取付けられ、油溜め4に貯留された潤滑油3内に浸漬されている。主軸5の内部には上下方向に亘って給油孔6が設けられており、給油孔6はオイルポンプ8から圧縮機構部2まで繋がっている。
電動機7は内周側の回転子9と外周側の固定子10からなる。固定子10の外周面は密閉容器1に固定されており、固定子10の外周部には圧縮機構部2や冷媒吸入管13から流出された潤滑油3を油溜め4に戻すための切欠き15が設けられている。回転子9は固定子10の内周面側に所定の空隙を介して回転自在に配置され、主軸5に固定されることにより主軸5と一体に回転する。
下フレーム16は油溜め4の上部において密閉容器1に固定されている。中央部には円筒状の軸受け17が設けられており、軸受け17を介して主軸5が回転自在に保持されている。また下フレーム16には、圧縮機構部2や冷媒吸入管13から流出された潤滑油3を油溜め4に戻すための下フレーム穴18が設けられている。隔壁11は回転子9の下端部を覆うようにして固定子10の下部に固定されており、中央には隔壁開口部11aが設けられ、隔壁の開口部11aには主軸5が接触しないように挿入されている。
次に上記のように構成した本実施の形態による回転式圧縮機の動作について説明する。電動機7に電力が供給されて主軸5が回転駆動されると、主軸5に接続された圧縮機構部2は冷媒吸入管13から密閉容器1内に導入された冷媒ガスを圧縮し、圧縮された冷媒ガスは冷媒吐出管14から密閉容器1外へ吐出される。更に主軸5の回転によってオイルポンプ8が駆動され、油溜め4に貯留された潤滑油3は主軸5内に設けられた給油孔6を通って圧縮機構部2に送られる。
潤滑油3は圧縮機構部2内の摺動部の潤滑を行い、圧縮機構部2から密閉容器1内に流れる。なお冷媒吐出管14には潤滑油3が混入するが、密閉容器1外に吐出された潤滑油3は冷媒とともに冷媒吸入管13を通って密閉容器1内に戻る。圧縮機構部2から流れ出た潤滑油3と冷媒吸入管13を介して密閉容器1内に流入した潤滑油3は、固定子10の外周に設けられた切欠き部15を通って油溜め4に戻される。
回転子9の下端部は、油溜め4に潤滑油3が大量に存在するとき潤滑油3の中に浸漬している。この状態で回転子9が回転運動をすると、回転子9の下端面と潤滑油3との間に摩擦が発生し、回転子9の回転運動に対する抵抗トルクが発生する。また油溜め4中に溜められている潤滑油3全体が潤滑油間の摩擦力の伝播によって撹拌される。
本発明においては隔壁11を設けており、隔壁11によって、隔壁11と回転子9の下端部と固定子10の内壁及び下端部により囲まれる隔離領域12が形成されることにより、隔離領域12内の潤滑油3が、その他の部分に存在する潤滑油3と隔離されている。回転式圧縮機の動作時に隔離領域12に侵入する潤滑油3の流路は、隔壁11の中央に設けられた開口部11aと主軸5との間の小さな隙間に制限される。更に回転子9によって加速された潤滑油3は図1の矢印Aで示されるように、固定子10と隔壁11の外周縁との隙間を通って十分に運動エネルギーを低減した状態で隔離領域12外に吐出される。
このように隔壁11を設けることにより、隔離領域12に存在する一部の潤滑油3のみが回転子9の回転によって攪拌されることになり、回転子9が潤滑油3から受ける抵抗を小さくして、エネルギーの損失を低減することができる。即ち小さな電力で電動機7を駆動できるので省エネルギー化を図ることができる。更に撹拌された潤滑油が飛散することを防ぎ、油上がりを防止するとともに、油溜め4に貯留された潤滑油3全体が、回転子9の回転によって運動エネルギーを得て、遠心力により密閉容器1内の側壁側に偏在し、切り欠き部15を逆流することを防止することができる。
隔壁11を取付けたことにより、電動機の回転子9が回転されることによって攪拌される潤滑油3は主として隔壁11より上に存在する潤滑油3のみになる。隔壁11より下に存在する潤滑油3はほとんど攪拌されない。このため隔壁11がなく潤滑油3全体が攪拌されてしまう場合に比べてエネルギーの損失を低減できる。攪拌される潤滑油3の量が低減されるので、攪拌による潤滑油3の液面上昇や、潤滑油3の密閉容器1内上部への飛散を防止できるようになる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による回転式圧縮機を示す断面図、図4は隔壁を示す斜視図である。図において、隔壁21の中心部に設けられた主軸5を通す開口部21aの周縁には上向き(圧縮機構部2の方向)に中空円筒部21bが設けられている。回転圧縮機の動作時に隔離領域12に侵入する潤滑油3の流路は、隔壁21の中央に設けられた開口部21aと主軸5との隙間に制限される。更に実施の形態1の場合と同様、回転子9によって加速された潤滑油3は固定子10と隔壁21の外周縁との隙間を通って十分に運動エネルギーを低減した状態で隔離領域12外に吐出される。
図5はこの発明の実施の形態2による回転式圧縮機の下部を示す拡大断面図であり、図5は回転始動時から十分に時間が経過した状態を示している。始動時から十分時間が経過した時点においては、主軸5の回転自体により油溜め4内の潤滑油3は遠心力を受けて密閉容器1の側壁側に押しやられ、中央部分の油面より密閉容器1の側壁側の油面が高くなる。更に上記のように隔離領域12内の潤滑油3は十分に運動エネルギーを低減した状態で隔離領域12外に吐出されるので、隔離領域12内にはほとんど潤滑油3が存在しない状態となる。
このような状態において、本実施形態によれば、隔壁21の中心部に設けられた開口部21aに上向きの中空円筒部21bを設けることによって、回転始動時から十分時間が経過した時点で振動等の外的要因、及び回転子9の回転数の変化等により中央部分の油面が上昇して、回転子9の下端面と固定子10の内周側壁及び下端面、更には隔壁21で囲まれる隔離領域12に潤滑油3が進入するとしても、油溜め4内の潤滑油3の油面の高さがH1必要となり、潤滑油3が進入し難くなる。即ち実施の形態1の場合であると、油溜め4にある潤滑油3の油面がH0を超えるだけの量があったときに、潤滑油3は隔壁の内側に侵入してしまい、進入した油は振動、衝撃、傾き等の外的要因によって回転子9に跳ね飛ばされる危険に曝されることとなる。これに対して本実施形態においては、油面高さがH1(>H0)になるまでは潤滑油3が隔壁21の内側に侵入しないので、例えば油面高さがH(H0<H<H1)の時は潤滑油3は隔壁21内に入らなくなる。又流入経路が狭いダクト構造となることから、隔離領域12に潤滑油3が進入し難くなる効果が得られる。
これによって回転駆動時に隔離領域12に存在する潤滑油3の量が減り、回転子9が潤滑油3から受ける抵抗を更に小さくして、エネルギーの損失を更に小さくすることができる。また、回転子9の影響を受ける潤滑油3を隔離領域12内の潤滑油3に限定することにより、回転子9が潤滑油3を撹拌することによって発生するエネルギーの損失を低減することができる。更に油溜め4にある潤滑油3が撹拌によって飛散されることを防ぐとともに、回転子9の回転軸周りの回転運動エネルギーを得て、遠心力により密閉容器1内の側壁側に潤滑油3が偏在し、切り欠き部15を逆流することを防止することができる。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による回転式圧縮機を示す断面図、図7は隔壁を示す斜視図である。図において、隔壁31の中央部に設けられた主軸5を通すための開口部31aは、回転子9よりも大きな径を有する円形部で構成され、回転子9が通過できるようになっており、隔壁31の上下方向の高さ(図6のH2)は、隔壁31を固定子10に取り付けたときに隔壁31が下フレーム16近傍に位置するように構成されることにより、隔壁31と回転子9の下端部と固定子10の内壁及び下端部と下フレーム16とにより隔離領域12が形成されている。尚隔壁31の底部であって、開口部31a以外の部分には底板部31bが形成されている。
回転圧縮機の動作時に、隔離領域12に流入する潤滑油3の流路は、隔壁31の底板部31bと下フレーム16との小さな隙間に制限され、回転子9によって加速された潤滑油3は、隔壁31の内壁との摩擦によって十分に運動エネルギーを低減した状態で、底板部31bと下フレーム16との隙間を介して隔離領域12の外部に吐出される。尚下フレーム穴18は細長い形状に形成されたものが複数個下フレーム16に形成されており、実際には下フレーム穴18から開口部31aを通過して隔離領域12に流入する潤滑油3はほとんど存在しない。
本実施の形態によれば、隔壁31の中心部に設けられた開口部31aを回転子9の中心軸に対して垂直な断面において回転子9の径よりも大きくなるよう構成したので、固定子10に隔壁31を固定した状態で回転子9を挿入することができる。上記実施の形態1、2においては、先に固定子10に回転子9を挿入してから隔壁を固定する必要があるが、この場合、固定子10と回転子9との位置関係は高精度に調整する必要があるため、固定子10に回転子9を組み付けた後に隔壁を固定すると調整が狂う場合が生じる。これに対して本実施形態においては、固定子10に隔壁31を固定した状態で回転子9を挿入するので位置調整が狂うことなく、組立て性が向上する。
また隔壁31の上下方向の高さを下フレーム16近傍まで伸ばすことによって、回転子9の下端面、固定子10の内周側壁及び下端面、更には隔壁31で囲まれる隔離領域12を構成する。回転子9の影響を受ける潤滑油3を隔離領域12内の潤滑油3に限定することにより、回転子9が潤滑油3を撹拌することによって発生するエネルギーの損失を低減することができる。更に油溜め4にある潤滑油3が撹拌によって飛散されることを防ぐとともに、回転子9の回転軸周りの回転運動エネルギーを得て、遠心力により密閉容器1内の側壁側に潤滑油3が偏在し、切り欠き部15を逆流することを防止することができる。
1 密閉容器、2 圧縮機構部、3 潤滑油、4 油溜め、5 主軸、6 給油孔、
7 電動機、9 回転子、10 固定子、11,21,31 隔壁、11a 開口部、
12 隔離領域、16 下フレーム。

Claims (1)

  1. 密閉容器の上部に収容され、上記密閉容器内に導入された冷媒を圧縮して密閉容器外へ吐出する圧縮機構部と、上記密閉容器の下部に設けられるとともに上記圧縮機構部の摺動部を潤滑するための潤滑油が貯蔵された油溜めと、内部に給油孔を有し、上端が上記圧縮機構部に連結されるとともに下端が上記潤滑油に浸漬された主軸と、回転子は上記主軸と一体に回転するとともに固定子は上記回転子の外周側に配置されている電動機とを備え、上記回転子の下端部は上記潤滑油に浸漬している回転式圧縮機において、上記主軸が挿通可能であるとともに上記回転子よりも大きな径を有する円形部で構成された開口部が設けられた隔壁を上記固定子に固定し、上記隔壁の下部には上記主軸を回転自在に保持するための下フレームを設け、上記隔壁と上記回転子の下端部と上記固定子の下端部と上記下フレームとにより隔離領域を形成して、上記隔離領域内の上記潤滑油を上記油溜めに貯蔵された他の上記潤滑油から隔離したことを特徴とする回転式圧縮機。
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