JP5565745B2 - モータハウジング構造 - Google Patents

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Description

この発明はモータハウジング構造に係り、特に、モータのステータをモータハウジングに相対回転不可能なように位置決めして固定するキー構造であって、モータハウジングにウォータジャケット等を設けたものに好適なキー構造のモータハウジング構造に関する。
EV、HEV、PHEV、FCV等のハイブリッド車両においては、駆動用のモータ(電動機)またはジェネレータ(発電機)を搭載している。モータは、ステータとロータを備え、ステータをモータハウジング内部に嵌合固定し、ステータに対してロータを回転可能に軸支している。
モータのステータをモータハウジング内部に嵌合固定したモータハウジング構造においては、ステータとモータハウジング間の位置を決める際に、一般的には従来は平行キーが用いられている。この平行キーは、ステータの回転止めの役割も果たしている。
特許第3591354号公報 実開昭55−94950号公報
しかし、平行キーは、軸方向に長く、また径方向へも出っ張るため、水冷式のモータではモータハウジングにウォータジャケットを設ける際に、平行キーのキー溝を避けねばならず、構造に大きな制約があった。そのため、平行キーを用いたモータハウジング構造では、ウォータージャケットをステータのより近くに設けることが出来ず、冷却効率の悪化やモータハウジングの大型化・重量増加を招く問題があった。同様のことは、ステータとモータハウジングをボルト固定したモータのモータハウジング構造にもあてはまるものである。さらに、平行キーを用いるということは、モータハウジング側にもキー溝を設ける必要があり、その工程と加工精度によってはコストアップの要因にもなる問題がある。
一般的な回転体に設けるキー構造では、キーと2つのキー溝とのそれぞれの寸法精度によって位置決めの精度が決まり、周方向にも径方向にも、個々の隙間が累積して精度が低くなるので、極めて高い寸法精度の加工が必要になる。そのため、例えばセットスクリュを設けたキー構造が提案され、高い加工精度を不要としながら組み付け時の精度を高める構造が提案されている。
しかし、キー溝の形成位置は、周方向であっても軸方向であっても、加工のし易い任意の位置を選択して決めていた。また、プーリやギヤ等の回転体では、ウォータジャケットのような非構造体である容量空間が存在しておらず、その形成のための配慮は充分になされていない。
また、キーにかかる周方向の荷重を受けるため、キー溝を設ける部分の肉厚はその荷重に耐えられるように厚くする必要がある。キー溝の深さも必要になるので、キー構造に必要な厚肉部が大きくなる問題がある。
さらに、モータハウジングにウォータジャケットを設ける場合には、そのキー構造を避けて形成する必要があるため、蛇行させて複雑な形状としたり、径方向に拡大するように大型化したりすることが必要となる不都合がある。
ところで、モータのステータのモータハウジングヘの固定に圧入を伴う場合には、キーにかかる周方向の荷重は小さくできる。そのため、固定に圧入を伴うモータハウジング構造の場合には、キー構造の回転止めとしての機能を下げ、キー溝の深さを浅くして、位置決めとしての機能を重視することが考えられる。
この発明は、磁束経路に影響を与えない位置決め構造を提供すること、ウォータジャケットをモータ(とくにステータ外周)に近接させるようにモータハウジングの肉厚を低減できるキー構造を提供すること、モータの冷却効率を高めるウォータジャケット構造を提供すること、などを目的とする。
この発明は、モータハウジング内にモータのステータを固定するモータハウジング構造において、前記モータハウジングに設けられ前記モータを冷却するためのウォータジャケットと、前記ウォータジャケットに冷却水を導入するための入口部と、前記冷却水を排出するための出口部と、前記ステータの外周面に設けられたガイド溝と、前記入口部と前記出口部との間の前記モータハウジングに前記ウォータジャケットを挟んで設けられた雌ねじ部と、前記雌ねじ部に締結されると共に、前記ガイド溝に係合し前記ステータと前記モータハウジングとの位置決めを行う雄ねじと、を備えることを特徴とする。
この発明のモータハウジング構造は、雄ねじがガイドするステータのガイド溝の深さを、磁束経路に影響を与えない程度に浅くできる。このため、このモータハウジング構造は、モータハウジングの位置決めの構造に必要とされる肉厚を抑制でき、軽量化できる。
モータハウジングの側面図である。(実施例) 図1のII−II線による断面図である。(実施例) 図2の矢印III部位の拡大断面図である。(実施例) 図1のIV−IV線による断面図である。(実施例)
この発明は、ステータの外周面に設けたガイド溝と、このステータに外部嵌合するモータハウジングの適所に位置する雌ねじ部に締結した雄ねじとによって、ステータとモータハウジングの位置決めを行うものである。
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図1・図2において、1は例えばハイブリッド車両等に搭載されるモータ、2はステータ、3はロータ、4はモータハウジングである。モータ1は、ステータ2と、ステータ2の内周側に配設されるロータ3と備えている。ステータ2は、図2・図4に示すように、円筒形状のコア5と、コア5の軸方向両端から内周面6を軸方向に延びる溝7に巻掛けられたコイル8とからなる。ロータ3は、回転軸9によりステータ2の内周側において回転可能に軸支されている。
前記モータハウジング4は、図4に示すように、コア5の外周側に配設される円筒形状の周壁部10と、周壁部10の軸方向両端に設けた環状部11・12とからなる。環状部11・12は、周壁部10よりも径方向で外方に突出する形状を有している。軸方向一端の環状部11は、開放されている。軸方向他端の環状部12は、径方向の内方に延びる隔壁部13を備え、中心にロータ3の回転軸9を軸支する軸支孔14を設けている。ステータ2は、図2に示すように、コア5の外周面15をモータハウジング4の周壁部10の内周面16に嵌合して固定している。
モータ1のステータ2のコア5の外周面15には、図3・図4に示すように、軸方向に延びるガイド溝17を設けている。ガイド溝17の深さは、ステータ2が発生する磁束経路に影響を及ぼさない程度に浅くしている。このステータ2のコア5に外部嵌合するモータハウジング4には、周壁部10に雌ねじ部18・19を設けている。2つの雌ねじ部18・19は、ステータ2のコア5の軸方向の両端付近それぞれに配設するように周壁部10に設けている。雌ねじ部18・19には、位置決め用の雄ねじ20・21が締結される。雄ねじ20・21は、ヘッドや座がないネジ軸形状に形成され、後端部にドライバ等の工具を挿入する工具用孔22・23を備えている。
モータ1は、モータハウジング4に対して、軸方向に一直線上に開けられた雌ねじ部18・19に、位置決め用の雄ねじ20・21をねじ込んで締結し、この雄ねじ20・21の先端部にステータ2のコア5の外周面15に設けたガイド溝17を係合し、雄ねじ20・21によりガイド溝17をガイドにしてステータ2のコア5をモータハウジング4に嵌合することで、ステータ2とモータハウジング4との位置決め及び相互回転止めを行う。
このように、このモータハウジング構造は、雄ねじ20・21がガイドするステータ2のガイド溝17の深さを、磁束経路に影響を与えない程度に浅くできる。このため、このモータハウジング構造は、モータハウジング4の位置決めの構造に必要とされる肉厚を抑制でき、軽量化できる。
このモータハウジング構造は、ステータ2及びモータハウジング4それぞれの自己形状を保持する高い剛性を利用して、ステータ2の外周面15をモータハウジング4の内周面16に押し付けることによって、比較的小さいねじの軸力であっても摩擦によって大きな固定力を発揮することができる。
雄ねじ20・21は、ねじ山を形成する面で剪断力を受ける構造ではないので、モータ1のステータ2の外周面15に設けたガイド溝17の溝深さを浅くでき、例えば、雄ねじ20・21のピッチより小さく形成する。これにより、モータハウジング4は、薄肉化、軽量化できる。
雌ねじ部18・19は、ステータ2の軸方向寸法の両端付近それぞれに配設することによって、個々のねじの荷重分担を小さくできる。雄ねじ20・21は、それぞれのねじ先端面の径を小さくできるので、ステータ2の外周面15に設けるガイド溝17の幅を小さくできる。
キー兼用ボルトの雄ねじ20・21を締結する雌ねじ部18・19では、雌ねじ形成範囲を、モータハウジング4にステータ2を嵌合する嵌合面(内周面16)に対し径方向での外方位置(拡径位置)に設けている。雌ねじ部18・19は、雌ねじ形成範囲を小さく抑えている。位置決め用の雄ねじ20・21は、ヘッドや座がない特殊ボルトを利用している。雄ねじ20・21は、ガイド溝17に突入する先端部を溝形状に合わせた形状としても良い。また、雄ねじ20・21には、後端部側に弛み止め用のナットを追加して締結しても良い。
前記モータハウジング4は、図4に示すように、ステータ2の周囲外部に位置する周壁部10にウォータジャケット24を備えている。ウォータジャケット24は、モータハウジング4の周壁部10の内周側の内周壁25と、内周壁25の軸方向両端から径方向で外方にそれぞれ立ち上がる端壁26・27と、ステータ2の周壁部10の外周側において前記両端壁26・27の外周縁に連続する外周壁28と、により囲まれて形成される。ウォータジャケット24を形成する周壁部10の両端壁26・27には、前記雌ねじ部18・19を設けている。
これにより、このモータハウジング構造は、雌ねじ部18・19を避けるためにウォータジャケット24を蛇行させる必要がなく、ウォータジャケット24を形状が複雑にならないように形成できる。このため、このモータハウジング構造は、水冷式のモータハウジング4を大幅に軽量にできる。ウォータジャケット24の水路形状を、ステータ2のコア5に対して1周取り囲むように構成した場合は、水路の直径(図4に一点鎖線で示すモータ軸中心を基準)を小さくすることができ、結果としてモータハウジング4の重量をキログラム単位で軽量化することも可能になる。
また、前記雌ねじ部18・19は、ステータ2の軸方向の両端付近それぞれに配設しているので、雌ねじ部18・19に邪魔されることなく、ウォータジャケット24の幅を大きくできる。即ち、図4に示すように、ウォータジャケット24の幅は、ステータ2のコア5の幅w1に近づけるように幅w2を大きくでき、雌ねじ部18・19を設けた部位においても幅w2に近い幅w3を確保することができる。このため、このモータハウジング構造は、冷却によってモータ1の駆動効率を高めたり、耐久性を確保したりすることができる。
モータハウジング4は、ウォータジャケット24を形成する周壁部10内部にキー兼用の雄ねじ20・21(位置決め用ねじ)を締結する雌ねじ部18・19を設けている。ステータ2の周囲に帯状に延出して存在するウォータジャケット24を形成する周壁部10のうち、モータハウジング4の軸方向両端において径方向に沿う両端壁26・27は、ステータ2の軸方向に離間して対を成しており、これらの両端壁26・27それぞれにキー兼用の雄ねじ20・21を締結する雌ねじ部18・19を設けている。雌ねじ部18・19及び両端壁26・27は、共肉によって剛性を確保しながら、ウォータジャケット24の断面積の幅w2をステータ2のコア5の幅w1(軸方向寸法)と同寸に近づくよう、できる限り大きく確保することができる。
モータハウジング4のウォータジャケット24は、モータ1の軸方向から見て円環状となるように、かつ断面が扁平となるように、帯状の水路形状に形成している。ウォータジャケット24は、図1・図2に示すように、モータ1の回転軸9を挟んで、径方向において対極となる位置に互いに分かれるよう配設した下方の入口部29と上方の出口部30とによって、冷却水をそれぞれ導入して排出する。相対的に低い側となる位置の入口部29から入った冷却水は、ウォータジャケット24に入るとすぐ周方向に2分され、それぞれ半円を描くように流れながら熱交換を行う。熱交換により、冷却水は温められ、モータハウジング4は冷却される。温度の高くなった冷却水は、相対的に高い側となる位置の出口部30直前で合流し、出口部30から排出される。
ほぼ帯状に形成されたウォータジャケット24は、シンプルな断面形状としつつ、表面積を大きくすることにより、効率的に熱交換を行うことができる。ウォータジャケット24は、シンプルな断面形状とすることで、流速を高めて単位時間当たりの冷却効率を高めることができる。この熱交換によって、モータ1の発熱を抑え、モータ1の駆動効率を高めることができる。
モータハウジング4の外周面31には、図1に示すように、モータ1の軸方向に沿うように伸びる補強リブ32が、複数条設けてある。この補強リブ32は、概略筒形状に形成されたモータハウジング4の軸方向両端の外周部として形成された2つの環状部11・12を連結するように設けてある。この補強リブ32を設けたモータハウジング4が、剛性を確保しながらハウジングの肉厚を薄くできることにより、ウォータジャケット24の冷却水路と補強リブ32との距離を短縮することができる。その為、モータハウジング4の肉厚で、内部の熱伝導が進むとともに肉厚の容量が少ないことにより、空冷フィンの役目を果たす補強リブ32を含めたモータハウジング4の表面から外気への放熱効果を高めることができる。環状部11・12は、他のケーシングとの接合面(シール面)33・34を形成する。
前記雌ねじ部18・19は、その複数の補強リブ32に挟まれた範囲であって、かつ、それら複数の補強リブ32を連結するように伸びるウォータジャケット24の外周壁28を利用して設けてある。補強リブ32は、ウォータジャケット24の断面形状の変形を避けることができ、外周壁28との共肉化によって重量増加を最小限に抑えることができ、図4に示すように、モータハウジング4の周壁部10の厚さt1に対してウォータジャケット24の厚さ(高さ)t2を大きくすることができる。なお、雌ねじ部19・20の上面は、複数の補強リブ33の稜線を結ぶ仮想平面より低くなる位置に形成してある。
また、複数条設けた補強リブ32の間の外周壁28には、雌ねじ部18・19とともに、ウォータジャケット24に臨む位置に厚肉のボス部35が設けてある。厚肉のボス部35は、ウォータジャケット24を形成するために必要となる中子を除去するための加工孔であり、盲栓36を嵌合することによって閉塞するものである。ボス部35は、剛性を高くすると同時に、雌ねじ部18・19と加工方向をおなじ角度とすることができ、作業性を向上できる。
なお、ウォータジャケット24の水路形状は、円環状で断面が扁平となるように帯状の水路形状に形成したが、スパイラル形状とすることもできる。ウォータジャケット24の水路形状を、ステータ2のコア5に対してスパイラル状に構成した場合でも、水路の直径(図4に一点鎖線で示すモータ軸中心を基準)を小さくすることができ、結果としてモータハウジング4の重量を軽量化することが可能になる。
この発明は、ステータの外周面に設けたガイド溝と、このステータに外部嵌合するモータハウジングの雌ねじ部に締結した雄ねじとによって、ステータとモータハウジングの位置決めを行うものであり、一般的な回転体のキー構造に応用が可能である。
1 モータ
2 ステータ
3 ロータ
4 モータハウジング
5 コア
8 コイル
9 回転軸
10 周壁部
11・12 環状部
15 外周面
16 内周面
17 ガイド溝
18・19 雌ねじ部
20・21 雄ねじ
24 ウォータジャケット
25 内周壁
26・27 端壁
28 外周壁
29 入口部
30 出口部
32 補強リブ
35 ボス部
36 盲栓

Claims (2)

  1. モータハウジング内にモータのステータを固定するモータハウジング構造において、
    前記モータハウジングに設けられ前記モータを冷却するためのウォータジャケットと、
    前記ウォータジャケットに冷却水を導入するための入口部と、
    前記冷却水を排出するための出口部と、
    前記ステータの外周面に設けられたガイド溝と、
    前記入口部と前記出口部との間の前記モータハウジングに前記ウォータジャケットを挟んで設けられた雌ねじ部と、
    前記雌ねじ部に締結されると共に、前記ガイド溝に係合し前記ステータと前記モータハウジングとの位置決めを行う雄ねじと、
    を備えることを特徴とするモータハウジング構造。
  2. 前記雌ねじ部は、前記モータハウジングに設けられた複数の補強リブに挟まれた範囲に形成されることを特徴とする請求項1記載のモータハウジング構造。
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