JP5582479B2 - 気泡除去方法および気泡除去装置 - Google Patents

気泡除去方法および気泡除去装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体に含まれる気泡を除去する方法、および液体に含まれる気泡を除去する装置に関するものである。
高粘性流体の気泡の除去は、その粘性のため、容易ではなく、さまざまな脱泡方法が用いられてきた。非特許文献1に述べられている従来の脱泡方法の原理と特徴を簡潔に述べる。
1.静置法
被脱泡溶液を大型タンク等で静置し、気泡と液体の密度差による浮力を推進力として、気泡表面での粘性力とがバランスして決定される自然上昇速度により気泡を除去する方法である。
2.昇温法
この方法は、被脱泡溶液を加熱し、その溶液粘度を低下させ、気泡の自然上昇速度を向上させる方法である。
3.真空脱泡
被脱泡溶液を減圧状態に置くことにより、気泡径を増大させ、浮力の増加により気泡の自然上昇速度の加速による脱泡方法である。温度上昇を行わない特長があり、加熱により反応する物質等に有効である。
これに関して特許文献1には、減圧を利用したエマルジョン用の連続脱泡装置が示されている。この連続脱泡装置は、直立又は円周側に傾斜して設けられた同心円状の下部衝突板を有する円盤状の底板と、該下部の衝突板と交互に位置しかつ垂下又は円周側に傾斜して設けられた同心円状の上部衝突板を有し、前記底板により支持された天板とから構成される中空の円盤状回転体を収納するとともに、該円盤状回転体の中心部へ気泡含有液体を供給する管路ならびに減圧用手段を備えている減圧容器からなる。
また、特許文献2には、ロール上の塗料に混入した気泡の連続脱泡装置が示されている。この連続脱泡装置は、塗料中に混入した気泡を真空室で除去する連続脱泡装置であって、大気中より真空室内へ塗料を転送するロールと、真空室から大気中へ塗料を排出するロールと、これらのロールと真空室壁との間を真空シールするロール群とからなる脱泡ロール手段と、真空室から塗料を排出するロール上の脱泡済塗料を回収する塗料回収手段とを、具備する。
4.遊星攪拌による遠心脱泡
気液の密度差を利用した脱泡方法である。遊星攪拌による遠心脱泡は容器内に入れた気泡を遠心力により容器内壁に衝突させ、細かく破砕、細かくなった気泡を溶液に溶解させ脱泡を行う方法である。一方、遊星攪拌を用いない連続式の遠心脱泡では、次の2つの特許が公開されている。
特許文献3は、多段遠心脱泡装置に関するものである。遠心力を液体に働かせる回転筒を幾重にも配して、その上部にリング状の飛散邪魔部品を設けて、飛散する液状物質をいったん受けとめることにより、順々に幾重にも遠心脱泡する。また、注入口より連続的に液状物質を入れながら、脱泡済みの液を連続的に回収するようにすれば、製造ラインなどに組み入れて連続的に運転することも可能であることが述べられている。
特許文献4は、連続脱泡装置に関するものである。真空容器内にモータで回転する回転筒を配し、その中に、注入ポンプによって注入口より液状物質を入れ、遠心力により回転筒の上部から真空容器の壁面方向に液状物質を飛ばし、脱泡された液状物質が真空容器の下部にたまるのを、装置液面センサによって感知し、排出口より排出ポンプにて排出する。真空容器の下部にたまる脱泡済み液状物質の液面が適当な範囲にあるよう、液面センサを設けて制御盤により排出ポンプをコントロールすれば、元々の泡含有率に関わりなく、自動的に連続脱泡できる、と述べられている。
特許文献5や非特許文献2に示された方法は、容積が変化できる構造を有する容器(密閉容器)を用い、気泡が含まれる粘性流体を容器に封入し、容器の容積を振動を用いて変化させ、容器内の減圧・加圧を交互に行うことにより気泡の体積を増加・減少し、気泡を除去する気泡除去方法である。
すなわち、この従来技術では、粘性流体は非圧縮性流体であり、気泡は圧力に応じて体積が変化するので、容器内の減圧・加圧を交互に行うことにより気泡の体積が増加・減少する。気泡の体積が増加・減少することで、気泡周囲に剪断流れが発生する。
この従来技術で用いられる粘性流体は、剪断により見かけ粘度が低下する性質を有している。このため、気泡周囲に剪断流れが発生することで気泡近傍における粘性流体の見かけ粘度が低下するので、気泡の自然上昇に対する粘性抵抗が減少して、気泡の自然上昇速度が増加する。その結果、粘性流体から気泡を除去することができる。
特開平7−144104号公報 特開平7−100423号公報 特開平8−187404号公報 特開平8−131711号公報 特開2007−54680号公報 実開平5−51405号公報
2005年、泡のエンジニアリング、石井 淑夫ら編、テクノシステム 岩田修一、内田信悟、石田和人、森秀樹共著、化学工学論文集、第33巻、第4号、2007年、294〜299ページ
しかし、上記従来技術には次のような問題点があった。
1.静置法では、脱泡のために長時間、静置する必要があるという問題点が指摘される。連続的に操作を行うことは可能であるが、大型タンクを用いる場合、長時間滞留するため、不安定な物質は分解したり、また、排出部での複雑な流れにより、気泡が巻き込まれてしまう可能性がある。
2.昇温法では、温度上昇により物性が変わる熱硬化樹脂原料や熱的に不安定な物質が含まれる場合には適用することができない。また、分離の原理は浮力の差を利用することであり、連続処理に関しても静置法と同じ問題点が指摘される。
3.真空脱泡では、被脱泡溶液に揮発性成分を含む場合、圧力の減少により溶液中の揮発性成分が蒸発し、溶液の性質が変化するため、この方法を用いることはできない。また、溶液中の圧力は液高さに依存することから、深さが増すほど脱泡の効果が減衰する問題点も指摘される。連続的に脱泡処理を適用する場合、溶液圧力を徐々に下げる方法が困難であり、ある時点で溶液中の揮発成分が急激に揮発することが考えられる。また真空系を用いることから、設備費が高くなるという問題点も指摘される。
4.遊星攪拌を用いた遠心脱泡方法はバッチ式であり、一度に処理できる量が少ないという問題がある。また、モ−タによる公転中心から遠く離れたカップの底側にベルトや歯車を配置して該カップに遊星運動をさせているので、回転に伴う遠心力によりベルトや歯車の摩耗が激しくて故障の発生が多く、また、構造も複雑になり、回転体の質量が大きく上回ることから、コストが高くなる問題点が指摘される。
特許文献1の装置では、粘弾性流体に対しては、液が回転体から飛散するときに、液の伸長粘度が増加し、糸引き現象が起こる。この際、界面は急激に増加するため、多量の気泡が混入する可能性が指摘される。
特許文献2の方法では、揮発性成分を含む場合、圧力の減少によりそれらは揮発し、溶液の性質が変化するため、適用することはできない。また、回転するロールを含む真空室を作る構造は複雑であり、真空ポンプなど付帯設備も必要であることが指摘される。
特許文献3や特許文献4の方法では、粘弾性流体に対しては、回転体から液が飛散する時に、液の伸長粘度が増加し、糸引き現象が起こる。円盤状の回転体から円盤状の底板に移動する時に、糸引き現象により界面は急激に増加するため、気泡が混入する可能性が指摘される。
圧力振動を利用した脱泡方法である特許文献5や非特許文献2の方法は、粘性流体に対し脱泡効果は示されているものの、密閉容器を用いたバッチ式の気泡除去方法であるので、気泡を効率良く除去できないという問題がある。
なお、特許文献6には、非密閉容器の内部に液体を通過させながら連続的に気泡を除去する脱泡装置が記載されているが、この従来技術は、水(低粘性流体)に含まれる気泡を除去するものに過ぎず、高粘性流体に含まれる気泡の除去に関して何ら言及されていない。すなわち、特許文献5のように気泡の体積を増加・減少させて気泡の自然上昇速度を増加させることは、特許文献6に何ら言及されていない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、液体に含まれる気泡を効率良く除去することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、剪断が生じると粘度が低下する液体から気泡を除去する気泡除去方法であって、
液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、容器の容積を増加・減少させる手段と、容器の内部と外部との間での液体の流通に抵抗を与える手段とを用い、
液体が容器の内部を抵抗に抗して通過するようにするとともに、容器の容積を増加・減少させる手段によって容器の容積を増加・減少させ、
容器の容積を増加・減少させる手段と液体の流通に抵抗を与える手段とにより、容器の容積の増加・減少に伴って容器の内部を減圧・加圧させることを特徴とする。
これによると、液体が容器の内部を通過するようにすることと、容器の容積を増加・減少させて容器の内部を減圧・加圧することとを両立できる。このため、容器の内部を通過する液体に含まれる気泡の体積を増加・減少させて気泡の自然上昇速度を増加させることができるので、気泡を効率良く除去することができる。
また、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明は、液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、
容器に対して作動して容器の容積を増加・減少させる容積変化手段と、
容器の内部と外部との間での液体の流通に抵抗を与える手段とを備え、
容積変化手段が容器の容積を増加・減少させると、液体の流通に抵抗を与える手段により容器の内部が減圧・加圧されることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記発明における「剪断が生じると粘度が低下する液体」とは、剪断速度の全範囲において溶液の粘度が剪断によって下がる液体のみを意味するものではなく、剪断速度の一部の範囲において溶液の粘度が剪断によって下がる液体をも含む意味のものである。
本発明の第1実施形態における連続脱泡装置の全体構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における溶液のレオロジー特性を示す図である。 本発明の第1実施形態における一定圧力条件における気泡の軌跡を示す図である。 本発明の第1実施形態における圧力振動条件における気泡の軌跡を示す図である。 本発明の第2実施形態における圧力振動を与えることにより気泡の分離が成功した事例を示す図である。 本発明の第3実施形態における連続脱泡装置の全体構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における圧力振動条件において、気体を保持する構造の有無により気泡が移動した位置を比較した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態では、気泡を装置内部で発生させ、本発明を用いない場合での気泡の移動軌跡と、本発明を用いた場合の気泡の移動軌跡を比較し、本発明の効果を説明する。
図1に示すように、装置は、容器1と、振動発生器2と、高圧マイクロフィーダー3と、ビーカーを載せた電子天秤4,5とからなる装置を用い、容器1中の気泡を一方の出口に移動させることにより気泡を分離する。具体的には、容器1には、1つの液の入口(液体入口)と2か所の液の出口(液体出口)A,Bがあり、可視化用のサイトグラス6により気泡の軌跡を確認することができる。
出口Aは、容器1の上方側部位に位置する上方側出口であり、出口Bは、出口Aよりも下方側に位置する下方側出口である。高圧マイクロフィーダー3は、容器1の入口に液体を送る。容器1の入口に送られた液体は、容器1の内部を出口A、Bに向かって流れる。
振動発生器2は、容器1の下部に取付けられた膜状の可動部に接続されており、容器1に圧力振動(内圧振動)を与える。本例では、容器1の可動部はゴム等の弾性体で構成されており、振動発生器2は容器1の可動部を弾性変形させるようになっている。これにより、容器1の容積を増加・減少させることができる。
また、容器1に接続された配管部にバルブ(絞り弁)7,8,9を設置し、それらの弁開度を調節する(弁開度を非常に小さく絞る)ことにより、容器1の圧力振動(内圧振動)を保持することと、出口側の流量比を設定する。
バルブ7,8,9の弁開度を非常に小さく絞っているので、バルブ7,8,9の流路抵抗は非常に大きくなる。これにより、振動発生器2が容器1の容積を増加・減少させると、容器1の内部が減圧・加圧されることとなる。高圧マイクロフィーダー3は、バルブ7,8,9の流路抵抗に抗して液体を圧送する。
すなわち、バルブ7,8,9は、容器1の内部と外部との間での液体の流通に抵抗を与える手段をなし、高圧マイクロフィーダー3は、液体がバルブ7,8,9の抵抗に抗して容器1の内部を通過するように液体を圧送する手段をなす。
本例では、高圧マイクロフィーダー3の圧送圧力を0.4〜5気圧程度にしているが、これ以下またはこれ以上の圧送圧力にしてもよい。好ましい圧送圧力は、気泡の大きさや振動発生器2の能力と関係がある。すなわち、大きな気泡は容易に収縮するので、高圧マイクロフィーダー3の圧送圧力が低くても大きな気泡の脱泡効果を得ることができる。また、振動発生器2の能力が高ければ、高圧マイクロフィーダー3の圧送圧力が高くても気泡を膨張・収縮することができるので脱泡効果を得ることができる。
なお、高圧フィーダー脱泡用の気泡の導入については、所定の時間だけ定電圧発生装置10を通電し、容器1内部に取付けられた電極より気泡を発生させる方法を用いた。
なお、サイトグラスと、定電圧発生装置と、電極については、気泡の分離効果を検証するために用いたものであり、本発明の方法ならびに装置には必ずしも必要ではない。
本実施形態で説明に用いた試料(高粘性流体)は、0.700wt%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液であり、粘度曲線を図2に示す。図2からわかるように、本試料(0.700wt%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液)は、剪断速度(Shear rate)の増加に伴い粘度(Shear viscosity)が低下する性質(Shear thinning性)を有している。
ここで、連続脱泡における好ましい態様の一つにおいては、溶液の粘度が剪断によって下がることである。換言すれば、溶液としては、剪断が生じると粘度が低下する液体が好適である。
なお、溶液としては、剪断速度の全範囲において溶液の粘度が剪断によって下がる液体に限定されず、剪断速度の一部の範囲において溶液の粘度が剪断によって下がる液体であればよい。すなわち、気泡近傍に発生する剪断速度の範囲内において、溶液の粘度が剪断によって下がるようになっていればよい。したがって、溶液としては、非ニュートン流体やビンガム塑性流体等が好適である。
しかし、粘度が剪断に依存しないニュートン流体でも本実施形態による脱泡効果は期待できる。粘性流体としては、塗料、コーティング剤、ポリマー、ペースト、スラリーなど、このような粘性流体の要件を満たしていればよい。
振動を与える周波数は、本実施形態では、300Hzを用いたが、好ましくは4000Hz以下の低周波であればよい。例えば150Hzでもよい。すなわち、剪断により気泡近傍の流体粘性が下がれば良いのであり、これには振動の周波数と圧力変動幅の両方が関係する。
300Hzの圧力振動を与える場合と与えない場合について、気泡の移動特性を比較した。図1の紙面裏側より,ストロボライトを周波数300.86Hzで照射し、その様子は、紙面表側にセットした高解像度デジタルビデオカメラにより撮影した。2台の電子天秤を用い、出口の流量をそれぞれ測定した。
はじめに、圧力振動を与えていない圧力一定条件において、気泡が出口Bに流れていくように、下流側(出口A、B側)のバルブ8,9の弁開度をそれぞれ調節した。上流側(入口側)のバルブ7も差圧を付ける様に絞った。本例では、バルブ7,8,9の全開時の開度を100%としたとき、入口側のバルブ7の開度を4%、出口A側のバルブ8の開度を1.3%、出口B側のバルブ9の開度を2.6%に絞った。
この時の供給流量は2.2ml/minであり、流量比は出口A:出口B=1:3であった。図3は、一定圧力下での容器内部における気泡の軌跡である。気泡径は1.94mmであり、自然上昇しながら出口Aに向かって進むが、出口Bに流れる液体の流量が多いため、最終的には出口Bに移動した。
図4は,圧力一定条件と流量を同じに設定し、圧力振動を与えた時の気泡の軌跡である。図中の破線は、前述の図3における気泡の軌跡である。実験開始直後は圧力一定で流し、気泡は図3と同じ軌跡で移動したが、圧力振動を与え始めた時点から、圧力一定条件の軌跡と異なり、容器の上側に気泡が移動し、容器の壁面まで到達した。その後、出口Aに向って気泡は移動した。出口Bから流出する液は連続脱泡装置の処理液(製品)を想定しており、本発明により気泡除去が可能であることを示した。
本実施形態では、容器1に配管部が接続されているので容器1が密閉されていない。このような非密閉の容器1においては、バルブ7,8,9が設置されていない場合、もしくはバルブ7,8,9が設置されていてもバルブ7,8,9の弁開度が大きくされている場合には、振動発生器2によって容器1の容積を増加・減少させると、その分、容器1の内部と外部との間で液体が出入りしてしまうので、容器1の内部を減圧・加圧することができない。
この点、本実施形態では、バルブ7,8,9の弁開度を非常に小さく絞って流通抵抗を非常に大きくしているので、容器1の容積を増加・減少させた場合に、それに伴う容器1の内部と外部との間での液体の出入りを抑制できる。具体的には、容器1の容積を増加させた場合に容器1内に液が流入するのを抑制でき、容器1の容積を減少させた場合に容器から液が流出するのを抑制できる。このため、非密閉の容器1の内部を減圧・加圧することができる。
その結果、容器が密閉されている上記特許文献5と同様に粘性流体に含まれる気泡の体積を増加・減少させることができる。気泡の体積が増加・減少することで、気泡周囲に剪断流れが発生する。この剪断によって粘性流体の見かけ粘度が低下するので、気泡の自然上昇に対する粘性抵抗が減少して、気泡の自然上昇速度が増加する。
一方、高圧マイクロフィーダー3は、バルブ7,8,9の流路抵抗に抗して液体を圧送するので、液体が容器1の内部を入口から出口A,Bへとほぼ一定の流量で通過することができる。このため、出口Aに向って気泡を移動させることができるので、出口Bからは気泡が除去された粘性流体が流出することとなる。
すなわち、本実施形態によると、容器1の容積を増減させても液の流量がほぼ一定に保たれる(容器1内の液の量がほぼ一定に保たれる)ので、容器1の容積を増減させると容器の内圧が増加・減少する。
このため、液体が非密閉の容器1の内部を通過するようにすることと、容器1の容積を増加・減少させて容器の内部を減圧・加圧することとを両立して、連続的に気泡を除去することができる。したがって、上記特許文献5のような密閉容器を用いたバッチ式の気泡除去方法に比べて気泡を効率良く除去することができる。
(第2実施形態)
この第2の実施形態では、図5に示すように、出口Aの流量と出口Bの流量の流量比ξ(≡qB /(qA +qB ))を変化させた。流量qF は、入口の流量であり、出口Aの流量と出口Bの流量を合わせたものである。はじめに、気泡圧力一定条件にて、出口B、すなわち、連続脱泡装置の処理後の液に気泡が混入するように流量比ξを設定した。続いて、同じ流量条件にて300Hzの圧力振動を与えると、図5に示す全ての条件で、気泡は、出口Aに排出された。
(第3実施形態)
この第3の実施形態では、図1に示す連続気泡分離装置に加え、図6に示すように容器1の出口Aの近くに気泡を保持する構造11を新たに設置し、当該保持構造11に気体を設置した。気体保持構造は、容器1の流路に接続されている。
第1実施形態と同様に気泡を容器に発生させた。この時の供給流量は2.2ml/minであり、流量比は出口A:出口B=1:3であった。それぞれ一定として、300Hzの圧力振動を与えた。図7に示すように、気体保持構造11を設置しない場合、気泡は流路分岐部の先端近傍に移動した。一方、気体保持構造11を用いた場合、気泡は、より容器の上側に移動し、分離性能が向上したことが示された。
なお、気体保持構造は、原理的に容器内部の圧力が過度に増加や減少することを抑制する構造であれば良く、当該気体保持構造に換えて、圧力の増加や減少(圧力振動)に対して弾力的に応答する膜で覆われた物体(たとえば、風船)を容器1の装置出口A側の流路に設置してもよい。
上記第1〜第3実施形態は、請求項1に記載のごとく、剪断が生じると粘度が低下する液体から気泡を除去する気泡除去方法であって、
液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、容器の容積を増加・減少させる手段と、容器の内部と外部との間での液体の流通に抵抗を与える手段とを用い、
液体が容器の内部を抵抗に抗して通過するようにするとともに、容器の容積を増加・減少させる手段によって容器の容積を増加・減少させ、
容器の容積を増加・減少させる手段と液体の流通に抵抗を与える手段とにより、容器の容積の増加・減少に伴って容器の内部を減圧・加圧させることを特徴とする。
これによると、液体が容器の内部を通過するようにすることと、容器の容積を増加・減少させて容器の内部を減圧・加圧することとを両立できる。このため、容器の内部を通過する液体に含まれる気泡の体積を増加・減少させて気泡の自然上昇速度を増加させることができるので、気泡を効率良く除去することができる。
上記第1〜第3実施形態は、請求項2に記載のごとく、1つまたは複数の入口ならびに2つ以上の出口を備えた容積が変化できる構造を有する容器を用い、容器内に非ニュートン流体が流れるようにし、容器内の非ニュートン流体の容積を振動により変化させて容器内の減圧と加圧とを行い、これにより非ニュートン流体に含まれる気泡の体積を増加、減少させ、気泡を特定の出口に移動させて、気泡を連続的に除去する気泡除去方法であって、
入口部および出口部のそれぞれに備えた流れの抵抗を保つための手段により容器内部の圧力変化を保持しつつ、容器内の減圧と加圧とを行うことを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
上記第3実施形態は、請求項3に記載のごとく、気泡を含む流れの一部に気体を保持する手段または容器内部の過度の圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段を備えて、気泡を連続的に除去することを特徴とする。
これにより、気泡をより容器の上側に移動させることができるので、気泡を効率的に除去できる。
上記第1〜第3実施形態においては、請求項4に記載のごとく、低周波振動によって容器の容積を増加・減少させることが好ましい。
上記第1〜第3実施形態は、具体的には、請求項5に記載のごとく、容器の内部の流路の構造に気泡を含む流れと気泡を含まない流れに分岐する手段を備えて、気泡を連続的に除去する。
上記第1〜第3実施形態は、請求項6に記載のごとく、液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、
容器に対して作動して容器の容積を増加・減少させる容積変化手段と、
容積変化手段が容器の容積を増加・減少させると容器の内部が減圧・加圧されるように、容器の内部と外部との間での液体の流通に抵抗を与える手段とを備えることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
上記第1〜第3実施形態においては、請求項7に記載のごとく、容積変化手段は、低周波振動によって容器の容積を増加・減少させるものであるのが好ましい。
上記第1〜第3実施形態は、具体的には、請求項8に記載のごとく、容積が変化できる構造は、容器の一部が弾性体になっていることによって構成され、
容積変化手段は、弾性体を弾性変形させるものである。
上記第1〜第3実施形態は、具体的には、請求項9に記載のごとく、液体が抵抗に抗して容器の内部を通過するように液体を圧送する手段を備える。
上記第1〜第3実施形態は、具体的には、請求項10に記載のごとく、複数の液体出口として、容器の上方側部位に位置する上方側出口と、上方側出口よりも下方側に位置する下方側出口とを有し、
容器の内部を減圧・加圧させることにより、上方側出口に気泡を移動させる。
上記第1〜第3実施形態は、請求項11に記載のごとく、1つまたは複数の入口ならびに2つ以上の出口を備えた容積が変化できる構造を有する容器と、
容器内の粘性流体の容積を振動により変化させて容器内の減圧と加圧とを行うための振動発生器と、を備え、
容器内に流れる粘性の容積を振動により変化させて容器内の減圧と加圧を行い、これにより粘性流体に含まれる気泡の体積を増加、減少させ、気泡を特定の出口に移動させて、気泡を連続的に除去する気泡除去方法であって、
さらに、容器の内部の圧力変化を保持するために、入口部および出口部のそれぞれに、流れの抵抗を保つための手段を備えることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
上記第1〜第3実施形態においては、請求項12に記載のごとく、振動は、低周波振動であることが好ましい。
上記第3実施形態は、請求項13に記載のごとく、気泡を含む流れの一部に気体を保持する手段または容器内部の過度の圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段を備えることを特徴とする。
これにより、気泡をより容器の上側に移動させることができるので、気泡を効率的に除去できる。
上記第3実施形態は、具体的には、請求項14に記載のごとく、圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段が、圧力の増加および減少に対して弾力的に応答するものである。
上記第1〜第3実施形態は、具体的には、請求項15に記載のごとく、容器の内部の流路の構造に気泡を含む流れと気泡を含まない流れに分岐する構造を備える。

Claims (15)

  1. 剪断が生じると粘度が低下する液体から気泡を除去する気泡除去方法であって、
    液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、前記容器の容積を増加・減少させる手段と、前記容器の内部と外部との間での前記液体の流通に抵抗を与える手段とを用い、
    前記液体が前記容器の内部を前記液体入口から前記複数の液体出口へと前記抵抗に抗して流れるようにするとともに、前記容器の容積を増加・減少させる手段によって前記容器の容積を増加・減少させ、
    前記容器の容積を増加・減少させる手段と前記液体の流通に抵抗を与える手段とにより、前記容器の容積の増加・減少に伴って前記容器の内部を減圧・加圧させることを特徴とする気泡除去方法。
  2. 1つまたは複数の入口ならびに2つ以上の出口を備えた容積が変化できる構造を有する容器を用い、前記容器内に非ニュートン流体が流れるようにし、前記容器内の非ニュートン流体の容積を振動により変化させて前記容器内の減圧と加圧とを行い、これにより前記非ニュートン流体に含まれる気泡の体積を増加、減少させ、気泡を特定の出口に移動させて、気泡を連続的に除去する気泡除去方法であって、
    前記入口部および前記出口部のそれぞれに備えた流れの抵抗を保つための手段により前記容器内部の圧力変化を保持しつつ、前記容器内の減圧と加圧とを行うことを特徴とする気泡除去方法。
  3. 前記気泡を含む流れの一部に気体を保持する手段または容器内部の過度の圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段を備えて、前記気泡を連続的に除去することを特徴とする請求項1または2に記載の気泡除去方法。
  4. 低周波振動によって前記容器の容積を増加・減少させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の気泡除去方法。
  5. 前記容器の内部の流路の構造に気泡を含む流れと気泡を含まない流れに分岐する手段を備えて、前記気泡を連続的に除去することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の気泡除去方法。
  6. 液体入口および複数の液体出口を有し且つ容積が変化できる容器と、
    前記容器に対して作動して前記容器の容積を増加・減少させる容積変化手段と、
    前記容積変化手段が前記容器の容積を増加・減少させると前記容器の内部が減圧・加圧されるように、前記容器の内部と外部との間での前記液体の流通に抵抗を与える手段とを備えることを特徴とする気泡除去装置。
  7. 前記容積変化手段は、低周波振動によって前記容器の容積を増加・減少させるものであることを特徴とする請求項6に記載の気泡除去装置。
  8. 前記容積が変化できる構造は、前記容器の一部が弾性体になっていることによって構成され、
    前記容積変化手段は、前記弾性体を弾性変形させるものであることを特徴とする請求項6または7に記載の気泡除去装置。
  9. 前記液体が前記抵抗に抗して前記容器の内部を通過するように前記液体を圧送する手段を備えることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載の気泡除去装置。
  10. 前記複数の液体出口として、前記容器の上方側部位に位置する上方側出口と、前記上方側出口よりも下方側に位置する下方側出口とを有し、
    前記容器の内部を減圧・加圧させることにより、前記上方側出口に前記気泡を移動させることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1つに記載の気泡除去装置。
  11. 1つまたは複数の入口ならびに2つ以上の出口を備えた容積が変化できる構造を有する容器と、
    前記容器内の粘性流体の容積を振動により変化させて前記容器内の減圧と加圧とを行うための振動発生器と、を備え、
    前記容器内に流れる粘性の容積を振動により変化させて前記容器内の減圧と加圧を行い、これにより前記粘性流体に含まれる気泡の体積を増加、減少させ、気泡を特定の出口に移動させて、気泡を連続的に除去する気泡除去装置であって、
    さらに、前記容器の内部の圧力変化を保持するために、前記入口部および前記出口部のそれぞれに、流れの抵抗を保つための手段を備えることを特徴とする気泡除去装置。
  12. 前記振動は、低周波振動であることを特徴とする請求項11に記載の気泡除去装置。
  13. 前記気泡を含む流れの一部に気体を保持する手段または容器内部の過度の圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段を備えることを特徴とする請求項6ないし12のいずれか1つに記載の気泡除去装置。
  14. 前記圧力増加もしくは圧力減少を抑制する手段が、圧力の増加および減少に対して弾力的に応答するものであることを特徴とする請求項13に記載の気泡除去装置。
  15. 前記容器の内部の流路の構造に気泡を含む流れと気泡を含まない流れに分岐する構造を備えることを特徴とする請求項6ないし14のいずれか1つに記載の気泡除去装置。
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