JP5583386B2 - ホイップクリーム - Google Patents

ホイップクリーム Download PDF

Info

Publication number
JP5583386B2
JP5583386B2 JP2009262165A JP2009262165A JP5583386B2 JP 5583386 B2 JP5583386 B2 JP 5583386B2 JP 2009262165 A JP2009262165 A JP 2009262165A JP 2009262165 A JP2009262165 A JP 2009262165A JP 5583386 B2 JP5583386 B2 JP 5583386B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
whipped cream
mass
fatty acid
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009262165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011103809A (ja
Inventor
俊裕 島田
俊介 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2009262165A priority Critical patent/JP5583386B2/ja
Publication of JP2011103809A publication Critical patent/JP2011103809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5583386B2 publication Critical patent/JP5583386B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

本発明は、乳化安定性が良好であり、低油分含量であってもホイップタイムが長すぎたりオーバーランが過大になったりすることがなく、また、ホイップ後の造花性、保型性、口溶けが良好であるホイップクリームを得ることができるホイップクリーム用ハードストック、及びこれらの特徴を有するホイップクリームに関する。
乳蛋白質、乳化剤、水、油脂を水中油型に乳化して得られた水中油型乳化物は、牛乳から得られた生クリーム同様起泡性を有することから起泡性水中油型乳化脂あるいはホイップクリームと称される。そして起泡したものはホイップドクリームと称され、製菓・製パン用をはじめ、調理用としても広く使用されている。
このホイップドクリームは、水分含量が高くそのうえ乳化形態が水中油型であることから、口溶けは極めて良好であるが、その骨格が緩く繋がった油脂球によって形成されていることから、特に口溶けの点で液状油成分を多く使用すると、もどり現象により経時的に保型性を失ったり、耐熱性が低下し、使用油脂の融点より相当下の温度環境下であっても溶解して急激に保型性を失ってしまう。この問題点を改善するために高融点油脂を配合しようとすると、大量の高融点油脂を配合する必要があるが、水中油型乳化物では少量の高融点油脂の配合でも口溶けの悪化を感じやすい。
それらの点から、このホイップクリームに使用する油脂としては、低融点油脂(液状油成分)が多すぎないこと及び高融点油脂の使用量は極力少なくすることが求められており、そのため複数の油脂を混合して使用する場合、口溶けが良好であり、且つ、液状油成分をあまり含まない点において、融点が30〜40℃の範囲内の油脂を2〜数種類ブレンドすることを基本としてきた。
このように、ホイップクリーム用の油脂配合は、融点幅の狭い複数の油脂を組み合わせるのを基本としている点で、マーガリンやショートニング等の油中水型の乳化形態や水相を含まない油脂を連続相とする可塑性油脂が、液状油成分と高融点油脂(ハードストック)をブレンドすることで広い温度域での可塑性を得ているのとは、極めて対照的である。
上記のような目的から、ホイップクリーム用の油脂としては、液状油成分含量が低いにも拘わらず良好な口溶けが得られる点で、ヤシ油やパーム核油等、短鎖脂肪酸を主体とするラウリン系油脂が多く使用されてきた。
ここで、最近では、健康志向の高まりから、あるいは、より口溶けの良好なホイップドクリームを指向し、従来のホイップクリームの油分含量が生クリーム同様45%前後であったところ、油分含量を40%以下とした低油分ホイップクリームが求められるようになってきている。
この低油分ホイップクリームから得られたホイップドクリームは、その骨格となる油脂が更に少ないことから、保型性がさらに脆弱となるため、水相に増粘多糖類を配合してホイップドクリーム自体を硬くする方法を除くと、油相の融点を全体的に高融点にシフトさせる方法しかなく、その場合、当然にして口溶けが悪化するという問題があった。また、低油分ホイップクリームでは、水相含量が増えることから、オーバーランが高くなり、ふわふわしたコシのないホイップドクリームになってしまう。さらに低油分ホイップクリームから得られたホイップドクリームは、菊型や星型等の口金で絞った際に、そのエッジが出にくい(造花性が悪い)という問題もあった。
このような問題点のある低油分ホイップクリームにおいて、油相の配合の面から改良する方法として、ラウリン系油脂とSUS型油脂を組み合わせる方法(例えば特許文献1〜3参照)、特定の乳化剤を使用する方法(例えば特許文献4参照)、特定のエステル交換油脂に極度硬化油脂を組み合わせる方法(例えば特許文献5参照)、ラウリン系油脂の硬化油を使用する方法(例えば特許文献6参照)等の方法が提案されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の方法であると、ホイップ後の造花性や耐熱性が低下する問題があり、特許文献4に記載の方法であると、乳化剤により口溶けや風味が悪くなる問題がある。また、特許文献5に記載の方法は、使用するエステル交換油脂の融点が低いものであるため極度硬化油を多く使用する必要があり、そのため口溶けが悪化する問題があり、特許文献6に記載の方法であると、起泡時間(ホイップタイム)が長くかかる問題があった。
このように、低油分ホイップクリームにおける諸問題を油脂配合で解決しようとする場合に、良好なホイップ性を有し、且つ、得られるホイップドクリームの口溶け、保型性、耐熱性及び造花性が良好となるような低油分ホイップクリーム用の高融点油脂(ハードストック)は今まで得られていなかった。
特開平05−328928号公報 特開平08−70807号公報 特開平05−219887号公報 特開2004−208639号公報 特開2006−254805号公報 特開2009−50235号公報
本発明は、乳化安定性が良好であり、低油分含量であってもホイップタイムが長すぎたりオーバーランが過大になったりすることがなく、また、ホイップ後の造花性、保型性、耐熱性及び口溶けが良好であるホイップクリームを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討したところ、従来のホイップクリームの油脂配合の常識と全く逆に、ホイップクリームの油相を、低融点油脂と高融点油脂の組み合わせとし、該高融点油脂としての特定のエステル交換油脂を使用した場合、ホイップ性が良好であること、造花性、保型性、耐熱性及び口溶けが良好であるホイップドクリームが得られることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記ホイップクリーム用ハードストックを、油相中に、該油相中の全油脂量基準で5〜40質量%含有し、油相のSFC(固体脂含量)が10℃で50〜70、25℃で5〜25であり、油相中のトリグリセリドの組成が下記の条件(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とするホイップクリームを提供するものである。

ホイップクリーム用ハードストック:構成脂肪酸組成において炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20〜50質量%であり炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が35〜70質量%である油脂配合物を、ランダムエステル交換してなる。

条件(1)〜(5):
(1)SSSの含有量が70〜90質量%
(2)P及び/又はStのみからなるSSSの含有量が0.5〜5質量%
(3)S2Uの含有量が10〜20質量%
(4)SU2の含有量が5質量%以下
(5)UUUの含有量が2質量%以下
(但し、
SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド、
S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、
SU2:Sが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド、
UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド、
S:飽和脂肪酸、
U:不飽和脂肪酸、
P:炭素数16の飽和脂肪酸、
St:炭素数18の飽和脂肪酸である)。
本発明のホイップクリーム用ハードストックを使用すると、低油分含量であってもホイップタイムが長すぎたりオーバーランが過大になったりすることがなく、また、ホイップ後の造花性、保型性、耐熱性及び口溶けが良好であるホイップクリームを得ることができる。
以下、本発明のホイップクリーム用ハードストックの好ましい実施形態について詳述する。
まず、本発明のホイップクリーム用ハードストックに用いられるエステル交換油脂について述べる。
上記エステル交換油脂は、油脂配合物をランダムエステル交換して得られる油脂である。該油脂配合物は、構成脂肪酸組成において、炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20〜50質量%、好ましくは30〜45質量%であり、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が35〜70質量%、好ましくは40〜65質量%である。
なお、上記油脂配合物においては、炭素数構成脂肪酸組成において炭素数4以下の飽和脂肪酸は1質量%以下とすることが好ましい。
また、上記油脂配合物においては、炭素数構成脂肪酸組成において炭素数20以上の飽和脂肪酸は2質量%以下とすることが好ましい。2質量超であると得られるホイップクリームの口溶けが悪化してしまうおそれがある。
上記油脂配合物は、その構成脂肪酸中に炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂、及びその構成脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂を用いて、上記構成脂肪酸組成となるように配合することにより得ることができる。上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂において、炭素数14以下の飽和脂肪酸の含有量は、その構成脂肪酸中に好ましくは30〜100%、より好ましくは65〜100%である。上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂において、炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量は、その構成脂肪酸中に好ましくは30〜100%、より好ましくは70〜100%である。
上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂としては、例えば、パーム核油、ヤシ油、ババス油、並びにこれらに対し硬化、分別及びエステル交換のうちの1種又は2種以上の操作を施した油脂を挙げることができ、これらの油脂の中の1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、好ましくはパーム核油及び/又はヤシ油を使用する。
また、上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂としては、例えば、パーム油、米油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油(キャノーラ油)、ハイエルシンナタネ油、カカオ脂、ラード、牛脂、豚脂、魚油並びにこれらに対し硬化、分別及びエステル交換のうちの1種又は2種以上の操作を施した油脂を挙げることができ、これらの油脂の中の1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、好ましくは、パーム硬化油、大豆硬化油、米硬化油及びコーン硬化油の中の1種又は2種以上、さらに好ましくはこれらの中でも飽和脂肪酸含量を最大限に高めた極度硬化油、すなわちパーム極度硬化油、大豆極度硬化油、米極度硬化油及びコーン極度硬化油の中の1種又は2種以上、最も好ましくはパーム極度硬化油を使用する。
上記油脂配合物において、上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂は、上記油脂配合物の構成脂肪酸組成において、炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20〜50質量%、好ましくは30〜45質量%となるように配合される。ここで、炭素数14以下の飽和脂肪酸が20質量%未満であると、口溶けが悪くなる。また、炭素数14以下の飽和脂肪酸が50質量%より多いと、ホイップ後に造花性と耐熱性の悪い物性となる。
また、上記油脂配合物において、上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂は、上記油脂配合物の構成脂肪酸組成において、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が35〜70質量%、好ましくは40〜65質量%となるように配合される。ここで、炭素数16以上の飽和脂肪酸が35質量%より少ないと、ホイップ後に造花性と耐熱性の悪い物性となる。また、炭素数16以上の飽和脂肪酸が70質量%より多いと、口溶けが悪くなる。
なお、上記油脂配合物には、その構成脂肪酸組成における炭素数14以下の飽和脂肪酸の含量及び炭素数16以上の飽和脂肪酸の含量が上記の範囲であれば、その他の油脂を加えてもよい。
そして、上述した油脂配合物に対し、ランダムエステル交換を行なうことにより、エステル交換油である本発明のホイップクリーム用ハードストックが得られる。該ランダムエステル交換の方法は、常法によればよく、例えばリパーゼ等の酵素による方法でも、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒による方法でもよく、特に制限されるものではない。
上記ホイップクリーム用ハードストック用ハードストックは、その構成脂肪酸組成において、不飽和脂肪酸含量が5〜15質量%、特に6〜13質量%であることが好ましい。不飽和脂肪酸が5質量%未満であると、口溶けが悪くなる場合がある。また、不飽和脂肪酸が15質量%より多いと、ホイップ後に造花性と耐熱性の悪い物性となる場合がある。
本発明のハードストックは、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「トランス脂肪酸を実質的に含有しない」とは、ハードストックの全構成脂肪酸中、トランス脂肪酸含量が好ましくは5質量%未満、さらに好ましくは2質量%以下であることをいう。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂には、通常、構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
ここで、本発明のハードストックに用いられる上記油脂配合物に使用する油脂として、部分水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有するハードストックを製造することが可能であり、さらに、後に述べるように、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有するホイップクリームを製造することができる。
本発明のホイップクリーム用ハードストックは、低融点油脂、すなわち常温(30℃)で液状の油脂に添加して、ホイップクリームの油相を構成するために使用する高融点油脂である。本発明のホイップクリーム用ハードストックである上記エステル交換油は、融点が34〜48℃、特に38〜46℃であることが好ましい。
ここで、ハードストックの融点と常温で液状の油脂の融点差が近接しているとハードストックとしての機能が著しく減じられてしまうため、両者の融点差は10℃以上あることが必要であり、好ましくは融点差を15℃以上とする。なお、融点差の上限については特に制限はないが、JAS(日本農林規格)において0℃で5.5時間清澄であることとされているサラダ油の融点がマイナス5〜10℃であることから、実質的には60℃であるが、得られるホイップクリームの口溶けの極端な悪化を防止するには、50℃以下とする。
上記常温で液状の油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、綿実油、米油、ヤシ油、パーム核油、ヤシ分別軟部油、パーム核分別軟部油、パーム分別軟部油、豚脂分別軟部油、牛脂分別軟部油等の食用油脂や分別軟部油から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。中でも、口溶けが良く且つ特に高い耐熱性を有するホイップクリームを得ることができる点で、ヤシ油、パーム核油、ヤシ分別軟部油、パーム核分別軟部油、及びパーム分別軟部油のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
次に、本発明のホイップクリームについて述べる。
本発明のホイップクリームは、少なくとも本発明のホイップクリーム用ハードストックと、常温(30℃)で液状の油脂を使用したものである。本発明のホイップクリームは、本発明のホイップクリーム用ハードストックを、油相中に、該油相中の全油脂量基準で5〜40質量%、好ましくは10〜25質量%含有する。油相中の本発明のハードストックの含有量が5質量%未満であると、ホイップ後にキメが荒れて造花性が悪くなることに加え、耐熱性も悪くなる。また、40質量%より多いと、口溶けが悪くなる。
本発明のホイップクリームは、油相のSFC(固体脂含量)が10℃で50〜70、好ましくは60〜67、且つ、25℃で5〜25、好ましくは12〜25とする。
油相のSFC(固体脂含量)が10℃で50未満であると、ホイップ後に耐熱性が悪くなることに加え、ホイップタイムも長くなる。また、70より多いと、口溶けが悪くなる。
また、油相のSFC(固体脂含量)が25℃で5未満であると、ホイップ後にキメが荒れて造花性が悪くなることに加え、耐熱性も悪くなる。また、25より多いと、口溶けが悪くなる。
なお、上記の油相のSFCは、次のようにして測定する。即ち、油相に使用する全油脂を混合して配合油脂とし、該配合油脂を60℃に30分保持して油脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
本発明のホイップクリームは、上記の常温(30℃)で液状の油脂の含有量を、油相中に、該油相中の全油脂量基準で60〜95質量%含有することが好ましく、65〜85質量%含有することがさらに好ましい。
本発明のホイップクリームには、本発明のハードストックと上記常温(30℃)で液状の油脂に加え、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じその他の油脂を使用することもできる。
上記その他の油脂としては、例えば、パーム油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固形の油脂、並びに各種動植物油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂からなる群から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。上記その他の油脂の使用量は、油相中の全油脂量基準で、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜15質量%である。
本発明のホイップクリームにおいては、油相のトリグリセリド組成が下記(1)〜(5)の条件を全て満たすように、本発明のハードストックと上記常温(30℃)で液状の油脂、さらに必要に応じその他の油脂を配合することが好ましい。下記(1)〜(5)の条件を満たすことにより、一層良好な造花性、保型性、耐熱性及び口溶けを有するホイップクリームとすることができる。
(1)SSSの含有量が70〜90質量%
(2)P及び/又はStのみからなるSSSの含有量が0.5〜5質量%
(3)S2Uの含有量が10〜20質量%
(4)SU2の含有量が5質量%以下
(5)UUUの含有量が2質量%以下
(但し、
SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド、
S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、
SU2:Sが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド、
UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド
S:飽和脂肪酸、
U:不飽和脂肪酸
P:炭素数16の飽和脂肪酸
St:炭素数18の飽和脂肪酸である)。
先ず、条件(1)のSSSの含有量について述べる。
本発明のホイップクリームにおいて、油相中のトリグリセリド組成におけるSSSの含有量は好ましくは70〜90質量%、より好ましくは80〜90質量%である。SSSの含有量が70質量%未満であると、結晶化速度が低下することから、得られるホイップクリームが適度な硬さを持たないおそれがあることに加え、特に、耐熱性が低下してしまうおそれがある。また、90質量%超であると、ホイップクリームの口溶けが極端に悪化してしまうことがある。
次に、条件(2)のP及び/又はStのみからなるSSSの含有量について述べる。
本発明のホイップクリームにおいて、油相中のトリグリセリド組成におけるP及び/又はStのみからなるSSSの含有量は好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1.5〜3.8質量%である。上記P及び/又はStのみからなるSSSの含有量が0.5質量%未満であると、ホイップ後のクリームのコシが弱くなり、得られるホイップクリームのキメが荒れて造花性が悪くなることに加え、特に耐熱性が低下してしまうおそれがある。また、5質量%超であると、ホイップクリームの口溶けが極端に悪化してしまうことがある。
続いて、条件(3)のS2Uの含有量について述べる。
本発明のホイップクリームにおいて、油相中のトリグリセリド組成におけるS2Uの含有量は好ましくは10〜20質量%、より好ましくは10〜18質量%である。S2Uが10質量%未満であると、良好な造花性及び耐熱性が得られないおそれがある。また、20質量%超では口溶けが悪くなるおそれがある。
さらに、条件(4)のSU2の含有量について述べる。
本発明のホイップクリームにおいて、油相中のトリグリセリド組成におけるSU2の含有量は好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であり、少ないほど好ましい。SU2の含有量が5質量%超である場合、耐熱性が悪化するおそれがある。
そして、条件(5)のUUUの含有量について述べる。
本発明のホイップクリームにおいて、油相中のトリグリセリド組成におけるUUUの含有量は2質量%以下、より好ましくは1質量%以下であり、少ないほど好ましい。本発明のホイップクリームにおいて、UUUの含有量が2質量%超であると、口溶けは良好であるが、耐熱性が極端に悪化しやすい。
また、本発明のホイップクリームは、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、本発明のホイップクリームの油相に使用した全油脂の構成脂肪酸組成において、全脂肪酸に占めるトランス脂肪酸の割合が5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下とする。
前述のように、近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
ここで、本発明のハードストックを実質的にトランス脂肪酸を含有しないハードストックとし、上記常温(30℃)で液状の油脂、及び必要に応じ使用するその他の油脂として、部分水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有するホイップクリームを製造することができる。
本発明のホイップクリームの油分含有量は、特に制限されず、一般的なホイップクリームの油分含有量(約45質量%)であってもよいが、本発明のホイップクリームは、油分含有量が通常のホイップクリームや生クリームの油分含有量である45質量%未満であってもその効果が高いことから、油分含有量は好ましくは40質量%以下、より好ましくは20〜40質量%、更に好ましくは25〜35質量%である。尚、ここでいう油分含有量には、下記の「その他の成分」に含まれる油脂分も含めたものとする。
また、本発明のホイップクリームの水の含有量は、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、更に好ましくは35〜65質量%である。尚、ここでいう水の含有量には、下記の「その他の成分」に含まれる水分も含めたものとする。
また、本発明のホイップクリームでは、必要に応じ、乳化剤、安定剤、蛋白質、乳及び乳製品、糖類及び甘味料、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、食塩、酸味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等の、その他の成分を、必要に応じ任意に配合してもよい。このその他の成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲において、通常の使用量の範囲で使用することができる。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。乳化剤を使用する場合、本発明のホイップクリーム中の乳化剤の含有量は0.1〜2質量%とすることが好ましい。
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。安定剤を使用する場合、本発明のホイップクリーム中の安定剤の含有量は0.01〜3質量%とすることが好ましい。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えば、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等のカゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン等の小麦蛋白質、プロラミン、グルテリン等の米蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、或いは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。蛋白質を使用する場合、本発明のホイップクリーム中の蛋白質の含有量は0.3〜8質量%とすることが好ましい。
上記蛋白質としては、乳蛋白質、即ちホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質を使用することが好ましく、また、乳蛋白質を含有する食品素材を使用することも好ましい。乳蛋白質を含有する食品素材としては、脱脂粉乳、トータルミルクプロテイン、ホエイパウダー、ミネラル濃縮ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー(WPC)、バターミルクパウダー、カゼインナトリウム等が挙げられる。乳蛋白質を含有する食品素材を使用する場合は、本発明のホイップクリームにおいて、該食品素材の含有量は0.1〜10質量%とすることが好ましい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
以下に、本発明のホイップクリームの製造方法を説明する。本発明のホイップクリームは、その製造方法が特に制限されるものではないが、例えば以下の方法により製造することができる。
先ず、常温(30℃)で液状の油脂と本発明のハードストックを含有し、必要によりその他の原料を含有させた油相と、水及び必要によりその他の原料を含有させた水相とをそれぞれ個別に調製し、次いで、該油相と該水相とを混合乳化し、水中油型に乳化することにより、本発明のホイップクリームが得られる。これを、必要により、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、圧力0〜100MPaの範囲で均質化しても良い。また、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌又は加熱殺菌処理を施しても良く、或いは直火等の加熱調理により加熱しても良い。また、加熱後に必要に応じて再度均質化しても良い。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施しても良い。
本発明のホイップクリームは、起泡して、ホイップドクリームとして主に使用することができるが、コーヒーホワイトナーとして、或いは食品練り込み用クリームとしても用いることができる。
上記食品としては、例えば、食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、シュー、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品、洋菓子、和菓子、チョコレート菓子、冷菓、プリン、ムース等のデザート、シチュー、グラタン、ドリア、飲料等を挙げることができる。
次に、本発明のホイップドクリームについて述べる。
本発明のホイップドクリームは、本発明のホイップクリームを起泡(ホイップ)させたものである。ホイップする際に、本発明のホイップクリームにグラニュー糖、砂糖、液糖等の糖類、ブランデー、ラム酒、リキュール等のアルコール類、香料、増粘安定剤、生クリーム等を添加してもよい。本発明のホイップドクリームにおいて、本発明のホイップクリームの使用量は、特に制限されるわけではないが、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜95質量%である。得られたホイップドクリームは、フィリング用、サンド用、トッピング用、ナッペ用、センター用等として使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何等制限するものではない。
〔実施例1〕
パーム核油及びパーム極度硬化油を50:50(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点43℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックAとした。
上記ハードストックA製造時の油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
上記ホイップクリーム用ハードストックA30質量部、パーム核油(融点27℃)70質量部からなる混合油脂30質量%、レシチン0.15質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.15質量%からなる油相を混合し、65℃に加温溶解し、油相とした。一方、水63.5質量%、脱脂粉乳5質量%、トータルミルクプロテイン1質量%、ショ糖脂肪酸エステル(HLB=16)0.15質量%、グアーガム0.05質量%を混合し、65℃に加温溶解し、水相とした。上記水相と上記油相を混合、乳化して、水中油型の予備乳化物を調製し、バルブ式ホモジナイザー(アルファラバル社製:ホモジナイザー)を用いて、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、油分含量が30質量%である本発明の低油分ホイップクリームAを得た。
〔実施例2〕
パーム核油及び大豆極度硬化油を50:50(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点45℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックBとした。
上記ハードストックB製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
上記ホイップクリーム用ハードストックAに代えて、上記ホイップクリーム用ハードストックBに変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームBを得た。
〔実施例3〕
ヤシ油及びパーム極度硬化油を50:50(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点41℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックCとした。
上記ハードストックC製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
上記ホイップクリーム用ハードストックAに代えて、上記ホイップクリーム用ハードストックCに変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームCを得た。
〔実施例4〕
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、上記ホイップクリーム用ハードストックA20質量部、パーム核油(融点27℃)70質量部、パーム分別中部油(融点35℃)10質量部の混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームDを得た。
〔実施例5〕
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、上記ホイップクリーム用ハードストックA20質量部、パーム核油(融点27℃)80質量部の混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームEを得た。
〔実施例6〕
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、上記ホイップクリーム用ハードストックA8質量部、パーム核油(融点27℃)80質量部、パーム分別中部油(融点35℃)12質量部の混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームFを得た。
〔比較例1〕
ホイップクリーム用ハードストックとして、上記ホイップクリーム用ハードストックAに代えてパーム硬化油(融点40℃)を使用し、混合油脂の配合を、パーム硬化油(融点40℃)20質量部、パーム核油(融点27℃)80質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例の低油分ホイップクリームGを得た。
〔比較例2〕
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、ホイップクリーム用ハードストックA20質量部、パーム核分別硬部油(融点32℃)80質量部からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例の低油分ホイップクリームHを得た。
〔比較例3〕
パーム核油及びパーム極度硬化油を75:25(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点32℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックDとした。
上記ハードストックD製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、ホイップクリーム用ハードストックD20質量部、パーム核油(融点27℃)80質量部からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例の低油分ホイップクリームIを得た。
〔比較例4〕
パーム油及びパーム極度硬化油を65:35(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点50℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックEとした。
上記ハードストックE製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、ホイップクリーム用ハードストックE20質量部、パーム核油(融点27℃)80質量部からなる混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例の低油分ホイップクリームJを得た。
〔実施例7〕
パーム核油及びパーム極度硬化油を66:34(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点41℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックFとした。
上記ハードストックF製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
上記ホイップクリーム用ハードストックAに代えて、上記ホイップクリーム用ハードストックFを使用した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームKを得た。
〔実施例8〕
パーム核油及びパーム極度硬化油を33:67(前者:後者)の質量比率で混合した油脂配合物を、化学触媒を用いてランダムエステル交換した融点45℃のエステル交換油脂を本発明のホイップクリーム用ハードストックGとした。
上記ハードストックG製造時の上記油脂配合物の構成脂肪酸組成(炭素数14以下の飽和脂肪酸含量、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量、不飽和脂肪酸含量、及びトランス脂肪酸含量)は表1に記載した。
実施例1のホイップクリームの製造に使用した混合油脂を、上記ホイップクリーム用ハードストックG15質量部、パーム核油(融点27℃)75質量部、パーム分別中部油(融点35℃)10質量部の混合油脂に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明の低油分ホイップクリームLを得た。
上記低油分ホイップクリームA〜Kの油相中のハードストック含量(油相中の全油脂量基準)、油相のSFC(固体脂含量)を〔表2〕に記載した。また、油相中のトリグリセリド組成における(1)SSSの含有量、(2)P及び/又はStのみからなるSSSの含有量、(3)S2Uの含有量、(4)SU2の含有量、(5)UUUの含有量、並びにトランス脂肪酸含量についても〔表2〕に記載した。
得られたホイップクリームA〜Kの乳化安定性(ボテ)について、下記の方法で評価を行なった。結果は下記〔表3〕に記載した。
<ホイップクリームの評価:乳化安定性(ボテ)>
得られたホイップクリームを20℃で1時間調温した後、振動器を用い100回/37秒で水平方向に振動させた。ホイップクリームが流動性を失うまでの振動回数が10000回以上のものを◎、5000回以上〜10000回未満のものを○、5000回未満のものを×とした。
また、得られたホイップクリームA〜Kを、下記の方法で起泡してホイップドクリームとした。
<ホイップドクリームの製造>
得られたホイップクリームをミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーでワイヤーホイッパーを使用して、最高速で最適起泡状態に達するまで起泡させ、ホイップドクリームを得た。最適起泡状態までのホイップタイム、及び、最適起泡状態におけるオーバーランについて、下記〔表3〕に記載した。
得られたホイップドクリームの造花性(シマリ現象)、耐熱性、口溶けについて、下記の方法で評価を行ない、結果を下記〔表3〕に記載した。
<ホイップドクリームの評価:造花性>
得られたホイップドクリームを絞り袋で星型口金を用いて造花した際のシマリの程度について、下記の4段階評価を行なった。
◎:絞り袋から抵抗なく絞り出すことができ、得られた造花は滑らかな表面で先端もきちんとツノがある状態であった。
○:絞り袋から抵抗なく絞り出すことができ、得られた造花はやや表面が荒れたが、きちんとツノがある状態であった。
△:絞り袋からの絞り出しが経時的に抵抗があるものとなり、得られた造花も徐々に表面が荒れツノの先端が切れた状態のものとなってしまった。
×:絞り袋からの絞り出しが経時的に抵抗があるものとなり、得られた造花も徐々に表面が激しく荒れた、ツノの中途から切れた状態のものとなってしまった。
<ホイップクリームの評価:耐熱性>
得られたホイップドクリームを絞り袋で星型口金を用いて造花し、20℃の恒温槽中で24時間放置した場合の嵩落ちを測定した。嵩落ち量が1mm未満を◎、1mm以上5mm未満を○、5mm以上を×とした。
<ホイップクリームの評価:口溶け>
得られたホイップドクリームを口に含んだときの溶け易さを、15人のパネラーにて官能試験した。評価は、口溶け性が良好なもの、口溶け性が不良なもの、及びどちらともいえないもの、の3段階で評価し、良好なものに2点、どちらともいえないものに1点、不良なものに0点を与え、合計点が25点以上を◎、20〜24点を○、15〜19点を△、14点以下を×とした。
Figure 0005583386
Figure 0005583386
Figure 0005583386
部分硬化油をハードストックとして使用ホイップクリームは、乳化安定性は良好であるが、ホイップ後の造花性、耐熱性及び口溶けが劣り、ホイップタイムも長くなる(比較例1)。油相に本発明のハードストックを使用した場合でも、組み合わせる油脂として常温で液状の油脂(融点30℃以下の油脂)ではなく、常温で固形の油脂(融点30℃超の油脂)を使用すると、乳化安定性やホイップ後の口溶けが悪い(比較例2)。
また、エステル交換油をハードストックとして使用しても、本発明に係る構成脂肪酸組成を満たす油脂配合物をエステル交換したものでなければ、乳化安定性及びホイップ後の造花性、耐熱性、口溶けの全てを両立することはできない(比較例3、4)。
これに対し、本発明のハードストックを特定量使用して、油相のSFCを特定範囲とした本発明のホイップクリームは、乳化安定性が良好であり、低油分含量であってもホイップタイムが長すぎたりオーバーランが過大になることもなく、ホイップ後の造花性、耐熱性及び口溶けが良好である。

Claims (4)

  1. 下記ホイップクリーム用ハードストックを、油相中に、該油相中の全油脂量基準で5〜40質量%含有し、
    油相のSFC(固体脂含量)が10℃で50〜70、25℃で5〜25であり、
    油相中のトリグリセリドの組成が下記の条件(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とするホイップクリーム

    ホイップクリーム用ハードストック:構成脂肪酸組成において炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20〜50質量%であり炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が35〜70質量%である油脂配合物を、ランダムエステル交換してなる。

    条件(1)〜(5):
    (1)SSSの含有量が70〜90質量%
    (2)P及び/又はStのみからなるSSSの含有量が0.5〜5質量%
    (3)S2Uの含有量が10〜20質量%
    (4)SU2の含有量が5質量%以下
    (5)UUUの含有量が2質量%以下
    (但し、
    SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド、
    S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、
    SU2:Sが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド、
    UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド、
    S:飽和脂肪酸、
    U:不飽和脂肪酸、
    P:炭素数16の飽和脂肪酸、
    St:炭素数18の飽和脂肪酸である)。
  2. トランス脂肪酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1に記載のホイップクリーム。
  3. 油分含有量が40質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のホイップクリーム。
  4. 請求項のいずれか1項に記載のホイップクリームを起泡してなるホイップドクリーム。
JP2009262165A 2009-11-17 2009-11-17 ホイップクリーム Active JP5583386B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009262165A JP5583386B2 (ja) 2009-11-17 2009-11-17 ホイップクリーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009262165A JP5583386B2 (ja) 2009-11-17 2009-11-17 ホイップクリーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011103809A JP2011103809A (ja) 2011-06-02
JP5583386B2 true JP5583386B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=44228082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009262165A Active JP5583386B2 (ja) 2009-11-17 2009-11-17 ホイップクリーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5583386B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5882027B2 (ja) * 2011-11-09 2016-03-09 株式会社Adeka ホイップドクリームの製造方法及びバタークリームの製造方法
JP6062683B2 (ja) * 2011-11-22 2017-01-18 株式会社Adeka プリン用水中油型乳化物
JP6276050B2 (ja) * 2014-02-07 2018-02-07 ミヨシ油脂株式会社 水中油型乳化物
JP6387628B2 (ja) * 2014-03-05 2018-09-12 株式会社カネカ 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP6122905B2 (ja) * 2014-06-04 2017-04-26 太陽油脂株式会社 プリン用油脂組成物
JP6639948B2 (ja) * 2015-02-26 2020-02-05 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ類用粉末油脂組成物
JP6955326B2 (ja) * 2016-08-01 2021-10-27 太陽油脂株式会社 コンパウンドクリーム用油脂組成物
JP7210150B2 (ja) * 2018-03-29 2023-01-23 森永乳業株式会社 起泡性水中油型乳化物及びホイップドクリーム
JP7272781B2 (ja) * 2018-11-13 2023-05-12 株式会社Adeka 水中油型乳化油脂組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4901279B2 (ja) * 2006-04-13 2012-03-21 株式会社Adeka 起泡性水中油型乳化脂用油脂組成物
JP4942560B2 (ja) * 2007-06-12 2012-05-30 株式会社Adeka ノーテンパー型ハードバター組成物
JP4925458B2 (ja) * 2007-12-13 2012-04-25 日清オイリオグループ株式会社 クリーム用油脂組成物及び該油脂組成物を含有するクリーム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011103809A (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5635288B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物
JP5583386B2 (ja) ホイップクリーム
US8722128B2 (en) Foamable oil-in-water emulsified oil composition for chilled-distribution whipped creams and whipped cream
JP5306757B2 (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP5857288B2 (ja) 冷凍温度域で軟らかい含水チョコレート
JP2009072096A (ja) ホイップクリーム用油脂組成物
JP7515269B2 (ja) フィリング用油脂組成物、ならびに、それを含む冷菓用フィリングおよび複合冷菓
JP2018166417A (ja) 油中水型乳化油脂組成物
JP4901279B2 (ja) 起泡性水中油型乳化脂用油脂組成物
JP5004847B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物
JP2020028238A (ja) 冷凍菓子用油脂組成物
JP6899624B2 (ja) ホイップクリーム
JP5301373B2 (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2018042478A (ja) ロールイン用可塑性油脂組成物
JP2024047396A (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP7272781B2 (ja) 水中油型乳化油脂組成物
JP7640943B2 (ja) 乳風味増強剤及びその製造方法
JP2012075430A (ja) カスタード風味を呈する起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2016077168A (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP6062683B2 (ja) プリン用水中油型乳化物
JP2012019766A (ja) チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP7157553B2 (ja) シュー用油脂組成物
JP4243913B2 (ja) 起泡性水中油型乳化脂用油脂組成物
JP4346329B2 (ja) シュー用油脂組成物
JP7171288B2 (ja) 油中水型クリーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131206

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20140307

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140716

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5583386

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151