JP2009072096A - ホイップクリーム用油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なホイップ性能を有し、良好な乳化安定性を有する実質的にトランス酸を含まないホイップクリーム用油脂組成物を提供する。
【解決手段】A成分として下記の極度硬化油を50〜95質量部、B成分として液状植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物。
A成分:炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油。
【選択図】 なし
【解決手段】A成分として下記の極度硬化油を50〜95質量部、B成分として液状植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物。
A成分:炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ホイップクリーム用油脂組成物及びこれを原料とするホイップクリームに関する。
ホイップクリームはケーキ類やパフェ等洋菓子に大量に使用されている。ホイップクリームは油脂組成物を水に乳化し、これに空気を抱き込ませるようにホイップして製造される。これらクリーム類の大部分は、水中油型乳化液として流通・販売されており、最終使用者である製菓工場や洋菓子店、家庭で必要に応じてその都度ホイップして使用されている。
ホイップクリーム用水中油型乳化液は、流通・保管時の振動や温度変化などに対して、増粘・固化等の性質の変化を起こさない乳化安定性(振動耐性及び温度安定性)の良いものが求められる。さらに、ホイップ時には短時間で解乳化し、適度のオーバーラン(空気の抱き込み)及び適度なクリームの粘稠性が得られるためのホイップ性も求められる。また、ホイップ後のクリームの性能として、洋菓子等のトッピング、フィリングとして使用した場合の形状の安定性(造花性及び保形性)、良好な食感が求められる。
ここで、ホイップクリーム用水中油型乳化液の乳化安定性と短時間で適度のオーバーラン、クリームの粘稠性が得られるためのホイップ性は相反する性能である。よって、乳化安定性を強めた場合、ホイップ性が劣り、ホイップ性を強めた場合は乳化安定性が劣ってしまうといった問題が生じてしまう。そのため、ホイップクリームに用いられる油脂には、ホイップクリーム用水中油型乳化液とした際の乳化安定性とホイップ性がバランス良く両立できる油脂が求められる。
乳脂を原料とする生クリームを用いたホイップクリームは、ホイップ性が良好で、且つ口あたり、口溶け等の食感が良く、風味も非常に良好である。しかし、最適なホイップ状態の終点幅が狭いためホイップさせるのに技術を要し、さらにホイップしたものは、不安定で、造花性が悪く、温度や振動によってその造形物が変形する等、使用しにくい欠点を持っている。
そこで、乳脂に代替するホイップクリームとして合成クリームが使用されている。
合成クリームは今日では多くの改良研究が進み、乳化安定性、ホイップ性等の物性が改良されている。それら合成クリームの原料油脂としては、菜種油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油やその分別油の部分硬化油(部分水素添加油)が多く使用されている(特許文献1、2)。しかし、合成クリームは、乳化安定性は生クリームより優れるものの、ホイップ性が劣るといった欠点がある。
また、合成クリームにおいて、部分水素添加時に生成したトランス酸が、水中油型乳化液の乳化安定性とホイップ性の相反する性能を両立させ、ホイップクリームの良好な食感や造花性を付与することになる。しかし、近年の研究では、合成クリームに多く含まれるトランス酸が、血漿中のLDL/HDLコレステロール比を増大させ循環器疾患の原因となるとの報告がある。このように、トランス酸を過剰摂取することによる健康への影響に対する懸念があるので、油脂中のトランス酸含量を少なくした方が好ましく、デンマークでは、2004年より国内の食品について油脂中のトランス酸含有率を2%以下にしなければならないとの制限を設けている。そのため、ホイップクリーム用油脂組成物中のトランス酸の含有量は2%以下が一つの目標とされる。
合成クリームは今日では多くの改良研究が進み、乳化安定性、ホイップ性等の物性が改良されている。それら合成クリームの原料油脂としては、菜種油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油やその分別油の部分硬化油(部分水素添加油)が多く使用されている(特許文献1、2)。しかし、合成クリームは、乳化安定性は生クリームより優れるものの、ホイップ性が劣るといった欠点がある。
また、合成クリームにおいて、部分水素添加時に生成したトランス酸が、水中油型乳化液の乳化安定性とホイップ性の相反する性能を両立させ、ホイップクリームの良好な食感や造花性を付与することになる。しかし、近年の研究では、合成クリームに多く含まれるトランス酸が、血漿中のLDL/HDLコレステロール比を増大させ循環器疾患の原因となるとの報告がある。このように、トランス酸を過剰摂取することによる健康への影響に対する懸念があるので、油脂中のトランス酸含量を少なくした方が好ましく、デンマークでは、2004年より国内の食品について油脂中のトランス酸含有率を2%以下にしなければならないとの制限を設けている。そのため、ホイップクリーム用油脂組成物中のトランス酸の含有量は2%以下が一つの目標とされる。
部分硬化油を用いることなく良好なホイップ性能及びクリームの良好な口溶けを有するホイップクリーム用油脂組成物を提供する技術として、例えば、ラウリン系油脂を基油とし、1,3位特異性酵素により、構成脂肪酸残基の炭素数の合計を一定の範囲に調整したエステル交換油を用いるホイップクリーム用油脂組成物が開示されている(特許文献3)。しかし、この油脂組成物はラウリン系油脂が菜種油やステアリン酸とエステル交換されているため、乳化安定性特に低温での振動耐性において充分な性能が得られなかった。
また、エステル交換油において、低温での振動耐性を高めるため、1,3位に炭素数10〜22の飽和脂肪酸及び2位に炭素数18の不飽和脂肪酸を有する対象型トリグリセリドが開発されている(特許文献4)。しかし、このエステル交換油においても、油分が25質量%を切るような低油分として使用する場合には安定性が高まるが、高油分で使用する場合には充分な乳化安定性が得られないといった問題があった。また、製造に当たり、1,3位特異性酵素を使用するため製造のコストが高くなる。
特開2002−17256号公報
特開平11−225671号公報
特開平6−141808号公報
特開平8−116902号公報
また、エステル交換油において、低温での振動耐性を高めるため、1,3位に炭素数10〜22の飽和脂肪酸及び2位に炭素数18の不飽和脂肪酸を有する対象型トリグリセリドが開発されている(特許文献4)。しかし、このエステル交換油においても、油分が25質量%を切るような低油分として使用する場合には安定性が高まるが、高油分で使用する場合には充分な乳化安定性が得られないといった問題があった。また、製造に当たり、1,3位特異性酵素を使用するため製造のコストが高くなる。
以上のように、ホイップクリーム用油脂組成物には、水中油型乳化液での良好な乳化安定性、短時間で適度なオーバーラン及びクリームの適度な粘稠性が得られる良好なホイップ性、ホイップクリームを製造した際の良好な口溶けや造花性が求められている。そして、実質的にトランス酸を含むことなくこれらをバランスよく優れた性能を示すホイップクリーム用油脂組成物は未だ提供されていない。
本発明は、良好なホイップ性能を有し、良好な乳化安定性を有する実質的にトランス酸を含まないホイップクリーム用油脂組成物を提供するものである。
本発明は下記の発明である。
本発明における第1の発明は、A成分として下記の極度硬化油を50〜95質量部、B成分として液状植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物。
A成分:炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油である。
本発明における第1の発明は、A成分として下記の極度硬化油を50〜95質量部、B成分として液状植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物。
A成分:炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油である。
本発明における第2の発明は、A成分が、構成脂肪酸に炭素数8〜12の脂肪酸を50質量%以上含む植物油脂と、炭素数20〜24の脂肪酸を50質量%以上含む植物油脂とのエステル交換油である第1の発明のホイップクリーム用油脂組成物である。
本発明における第3の発明は、第1〜第2のいずれかのホイップクリーム用油脂組成物を原料とするホイップクリームである。
本発明における第1の発明によれば、合成クリームよりも良好なホイップ性能を有し、生クリームよりも最適なホイップ状態での終点幅が広く、且つ合成クリームと同等に良好な乳化安定性及び良好なクリームの食感を有する実質的にトランス酸を含まないホイップクリーム用油脂組成物が提供される。
本発明における第2の発明によれば、第1の発明におけるA成分について、原料の供給性から、より工場生産性良く製造可能なホイップクリーム用油脂組成物が提供される。
本発明における第3の発明によれば、造花性に優れ、且つ口溶け等食感の良いホイップクリームが提供される。
本発明に使用するホイップクリーム用油脂組成物は、A成分として後述する極度硬化油を50〜95質量部、B成分として常温で液状である植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物である。
(A成分)
本発明において、A成分の油脂は極度硬化油であり、炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油である。
炭素数8〜12の脂肪酸量が50質量%に満たない場合、ホイップクリームの口あたり、口溶け等の食感が悪くなり、60質量%を超えるとホイップクリームの粘稠性や造花性が悪化することがある。
また、炭素数20〜24の脂肪酸量が3質量%に満たない場合、水中油型乳化液の乳化安定性が悪く、低温における充分な振動耐性が得られず、また、ホイップクリームの粘稠性や造花性が悪化する。12質量%を超えると短時間でのホイップが困難となったり、ホイップクリームの口溶けが悪化したりすることがある。
本発明において、A成分の油脂は極度硬化油であり、炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油である。
炭素数8〜12の脂肪酸量が50質量%に満たない場合、ホイップクリームの口あたり、口溶け等の食感が悪くなり、60質量%を超えるとホイップクリームの粘稠性や造花性が悪化することがある。
また、炭素数20〜24の脂肪酸量が3質量%に満たない場合、水中油型乳化液の乳化安定性が悪く、低温における充分な振動耐性が得られず、また、ホイップクリームの粘稠性や造花性が悪化する。12質量%を超えると短時間でのホイップが困難となったり、ホイップクリームの口溶けが悪化したりすることがある。
さらに、本発明のA成分は、構成脂肪酸の炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロールを60〜85質量%含むことが好ましい。構成脂肪酸の炭素数の総和が36〜48のトリアシルグリセロールは、その構成脂肪酸として炭素数8〜12の脂肪酸及び炭素数20〜24の脂肪酸の両方を含むトリアシルグリセロールが含まれることになる。
本発明のA成分の構成脂肪酸の炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロールが60質量%以下もしくは85質量%以上である場合、水中油型乳化液をホイップする際の時間がかかりすぎるといった問題、ホイップクリームの造花性が悪くなるといった問題、ホイップクリームの口溶けが悪化するといった問題が発生することがある。
本発明のA成分の構成脂肪酸の炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロールが60質量%以下もしくは85質量%以上である場合、水中油型乳化液をホイップする際の時間がかかりすぎるといった問題、ホイップクリームの造花性が悪くなるといった問題、ホイップクリームの口溶けが悪化するといった問題が発生することがある。
そして、本発明のA成分の油脂は、構成脂肪酸中の炭素数8〜12の脂肪酸含量/炭素数20〜24の脂肪酸含量の値が4〜20であることが好ましい。さらに、より好ましい範囲は4〜10である。この範囲では、水中油型乳化液のホイップ時間をより短くすることが可能で、水中油型乳化液の乳化安定性をより安定にすることが可能となる。
以上のような脂肪酸組成の油脂は天然界には知られておらず、本発明のA成分の油脂は、脂肪酸とグリセリンとの合成や、天然油脂をエステル交換、水素添加して得ることができる。
本発明のA成分の油脂は、炭素数8〜12の脂肪酸を構成成分に50質量%以上含む植物油脂と炭素数20〜24の脂肪酸を構成成分に50質量%以上含む植物油脂とのエステル交換油であることが好ましい。
炭素数8〜12の脂肪酸を構成成分に50質量%以上含む植物油脂としては、パーム核油、ヤシ油等のようにヤシ科の種子から得られる油脂、及びそれらを分別、エステル交換した油脂等が挙げられる。また、炭素数20〜24の脂肪酸を構成成分に50質量%以上含む植物油脂としては、例えば、ハイエルシン菜種油やその分別油が知られている。
A成分の具体例としては、ヤシ極度硬化油85〜95質量部とハイエルシン菜種極度硬化油5〜15質量部との混合油のエステル交換油等が例示できる。
ここで、極度硬化油は、油脂構成脂肪酸に含まれる脂肪酸の二重結合が水素添加により飽和された油脂であり、そのヨウ素価は1以下である。
水素添加は、原料油脂に、主にニッケル触媒を用いて、水添開始温度を120〜160℃、最高温度が180〜230℃となるようにコントロールしながら、水素を注入することによって行うことができる。
エステル交換はナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用いた方法、あるいは、リパーゼ等の酵素触媒を用いた方法等が挙げられるが、本発明において、低温での振動耐性を高めるためにはアルカリ触媒を用いたランダムエステル交換法が好ましい。
また、酵素を用いた1,3位特異的なエステル交換における実際の製造に当たり、コストが高くなるといった問題や、高融点の油脂を反応させる際作業が煩雑となる問題を解消できるので、アルカリ触媒を用いたランダムエステル交換の方がより好ましい。
ここで、極度硬化油は、油脂構成脂肪酸に含まれる脂肪酸の二重結合が水素添加により飽和された油脂であり、そのヨウ素価は1以下である。
水素添加は、原料油脂に、主にニッケル触媒を用いて、水添開始温度を120〜160℃、最高温度が180〜230℃となるようにコントロールしながら、水素を注入することによって行うことができる。
エステル交換はナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用いた方法、あるいは、リパーゼ等の酵素触媒を用いた方法等が挙げられるが、本発明において、低温での振動耐性を高めるためにはアルカリ触媒を用いたランダムエステル交換法が好ましい。
また、酵素を用いた1,3位特異的なエステル交換における実際の製造に当たり、コストが高くなるといった問題や、高融点の油脂を反応させる際作業が煩雑となる問題を解消できるので、アルカリ触媒を用いたランダムエステル交換の方がより好ましい。
本発明のA成分の油脂を製造する際、水素添加した後、その極度硬化油をエステル交換する方法、エステル交換を行った後、そのエステル交換油を水素添加する方法のどちらを用いても良い。
また、本発明のA成分は融点が30〜40℃であることが好ましい。
融点の調整は、低融点油脂及び高融点油脂の種類及び配合比率の調整、そして、その混合油をエステル交換することにより行うことができる。
A成分の融点が30℃未満の場合、水中油型乳化液での振動耐性、温度安定性が良好で、より安定な乳化状態を保つことができるが、ホイップ性が劣ってしまう。また、ホイップクリームを製造した際、粘稠性の弱いクリームになってしまい、造花したクリームの型が崩れやすい。また、融点が40℃を超える場合、ホイップクリームの口溶けが悪化してしまう。
融点の調整は、低融点油脂及び高融点油脂の種類及び配合比率の調整、そして、その混合油をエステル交換することにより行うことができる。
A成分の融点が30℃未満の場合、水中油型乳化液での振動耐性、温度安定性が良好で、より安定な乳化状態を保つことができるが、ホイップ性が劣ってしまう。また、ホイップクリームを製造した際、粘稠性の弱いクリームになってしまい、造花したクリームの型が崩れやすい。また、融点が40℃を超える場合、ホイップクリームの口溶けが悪化してしまう。
本発明において、A成分は上記の条件の範囲内であれば、それらを1種のみだけでなく、2種類以上選択することができる。
(B成分)
本発明において、A成分の油脂のみを使用しても、乳化安定性、特に低温での振動耐性について充分な性能が得られない。そこで、本発明ではA成分の油脂とB成分の油脂とを混合してホイップクリーム用油脂組成物を製造する。
本発明にB成分として使用する植物油脂は、常温にて液状で、融点10℃以下の油脂であり、特に限定されないが、例えば、菜種油、コーン油、大豆油、米油、米糠油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、オリーブ油、綿実油、あるいはそれらの分別油等が挙げられ、それらを1種又は2種以上選択することができる。
本発明において、A成分の油脂のみを使用しても、乳化安定性、特に低温での振動耐性について充分な性能が得られない。そこで、本発明ではA成分の油脂とB成分の油脂とを混合してホイップクリーム用油脂組成物を製造する。
本発明にB成分として使用する植物油脂は、常温にて液状で、融点10℃以下の油脂であり、特に限定されないが、例えば、菜種油、コーン油、大豆油、米油、米糠油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、オリーブ油、綿実油、あるいはそれらの分別油等が挙げられ、それらを1種又は2種以上選択することができる。
(ホイップクリーム用油脂組成物)
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、A成分の極度硬化油50〜95質量部と常温で液状であるB成分の植物油脂5〜50質量部からなる油脂組成物である。
A成分の油脂の含有量が50質量部未満の場合、すなわちB成分の油脂の含有量が50質量部を超える場合、水中油型乳化液の振動耐性・温度安定性が良好で、より安定な乳化状態を保つことができるが、最適なホイップ状態を得るまでに長い時間がかかってしまい、ホイップ性能は著しく劣る。また、ホイップクリームを製造した際、粘稠性が弱いホイップクリームとなってしまい、造花したクリームの型が崩れやすい。A成分の油脂の含有量が95質量部を超える場合、すなわちB成分の油脂の含有量が5質量部未満の場合、水中油型乳化液の振動耐性・温度安定性がなく、乳化安定性が悪くなってしまう場合がある。また、ホイップクリームを製造した際、造花性が悪化し、口溶けが悪くなりやすい。
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、A成分の極度硬化油50〜95質量部と常温で液状であるB成分の植物油脂5〜50質量部からなる油脂組成物である。
A成分の油脂の含有量が50質量部未満の場合、すなわちB成分の油脂の含有量が50質量部を超える場合、水中油型乳化液の振動耐性・温度安定性が良好で、より安定な乳化状態を保つことができるが、最適なホイップ状態を得るまでに長い時間がかかってしまい、ホイップ性能は著しく劣る。また、ホイップクリームを製造した際、粘稠性が弱いホイップクリームとなってしまい、造花したクリームの型が崩れやすい。A成分の油脂の含有量が95質量部を超える場合、すなわちB成分の油脂の含有量が5質量部未満の場合、水中油型乳化液の振動耐性・温度安定性がなく、乳化安定性が悪くなってしまう場合がある。また、ホイップクリームを製造した際、造花性が悪化し、口溶けが悪くなりやすい。
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、上記の条件を満たすように、A成分とB成分を混合して製造することができる。しかし、A成分とB成分以外の油脂もC成分として、5〜15質量部の範囲内で混合することが可能である。
C成分の油脂は、融点20〜40℃である実質的にトランス酸を含まない油脂であることが好ましい。例として、パーム油、パーム核油、ヤシ油のような天然の可塑性油脂、及びそれらを分別した油脂、それらのエステル交換油、天然の植物油脂の極度硬化油等且つ/又は各種の乳脂が挙げられる。そして、それらを1種又は2種以上選択することができる。
C成分の油脂は、融点20〜40℃である実質的にトランス酸を含まない油脂であることが好ましい。例として、パーム油、パーム核油、ヤシ油のような天然の可塑性油脂、及びそれらを分別した油脂、それらのエステル交換油、天然の植物油脂の極度硬化油等且つ/又は各種の乳脂が挙げられる。そして、それらを1種又は2種以上選択することができる。
さらに好ましくは、C成分はヤシ油やパーム核油等のラウリン系油脂の極度硬化油であることが好ましい。これらの油脂を上記の範囲内で配合した場合、ホイップ後のクリームの粘稠性及び造花状態を向上させることができる。
(ホイップクリーム)
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、これに水、乳化剤、酸化防止剤、着香料、着色料、保存料等を加えて水中油型乳化液を形成し、これを手だて、電動泡立て機、縦型ケーキミキサー、プレッシャーミキサー等で空気を抱き込ませるように撹拌し、ホイップさせる。
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、これに水、乳化剤、酸化防止剤、着香料、着色料、保存料等を加えて水中油型乳化液を形成し、これを手だて、電動泡立て機、縦型ケーキミキサー、プレッシャーミキサー等で空気を抱き込ませるように撹拌し、ホイップさせる。
水中油型乳化液は、例えば、本発明のホイップクリーム用油脂組成物100質量部に水100〜 300質量部加え、乳化剤を加えて乳化する。添加する乳化剤としては、特に制限されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。乳化する方法としては、撹拌機、高速乳化機等を用いる方法や、必要に応じ、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置を用いる方法等が挙げられる。
製造される水中油型乳化液は、この形態で流通し、最終使用者である製菓工場や洋菓子店等で必要に応じてその都度ホイップしてホイップクリームが製造されることから、保存時の安定性が要求される。水中油型乳化液の安定性は、冷蔵(3℃〜10℃)保存時で60日間安定であることが好ましい。
本発明のホイップクリームは、本発明のホイップクリーム用油脂組成物を原料とし、これを乳化した水中油型乳化液の油層部及び水層部に、必要に応じ、安定剤、蛋白質、糖類、果汁、ジャム、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を加えて製造される。
上記安定剤としては、特に限定されないが、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、あるいは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加しても良い。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上で用いることもできる。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1−1及び1−2に用する油脂成分の構成脂肪酸組成の分析例を示す。脂肪酸含有量は基準油脂分析法2.4.2.1−1996にて分析を行った。
表1−1及び1−2に用する油脂成分の構成脂肪酸組成の分析例を示す。脂肪酸含有量は基準油脂分析法2.4.2.1−1996にて分析を行った。
〔製造例1〜10:A成分の製造〕
本発明ではA成分として以下の製造例1〜10を用いた(表2)。
製造例1:パーム核極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例2、3、4、7:ヤシ極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例5:ヤシ油、ハイエルシン菜種油を酵素によりエステル交換した後、極度硬化した油脂
製造例6:ヤシ極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油の配合油
製造例8:ヤシ油、菜種油を酵素によりエステル交換した後、極度硬化した油脂
製造例9:ハイエルシン菜種極度硬化油、菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例10:菜種油を定法により部分水添した油脂(ヨウ素価:73.4)
本発明ではA成分として以下の製造例1〜10を用いた(表2)。
製造例1:パーム核極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例2、3、4、7:ヤシ極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例5:ヤシ油、ハイエルシン菜種油を酵素によりエステル交換した後、極度硬化した油脂
製造例6:ヤシ極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油の配合油
製造例8:ヤシ油、菜種油を酵素によりエステル交換した後、極度硬化した油脂
製造例9:ハイエルシン菜種極度硬化油、菜種極度硬化油をアルカリ触媒によりエステル交換した油脂
製造例10:菜種油を定法により部分水添した油脂(ヨウ素価:73.4)
(水素添加)
極度硬化油の水素添加方法及び条件を以下に示す。反応器中に原料油を仕込み、水素を0.1MPaの圧力で吹き込みながら、撹拌しつつ150℃まで加熱した。その後、ニッケル触媒0.1〜0.2質量部を反応器内に投入し、190℃で水素を0.3MPaの圧力で吹き込みながら、撹拌し水素を添加した。ヨウ素価を基準油脂分析法2.3.4.1−1996にて分析し、その値が1以下になった時点で水素の吹き込み及び撹拌を止め、反応を停止した。その後、油温を100〜120℃に冷却し白土を3質量部加えて濾過した。
極度硬化油の水素添加方法及び条件を以下に示す。反応器中に原料油を仕込み、水素を0.1MPaの圧力で吹き込みながら、撹拌しつつ150℃まで加熱した。その後、ニッケル触媒0.1〜0.2質量部を反応器内に投入し、190℃で水素を0.3MPaの圧力で吹き込みながら、撹拌し水素を添加した。ヨウ素価を基準油脂分析法2.3.4.1−1996にて分析し、その値が1以下になった時点で水素の吹き込み及び撹拌を止め、反応を停止した。その後、油温を100〜120℃に冷却し白土を3質量部加えて濾過した。
(エステル交換)
エステル交換油の反応方法及び条件を以下に示す。反応容器に原料混合油を仕込み、窒素気流中、撹拌しつつ加熱した。100℃〜120℃の状態で3時間以上この状態を保ち、油脂中の水分が100ppm以下になるまで脱水した。その後、油脂を80℃まで冷却し、ナトリウムメチラートを対油0.1〜0.2質量部加え、撹拌下窒素気流中で30分間反応させた。反応液に70℃の温水を加え撹拌した後、静置して油層と水層を分離する温水洗浄を行った。分離した水層のpHが8以下になるまで温水洗浄を繰り返した後、窒素気流中、撹拌しつつ加熱し、100℃〜120℃で水分が蒸発しなくなるまで脱水した。次いで、活性白土を3質量部加え15分間脱色した後、濾過した。
エステル交換油の反応方法及び条件を以下に示す。反応容器に原料混合油を仕込み、窒素気流中、撹拌しつつ加熱した。100℃〜120℃の状態で3時間以上この状態を保ち、油脂中の水分が100ppm以下になるまで脱水した。その後、油脂を80℃まで冷却し、ナトリウムメチラートを対油0.1〜0.2質量部加え、撹拌下窒素気流中で30分間反応させた。反応液に70℃の温水を加え撹拌した後、静置して油層と水層を分離する温水洗浄を行った。分離した水層のpHが8以下になるまで温水洗浄を繰り返した後、窒素気流中、撹拌しつつ加熱し、100℃〜120℃で水分が蒸発しなくなるまで脱水した。次いで、活性白土を3質量部加え15分間脱色した後、濾過した。
なお、製造例5及び8については酵素によるエステル交換を行った。反応容器に原料混合油を仕込み、窒素気流中、撹拌しつつ加熱した。100〜120℃の状態で3時間以上この状態を保ち、油脂中の水分が100ppm以下になるまで脱水した。その後、油脂を60℃まで冷却し、製造例5は固定化酵素(商品名:リポザイムTL IM、ノボザイム ジャパン(株))を用い、製造例8は1,3位特異性を示す固定化酵素(商品名:リポザイムRM IM、ノボザイム ジャパン(株))を用いてエステル交換を行った。各酵素は対油8質量部加え、撹拌しつつ5〜8時間反応させた後、濾過し酵素を除去した。
製造例1〜10の油脂の配合、炭素数8〜12及び炭素数20〜24の脂肪酸の含有量、炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロール(C36〜48TG)の総和、構成脂肪酸中の炭素数8〜12の脂肪酸含量/炭素数20〜24の脂肪酸含量の値、融点を表2に示した。脂肪酸含有量は上記の脂肪酸組成の分析方法、C36〜48TGの総和は基準油脂分析法2.4.6.1−1996にて、融点は基準油脂分析法2.2.4.2−1996にて分析を行った。
エステル交換前後の油脂(製造例6及び2)について、炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロールの総和の変化を表3に示した。エステル交換の反応率が95%以上であった場合、表3のようにエステル交換後の油脂は、炭素数の総和が36〜48であるトリアシルグリセロールの総和が増加した。C36〜48TGの総和は上記の方法により分析を行った。
〔実施例1〜6〕
上記の製造例1〜6で得られた油脂を用いて、表4の配合に従い、A成分をB成分である液状油をそれぞれ混合し、実施例1〜6のホイップクリーム用油脂を製造した。また、実施例1〜6のホイップクリーム用油脂組成物を用いて水中油型乳化液及びホイップクリームを製造し、水中油型乳化液の乳化安定性(振動耐性、温度安定性)及びホイップ性(ホイップ時間、最適ホイップ状態の終点幅、オーバーラン、粘稠性)、ホイップクリームの性能(造花状態、食感)について評価を行い、その結果も表4に示した。なお、表4においてC成分のヤシ極度硬化油はヤシ油を上記の水素添加方法により製造した。
上記の製造例1〜6で得られた油脂を用いて、表4の配合に従い、A成分をB成分である液状油をそれぞれ混合し、実施例1〜6のホイップクリーム用油脂を製造した。また、実施例1〜6のホイップクリーム用油脂組成物を用いて水中油型乳化液及びホイップクリームを製造し、水中油型乳化液の乳化安定性(振動耐性、温度安定性)及びホイップ性(ホイップ時間、最適ホイップ状態の終点幅、オーバーラン、粘稠性)、ホイップクリームの性能(造花状態、食感)について評価を行い、その結果も表4に示した。なお、表4においてC成分のヤシ極度硬化油はヤシ油を上記の水素添加方法により製造した。
(水中油型乳化液の製造方法)
まず、水49.48質量部を70℃に昇温し、撹拌しながら脱脂粉乳4質量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.12質量部を溶解させた水相部を用意した。一方、上記の実施例1〜5で得られたホイップクリーム用油脂45質量部に、予めレシチン0.64質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.22質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.18質量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.11質量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.25質量部を溶解させた油相部を用意し、上記の水相部に加え混合撹拌し予備乳化液を調整した。予備乳化後、高圧均質機(三和機械(株)製)を用いて圧力11MPaで均質化し、それを冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行った。
まず、水49.48質量部を70℃に昇温し、撹拌しながら脱脂粉乳4質量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.12質量部を溶解させた水相部を用意した。一方、上記の実施例1〜5で得られたホイップクリーム用油脂45質量部に、予めレシチン0.64質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.22質量部、モノグリセリン脂肪酸エステル0.18質量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.11質量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.25質量部を溶解させた油相部を用意し、上記の水相部に加え混合撹拌し予備乳化液を調整した。予備乳化後、高圧均質機(三和機械(株)製)を用いて圧力11MPaで均質化し、それを冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行った。
得られた水中油型乳化液の乳化安定性(振動耐性、温度安定性)及びホイップ性(ホイップ時間、最適ホイップ状態の終点幅、オーバーラン、粘稠性)、また、ホイップクリームの性能(造花状態、食感)の評価は下記の方法で行った。
(乳化安定性の評価方法)
(a)振動耐性:振動機を用い、容器に入れた水中油型乳化液を7℃の状態で100回/分の速さで水平方向に5時間振動させ、粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて水中油型乳化液の粘度を測定し評価した。
◎:振動後の水中油型乳化液の粘度が500cp未満
○:振動後の水中油型乳化液の粘度が500cp以上1000cp未満
△:振動後の水中油型乳化液の粘度が1000cp以上
×:振動後の水中油型乳化液が固化
(b)温度安定性(ヒートショック試験):冷蔵庫で24時間エージングを行った水中油型乳化液を30℃の恒温槽に7時間静置し、粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて水中油型乳化液の粘度を測定し評価した。
◎:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が500cp未満
○:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が500cp以上1000cp未満
△:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が1000cp以上
×:ヒートショック後の水中油型乳化液が固化
(ホイップ性の評価方法)
(c)ホイップ時間:水中油型乳化液600g及び砂糖60gを容器に仕込み、7℃まで冷却した後、ホイッパーを装着したホバートミキサー(関東混合機社製)を用いて2速でホイップした。そして、オーバーランが120以上を示し、且つレオメーターでの粘稠性が30g重以上を示すのに要した時間を求めた。
(d)オーバーラン:ホイップしたクリームを適度な時間にサンプリングし、下記の式により増加体積割合を算出した。そして、その最大値を下記の4段階で評価した。
〔(一定容積の水中油型乳化液の重量−同容積のホイップ後のクリーム重量)/(同容積のホイップ後のクリーム重量)〕×100(%)
◎:150以上 ○:120以上150未満
△:120未満 ×:ホイップ不可能
(e)粘稠性:オーバーラン測定時の各サンプルについて、レオメーター(サン科学社製、圧縮弾性アダプター使用)を用いてホイップクリームの粘稠度合を測定し評価した。◎:35g重以上〜50g重未満 ○:30g重以上〜35g重未満
△:15g重以上〜30g重未満 ×:15g重未満、50g重以上
(f)最適ホイップ状態の終点幅(終点幅):上記の方法にてホイップし、最適ホイップ状態(オーバーラン120以上、粘稠性30g重以上)の保持時間を測定し、以下の4段階で評価した。最適ホイップ状態の終点はオーバーランが下降し始めた時点とした。
◎:30秒以上 ○:20秒以上30秒未満
△:10秒以上20秒未満 ×:10秒未満
(クリームの性能の評価方法)
(g)造花状態:ホイップ後のクリームを絞り袋を使用して造花したときの絞り易い、造花物の形状、キメの状態等を総合評価した。
◎:最良・・・絞り易い。造花物がきれい。キメが良好
○:良好・・・絞り易い。造花物がややダレている。気泡が少し壊れている。
△:不良・・・絞りにくい。造花物がダレている。気泡が壊れている。
×:不良・・・絞りにくい。造花物がアレている。
(h)食感:口に含んだときに感じる油っぽさ、口溶け、爽快さ等の口当たりを評価した。
◎:最良 ○:良好 △:やや良好 ×:不良
(a)振動耐性:振動機を用い、容器に入れた水中油型乳化液を7℃の状態で100回/分の速さで水平方向に5時間振動させ、粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて水中油型乳化液の粘度を測定し評価した。
◎:振動後の水中油型乳化液の粘度が500cp未満
○:振動後の水中油型乳化液の粘度が500cp以上1000cp未満
△:振動後の水中油型乳化液の粘度が1000cp以上
×:振動後の水中油型乳化液が固化
(b)温度安定性(ヒートショック試験):冷蔵庫で24時間エージングを行った水中油型乳化液を30℃の恒温槽に7時間静置し、粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて水中油型乳化液の粘度を測定し評価した。
◎:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が500cp未満
○:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が500cp以上1000cp未満
△:ヒートショック後の水中油型乳化液の粘度が1000cp以上
×:ヒートショック後の水中油型乳化液が固化
(ホイップ性の評価方法)
(c)ホイップ時間:水中油型乳化液600g及び砂糖60gを容器に仕込み、7℃まで冷却した後、ホイッパーを装着したホバートミキサー(関東混合機社製)を用いて2速でホイップした。そして、オーバーランが120以上を示し、且つレオメーターでの粘稠性が30g重以上を示すのに要した時間を求めた。
(d)オーバーラン:ホイップしたクリームを適度な時間にサンプリングし、下記の式により増加体積割合を算出した。そして、その最大値を下記の4段階で評価した。
〔(一定容積の水中油型乳化液の重量−同容積のホイップ後のクリーム重量)/(同容積のホイップ後のクリーム重量)〕×100(%)
◎:150以上 ○:120以上150未満
△:120未満 ×:ホイップ不可能
(e)粘稠性:オーバーラン測定時の各サンプルについて、レオメーター(サン科学社製、圧縮弾性アダプター使用)を用いてホイップクリームの粘稠度合を測定し評価した。◎:35g重以上〜50g重未満 ○:30g重以上〜35g重未満
△:15g重以上〜30g重未満 ×:15g重未満、50g重以上
(f)最適ホイップ状態の終点幅(終点幅):上記の方法にてホイップし、最適ホイップ状態(オーバーラン120以上、粘稠性30g重以上)の保持時間を測定し、以下の4段階で評価した。最適ホイップ状態の終点はオーバーランが下降し始めた時点とした。
◎:30秒以上 ○:20秒以上30秒未満
△:10秒以上20秒未満 ×:10秒未満
(クリームの性能の評価方法)
(g)造花状態:ホイップ後のクリームを絞り袋を使用して造花したときの絞り易い、造花物の形状、キメの状態等を総合評価した。
◎:最良・・・絞り易い。造花物がきれい。キメが良好
○:良好・・・絞り易い。造花物がややダレている。気泡が少し壊れている。
△:不良・・・絞りにくい。造花物がダレている。気泡が壊れている。
×:不良・・・絞りにくい。造花物がアレている。
(h)食感:口に含んだときに感じる油っぽさ、口溶け、爽快さ等の口当たりを評価した。
◎:最良 ○:良好 △:やや良好 ×:不良
〔比較例1〜8〕
上記の製造例2、6〜10で得られた各油脂を用いて、表5の配合に従い、それぞれをB成分やC成分と混合し、比較例1〜7のホイップクリーム用油脂組成物を製造した。また、比較例1〜7のホイップクリーム用油脂組成物を用いて水中油型乳化液及びホイップクリームを上記の方法により製造し、水中油型乳化液の乳化安定性(振動耐性、温度安定性)及びホイップ性(ホイップ時間、最適ホイップ状態の終点幅、オーバーラン、粘稠性)、ホイップクリームの性能(造花状態、食感)について上記の方法により評価を行い、その結果も表5に示した。また、比較例8として生クリームを用い、他の比較例と同様にその乳化安定性、ホイップ性、クリームの性能を評価した。
上記の製造例2、6〜10で得られた各油脂を用いて、表5の配合に従い、それぞれをB成分やC成分と混合し、比較例1〜7のホイップクリーム用油脂組成物を製造した。また、比較例1〜7のホイップクリーム用油脂組成物を用いて水中油型乳化液及びホイップクリームを上記の方法により製造し、水中油型乳化液の乳化安定性(振動耐性、温度安定性)及びホイップ性(ホイップ時間、最適ホイップ状態の終点幅、オーバーラン、粘稠性)、ホイップクリームの性能(造花状態、食感)について上記の方法により評価を行い、その結果も表5に示した。また、比較例8として生クリームを用い、他の比較例と同様にその乳化安定性、ホイップ性、クリームの性能を評価した。
実施例1〜6における本発明のホイップクリーム用油脂組成物では、乳化安定性、ホイップ性、クリームの性能において優れていた。
比較例1及び2はA成分とB成分の比率が本発明の組成とは異なる例、比較例3はA成分が配合油でエステル交換油ではない例、比較例4はA成分の構成脂肪酸中の炭素鎖8〜12の脂肪酸の含有量が少なく、炭素鎖20〜24の脂肪酸の含有量が多い例、比較例5はA成分の構成脂肪酸中の炭素数20〜24の脂肪酸の含有量が少ない例、比較例6はA成分の構成脂肪酸中の炭素数8〜12の脂肪酸の含有量が少ない例であるが、いずれもホイップクリーム用油脂として乳化安定性、ホイップ性、クリームの性能のいずれかの性能に欠けていた。なお、比較例7はトランス酸を大量に含む場合の例、比較例8は生クリームを用いた場合の例である。
比較例1及び2はA成分とB成分の比率が本発明の組成とは異なる例、比較例3はA成分が配合油でエステル交換油ではない例、比較例4はA成分の構成脂肪酸中の炭素鎖8〜12の脂肪酸の含有量が少なく、炭素鎖20〜24の脂肪酸の含有量が多い例、比較例5はA成分の構成脂肪酸中の炭素数20〜24の脂肪酸の含有量が少ない例、比較例6はA成分の構成脂肪酸中の炭素数8〜12の脂肪酸の含有量が少ない例であるが、いずれもホイップクリーム用油脂として乳化安定性、ホイップ性、クリームの性能のいずれかの性能に欠けていた。なお、比較例7はトランス酸を大量に含む場合の例、比較例8は生クリームを用いた場合の例である。
Claims (3)
- A成分として下記の極度硬化油を50〜95質量部、B成分として液状植物油脂を5〜50質量部含むホイップクリーム用油脂組成物。
A成分:炭素数8〜24の脂肪酸から構成され、炭素数8〜12の脂肪酸含量が50〜60質量%、炭素数20〜24の脂肪酸含量が3〜12質量%であるエステル交換油。 - A成分が、構成脂肪酸に炭素数8〜12の脂肪酸を50質量%以上含む植物油脂と炭素数20〜24の脂肪酸を50質量%以上含む植物油脂とのエステル交換油である請求項1記載のホイップクリーム用油脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のホイップクリーム用油脂組成物を原料とするホイップクリーム。
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