JP5584776B2 - イオン風発生体及びイオン風発生装置 - Google Patents
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Description
本発明は、イオン風発生体及びイオン風発生装置に関する。
電子若しくはイオンの移動によりイオン風を誘起する装置が知られている。例えば、特許文献1では、基板状の誘電体に設けられた2つの電極に交流電圧を印加して誘電体バリア放電を生じさせ、誘電体の一方主面にイオン風を発生させている。
特許文献1において、2つの電極は、それぞれ、イオン風の流れ方向に平行な2辺及び流れ方向に直交する2辺を有する矩形状に形成されている。また、特許文献2においては、2つの電極の一方の電極を、他方の電極側の縁部に多点の末端を有する形状に形成する技術が開示されている。
特許文献1の技術では、2つの電極が矩形であることから、イオン風の風向は2つの電極の対向方向であり、また、風量の分布は2つの電極の対向方向に直交する方向において一様である。換言すれば、風量及び風向が単調である。特許文献2の技術は、風向を一定とすることを目的として、多点の末端を形成したものであり、やはり、風量及び風向が単調である。
本発明の目的は、風量及び風向の少なくとも一方の多様化を図ることができるイオン風発生体及びイオン風発生装置を提供することにある。
本発明の一実施態様に係るイオン風発生体は、第1電極と、平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体とを備えており、平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なっている。
本発明の一実施態様に係るイオン風発生装置は、第1電極と、平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してこれらの電極に前記第1方向に流れるイオン風を誘起させることが可能な電源と、を有し、平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なっている。
上記の構成によれば、風量及び風向の少なくとも一方の多様化を図ることができる。
以下、本発明の複数の実施形態に係るイオン風発生体及びイオン風発生装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。各図においては、説明の便宜上、適宜に3軸の直交座標系(xyz座標系)を定義して参照する。
第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態と共通又は類似する構成について、既に説明された実施形態と共通の符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。また、同様又は類似する構成が複数ある場合において、符号の数字に大文字のアルファベットを添えたり、省略したりすることがある。
<第1の実施形態>
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るイオン風発生装置1を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面図である。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るイオン風発生装置1を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面図である。
イオン風発生装置1は、概ね、矢印a1及びa2で示される方向(x方向)に流れるイオン風を発生させる装置として構成されている。
イオン風発生装置1は、イオン風を発生させるイオン風発生体3と、イオン風発生体3の駆動及び制御を行う駆動部5(図1(a))とを有している。
イオン風発生体3は、誘電体7と、誘電体7に隔てられた第1電極9及び第2電極11とを有している。イオン風発生体3は、第1電極9と第2電極11との間に電圧が印加されることにより、誘電体バリア放電を生じ、イオン風を発生させる。
誘電体7は、例えば、厚さが一定の平板状(基板状)に形成されており、第1主面7aと、その背面の第2主面7bとを有している。イオン風は、矢印a1及びa2で示すように第1主面7a上を第1主面7aに沿って流れる。なお、第2主面7bにおいても、第1主面7aにおけるイオン風とは概ね逆向きのイオン風が生じるが、本実施形態においては説明を省略する。誘電体7の平面形状は適宜な形状とされてよいが、図1ではx方向及びy方向に平行な辺を有する矩形とされた場合を例示している。
誘電体7は、無機絶縁物により形成されてもよいし、有機絶縁物により形成されてもよい。無機絶縁物としては、例えば、セラミック、ガラスが挙げられる。セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、ガラスセラミック焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト焼結体、炭化珪素質焼結体が挙げられる。有機絶縁物としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、ゴムが挙げられる。
第1電極9及び第2電極11は、例えば、厚さが一定の層状(平板状含む)に形成されている。第1電極9は、第1主面7aに積層され、第2電極11は、第2主面7bに積層されている。換言すれば、誘電体7は、第1電極9及び第2電極11の間に設けられ、これらの電極を隔てている。
第1電極9と第2電極11とは、x方向(イオン風の流れ方向)において互いにずれて配置されている。換言すれば、第2電極11は、第1電極9の下流側縁部9bよりもx方向の一方側(正側)に位置する下流域部11mを有している。このような下流域部11mが設けられることにより、第1主面7aにおいては、下流側縁部9b側から下流域部11m側へのイオン風が生じる。
なお、第1電極9と第2電極11とは、第1主面7a又は第2主面7bを平面視したときに、x方向において、一部が重複していてもよいし、隙間なく隣接していてもよいし、所定の隙間で離間していてもよい。図1では、第1電極9と第2電極11とが隙間なく隣接している場合を例示している。なお、この場合において、下流域部11mは、第2電極11の全体である。
第1電極9は、y方向に延在している。より具体的には、例えば、第1電極9の平面形状は、x方向及びy方向に平行な辺を有する矩形である。従って、第1電極9の下流側縁部9bは、イオン風を発生させようとする方向に対して直交する方向に延びる直線状となっている。
第2電極11の平面形状は、例えば、上流側縁部11aを底辺とする2等辺三角形である。上流側縁部11aは、第1電極9の下流側縁部9bと平行である。従って、平面視において、第2電極11(下流域部11m)の下流側縁部11bは、第1電極9の下流側縁部9bに対して平行ではなく、下流側縁部9bから下流側縁部11bまでの距離dは、y方向において異なっている。
なお、平面視において、距離dは、第2電極11の下流側縁部11bの各位置から第1電極9の下流側縁部9bへの最短距離である。すなわち、下流側縁部11bの各位置から第1電極9の下流側縁部9bに引いた垂線(最短経路)上の距離(下流側縁部9bに直交する方向(x方向)の距離)である。
また、平面視において、第2電極11(下流域部11m)は、x方向における、上流側縁部11aから下流側縁部11bまでの長さeが変化している。より具体的には、長さeは、y方向の中央側において大きくなっている。
なお、本実施形態においては、平面視において、第1電極9の下流側縁部9bの位置と第2電極11の上流側縁部11aの位置とは一致しているから、長さeは距離dと等しい。
第1電極9及び第2電極11は、金属等の導電性材料により形成されている。金属としては、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケル、コバルトまたはこれらを主成分とする合金が挙げられる。
駆動部5(図1(a))は、第1電極9と第2電極11との間に交流電圧を印加する電源装置13と、電源装置13を制御する制御装置15とを有している。
電源装置13により印加される交流電圧は、正弦波等により表わされる、電位が連続的に変化するものであってもよいし、パルス状の、電位の変化が不連続なものであってもよい。また、交流電圧は、第1電極9及び第2電極11の双方において基準電位に対して電位が変動するものであってもよいし、第1電極9及び第2電極11の一方が基準電位に接続され、他方においてのみ電位が基準電位に対して変動するものであってもよい。電位の変動は、基準電位に対して正及び負の双方に変動するものであってもよいし、基準電位に対して正及び負の一方のみに変動するものであってもよい。
制御装置15は、例えば、所定のシーケンスに従って、若しくは、ユーザの操作に従って、電源装置13による電圧の印加のオン・オフ、若しくは、印加される電圧の大きさなどを制御する。
なお、誘電体7、第1電極9及び第2電極11の寸法、並びに、交流電圧の大きさ及び周波数は、イオン風発生装置1が適用される技術、又は、要求されるイオン風の性質等の種々の事情に応じて適宜に設定されてよい。
イオン風発生体3の製造方法は、誘電体7がセラミック焼結体により構成される場合を例にとると、以下のとおりである。
まず、誘電体7となるセラミックグリーンシートを用意する。セラミックグリーンシートは、原料粉末に適当な有機溶剤及び溶媒を添加混合して作製したスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等の成形方法でシート状に成形することによって形成される。原料粉末は、アルミナセラミックを例にとると、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、カルシア(CaO)及びマグネシア(MgO)等である。
次に、セラミックグリーンシートの第1主面7aとなる面に第1電極9となる導電ペーストを、セラミックグリーンシートの第2主面7bとなる面に第2電極11となる導電ペーストを設ける。
導電ペーストは、例えば、タングステン、モリブデン、銅または銀等の金属粉末に有機溶剤及び有機バインダを添加し混合することによって作製される。導電ペーストは、必要に応じて分散剤や可塑剤などが添加されていてもよい。混合は、例えば、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により行われる。また、導電ペーストは、例えば、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いてセラミックグリーンシートに印刷塗布される。
そして、導電ペースト及びセラミックグリーンシートを同時焼成する。これにより、第1電極9及び第2電極11が配置された誘電体7、すなわち、イオン風発生体3が形成される。
なお、導電ペーストは、セラミックグリーンシートと同時焼成される場合には、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、残留応力の緩和によって焼結後の誘電体との接合強度を高めたりするために、ガラスやセラミックスの粉末が添加されてもよい。
次に、イオン風発生装置1の作用について説明する。
イオン風発生体3は、大気中に置かれ、イオン風発生体3の周囲には空気が存在している。なお、イオン風発生体3は、特定の種類の気体雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)に置かれて使用されてもよい。
電源装置13により第1電極9と第2電極11との間に電圧が印加され、これらの電極間の電位差が一定の閾値を超えると、誘電体バリア放電が生じる。そして、放電に伴ってプラズマが生成される。
プラズマ中の電子又はイオンは、第1電極9及び第2電極11により形成された電界により移動する。また、中性分子も電子又はイオンに随伴して移動する。このようにしてイオン風が誘起される。
より具体的には、第1主面7a側において流れるイオン風は、第1電極9側から第2電極11側へ移動する電子又はイオンにより、第1主面7a上の第2電極11と重なる領域を中心として誘起され、矢印a1及びa2で示す方向へ流れる。
このとき、第2電極11(下流域部11m)の長さeが長いほど、イオン風は速くなる。従って、本実施形態においては、矢印a1を大きく、矢印a2を小さく描くことにより表わしているように、y方向の中央側ほど風速(風量)が大きくなる。また、y方向の中央側ほど風速が大きくなることにより、矢印b1で示すように、側方から中央側へイオン風を集めるような風向を実現することも可能である。
なお、風速は、第1電極9及び第2電極11に印加される電圧が大きいほど、また、第1電極9と第2電極11との距離が小さくなるほど、大きくなる。また、第1電極9のx方向の長さ(上流側縁部9aの形状)は、第1主面7aにおけるイオン風の風速・風向に殆ど影響を及ぼさない。
以上の第1の実施形態によれば、イオン風発生体3は、第1電極9と、平面視において第1電極9からx方向の正側にずれた位置に配置された下流域部11mを有する第2電極11と、第1電極9および第2電極11の間に設けられた誘電体7とを備えている。平面視において、第1電極9の下流側縁部9bから下流域部11mの下流側縁部11bまでのx方向における距離dが、x方向に直交するy方向において異なっている。従って、y方向における距離dの相違を利用して、例えば、x方向における長さeをy方向に関して異ならせ、風速を多様化させることができる。
また、第1電極9の下流側部分と第2電極11の上流側部分とは、第1電極9の下流側縁部9bに亘ってx方向において隣接している。従って、風速の距離dに対する依存性が高まり、風速等の調整が容易である。すなわち、第1電極9の下流側部分と第2電極11の上流側部分とがx方向において離間し、且つ、その距離が変化すると、放電の発生の有無にばらつきが生じ、そのばらつきに伴う風速の変化まで考慮しなければならないが、そのような不都合は生じない。
下流域部11mは、x方向の長さeがy方向の中央側において大きくなるように形成されている。従って、上述のように、y方向の中央側ほど風速を大きくしたり、中央側にイオン風を集めるような風向が可能となる。これにより、例えば、イオン風発生装置1を流体の改質及び送出に利用したときに、まだ十分に改質されていない流体がイオン風発生装置1の周囲に拡散されることを抑制するなど、イオン風発生装置1の種々の効果的な利用が可能となる。
なお、第1の実施形態において、x方向の正側への方向は本発明の第1方向の一例であり、y方向は本発明の第2方向の一例である。
<第2の実施形態>
図2は、本発明の第2の実施形態に係るイオン風発生装置101の要部を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るイオン風発生装置101の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置101は、イオン風発生体103の第2電極111(下流域部111m)の形状のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と異なっている。具体的には、第2電極111は、下流側縁部111bの中央が凹むように2つの直角三角形を並べた形状となっている。換言すれば、第2電極111は、第1の実施形態とは逆に、x方向の長さeが、y方向の両端側において大きくなるように形成されている。なお、平面視において、第1電極9の下流側縁部9bと第2電極111の上流側縁部111aとが隣接していることは、第1の実施形態と同様である。
従って、第2の実施形態においては、矢印a101及びa102の大きさを異ならせて示すように、第1の実施形態とは逆に、側方ほど風速が大きくなる。また、側方の風速が大きくなることにより、矢印b101により示すように、イオン風を側方へ発散させるような風向も実現可能となる。これにより、例えば、効率的に流体を周囲に拡散させることができるなど、イオン風発生装置101の種々の効果的な利用が可能となる。
<第3の実施形態>
図3(a)は本発明の第3の実施形態に係るイオン風発生装置201を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における断面図である。
図3(a)は本発明の第3の実施形態に係るイオン風発生装置201を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における断面図である。
イオン風発生装置201は、イオン風発生体203の第1電極209の形状のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と異なっている。具体的には、以下のとおりである。
第1電極209は、第2電極11よりも上流側に位置する上流域部209mを有している。なお、第1の実施形態と同様に、平面視において、第1電極209の下流側縁部209bと第2電極11の上流側縁部11aとは隣接しており、本実施形態においては、上流域部209mは、第1電極209の全体である。
第1電極209は、上流側縁部209aの中央が凹むように2つの直角三角形を並べた形状となっている。一方、第2電極11は、下流側縁部11bの中央が突出する三角形となっている。従って、第1電極209は、概ね、矩形から第2電極11と同等の領域を排除した形状となっている。換言すれば、第1電極209は、x方向の長さfが、y方向に関して第2電極11(下流域部11m)のx方向の長さeが小さくなる位置ほど大きくなっている。
第1電極209及び第2電極11に交流電圧を印加すると、矢印a205及びa206により示すように、第1主面7aだけでなく、第2主面7bにおいてもイオン風が発生する。このイオン風は、第2主面7b上の第1電極209と重なる領域を中心として誘起され、第2電極11側から第1電極209側へ(第1主面7aを流れるイオン風とは逆向きに)流れる。
このとき、第1電極209(上流域部209m)の長さfが長いほど、第2主面7bにおけるイオン風は速くなる。従って、本実施形態においては、矢印a205を小さく、矢印a206を大きく描くことにより表わしているように、y方向の両端側ほど風速(風量)が大きくなる。
ここで、第1主面7aにおいては、第1の実施形態と同様に、y方向の両端側ほど風速(風量)が小さくなっている。従って、第2主面7bにおけるイオン風は、y方向において、第1主面7aにおけるイオン風の風速が小さい位置ほどその風速を減じる効果が大きくなることになる。その結果、風速の強弱の差が大きいイオン風を実現可能である。
<第4の実施形態>
図4(a)は本発明の第4の実施形態に係るイオン風発生装置301を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb線における断面図である。
図4(a)は本発明の第4の実施形態に係るイオン風発生装置301を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb線における断面図である。
イオン風発生装置301のイオン風発生体303は、図1の符号を参照して端的に言うと、第1の実施形態のイオン風発生体3において、第2主面7b側に誘電体7及び第1電極9を追加した構成となっている。図4の符号を参照して具体的に説明すると以下のとおりである。
誘電体307は、第1主面307aと、その背面の第2主面307bとを有している。第1電極9A及び9Bは、それぞれ、第1主面307a及び第2主面307bに積層されており、第2電極11は、誘電体307に埋設されている。イオン風発生体303の構成(各部材の形状及び位置)は、第2電極11に対して面対称となっている。
誘電体307は、例えば、第1絶縁層308A及び第2絶縁層308Bが積層されることにより構成されている。なお、図4では、説明の便宜上、第1絶縁層308Aと第2絶縁層308Bとの境界線を明示しているが、実際の製品においては、第1絶縁層308A及び第2絶縁層308Bは一体化され、その境界線が観察できなくてもよい。なお、境界線は、観察が不可能であっても、第2電極11の位置からその位置を特定可能である。
第1電極9A及び9Bは、それぞれ第1の実施形態の第1電極9と同様のものであり、また、互いに並列に接続されている。また、第2電極11も、誘電体307に埋設されている点を除いて、第1の実施形態の第2電極11と同様のものである。
イオン風発生体303の製造方法は、例えば、第1の実施形態と同様に、各電極となる導電ペーストが設けられたセラミックグリーンシートを焼成する方法でよい。すなわち、第1絶縁層308Aとなるセラミックグリーンシートに第1電極9Aとなる導電ペーストを配置し、第2絶縁層308Bとなるセラミックグリーンシートに第1電極9Bとなる導電ペーストを配置し、上記の2枚のセラミックグリーンシートの一方に第2電極11となる導電ペーストを配置し、上記の2枚のセラミックグリーンシートを積層して焼成することにより、イオン風発生体303を形成してよい。
イオン風発生体303においては、第1電極9A及び9Bと、第2電極11との間に交流電圧を印加すると、矢印a1及びa2により示すように、第1主面307aにおいては、第1の実施形態と同様に、第1電極9A側から第2電極11側へのイオン風が発生する。また、矢印a301及びa302により示すように、第2主面307bにおいても、第1電極9B側から第2電極11側へのイオン風が発生する。すなわち、第1主面307aと第2主面307bとで、同一方向のイオン風が発生する。従って、効率的に風速の大きいイオン風を発生させることができる。
<第5の実施形態>
図5は、本発明の第5の実施形態に係るイオン風発生装置401の要部を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の第5の実施形態に係るイオン風発生装置401の要部を模式的に示す断面図である。
イオン風発生装置401のイオン風発生体403は、第4の実施形態と同様に、第1電極9A及び9Bを誘電体407の両主面に配置するものである。ただし、誘電体及び第2電極の構成が第4の実施形態と異なっている。
イオン風発生体403は、図1の符号を参照して端的に言うと、第1の実施形態のイオン風発生体3を、第3絶縁層408Cを介在させつつ、2つ重ねた構成となっている。図4の符号を参照して具体的に説明すると以下のとおりである。
誘電体407は、第1絶縁層408A、第2絶縁層408B、及び、これらの間に介在する第3絶縁層408Cが積層されて構成されている。第1絶縁層408A及び第2絶縁層408Bは、例えば、互いに同一の厚さである。第3絶縁層408Cの厚さは、適宜に設定されてよく、図3では、第1絶縁層408A及び第2絶縁層408Bよりも薄く形成されている場合を例示している。
誘電体407は、第1主面407aと、その背面の第2主面407bとを有している。第1電極9A及び9Bは、それぞれ、第1主面407a及び第2主面407bに積層されている。第2電極11A及び11Bは、それぞれ第1絶縁層408Aと第3絶縁層408Cとの間、及び、第2絶縁層408Bと第3絶縁層408Cとの間に埋設されている。
第3絶縁層408Cには、第3絶縁層408Cを貫通するビア導体412が設けられており、ビア導体412は、第2電極11A及び11Bを接続している。ビア導体412の数、配置位置、平面形状、断面形状及び寸法は適宜に設定されてよい。ビア導体412の材料は、例えば、第1及び第2電極の材料と同様である。
なお、第2電極11A及び11B、並びに、ビア導体412の全体により、第5の実施形態における第2電極411が構成されていると捉えることもできる。
第1電極9A及び9Bは、それぞれ第1の実施形態の第1電極9と同様のものであり、また、互いに接続されている。また、第2電極11A及び11Bも、誘電体407に埋設されている点を除いて、第1の実施形態の第2電極11と同様のものである。
イオン風発生体303の製造方法は、例えば、第1の実施形態と同様に、各電極となる導電ペーストが設けられたセラミックグリーンシートを焼成する方法でよい。具体的には、以下のとおりである。
第1絶縁層408Aとなるセラミックグリーンシートに第1電極9A及び第2電極11Aとなる導電ペーストを配置する。また、第2絶縁層408Bとなるセラミックグリーンシートに第1電極9B及び第2電極11Bとなる導電ペーストを配置する。さらに、第3絶縁層408Cとなるセラミックグリーンシートにビアを形成し、そのビアにビア導体412となる導電ペーストを充填する。そして、上記の3枚のセラミックグリーンシートを積層して焼成することにより、イオン風発生体403を形成する。
イオン風発生体403においても、第4の実施形態と同様に、第1主面407a及び第2主面407bの双方において同一方向のイオン風を発生させることができ、効率的に風速の大きいイオン風を発生させることができる。
第4の実施形態のイオン風発生体303では、第1電極9A及び9Bと第2電極11との距離を小さくしてイオン風の風速を大きくするために第1絶縁層308A及び第2絶縁層308Bを薄くすると、誘電体307全体としての厚みが小さくなり、イオン風発生体303の力学的強度が低下する。しかし、第5の実施形態のイオン風発生体403では、第3絶縁層408Cにより、誘電体407全体としての厚みを確保することが可能である。
また、第4の実施形態のイオン風発生体303では、第1絶縁層308Aと第2絶縁層308Bとを積層する際の位置ずれによって、第2電極11と、第1電極9A及び9Bの一方との位置ずれが生じるおそれがある。しかし、第5の実施形態では、そのような不都合は生じない。
<第6の実施形態>
図6(a)は本発明の第6の実施形態に係るイオン風発生装置501を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb線における断面図である。
図6(a)は本発明の第6の実施形態に係るイオン風発生装置501を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb線における断面図である。
イオン風発生装置501のイオン風発生体503は、第5の実施形態と同様に、第1電極9A及び9Bを誘電体407の両主面に配置し、且つ、2つの第2電極を誘電体407に埋設するものである。ただし、電極の配置及び構成が第5の実施形態と異なっている。
イオン風発生体503は、図1及び図2の符号を参照して端的に言うと、第1の実施形態のイオン風発生体3と、第2の実施形態のイオン風発生体103とを、第3絶縁層408Cを介在させて重ねた構成となっている。第1電極9A及び9Bは、互いに並列に接続されており、第2電極11及び111は互いに並列に接続されている。
第1電極9Aから第2電極11への方向と、第1電極9Bから第2電極111への方向とは逆向きになっている。換言すれば、第2電極11が第1電極9Aよりもx方向の一方側に位置する下流域部11mを有するのに対し、第2電極111は、第1電極9Bよりもx方向の他方側に位置する下流域部111mを有している。従って、第1主面407aに沿うイオン風と、第2主面407bに沿うイオン風とは逆向きである。
また、第2電極11及び第2電極111の一方の形状は、概ね、矩形から他方の電極の形状を排除した形状となっている。換言すれば、第2電極111の下流域部111mのx方向の長さeは、y方向に関して第2電極11の下流域部11mのx方向の長さeが小さくなる位置ほど大きくなっている。
第1電極9A及び第2電極11に交流電圧が印加されると、矢印a1及びa2により示すように、第1主面407aにおいて、第1の実施形態と同様のイオン風が発生する。また、第1電極9B及び第2電極111に交流電圧が印加されると、矢印a101及びa102により示すように、第2主面407bにおいて、第2の実施形態と同様のイオン風が発生する。
ここで、第1主面407aにおけるイオン風と第2主面407bにおけるイオン風とは逆向きであり、また、y方向において、第1主面407aにおけるイオン風の風速が小さい位置ほど、第2主面407bにおけるイオン風の風速が大きい。従って、第3の実施形態と同様に、第1主面407aにおけるイオン風においてy方向の中央側の風速が相対的に大きくなる効果が増大する。
なお、第6の実施形態において、第1電極9A及び9Bは本発明の第1電極及び第3電極の一例であり、第2電極11及び111は本発明の第2電極及び第4電極の一例である。
<第7の実施形態>
図7は本発明の第7の実施形態に係るイオン風発生装置601を模式的に示す斜視図である。
図7は本発明の第7の実施形態に係るイオン風発生装置601を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置601は、第2電極の電極形状及び第2電極の電圧制御が第1の実施形態等と異なる。具体的には、以下のとおりである。
イオン風発生体603の第2電極611は、y方向において複数(本実施形態では2つ)に分割されており、第1分割電極612A及び第2分割電極612B(以下、単に「分割電極612」ということがある。)を有している。なお、第2電極611全体としての形状は適宜な形状とされてよいが、図7では、第2の実施形態と同様に、下流側縁部611bの中央側が凹むように2つの直角三角形を並べた形状とされた場合を例示している。
また、駆動部605は、電源装置13と2つの分割電極612との接続状態を切り換え可能なスイッチ部617を有している。スイッチ部617は、例えば、任意の分割電極612それぞれ(本実施形態では全ての分割電極612それぞれ)に対して設けられたスイッチ618(618A、618B)を有して構成されている。そして、スイッチ部617は、電源装置13と2つの分割電極612との接続状態を、2つの分割電極612が接続されている状態、第1分割電極612Aのみが接続されている状態、第2分割電極612Bのみが接続されている状態及び2つの分割電極612が切断されている状態の4状態の間で切り換え可能である。スイッチ618は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)により構成されている。
第7の実施形態によれば、電源装置13と分割電極612との接続状態を切り換えることにより、風速及び/又は風向を可変とすることができ、第2電極611の形状の変化による風速及び/又は風向の多様化の効果を増大させることができる。その結果、例えば、イオン風を推進力として利用する微小な電子機器に多様な運動をさせることができる。また、スイッチ部617により電圧を印加する電極を選択することから、複数の分割電極612に対応して複数の電源装置13を配置するような場合(この場合も本願発明に含まれる)に比較して安価である。
<第8の実施形態>
図10は本発明の第8の実施形態に係るイオン風発生装置901を模式的に示す斜視図である。
図10は本発明の第8の実施形態に係るイオン風発生装置901を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置901は、第2の実施形態のイオン風発生装置101において、直流電極912及び当該直流電極912に直流電圧を印加する直流電源装置914を設けた構成となっている。具体的には、以下のとおりである。
直流電極912は、例えば、第1電極9等と同様に平板状に形成され、第1主面7aにおいて第2電極111よりも下流側に設けられている。また、直流電極912は、例えば、y方向の両側に2つ設けられている。換言すれば、直流電極912は、y方向において、第2電極111のx方向の長さeが大きくなっている位置において設けられている。なお、直流電極912の形状は適宜なものとされてよい。
直流電源装置914は、閉ループを構成しない状態で直流電圧を直流電極912に印加する。すなわち、直流電極912には、直流電源装置914の正の端子若しくは負の端子のみが接続されており、直流電源装置914からの電流が流れる閉ループは構成されていない。なお、図10では、2つの直流電極912は、直流電源装置914に対して並列に接続されているが、これらは直列に接続されていてもよい。
直流電源装置914により直流電極912に直流電圧が印加されると、直流電極912の周囲には電界が形成される。従って、プラズマ(イオン風)に含まれる電子又はイオンが直流電極912側に引き寄せられる。例えば、直流電極912に正の電位が付与されれば、負の電荷が直流電極912に引き寄せられ、直流電極912に負の電位が付与されれば、正の電荷が直流電極912に引き寄せられる。その結果、イオン風が加速される。しかも、直流電極914は、閉ループを構成していないことから、消費電力は極めて低い。
さらに、直流電極912は、y方向において、第2電極111の形状によって風速が大きくなる位置に配置されていることから、第2電極111による風速分布をより顕著なものとすることができる。
なお、制御装置15は、電源装置13によって交流電圧を第1電極9及び第2電極111に印加している間において常に直流電源装置914によって直流電極912に直流電圧を印加するように制御を行ってもよいし、電源装置13によって交流電圧を第1電極9及び第2電極111に印加している間において、所定の条件が満たされたときのみにおいて、直流電源装置914によって直流電極912に直流電圧を印加するように制御を行ってもよい。また、制御装置15は、直流電圧の大きさを制御してもよく、この場合において、直流電圧の大きさは、交流電圧の大きさに比例するように制御されてもよいし、交流電圧の大きさとは独立に制御されてもよい。
<利用例>
図11は、本発明のイオン風発生装置の利用例の要部を模式的に示す分解斜視図であり、図8は、図11のVIII-VIII線における断面図である。
図11は、本発明のイオン風発生装置の利用例の要部を模式的に示す分解斜視図であり、図8は、図11のVIII-VIII線における断面図である。
当該利用例のイオン風発生装置701は、流路821の上面及び下面に形成された凹部821rに配置されて、流路821内にx方向の流れを生じさせることに利用されている。このような場合、流路821の壁面821wの近傍においては、壁面821wからの摩擦抵抗により、流速が遅くなり、流路821内の流速分布が不均一になる。
そこで、イオン風発生体703の第2電極711(下流域部711m)は、第2の実施形態と同様に、y方向の端部側において、x方向の長さe(図8)が大きくなるように形成されている。
従って、壁面821w近傍において風速が大きくなるようにイオン風が誘起されることにより、図8において矢印a801により示すように、壁面821wの影響による流速の不均一性が緩和される。
なお、流路の、流れ方向に直交する断面の形状は矩形に限定されず、円形等であってもよい。また、流路821の下面及び上面の全体、若しくは、流路821を構成する部材全体が誘電体によって形成されていてもよい。流路821を構成する部材全体が誘電体である場合において、第2電極711は、当該部材の外周面に設けられてもよい。また、イオン風発生体は、第4の実施形態のように誘電体の両主面において同一方向にイオン風が流れるものとされ、流路内においてz方向に所定の間隔で複数配置されるとともに、x軸回りに向きを90度変えてy方向に所定の間隔で複数配置されるなどしてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
本発明のイオン風発生装置及びイオン風発生体は、種々の分野において利用可能である。例えば、本発明は、翼における境界層の剥離抑制に利用されてもよいし、微小空間における流れの形成(例えば小型電子機器の冷却風の形成)に利用されてもよい。
上述した複数の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第4及び第5の実施形態における誘電体の両面に第1電極を配置する構成は、第2の実施形態の第2電極の形状に対して適用されてもよい。また、例えば、第7の実施形態の第2電極を分割する構成は、第1の実施形態の第2電極の形状に対して適用されてよい。また、例えば、第8の実施形態の直流電極は、第2の実施形態以外のいずれの実施形態に追加されてもよい。
誘電体は、平板状のものに限定されず、例えば、厚さが変化する翼状のものであってもよいし、湾曲した板状のものであってもよい。第2電極等が埋設される誘電体は、絶縁層の積層により形成されたものに限定されない。例えば、誘電体は、電極となる金属を配置した金型内に誘電体となる材料が充填され、成形されたものであってもよい。また、誘電体が絶縁層の積層により形成される場合において、誘電体はセラミックグリーンシートを積層して焼成したものに限定されない。例えば、誘電体は、セラミックの溶射により絶縁層が積層されたものでもよいし、未硬化の熱硬化性樹脂が積層されて加熱・加圧されたものでもよい。また、絶縁層がセラミックグリーンシートにより構成される場合において、一の絶縁層が複数のセラミックグリーンシートから構成されてもよい。また、誘電体は、第1電極と第2電極とを隔てていればよく、これらの電極を固定するための基体として機能しなくてもよい。
第1電極は、第2電極の下流域部との並び方向(イオン風の流れ方向、第1方向)に交差する方向(第2方向)においてある程度の幅を有していればよく、適宜な形状とされてよい。例えば、第1電極は、第2方向に延在する軸状であってもよい。また、第1電極が層状である場合において、その平面形状は、実施形態のものに限定されない。例えば、平面形状は、円形、正方形若しくは台形であってもよい。また、第1電極は、第1方向における長さが第2方向における長さよりも大きくてもよい。
第1電極が誘電体の両主面側に設けられる場合において、2つの第1電極は、互いに異なる形状であってもよい。また、誘電体の両主面に第1電極が設けられる場合において、これらは並列に接続されるものに限定されない。例えば、両主面に設けられた第1電極は、直列に接続されてもよいし、第2電極との間に互いに異なる周波数及び/又は振幅の電圧が印加されてもよい。誘電体の内部に第2電極が2つ設けられる場合も同様である。
第2電極は、平面視において当該第2電極の上流側縁部の位置が第1電極の上流側縁部の位置に一致するものに限定されない。例えば、第2電極は、図9(a)〜図9(c)の平面図に例示するように、第1電極の下流側縁部に亘って又は第2電極の上流側縁部に亘って、x方向において、一部が重複し、又は、第1電極から離間して形成されてもよい。
図9(a)では、第2電極31の上流側の一部は、第1電極9に重なっている。なお、この場合、第2電極31の下流域部31mは、実施形態とは異なり、第2電極31の下流側の一部となる。距離d及び長さeは、互いに同一である。ただし、距離d及び長さeは、実施形態とは異なり、第2電極31全体のx方向の長さとは相違する。第2電極31の上流側の一部は、第1電極9全体と重なっていてもよい。
図9(b)では、第2電極33は、第1電極9から離間している。ただし、その離間している距離(x方向の距離)はy方向において一定である。なお、この場合、第2電極33の下流域部33mは、実施形態と同様に、第2電極33全体となる。y方向の同一位置における距離dと長さeとは互いに異なるが、距離d及び長さeのy方向の位置に対する変化は互いに同一である。
図9(c)では、第2電極35は、y方向の一部のみにおいて第1電極9と重なっている。また、離間している部分については、その離間している距離(x方向の距離)がy方向において一定ではない。なお、この場合、第2電極35の下流域部35mは、実施形態とは異なり、第2電極35の下流側の一部となる。離間している部分においては、y方向の同一位置における距離dと長さeとは、互いに異なり、また、距離d及び長さeのy方向の位置に対する変化も互いに異なる。
第2電極は、その下流側縁部の、第1電極の下流側縁部からの距離(d)が第2方向の位置に対して変化する一方で、下流域部の、第1方向の長さ(e)が第2方向の位置に対して一定であってもよい。この場合であっても、第1電極の下流側縁部と第2電極の上流側縁部との第1方向の距離の第2方向の位置に対する変化によって風速及び/又は風量を多様化させることが可能である。ただし、下流域部の長さ(e)が変化した方が、風速及び/又は風量を効率的に変化させることができると考えられる。
第2電極の下流域部の長さ(e)の第2方向(y方向)の位置に対する変化は、実施形態に例示したものに限定されない。例えば、直線的に変化するのではなく、曲線的に変化してもよいし、階段状に変化してもよい。また、例えば、適宜な数の適宜な位置において長さ(e)が増加又は減少したり、第1電極の下流側縁部の中央(y方向の中央)に対して非対称に長さ(e)が変化したりするなど、長さ(e)の変化は複雑なものとされてもよい。
第3の実施形態のように、第1電極の上流域部の長さ(f)が第2方向(y方向)の位置に対して変化する場合において、第1電極の形状は、矩形から第2電極の形状を排除した形状に限定されない。両主面におけるイオン風により適宜なイオン風が合成されるように、第1電極の形状は適宜に設定されてよい。第6の実施形態のように、第4電極(111)の下流域部の長さ(e)が第2方向の位置に対して変化する場合における、第4電極の形状についても同様である。
第1電極(又は第3電極)は、誘電体の表面に露出するものに限定されない。第1電極は、誘電体に埋設されてもよいし、誘電材料によりコーティングされてもよい。また、第1電極が誘電体の表面に露出する場合において、第1電極は、誘電体に形成された凹部に嵌合し、一部のみが誘電体から露出されてもよい。
第2電極(又は第4電極)も第1電極と同様に、誘電体の表面、内部又は凹部等に適宜に配置されてよい。なお、第1の実施形態のように、第1主面におけるイオン風のみに着目する場合においては、第2電極を埋設するとともに、第2電極と第2主面との間の誘電体の厚みを大きくすることにより、第2主面におけるイオン風の発生を抑制することができる。
スイッチ部を構成するスイッチは、複数の第2電極に対して適宜に設けられてよく、全ての第2電極に個別に設けられる必要はない。例えば、スイッチは、複数の第2電極のうちの一部に対して個別に設けられてもよいし、複数の第2電極のうちの一部に対して共通に設けられてもよい。
直流電極は、複数配置されず、一つのみ配置されてもよい。また、複数の直流電極は、第7の実施形態の分割電極と同様に、個別に電圧印加が制御されてもよい。また、直流電極は、第2方向(y方向)において、第1電極及び第2電極によるイオン風の風速が強い位置に設けられる必要はない。例えば、第1電極及び第2電極によるイオン風の風速が弱い位置に設けられ、必要に応じて直流電圧が印加されて、一時的にイオン風の分布を一様化することに寄与してもよいし、第1電極及び第2電極と同等の幅で設けられ、単にイオン風の風速を全体的に大きくすることに寄与してもよい。
実施品において、第1電極及び第2電極の位置関係等を把握するときの平面視の方向、第1方向及び第2方向は適宜に抽出されてよい。例えば、イオン風が誘電体の表面に沿って流れる場合においては、その表面の平面視において、第1電極及び第2電極の位置関係等が把握されるものとしてよい。また、例えば、第1電極と第2電極との位置関係及び第1電極の全体の形状から適宜に第1方向及び第2方向が抽出されてよい。また、上述した実施形態の説明から理解されるように、第1電極において、第1電極側から第2電極側へ流れるイオン風に対して支配的な部位は、下流側縁部であることから、その下流側縁部の延びる方向が第2方向として抽出されてもよい。例えば、下流側縁部が弧である場合においては、弧に沿う方向を第2方向として抽出し、半径方向を第1方向と抽出してよい。また、例えば、第1電極の下流側縁部が複数回屈曲する場合においては、第1電極の下流側縁部の各部毎に第1方向及び第2方向が抽出されてもよい。
なお、本願明細書からは、第1電極と、複数の分割電極と、前記第1電極と前記複数の分割電極との間に電圧を印加することによりイオン風を誘起可能な電源と、前記電源と前記複数の分割電極との間の接続状態を切り換え可能なスイッチ部とを有するイオン風発生装置の発明を抽出可能である。当該イオン風発生装置においては、分割電極の下流側縁部と第1電極の下流側縁部との距離が変化する必要はない。
1…イオン風発生装置、3…イオン風発生体、7…誘電体、9…第1電極、9b…下流側縁部、11…第2電極、11b…下流側縁部、11m…下流域部、d…距離。
Claims (5)
- 第1電極と、
平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体とを備えており、
平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なり、
前記下流域部は、前記第1方向の長さが前記第2方向の両端側において大きくなるように形成され、
前記第1電極の前記第2電極とは反対側にて前記第1方向に延びる流路を構成する、前記第2方向において前記第1電極及び前記第2電極の両側に位置する壁面が設けられている
イオン風発生体。 - 第1電極と、
平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体とを備えており、
平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なり、
前記下流域部は、前記第1方向における長さが前記第2方向において異なり、
前記第1電極は、前記第2電極よりも前記第1方向とは反対側に位置する上流域部を含み、
前記第1電極の下流側縁部は前記第2方向に平行な直線状であり、
前記上流域部は、前記第1方向の長さが、前記第2方向に関して前記下流域部の前記第1方向の長さが小さくなる位置ほど大きくなっている
イオン風発生体。 - 第1電極と、
平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体とを備えており、
平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なり、
前記下流域部は、前記第1方向における長さが前記第2方向において異なり、
前記誘電体は、第1主面とその背面の第2主面とを有し、
前記第2電極は、前記誘電体に埋設され、
前記第1電極は、前記第2電極よりも前記第1主面側に設けられ、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1主面に沿うイオン風を誘起可能であり、
前記誘電体の前記第2電極よりも前記第2主面側には第4電極が埋設されており、
前記第4電極よりも前記第2主面側には第3電極が設けられており、
前記第4電極は、前記第3電極から前記第1方向の反対側に位置する下流域部を有し、
前記第4電極の前記下流域部は、前記第1方向の長さが、前記第2方向に関して前記第2電極の前記第1方向の長さが小さくなる位置ほど大きくなっている
イオン風発生体。 - 第1電極と、
平面視において該第1電極から第1方向にずれた位置に配置された下流域部を有する第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に設けられた誘電体とを備えており、
平面視において、前記第1電極の下流側縁部から前記下流域部の下流側縁部までの前記第1方向における距離が、前記第1方向に直交する第2方向において異なり、
前記誘電体は、第1主面とその背面の第2主面とを有し、
前記第2電極は、前記誘電体に埋設されており、
前記第1電極は、前記第2電極よりも前記第1主面側に設けられており、
前記第2電極よりも前記第2主面側に設けられ、前記第2電極に対して前記第1方向又はその反対側に位置する下流域部を有する第3電極が設けられている
イオン風発生体。 - 請求項1〜4のいずれか1項のイオン風発生体と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してこれらの電極に前記第1方向に流れるイオン風を誘起させることが可能な電源と、
を有する
イオン風発生装置。
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|---|---|---|---|
| JP2012540935A JP5584776B2 (ja) | 2010-10-27 | 2011-10-27 | イオン風発生体及びイオン風発生装置 |
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|---|---|---|---|
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