JP6491981B2 - 気流発生装置および風力発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、気流発生装置および風力発電システムに関するものである。
風力発電システムにおいては、風力エネルギーを利用して発電が行われる。
風力発電システムの発電量は、風車翼表面に剥離流れの発生に起因して低下してしまう場合があった。この対策として、気流発生装置を風車翼の表面に設置して、プラズマ気流を発生させることにより、剥離流れの発生を抑制することが提案されている。また、気流発生装置を用いることにより、風力発電システムなどの流体機器システムにおける振動や騒音を抑制することもできる。
通常、気流発生装置は、誘電体と、誘電体の内部に埋設された柱状電極と、誘電体の表面に配置された柱状電極と、を有している(特許文献1)。このような気流発生装置の柱状電極の構成材料として、金属材料などが一般的に使用される。
特開2008−25434号公報
しかしながら、上記構造を有する気流発生装置が備える柱状電極として、従来使用されていた金属材料からなる柱状の電極を用いた場合、柱状電極の両端部の頂点M付近において電界集中が起こってしまい(図1参照)、誘電体2や柱状電極3および4が損傷を受けて、気流発生装置の寿命が短くなってしまうという問題があった。特に誘電体の内部の電極3は交換が難しく、その交換には高いコストや長い作業時間を要していた。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、誘電体の内部の柱状電極の両端部の頂点付近における電界集中を抑制することができる気流発生装置を提供しようとするものである。
実施形態による気流発生装置は、誘電体と、誘電体の内部に設けられた第1の柱状電極と、誘電体の表面または表面近傍に第1の電極と離間し、かつ第1の柱状電極の長手方向と、その長手方向が平行となるように配置された第2の柱状電極と、を備え、第1の柱状電極の柱状電極は、その両端部の頂点近傍に設けられた電気抵抗値の相対的に高い高電気抵抗部分と、高電気抵抗部分より第1の柱状電極の長手方向内側に設けられた電気抵抗値の相対的に低い低電気抵抗部分とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、柱状電極の両端部の頂点付近における電界集中を抑制することができ、長寿命の気流発生装置を実現することができる。
気流発生装置における電界解析の結果を示す図である 実施形態による気流発生装置を示す模式断面図である。 他の実施形態による気流発生装置を示す模式断面図である。 実施形態による気流発生装置を上方から見たときの平面図である。 他の実施形態による気流発生装置を上方から見たときの平面図である。 図5Aにおいて示される気流発生装置が備えるダインの電極の長手方向における電気抵抗値の変化を示す図である。 他の実施形態による気流発生装置を上方から見たときの平面図である。 他の実施形態による気流発生装置を上方から見たときの平面図である。 実施形態による気流発生装置の製造方法を説明するための模式断面図である。 実施形態による気流発生装置の製造方法を説明するための模式断面図である。 実施形態による風力発電システムを示す斜視図である。 実施形態による風車翼を示す模式断面図である。 実施形態による風車翼を示す斜視図である。
[気流発生装置]
図2に示すように、一実施形態において、気流発生装置1は、
誘電体2と、
前記誘電体2の内部に設けられた第1の柱状電極3と、
前記誘電体2の表面または表面近傍に前記第1の電極3と離間し、かつ前記第1の柱状電極3の長手方向と、その長手方向が平行となるように配置された第2の柱状電極4と、を備えてなる。
図3に示すように、他の一実施形態において、気流発生装置1は、
第1の誘電体2aと、
前記第1の誘電体部材2aに積層された第2の誘電体部材2bと、
前記第1の誘電体部材2aの第2の柱状電極4側の表面若しくは表面近傍に設けられた第1の柱状電極3と、
前記第2の誘電体部材2bの上表面若しくは上表面近傍に設けられ、前記第1の柱状電極3の長手方向と、その長手方向とが平行となるように配置された第2の柱状電極4と、を備えてなる。
[誘電体]
本発明の実施の形態において、気流発生装置は、誘電体を備えてなる。
一実施形態において、誘電体は、可撓性材料を含んでなり、可撓性材料は、誘電体へ電気絶縁性を付与することができることから、樹脂材料であることが好ましい。
樹脂材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑樹脂および架橋ゴムなどが挙げられ、これらの中でも、気流発生装置の機械的強度や安定性を考慮すると、架橋ゴムが好ましい。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。また、架橋ゴムとして、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴムなどが挙げられる。誘電体は、上記樹脂材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
一実施形態において、誘電体は、スメクタイト群、カオリン群、マイカ群またはバーミキュライト群に属する層状ケイ酸塩などの無機微粒子を含んでなる。スメクタイト群に属する層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ステブンサイトおよびノントロナイトなどが挙げられる。カオリン群に属する層状珪酸塩としては、カオリナイト、ナクライト、ディッカイトおよびハロサイトなどが挙げられる。マイカ群に属する層状ケイ酸塩としては、マスコバイト、マーガライト、イライト、クリントナイト、アナンダイト、バイオタイトおよびレピドライトなどが挙げられる。バーミキュライト群に属する層状ケイ酸塩としては、トリオクタヘドラルバーミキュライトおよびジオクタヘドラルバーミキュライトなどが挙げられる。これらのうちでも、分散性などの点からスメクタイト群に属する層状ケイ酸塩を用いることが望ましい。誘電体は、上記無機微粒子を1種または2種以上含んでいてもよい。
誘電体における上記無機微粒子の含有量は、上記樹脂材料100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。無機微粒子の含有量を上記数値範囲内とすることにより、無機微粒子同士の距離を適切なものに保つことができ、微粒子の凝集体形成に伴う、気流発生装置の機械的強度の低下を防止することができるとともに、好適な電気的特性を与えることができる。より好ましくは1〜10質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。ここでいう電気的特性とは、たとえば絶縁破壊強度や耐放電侵食性などのことを指し、機械的特性とは、たとえば破壊靱性などのことを指す。
無機微粒子の平均一次粒子径は、1000nm以下、1nm以上であることが好ましく、500nm以下、5nm以上であることがより好ましい。無機微粒子の平均一次粒子径を上記数値範囲内とすることにより、無機微粒子のアスペクト比が大きくなりすぎてしまうことを防止することができ、また、それに伴う上記樹脂材料との混合物の粘度の増加を抑制することができるため、作業効率の低下を防止することができる。なお、この平均粒子径は、積算分布(累積分布)の中位径(累積分布曲線で累積量が50%時の粒子径)である。また、無機微粒子の大きさは、レーザー回折散乱法や動的光散乱法、誘電泳動現象と回折光を利用した方法などにより測定することができる。
誘電体の表面は、接着性向上の観点から、コロナ処理やカップリング処理などによる表面活性化処理が施されることが好ましい。
一実施形態において、誘電体は、複数の誘電体部材を積層した積層体であってもよい。具体的には第1の誘電体部材と、第2の誘電体部材とからなる積層体とすることができる。このような構成とすることにより、気流発生装置の製造過程において、後述する第1の柱状電極を二つの誘電体部材で挟み込むことによって、誘電体に第1の柱状電極を埋設した構造を容易に形成させることができる(例えば、図3参照)。なお、第1の誘電体部材の樹脂材料と第2の誘電体部材の樹脂材料とは同一であっても異なっていてもよい。ただし第1の誘電体部材と第2の誘電体部材の接着性および気流発生装置の機械的特性の観点から、第1の誘電体部材を構成する樹脂材料と、第2の誘電体部材を構成する樹脂とは同一であることが好ましい。
[第1の柱状電極]
一実施形態において、気流発生装置1が備える第1の柱状電極3は、誘電体2の内部に、前記第2の柱状電極4から離間して配置される(図2参照)。また、誘電体2が、第1の誘電体部材2aと、第2の誘電体部材2bとからなる積層体からなる場合、第1の柱状電極3は、前記第2の誘電体部材2aの第2の柱状電極4側表面若しくは表面近傍に配置されることが好ましい(図3参照)。いずれの場合においても、第1の柱状電極3は、第2の柱状電極4の長手方向に対し、その長手方向が平行となるように配置される。これは第1および第2の電極の間隔が一定で無いと、電極間隔の狭い部分で電界集中が起こる可能性があるためである。また、第2の柱状電極は、第1の柱状電極よりも、その長手方向の長さが、長いことが好ましい。
実施形態による気流発生装置は、風車翼などに適用することを意図したものである。このため、風車翼の長手方向に渡って気流を発生させることが好ましいので、電極は一定の長さを有する柱状形状であることが好ましい。また、柱状電極の断面形状は、特に限定されず、例えば、四角形、半円形、半楕円形、円形および楕円形などが挙げられる。具体的には実施形態における、柱状電極とは、円柱状、角柱状、板状などの形状を有することができる。また、柱状電極の末端部分は、一般的には頂点が存在するが、末端部分を丸めて頂点を有さない形状とすることもできる。実施形態に用いられる第1の柱状電極は、これらのうちから目的に応じて適切な形状を有するものとすることができる。
一実施形態において、第1の柱状電極は、その両端部の頂点近傍に設けられた電気抵抗値が相対的に高い高電気抵抗部分と、前記高電気抵抗部分より前記第1の柱状電極の長手方向内側に設けられた電気抵抗値が相対的に低い低電気抵抗部分とを備えてなる。実施形態において、「頂点付近」とは、柱状電極の頂点に近い領域をさし、「頂点近傍」とは、それよりも広い領域、例えば、柱状電極の全体の長さに対して、両端からそれぞれ30%程度の長さの領域をさすものとする。第1の柱状電極がこのような構成を有していることにより、第1の柱状電極の末端部にある頂点付近での電界集中を抑制することができ、第1の柱状電極の絶縁破壊時間を延ばすことができる。
一実施形態において、第2の柱状電極が設けられた誘電体表面の垂直上方からみたときに、第1の柱状電極3の電気抵抗値の相対的に低い部分3aと、第2の柱状電極4とが重複していないことが好ましい(例えば、図4参照)。
以下に第1の柱状電極の構成の具体例を図4〜7を参照しながら、以下に説明する。なお、図4〜7において第2の柱状電極は、第1の柱状電極よりも、その長手方向の長さが長くなっているが、これに限定されるものではない。
第1の実施形態においては、図4に示すように、第1の柱状電極3は、電気抵抗値の相対的に低い中央部3a(低電気抵抗部分)と、前記中央部3aの両端に設けられた、電気抵抗値の相対的に高い端部3b(高電気抵抗部分)とを備えてなる。中央部3aと、端部3bとの接着は、必要に応じて導電性接着剤などを介して行うことができる。このような構成とすることで、電界集中が起こりえる部位を複数に分散させることができ、結果的に電界集中を抑制することが可能となる。
第2の実施形態においては、図5Aおよび5Bに示すように、第1の柱状電極3は、長手方向の中央から末端に向かい連続的に電気抵抗値が増大するよう構成されていてもよい。電気抵抗値を連続的に変化させる方法としては、例えば、第1の柱状電極3の中央から末端に向かい、電気抵抗値が相対的に高い材料の含有量を徐々に増加させる方法や、第1の柱状電極3の断面積を徐々に減少させる方法などが挙げられる。これら方法により形成させた第1の柱状電極3は、電極内に界面が存在せず、機械的強度が高いため好ましい。
第3の実施形態において、図6に示すように、第1の柱状電極3は、電気抵抗値が相対的に低い材料で形成された中央部分3cと、その中央部分を被覆する、電気抵抗値が相対的に高い材料からなる被覆部分3dとを備えてなる。なお、図6においては、中央部分3c全体が被覆されているが、これに限定されず、一部(特に中央部分の両端部の頂点付近)だけが被覆されていてもよい。被覆は、スクリーン印刷法やドクターブレード法などの塗布法を用いることにより形成することができる。また、キャスティング法などの樹脂成形法により形成させることもできる。
第4の実施形態において、図7に示すように、前記第2の柱状電極4が設けられた誘電体2の表面の垂直上方からみたときに、前記第1の柱状電極3の電気抵抗値の相対的に大きい部分3dと、前記第2の柱状電極4とが重複し、かつ前記第1の柱状電極3の電気抵抗値の相対的に小さい部分3cと、前記第2の柱状電極4とが重複しないことが好ましい。これにより気流が発生する部分における電解が均一化され、発生する放電の安定性を向上させることができる。また、第1の柱状電極3の機械的破壊を抑制することもできる。
一実施形態において、第1の柱状電極が備える高電気抵抗部分は、導電性樹脂組成物を含んでなる。本発明において、「導電性樹脂組成物」は、それ自体が導電性を有する樹脂材料(以下、場合により、「導電性樹脂材料」という。)からなるものであってよい。また、「導電性樹脂組成物」は、導電性を有しない樹脂材料(以下、場合により、「非導電性樹脂材料」という。)と、導電性微粒子とを含んでなるものであってもよい。さらに、「導電性樹脂組成物」は、導電性樹脂材料と、非導電性樹脂材料および/または導電性微粒子とを含んでなるものであってもよい。
導電性樹脂材料としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリンなどが挙げられ、導電性樹脂組成物は、上記導電性樹脂材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
非導電性樹脂材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑樹脂および架橋ゴムなどが挙げられ、これらの中でも、気流発生装置の機械的強度や安定性を考慮すると、架橋ゴムが好ましい。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。また、架橋ゴムとして、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴムなどが挙げられる。導電性樹脂組成物は、上記非導電性樹脂材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
導電性微粒子の具体例としては、カーボン系微粒子、金属系微粒子および金属酸化物系微粒子などが挙げられ、これらを1種または1種以上含んでいてもよい。
カーボン系微粒子としては、カーボンブラックなどのカーボン粉末、カーボンナノファイバーなどのナノカーボンおよび炭素繊維などが挙げられる。
また、金属系微粒子としては、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属粉末および鉄、銅、ステンレスなどの金属繊維などが挙げられる。
また、金属酸化物系微粒子としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛などが挙げられる。
導電性微粒子の平均一次粒子径は、0.1μm〜500μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。
導電性樹脂材料における導電性微粒子は、導電性樹脂材料100質量部に対し、1〜200質量部添加することが好ましく、5〜100質量部添加することが好ましい。また、非導電性樹脂材料100質量部に対し、1〜500質量部添加することが好ましく、5〜200質量部添加することが好ましい。
一実施形態において、第1の柱状電極が備える低電気抵抗部分は、ニッケル、ステンレス、チタン、モリブデン、タングステンまたはこれらの合金などの金属材料を含んでなる。
[第2の柱状電極]
気流発生装置が備える第2の柱状電極4は、前記誘電体2の表面または表面近傍に設けられる(図2参照)。誘電体の表面には、第1の柱状電極および第2の柱状電極にケーブル配線を介して電圧を印加した際、放電プラズマが発生する。そのため、第2の柱状電極は、耐放電性や耐酸化性を有する導電性材料を含んでなることが好ましい。第2の柱状電極が含んでなる導電性材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス、チタン、モリブデン、タングステンおよびこれらの合金などの金属材料が挙げられる。これらの中でも、耐酸化性および耐放電性に特に優れるため、タングステンおよびチタンが好ましい。
第2の柱状電極の形状は、前記した第1の柱状電極の項において述べたものから選択することができる。なお、第2の柱状電極の形状は、第1の柱状電極の形状と同一である必要は無い。
しかしながら、前述したように第2の柱状電極の両端部の頂点付近においても電界集中は起こり得る。そのため、第2の柱状電極は、第1の柱状電極と同様、その両端部の頂点近傍に設けられた電気抵抗値が相対的に高い高電気抵抗部分と、前記高電気抵抗部分より前記第2の柱状電極の長手方向内側に設けられた電気抵抗値が相対的に低い低電気抵抗部分とを備えるように構成されていてもよい。具体的には、第1の柱状電極の第1の態様乃至第4の態様において示した構成とすることができる。なお、第2の柱状電極においては、放電プラズマによる浸食を考慮し、高電気抵抗部分は、導電性ジルコニア、アルミナ−チタンカーバイド、炭化珪素などの導電性セラミックスにより形成することが好ましい。
[気流発生装置の製造方法]
一実施形態における気流発生装置の製造方法を説明すると以下の通りである。
まず、図8に示すように、下金型5に第1の誘電体部材2aを配置する。次いで、第1の誘電体部材2a上に第1の柱状電極3を配置する。さらに、第1の柱状電極3を挟み込むように、第1の誘電体部材2a上に第2の誘電体部材2bを積層する。
続いて、上金型6と、下金型5により、第1の誘電体部材2a、第1の柱状電極3および第2の誘電体部材2bを加熱加圧することにより一体化させる。
続いて、金型から一体化させた誘電体を取り出し、第2の誘電体部材2b上表面に、第2の柱状電極4を接合することにより、気流発生装置1を得ることができる(図示せず)。接合方法としては、例えば、第2の誘電体部材2bにおける第2の柱状電極4と接合する面をアルコキシシラン化合物などにより修飾してから、第2の柱状電極4を接触させ、加熱する方法などが挙げられる。アルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
別の実施形態における気流発生装置の製造方法を説明すると以下の通りである。
まず、図9に示すように、下金型5に第1の誘電体部材2aを配置する。次いで、第1の誘電体部材2a上に第1の柱状電極3を配置する。さらに、第1の柱状電極3を挟み込むように、第1の誘電体部材2a上に第2の誘電体部材2bを積層する。そして、第2の誘電体部材2b上に第2の柱状電極4を配置する。
続いて、上金型6と、下金型5により、第1の誘電体部材2a、第1の柱状電極3、第2の誘電体部材2bおよび第2の柱状電極4を加熱加圧することにより一体化させることにより、気流発生装置1を得ることができる。なお、加熱温度および加圧圧力は上記した条件と同様の範囲が好ましい。
なお、図8および図9においては、第1の柱状電極4が、第1の誘電体部材2aの第2の柱状電極4側表面近傍に配置、すなわち、第1の誘電体部材2aに埋入するように配置されているが、第1の誘電体部材2aおよび第2の誘電体部材2bを構成する材料を適切に選択することにより、第2の誘電体部材2bに埋入させてもよい。
[風力発電システム]
図10は、一実施形態における風力発電システム7を示す斜視図である。図10に示される様に、風力発電システム7において、地面8に設置されたタワー9の頂部に発電機(図示しない)などを収容したナセル10が取り付けられている。また、ナセル10から突出した発電機の回転軸に風車翼11が取り付けられている。さらに、ナセル10の上面には、風邪の風向や風速を計測する風向風速計12が設けられている。また、一実施形態において、図11に示されるように、気流発生装置の第1の柱状電極3および第2の柱状電極4には、ケーブル配線13を介して、これら電極間に電圧を印加する放電用電源14が設置される。放電用電源14から第1の柱状電極3と第2の柱状電極4との間に電圧が印加され、一定の閾値以上の電位差となると、第1の柱状電極3と第2の柱状電極4との間に誘電体バリア放電が起こり、この誘電体バリア放電に伴って、放電プラズマが生成される。図11に示すように、この誘電体バリア放電によって、第1の柱状電極3および第2の柱状電極4の長手方向と垂直な一方向に、第1の誘電体部材2aの表面に沿って気流AFが発生する。なお、図11においては、誘電体表面の垂直上方からみたときに、第2の柱状電極4から第1の柱状電極3に向かう方向に気流AFが発生しているが、これに限定されるものではなく、電極に印加する電圧、周波数、電流波形、デューティ比、などの電流電圧特性を変化させたり、電極の設置方法を変更することにより制御することができる。また、気流の大きさについても同様に制御することが可能である。
[風車翼]
図13は、一実施形態における風車翼11を示す斜視図である。図12に示されるように、風車翼11は、風車翼本体15と、風車翼本体15に配置された気流発生装置1と、を含んでなる。
一実施形態において、風車翼本体は、グラスファイバを合成樹脂により固形化したGFRP(グラスファイバ強化樹脂)などの誘電材料を含んでなる。なお、風車翼は、全体が誘電材料により構成されるものに限定されず、気流発生装置を配置される部分のみが誘電性材料により構成されるものであってもよい。
また、実施形態による気流発生装置は、風車翼以外にも各種の用途に適用することができる。例えば列車、自動車、または航空機の運行時に発生する空気抵抗を低減させるために、機体等の表面に発生する気流の整流に用いることもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 気流発生装置
2 誘電体
2a 第1の誘電体部材
2b 第2の誘電体部材
3 第1の柱状電極
4 第2の柱状電極
4a 中央部
4b 端部
4c 中央部分
4d 被覆部分
5 下金型
6 上金型
7 風力発電システム
8 地面
9 タワー
10 ナセル
11 風車翼
12 風向風速計
13 ケーブル配線
14 放電用電源
15 風車翼本体
AF 気流

Claims (9)

  1. 誘電体と、
    前記誘電体の内部に設けられた第1の柱状電極と、
    前記誘電体の表面または表面近傍に前記第1の電極と離間し、かつ前記第1の柱状電極の長手方向と、その長手方向が平行となるように配置された第2の柱状電極と、を備え、
    前記第1の柱状電極の柱状電極は、その両端部の頂点近傍に設けられた電気抵抗値の相対的に高い高電気抵抗部分と、前記高電気抵抗部分より前記第1の柱状電極の長手方向内側に設けられた電気抵抗値の相対的に低い低電気抵抗部分とを備えてなることを特徴とする、気流発生装置。
  2. 前記第1の柱状電極が、電気抵抗値の相対的に小さい中央部と、前記中央部分の長手方向の両端に設けられた、電気抵抗値の相対的に大きい端部とを備えてなる、請求項1に記載の気流発生装置。
  3. 前記第1の柱状電極が、長手方向の中央から末端に向かい電気抵抗値が連続的に増大するように構成された、請求項1に記載の気流発生装置。
  4. 前記第1の柱状電極が、電気抵抗値の相対的に小さい材料で形成された中央部分と、その中央部分を被覆する、電気抵抗値の相対的に大きい材料からなる被覆部分とを備えてなる、請求項1に記載の気流発生装置。
  5. 前記第2の柱状電極が設けられた誘電体表面の垂直上方からみたときに、前記第1の柱状電極の電気抵抗値の相対的に小さい部分と、前記第2の柱状電極とが重複していない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の気流発生装置。
  6. 前記第2の柱状電極が設けられた誘電体表面の垂直上方からみたときに、前記第1の柱状電極の電気抵抗値の相対的に大きい部分と、前記第2の柱状電極とが重複し、かつ前記第1の柱状電極の電気抵抗値の相対的に小さい部分と、前記第2の柱状電極とが重複しない、請求項4に記載の気流発生装置。
  7. 前記第2の柱状電極が設けられた誘電体表面の垂直上方からみたときに、前記第2の柱状電極から前記第1の柱状電極の方向に気流が発生する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の気流発生装置。
  8. 前記誘電体が、第1の誘電体部材と、第2の誘電体部材とからなる積層体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の気流発生装置。
  9. 前記第2の柱状電極の柱状電極が、その両端部の頂点近傍に設けられた電気抵抗値の相対的に高い高電気抵抗部分と、前記高電気抵抗部分より前記第2の柱状電極の長手方向内側に設けられた電気抵抗値の相対的に低い低電気抵抗部分とを備えてなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の気流発生装置。
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