以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施の形態例1>
図1〜図4に基づき、本発明の実施の形態例1に係る水陸両用車の車両制御装置について説明する。
図1(a)に示すように、水陸両用車21は、水陸両用車21に装備されている装軌22によって陸上23を走行することと、水陸両用車21に装備されているウォータジェット24によって水上25を航行することと、装軌22とウォータジェット24の両方によって水際26を走行することとが可能である。そして、これらの陸上走行、水上航行及び水際走行は、従来と同様の手動による水陸両用車21の動力系統のモード切り替えだけでなく、水陸両用車21に装備されている車両制御装置27による自動的な水陸両用車1の動力系統のモード切り替えによっても、実施することができる。なお、車両制御装置27はパーソナルコンピュータなどから成るものである。
詳述すると、図2に示すように、水陸両用車21は、動力源であるエンジン31と、エンジン出力分配器32とを備えている。エンジン出力分配器32では、従来と同様の手動による陸上モード(陸上走行)と水上モード(水上航行)と中間モード(水際走行)のモード切り替え操作だけでなく、車両制御装置27から出力される陸上モード信号aと水上モード信号bと中間モード信号cによる自動的なモード切り替え操作によっても、エンジン11の出力を伝達する先を切り替えることができる。
詳細は後述するが、車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されている荷重センサ41の出力(荷重検出値)に基づいて(即ち水陸両用車にかかる負荷値に基づいて)、モード切り替えのための陸上モード信号a、水上モード信号b又は中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。
車両制御装置27から陸上モード信号aが出力されると、この陸上モード信号aを入力したエンジン出力分配器32では、エンジン31の出力を、水陸両用車21に装備されているトランスミッション33へ伝える。従って、エンジン31の出力は、トランスミッション33を介して、水陸両用車21に装備されているスプロケット(動輪)34へ伝達される。その結果、エンジン31によってスプロケット34が回転駆動され、このスプロケット34によって装軌22が回転駆動される。このため、水陸両用車21は、装軌22によって陸上走行をすることができる。
車両制御装置27から水上モード信号bが出力されると、この水上モード信号bを入力したエンジン出力分配器32では、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝える。このため、水陸両用車21は、ウォータジェット24によって水上航行をすることができる。
車両制御装置27から中間モード信号cが出力されると、この中間モード信号cを入力したエンジン出力分配器12では、エンジン31の出力をトランスミッション33(即ち装軌22)とウォータジェット24の両方に伝える。このため、水陸両用車21は、装軌22とウォータジェット24の両方によって水際走行をすることができる。
次に、荷重センサ41の出力(荷重検出値)に基づいて実施される車両制御装置27のモード切り替え(各モード信号a,b,cの出力)について詳述する。
図3に示すように、本実施の形態例1で用いている荷重センサ41は歪みゲージであり、水陸両用車21にサスペンションとして装備されているトーションバー42に取り付けらている。トーションバー42の先端には連結部材43の一端が固定され、連結部材43の他端にはベアリング44を介して回転自在に水陸両用車21の車輪34が結合されている。荷重センサ(歪みゲージ)41はトーションバーの捩じれ(即ち歪み)を検出する。従って、トーションバー42に作用する水陸両用車21の荷重が変化すると、トーションバー42の捩じれ(即ち歪み)が変化し、これに伴って荷重センサ(歪みゲージ)41の出力が変化する。即ち、荷重センサ41により、陸上走行時、水上航行時及び水際走行時において装軌22(車輪34)にかかる水陸両用車21の荷重が検出される。
図1(a)及び図1(b)に基づいて説明すると、水上25や水際26では水陸両用車21に対して浮力が働くため、水陸両用車21の走行・航行位置に応じて、荷重センサ41の出力(荷重検出値)が、図1(b)に例示するような変化をする。即ち、水陸両用車21が陸上26から水際26に達すると、水陸両用車21に浮力が働くため、荷重センサ41の出力は低下する。その後、水上25では水陸両用車21が水中に入る体積が増し、更に大きな浮力が水陸両用車21に働くため、荷重センサ41の出力が更に低下する。一方、水陸両用車21が水上25から水際26に達すると(水陸両用車21が水中に入る体積が減少すると)、水陸両用車21に働く浮力が小さくなるため、荷重センサ41の出力は増加する。その後、陸上23では水陸両用車21に浮力が働かなくなるため、荷重センサ41の出力が更に増加する。
このような荷重センサ41の出力は、図1(a)に示すように車両制御装置27に入力される。
そして、車両制御装置27は、図1(b)に点線で示すような第1の荷重閾値S1と、第2の荷重閾値S2と、第3の荷重閾値S3と、第4の荷重閾値S4とを記憶しており、これらの荷重閾値S1〜S4と荷重センサ41の出力との比較結果に基づいて各モード信号a,b,cを出力する。第1の荷重閾値S1及び第2の荷重閾値S2は、図1(a)の左側に示すように水陸両用車21が、陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第2の荷重閾値S2は第1の荷重閾値S1よりも小さな値である。第3の荷重閾値S3及び第4の荷重閾値S4は、図1(a)の右側に示すように水陸両用車21が、水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第4の荷重閾値S4は第3の荷重閾値S3よりも大きな値である。なお、本実施の形態例1では、図1(b)に示すように第1の荷重閾値S1と第4の荷重閾値S4は同じ値とし、第2の荷重閾値S2と第3の荷重閾値S3は同じ値としているが、これに限定するものではなく、第1の荷重閾値S1と第4の荷重閾値S4を異なる値としてもよく、第2の荷重閾値S2と第3の荷重閾値S3を異なる値としてもよい。
図1(a)及び図1(b)に示すように、車両制御装置27は、水陸両用車21が陸上モード(陸上走行)のとき、浮力により水陸両用車21の荷重が低下して荷重センサ41の出力が、第1の荷重閾値S1以下になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をトランスミッション33(装軌22)とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、水上25へ向かって水際26を下って行く。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、更に大きな浮力により水陸両用車21の荷重が更に低下して荷重センサ41の出力が、第2の荷重閾値S2以下になった(即ち水上25に達した)と判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることにより、水陸両用車21はウォータジェット24によって水上航行を行う。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が水上モード(水上航行)のとき、浮力が小さくなり水陸両用車21の荷重が増加して荷重センサ41の出力が、第3の荷重閾値S3以上になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をトランスミッション33(装軌22)とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、陸上23へ向かって水際26を上って行く。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、浮力が更に小さくなり水陸両用車21の荷重が更に増加して荷重センサ41の出力が、第4の荷重閾値S4以上になった(即ち陸上23に達した)と判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
次に、中間モード(水際走行)において、装軌22の空回りが発生したときの車両制御装置27によるエンジン出力制御について説明する。
図2に示すように、車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されている車両速度センサ51の出力(車両速度検出値)と、水陸両用車21に装備されているエンジン回転トルクセンサ52の出力(エンジン回転トルク検出値)も入力する。また、車両制御装置27は、図4に点線で示すようなエンジン回転トルク閾値Sも記憶している。図4に実線で示すようにエンジン31の回転トルクは、水陸両用車21の車両速度が増加するにしたがって減少する。このため、車両制御装置27に記憶されているエンジン回転トルク閾値Sも、図4に点線で示すように水陸両用車21の車両速度(車両速度センサ51の出力)が増加するにしたがって減少するように設定されている。
車両制御装置27では、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、車両速度センサ51の出力(車両速度検出値)に対応した値のエンジン回転トルク閾値Sと、エンジン回転トルクセンサ52の出力とを比較する。そして、車両制御装置27は、エンジン回転トルクセンサ52の出力が当該エンジン回転トルク閾値S以下になった(即ち装軌22が空回りしている)と判定した場合には、図2に示すようにエンジン31へエンジン出力増加信号dを出力する。つまり、装軌22が空回りするとエンジン31に対する負荷が軽減されることになるため、エンジン31の回転トルクが減少する。従って、エンジン回転トルクセンサ52の出力がエンジン回転トルク閾値S以下になった場合、即ち車両速度(車両速度センサ51の出力)が増加していないにも関わらず、図4に矢印Aで示すようにエンジン31の回転トルク(エンジン回転トルクセンサ52の出力)が減少した場合には、装軌22が空回りしていると判定することができる。
車両制御装置27からエンジン31へエンジン出力増加信号dが出力されると、このエンジン出力増加信号dに基づいてエンジン31の出力が増加するため、装軌22の空回りによって減少した水陸両用車21の車両速度が増加する(即ち車両速度が安定する)。つまり、中間モードでは装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行っており、装軌22が空回りしたとしても、ウォータジェット24の推進力が得られる。従って、エンジン出力増加信号dに基づいてエンジン31の出力が増加すると、ウォータジェット24の推進力が増加するため、装軌22の空回りによって減少した水陸両用車21の車両速度が増加して安定する。このとき、図4に矢印Bで示すようにエンジン31の回転トルクは上昇する。
以上のように、本実施の形態例1における水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が陸上23から水上25に向かうときの陸上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから水上モードへのモード切り替えを行うための水上モード信号b、又は、水上25から陸上23へ向かうときの水上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから陸上モードへのモード切り替えを行うための陸上モード信号aを、水陸両用車21にかかる負荷値(荷重センサ41の出力である荷重検出値)に基づいてエンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
具体的には、陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより装軌22によって陸上23を走行する陸上走行と、水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることによりウォータジェット24によって水上25を航行する水上航行と、中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24へ伝えることにより装軌22とウォータジェット24によって水際を走行する水際走行とを行うことが可能な水陸両用車21の車両制御装置27であって、水陸両用車21の荷重を検出する荷重センサ41の出力(荷重検出値)と、水陸両用車21が陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第1の荷重閾値S1及び第2の荷重閾値S2、及び、水陸両用車21が水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第3の荷重閾値S3及び第4の荷重閾値S4とを比較し、水陸両用車21が陸上モードのとき、荷重センサ41の出力が第1の荷重閾値S1以下になったと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、荷重センサ41の出力が第2の荷重閾値S2以下になったと判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が水上モードのとき、荷重センサ41の出力が第3の荷重閾値S3以上になったと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、荷重センサ41の出力が第4の荷重閾値S4以上になったと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
このため、車両制御装置27によって水陸両用車21のモード切り替えを自動的に行うことができる。従って、水陸両用車21の操作に習熟していない操作者が水陸両用車21を操作する場合や、水陸両用車21を操作中の視界が悪い場合にも、水陸両用車21のモード切り替えをするタイミングを誤ってしまうおそれがない。
また、本実施の形態例1の水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン31の回転トルクを検出するエンジン回転トルクセンサ52の出力と、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定するエンジン回転トルク閾値Sとを比較し、エンジン回転トルクセンサ52の出力が、車両速度センサ51の出力に対応した値のエンジン回転トルク閾値S以下になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、エンジン31へエンジン出力増加信号dを出力することを特徴としているため、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。
なお、これに限定するものではなく、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出する回転トルクセンサの出力と、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定する回転トルク閾値とを比較し、前記回転トルクセンサの出力が、車両速度センサ51の出力に対応した値の回転トルク閾値以下になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、トランスミッションへ減速比変更信号を出力するようにしてもよい。この減速比変更信号に基づいてトランスミッション33の減速比を変更することにより、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。これは、トランスミッション33の回転トルクが下がったとき(装軌22が空回りしたとき)、回転数を落として回転トルクを上げる(力強さを持たせる)ことで出力(回転数×回転トルク)を結果的に上げることが可能になるためである。
<実施の形態例2>
図5に基づき、本発明の実施の形態例2に係る水陸両用車21の車両制御装置27について説明する。なお、水陸両用車21の装備や水陸両用車21の陸上走行時、水上航行時及び水際走行時の様子などについては上記実施の形態例1の場合と同様である(図1(a)参照)。本実施の形態例2では、上記実施の形態例1で用いた水陸両用車21の荷重の代わりに水陸両用車21の傾斜角(ピッチ角)に基づいて(水際又は海岸線に関わる計測値に基づいて)、車両制御装置27による自動的なモード切り替えを行う。
詳述すると、図5に示すように、本実施の形態例2の車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されている車両傾斜角センサ61の出力(車両傾斜角検出値)を入力する。車両傾斜角センサ61は、水陸両用車21の車体前後方向(前側)が上方や下方に傾斜したときの傾斜角(ピッチ角)を検出して出力するセンサである。ここでは車両傾斜角センサ61としてジャイロが用いられている。
車両制御装置27は、第1の車両傾斜角閾値S11と、第2の車両傾斜角閾値S12と、第3の車両傾斜角閾値S13と、第4の車両傾斜角閾値S14とを記憶している。第1の車両傾斜角閾値S11及び第2の車両傾斜角閾値S12は、図1(a)の左側に示すように水陸両用車21が、陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値である。第3の車両傾斜角閾値S13及び第4の車両傾斜角閾値S14は、図1(a)の右側に示すように水陸両用車21が、水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値である。
図1(a)に示すように、陸上23を走行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水陸両用車21の前側が下方へ傾く。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が陸上モード(陸上走行)のとき、水陸両用車21の前側の下方への傾斜角が大きくなって車両傾斜角センサ61の出力が、第1の車両傾斜角閾値S11以上になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を、装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、水上25へ向かって水際26を下って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が水上25に達すると(水深が深くなると)、水陸両用車21の前側の下方への傾斜角が小さくなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、水陸両用車21の前側の下方への傾斜角が小さくなって車両傾斜角センサ61の出力が、第2の車両傾斜角閾値S12以下になった(即ち水上25に達した:水深が深くなった)と判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることにより、水陸両用車21はウォータジェット24によって水上航行を行う。なお、水上25では水陸両用車21の傾斜が大きく変動することはなく、水陸両用車21はほぼ水平である。
また、水上25を航行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水陸両用車21の前側の上方への傾斜角が大きくなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が水上モード(水上航行)のとき、水陸両用車21の前側の上方への傾斜角が大きくなって車両傾斜角センサ61の出力が、第3の車両傾斜角閾値S13以上になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、陸上23へ向かって水際26を上って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が陸上23に達すると、水陸両用車21の前側の上方への傾斜角が小さくなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、水陸両用車21の前側の上方への傾斜角が小さくなって車両傾斜角センサ61の出力が、第4の車両傾斜角閾値S14以下になった(即ち陸上23に達した)と判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
なお、中間モード(水際走行)において、装軌22の空回りが発生したときの車両制御装置27によるエンジン出力制御については、上記実施の形態例1の場合と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施の形態例2における水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が陸上23から水上25に向かうときの陸上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから水上モードへのモード切り替えを行うための水上モード信号b、又は、水上25から陸上23へ向かうときの水上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから陸上モードへのモード切り替えを行うための陸上モード信号aを、水際又は海岸線に関わる計測値(車両傾斜角センサ61の出力である傾斜角検出値)に基づいてエンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
具体的には、陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより装軌22によって陸上23を走行する陸上走行と、水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることによりウォータジェット24によって水上を航行する水上航行と、中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24へ伝えることにより装軌22とウォータジェット24って水際26を走行する水際走行とを行うことが可能な水陸両用車21の車両制御装置27であって、水陸両用車21の前側が上方や下方へ傾斜したときの傾斜角を検出する車両傾斜角センサ61の出力と、水陸両用車21が陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第1の車両傾斜角閾値S11及び第2の車両傾斜角閾値S12、及び、水陸両用車21が水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第3の車両傾斜角閾値S13及び第4の車両傾斜角閾値S14とを比較し、水陸両用車21が陸上モードのとき、車両傾斜角センサ61の出力が第1の車両傾斜角閾値S11以上になったと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、車両傾斜角センサ61の出力が第2の車両傾斜角閾値S12以下になったと判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が水上モードのとき、車両傾斜角センサ61の出力が第3の車両傾斜角閾値S13以上になったと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、車両傾斜角センサ61の出力が第4の車両傾斜角閾値S14以下になったと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
このため、車両制御装置2によって水陸両用車21のモード切り替えを自動的に行うことができる。従って、水陸両用車21の操作に習熟していない操作者が水陸両用車21を操作する場合や、水陸両用車21を操作中の視界が悪い場合にも、水陸両用車21のモード切り替えをするタイミングを誤ってしまうおそれがない。
また、本実施の形態例2の水陸両用車21の車両制御装置27でも、上記実施の形態例1と同様に、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン31の回転トルクを検出するエンジン回転トルクセンサ52の出力(又はエンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出するトランスミッション回転トルクセンサの出力)と、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定するエンジン回転トルク閾値S(又はトランスミッション回転トルク閾値S)とを比較し、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値のエンジン回転トルク閾値S以下(又はトランスミッション回転トルク閾値S以下)になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、エンジン31へエンジン出力増加信号dを出力する(トランスミッション33へ減速比変更信号を出力する)ことを特徴としているため、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。
<実施の形態例3>
図6に基づき、本発明の実施の形態例3に係る水陸両用車21の車両制御装置27について説明する。なお、水陸両用車21の装備や水陸両用車21の陸上走行時、水上航行時及び水際走行時の様子などについては上記実施の形態例1の場合と同様である(図1(a)参照)。本実施の形態例3では、上記実施の形態例1の水陸両用車21で用いた荷重の代わりにエンジン31の回転トルクに基づいて(即ち水陸両用車にかかる負荷値に基づいて)、車両制御装置27による自動的なモード切り替えを行う。
詳述すると、図6に示すように、本実施の形態例3の車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されているエンジン回転トルクセンサ52の出力(エンジン回転トルク検出値)と車両速度センサ51の出力(車両速度検出値)を、モード切り替えにも利用する。
車両制御装置27は、上記実施の形態例1で述べたエンジン回転トルク閾値S(中間モードにおいて装軌22の空転を検出すための閾値)だけでなく、第1のエンジン回転トルク閾値S21と、第2のエンジン回転トルク閾値S22と、第3のエンジン回転トルク閾値S23と、第4のエンジン回転トルク閾値S24も記憶している。これらの第1,第2,第3及び第4のエンジン回転トルク閾値S21,S22,S23,S24は、エンジン回転トルク閾値Sと同様(図4参照)、水陸両用車21の車両速度(車両速度センサ51の出力)が増加するにしたがって、減少するように設定されている。
また、第1のエンジン回転トルク閾値S21及び第2のエンジン回転トルク閾値S22は、図1(a)の左側に示すように水陸両用車21が、陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第2のエンジン回転トルク閾値S22は第1のエンジン回転トルク閾値S21よりも小さな値である。第3のエンジン回転トルク閾値S23及び第4のエンジン回転トルク閾値S24は、図1(a)の右側に示すように水陸両用車21が、水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第4のエンジン回転トルク閾値S24は第3のエンジン回転トルク閾値S23よりも大きな値である。
図1(a)に示すように、陸上23を走行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水陸両用車21に浮力が働くため、エンジン31の回転トルクが低下する。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が陸上モード(陸上走行)のとき、車両速度センサ51の出力(車両速度検出値)に対応した値の第1のエンジン回転トルク閾値S21と、エンジン回転トルクセンサ52の出力とを比較する。そして、車両制御装置27は、エンジン31の回転トルクが低下してエンジン回転トルクセンサ52の出力が、当該第1のエンジン回転トルク閾値S21以下になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、水上25へ向かって水際26を下って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が水上25に達すると(水深が深くなって水陸両用車21が水中に入る体積が増すと)、水陸両用車21に更に大きな浮力が働くため、エンジン31の回転トルクが更に低下する。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、車両速度センサ51の出力に対応した値の第2のエンジン回転トルク閾値S22と、エンジン回転トルクセンサ52の出力とを比較する。そして、車両制御装置27は、エンジン31の回転トルクが更に低下してエンジン回転トルクセンサ52の出力が、当該第2のエンジン回転トルク閾値S22以下になった(即ち水上25に達した)と判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることにより、水陸両用車21はウォータジェット24によって水上航行を行う。
また、水上25を航行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水深が浅くなって装軌22が水底に接することから、エンジン31の回転トルクが増加する。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が水上モード(水上航行)のとき、車両速度センサ51の出力に対応した値の第3のエンジン回転トルク閾値S23と、エンジン回転トルクセンサ52の出力とを比較する。そして、車両制御装置27は、エンジン31の回転トルクが増加してエンジン回転トルクセンサ52の出力が、当該第3のエンジン回転トルク閾値S23以上になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、陸上23へ向かって水際26を上って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が陸上23に達すると、水陸両用車21に浮力が働かなくなるため、エンジン31の回転トルクが更に増加する。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、車両速度センサ51の出力に対応した値の第4のエンジン回転トルク閾値S24と、エンジン回転トルクセンサ52の出力とを比較する。そして、車両制御装置27は、エンジン31の回転トルクが更に増加してエンジン回転トルクセンサ52の出力が、当該第4のエンジン回転トルク閾値S24以上になった(即ち陸上23に達した)と判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
なお、中間モード(水際走行)において、装軌22の空回りが発生したときの車両制御装置27によるエンジン出力制御については、上記実施の形態例1の場合と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
また、上記ではエンジン31の回転トルクを用いているが、これに代えてトランスミッション33の回転トルクを用いてもよい。
以上のように、本実施の形態例3における水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が陸上23から水上25に向かうときの陸上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから水上モードへのモード切り替えを行うための水上モード信号b、又は、水上25から陸上23へ向かうときの水上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから陸上モードへのモード切り替えを行うための陸上モード信号aを、水陸両用車21にかかる負荷値(エンジン回転トルクセンサ52の出力であるエンジン回転トルク検出値又はトランスミッション回転トルクセンサの出力であるトランスミッション回転トルク検出値)に基づいてエンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
具体的には、陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより装軌22によって陸上23を走行する陸上走行と、水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることによりウォータジェット24によって水上25を航行する水上航行と、中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24へ伝えることにより装軌22とウォータジェット24によって水際26を走行する水際走行とを行うことが可能な水陸両用車21の車両制御装置27であって、エンジン31の回転トルクを検出するエンジン回転トルクセンサ52の出力(又はエンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出するトランスミッション回転トルクセンサの出力)と、水陸両用車21が陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、且つ、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定する第1のエンジン回転トルク閾値S21(又は第1のトランスミッション回転トルク閾値S21)及び第2のエンジン回転トルク閾値S22(又は第2のトランスミッション回転トルク閾値S22)、及び、水陸両用車21が水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、且つ、車両速度センサ51の出力に応じて設定する第3のエンジン回転トルク閾値S23(又は第3のトランスミッション回転トルク閾値S23)及び第4のエンジン回転トルク閾値S24(又は第4のトランスミッション回転トルク閾値S24)とを比較し、水陸両用車21が陸上モードのとき、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値の第1のエンジン回転トルク閾値S21以下(又は第1のトランスミッション回転トルク閾値S21以下)になったと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値の第2のエンジン回転トルク閾値S22以下(又は第2のトランスミッション回転トルク閾値S22以下)になったと判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が水上モードのとき、エンジン回転トルクセンサ52の出力が、車両速度センサ51の出力に対応した値の第3のエンジン回転トルク閾値S23以上(又は第3のトランスミッション回転トルク閾値S23以上)になったと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン回転トルクセンサ52の出力が、車両速度センサ51の出力に対応した値の第4のエンジン回転トルク閾値S24以上(又は第4のトランスミッション回転トルク閾値S24以上)になったと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
このため、車両制御装置27によって水陸両用車21のモード切り替えを自動的に行うことができる。従って、水陸両用車21の操作に習熟していない操作者が水陸両用車21を操作する場合や、水陸両用車21を操作中の視界が悪い場合にも、水陸両用車21のモード切り替えをするタイミングを誤ってしまうおそれがない。
また、本実施の形態例3の水陸両用車21の車両制御装置27でも、上記実施の形態例1と同様に、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はエンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出するトランスミッション回転トルクセンサの出力)と、車両速度センサ51の出力に応じて設定するエンジン回転トルク閾値S(第5のエンジン回転トルク閾値)(又はトランスミッション回転トルク閾値S(第5のトランスミッション回転トルク閾値))とを比較し、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値のエンジン回転トルク閾値S(第5のエンジン回転トルク閾値)以下(又はトランスミッション回転トルク閾値S(第5のトランスミッション回転トルク閾値)以下)になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、エンジン31へエンジン出力増加信号dを出力(トランスミッション33へ減速比変更信号を出力する)することを特徴としているため、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。
<実施の形態例4>
図7に基づき、本発明の実施の形態例4に係る水陸両用車21の車両制御装置27について説明する。なお、水陸両用車21の装備や水陸両用車21の陸上走行時、水上航行時及び水際走行時の様子などについては上記実施の形態例1の場合と同様である(図1(a)参照)。本実施の形態例4では、上記実施の形態例1で用いた水陸両用車21の荷重の代わりに水深に基づいて(水際又は海岸線に関わる計測値に基づいて)、車両制御装置27による自動的なモード切り替えを行う。
詳述すると、図5に示すように、本実施の形態例2の車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されている水深計71の出力(水深計測値)を入力する。水深計71は図1(a)に示す水際26や水上25における水深を計測して出力するセンサである。
車両制御装置27は、第1の水深閾値S31と、第2の水深閾値S32と、第3の水深閾値S33と、第4の水深閾値S34とを記憶している。第1の水深閾値S31及び第2の水深閾値S32は、図1(a)の左側に示すように水陸両用車21が、陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第2の水深閾値S32は第1の水深閾値S31よりも大きな値である。第3の水深閾値S33及び第4の水深閾値S34は、図1(a)の右側に示すように水陸両用車21が、水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値であり、第4の水深閾値S34は第3の水深閾値S33よりも小さな値である。なお、第1の水深閾値S31と第4の水深閾値S34は同じ値でも、異なる値でもよく、第2の水深閾値S32と第3の水深閾値S33は同じ値でも、異なる値でもよい。
図1(a)に示すように、陸上23を走行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水深計71によって、水際26における水深が計測されるようになる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が陸上モード(陸上走行)のとき、水深計71の出力が第1の水深閾値S31以上になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をトランスミッション33(装軌22)とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、水上25へ向かって水際26を下って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が水上25に達すると、水深計71によって計測される水深が深くなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、水深計71の出力が第2の水深閾値S32以上になった(即ち水上25に達した:水深が深くなった)と判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることにより、水陸両用車21はウォータジェット24によって水上航行を行う。
また、水上25を航行していた水陸両用車21が水際26に達すると、水深計71によって計測される水深が浅くなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が水上モード(水上航行)のとき、水深計71の出力が第3の水深閾値S33以下になった(即ち水際26に達した)と判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、陸上23へ向かって水際26を上って行く。
また、水際26を走行していた水陸両用車21が陸上23に達すると、水深計71によって計測される水深が更に浅くなる。従って、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、水深計71の出力が第4の水深閾値S34以下になった(即ち陸上23に達した)と判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
或いは、水陸両用車21が陸上23に上陸して水が無くなると、水深計71は水深計測不能になるため、中間モードから陸上モードへのモード切り替える際には、上記のように水深計71の出力と第4の荷重閾値S34とを比較する代わりに、水深計71が水深計測不能になったか否かを判定するようにしてもよい。即ち、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、水深計71が水深計測不能になった(即ち陸上23に達した(上陸した))と判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
なお、中間モード(水際走行)において、装軌22の空回りが発生したときの車両制御装置27によるエンジン出力制御については、上記実施の形態例1の場合と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施の形態例4における水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が陸上23から水上25に向かうときの陸上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから水上モードへのモード切り替えを行うための水上モード信号b、又は、水上25から陸上23へ向かうときの水上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから陸上モードへのモード切り替えを行うための陸上モード信号aを、水際又は海岸線に関わる計測値(水深計71の出力である水深計測値)に基づいてエンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
具体的には、陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより装軌22によって陸上23を走行する陸上走行と、水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることによりウォータジェット24によって水上25を航行する水上航行と、中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24へ伝えることにより装軌22とウォータジェット24によって水際を走行する水際走行とを行うことが可能な水陸両用車21の車両制御装置27であって、水際26や水上25における水深を計測する水深計71の出力と、水陸両用車21が陸上23から水上25へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第1の水深閾値S31及び第2の水深閾値S32、及び、水陸両用車21が水上25から陸上23へ向かうときのモード切り替えのための閾値である第3の水深閾値S33及び第4の水深閾値S34とを比較し、又は、水深計71の出力と第4の荷重閾値S34とを比較する代わりに、水深計71が水深計測不能になったか否かを判定し、水陸両用車21が陸上モードのとき、水深計71の出力が第1の水深閾値S31以上になったと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、水深計71の出力が第2の水深閾値S32以上になったと判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が水上モードのとき、水深計71の出力が第3の水深閾値S33以下になったと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、水深計71の出力が第4の水深閾値S34以下になったと判定した場合、又は、水深計71が水深計測不能になったと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
このため、車両制御装置27によって水陸両用車21のモード切り替えを自動的に行うことができる。従って、水陸両用車21の操作に習熟していない操作者が水陸両用車21を操作する場合や、水陸両用車21を操作中の視界が悪い場合にも、水陸両用車21のモード切り替えをするタイミングを誤ってしまうおそれがない。
また、本実施の形態例4の水陸両用車21の車両制御装置27でも、上記実施の形態例1と同様に、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン31の回転トルクを検出するエンジン回転トルクセンサ52の出力(又はエンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出するトランスミッション回転トルクセンサの出力)と、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定するエンジン回転トルク閾値S(又はトランスミッション回転トルク閾値S)とを比較し、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値のエンジン回転トルク閾値S以下(又はトランスミッション回転トルク閾値S以下)になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、エンジン31へエンジン出力増加信号dを出力する(トランスミッション33へ減速比変更信号を出力する)ことを特徴としているため、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。
<実施の形態例5>
図8に基づき、本発明の実施の形態例5に係る水陸両用車21の車両制御装置27について説明する。なお、水陸両用車21の装備や水陸両用車21の陸上走行時、水上航行時及び水際走行時の様子などについては上記実施の形態例1の場合と同様である(図1(a)参照)。本実施の形態例5では、上記実施の形態例1で用いた水陸両用車21の荷重の代わりに地図データベースとGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)による水陸両用車21の測位情報に基づいて(水際又は海岸線に関わる計測値に基づいて)、車両制御装置27による自動的なモード切り替えを行う。
詳述すると、図8に示すように、本実施の形態例5の車両制御装置27では、水陸両用車21に装備されているGPS受信機81の出力(車両位置情報)を入力する。GPS受信機81はGPS衛星からの信号を受信することにより、GPS受信機81を装備している水陸両用車21の測位情報を得るものである。
車両制御装置27は、水陸両用車21に装備されているGPS受信機81の出力(水陸両用車21の測位情報)を入力する。また、車両制御装置27には、図1(a)に示す陸上23,水上25、水際26などに関する地図データベースが記憶されている。
従って、図1(a)に示すように、車両制御装置27は、水陸両用車21が陸上モード(陸上走行)のとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置(自車位置)情報を得ることにより、水陸両用車21が水際26に達したと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、水上25へ向かって水際26を下って行く。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置(自車位置)情報を得ることにより、水陸両用車21が水上25に達した(水深の深い位置に達した)と判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることにより、水陸両用車21はウォータジェット24によって水上航行を行う。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が水上モード(水上航行)のとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置(自車位置)情報を得ることにより、水陸両用車21が水際26に達したと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24の両方に伝えるため、水陸両用車21は装軌22とウォータジェット24の両方による水際走行を行うことにより、陸上23へ向かって水際26を上って行く。
また、車両制御装置27は、水陸両用車21が中間モード(水際走行)のとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置(自車位置)情報を得ることにより、水陸両用車21が陸上23に達したと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力する。その結果、この陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32が、エンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより、水陸両用車21は装軌22による陸上走行を行う。
なお、中間モード(水際走行)において、装軌22の空回りが発生したときの車両制御装置27によるエンジン出力制御については、上記実施の形態例1の場合と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施の形態例5における水陸両用車21の車両制御装置27によれば、水陸両用車21が陸上23から水上25に向かうときの陸上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから水上モードへのモード切り替えを行うための水上モード信号b、又は、水上25から陸上23へ向かうときの水上モードから水際モードへのモード切り替えを行うための中間モード信号c及び水際モードから陸上モードへのモード切り替えを行うための陸上モード信号aを、水際又は海岸線に関わる計測値(GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって得られる水陸両用車21の車両位置情報)に基づいてエンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
具体的には、陸上モード信号aに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22へ伝えることにより装軌22によって陸上23を走行する陸上走行と、水上モード信号bに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力をウォータジェット24へ伝えることによりウォータジェット24によって水上25を航行する水上航行と、中間モード信号cに基づいてエンジン出力分配器32がエンジン31の出力を装軌22とウォータジェット24へ伝えることにより装軌22とウォータジェット24によって水際26を走行する水際走行とを行うことが可能な水陸両用車21の車両制御装置27であって、水陸両用車21が陸上モードのとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置情報を得ることにより、水陸両用車21が水際26に達したと判定した場合には、陸上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と前記地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置情報を得ることにより、水陸両用車21が水上25に達したと判定した場合には、中間モードから水上モードへのモード切り替えをするために水上モード信号bを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が水上モードのとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と前記地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置情報を得ることにより、水陸両用車21が水際26に達したと判定した場合には、水上モードから中間モードへのモード切り替えをするために中間モード信号cを、エンジン出力分配器32へ出力し、水陸両用車21が中間モードのとき、GPS受信機81により得られる水陸両用車21の測位情報と前記地図データベースとを照合することによって、水陸両用車21の車両位置情報を得ることにより、水陸両用車21が陸上23に達したと判定した場合には、中間モードから陸上モードへのモード切り替えをするために陸上モード信号aを、エンジン出力分配器32へ出力することを特徴としている。
このため、車両制御装置27によって水陸両用車21のモード切り替えを自動的に行うことができる。従って、水陸両用車21の操作に習熟していない操作者が水陸両用車21を操作する場合や、水陸両用車21を操作中の視界が悪い場合にも、水陸両用車21のモード切り替えをするタイミングを誤ってしまうおそれがない。
また、本実施の形態例5の水陸両用車21の車両制御装置27でも、上記実施の形態例1と同様に、水陸両用車21が中間モードのとき、エンジン31の回転トルクを検出するエンジン回転トルクセンサ52の出力(又はエンジン出力分配器32と装軌22との間に介設されているトランスミッション33の回転トルクを検出するトランスミッション回転トルクセンサの出力)と、水陸両用車21の車両速度を検出する車両速度センサ51の出力に応じて設定するエンジン回転トルク閾値S(又はトランスミッション回転トルク閾値S)とを比較し、エンジン回転トルクセンサ52の出力(又はトランスミッション回転トルクセンサの出力)が、車両速度センサ51の出力に対応した値のエンジン回転トルク閾値S以下(又はトランスミッション回転トルク閾値S以下)になって装軌22が空回りしていると判定した場合には、エンジン31へエンジン出力増加信号dを出力する(トランスミッション33へ減速比変更信号を出力する)ことを特徴としているため、中間モードのときに水陸両用車21の装軌22が空回りしても、水陸両用車21の車両速度を安定させることができる。
なお、上記実施の形態例1〜5では個別の判定条件に基づいてモード切り替えを行っているが、これに限定するものではなく、複数の判定条件に基づいて(複数の判定条件が各閾値に達したとき)モード切り替えを行うようにしてもよい。例えば、水陸両用車21にかかる負荷値に関する複数の判定条件(即ち上記実施の形態例1,3の荷重検出値,回転トルク検出値などの何れか複数の判定条件)を用いて、これら複数の判定条件が各閾値に達したときにモード切り替えを行うことや、水際又は海岸線に関わる計測値に関する複数の判定条件(即ち上記実施の形態例2,4,5の傾斜角検出値、水深計測値、車両位置情報などの何れか複数の判定条件)を用いて、これら複数の判定条件が各閾値に達したときにモード切り替えを行うことや、更には水陸両用車21にかかる負荷値に関する判定条件(即ち上記実施の形態例1,3の荷重検出値,回転トルク検出値などの何れか1つ又は複数の判定条件)と水際又は海岸線に関わる計測値に関する判定条件(即ち上記実施の形態例2,4,5の傾斜角検出値、水深計測値、車両位置情報などの何れか1つ又は複数の判定条件)とを用いて、これら複数の判定条件が各閾値に達したときにモード切り替えを行うことが可能である。