本発明に係る放射線撮像装置の好適な実施形態について、図1〜図24を参照しながら以下詳細に説明する。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の構成の説明]
先ず、第1実施形態に係る放射線撮像装置としての電子カセッテ20Aについて、図1〜図16を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aが適用される放射線撮像システム10の構成図である。
放射線撮像システム10は、ベッド等の撮影台12に横臥した被写体14である患者に対して、放射線16を照射する放射線源18と、被写体14を透過した放射線16を検出して放射線画像に変換する電子カセッテ20Aと、放射線源18及び電子カセッテ20Aを制御するコンソール22と、放射線画像を表示する表示装置24とを備える。
コンソール22と電子カセッテ20Aと表示装置24との間では、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.60.a/b/g/n等の無線LAN(Local Area Network)、又は、ミリ波等を用いた無線通信により信号の送受信が行われる。なお、ケーブルを用いた有線通信により信号の送受信を行ってもよい。
コンソール22には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)26が接続され、RIS26には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)28が接続されている。
図2は、図1に示す電子カセッテ20Aの斜視図である。
電子カセッテ20Aは、撮影台12と被写体14との間に配置される略矩形状(六面体)の筐体29を有する。
筐体29は、中空の角筒状のハウジング本体30と、ハウジング本体30の開口部分を両側から閉塞する2つの蓋部材32、34とを有するモノコック構造の筐体であり、外部からの応力(例えば、筐体29の落下、被写体14からの荷重、外部からの衝撃)を筐体29全体として受ける構造となっている。また、筐体29(のハウジング本体30及び蓋部材32、34)は、放射線16を透過可能なカーボンやプラスチック等の材料からなる。
被写体14が横臥する筐体29の上面は、放射線16が照射される照射面36とされている。照射面36には、被写体14の撮像領域及び撮像位置を示すガイド線38が形成され、ガイド線38の外枠は、放射線16の最大照射範囲(照射野)を示す撮像可能領域40とされている。また、ガイド線38の中心位置(十字状に交差する2本のガイド線38の交点)は、該撮像可能領域40の中心位置である。
図2及び図3に示すように、ハウジング本体30を構成する4つの側面42a〜42dのうち、側面42aと側面42bとの間にはx方向に沿って中空部41が形成され、中空部41に連通する側面42aの開口部44aを蓋部材32で閉塞すると共に、中空部41に連通する側面42bの開口部44bを蓋部材34で閉塞することにより、筐体29が構成される。従って、筐体29は、照射面36と、蓋部材32の側面52と、蓋部材34の側面81と、ハウジング本体30の2つの側面42c、42dを含む2つの側面43、45と、ハウジング本体30の底面47を含む底面46とを有する六面体として構成される。
蓋部材32のx2方向側の側面52には、電子カセッテ20Aを起動するための電源スイッチ54、各種情報を表示するディスプレイ56、外部から充電を行なうためのACアダプタの入力端子58、外部機器との間で情報の送受信が可能なインターフェース手段としてのUSB(Universal Serial Bus)端子60、PCカード等のメモリカード62を装填するためのカードスロット64、及び、電子カセッテ20Aの各種の状況等を表示するLED等のインジケータ66が配設されている。
また、電子カセッテ20Aでは、インジケータ66とディスプレイ56とが配設されているが、インジケータ66の表示機能をディスプレイ56が代行することで、インジケータ66を不要にすることができる。また、ディスプレイ56での一部の表示機能をインジケータ66が代行することで、ディスプレイ56を不要にすることもできる。
蓋部材32は、側面52を備え且つ電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64及びインジケータ66が配設された蓋本体68と、該蓋本体68のx1方向側に形成され、開口部44aに嵌合可能な挿入部70と、挿入部70のy方向に沿った両端から開口部44aに向かって突出する係合片72とから構成されている。また、2つの係合片72の外側面(図3の左側の係合片72ではy1方向の側面、及び、右側の係合片72ではy2方向の側面)には係合凸部74が形成され、ハウジング本体30内壁の開口部44a側には、係合凸部74に係合可能な係合凹部76が形成されている。
従って、蓋部材32をx1方向に進行させて、開口部44aと挿入部70とを嵌合させ、且つ、ハウジング本体30の中空部41に進入した2つの係合片72の係合凸部74と係合凹部76とをそれぞれ係合させると、開口部44aが蓋部材32により閉塞され、蓋部材32とハウジング本体30とを一体化させることができる。
一方、蓋部材34は、電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64及びインジケータ66が配設されていない点を除いては、前述の蓋部材32と略同じ構成である。すなわち、蓋部材34は、蓋本体68と略同一形状であり且つ側面52と対向するx1方向の側面81を有する蓋本体80と、該蓋本体80のx2方向側に形成され、開口部44bに嵌合可能な挿入部82と、挿入部82のy方向に沿った両端から開口部44bに向かって突出する係合片84とから構成されている。また、2つの係合片84の外側面(図3の左側の係合片84ではy1方向の側面、及び、右側の係合片84ではy2方向の側面)にも係合凸部86が形成され、ハウジング本体30内壁の開口部44b側には、係合凸部86に係合可能な係合凹部88が形成されている。
従って、蓋部材32の場合と同様に、蓋部材34をx2方向に進行させて、開口部44bと挿入部82とを嵌合させ、且つ、ハウジング本体30の中空部41に進入した2つの係合片84の係合凸部86と係合凹部88とをそれぞれ係合させると、開口部44bが蓋部材34により閉塞され、蓋部材34とハウジング本体30とを一体化させることができる。
図4〜図6は、筐体29内を図示した電子カセッテ20Aの断面図である。
ハウジング本体30の開口部44a、44bを2つの蓋部材32、34でそれぞれ閉塞することにより、筐体29内には、中空部41である室110が形成される。
室110の中央部には基台112が配置され、該基台112の表面114(照射面36側の面)には、ハウジング本体30の照射面36側を透過して室110に入射した放射線16を放射線画像に変換する放射線変換パネル116が配置されている。
放射線変換パネル116は、撮像可能領域40(図2及び図3参照)に対応する程度の大きさであることが望ましく、ホットメルト接着剤260を介してハウジング本体30の照射面36側の内壁261に接着固定されている。
ホットメルト接着剤260は、熱可塑性の樹脂又はゴムを主成分とする不燃性の接着剤であり、加熱による溶融で流動化する一方で、温度が低下すると硬化して接着対象物を接着させる。このような接着剤としては、例えば、HM−650−2(セメダイン株式会社製、商品名)、Scotch−Weld3748(住友スリーエム株式会社製、商品名、Scotch−Weldは登録商標)、PES−111EE(東亞合成株式会社製、商品名)がある。
また、放射線変換パネル116におけるx2方向及びy2方向の角部は、平面視で略L字状の位置決め部材360を介して、蓋部材32の蓋本体68及び挿入部70側に位置決めされている(図4参照)。さらに、放射線変換パネル116におけるx1方向及びy2方向の角部は、平面視で略L字状の位置決め部材362を介して、蓋部材34の蓋本体80及び挿入部82側に位置決めされている。なお、位置決め部材360、362のx方向及びy方向の長さは、同じ長さでもよいし、図4のように異なる長さでもよい。一方の長さを長くすれば、位置決め部材360、362による放射線変換パネル116の位置決めが容易となる。
放射線変換パネル116は、放射線16を可視光等の他の波長の電磁波に変換するシンチレータ118と、該シンチレータ118により変換された電磁波を電気信号に変換する光電変換層120とから構成された、いわゆる間接変換型の放射線検出器である。
また、シンチレータ118と光電変換層120とは、熱による反りの発生を考慮して、分離可能な状態で積層してもよい。あるいは、シンチレータ118に光電変換層120を直接形成するか、又は、光電変換層120にシンチレータ118を直接形成してもよい。
なお、図5及び図6では、放射線16の照射方向に沿って光電変換層120とシンチレータ118との順に配置された表面読取方式としてのISS(Irradiation Side Sampling)方式の放射線検出器を図示しているが、放射線16の照射方向に沿ってシンチレータ118と光電変換層120との順に配置された、裏面読取方式であるPSS(Penetration Side Sampling)方式の放射線検出器であってもよい。また、シンチレータ118としては、例えば、ヨウ化セシウム(CsI)又はガドリニウム・オキサイド・サルファ(GOS)から構成されるシンチレータを用いればよい。さらに、第1実施形態では、上述した間接変換型の放射線検出器に代えて、シンチレータ118を用いずに放射線16を電気信号に直接変換する、いわゆる直接変換型の放射線検出器を使用することも可能である。以下の説明では、ISS方式の放射線変換パネル116を用いた場合について説明する。
また、放射線変換パネル116(の光電変換層120)のy1方向の側面には、光電変換層120を駆動するための制御信号を光電変換層120に供給するための複数のフレキシブル基板122が所定間隔毎に配置され、各フレキシブル基板122には、前記制御信号を生成する駆動用IC124がそれぞれ配置されている。一方、放射線変換パネル116(の光電変換層120)のx1方向の側面には、制御信号の供給によって駆動された光電変換層120から放射線画像に応じた電気信号を読み出すための複数のフレキシブル基板126が所定間隔毎に配置され、各フレキシブル基板126には、前記電気信号を読み出して所定の信号処理を行う読出用IC128がそれぞれ配置されている。
基台112の裏面129(筐体29の底面46側の面)には、電源部94が配置されている。この場合、電源部94は、基台112と接触するように配置されてもよいし、基台112の裏面129側に設けられた図示しない連結部材に連結されてもよい。また、基台112の裏面129における電源部94の周囲には、該電源部94を取り囲むように(避けるように)、複数の回路基板130が取り付けられ、該回路基板130には電子部品132が配設されている。図5に示すように、一部の回路基板130には、フレキシブル基板126が接続され、一方で、図6に示すように、他の回路基板130には、フレキシブル基板122が接続されている。
なお、基台112は、図示しない支持部材によって室110の中央部で支持されている。また、放射線16の照射による電源部94と回路基板130及び電子部品132との劣化を防止するために、基台112は、放射線16を遮蔽可能な鉛板で構成されてもよいし、あるいは、鉛を含むように構成されてもよい。
さらに、放射線変換パネル116がホットメルト接着剤260を介して内壁261に接着固定されているので、装置全体の軽量化及び薄型化を図るために、基台112を省いて、回路基板130及び電源部94を筐体29の底面46側の内壁に配置してもよい。
図7A〜図9Bは、放射線変換パネル116に対するホットメルト接着剤260の位置(接着固定位置)を模式的に示す平面図である。
図7Aは、放射線変換パネル116の2つの長辺近傍と、2つの短辺近傍と、中央部との5箇所が、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図7Bは、2つの長辺近傍と2つの短辺近傍との4箇所が、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図7Cは、2つの長辺近傍の2箇所が、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図7A〜図7Cの場合には、放射線変換パネル116の長辺に沿ってホットメルト接着剤260が配置されるので、該放射線変換パネル116をホットメルト接着剤260を介して内壁261(図5及び図6参照)に確実に接着固定することができる。
図8Aは、放射線変換パネル116の2つの短辺近傍と、中央部との3箇所が、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図8Bは、2つの短辺近傍と、その中間位置との3箇所が、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図8Cは、2つの短辺間の4箇所に所定間隔で該短辺に沿ってホットメルト接着剤260が配置される場合を図示したものである。図8A〜図8Cの場合には、放射線変換パネル116の短辺に沿ってホットメルト接着剤260が配置されるので、この場合でも、該放射線変換パネル116をホットメルト接着剤260を介して内壁261(図5及び図6参照)に確実に接着固定することができる。
図9Aは、放射線変換パネル116の四隅近傍の4箇所と、中央部の3箇所とが、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図9Bは、四隅近傍の4箇所と、中央部の1箇所とが、ホットメルト接着剤260の位置となる場合を図示したものである。図9A及び図9Bの場合には、図7A〜図8Cと比較して、ホットメルト接着剤260の接着面積が少なくなるが、少なくとも放射線変換パネル116の四隅と中央部とにホットメルト接着剤260が配置されるので、この場合でも、放射線変換パネル116をホットメルト接着剤260を介して内壁261(図5及び図6参照)に確実に接着固定することができる。
図10〜図12は、他の位置決め部材364〜368による室110内での放射線変換パネル116の位置決めを図示したものである。
図10において、放射線変換パネル116のx2方向の2つの角部は、略L字状の位置決め部材364を介して蓋本体68及び挿入部70に位置決めされている。
図11において、放射線変換パネル116のx2方向の短辺は、2つの球状又はピン状の位置決め部材366を介して蓋本体68に位置決めされ、一方で、放射線変換パネル116のy2方向の長辺は、球状又はピン状の位置決め部材368を介してハウジング本体30の側面42d側の内壁に位置決めされている。この場合、位置決め部材368は、放射線変換パネル116の長辺の中央を位置決めしている。
図12において、放射線変換パネル116のx2方向の短辺は、球状又はピン状の位置決め部材366を介して、蓋本体68に位置決めされ、一方で、放射線変換パネル116のy2方向の長辺は、2つの球状又はピン状の位置決め部材368を介してハウジング本体30の側面42d側の内壁に位置決めされている。この場合、位置決め部材366は、放射線変換パネル116の短辺の中央を位置決めしている。
図11では、放射線変換パネル116の一辺の中央を1つの位置決め部材368で位置決めすると共に、他の一辺を2つの位置決め部材366で位置決めしている。また、図12では、放射線変換パネル116の一辺の中央を1つの位置決め部材366で位置決めすると共に、他の一辺を2つの位置決め部材368で位置決めしている。これにより、放射線変換パネル116を位置決めする際に、該放射線変換パネル116が回転しにくくなり、取り扱いが容易となる。
図13は、電子カセッテ20Aのブロック構成図である。
光電変換層120は、放射線16(図1、図2、図5及び図6参照)を電荷に変換して蓄積可能なpin型のフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換素子140と、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transitor;TFT)142とを有する。なお、図13では、光電変換素子140がpin型のフォトダイオードである場合を図示している。
この場合、光電変換層120では、ガラス又は樹脂からなる基板の一面に複数の信号線144とゲート線146とを互いに交差させるように配設し、各ゲート線146と各信号線144とにより区画された小領域に光電変換素子140とTFT142とをそれぞれ設けることで、前記基板に複数の光電変換素子140及び複数のTFT142を二次元マトリクス状に配列させている。また、1つの光電変換素子140には1本のバイアス線148が接続され、各バイアス線148は、1本の結線150を介してバイアス電源172に接続されている。
ここで、光電変換素子140のアノード電極は、バイアス線148に接続され、カソード電極は、TFT142のソース電極Sに接続されている。一方、TFT142のゲート電極Gは、ゲート線146を介してゲート駆動回路152に接続され、ドレイン電極Dは、信号線144を介して信号読出回路154に接続されている。この場合、ゲート駆動回路152は、複数の駆動用IC124に対応する放射線変換パネル116を駆動するための駆動回路部であり、一方で、信号読出回路154は、複数の読出用IC128に対応する放射線画像に応じた電気信号を読み出す読出回路部である。
バイアス電源172は、結線150及び各バイアス線148を介して各光電変換素子140に逆方向にバイアス電圧(逆バイアス電圧)を印加する。なお、図13では、pin型の光電変換素子140のp層側にアノード電極を介してバイアス線148が接続されているので、バイアス電源172からは、光電変換素子140のアノード電極に結線150及びバイアス線148を介して逆バイアス電圧として負の電圧(カソード電極よりも所定電圧以上低い電圧であればよい。)が印加されるようになっている。なお、光電変換素子140のpin型の積層順を逆に形成して(光電変換素子140の極性が逆となるように形成して)カソード電極にバイアス線148を接続する場合には、バイアス電源172からはカソード電極に逆バイアス電圧として正の電圧(アノード電極よりも所定電圧以上高い電圧であればよい。)が印加される。その場合には、図13における光電変換素子140のバイアス電源172に対する接続の向きが逆向きになる。
ゲート駆動回路152からゲート線146を介してTFT142のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧(制御信号)が印加されると、TFT142のゲートが開き、光電変換素子140に蓄積された電荷、すなわち、電気信号(放射線画像信号)が、TFT142のソース電極Sを介してドレイン電極Dから信号線144に読み出される。
信号読出回路154では、各信号線144に対して、増幅器160、サンプルホールド回路162、マルチプレクサ164及びAD変換器166が順に接続されている。従って、各信号線144を介して読み出された電気信号は、チャージアンプからなる増幅器160によって増幅され、サンプルホールド回路162によってサンプリングされた後、マルチプレクサ164を介してAD変換器166に順次供給され、デジタル信号(デジタル値)に変換される。AD変換器166は、デジタル値に変換された各光電変換素子140の電気信号を後述するカセッテ制御部174に順次出力する。
また、電子カセッテ20Aは、装置全体を制御するための制御部170を有する。
制御部170は、前述した電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64、インジケータ66、電源部94及びバイアス電源172に加え、放射線変換パネル116、ゲート駆動回路152及び信号読出回路154等を制御するカセッテ制御部174と、コンソール22との間で無線通信により信号の送受信を行う通信部176とを有する。
電源部94は、電源回路178と電源180とを有する。電源180は、バッテリ又はキャパシタ(例えば、電気二重層キャパシタ)等の蓄電手段である。また、電源回路178は、電源180の電圧を所望の電圧に変換して電子カセッテ20A内の各部に供給可能なDC/DCコンバータ等の電力変換回路である。
カセッテ制御部174は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、図示しないCPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能を実現する。
具体的に、カセッテ制御部174は、画像メモリ182及び記憶部186を有する。画像メモリ182は、放射線変換パネル116から信号読出回路154を介して取得した放射線画像を記憶する。記憶部186は、電子カセッテ20Aを特定するためのカセッテID情報を記憶する。
なお、制御部170中、バイアス電源172、カセッテ制御部174及び通信部176は、前述した回路基板130に搭載される電子部品132によって実現される。
[筐体に対する放射線変換パネルの接着固定方法及び剥離方法]
以上のように構成される第1実施形態に係る電子カセッテ20Aにおいて、ハウジング本体30の照射面36側の内壁261への放射線変換パネル116の接着固定方法と、該内壁261からの放射線変換パネル116の剥離方法とについて説明する。
一例として、図4〜図6に示す構成における放射線変換パネル116の接着固定方法と剥離方法とについて説明する。ここでは、開口部44bを介して中空部41に放射線変換パネル116を挿入して接着固定する場合について説明する。
最初に、内壁261への放射線変換パネル116の接着固定方法について説明する。
先ず、ハウジング本体30に蓋部材32を嵌合させて開口部44aを閉塞する。
次に、ハウジング本体30及び蓋部材32の天地を逆転し、照射面36を下側とした状態で、内壁261、又は、放射線変換パネル116の内壁261側の面のいずれか一方に、固形のホットメルト接着剤260を配置する。この場合、放射線変換パネル116の短辺側に沿って延在するように、放射線変換パネル116の長辺方向に所定間隔で複数のホットメルト接着剤260を配置する(図5、図6及び図8B参照)。
この状態で、ハウジング本体30の開口部44bを介して中空部41に放射線変換パネル116を挿入し、該中空部41の所定位置に放射線変換パネル116を位置決めする。
ここで、放射線変換パネル116のy2方向の2つの角部に位置決め部材360、362がそれぞれ装着されている場合には、先ず、位置決め部材360のx2方向の側面が蓋部材32の蓋本体68に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をx2方向に進行させる。
この場合、略L字状の位置決め部材360において、蓋部材32の蓋本体68に対向する部分(y方向に沿って延在する部分)は、挿入部70に沿った部分(x方向に沿って延在する部分)よりもy方向に長く伸びているので、該蓋本体68に対向する部分を蓋本体68に面接触で当接させることができる。
そして、位置決め部材360が蓋本体68に当接したときに、今度は、該位置決め部材360における挿入部70に沿った部分が、蓋部材32の挿入部70に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をy2方向に進行させる。
前述のように、位置決め部材360の蓋本体68に対向する部分がy方向に長く伸びているので、該蓋本体68に対向する部分を蓋本体68に沿わせながら、位置決め部材360をy2方向に平行移動させれば、位置決め部材360の角部を蓋本体68及び挿入部70に確実に当接させることができる。この結果、中空部41の所望の位置に放射線変換パネル116を容易に位置決めすることができる。
一方、蓋部材32の蓋本体68及び挿入部70に沿うように位置決め部材360が蓋部材32に予め配設されている場合には、次のようにして、放射線変換パネル116を位置決めすればよい。
すなわち、位置決め部材360の蓋本体68に対向する部分に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をx2方向に進行させる。前述のように、位置決め部材360の蓋本体68に対向する部分が長く伸びているので、放射線変換パネル116のx2方向の側面を該蓋本体68に対向する部分に面接触で当接させることができる。
そして、放射線変換パネル116が位置決め部材360に当接した後に、今度は、放射線変換パネル116のy2方向の側面が、位置決め部材360の挿入部70に沿った部分に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をy2方向に進行させる。
この場合、位置決め部材360の蓋本体68に対向する部分が長く伸びているので、放射線変換パネル116のx2方向の側面を該蓋本体68に対向する部分に沿わせながら、放射線変換パネル116をy2方向に平行移動させれば、放射線変換パネル116のy2方向の側面を、位置決め部材360の挿入部70に沿った部分に容易に当接させることができる。この結果、中空部41の所望の位置に放射線変換パネル116を位置決めすることができる。
このようにして、中空部41内の所定位置に放射線変換パネル116が位置決めされた後に、ハウジング本体30の照射面36側の内壁261への放射線変換パネル116の接着作業が実行される。
先ず、内壁261に対する放射線変換パネル116の仮止めが行われる。
具体的には、ハウジング本体30の照射面36側から内壁261を介して仮止め箇所のホットメルト接着剤260を加熱するか、ハウジング本体30の中空部41に図示しない加熱手段を挿入してハウジング本体30内部で仮止め箇所のホットメルト接着剤260を加熱する。これにより、仮止め箇所のホットメルト接着剤260のみが溶融して流動化し、加熱を停止すれば、ホットメルト接着剤260が冷却して、内壁261に対し放射線変換パネル116が仮止めされる。
この状態で内壁261に対して放射線変換パネル116の位置ずれが発生していないことを確認した後に、ハウジング本体30の照射面36側から内壁261を介して全てのホットメルト接着剤260を加熱するか、前記加熱手段により全てのホットメルト接着剤260を加熱するか、あるいは、ハウジング本体30及び蓋部材32を全体的に加熱することで全てのホットメルト接着剤260を加熱する。
これにより、全てのホットメルト接着剤260が溶融して流動化し、その後、加熱を停止すれば、全てのホットメルト接着剤260が温度低下によって硬化するので、放射線変換パネル116は、位置決め部材360によって位置決めされた所望の位置において、ホットメルト接着剤260を介して内壁261に確実に接着固定される。
放射線変換パネル116が所望の位置に接着固定されたことを確認した後に、ハウジング本体30と蓋部材34と嵌合させて、開口部44bを閉塞する。これにより、位置決め部材362も蓋部材34の蓋本体80及び挿入部82に当接し、電子カセッテ20Aが構成される。
なお、実際には、放射線変換パネル116に加え、電源部94、基台112、回路基板130及び電子部品132も中空部41に挿入した状態で、ホットメルト接着剤260による接着が行われることは勿論である。
また、上記の説明では、開口部44bが閉塞されていない状態でホットメルト接着剤260による接着が行われる場合について説明したが、開口部44bを蓋部材34で閉塞した後にホットメルト接着剤260による接着を行ってもよい。この場合には、筐体29の照射面36側を加熱するか、又は、筐体29全体を加熱することになる。
さらに、上記の説明では、位置決め部材360を用いて放射線変換パネル116を位置決めする場合について説明したが、開口部44bを蓋部材34で閉塞することで、開口部44aを介して中空部41に放射線変換パネル116を挿入する場合には、位置決め部材362によって放射線変換パネル116が中空部41内の所望の位置に位置決めされる。
例えば、放射線変換パネル116に位置決め部材362が装着されている場合には、ハウジング本体30の開口部44aを介して中空部41に放射線変換パネル116を挿入し、位置決め部材362のx1方向の側面が蓋部材34の蓋本体80に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をx1方向に進行させる。
位置決め部材362の蓋本体80への当接後、位置決め部材362のy2方向の側面が蓋部材34の挿入部82に突き当たる(当接する)まで、中空部41内で放射線変換パネル116をy2方向に進行させる。この場合、位置決め部材362のx1方向の側面を蓋本体80に沿わせながら、該位置決め部材362をy2方向に平行移動させれば、位置決め部材362の角部を蓋本体80及び挿入部82に当接させることができ、この結果、放射線変換パネル116を中空部41内の所望の位置に位置決めすることができる。
さらに、上述した位置決め部材360、362による放射線変換パネル116の位置決めに代えて、位置決め部材364により放射線変換パネル116を位置決めし、あるいは、位置決め部材366、368を用いて放射線変換パネル116を位置決めしてもよいことは勿論である。
これらの位置決め部材360〜368により位置決めする際には、蓋部材32により開口部44aを閉塞した状態で、開口部44bを介して中空部41に放射線変換パネル116を挿入することにより、該放射線変換パネル116の位置決めが行われる。
次に、ハウジング本体30の照射面36側の内壁261からの放射線変換パネル116の剥離方向について説明する。
この剥離方法は、筐体29から放射線変換パネル116を剥離して、筐体29又は放射線変換パネル116を交換するリワーク時に行われる。
この場合には、ホットメルト接着剤260を介して内壁261に放射線変換パネル116が強固に接着固定されている状態において、筐体29の照射面36側から内壁261を介してホットメルト接着剤260を加熱するか、筐体29全体を加熱することによりホットメルト接着剤260を加熱するか、あるいは、ハウジング本体30から蓋部材32又は蓋部材34を取り外して開口部44a又は開口部44bを開放した状態で、中空部41に前記加熱手段を挿入してホットメルト接着剤260を加熱する。これにより、ホットメルト接着剤260が溶融して流動化するので、該内壁261から放射線変換パネル116を簡単に剥がすことができる。
なお、リワーク時に、交換用の新たな筐体29又は放射線変換パネル116を用意して、ハウジング本体30の照射面36側の内壁261に放射線変換パネル116を接着固定する場合には、上述した接着方法により接着固定すればよい。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の動作]
次に、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aを含む放射線撮像システム10の動作について、図14のフローチャートに従って説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、図1〜図13も参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、ユーザは、病院内の放射線科等の所定の保管場所から撮影台12(図1参照)にまで電子カセッテ20Aを運搬する。この場合、電子カセッテ20Aは、電源部94(図5、図6及び図13参照)がカセッテ制御部174にのみ電力供給を行って、該カセッテ制御部174のみが動作しているスリープ状態である。
次に、ユーザは、照射面36を上方に向けた状態で電子カセッテ20Aを撮影台12に配置した後に、電源スイッチ54を投入する。これにより、先ず、カセッテ制御部174は、該カセッテ制御部174に加え、ディスプレイ56、インジケータ66及び通信部176にも電力供給を行うように電源部94を制御する。この結果、ディスプレイ56は、電子カセッテ20Aの起動を画面表示する。また、インジケータ66は、LED等によって電子カセッテ20Aの起動を示す発光を行う。ユーザは、ディスプレイ56の画面表示又はインジケータ66の発光を視認することにより、電子カセッテ20Aが起動したことを把握することができる。さらに、通信部176は、コンソール22との間での無線による信号の送受信が可能となる。
次に、ユーザは、コンソール22を操作することにより、撮像対象である被写体14に関わる被写体情報等の撮像条件(例えば、放射線源18の管電圧や管電流、放射線16の曝射時間)を含めた撮影オーダを登録する。なお、撮像枚数や撮像部位や撮像方法が予め決まっている場合に、ユーザは、これらの条件も撮影オーダに含めて登録しておく。前述のように、コンソール22と通信部176との間は、無線による信号の送受信が可能であるため、カセッテ制御部174は、通信部176を介して無線通信によりコンソール22に撮影オーダの送信を要求し、コンソール22は、電子カセッテ20Aからの送信要求に応じて、前記撮影オーダを無線通信により電子カセッテ20Aに送信する。通信部176で受信された前記撮影オーダは、記憶部186に記憶される。
次のステップS2において、ユーザ及び電子カセッテ20Aは、撮影準備を行う。
この場合、カセッテ制御部174は、ディスプレイ56、インジケータ66、カセッテ制御部174及び通信部176以外の電子カセッテ20A内の各部にも電力供給を行うように、電源部94を制御する。これにより、電源部94からの電力供給を受けたバイアス電源172は、逆バイアス電圧を各光電変換素子140に印加し、該各光電変換素子140は、電荷蓄積が可能な状態に至る。また、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、全てのTFT142をオフ状態とする。
一方、ユーザは、放射線源18と放射線変換パネル116との間の距離をSID(線源受像画間距離)に調整すると共に、照射面36に被写体14を配置させて、該被写体14の撮像部位が撮像可能領域40に入り、且つ、該撮像部位の中心位置が撮像可能領域40の中心位置と略一致するように、該被写体14のポジショニングを行う。
このようにして撮影準備が完了した後のステップS3において、ユーザがコンソール22又は放射線源18に備わる図示しない曝射スイッチを投入する。コンソール22に曝射スイッチが備わっている場合には、曝射スイッチの投入後、コンソール22から無線通信によって撮像条件が放射線源18に送信される。また、放射線源18に曝射スイッチが備わっている場合には、曝射スイッチの投入後、放射線源18から無線通信によりコンソール22に対して撮像条件の送信が要求され、該コンソール22は、放射線源18からの送信要求に応じて、前記撮像条件を無線通信により放射線源18に送信する。
放射線源18は、撮像条件を受信すると、該撮像条件に従って、所定の線量からなる放射線16を所定の曝射時間だけ被写体14に照射する。放射線16は、被写体14を透過してハウジング本体30内の放射線変換パネル116に至る。この場合、シンチレータ118は、放射線16の強度に応じた強度の可視光を発光し、光電変換層120を構成する各光電変換素子140は、可視光を電気信号に変換し、電荷として蓄積する(ステップS4)。
次のステップS5において、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、ゲート駆動回路152から1本のゲート線146に信号読み出し用の電圧(制御信号)を印加させる。これにより、該ゲート線146にゲート電極Gが接続されている全てのTFT142のゲートが開き、これらのTFT142が接続されている各光電変換素子140に蓄積された電荷(図13のpin型の光電変換素子140では電子)が、電気信号として各信号線144にそれぞれ読み出される。各増幅器160は、読み出された電気信号を増幅し、各サンプルホールド回路162は、増幅後の電気信号をサンプリングし、マルチプレクサ164を介してAD変換器166に順次供給する。AD変換器166は、順次供給された電気信号に対するAD変換を行い、デジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された電気信号に応じた放射線画像は、カセッテ制御部174の画像メモリ182に一旦記憶される(ステップS6)。
このようにして、1本のゲート線146に接続された各光電変換素子140に対する電気信号(に応じた放射線画像)の読み出しの完了後、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、信号読み出し用の電圧を印加するゲート線146を順次切り替え、切り替えたゲート線146に接続された各光電変換素子140に対する電気信号の読み出しを順次行う。従って、電子カセッテ20Aでは、全てのゲート線146に接続された各光電変換素子140からの放射線画像の読み出しが完了するまで、ステップS5及びS6の処理を繰り返し行う。
このようにして、全ての光電変換素子140からの放射線画像の読み出しが完了し、被写体14の放射線画像が画像メモリ182に記憶された後のステップS7において、カセッテ制御部174は、画像メモリ182に記憶された放射線画像をディスプレイ56に表示させると共に、当該放射線画像と、記憶部186に記憶されたカセッテID情報とを共に通信部176を介して無線通信によりコンソール22に送信する。コンソール22は、受信した放射線画像に対して所定の画像処理を行い、画像処理後の放射線画像を無線通信により表示装置24に送信する。表示装置24は、受信した放射線画像を表示する。従って、ユーザは、ディスプレイ56に表示された放射線画像、又は、表示装置24に表示された放射線画像を視認することにより、被写体14に対して撮影オーダに応じた適切な撮像が行われたか否かを容易に判断することができる。
そして、ステップS8において、被写体14に対する撮像が完了した場合(ステップS8:YES)、ユーザは、被写体14を解放して撮像を終了させ(ステップS9)、次に、電源スイッチ54を押して、電子カセッテ20Aをスリープ状態に移行させる。その後、ユーザは、電子カセッテ20Aを所定の保管場所まで運搬する(ステップS10)。
一方、被写体14に対して複数枚の撮像を行う場合であって、全ての撮像が完了していない場合には(ステップS8:NO)、ステップS2又はステップS3に戻り、次の撮像、又は、次の撮像のための撮影準備が行われる。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aによれば、ハウジング本体30の照射面36側の内壁261にホットメルト接着剤260を介して放射線変換パネル116を接着固定したので、ハウジング本体30から放射線変換パネル116を取り外して筐体29又は放射線変換パネル116を交換するリワーク時には、ホットメルト接着剤260に熱を加えるだけで該ホットメルト接着剤260が加熱溶融されて流動化し、ハウジング本体30から放射線変換パネル116を簡単に剥がすことができる。これにより、筐体29又は放射線変換パネル116の交換にかかるコストを低減することができる。また、特許文献2のように、ハウジング本体30と放射線変換パネル116との間にナイフを入れる必要がないため、放射線変換パネル116を傷つけることなく交換作業を行うことができる。さらに、リワーク時にのみホットメルト接着剤260に熱が加えられるので、該ホットメルト接着剤260を介して放射線変換パネル116と内壁261とを接着固定している状態では、接着強度を保つことができる。
従って、第1実施形態によれば、ハウジング本体30に接着している放射線変換パネル116を容易に剥離することができる。
また、ハウジング本体30の開口部44a、44bを蓋部材32、34で閉塞して筐体29を構成することにより、電子カセッテ20Aの落下や、外部からの衝撃があっても蓋部材32、34のみの破損で済ませることが可能となる。この結果、リワーク時には、蓋部材32、34のみ交換すればよく、電子カセッテ20Aの修理コストを大幅に削減することができる。
このように、蓋部材32、34のみの破損で済むため、ハウジング本体30の中空部41(室110)に収容された放射線変換パネル116や、電源部94、フレキシブル基板122、126、駆動用IC124、読出用IC128、回路基板130及び電子部品132等の各種の電子部品を適切に保護することができる。
また、ハウジング本体30には、2つの開口部44a、44bが形成されているので、どちらの開口部44a、44bからも室110内の放射線変換パネル116及び各種の電子部品の出し入れが可能となり、これらの構成要素の交換作業等を容易に行うことができる。
さらに、上述のように、筐体29がモノコック構造であるため、装置全体の軽量化を実現できると共に、外部からの応力(例えば、筐体29の落下、被写体14からの荷重、外部からの衝撃)を筐体29全体として受けることができるので、該筐体29の機械的強度(耐落下性、耐荷重性、耐衝撃性)を向上させることができる。
また、筐体29は、落下や外部からの衝撃に対して蓋部材32、34のみの損傷で済むような構造であるため、筐体29の上面である照射面36と底面46との損傷を回避することができる。
さらに、リワーク時に、位置決め部材360〜368を用いてハウジング本体30の内壁261に対する放射線変換パネル116の位置決めを行なえば、位置ずれを発生させることなく、放射線変換パネル116を所望の位置で接着固定させることができる。
さらにまた、第1実施形態では、図15及び図16に示すように、PSS方式の放射線変換パネル116を収容した場合でも、上述したISS方式の放射線変換パネル116の場合と同様の効果が得られることは勿論である。
[第2実施形態に係る放射線撮像装置の説明]
次に、第2実施形態に係る電子カセッテ20Bについて図17〜図20を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて、その詳細な説明を省略し、以下同様とする。
第2実施形態に係る電子カセッテ20Bでは、筐体29内におけるホットメルト接着剤260の近傍に発熱用金属部材370〜376を配置して、電磁誘導により該発熱用金属部材370〜376を発熱させることにより、ホットメルト接着剤260を容易に且つ確実に加熱溶融させて流動化する点で、第1実施形態の場合とは異なる。そのため、発熱用金属部材370〜376は、電磁誘導に起因して内部に渦電流が流れ、その結果、電気抵抗に起因したジュール熱により発熱可能な鉄、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属からなることが望ましい。
ここで、発熱用金属部材370〜376の具体的な配置例について、図17〜図20を参照しながら説明する。
図17において、放射線変換パネル116よりも狭い照射領域に放射線16が照射される場合(図2の撮影可能領域40よりも小さな領域に放射線16が照射される場合)には、放射線変換パネル116の内壁261側の表面における放射線16の照射領域外の箇所に、ホットメルト接着剤260と近接するように、発熱用金属部材370が配置される。
また、図18の場合には、放射線変換パネル116の底面(内壁261とは反対側の面)に、ホットメルト接着剤260と近接するように(対峙するように)、発熱用金属部材372が配置される。
図17及び図18の場合は、いずれも、放射線16の照射領域外に発熱用金属部材370、372が配置されるので、放射線画像への発熱用金属部材370、372の写り込みを回避することができる。
また、図17及び図18の場合には、放射線16の照射領域外に複数の発熱用金属部材370、372を配置することが可能であるため、内壁261に対する放射線変換パネル116の仮止め時には、発熱用金属部材370、372に近接するホットメルト接着剤260のみ加熱溶融させて流動化させればよく、仮止め作業を容易に実行することができる。
すなわち、図17及び図18の場合には、筐体29内に配置された全ての発熱用金属部材370、372のうち、一部の発熱用金属部材370、372を仮止め作業用の発熱用金属部材として割り当て、それ以外の発熱用金属部材370、372を全てのホットメルト接着剤260に対して加熱する際の発熱用金属部材として割り当てればよい。あるいは、筐体29内に配置された全ての発熱用金属部材370、372のうち、仮止め作業時には、一部の発熱用金属部材370、372のみ発熱させ、その後、全てのホットメルト接着剤260に対する加熱時には、全ての発熱用金属部材370、372を発熱させてもよい。
図19では、光電変換層120が形成される蒸着基板を発熱用金属部材374として利用している。図20では、シンチレータ118が形成される蒸着基板を発熱用金属部材376として利用している。図19及び図20では、蒸着基板を発熱用金属部材374、376として利用するので、図17及び図18のような、発熱用金属部材370、372を別途用意しなくてもよい。
なお、図19では、発熱用金属部材374に放射線16が照射されるので、該放射線16の吸収が少ない金属を発熱用金属部材374(蒸着基板)とする必要がある。一方、図20では、シンチレータ118において放射線16が可視光に変換されるので、発熱用金属部材376は、図19の発熱用金属部材374のような材質の制約を受けることがない。但し、発熱用金属部材376は、シンチレータ118で放射線16から変換された可視光を光電変換層120側に反射できることが望ましい。
[第3実施形態に係る放射線撮像装置の説明]
次に、第3実施形態に係る電子カセッテ20Cについて図21及び図22を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る電子カセッテ20Cでは、筐体29におけるx2方向側が薄板状の蓋部材32とされ、x1方向側がユーザが把持可能な把持部206とされている。従って、ユーザは、把持部206の取っ手208を把持した状態で電子カセッテ20Cを運搬することが可能である。
また、図22に示すように、図示しないヒンジ部材を中心として蓋部材32を回動させることにより、蓋部材32によって開口部44aを閉塞することができる一方で、開口部44aを開放状態とすることもできる。
第3実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られることは勿論である。
また、第3実施形態では、蓋部材32を下にした状態で取っ手208を把持して電子カセッテ20Cを運搬するので、運搬中に筐体29を落下させても、蓋部材32のみの損傷で済ませることができる。
[第4実施形態に係る放射線撮像装置の説明]
次に、第4実施形態に係る電子カセッテ20Dについて図23及び図24を参照しながら説明する。
第4実施形態に係る電子カセッテ20Dは、筐体29の厚みが全体的に薄く、ハウジング本体30の側面42aが湾曲面となっていると共に、該湾曲面に合わせて、蓋部材32も湾曲形状となっている。この場合、側面42aの中央部は、x1方向に向かって凹み、蓋部材32の中央部は、側面42aの凹部に対応してx1方向に膨出した凸部となっている。この凸部に取っ手220が設けられている。
一方、ハウジング本体30のx1方向の2つの角部226(側面42bと側面42c、42dとを連結する2つの角部)は、ハウジング本体30の中心に向かって凹んでおり、この凹部にはL字状の緩衝部材222が嵌合している。
なお、電子カセッテ20Cは、筐体29が薄厚であるため、ディスプレイ56は、照射面36における撮像可能領域40外に配置され、電源スイッチ54、入力端子58、USB端子60及びカードスロット64は、側面42dに配置されている。
このように構成される第4実施形態に係る電子カセッテ20Dにおいても、第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、第4実施形態では、蓋部材32に取っ手220が設けられているので、蓋部材32を上にした状態で取っ手220を把持して電子カセッテ20Dを運搬することになるが、この場合でも、電子カセッテ20Dを容易に運搬することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。