JP5632003B2 - 改善された断熱性能を備えた発泡性熱可塑性ナノコンポジットポリマー組成物 - Google Patents

改善された断熱性能を備えた発泡性熱可塑性ナノコンポジットポリマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、改善された断熱性能を備えた発泡物品の作製に適した、ナノスケールグラフェンプレートを充填した発泡性熱可塑性ポリマーをベースとしたナノコンポジット組成物、その調製方法及びその組成物から得られる発泡物品に関する。
より具体的には、本発明は発泡性熱可塑性ビニル芳香族ポリマー、例えば、ナノスケールグラフェンプレートを充填した、例えば20g/l未満の低密度であっても発泡後の熱伝導性が低いスチレンの発泡性ポリマーをベースとした顆粒/ビーズ及びその顆粒/ビーズから得られる発泡製品(すなわち、このビニル芳香族組成物を原料として得られる押出成形された発泡シート)に関する。後述するように、本発明は、説明及び請求もするように、発泡性熱可塑性ビニルポリマー(例えば、ポリエチレン)にも応用することができる。
発泡性熱可塑性ポリマー、その中でも特に発泡性ポリスチレン(EPS)は、様々な応用分野で採用可能な発泡物品の作製において長年にわたって知られ、また使用されている生成物であり、最も重要な応用分野の1つが、断熱分野である。
これらの発泡製品は、まず閉鎖環境において、発泡性流体、例えば脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン等)を含浸させたポリマー顆粒を膨張させ、次に金型内に入れた膨張した粒子を圧力及び温度の同時作用により成形/焼結することで得られる。粒子の膨張は、その焼結と同様に、一般にこのポリマーのガラス転移温度(Tg)より若干高い温度に維持した蒸気又は別の気体によりもたらされる。
例えば発泡ポリスチレンを応用可能な特定の分野として、建築産業における断熱があり、発泡ポリスチレンは一般に平坦なシートの形態で使用される。発泡ポリスチレンのこの平坦なシートは通常、密度約30g/lで使用されるが、これはポリマーの熱伝導性がこの値で最低となるからである。技術的に可能であったとしてもこの密度より低くすることは有利ではない。これは低密度であることがシートの熱伝導性に劇的な上昇をもたらし、その上昇を厚みを増大させることで相殺しなくてはならないからである。この欠点を克服するために、ポリマーに不透熱性材料、例えば黒鉛、カーボンブラック又はアルミニウムを充填することが提案されてきた。不透熱性材料は実際、放射性フロー(赤外線)との相互作用が可能であり、その相互作用によって透過を低下させて、この不透熱性材料を含む発泡材料の断熱性を上昇させる。
断熱性能が最高であると、発泡物品の密度又はその厚さを全体の熱抵抗値を低下させることなく大幅に低下させることが可能になる。
例えば欧州特許第620246号明細書には、不透熱性材料(例えば、カーボンブラック)を表面に分散させた又は代案として粒子自体の内部に取り込ませた、発泡性ポリスチレンの顆粒の調製方法が記載されている。
カーボンブラックの充填材、顔料又は成核剤としての使用は長きにわたって知られている(例えば、Chem.Abstr.,1987,“Carbon Black Containing Polystyrene Beads”を参照のこと)。
様々なタイプのカーボンブラックの中でも最も重要なものは、石油燃焼によって得られるカーボンブラック(ペトロリウムブラック)、ガス燃焼から得られるカーボンブラック、アセチレン由来のカーボンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック及び導電性のカーボンブラックである。国際特許出願WO1997/45477号パンフレットには、スチレンポリマー、0.05〜25%のランプブラックタイプのカーボンブラック及び製品を耐火性にするための0.6〜5%の臭素化添加剤を含む発泡性ポリスチレンをベースとした組成物が記載されている。
製造工程に応じて、これらのカーボンブラックは約10〜1000nmの直径を有し、また広範囲に異なる比表面積(10〜2000m2/g)を有する。これらの差は赤外線の遮断能力の差につながる。国際特許出願WO2006/61571号パンフレットには、重量平均分子量(Mw)150000〜450000を有するスチレンポリマー、2〜20質量%の発泡剤及び0.05〜1%未満の、表面積が550〜1600m2/gのカーボンブラックを含む発泡性ポリスチレンをベースとした組成物が記載されている。
(例えば、JP63−183941号明細書、WO04/022636号パンフレット、WO96/34039号パンフレットに記載されているように)黒鉛を黒体として効果的に使用できることも知られている。しかしながら、高分子発泡体における赤外線の減衰剤としてのその使用は、もっと最近のものである。特許出願JP63−183941号は、6〜14ミクロンの波長の赤外線の遮断に有効な幾つかの添加剤を使用することによって、低熱伝導性を恒久的に維持可能な断熱性の熱可塑性樹脂を得ることを初めて提案している。全ての添加剤の中でも黒鉛が好ましい。
特許DE9305431U号明細書には、20kg/m3未満の密度及び低熱伝導性を有する発泡成形品を製造する方法が記載されている。この結果は、不透熱性材料(黒鉛、カーボンブラック等)を硬質ポリスチレンフォームに組み入れることによって得られる。
国際特許出願WO98/51735号パンフレットには、ポリスチレンマトリックスに均質に分散した0.05〜25質量%の合成又は天然黒鉛粒子を含有する発泡性ポリスチレン微粒子が記載されている。この黒鉛は、好ましくは平均直径1〜50μm、かさ密度100〜500g/l及び表面積5〜20m2/gを有する。
ここで出願人は、強化された断熱特性を備えた、発泡性ビニル又はビニル芳香族ポリマーをベースとした組成物を、不透熱性物質としてナノスケールグラフェンプレートを使用して調製することが可能であることを発見した。
上記の発泡性複合材料から得られる発泡体が、同じ密度でも、ナノスケールプレートを含有していないポリマーの発泡体より改善された断熱性を示すことが判明している。断熱性能は、他の不透熱性物質(例えば、石炭、黒鉛、アルミニウムフレーク)を使用して得られる発泡体より概して驚くほど良好である。このことは、ナノスケールグラフェンプレートが緻密なポリマーに高い熱伝導性をもたらし(例えば、Wang et al,“Thermal Expansion of Graphene Composites”(Macromolecules)を参照のこと)、結果的に当業者なら、例えばEPSの断熱性を改善するには不適当だとみなすに至るであろうことを考えると更に驚くべきことである。
また、これらの革新的なナノコンポジット発泡体では、従来の難燃添加剤(ハロゲン誘導体等)をより低い濃度で使用しても難燃性を付与可能であると判明している。
ナノスケールグラフェンプレートは近年、科学界において大きな関心を集めているが、これはナノスケールグラフェンプレートが効果的且つ極めて経済的なカーボンナノチューブの代替物であると判明したからである。
カーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)は黒鉛をベースとしたナノ材料であり、高アスペクト比(L/D)及びひときわ優れた電気的性質、機械的性質他のおかげで高分子ナノコンポジットの分野で広く応用されている。
例えば国際特許出願WO2008/091308号パンフレットには、0.05〜1質量%の濃度で使用される、多層ナノチューブ(multi walled nano tube:MWNT)をベースとした導電性熱可塑性高分子発泡体が記載されている。
国際特許出願WO2006/114495号パンフレットには、60質量%未満の濃度のナノチューブをベースとした気泡寸法(cell dimension)<150μmの高分子発泡体(熱可塑性及び熱硬化性)が記載されている。これらの発泡体は食品包装、断熱、膜等の分野で使用される。
特許出願WO03/085681号は、カーボンナノチューブを充填した、体積抵抗率10-3〜108Ω・cmを有する高分子発泡体に関する。
CNTは概して2つの主要グループに分類される。単層ナノチューブ(single wall nanotube:SWNT)と多層ナノチューブ(MWNT)である。理想的なSWNTは、2つのフラーレン半球で端部が閉じられた管状構造を形成する、丸められたグラフェンシートとして表わすことができる。SWNTは典型的には1〜10nmの直径及びミクロンオーダーの長さを有し、L/Dアスペクト比は>1000である。グラフェンシートの巻き方向に応じて、キラル(螺旋)構造と非キラル構造とを区別可能である。
SWNTの電気的特性についての研究は、直径及びキラリティとの関連で、SWNTが金属的挙動と半導体的挙動の両方を有し得ることを示している。
弱いファンデルワールス力で繋がれた同心のグラフェンチューブとして表わされるMWNTは、典型的にはSWNTと同様の電気的性質を有する。
本発明で言及するところのナノスケールグラフェンプレートはカーボンナノチューブとは異なる。これらのナノスケールグラフェンプレートは、1枚以上のグラフェンシートから成る。グラフェンは、炭素原子で構成される二次元の六方格子である。グラフェンシートを少なくとも部分的に互いに重ね合わせることができ、ナノスケールグラフェンプレートがこのようにして形成される。
これらのグラフェンシートを、場合によっては官能化又は化学的に修飾し得る。この官能化又は修飾によって、純粋なグラフェンを重ね合わせて得られるものより概して大きい異なる格子面間距離を付与することができる。
特に、本発明で言及するナノスケールグラフェンプレートは、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)を有する。厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは厚さは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートはまた、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)有する。本発明で言及するところのナノスケールグラフェンプレートは表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。
1枚のグラフェンシートが極めて高いヤング率(Young modules)(約1.1TPa)、及びゼロギャップで半導体電子物性を有することが文献において(Lee et al,Science,321,385−388,2008)詳述されている。
特に、1枚のグラフェンシートについて行われた研究(R.R.Nair et al,“Universal Dynamic Conductivity and Quantized Visible Opacity of Suspended Graphene”,Science 320,1308,2008)は、グラフェンシートが、原子1個の寸法に匹敵する厚さにも関わらず(約0.3nm)、波長λに関係なく入射光の2.3%を吸収可能であることを示している。これはグラフェンの独特な電子構造を示したものであり、即ち、電子は質量のない相対論的フェルミオン(ディラック)として挙動するため、光との相互作用は結晶構造に無関係である。
近年、これらの材料の合成工程の最適化を目的として数多くの研究が行われている。第1の製造手順において、ナノスケールグラフェンプレートは、黒鉛酸化物(graphite oxide:GO)を前駆体として使用して得られる。黒鉛の酸化には3つの方法があり、これらは最も広く利用され、またBrodie B.C.,Philos.Trans.R.Soc.London,149,249(1859)、Staudenmaier L.,Ber.Dtsh.Chem.Ges,31,1481(1898)、Hummers W.et al,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958)に記載されていて、これらの文献に従うと、酸化は、カリウム塩の存在下、酸性環境(例えば、硫酸、硝酸)で起きる。生成された黒鉛酸化物を水溶液中での連続した洗浄作業及び濾過に供し、最終的に真空下で乾燥させる。
上記の方法の1つに従って得られた黒鉛酸化物は、
共有結合した酸素基(すなわち、エポキシ、ヒドロキシル基、およびより度合いの低いカルボニル及びカルボン酸基)、
共有結合していない水(Stankovich et al,Carbon,45,1558−1565(2007))
を層間挿入した黒鉛層から成る材料である。
黒鉛酸化物は、X線回折(XRD)で特徴づけることができる。GOに典型的なXRDスペクトルは一般に約0.71nm(WO2008/045778号)の格子面間距離を示し、結果的にそのままの黒鉛に典型的な格子面間距離0.34nmより大きい。
GOの官能基がこの材料を高親水性にするため、水溶液中で簡単に剥離可能となる。特に、特許出願WO2008/048295号では、水中で黒鉛酸化物を剥離するために例えば周波数約20kHzの音波を使用して、最終的に安定したコロイド懸濁液を得ている。
黒鉛酸化物は一般に電気絶縁性であり且つ光学的に極めて厚い材料であり、更にその極めて高い親水性のせいで、最も一般的な有機ポリマーとは不相溶性である。
驚くべきことに、ここで出願人は、黒鉛及び/又は黒鉛材料を慣用的ではない物理的な処理を通じても酸素基で官能化できることを発見した。本発明において、これらの処理は、制御された雰囲気中での熱酸化から成る。
第1の手順は、酸化熱処理が様々な濃度の酸素の存在下で行われることを想定していて、好ましくはO2量は全体に対して0.5〜100体積%、より一層好ましくは全体に対して1〜30体積%である。窒素又は他の不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)を酸素の希釈に使用することができる。
より具体的には、酸化は、黒鉛を入れる石英管から成る炉内で5時間未満、好ましくは1〜3時間にわたって適切な温度、好ましくは700℃未満、より一層好ましくは350〜600℃で行われる。
特定の量の水蒸気も酸化雰囲気に加えることができる。水蒸気の濃度は、0.5〜50体積%、好ましくは0.5〜10体積%、より一層好ましくは0.5〜5体積%であり得る。
出願人は、驚くべきことに、黒鉛及び/又は黒鉛材料を、オゾン又はオゾンを含有するガスを使用しても酸素基で官能化できることを発見した。本発明で言及するところのこのオゾンを、例えば以下の手順の1つに従って発生させることができる。
・酸素を含有するガスを使用し、このガスを、誘電体で隔てられた2つの電極間で発生する及び実際の放電領域からくる特定の放電に通す(クラウン効果)。
・波長約185nmを有するUVランプの使用。上述したような酸素を含有するガスをランプの周囲に流すと、そのランプから発せられる紫外線によってオゾンが発生する。
・誘電体バリア放電によって形成される冷たいプラズマの使用。
ガスの酸素含有量は変化し得る。含有量が高いと、一般にオゾン発生量はより多い。特定のケースにおいて、ガスは空気(この場合、酸素は典型的には約20%)又は純粋な酸素であり得る。水蒸気は、オゾン化前又は後にガス流に加えることができる。
オゾンを含有するガスを黒鉛材料上に流すことによって、黒鉛材料が官能化される。
オゾンを含有するガスを、黒鉛材料に1分より長い時間、好ましくは1時間より長い時間にわたって通す。
ガス及び/又は黒鉛材料を、−200〜600℃、好ましくは−20〜200℃の温度にし得る。
有利には、飽和又は過熱され得る水蒸気流も、オゾンを含有するガスと共に供給され得る。
本発明で使用する黒鉛は天然又は合成であり得て、カーボンブラックの場合、0.5〜50μm、好ましくは1〜15μmの粒径及び比表面積5〜20m2/gを有し得る。一例がKropfmuhl社の製品UF 2であり、4.5μmの粒径を有する。
黒鉛材料としては、IUPACによって記載されるものを意図している(IUPAC Recommendations(1995)の“RECOMMENDED TERMINOLOGY FOR THE DESCRIPTION OF CARBON AS A SOLID”を参照のこと)。
物理的及び化学的なものの両方を含めた様々な方法が文献で提案されていて、これらの方法によって、高分子ナノコンポジットにおける潜在的な使用のために、前駆体としての黒鉛酸化物から開始してナノスケールグラフェンプレートを得ることが可能になる。例えば、WO2008/045778号パンフレット、Stankovich et al,Carbon,45,1558−1565(2007)、Tung et al,Nature Nanotech.4,25−29(2008)、WO2008/048295号パンフレット、Si and Samulski,Nano Letters,8,1679−1682(2008)、WO2009/018204号パンフレット、WO2009/049375号パンフレットを参照のこと。
例えば、GOの急速な加熱は挿入原子の揮発につながり得て、結果的にグラフェンシートが膨張し、熱剥離する。特許出願WO2008/045778号パンフレットには、GO(又はGOスラリー(水)も)の不活性雰囲気(例えば、窒素、アルゴン、これら2種の混合物)中での急速な加熱(>2000℃/分)が黒鉛酸化物の膨張/離層につながることが明記されている。
ナノスケールグラフェンプレート、より具体的には官能化FGSグラフェンタイプ(エポキシ、ヒドロキシル、カルボキシル基が殆どない)の、導電性であり且つ最も一般的な熱可塑性弾性ポリマー中に容易に分散することができるナノスケールグラフェンプレートがこのようにして得られる。表面積約1500m2/g及びそのままの黒鉛に典型的な結晶ピークも黒鉛酸化物に典型的な結晶ピークも存在しないXRDスペクトルを有するFGS材料は、2000℃/分オーダーの温度勾配に対応する。
官能化グラフェン(FGS)は膨張黒鉛とは異なる。膨張黒鉛はプラスチック材料用の充填材として幾度となく提案されている(US2008/0171824号、US2008/0096988号)。例えば、米国特許第6444714号明細書において、膨張黒鉛は、発泡性スチレンポリマー用の難燃添加剤として使用される。
膨張黒鉛は部分的に剥離した黒鉛であり、典型的には虫様の外観を有し(US2008/0171824号、WO04/5778号)、黒鉛に揮発性の発泡剤、例えば硝酸と組み合わせた硫酸を層間挿入して製造される(US2008/0171824号、WO04/5778号)。次に、この層間挿入済みの材料を、発泡剤を気体に変換するのに十分な温度にまで加熱する。気体の膨張によって黒鉛層が除去されて軸cの方向(層に対して垂直)の距離が拡大する。しかしながら、加熱は軸cの方向での層の除去につながるものの、膨張黒鉛のXRDスペクトルは一般に、約0.34nmの層間距離のそのままの黒鉛に典型的な結晶ピークを示す(2θ:約26.5°、Cu−Kα線)。このピークの存在及び典型的には200m2/gより小さい表面積は、黒鉛の一部しか剥離していないことを示す。本発明に関係するナノスケールグラフェンプレートは、そのままの黒鉛及び黒鉛酸化物の両方に典型的な結晶ピークのないXRDスペクトルを有する。
ナノスケールグラフェンプレートは、水溶液中に分散させたGOをヒドラジン水和物(H2NNH2−H2O)又は他の還元剤を使用して化学的に還元して製造することもできる(StanKovich et al,Carbon,45,1558−1565(2007))。還元が進行するにつれて、還元された酸化物の水性環境における不溶性に関係したコアレッセンス現象が起き、結果として部分的な再黒鉛化現象が起き得る。
Tungら(Nature Nanotech.4,25−29(2008))は、GOを純粋なヒドラジンに還元して導電性のヒドラジングラフェン(HG)を得て、これを乾燥させてジメチルスルホキシド(DMSO)又はN,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒に再懸濁させることができる。
特許出願WO2008/048295号パンフレットにおいて、GOの還元は高濃度(質量比10:1=PSS:GO)で使用されるポリマー材料(例えば、ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート:PSS))の存在下で行われる。これによって高分子基(例えば、PSS)とグラフトしたナノスケールグラフェンプレートの製造が可能になり、このグラフトのおかげで還元中のコアレッセンス現象が回避される。
代替の手順においては、特許出願WO2008/048295号パンフレットに記載されるように、黒鉛酸化物をイソシアネート基の挿入によって官能化することができる。イソシアネートで官能化されたGO(iGO)は、黒鉛酸化物より低い親水性を有する。したがって、iGOは、適切な非プロトン性有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン)において安定した分散物を構成することができ、この分散物中に対象のポリマーを溶解させることも可能である。
Stankovichら(WO2008/048295号、Nature,442,282−286(2006))は、N,N−ジメチルホルムアミド及びポリスチレンの溶液に分散させたiGOをジメチルヒドラジンで還元する方法を提案している。この方法は、還元中の凝集現象を回避しながら伝導性のナノスケールグラフェンプレートを得ることを可能にする。
Si e Samulski(Nano Letters,8,1679−1682(2008))は、水及び有機溶媒(メタノール、アセトン、アセトニトリル等)の両方に可溶性のナノスケールグラフェンプレートの調製方法を提案している。この方法は3つの基本ステップ、すなわち黒鉛酸化物のナトリウムボロハイドライドでの前還元、スルホン化によるp−フェニル−SO3H基のGOへの導入、最後のヒドラジンでの後還元から成る。
ナノスケールグラフェンプレートを製造する代替の合成方法では、黒鉛又はその誘導体の、化学的及び/又は物理的方法による剥離を想定している(US2009/0026086号、US2008/0206124号、US2008/0258359号、US2009/0022649号、Hernandez et al,Nat.Nanotechnol.3,N.9,pp.563−568(2008)、Hernandez et al,J.Am.Chem.Soc.,2009,131(10),pp.3611−3620、US2009/0155578号、Li et al,Science 319,1229−1232(2008)、Li et al,Nature Nanotech.3,538−542(2008))。
例えば、特許出願US2008/0206124号明細書には、黒鉛又はその誘導体(カーボンファイバ、高配向熱分解黒鉛、黒鉛ナノファイバ、予備層間挿入黒鉛等)から開始して厚さ100nm未満のナノスケールグラフェンプレートを製造する方法が記載されている。この方法は2つの基本ステップから成る。
1.気相でハロゲン分子(臭素、ヨウ素等)を使用した黒鉛又はその誘導体の層間挿入。層間挿入工程は、この分子の融点又は昇華点より高い温度で行われる。
2.2つの代替手順による層間挿入済み化合物の剥離。第1の手順は、層間挿入済み化合物をハロゲン分子の沸点より高い温度にまで加熱することを含む。この結果、ハロゲン分子は膨張し、黒鉛層が剥離する。続く機械的な処理、例えば熱剥離した生成物の粉砕によって更に層を分離することができる。第2の手順では、超音波処理と組み合わせた、特定の溶媒中での層間挿入済み化合物の液体剥離を想定している。
Hernandezらの“High−Yield Production of Graphene by Liquid−phase Exfoliation of Graphite”(Nat.Nanotechnol.3,N.9,pp.563−568,2008)には、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)等の有機溶媒中での黒鉛の音波処理及びその結果としての剥離によって高品質の単層グラフェンシートのコロイド懸濁液を得る方法が記載されている。
或いは、グラフェンシートのこの分散液を、水溶液中の黒鉛の剥離から開始して適切な界面活性剤(ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート等)を使用して得ることができる(例えば、Hernandez et al,“Liquid Phase Production of Graphene by Exfoliation of Graphite in Surfactant/Water Solutions”,J.Am.Chem.Soc.,2009,131(10),pp.3611−3620を参照のこと)。しかしながら、上記のHernandezらの論文に示すように、これらの工程の効率は概して限定され、執筆者は収率1〜12%を示している。
特許出願US2009/0155578号明細書には、カーボンファイバ又は黒鉛ファイバの層間挿入及びその層間挿入済み化合物の続く剥離によって得られる大きい長さ/幅比(3を超える)を有するナノスケールグラフェンプレートが記載されている。層間挿入は、様々な層間挿入剤(例えば、硫酸、硝酸、カルボン酸、液相又は気相のハロゲン分子、アルカリ金属、超臨界二酸化炭素等)を使用して行うことができる。代替の手順において、この層間挿入は電気化学的に行われる。層間挿入済み生成物は電気化学反応によって得られ、この反応では酸(ギ酸、硝酸、カルボン酸等)を電解液及び層間挿入剤の両方として使用し、カーボンファイバ又は黒鉛ファイバをアノードとして使用する。上記の手順の一方で得られた層間挿入済み生成物を次に熱剥離し(300〜1100℃の温度)、最後に機械的に処理(例えば、粉砕)すると、所望の寸法を有するナノスケールグラフェンプレートが得られる。
特許出願US2009/0022649号明細書には、厚さ2nm以下の超微細ナノスケールグラフェンプレートが記載され、このナノスケールグラフェンプレートは、黒鉛又はその誘導体の層間挿入及び層間挿入済み化合物の続く剥離で得られたナノスケールプレート(厚さ<10nm)の再層間挿入及び続く剥離で得られる。層間挿入/剥離工程の幾つかの例はこれまでにも記載されている(例えば、特許US2009/0155578に関連)。ここでもまた、特許出願US2009/0022649明細書には、厚さ2nm以下のナノスケールグラフェンプレートを得るための代替の手順が記載されている。この代替手順では、適切な時間及びエネルギーレベル条件下、黒鉛、場合によっては中程度の厚さ(<10nm)のナノスケールプレートを、層間挿入ステップを経ることなく溶液中で剥離するための超音波の使用を想定している。
Li et al,“Chemically Derived,Ultrasmooth Graphene Nanoribbon Semiconductors”,(Science 319,1229−1232(2008)及びLi et al,“Highly Conducting Graphene Sheets and Langmuir−Blodgett Films”,(Nature Nanotech.3,538−542(2008))には、膨張性/膨張黒鉛から開始して得られる化学修飾グラフェン(chemically modified graphene:CMG)が記載されている。第1の手順に従って、膨張黒鉛をジクロロエタン及びポリ(m−フェニレンビニレン−コ−2,5−ジオクトキシ−p−フェニレンビニレン)(PmPV)の溶液中で音波処理すると、グラフェン「ナノリボン」の安定した懸濁液が得られる(Li et al,“Chemically Derived,Ultrasmooth Graphene Nanoribbon Semiconductors”,Science 319,1229−1232(2008))。
別のタイプのアプローチ(Li et al,“Highly Conducting Graphene Sheets and Langmuir−Blodgett Films”,Nature Nanotech.3,538−542(2008))は、発煙硫酸を使用した膨張黒鉛の再層間挿入及びそれに続くテトラブチルアンモニウムヒドロキシドの黒鉛層間への挿入による発煙硫酸の膨張に基づく。このようにして再層間挿入された黒鉛を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中でポリエチレングリコール−リン脂質(DSPE−mPEG)の存在下、音波処理する。得られる最終的な懸濁液は、高分子鎖を吸着した約90%の単層グラフェンシートから成る。
Osvathら(Carbon 45,3022−3026,(2007))は、市販の剥離黒鉛(20mlのベンゼン中1mg)の空気中における高温(450〜550℃)での熱処理によって単層グラフェン層を得る方法について記載している。
ナノスケールグラフェンプレートは、黒鉛ではない前駆体から開始しても焼結された(US2006/0216222号、Stride et al,Nature Nanotech.4,30−33(2009)、WO2009/029984号)。第1の手順(US2006/0216222号)は、高分子前駆体(例えば、ポリアクリロニトリルファイバ、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)又は石油又は炭素化石タールの完全黒鉛化(1000〜3000℃)又は部分黒鉛化(300〜1000℃)に基づく。炭素様又は黒鉛様構造を備えた得られた生成物を、酸化剤又は層間挿入剤の存在下、溶液中での処理による続く剥離に供する。剥離した粒子を最後に機械的処理(例えば、粉砕)に供して更にグラフェン層を分離すると、ナノメートル寸法のグラフェン粒子(ナノスケールプレート)が得られる。
代替の手順においては(Stride et al,Nature Nanotech.4,30−33(2009)、WO2009/029984)、グラムオーダーの量のグラフェンを、金属ナトリウム(Na)とエタノール(EtOH)との反応から開始して製造した。この合成法は、220℃で72時間にわたって2gのNaを5mlのEtOH(モル比1:1)中で反応させることから成る。この反応によってグラフェン前駆体(ソルボサーマル前駆体、例えば金属アルコキシド)が生成され、この前駆体を続いて熱分解するとグラフェンが得られる。このグラフェンを次に脱イオン水で洗浄し、濾過、乾燥させる。
上記のナノスケールグラフェンプレートを、本発明の目的であるポリマー組成物にそのまま又はマスターバッチの形態でとりこませることができる。
マスターバッチを調製するための第1の方法は、ポリマーを十分な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン)に溶解させる溶液中での工程である。次に、ナノスケールグラフェンプレートをこの溶液に加え、例えば音波流を利用して分散させる。代替の手順においては、ナノスケールグラフェンプレートを溶媒の一部に予備分散させ、この分散液を続いてポリマー溶液と混合する。多くの場合、溶媒は、蒸発によって生成物から除去できるように低沸点である。沸点がより高い溶媒を使用する場合、コンポジットを、沈殿とそれに続く濾過及び/又は遠心分離によって回収することができる。溶液中での方法は、ナノスケールグラフェンプレートを適切な溶媒中の安定した懸濁液の形態で直接合成する場合に特に有用である(Tung et al,Nature Nanotech.4,25−29(2008)、WO2008/048295号、Si and Samulski,Nano Letters,8,1679−1682(2008)、US2008/0206124号、Hernandez et al,Nat.Nanotechnol.3,N.9,pp.563−568,(2008)、US2009/0022649号、Li et al,Science 319,1229−1232(2008)、Li et al,Nature Nanotech.3,538−542(2008))。
マスターバッチを調製するための第2の方法は溶融状態での混合から成り、この方法ではポリマーを融点又は軟化点より高い温度にし、次にナノスケールグラフェンプレートと混合する。これを目的として使用されるナノスケールプレートは好ましくは粉末形態であり、例えば特許出願WO2008/045778号パンフレット、US2008/0206124号明細書、US2009/0155578号明細書、US2009/0022649号明細書、US2006/0216222号明細書、WO2009/029984号パンフレットに記載の手順に従って合成されるものである。混合は、プラスチック材料の加工に一般に使用される装置で行うことができる(二軸押出機、ブラベンダー混合機等)。
更なる代替の手順においては、粉末形態のポリマー及び同じく粉末形態のナノスケールグラフェンプレートを、ドライブレンド又はターボ混合によって予備混合し、続いて混合機内で溶融状態で加工することができる。この予備混合によって、ポリマーマトリックス内部でのナノスケール装入材料のより良好な分散度が保証される。
別の代替の方法はインシチュでの重合によって表わされ、この方法ではナノスケールグラフェンプレートをモノマーに分散させ、このモノマーを続いて重合する。このモノマーを適切な溶媒に溶解させることもでき、低粘度にすることで、ナノスケール装入材料の良好な分散度を確保することができる。ナノスケールプレートをこの工程の間分散させ続けるために、重合を撹拌条件下で行うこともできる。
ナノスケールプレートを重合前に場合によっては官能化させることもできる。特に、ビニル基に挿入することができる。このようにして、ナノスケールプレートを共重合して、ポリマー自体が融点を超えて熱せられても再凝集しないようにすることができる。
出願人は、重合それ自体の最中にナノスケールグラフェンプレートを製造する方法も発見した。この方法では、ナノスケールプレートを最適に分散させることが可能になる。
一般に、ナノスケールプレートには、実際に自然と凝集する傾向があり、この結果、例えば黒鉛酸化物を水性環境で還元すると、このナノスケールプレートは溶媒から分離して凝集しやすい。この現象を回避するために、ナノスケールプレートを部分的に酸化又は官能化することができる。しかしながら、このような修飾によって原子構造が変化し、これは概して赤外光の吸収力を低下させ、また結果的に熱伝導性及び導電性を低下させてしまう。したがって、これらの変化は概して望ましくない。
しかしながら、出願人は、グラフェンにおける官能化の度合いを低く維持しながら凝集を防止する方法を発見した。
この方法は、黒鉛酸化物等のナノスケールグラフェンプレートの前駆体を水性懸濁液に分散させることを含む。次にモノマーを添加し、続いて重合を懸濁下で行う。重合の開始と同時又はその前に、ただし水溶液中にモノマーを既に懸濁させた状態で、還元剤を添加してナノスケールグラフェンプレートの前駆体を還元する。
この場合、疎水性の還元剤(例えば、メチルヒドラジン)を依然として使用できるとしても、還元剤の殆どが親水性であることが好ましい(例えば、ヒドラジン)。
重合は、使用されている通常の方法に従って終了させることができる。
本発明は、添付の請求項に完璧に記載されている。
したがって、本発明の目的は、例えば顆粒又はビーズ状の発泡性熱可塑性ポリマーの組成物に関し、
(a)1種以上の重合性モノマーを含むベースの重合によって生成される熱可塑性ポリマーマトリックスと、
(b)ポリマーマトリックスに球状に取り込まれた、ポリマー(a)に対して1〜10質量%の発泡剤と、
(c)ポリマー(a)に対して0.004〜15質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より一層好ましくは0.05〜2質量%の、ナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材とを含む。
特に、本発明に関係するナノスケールグラフェンプレートは、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)を有する。厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは厚さは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートはまた、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)を有する。本発明が関係するところのナノスケールグラフェンプレートは表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。
本発明の目的は、上記の発泡性組成物を使用して得られる発泡体にも関し、したがって組成物は発泡剤をもはや含有しないか、又はその含有率は低い。
本発明において、重合性モノマーを、ビニルモノマー(エチレン、プロピレン等)及びビニル芳香族モノマーから選択する。しかしながら、ビニル芳香族モノマーが好ましい。
しかしながら、本発明の代替の実施形態において、不透熱性充填材は、ナノスケールグラフェンプレートに加えて、ポリマーに対して最高で6質量%、例えば0.01〜6質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%の更なる不透熱性物質(黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラック等)を相乗剤(synergic agent)として含むことができる。黒鉛は天然又は合成であってよく、また任意で膨張性黒鉛又は膨張黒鉛タイプであってよい。黒鉛、カーボンコーク又はカーボンブラックは、レーザー回折での測定で粒径0.5〜50μmを有してよい。
本発明の目的であるポリマー組成物は、以下で例を挙げてより詳細に説明するように、ポリマーマトリックス及び出発原料モノマーとの関連で、
(1)ナノスケールグラフェンプレート及び考えられる添加剤のモノマーへの溶解/分散と、それに続く水性懸濁液中での重合及び発泡剤の添加を含む、懸濁液中での工程、或いは
(2)ポリマーマトリックス及びナノスケールグラフェンプレートを含む予備生成されたポリマー組成物の懸濁(例えば、水性)と、それに続く発泡剤の添加及び取り込みを含む、懸濁液中での工程、或いは
(3)以下の:
顆粒若しくは粉末の形態又は既に溶融状態にある熱可塑性ポリマーをナノスケールグラフェンプレート(そのまま又はマスターバッチの形態)及び他の考えられる添加剤と混合し、
場合によっては、まだ溶融状態にないならば、熱可塑性ポリマー混合物をポリマーの融点より高い温度にし、
発泡剤を溶融した熱可塑性ポリマーに、他の考えられる添加剤(後述する難燃系等)と共に取り込ませ、
このようにして得られたポリマー組成物を静的又は動的混合要素によって混合し、
このようにして得られたポリマー組成物を(例えば、米国特許第7320585号明細書に記載の手順に従って)圧力下でカッティングダイに送る
ステップを順番に含む、連続塊状工程(continuous mass process)、或いは
(4)直接押出成形工程、すなわち熱可塑性ポリマーの顆粒とナノスケールグラフェンプレート(そのまま又はマスターバッチの形態)との混合物を直接、押出機に送り、そこに発泡剤も送られる工程
によって調製することができる。
或いは、ビニル芳香族ポリマーの場合、ポリマーは重合プラントからの既に溶融状態にあるポリマーになり得て、続いて不透熱性充填材を添加する。次に発泡剤を加え、対応する生成物を続いて冷却し、顆粒化するために又はシート、チューブ、発泡シート等を直接作製(直接押出成形)するためにダイに通す。
本文及び請求項で使用の用語「ビニル芳香族モノマー」は本質的に、以下の一般式:
Figure 0005632003
(式中、Rは水素又はメチル基であり、nはゼロ又は1〜5の整数であり、Yは塩素、臭素等のハロゲン又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルコキシルラジカルである)に対応する生成物を意味する。
上で挙げた一般式を有するビニル芳香族モノマーの例は、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ジメチルスチレン、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及びペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン等である。好ましいビニル芳香族モノマーは、スチレン及びα−メチルスチレンである。
一般式(I)に対応するビニル芳香族モノマーは、単独で、又は他の共重合性モノマーとの最高で50質量%の混合物として使用することができる。共重合性モノマーの例は、(メタ)クリル酸、(メタ)クリル酸のC1〜C4アルキルエステル(例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート)、(メタ)クリル酸のアミド及びニトリル(例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル)、ブタジエン、エチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸等である。好ましい共重合性モノマーは、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートである。
熱可塑性ポリマーマトリックス内に球状に取り込み可能ないずれの発泡剤も、本発明の目的である発泡性ポリマーと組み合わせて使用することができる。典型的な例は、脂肪族炭化水素、フレオン、二酸化炭素、アルコール(エチルアルコール等)、水等である。
一般に従来の材料と共に使用される慣用の添加剤(顔料、安定剤、成核剤、難燃系、静電気防止剤、離型剤等)を、本発明の目的である発泡性熱可塑性ポリマーの組成物に添加することができる。特に、本発明の組成物に、後述するように、ポリマー(a)に対して0.1〜8質量%の、少なくとも30質量%の臭素を含有する自消性の臭素化添加剤と、ここでもまたポリマー(a)に対して0.05〜2質量%の、少なくとも1つのC−C又はO−Oの弱い結合を有する相乗生成物(synergic product)とを含む難燃系を添加することができる。
不透熱性充填材、発泡剤及び考えられる添加剤の添加後、発泡性熱可塑性ポリマーが顆粒又はビーズ状で得られ、この顆粒又はビーズ状の発泡性熱可塑性ポリマーを変形させて、5〜50g/l、好ましくは10〜25g/lの密度を有する発泡物品を製造することができる。一方、直接押出成形の場合は、20〜40g/lの密度が採用される。
これらの発泡物品は、25〜50mW/mK、好ましくは29〜45mW/mKの熱伝導性によって表される優れた断熱性能を有し、この数値は概して、現在流通している充填材非含有の材料(例えば、Polimeri Europa SpA社のEXTIR A−5000)から得られる同等の発泡物品の値より更に10%を超えて低い。
本発明の目的である発泡性熱可塑性ポリマーのこれらの特徴により、材料を大幅に節約した断熱物品を作製すること又は例えば従来の充填材非含有のポリマーを使用して作製したシートより薄いシートを作製することが可能であり、結果的に空間及び生成物の節約となる。
発泡物品の定義には、密度10〜200g/l、平均気泡寸法0.01〜1.00mmを有し且つ熱可塑性ポリマーに対して0.004〜15質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より一層好ましくは0.05〜2質量%の、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材を含有する例えばビニル又はビニル芳香族ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン)の気泡マトリックスを含む、熱可塑性ポリマーの発泡押出成形シートが含まれる。ナノスケールグラフェンプレートの厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートは、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)も有する。このナノスケールグラフェンプレートは表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。
発泡押出成形シートの熱可塑性ポリマーに添加される不透熱性充填材は、ナノスケールプレートを含むことに加えて、ポリマーに対して最高で6質量%、例えば0.01〜6質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%の更なる不透熱性添加剤(黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラック等)をそれぞれ相乗剤として含み得る。
発泡押出成形シートは、従来の材料と共に通常使用される慣用の添加剤(顔料、安定剤、成核剤、難燃系、静電気防止剤、離型剤等)も含有することができる。
本発明の更なる目的は、発泡性熱可塑性ポリマーをベースとした、例えばビーズ又は顆粒状の、改善された断熱性能及び密度50g/l未満(発泡後)を有する該組成物を調製する工程に関する。
特に、本発明の更なる目的は、ビーズ又は顆粒状の発泡性ビニル芳香族ポリマーを調製する工程に関し、本工程は、水性懸濁液中で、1種以上のビニル芳香族モノマーを、場合によっては最高で50質量%の少なくとも1種の重合性コモノマーと共に、不透熱性充填材の存在下で重合することを含み、該不透熱性充填剤は、以下を含む。
150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)を有するナノスケールグラフェンプレート。該厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは厚さは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートはまた、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)を有する。ナノスケールグラフェンプレートは表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。
ペルオキシドラジカル開始系、及び
重合前、重合中又は重合後に添加される発泡剤。
不透熱性充填材は、ナノスケールプレートを含むことに加えて、ポリマーに対して最高で6質量%、例えば0.01〜6質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%の更なる不透熱性添加剤(黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラック等)もそれぞれ相乗剤として含み得る。
重合は、水性懸濁液中で、リン酸の無機塩、例えばリン酸三カルシウム又はリン酸マグネシウムを伴って行われる。これらの塩は重合混合物に、あらかじめ細かく分割されるか、又は例えばピロリン酸ナトリウムと硫酸マグネシウムとの反応によってインシチュで合成されるかのいずれかによって添加することができる。
この無機塩をその懸濁化作用において、米国特許第3631014号明細書に記載されるように、アニオン界面活性剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はその前駆体(メタ重亜硫酸ナトリウム等)によって支援する。
重合は、有機系懸濁化剤(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等)の存在下で行うこともできる。
開始系は通常、2種のペルオキシドを含み、1つ目は85〜95℃で1時間の半減期を有し、もう一方は110〜120℃で1時間の半減期を有する。これらの開始剤の例は、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート及びtert−ブチルパーベンゾエートである。
得られるビニル芳香族ポリマー又はコポリマーは、平均分子量(Mw)50000〜300000、好ましくは70000〜200000を有する。概して、水溶液中での発泡性ビニル芳香族ポリマーの調製又はより広い意味での懸濁液における重合の手順についての更なる詳細は、Journal of Macromolecular Science,Review in Macromolecular Chemistry and Physics C31(263),215−299(1991)に見ることができる。
懸濁液の安定性を改善するために、水に懸濁させるビニル芳香族モノマーの反応物溶液の粘度を、ビニル芳香族ポリマーをこの溶液に、モノマーに対して最高で1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の濃度まで溶解させることによって上昇させることが可能である。溶液は、上記の濃度が得られるまで、予備生成されたポリマーを反応物混合物(例えば、新鮮なポリマー又は先行の重合及び/若しくは発泡からの廃棄物)に溶解させる、又はモノマー若しくはモノマーの混合物を塊状予備重合し、続いて水性懸濁液中での重合を残りの添加剤の存在下で継続することにより得ることができる。
懸濁液中での重合中、当業者に周知の方法に従って、発泡性ビニル芳香族ポリマーの製造に典型的な重合添加剤、例えば懸濁液の安定剤、連鎖移動剤、発泡補助剤、成核剤、可塑剤等を使用する。特に、重合中、得られるポリマーの質量に対して0.1〜8%の難燃剤及び0.05〜2%の相乗生成物を含む耐炎系を添加することが好ましい。本発明の目的である発泡性ビニル芳香族ポリマーに特に適した難燃剤は、脂肪族化合物、脂環式化合物、臭素化芳香族化合物(ヘキサブロモシクロドデカン、ペンタブロモモノクロロシクロヘキサン、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等)である。使用可能な相乗生成物はジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニル−ヘキサン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルブタン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキシノナンである。
発泡剤は、好ましくは、重合段階中又はその後に再懸濁技法により添加される。特に、後者は以下の段階:
水性懸濁液中で、1種以上のビニル芳香族モノマーを、少なくとも不透熱性充填材の存在下で重合し、
このようにして得られたビーズ又は顆粒を分離し、
ビーズ又は顆粒を水に再懸濁させ、球状形態が得られるまで加熱し、
発泡剤を懸濁液に添加し、含浸するまでビーズを発泡剤と接触させ続け、
ビーズを再分離すること
を含む。
発泡剤は、3〜6個の炭素原子を含む脂肪族又は脂環式炭化水素(n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、これらのブレンド等)、1〜3個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素のハロゲン化誘導体(例えば、ジクロロジフルオロメタン、1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン)、二酸化炭素、水及びエチルアルコールから選択される。
重合終了時に、懸濁、再懸濁を問わず、発泡性ポリマーの実質的に球状のビーズ/顆粒が平均直径0.2〜2mm、好ましくは1〜1.5mmで得られ、この中に不透熱性充填材及び他の考えられる添加剤が均質に分散している。
次に、米国特許第5041465号明細書に記載されているように、顆粒を重合反応器から取り出し、非イオン界面活性剤又は酸により連続的に又はバッチ式で洗浄する。続いて、ポリマー顆粒を、30〜60℃の熱風で熱処理することができる。
本発明の更なる目的は、発泡性熱可塑性ポリマーをベースとした顆粒又はビーズ状の組成物を連続塊状で調製する工程に関し、本工程は以下の連続したステップを含む。
(i)顆粒/ペレット若しくは粉末形態又は既に溶融状態にある平均分子量(Mw)50000〜300000、好ましくは70000〜200000を有する熱可塑性ポリマーを、厚さ(グラフェンシートに対して直角)150nm以下を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材と混合する。厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは厚さは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートは、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)も有する。このナノスケールグラフェンプレートは、表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。ナノスケールグラフェンプレートに加えて、この不透熱性充填材は、ポリマーに対して最高で6質量%、例えば0.01〜6質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%の更なる不透熱性添加剤(黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラック等)をそれぞれ相乗剤として含み得る。既に記載した他の考えられる添加剤、とりわけ顔料、安定剤、成核剤、難燃系、静電気防止剤、離型剤等もこのステップにおいて全て又は部分的に添加することができる。
(ii)任意で、まだ溶融状態にないならば、ポリマー混合物を熱可塑性ポリマーの融点より高い温度にする。
(iii)発泡剤及び場合によっては残りの(一部又は全て)他の添加剤を溶融したポリマーに取り込ませる。
(iv)このようにして得られたポリマー組成物を、静的又は動的混合要素により混合する。
(v)このようにして得られた組成物を、ダイ、切断チャンバ及び切断システムを含む装置で顆粒化する。
顆粒化終了時には、発泡性熱可塑性ポリマーの顆粒/ビーズを、平均直径0.2〜2.3mm、好ましくは1〜1.5mmを有する実質的な球状形態で得ることができ、その中に不透熱性充填材、考えられる更なる相乗的不透熱性添加剤及び他の更なる添加剤が、肉眼では均質に分散している。
本発明において、ステップ(i)は、既に生成された、場合によっては処理廃棄物が混ざったポリマー顆粒を押出機に送って行うことができる。この押出機で本発明の目的である組成物の個々の成分が混合され、続いてポリマー分が溶融し、次に発泡剤及び他の考えられる添加剤が添加される。
或いは、ビニル芳香族ポリマーの場合、当業者には「連続塊状法」として知られる工程に従って、溶液状で重合プラント、特には相対脱蔵ユニット(relative devolatilization unit)から直接くる、既に溶融状態にあるポリマーを使用することができる。溶融ポリマーを適切な装置、例えば動的又は静的混合機に送り、そこで添加剤、例えば不透熱性充填材及び発泡剤と混合し、引き続き押出成形することによって本発明の目的である生成物が発泡性顆粒/ビーズで得られる。熱可塑性ポリマー組成物の顆粒(又はビーズ)を、例えばガラス転移温度Tg以下又はそれより若干高い温度、例えばTgより最高で8℃高い温度で、場合によっては圧力下で再ベークすることができる。連続塊状でビニル芳香族ポリマーを調製するための詳細な方法は、国際特許出願WO03/53651パンフレットに記載されている。
一般に、少なくとも不透熱性充填材を、平均分子量(Mw)50000〜300000、好ましくは70000〜200000を有する、ポリマーマトリックス(a)の熱可塑性ポリマーと適合する熱可塑性ポリマーを好ましくはベースとしたマスターバッチに取り込ませることによって、ポリマー流とのその混合を促進し、またプラント管理を簡略化することが可能である。このマスターバッチにおいて、ナノスケールグラフェンプレート及び場合によっては黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラックを含む不透熱性充填材の含有量は、15〜60質量%である。
特に、水性懸濁液中での重合の場合、ペレット状のマスターバッチを、ビニル芳香族モノマーに溶解させることができる。他方で、塊状重合の場合は、ペレットの形態のマスターバッチを熱可塑性ポリマーの顆粒又は溶液状での重合からくる溶融状態のビニル芳香族ポリマーと混合することができる。
より一層具体的には、ビニル芳香族ポリマーの連続塊状重合の場合、ペレット状のマスターバッチを、ビニル芳香族モノマー/溶媒混合物に溶解させてから重合反応器に溶液状態で送ることができる。
ビニル芳香族ポリマーの重合が終了すると、重合が懸濁式、塊状又は連続塊状で行われるかを問わず、得られた発泡性ビーズ又は顆粒を、慣用の発泡性組成物に通常適用される予備処理に供することができる。この予備処理は本質的に以下から成る。
(1)ビーズ又は顆粒を静電気防止液剤(アミン、エトキシ化第三級アルキルアミン、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー等から選択される)で被覆する。この薬剤によりコーティングの接着が可能になり、また懸濁液中で調製されたビーズのスクリーニングが促進される。
(2)このビーズ又は顆粒に、場合によってはカーボンブラックとも混合された、本質的に脂肪酸とのグリセリン(又は他のアルコール)のモノ−、ジ−及びトリエステル並びにステアリン酸金属塩(ステアリン酸亜鉛及び/又はステアリン酸マグネシウム等)の混合物から成るコーティングを適用する。
本発明の更なる目的は、熱可塑性ポリマーの発泡押出成形シートを製造する工程に関し、本工程は以下を含む。
(a1)ペレット、顆粒又はビーズの形態の熱可塑性ポリマー(ビニル又はビニル芳香族ポリマー、例えばポリエチレン、ポリスチレンから選択される)と、少なくとも、厚さ150nm以下(グラフェンシートに対して直角)を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材とを混合する。厚さは好ましくは50nm未満であり、より一層好ましくは厚さは0.3〜5nmである。このナノスケールプレートは、10μm以下、好ましくは1μm以下、より一層好ましくは500nm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)も有する。ナノスケールグラフェンプレートは、表面積>50m2/gを有する。表面積は好ましくは100〜2600m2/gであり、より一層好ましくは表面積は300〜2600m2/gである。
(b1)この混合物(a1)を180〜250℃の温度に加熱することによって均質化に供するポリマー溶融物を得る。
(c1)このポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤及び場合によっては他の添加剤、例えば難燃系を添加する。
(d1)少なくとも発泡剤を球状で取り込む(englobe)このポリマー溶融物を均質化する。
(e1)このポリマー溶融物(d1)を200℃以下であり且つ得られるポリマー組成物のTg以上である温度にまで均質に冷却する。
(f1)このポリマー溶融物をダイに通して押出成形することによって発泡ポリマーシートを得る。
本発明の更なる目的である発泡押出成形シートを製造する工程の実施形態において、熱可塑性ポリマーに添加される不透熱性充填材は、ナノスケールグラフェンプレートに加えて、ポリマーに対して最高で6質量%、例えば0.01〜6質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%の更なる不透熱性添加剤(黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラック等)もそれぞれ相乗剤として含み得る。
本発明の目的である発泡押出成形シートを製造する工程の代替の実施形態においては、ペレットの形態の熱可塑性ポリマーを、全て又は部分的に、上述の工程の1つにおいて説明した又はそれに従って調製されたビーズ/顆粒状の熱可塑性ビニル又はビニル芳香族ポリマーの組成物に置き換える。
また、熱可塑性ビニル又はビニル芳香族ポリマーをベースとした発泡押出成形シートを製造する工程において、不透熱性充填材は、マスターバッチで使用することができる。
熱可塑性ポリマーの発泡押出成形シートを調製する工程についての更なる詳細は、国際特許出願WO06/128656パンフレットに見つけることができる。
本発明をより深く理解し、また具体化するために、以下に幾つかの例示的且つ非限定的な実施例を挙げる。
実施例1
パートA:黒鉛の液体剥離によるナノスケールグラフェンプレートの調製
20部の黒鉛「UF1 98.5」(Kropfmuhl社製)を、磁気アンカー撹拌機を使用して880部のN−メチルピロリドン(Sigma Aldrich社)中に分散させる。撹拌しながら、超音波音場を、20kHzで較正され、発生器の吸収出力に基づいて計算された約100W/リットルの比出力を有するソノトロードで印加する。約2時間後、このようにして得られた生成物を遠心分離に供する。上澄みの生成物を回収し、次に今度は機械的撹拌機(Silverson Machines社)を使用して再度撹拌する。100部のEDISTIR N1782タイプのポリスチレン(Mw130000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)25g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を粉末化し、次に、連続的な撹拌下に溶液を維持しながらゆっくりと注ぐ。加工サイクル全体を通じて、温度は約120℃に維持される。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
900部のEDISTIR N2982タイプのポリスチレン(Mw180000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)7.5g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を、一軸押出機で溶融させる。
66部のポリスチレンN1782(Polimeri Europa社製)、2部のエチレン−ビス−ステレアミド(stereamide)、10部のSaytex HP900(ヘキサブロモシクロドデカン。Alberarle社が販売)、2部のPerkadox 30(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)を二軸押出機で混合する。パートAで最初に生成された溶液20部を側方注入口からこの二軸押出機に送る。
n−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物50部及び二軸押出機を後にした流れを、一軸押出機を後にしたポリマー溶融物に添加する。このようにして得られた混合物を、一連の静的混合要素で混合する。ギアポンプで、このようにして得られた混合物の圧力を200bargにまで上昇させる。次に、混合物を、混合交換器(SMR)で約170℃にまで冷却する。
次に、組成物をダイに分配し、直径0.5mmを有する多数の孔を通して押出成形し、水流で速やかに冷却し、一連の回転ナイフで切断する(米国特許第7320585号明細書に記載の方法に従う)。
顆粒化チャンバ内の圧力は5バールであり、せん断速度は、平均直径1.2mmを有する顆粒が得られるように選択される。水は冷却噴霧液として使用され、窒素はキャリアガスとして使用される。
得られる顆粒を遠心乾燥機で乾燥させ、次にコーティングで被覆する。このコーティングは、顆粒に、乾燥顆粒1000部あたり3部のモノステアリン酸グリセリン、1部のステアリン酸亜鉛及び0.2部のグリセリンを添加することによって調製される。コーティングの添加剤は、連続スクリュー混合機により顆粒と混合される。
生成物を100℃の蒸気を使用して17g/lにまで予備発泡させ、1日かけてエージングに供し、ブロック(寸法1040x1030x550mmを有する)の成形に使用する。
次に、ブロックを切断して平坦なシートを作製し、この上で熱伝導性を測定する。熱伝導性は33.8mW/mKであると判明した。
同じブロックから得られたシートの一部を70℃の炉内に2日間にわたって置く。次に、規格DIN 4102に準拠した耐火挙動試験用に試料(9cmx19cmx2cm)を採取する。試料は試験を通過する。
実施例2
パートA:濃縮物の調製
実施例1のパートAに従って得られた生成物を真空下に置き、連続的に撹拌し且つ窒素をわずかにバブリングさせながら3時間にわたって約170℃にする。500部の溶媒をこのようにして蒸発させ、考えられる再利用のために別の容器で再凝縮する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
89.8部のエチルベンゼン、730.0部のスチレン、56.2部のα−メチルスチレン及び0.2部のジビニルベンゼンを撹拌反応器に送る。
パートAで得られた調製物123.8部を反応器に送り、溶解させる(全体:1000部)。次に、反応を125℃、2時間の平均滞留時間で行う。次に、流出口の流体組成物を第2反応器に送り、反応を135℃、2時間の平均滞留時間で完了させる。
転化率72%を有する得られる組成物(以下、「組成物(A)」と称する)を240℃にまで加熱し、続いて脱蔵装置に送って溶媒及び残留モノマーを除去する。この組成物は、分子量(Mw)200000g/モル及びMw/Mn比2.8を特徴とし、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である。
組成物(A)を脱蔵装置から熱交換器に送り、その温度を170℃にまで低下させる。
130.9部のポリスチレンN2982(Polimeri Europa社製)、14.0部のSaytex HP900(ヘキサブロモシクロドデカン。Alberarle社が販売)及び5.1部のPerkadox 30(登録商標)(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)の全部で150部を第2の二軸押出機に送る。ギアポンプを使用して、この溶融した添加剤の送り圧力を260bargにまで上昇させる。次に、n−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物50部に加圧し、添加剤流に注入する。混合を、静的混合機を使用して約190℃で完了させる。このようにして得られた組成物を以下、「組成物(B)」と記載する。
組成物(B)を、熱交換器からくる組成物(A)850部に添加する。次に、これらの原料を、静的混合要素を使用して、計算された7分の平均滞留時間にわたって混合する。次に、組成物をダイに分配し、ここで組成物は、実施例1のパートBに示すように押出成形、顆粒化、発泡、成形される。実施例1のパートBに記載される手順に完全に従って、熱伝導性及び耐火挙動試験の測定のために試料をブロックから採取し、17g/lで発泡させ、成形する。
試料は、耐火挙動試験(DIN 4102)を通過する。熱伝導性は、30.8mW/mKであると判明した。
また、試料を、EN ISO 844に準拠した圧縮強度の評価のために採取する。10%の圧縮での応力は130kPaであると判明した。
存在する炭質材料の割合を測定するために、熱重量分析(TGA)を同じブロックから採取した試料に行う。以下の手順を採用した。窒素中での20℃/分、最高600℃までの温度上昇率を採用する。次に、損失重量を記録する。空気の供給を開始し、温度を800℃にする。窒素中での600℃で記録された値と空気中での800℃で記録された値との損失重量における差が、存在する炭質材料に等しいと見なす。この分析を3回繰り返す。炭質材料の含有量とは、個々の分析から得られる値の平均値のことである。
試料中の炭質材料の含有量は、0.4質量%であると判明した。
実施例3
パートA:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
実施例1のパートAを繰り返す。ただし、N−メチルピロリドンの代わりにN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として使用する。このようにして得られた生成物100部を、2000部のメタノールが入った容器に滴下する。この作業を、力強い撹拌下に容器を維持しながら行う。濾過により凝固したコンポジット粉末を回収し、メタノールで洗浄し、120℃で12時間にわたって乾燥させる。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
混合物を、閉鎖され且つ攪拌された容器内に装入する。この混合物は、150質量部の水、0.2部のピロリン酸ナトリウム、99部のスチレン、0.25部のtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、0.25部のtert−ブチルパーベンゾエート及びパートAで調製された調製物1部から成る。この混合物を、攪拌しながら90℃にまで加熱する。
90℃での約2時間にわたる加熱後、4部のポリビニルピロリドン溶液(10%)を添加する。この混合物を依然として撹拌しながら100℃にまで更に2時間にわたって加熱し、n−ペンタンとi−ペンタンとの70/30の混合物7部を添加し、混合物全体を更に4時間にわたって125℃にまで加熱する。次に、混合物を冷却し、バッチを取り出す。
このようにして調製された発泡性ポリマーの顆粒を続いて回収し、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドと縮合させた脂肪アルコールから成る0.05%の非イオン界面活性剤(Huntsman社が商標名Empilan 2638で販売)を含有する脱塩水で洗浄する。次に、顆粒を温風流で乾燥させ、グリセリンをベースとしたエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合物から成る0.02%の非イオン界面活性剤(Dow社が販売するVoranol CP4755)を添加し、続いて篩にかけることによって直径1〜1.5mmの顆粒を得る。
次に、0.2%のモノステアリン酸グリセリン及び0.1%のステアリン酸亜鉛を、この顆粒に添加する。
生成物を、実施例1のパートBの記載に従って蒸気を使用して発泡、成形する。試料を、同じ実施例で明記したものに従って熱伝導性を測定するために採取する。熱伝導性は33.2mW/mKであり、実施例2のパートBと同じ手順に従って計算される石炭の濃度は0.2質量%であると判明した。
試料を、EN ISO 844に準拠した圧縮強度の評価のために該シートから採取する。10%の圧縮での応力は110kPaであると判明した。
実施例4
パートA:濃縮物の調製
濃縮物を、実施例3のパートAに従って調製する。得られた生成物を脱イオン水中で洗浄し、濾過、乾燥させる。生成物を続いてジェットミルで超微粉砕する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡ポリスチレンシートの作製
97部のポリスチレンN1782及び実施例3のパートAで調製された生成物3部から成る混合物を、直列に並ぶ2基の押出機から成る系に連続的に送る。
第1押出機内の温度は、ポリスチレンを溶かして添加剤と混合するために220℃である。
このようにして得られた混合物に、混合物100部あたり2部のエチルアルコールを4部の二酸化炭素と共に発泡剤として添加する。
この発泡系を含むポリマー溶融物を均質化し、120℃にまで冷却し、次に、寸法300mmx1.5mmの矩形の横断面を有するダイを通して押出成形する。
厚さ120mmを有する連続シートが得られる。このシートの密度は35g/lであり、シート内部の気泡(実質的に球状)の平均サイズは約400μmである。熱伝導性は34mW/mKであると判明した。
試料をこのシートから得て、EN ISO 844に準拠して圧縮強度を評価する。10%の圧縮での応力は550kPaであると判明した。
実施例5(比較例)
ナノスケールグラフェンプレートを含有しない発泡ポリスチレンシートの作製
100部のポリスチレンN1782を、直列に並ぶ2基の押出機から成る系に連続的に送る。
第1押出機内の温度は、ポリスチレンを溶かすために220℃である。
このポリスチレンに、混合物(A)100部あたり2部のエチルアルコールを4部の二酸化炭素と共に発泡剤として添加する。
この発泡系を含むポリマー溶融物を均質化し、120℃にまで冷却し、続いて寸法300mmx1.5mmの矩形の横断面を有するダイを通して押出成形する。
厚さ120mmを有する連続シートが得られる。このシートの密度は35g/lであり、シート内部の気泡(実質的に球状)の平均サイズは約500μmである。
試料をこのシートから得て、EN ISO 844に準拠して圧縮強度を評価する。10%の圧縮での応力は420kPaであると判明した。
実施例6
ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
0.4部のナトリウムドデシルベンゼンスルホネートを1000部の脱イオン水に、磁気アンカーで撹拌することによって分散させる。
次に、5部の黒鉛「UF1 98.5」(Kropfmuhl社製)を、一定の撹拌下に維持しながら溶液に添加する。依然として連続的に撹拌しながら、超音波音場を、20kHzで較正され、発生器の吸収出力に基づいて計算された約100W/リットルの比出力を有するソノトロードで印加する。約2時間後、このようにして得られた生成物を遠心分離に供する。
上澄み150部を回収し、撹拌され且つ閉鎖された容器内に装入する。次に、0.2部のピロリン酸ナトリウム、100部のスチレン、0.25部のtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、0.25部のtert−ブチルパーベンゾエートを添加する。
このようにして得られた混合物を、実施例3に記載のものと同じステップ及び工程条件に供する。顆粒を、同じ条件下で発泡、成形する。
17g/lで測定した伝導性は31.7mW/mKであった。炭素含有量は0.2質量%であり、10%の圧縮での応力は120kPaであった。
実施例7
パートA:濃縮物の調製
68部のポリスチレンN1782(Polimeri Europa社製)を二軸押出機で混合する。2部のエチレン−ビス−ステレアミドを、実施例3のパートAで得られた組成物30部と共に添加する。押出成形された生成物をマスターバッチとして使用する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
89.8部のエチルベンゼン、730.0部のスチレン、56.4部のα−メチル−スチレンを撹拌反応器に送る。
上で調製されたマスターバッチ123.8部を反応器に送り、溶解させる(全体:1000部)。反応を125℃、2時間の平均滞留時間で行う。流出口の流体組成物を第2反応器に送り、反応を135℃、2時間の平均滞留時間で完了させる。
転化率72%を有する得られる組成物(以下、「組成物(A)」と称する)を240℃にまで加熱し、続いて脱蔵装置に送って溶媒及び残留モノマーを除去する。この組成物は、分子量(Mw)200000g/モル及びMw/Mn比2.8を特徴とし、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である。
組成物(A)を脱蔵装置から熱交換器に送り、その温度を170℃にまで低下させる。
130.7部のポリスチレンN2982(Polimeri Europa社製)、14.2部の安定化EBCD(Saytex HP900SG。Chemtura社が販売)及び5.1部のPerkadox 30(登録商標)(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)の全部で150部を第2の二軸押出機に送る。
ギアポンプを使用して、この溶融した添加剤の送り圧力を260bargにまで上昇させる。次に、n−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物47部に加圧し、添加剤流に注入する。混合を、静的混合機を使用して約190℃で完了させる。このようにして得られた組成物を以下、「組成物(B)」と記載する。
組成物(B)を、熱交換器からくる組成物(A)850部に添加する。次に、これらの原料を、静的混合要素を使用して、7分の平均滞留時間にわたって混合する。
次に、組成物をダイに分配し、ここで組成物は、実施例1のパートBに示すように押出成形、顆粒化、発泡、成形される。ここでもまた実施例1のパートBに示すものに従った熱伝導性及び耐火挙動試験の測定のために試料をブロックから採取し、17g/lで発泡、成形する。
試料は、耐火挙動試験(DIN 4102)を通過する。熱伝導性は、29.8mW/mKであると判明した。
実施例2のパートBに示すものに従って測定される熱重量分析(TGA)及び圧縮強度は、それぞれ炭素含有量0.7質量%及び10%の圧縮での応力140kPaを示す。
実施例8
パートA:濃縮物の調製
WO2008/048295号パンフレットの実施例3に従って、ナノスケールグラフェンプレートのポリスチレンへの分散を行う。本発明の実施例1のパートBに記載のように行われた炭素含有量に関するTGA分析により、含有量は2.5質量%であると判明した。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
945部のポリスチレンN1782、パートAで調製された分散物40部、2部のPerkadox 30及び13部の安定化EBCD Saytex HP900SG(Albemarle社が販売)(全体:1000部)を二軸押出機に送る。
このようにして得られた混合物を、ギアポンプを使用して250バールの圧力に供する。
このようにして得られた溶融した組成物100部を、高圧膜ポンプを使用して注入するn−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物5部と混合する。
得られた生成物の温度を160℃にする。次に、生成物を、実施例1のパートBに記載の条件でのように、顆粒化、乾燥及びコーティングでの被覆をする。ここでもまた実施例1のパートBの手順に従って、このようにして得られた顆粒を次に発泡、成形してブロックを形成する。
ここでもまた実施例1のパートBの手順に従って、試料を、耐火挙動試験及び熱伝導性の測定のために採取する。熱伝導性は、17g/lで32.7mW/mKであると判明した。試料は耐火挙動試験を通過する。
試料を、実施例5(比較例)に従って、圧縮強度の評価のために同じブロックから採取する。10%の圧縮での応力は115kPaであると判明した。
実施例9(比較例)
パートA:濃縮物の調製
975部のポリスチレンN1782及び25部の黒鉛UF2−96/97(Kropfmuhl社製)を二軸押出機に送る。次に、生成物を混合、押出成形し、続いて顆粒化する。
パートB:黒鉛を含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例8のパートBを繰り返す。ただし、ナノスケールグラフェンプレートの分散物40部の代わりに実施例9のパートAで調製された顆粒を使用する。
得られた試料の17g/lでの伝導性が34.2mW/mKであり、10%の圧縮での応力は95kPaであると判明した。
実施例10
パートA:濃縮物の調製
WO2008/045778パンフレットの実施例2に従って、ナノスケールグラフェンプレートを、黒鉛酸化物から開始して得る。
900部のポリスチレンEDISTIR N1782(Mw180000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)7.5g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を、ミルで超微粉砕する。
100部のナノスケールグラフェンプレートを、高せん断粉末混合機(Plasmec社の混合機TRL 10)において、30秒にわたって2000rpmで900部の超微粉砕されたポリスチレンと共に混合する。
このようにして得られた混合物を二軸押出機に送り、ここで混合物を溶融、混合する。このポリマー溶融物を、スパゲッティ状に切断することによって顆粒化する。押出機には脱ガスセクションがあり、ここで揮発性成分が真空吸引によって除去される。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例8のパートBを繰り返す。ただし、実施例8のパートAの40部のナノスケールグラフェンプレートを、実施例10のパートAで得られた顆粒6部と34部の顆粒状のポリスチレンN1782との混合物に置き換える。
ここでもまた示された手順に従って、得られた材料を発泡、成形して密度17g/lを得る。発泡後、ビーズの一部を24時間にわたるエージングに供し、次に同じ手順で再度発泡させる。更に24時間にわたってエージングに供した後、得られた材料を成形して12.5g/lの密度を有するブロックを形成する。
ここでもまた実施例2のパートBに従って行われたTGAは、炭素含有量が0.6質量%であることを示した。
伝導性は、12.5g/lで30.2mW/mKであると判明した。試料は耐火挙動試験を通過する。
試料を、実施例5(比較例)に従って、圧縮強度の評価のために同じブロックから得た。10%の圧縮での応力は85kPaであると判明した。
実施例11(比較例)
実施例9(比較例)を繰り返す。ただし、25部の黒鉛を同量のポリスチレンN1782に置き換える。
このようにして得られたビーズを、実施例10に従って発泡、成形して12.5g/lでブロックを得る。
伝導性は12.5g/lで38mW/mKであると判明した。
圧縮強度を実施例5(比較例)に従って評価する。10%の圧縮での応力は60kPaであると判明した。
実施例12
パートA:濃縮物の調製
ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物を、特許出願WO2009/029984号パンフレットに含まれる開示に基づいて調製する。20gのナトリウム金属を、220℃で72時間にわたって50mlのEtOH(モル比1:1)中で反応させる。この反応によってグラフェン前駆体(ソルボサーマル生成物、例えば金属アルコキシド)が生成される。この前駆体を、アルゴン雰囲気下、リンドバーグ管状炉で熱分解する。炉は、1100℃に予熱される。アルゴン雰囲気下の前駆体の入った石英管を素早く炉内に入れ、1分後に抜く。このようにして得られた生成物を続いて脱イオン水で洗浄し、濾過、乾燥させ、次にジェットミルで超微粉砕する。このようにしてナノスケールグラフェンプレートが得られる。
ここでもまた実施例2のパートBに示す手順に従って、試料をTGAで分析する。測定によって、炭素含有量が80質量%であることが示された。
粒径をレーザー回折式粒度計で評価する。平均粒径は5μmであると判明した。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
89.8部のエチルベンゼン、853.8部のスチレン、56.4部のα−メチルスチレン(全体:1000部)を撹拌反応器に送る。反応を125℃、2時間の平均滞留時間で行う。次に、流出口の流体組成物を第2反応器に送り、反応を135℃、2時間の平均滞留時間で完了させる。
転化率72%を有する得られる組成物(以下、「組成物(A)」と称する)を240℃にまで加熱し、続いて脱蔵装置に送って溶媒及び残留モノマーを除去する。この組成物は、メルトフローインデックス(MFI)(200℃、5kg)8g/10’、分子量(Mw)200000g/モル及びMw/Mn比2.8を特徴とし、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である。
組成物(A)を脱蔵装置から熱交換器に送り、その温度を170℃にまで低下させる。
123.7部のポリスチレンN2982(Polimeri Europa社製)、本実施例のパートAで得られた試料10.0部、14.2部の安定化EBCD(Saytex HP900SG。Chemtura社が販売)及び2.1部のPerkadox 30(登録商標)(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)の全部で150部を第2の二軸押出機に送る。
ギアポンプを使用して、この溶融した添加剤の送り圧力を260bargにまで上昇させる。このようにして得られた組成物を以下、「組成物(B)」と記載する。
組成物(B)を、熱交換器からくる組成物(A)850部及びn−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物50部に添加する。混合を、静的混合機を使用して約190℃で完了させる。
次に、実施例2に記載のように原料を混合、顆粒化する。
実施例10と同様に顆粒の発泡及び成形を行った。本発明の実施例1のパートBと同様に行われたTGA分析により、0.8質量%であると判明した。熱伝導性は12.5g/lで30.6mW/mKであると判明した。
実施例13
パートA:濃縮物の調製
ナノスケールグラフェンプレートを、特許出願US2008/0206124明細書の実施例2に従って調製する。
このようにして得られた生成物を脱イオン水中で洗浄し、濾過、乾燥させる。次に、生成物をジェットミルを使用して超微粉砕する。このようにしてナノスケールグラフェンプレートが得られる。
ここでもまた実施例2のパートBに示す手順に従って、試料をTGAで分析する。測定によって、炭素含有量が90質量%であることが示された。
粒径をレーザー回折式粒度計で評価する。平均粒径は6μmであると判明した。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例12のパートBを繰り返す。ただし、実施例12のパートAに従って得られた10部のナノスケールグラフェンプレートを本実施例のパートAで得られたものと置き換える。
実施例1のパートBに従って行われたTGA分析により、0.9質量%であると判明した。
熱伝導性は12.5g/lで30.8mW/mKであると判明した。
実施例14
パートA:濃縮物の調製
70部のFlexirene FG30タイプの線状低密度ポリエチレン(Polimeri Europa社製。密度0.925g/l、MFI(190°、2.16kg)1.0g/10’)及び実施例3のパートAで得られた組成物30部を二軸押出機で混合する。押出成形された生成物をマスターバッチとして使用する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡ポリエチレンシートの作製
80部のFlexirene FG30タイプの線状低密度ポリエチレン及び本実施例のパートAで調製されたマスターバッチ20部から成る混合物を、直列に並ぶ2基の押出機から成る系に連続的に送る。
第1押出機内の温度は、ポリエチレンを溶かして添加剤と混合するために220℃である。
このようにして得られた混合物に、混合物100部あたり2部のエチルアルコールを4部の二酸化炭素と共に発泡剤として添加する。
この発泡系を含むポリマー溶融物を均質化し、130℃にまで冷却し、次に、寸法200mmx1.5mmの矩形の横断面を有するダイを通して押出成形する。
厚さ90mmを有する連続シートが得られる。このシートの密度は50g/lであり、シート内部の気泡(実質的に球状)の平均寸法は約400μmである。
試料をこのシートから得て、EN ISO 844に準拠して圧縮強度を評価する。10%の圧縮での応力は250kPaであると判明した。
実施例15
パートA:マスターバッチの調製
ナノスケールグラフェンプレートを、特許出願US2009/0155578明細書の実施例1に従って調製する。第2の再層間挿入ステップは行わない。
900部のEDISTIR N1782タイプのポリスチレン(Mw180000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)7.5g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を、グラインディングミルで超微粉砕する。
上記のナノスケールグラフェンプレート100部を、高せん断粉末混合機(Plasmec社の混合機TRL 10)において30秒にわたって2000rpmで900部の超微粉砕されたポリスチレンと混合する。
このようにして得られた混合物を二軸押出機に送り、ここで混合物を溶融、混合する。このポリマー溶融物を、スパゲッティ状に切断することによって顆粒化する。押出機には脱ガスセクションがあり、ここで揮発性成分が真空吸引によって除去される。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
61部のポリスチレンN1782(Polimeri Europa社製)、2部のエチレン−ビス−ステレアミド、20部のSaytex HP900(ヘキサブロモシクロドデカン。Alberarle社が販売)、5部のPerkadox 30(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)及び本実施例のパートAで生成したマスターバッチ12部を二軸押出機で混合する。
n−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物50部を、一軸押出機の流出口のポリマー溶融物に添加する。このようにして得られた混合物を、一連の静的混合要素で混合する。ギアポンプで、このようにして得られた混合物の圧力を200bargにまで上昇させる。次に、混合物を混合交換器(SMR)で約170℃にまで冷却する。
次に、組成物をダイに分配し、ここで組成物は、実施例1のパートBに示すものに従って顆粒化、発泡、成形される。
実施例10のパートBに示すように、第1の発泡でブロックが17g/lで得られ、第2の発泡では12.5g/lで得られる。
実施例1のパートBに示すように行われたTGA分析により、石炭含有量が1.2質量%であると判明した。熱伝導性は、12.5g/lで29.5mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、17g/lで160kPaであると判明した。
実施例16
パートA:マスターバッチの調製
ナノスケールグラフェンプレートを、特許出願US2009/0155578明細書の実施例1に従って調製する。第2の再層間挿入ステップを、引用した実施例に示すように行う。
980部のEDISTIR N1782タイプのポリスチレン(Mw180000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)7.5g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を、グラインディングミルで超微粉砕する。
上記のナノスケールグラフェンプレート20部を、高せん断粉末混合機(Plasmec社の混合機TRL 10)において30秒にわたって2000rpmで900部の超微粉砕されたポリスチレンと混合する。
上記の粉末混合物を、実施例15のパートAと同じ手順に従って押出成形、顆粒化する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。
12.5g/lのブロックを作製し、実施例10のパートBに示す第2の発泡に進む。
本発明の実施例1のパートBに示すように行われたTGA分析により、石炭含有量が0.2%であると判明した。熱伝導性は、12.5g/lで31.9mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、80kPaであると判明した。
実施例17
パートA:マスターバッチの調製
実施例16のパートAを繰り返す。ただし、特許出願US2009/0155578明細書の実施例4に従って調製された同量のナノスケールグラフェンプレートを使用する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。
12.5g/lでブロックを作製し、実施例10のパートBに示す第2の発泡に進む。
熱伝導性は、12.5g/lで32.0mW/mKであると判明した。
実施例18
パートA:マスターバッチの調製
実施例16のパートAを繰り返す。ただし、特許出願US2009/0026086号明細書の実施例2に従って調製された同量のナノスケールグラフェンプレートを使用する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。
12.5g/lでブロックを作製し、実施例10のパートBに示す第2の発泡に進む。
熱伝導性は、12.5g/lで32.1mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、75kPaであると判明した。
実施例19
パートA:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
UF2−96/97タイプの黒鉛粉末(Kropfmuhl社製)を、酸化アルミニウムの管に入れる。この管を冷蔵庫に入れて−18℃に維持する。
酸素シリンダ式、マイクロラボタイプの一連のオゾン発生器(Biaccabi社製)を使用する。このようにして発生させたオゾンを−18℃にまで冷却し、次に黒鉛に24時間にわたってフラッシングする。
97.5部のポリスチレンを、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させる。酸素基で官能化した黒鉛(FOG)2.5部を酸化アルミニウム管から回収し、溶液に浸漬させた超音波ソノトロードの助けを借りて溶液中に分散させる。溶液を90℃にまで加熱し、次にジメチルヒドラジンを添加し、24時間にわたって作用させる。この溶液を、メタノールを満たした容器に滴加し、力強い撹拌下に維持する。遠心分離で分離した化合物を洗浄、乾燥させ、乳棒を使用して粉末形態に細分化する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。17g/lでブロックを作製する。
実施例2に示すように測定された炭素含有量は、0.2質量%であると判明した。
熱伝導性は、17g/lで31.7mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、110kPaであると判明した。
実施例20
パートA1:ナノスケールグラフェンプレートの調製
UF2−96/97タイプの黒鉛粉末(Kropfmuhl社製)を、酸化アルミニウムの管に入れる。
今度は乾燥空気式のマイクロラボタイプの一連のオゾン発生器(Biaccabi社製)を使用する。このようにして発生させたオゾンを、過熱水蒸気流と混合する。次に、このようにして得られた混合物で、黒鉛を12時間にわたってフラッシングする。
官能化した黒鉛(FOG)の入った酸化アルミニウム管をアルゴン中で数分にわたってフラッシングし、次に、依然としてアルゴン雰囲気下に維持しながら素早くリンドバーグ管状炉に入れる。炉は、1100℃に予熱される。30秒後、管を炉から抜き、依然としてアルゴン流下に置きながら冷却する。
パートA2:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
980部のポリスチレンEDISTIR N1782(Mw180000g/モル、Mw/Mn=2.3、MFI(200℃、5kg)7.5g/10’を有するポリスチレン。Polimeri Europa社製)を、グラインディングミルで超微粉砕する。
上記のナノスケールグラフェンプレート20部を、高せん断粉末混合機(Plasmec社の混合機TRL 10)において30秒にわたって2000rpmで900部の超微粉砕されたポリスチレンと共に混合する。
上記の粉末混合物を、実施例15のパートAと同じ手順に従って押出成形、顆粒化する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートA2で得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。17g/lでブロックを作製する。
実施例2に示すように測定された炭素含有量は、0.2質量%であると判明した。
熱伝導性は、17g/lで31.5mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、110kPaであると判明した。
実施例21
パートA1:ナノスケールグラフェンプレートの調製
黒鉛粉末UF2−96/97(Kropfmuhl社製)を、酸化アルミニウムの管に入れる。
この管を、窒素雰囲気下、550℃に予熱されたマッフル炉に導入する。10部の空気、40部の窒素及び50部の水蒸気の混合物を、マッフル炉内部に位置したコイル管に通すことで加熱し、次に黒鉛の入った管に入れる。550℃での4時間後、依然としてフラッシングを維持しながらマッフル炉の加熱を停止する。酸素基で官能化した黒鉛(FOG)を、実施例20のパートA1に示すようにリンドバーグ管状炉に送る。
パートA2:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
マスターバッチを、実施例20のパートA2と同じ手順で調製する。ただし、本実施例のパートA1で調製したナノスケールプレートを使用する。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートA2で得られたナノスケールグラフェンプレートのマスターバッチを使用する。17g/lでブロックを作製する。
実施例2に示すように測定された炭素含有量は、0.2質量%であると判明した。
熱伝導性は、17g/lで32.0mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、105kPaであると判明した。
実施例22
ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
黒鉛粉末UF2−96/97(Kropfmuhl社製)を、ハマーズ法(Hummers method)に従って酸化する。このようにして得られた生成物の一部を、100部の脱イオン水に超音波処理で分散させる。
このようにして得られた生成物を、閉鎖され且つ攪拌された容器内に装入する。50質量部の水、0.2部のピロリン酸ナトリウム、100部のスチレン、0.25部のtert−ブチルペルオキシド−2−エチルヘキサノエート、0.25部のtert−ブチルパーベンゾエートの混合物を添加する。10%のヒドラジンの溶液20部を撹拌しながら添加し、この混合物を90℃にまで加熱する。
90℃での約2時間後、4部のポリビニルピロリドン溶液(10%)を添加する。この混合物を、依然として撹拌しながら100℃にまで更に2時間にわたって加熱し、n−ペンタンとi−ペンタンとの70/30の混合物7部を添加し、混合物を更に4時間にわたって125℃にまで加熱する。次に、混合物を冷却し、バッチを取り出す。
このようにして調製された発泡性ポリマーの顆粒を、続いて実施例3のパートBと同じ手順で処理する。
生成物を、実施例10のパートBに示されるものに従って蒸気を使用して発泡、成形する。熱伝導性は12.5g/lで30.2mW/mKであり、実施例2のパートBと同じ手順に従って計算される炭素濃度は0.8質量%であると判明した。
試料を17g/lで作製し、EN ISO 844に準拠して圧縮強度を評価する。10%の圧縮での応力は130kPaであると判明した。
実施例23
パートA:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
ナノスケールグラフェンプレートを、特許出願US2009/0026086明細書の実施例2に従って調製する。
このようにして調製されたナノスケールプレート10部を、溶液に浸漬させた超音波ソノトロードを使用した音波処理によって200部のテトラヒドロフラン(THF)に分散させる。
300部のN1782タイプのポリスチレン(Polimeri Europa社製)を、3000部のテトラヒドロフランの入った撹拌槽で溶解させる。次に、ナノスケールグラフェンプレートの溶液をポリスチレン溶液に連続的に撹拌しながら注ぎ、このようにして得られた溶液を4時間にわたって撹拌し続ける。過熱蒸気を溶液に吹き込んでTHFを蒸発させる。このようにして得られた濃縮物を、真空下、マッフル炉で乾燥させる。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートの濃縮物を使用する。12.5g/lでブロックを作製する。実施例2に示すように測定された炭素含有量は、0.4%であると判明した。
熱伝導性は、12.5g/lで30.0mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、120kPaであると判明した。
実施例24
ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートAを繰り返す。150部のポリスチレンN1782(Polimeri Europa社製)、20部のエチレン−ビス−ステレアミド、25部のSaytex HP900(ヘキサブロモシクロドデカン。Alberarle社が販売)、5部のPerkadox 30(2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。Akzo Nobel社が販売)及び本実施例のパートAで生成したマスターバッチ800部を二軸押出機で混合する。
n−ペンタン(75%)とイソペンタン(25%)との混合物50部を、一軸押出機の流出口のポリマー溶融物に添加する。このようにして得られた混合物を、一連の静的混合要素で混合する。ギアポンプで、このようにして得られた混合物の圧力を200bargにまで上昇させる。次に、混合物を混合交換器(SMR)で約170℃にまで冷却する。
次に、組成物をダイに分配し、ここで組成物は、実施例1のパートBに示すものに従って顆粒化、発泡、成形される。
実施例10のパートBに示すように、第1の発泡でブロックが20g/lで得られ、第2の発泡では12.5g/lで得られる。
本発明の実施例1のパートBに示すように行われたTGA分析により、炭素含有量は2.6質量%であると判明した。熱伝導性は、12.5g/lで30.8mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、20g/lで210kPaであると判明した。
導電性の測定を、4探針法を利用して20g/lの最終生成物について行った。導電性は、0.0001ジーメンス/cm2であると判明した。
実施例25
パートA:ナノスケールグラフェンプレートの濃縮物の調製
ポリスチレン−TEMPOを、文献(Georges et al,Macromolecules,26,5316(1993)、Hawkar et al,Macromolecules,28,2993(1995))に示される方法に従って、スチレン及びm−キシレン(Polimeri Europa社)、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)(Aldrich Chemical社が供給)、ジベンゾイルペルオキシド(AKZO NOBEL社)を使用して生成した。
ナノスケールグラフェンプレートを、特許出願US2009/0026086明細書の実施例2に従って調製する。
100部のナノスケールグラフェンプレート、1000部のポリスチレン−TEMPO及び5000部のm−キシレンを槽内で混合する。
この混合物を125℃にし、一定した撹拌下に維持する。8時間後、反応物混合物を、力強い撹拌下に維持された過剰量のメタノールが入った第2の容器に滴下で注ぐ。沈殿物を濾紙で濾別し、メタノールで洗浄し、80℃の炉で窒素流下、24時間にわたって乾燥させる。
パートB:ナノスケールグラフェンプレートを含有する発泡性ポリスチレンの調製
実施例15のパートBを繰り返す。ただし、本実施例のパートAで得られたナノスケールグラフェンプレートの濃縮物を使用する。12.5g/lでブロックを作製する。実施例2に示すように測定された炭素含有量は、1.2質量%であると判明した。
熱伝導性は、12.5g/lで29.6mW/mKであると判明した。実施例2のパートBに示すように行われた10%の圧縮での応力は、17g/lで140kPaであると判明した。
本文書の全てにおいて、用語「部(part)」は、特に記載がない限り、暗黙のうちに「質量部」を意味する。同じことが百分率の値にも適用される。
これらの実施例は、本発明の目的を説明するものであって、限定的であると見なされるべきではない。
本発明を、本発明の好ましい実施形態に特に言及しながら詳細に説明してきたが、変更及び変型が本発明の精神及び範囲内でもたらされ得ることが理解される。本明細書に記載の本発明の実施形態例が上で詳述した目的を満たすことは明白であり、当業者なら、数々の変型及び他の実施形態を考え出すことができると理解される。
したがって、特定の請求項がこれらの変型及び実施形態の全てをカバーすることが理解され、これらは本発明の精神及び目的の一部を構成する。
明細書で示した全条件は、たとえはっきりと明記されていなくても、好ましい条件であると見なされるべきである。

Claims (37)

  1. 可塑性ポリマーをベースとした発泡性ナノコンポジット組成物であって、
    (a)1種以上の重合性モノマーを含むベースの重合によって生成されるポリマーマトリックスと、
    (b)前記ポリマーマトリックスに埋設された、ポリマー(a)に対して1〜10質量%の発泡剤と、
    (c)前記ポリマー(a)に対して0.004〜15質量%の、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)、10μm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)及び>50m2/gの表面積を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材とを含む
    ことを特徴とする、ナノコンポジット組成物。
  2. 前記重合性モノマーが、ビニルモノマー及びビニル芳香族モノマーから選択される、請求項1に記載のナノコンポジット組成物。
  3. 前記重合性モノマーが、ビニル芳香族モノマーから選択される、請求項2に記載のナノコンポジット組成物。
  4. 前記不透熱性充填材が、最高で6%の黒鉛及び/又はカーボンコーク及び/又はカーボンブラックを相乗生成物として含む、請求項1〜3のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  5. 前記ナノスケールグラフェンプレートの厚さ(グラフェンシートに対して直角)が50nm未満である、請求項1〜4のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  6. 前記ナノスケールグラフェンプレートの厚さ(グラフェンシートに対して直角)が0.3〜5nmである、請求項1〜5のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  7. 前記ナノスケールグラフェンプレートの平均寸法(長さ、幅又は直径)が1μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  8. 前記ナノスケールグラフェンプレートの平均寸法(長さ、幅又は直径)が500nm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  9. 前記ナノスケールグラフェンプレートの表面積が100〜2600m2/gである、請求項1〜8のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  10. 前記ナノスケールグラフェンプレートの表面積が300〜2600m2/gである、請求項1〜9のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のナノコンポジット組成物を使用して得られる発泡物品であって、密度5〜50g/l及び熱伝導性25〜50mW/mKを有することを特徴とする、発泡物品。
  12. 熱可塑性ポリマーの発泡押出成形シートであって、
    密度10〜200g/l、平均気泡寸法0.01〜1.00mmを有し且つ、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)、10μm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)及び>50m2/gの表面積を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材を熱可塑性ポリマーに対して0.004〜15質量%含有する気泡マトリックスを含む
    ことを特徴とする、発泡押出成形シート。
  13. 前記熱可塑性ポリマーが、ビニルポリマー及びビニル芳香族ポリマーから選択される、請求項12に記載の押出成形シート。
  14. 前記熱可塑性ポリマーがビニル芳香族ポリマーである、請求項13に記載の押出成形シート。
  15. 前記不透熱性充填材が、前記ナノスケールグラフェンプレートに加えて、前記ポリマーに対して最高で6質量%の、黒鉛、カーボンコーク及びカーボンブラックから成る群から選択される更なる不透熱性添加剤それぞれ相乗生成物として含む、請求項12、13又は14に記載の押出成形シート。
  16. 請求項1〜10のいずれかに記載のビーズ又は顆粒状のニル芳香族熱可塑性ポリマーの発泡性組成物を調製する工程であって、
    水性懸濁液中で1種以上のビニル芳香族モノマーを、50nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)、10μm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)及び>50m2/gの表面積を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材の存在下、また少なくともペルオキシドラジカル開始系及び重合前、重合中又は重合後に添加される発泡剤の存在下で重合することを含む
    ことを特徴とする、工程。
  17. 前記1種以上のビニル芳香族モノマーを、最高で50質量%の少なくとも1種の重合性コモノマーと共に重合することを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記不透熱性充填材が、前記ナノスケールグラフェンプレートに加えて、前記ポリマーに対して最高で6質量%の、黒鉛、カーボンコーク及びカーボンブラックから成る群から選択される更なる不透熱性添加剤それぞれ相乗生成物として含む、請求項16又は17に記載の工程。
  19. 水に懸濁させる前記ビニル芳香族モノマーの反応物溶液の粘度を、ニル芳香族ポリマーをこの溶液に、前記ビニル芳香族モノマーの質量に対して最高で1〜30質量%の濃度まで溶解させることによって上昇させる、請求項16〜18のいずれかに記載の工程。
  20. 水に懸濁させる前記ビニル芳香族モノマーの反応物溶液の粘度を、1〜30質量%のポリマー濃度が得られるまで、前記ビニル芳香族モノマー又はビニル芳香族モノマーの混合物を塊状予備重合することによって上昇させる、請求項16〜18のいずれかに記載の工程。
  21. 重合終了時に、前記リマーの実質的に球状のビーズ/顆粒が平均直径0.2〜2mmで得られ、その中に前記不透熱性充填材及び記更なる不透熱性添加剤が均質に分散している、請求項16〜20のいずれかに記載の工程。
  22. 請求項1〜10のいずれかに記載の顆粒又はビーズ状の可塑性ポリマーの発泡性組成物を塊状で調製する工程であって、以下の
    (i)顆粒/ペレット若しくは粉末形態又は既に溶融状態にある平均分子量(Mw)50000〜300000を有する熱可塑性ポリマーを、150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)、10μm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)及び>50m2/gの表面積を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材と、の添加剤の全て又は一部と共に混合し、
    (ii)だ溶融状態にない場合には、ポリマー混合物を熱可塑性ポリマーの融点より高い温度にし、
    (iii)発泡剤溶融したポリマーに取り込ませ、
    (iv)このようにして得られたポリマー組成物を、静的又は動的混合要素により混合し、
    (v)このようにして得られた組成物を、ダイ、切断チャンバ及び切断システムを含む装置で顆粒化する
    ステップを順番に含む
    ことを特徴とする工程。
  23. 前記ステップ(iii)が、前記他の添加剤の残り又は全てを取り込ませることをさらに含む、請求項22に記載の工程。
  24. 前記不透熱性充填材が、前記ナノスケールグラフェンプレートに加えて、前記ポリマーに対して最高で6質量%の、黒鉛、カーボンコーク及びカーボンブラックから成る群から選択される更なる不透熱性添加剤それぞれ相乗生成物として含む、請求項22又は23に記載の工程。
  25. 顆粒化終了時に、前記発泡性熱可塑性ポリマーの実質的に球状の顆粒/ビーズが平均直径0.2〜2.3mmで得られ、その中に前記不透熱性充填材及び記更なる不透熱性添加剤が均質に分散している、請求項22〜24のいずれかに記載の工程。
  26. 前記熱可塑性ポリマーが溶融状態のビニル芳香族ポリマーであり、重合プラントから溶液状で連続的に供給される、請求項22〜25のいずれかに記載の工程。
  27. 不透熱性添加剤が、平均分子量(Mw)50000〜300000を有する熱可塑性ポリマーを含むマスターバッチに取り込まれる、請求項16〜26のいずれかに記載の工程。
  28. 前記ナノスケールグラフェンプレート含む前記不透熱性充填材の含有量が15〜60質量%である、請求項27に記載の工程。
  29. ペレット状のマスターバッチを前記ビニル芳香族モノマーに溶解させる、請求項16〜21のいずれかに記載の工程。
  30. ペレット状の前記マスターバッチを、前記ビニル芳香族モノマー/溶媒混合物に溶解させてから重合反応器に溶液状で送る、請求項26に記載の工程。
  31. 請求項12〜15のいずれかに記載の熱可塑性ポリマーの発泡押出成形シートを製造する工程であって、
    (a1)ペレット、顆粒又はビーズ状の熱可塑性ポリマーと、少なくとも150nm以下の厚さ(グラフェンシートに対して直角)、10μm以下の平均寸法(長さ、幅又は直径)及び>50m2/gの表面積を有するナノスケールグラフェンプレートを含む不透熱性充填材と混合し、
    (b1)混合物(a1)を180〜250℃の温度に加熱することによって均質化に供する溶融ポリマーを得て、
    (c1)前記ポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤添加し、
    (d1)少なくとも発泡剤を球状で取り込む前記ポリマー溶融物を均質化し、
    (e1)ポリマー溶融物(d1)を200℃以下であり且つ得られるポリマー組成物のTg以上である温度にまで均質に冷却し、
    (f1)このポリマー溶融物をダイに通して押出成形することによって発泡ポリマーシートを得る
    ことを含むことを特徴とする工程。
  32. 前記c1が、他の更なる添加剤を添加することを更に含む、請求項31に記載の工程。
  33. 前記熱可塑性ポリマーが、ビニル又はビニル芳香族ポリマーから選択される、請求項31又は32に記載の工程。
  34. 前記ビニルポリマーがポリエチレンであり、前記ビニル芳香族ポリマーがポリスチレンである、請求項31に記載の工程。
  35. 前記ビニル芳香族ポリマーに添加される前記不透熱性充填材が、前記ポリマーに対して最高で6質量%の、黒鉛、カーボンコーク及びカーボンブラックから成る群から選択される更なる不透熱性添加剤それぞれ相乗生成物として含む、請求項31〜34のいずれかに記載の工程。
  36. ペレット、顆粒又はビーズ状の前記熱可塑性ポリマー及び前記不透熱性充填剤を、全て又は部分的に、請求項1〜10のいずれかに記載のビーズ/顆粒状の熱可塑性ポリマーの組成物又は請求項16〜30のいずれかに記載の方法に従って調製されたビーズ/顆粒状の熱可塑性ポリマーの組成物に置き換える、請求項31〜35のいずれかに記載の工程。
  37. 前記不透熱性充填材がマスターバッチとして使用される、請求項31〜36のいずれかに記載の工程。
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