JP5657373B2 - ハードディスクドライブ用粘着ラベルおよびハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法 - Google Patents
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Description
基材層12は、金属箔で構成された層である。基材層12を構成する金属箔としては、ハードディスクドライブ駆動時の発生音の低減効果を示すものである限り特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などからなる金属箔を使用できる。これらのなかでも、経済性の点からは鉄箔が好ましい。基材層12の厚さは、例えば10μm〜150μmである。基材層12の厚さを10μm以上とすることで、基材層12に求められる剛性をより確実に保つことができる。また、基材層12の厚さを150μm以下とすることで、HDD用粘着ラベル1を貼付したハードディスクドライブの設置に必要な空間が大きくなることを軽減することができる。
防錆層14a,14bは、基材層12を構成する金属箔が錆びることを防ぐための層である。なお、ここでの「錆びる」には、鉄以外の金属が酸化して腐食生成物が発生することが含まれる。基材層12と情報表示用層20との間に防錆層14aが設けられ、基材層12と粘着剤層30との間に防錆層14bが設けられている。防錆層14a,14bは、金属箔の錆び防止効果を示すものである限り特に限定されないが、例えば、金属箔の表面上に設けられためっき層または化成処理層である。めっき層としては、例えば金属箔の表面に亜鉛、スズ、ニッケル、あるいはクロム等を用いためっき処理が施されることで形成された亜鉛めっき層、スズめっき層、ニッケルめっき層、あるいはクロムめっき層等を挙げることができる。化成処理層は、金属箔の表面への化成処理によって形成された層であり、このような化成処理層としては、例えば金属箔の表面の不動態化によって形成された不動態層や、金属箔の表面へのクロメート処理によって形成されたクロメート皮膜からなる層、あるいは金属箔の表面へのリン酸処理、クロム酸処理、ジルコニウム処理等によって形成された皮膜からなる層等を挙げることができる。不動態層としては、例えば金属箔の表面の酸化によって形成された金属酸化皮膜からなる層等を挙げることができる。また、防錆層14a,14bは、金属箔に対する防錆作用を発揮できる樹脂層であってもよい。このような樹脂層としては、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等からなる樹脂層等を挙げることができる。また、防錆層14a,14bは、金属箔の表面硬化処理、金属箔の表面への防錆層形成材料の溶射、スパッタリング、蒸着、ホットスタンプ、コーティング等の方法により形成された層であってもよい。
情報表示用層20は、表面に印字可能な層である。情報表示用層20には、例えばHDD用粘着ラベル1の貼付対象であるハードディスクドライブについての「使用上の注意事項」や「接続方法」、「製品名・製造者名等の認識・識別事項」等の各種情報が印字される。情報表示用層20への情報の印字方法は、インクジェット印刷法や熱転写法等の通常の印刷方法を採用することができる。情報表示用層20を構成する材料としては、表面に印字可能であり、HDD用粘着ラベル1の情報表示機能を発揮できるものである限り特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂フィルムを使用できる。これらのなかでも、経済性、耐久性の点からはポリエチレンテレフタレートが好ましく、特に白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が好ましい。情報表示用層20の厚さは、特に限定されないが、例えば5〜30μm程度である。
粘着剤層30は、HDD用粘着ラベル1をハードディスクドライブの筐体外面に付着させるための層であり、粘着剤により構成されている。粘着剤層30を構成する粘着剤としては、合成ゴム系粘着剤や天然ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などの公知の粘着剤の1種以上を適宜選択して使用することができる。
粘着剤層30の積層体10と反対側の主表面には、粘着剤層30を保護するための剥離ライナー40が被覆されている。剥離ライナー40としては、慣用の剥離紙などを使用できる。例えば、剥離ライナー40としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂で形成されたポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなどの、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルムで構成された剥離ライナーや、各種支持体の片面に、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材を用いて剥離層が形成された剥離ライナーなどが挙げられる。前記各種支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムや金属蒸着プラスチックフィルム;和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料で形成された基材;金属箔などが挙げられる。また、各種支持体の片面に形成される剥離層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂によるポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなどを、各種支持体上にラミネートまたはコーティングすることで形成することができる。
(積層体10の形成および情報表示用層20の形成)
基材層12として厚さ約53μmの鉄箔を用意し、溶融めっき法により鉄箔の表面に防錆層14a,14bとしての亜鉛めっき層を形成した。鉄箔に対する亜鉛の付着量は、5g/cm2となるように設定した。亜鉛めっき層の厚さは約0.7μmであった。得られた鉄箔と亜鉛めっき層の積層体の一方の主表面に、ドライラミ接着による積層方式により、厚さ約20μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層を積層した。この白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が情報表示用層20に相当する。
アクリル酸10質量部、アクリル酸イソノニル90質量部、光開始剤として商品名「イルガキュア184(BASF社製)」0.1質量部を三つ口フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌して反応系内の窒素置換を行った。その後、混合物に対して紫外線ランプ(UVランプ)により約150mJとなるようにUV光を照射し、重合率約10%の反応を行いプレポリマーを得た。さらにこのプレポリマー100質量部に対し、内部架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を固形分換算で0.2質量部加え、攪拌して粘着剤を得た。
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム層が一方の主表面に積層された積層体の他方の主表面上に、調製した粘着剤を厚さが約25μmとなるように塗布した。そして、塗布した粘着剤の表面に、シリコーン系剥離剤層が表面に形成されているポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナーA)のシリコーン剥離剤層側の面を貼り合せて、粘着剤の表面を空気層から遮断した。そして、UVランプにて約2000mJのUV光を剥離ライナーA側から照射して粘着剤中の成分を反応させ、これにより他方の主表面に粘着剤層30が形成された積層体を得た。この積層体から剥離ライナーAを剥がした後、約130℃のオーブン中で約1分乾燥させることにより、粘着剤層30から揮発成分を除去し、再度、低密度ポリエチレンフィルムのみからなる剥離ライナーBを貼り合わせて、参考例1のHDD用粘着ラベル1を作製した。
鉄箔と亜鉛めっき層の積層体にクロメート処理を施して、亜鉛めっき層の表面上にクロメート皮膜を形成した。それ以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベル1を作製した。クロメート皮膜の厚さは、約0.005μmであった。
(コート層剤の調製およびコート層の形成)
ポリエステル系樹脂として商品名「バイロン103(東洋紡績社製)」の固形分比100質量部に、イソシアネート系架橋剤として商品名「コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)」の固形分比100質量部を投入してコート層剤を得た。鉄箔と亜鉛めっき層の積層体の表面に、ディップコート法によりコート層剤を塗布してコート層を形成した。コート層の厚さは0.5μmであった。それ以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベル1を作製した。
鉄箔に亜鉛めっき層を形成しなかったこと以外は、参考例1と同様にしてHDD用粘着ラベルを作製した。
参考例1:情報表示用層/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/粘着剤層
実施例1:情報表示用層/クロメート皮膜/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/クロメート皮膜/粘着剤層
参考例2:情報表示用層/亜鉛めっき層/鉄箔/亜鉛めっき層/コート層/粘着剤層
比較例1:情報表示用層/鉄箔/粘着剤層
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で200時間放置した後、情報表示用層側から錆の発生を目視で確認した。錆防止性の評価として、錆が視認されなかった場合を良好(○)とし、錆が視認された場合を不良(×)とした。評価結果を表1に示す。
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを、市販されている2.5インチハードディスクドライブのトップカバー外面における、表面積比で約65%の部分に貼付けた。無響室内に試験台を設置し、試験台上の高遮音性ゴム系発泡体(厚さ20mm)の上にハードディスクドライブを設置した。ハードディスクドライブは、粘着ラベルが貼付された面が上を向くようにして設置された。高遮音性ゴム系発泡体は、ハードディスクドライブの振動伝播による試験台の固体伝播音を防止し、またハードディスクドライブ底面からの騒音を遮断する目的で使用した。そして、ハードディスクドライブの電源を入れて駆動させ、駆動時の騒音レベル(駆動時発生音)が安定するまで放置した後、中央部上方約300mmの位置に設置した自由音場型マイクロホンにより騒音レベルを測定した。測定値は、聴感補正としてA特性を使用し、20秒間の平均化処理を施し、周波数範囲として20〜20000Hzのオーバーオール値で表わした。実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルについて、粘着ラベルを貼り付ける前後での騒音レベルを測定したところ、粘着シートを貼り付ける前に31dB(A)前後であった騒音レベルが、貼り付けた後は27dB(A)前後となった。
実施例1、参考例1、2および比較例1の各粘着ラベルを20mm幅に切断したものを試験片とした。室温にて、ゴムローラー(2kg)の1往復圧着により被着体としてのステンレス板に試験片を貼付けた。ステンレス板に試験片を貼付けた後、室温にて30分間エージングし、さらに60℃のオーブン中に投入して2時間放置した。試験片付きステンレス板をオーブンから取り出して1時間放冷させた後、室温(23℃)にて剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、ステンレス板から試験片を引き剥がした。試験片を引き剥がした後のステンレス板について、試験片の貼付面積に対する糊残り部分の面積の割合(%)を測定した。糊残り防止性の評価として、当該割合が30%未満である場合を良好(○)とし、当該割合が30%以上である場合を不良(×)とした。評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- 情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルであって、
金属箔で構成された基材層と、
前記基材層の少なくとも一方の主表面を覆う防錆層と、
前記防錆層の、前記基材層と反対側の主表面上に設けられたクロメート皮膜と、
前記基材層と前記防錆層と前記クロメート皮膜とからなる積層体の一方の主表面上に設けられた、表面に印字可能な情報表示用層と、
前記積層体の他方の主表面上に設けられた粘着剤層と、
を備えたことを特徴とするハードディスクドライブ用粘着ラベル。 - 前記防錆層は、前記金属箔よりも錆びにくい材料からなる請求項1に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
- 前記防錆層は、前記金属箔の表面上に設けられためっき層または化成処理層である請求項1または2に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
- 前記金属箔は、鉄箔であり、
前記防錆層は、亜鉛、スズ、ニッケル、クロムを含む群から選択される金属からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。 - 前記粘着剤層は、アクリル系ポリマーを含有している請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハードディスクドライブ用粘着ラベル。
- 情報表示機能を有し、ハードディスクドライブの筐体外面に貼付されることでハードディスクドライブ駆動時の発生音を低減するためのハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法であって、
金属箔で構成された基材層にめっき処理を施す工程と、
前記基材層に設けられためっき層の表面上にクロメート皮膜を形成する工程と、
前記基材層と前記めっき層と前記クロメート皮膜とからなる積層体の一方の主表面上に、表面に印字可能な情報表示用層を形成する工程と、
前記積層体の他方の主表面上に粘着剤層を形成する工程と、
を含むことを特徴とするハードディスクドライブ用粘着ラベルの製造方法。
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