燃料電池装置を起動させるとき、燃料電池装置または熱交換器が高温である場合には、燃料電池装置に残留している高温のガスが熱交換器を介して外部に放出されるおそれがある。そこで好ましい形態によれば、燃料電池装置を起動させるとき、燃料電池装置が第1所定温度T1以上であるとき、または、熱交換器の温度が第2所定温度T2以上であるとき、制御部は、水搬送源を駆動させて熱交換器における冷却機能および熱交換機能を優先的に確保し、その後、カソード流体(反応流体)を燃料電池装置に供給させる。これにより燃料電池装置の内部に高温のガスが残留しているときであっても、その高温のガスを熱交換器の熱交換機能により冷却させることができる。カソード流体とは、燃料電池装置のカソードに供給される流体をいい、発電反応に使用される場合の他に、起動運転時や停止運転等のように発電反応に使用されないが、カソードに供給される場合を含む。
好ましい形態によれば、燃料電池装置の発電運転を停止させるとき、水搬送源の駆動を停止させる操作よりも、操作燃料電池装置へのカソード流体を停止させる操作を優先させる。すなわち、操作燃料電池装置へのカソード流体の供給を停止させ、その後、水搬送源の駆動を所定時間継続させて熱交換器における熱交換機能を維持させる。これにより燃料電池装置の発電運転を停止しているにもかかわらず、燃料電池装置から高温のガスが放出されるときであっても、そのガスを熱交換器の熱交換機能により冷却させることができる。
好ましい形態によれば、燃料電池装置の発電運転を停止させるとき、水搬送源の駆動を停止させる操作よりも、操作燃料電池装置への燃料原料またはアノード流体の供給を停止させる操作を優先させる。すなわち、操作燃料電池装置への燃料原料またはアノード流体の供給を停止させ、その後、水搬送源の駆動を所定時間継続させて熱交換器における熱交換機能を維持させる。これにより燃料電池装置の発電運転を停止しているにもかかわらず、燃料電池装置から高温のガスが放出されるときであっても、そのガスを熱交換器の熱交換機能により冷却させることができる。アノード流体とは、燃料電池装置のアノードに供給される流体をいい、発電反応に使用される場合の他に、起動運転時や停止運転等のように発電反応に使用されないが、アノードに供給される場合も含む。
好ましい形態によれば、連通路は、連通路の冷却水が貯湯タンクを迂回する迂回通路と、連通路の冷却水が貯湯タンクを迂回して迂回通路を流れるように作動する迂回バルブとを有する。この場合、制御部は、熱交換器を経た冷却水が沸騰しているときあるいは沸騰するおそれがあるとき、その冷却水が貯湯タンクに供給されることを抑制させると共に迂回通路を流れるように、迂回バルブの開度を制御させることが好ましい。これにより、過剰に高温の冷却水が貯湯タンクに供給されることが抑制される。必要に応じて、迂回通路に放熱用のラジエータを設けることができる。
好ましい形態によれば、連通路の冷却水が貯湯タンクを迂回する迂回通路が設けられ、連通路の冷却水が貯湯タンクを迂回して迂回通路を流れるように作動する迂回バルブが設けられており、制御部は、熱交換器を経た冷却水が所定温度より低いときあるいは冷却水が所定温度より低いおそれがあるとき、その冷却水が貯湯タンクに供給されることを抑制させると共に前記迂回通路を流れるように、迂回バルブの開度を制御させることができる。
(実施形態1)
図1〜図3は実施形態1を示す。図1は固体酸化物形の燃料電池システムの概念を示す。システムは、燃料電池装置1Aと、燃料電池装置1Aの出口1Apから図略の筐体の排気口76に繋がる排気通路75と、燃料電池装置1Aに空気をカソードガスとして供給するカソードガスポンプ62(カソード流体搬送源)をもつカソードガス供給通路60と、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給する燃料原料ポンプ55(燃料原料搬送源)をもつ燃料原料供給通路51と、改質水を燃料電池装置1Aに供給する改質水ポンプ42(改質水搬送源)をもつ改質水供給通路41と、排気通路75の途中に設けられた熱交換器74と、温水を溜める貯湯タンク70と、連通路として機能する循環通路71と、循環通路71に設けられた水搬送源として機能する貯湯ポンプ72とを備えている。排気通路75には、燃料電池装置1Aからカソードオフガスおよびアノードオフガスが吐出される。
燃料電池装置1Aは、断熱壁30で断熱された発電室32に設けられた複数の燃料電池で形成されたスタック1と、断熱壁30で断熱された発電室32に設けられた改質器2とを有する。改質器2は、改質水を水蒸気化させる蒸発部20と、燃料原料を水蒸気で改質させてアノードガスを生成させる改質触媒220を備えるセラミックス担体を有する改質部22とを有する。循環通路71の一端は、貯湯タンク70の底部の出口70pに連通する。循環通路71の他端は、貯湯タンク70の上部の入口70iに連通する。従って貯湯ポンプ72が駆動すると、貯湯タンク70の底部付近に存在する相対的に低温の水が熱交換器74の水通路74wに供給され、貯湯タンク70の上部の入口70iから貯湯タンク70に流入する。貯湯タンク70の上部には、貯湯タンク70の温水を取り出す温水取出通路78aが形成されている。貯湯タンク70の底部には新水供給通路79a(水道管)および給水バルブ79bが設けられている。貯湯タンク70の温水が不足するときには、給水バルブ79bが開放され、新水供給通路79aから給水される。
熱交換器74は排気口75に設けられており、循環通路71の水が流れる水通路74wと、スタック1からの高温の排ガスが流れるガス通路74gとを有する。水通路74wの冷却水とガス通路74gの排ガスとが互いに熱交換され、排ガスが冷却されると共に冷却水が加熱される。
スタック1の温度を検知するスタック温度センサ105がスタック1に設けられている。熱交換器74の水通路74wの入口には、水通路74wの入口の温度を検知する入口温度センサ203が設けられている。熱交換器74の水通路74wの出口には、水通路74wの出口を流れる冷却水の温度を検知する出口温度センサ202が設けられている。スタック温度センサ105の温度信号、出口温度センサ202の温度信号、入口温度センサ203の温度信号がそれぞれ制御部100に入力される。制御部10は各ポンプ62,55,42,72を制御する。
次に、燃料電池装置1Aを起動させるときについて説明する。燃料電池装置1Aの発電運転の温度が高いため、燃料電池装置1Aの発電運転を停止させたとしても、その冷却には長時間を要する。このため発電運転を停止していた燃料電池装置1Aを起動させるときであっても、燃料電池装置1Aの内部が余熱により高温であるときがある。そこで制御部100は、カソードガス(空気)を燃料電池装置1Aに供給させて発電運転させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始する操作を時間的に優先させる。すなわち、制御部100は、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を確保し、その後、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させて発電する。
図2は制御部100が実行するフローチャートの一例を示す。フローチャートは図2に限定されるものではない。まず、制御部100は、当該システムを起動させる起動スイッチ100sがオンされているか否かを判定する(ステップS102)。起動スイッチ100sがオンされていれば(ステップS102のYES)、燃料電池装置1Aが高温であるか否かを判定する。すなわち、沸騰した冷却水または沸騰に近い状態等といった過剰に高温の冷却水が入口70iから貯湯タンク70に供給されるおそれがあるか否かを判定する(ステップS104)。この場合、具体的には、スタック温度センサ105で検知されるスタック温度(燃料電池装置の温度に相当)が第1所定温度T1以上であるか否かを判定する。スタック温度が第1所定温度T1(例えば120℃が採用できるが、これに限定されない)以上であれば、制御部100は、過剰に高温の冷却水(沸騰の可能性あり)が貯湯タンク70に流入するおそれがあると判定する(ステップS104のYES)。ステップS104は、過剰に高温の冷却水が貯湯タンク70に流入するか否かを判定する判定手段として機能する。
また、ステップS104において、スタック温度センサ105で検知されるスタック温度が第1所定温度T1以上であるか、または、熱交換器74の出口温度センサ202が第2所定温度T2よりも高温であるか否かを判定し、いずれかが成立するときステップS104においてYESとすることにしても良い。出口温度センサ202の温度が第2所定温度T2よりも高温であれば、沸騰した冷却水または沸騰に近い状態の冷却水といった過剰に高温の冷却水が入口70iから貯湯タンク70に流入するおそれがあるためである。
スタック温度または熱交換器74の温度が高温であれば(ステップS104のYES)、次に、制御部100は、燃料電池装置1の起動操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動の開始を優先させる(ステップS106)。これにより貯湯ポンプ72が駆動し、貯湯タンク70の水を出口70pから循環通路71、熱交換器74の水通路74wに流し、入口70iから貯湯タンク70に戻す。このように貯湯タンク70の底部付近の水を循環通路71を介して入口70iから貯湯タンク70に戻す。このように貯湯タンク70の水を循環通路71において循環させる。この場合、スタック温度センサ105または出口温度センサ202の温度が相対的に高温であれば、排気通路75を流れる排ガスの温度が過剰に高温であるおそれがあるため、貯湯ポンプ72の単位時間当たり回転数(出力)を増加させ、熱交換器74の冷却機能および熱交換機能を高めることが好ましい。またスタック温度センサ105および出口温度センサ202の温度が相対的に低温であれば、排ガスの温度が過剰に高温ではないため、貯湯ポンプ72の単位時間当たり回転数を減少させることができる。このようにスタック温度センサ105または出口温度センサ202の温度に基づいて、貯湯ポンプ72の単位時間当たり回転数を設定させることが好ましい。
循環通路71における水の流れが安定するように、制御部100は第1所定時間t1待機する(ステップS108)。次に、制御部100はカソードガスポンプ62の駆動を開始し、カソードガスとして空気をカソードガス供給通路60から燃料電池装置1Aに供給する(ステップS110)。この結果、燃料電池装置1Aの発電室32の内部に残留している高温のガスを、空気により排気通路75に向けて押し出し、熱交換器74のガス通路74gを介して排気口76から外部に放出させる。燃料電池装置1Aの内部に残留しているガスを排気通路75および熱交換器74のガス通路74gを介して外部に放出させる時間をかせぐべく、制御部100は第2所定時間t2待機する(ステップS112)。その後、第2所定時間t2経過すると、制御部100は着火源をオンさせる(ステップS114)。次に燃料原料を燃料電池装置1Aに供給して着火させる(ステップS116)。着火しているか否かの読込を行う(ステップS118)。このように燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させれば、燃料電池装置1Aの内部において燃料原料が着火されて空気で燃焼し、燃焼火炎24が燃焼用空間23で形成される。燃焼火炎24により改質器2の蒸発部20および改質部22が高温に加熱される。着火が確認された後(ステップS120のYES)、第4所定時間t4待機する(ステップS122)。これにより改質器2が高温に加熱されて水蒸気生成温度以上に昇温される。その後、制御部100は改質水ポンプ42の駆動を開始し、改質水供給通路41から改質水を改質器2の蒸発部20に供給する(ステップS124)。これにより蒸発部20において水蒸気が生成される。生成された水蒸気は改質部22に供給され、改質部22において燃料原料が水蒸気改質される。これにより水素を主要成分とするアノードガスが改質部22において生成される。制御部100は、発電準備完了を確認した後(ステップS126のYES)、発電開始指令を出力する(ステップS128)。このため生成されたアノードガスはアノードガス通路14を介してスタック1に供給される。このとき、カソードガスポンプ62の駆動が継続しているため、空気がカソードガスとしてカソードガス供給通路60から燃料電池装置1Aに供給されており、これによりスタック1は発電する。
本実施形態によれば、燃料電池装置1Aの発電室32において燃焼される燃焼火炎24の排ガスは、排気通路75から熱交換器74のガス通路74gを経て外部に放出される。排ガスが熱交換器74のガス通路74gを流れるとき、排ガスは、熱交換器74の水通路74wを流れる冷却水と熱交換される。よって排気通路75の排ガスが冷却されて外部に放出されると共に、冷却水が加熱される。加熱された温水は、熱交換器74の出口を経て入口70iから貯湯タンク70に戻る。このようにして温水の熱エネルギが貯湯タンク70に貯蔵される。このように燃料電池装置1Aが発電運転しているとき、排ガスが排気通路75を介して継続して排出されるため、貯湯ポンプ72は継続して駆動して、貯湯タンク70の水を循環通路71において循環させており、燃料電池装置1Aから排気通路75を流れる高温の排ガスを熱交換器74で冷却させた後、外部に放出させている。なお、燃料電池装置1Aが発電運転しているとき、スタック1の温度は400℃以上、500℃以上、600℃以上となる。
以上説明したように本実施形態によれば、燃料電池装置1Aを起動させるとき、カソードに供給されるカソード流体として機能するカソードガス(空気)を燃料電池装置1Aに供給させて発電させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる操作を時間的に優先させる。すなわち、制御部100は、まず、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を優先的に確保し、その後、カソードガス(空気)を燃料電池装置1Aに供給させて発電させる。また、運転が停止されていたスタック1を起動させるときには、スタック1の余熱の影響で、スタック1がかなり高温であるときがある。殊に、スタック1は断熱壁30で断熱されているため、スタック1の冷却には長時間かかるためである。この場合、起動時において空気が燃料電池装置1Aに供給されると、燃料電池装置1Aのスタック1に残留されていた高温の排ガスが熱交換器74のガス通路74gを経て外部にそのまま放出されるおそれがあり、好ましくない。このような場合であっても、本実施形態によれば、燃料電池装置1Aを起動させるとき、制御部100は、カソードガス(カソード流体)を燃料電池装置1Aに供給させて燃料電池装置1Aを起動させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる操作を時間的に優先させている。すなわち、制御部100は、まず、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を確保し、その後、燃料原料ポンプ55を駆動させ、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させて燃料電池装置1Aを起動させる。このため、余熱をもつスタック1からの高温の排ガスが熱交換器74のガス通路74gを経て外部に放出されるときであっても、その排ガスを熱交換器74の水通路74wを流れる冷却水により効果的に冷却させることができる。
ところでスタック1が発電運転しているときには、スタック1の温度は400℃以上、500℃以上、600℃以上の高温になるため、排気通路75を熱交換器74に向けて流れる排ガスも高温である。熱交換器74の出口温度センサ202の温度が所定温度T6(例えば90℃)以上であるときには、熱交換器74の出口側において冷却水が沸騰するおそれがある。この場合、沸騰した水、または、沸騰に近い状態の水が入口70iから貯湯タンク70に供給されるおそれがある。沸騰した冷却水が貯湯タンク70に供給されることは、好ましくないため、システムを停止させることが好ましい。
図3は、燃料電池装置1Aの発電を停止するとき、制御部100が実行するフローチャートの一例を示す。制御部100は、燃料電池装置1Aの発電運転を停止させるか否か判定する(ステップS202)。発電運転を停止させるときには、発電運転を停止させる指令を出力する(ステップS204)。そして、制御部100は、スタックを冷却させる(ステップS205)。具体的には燃料原料と改質水の流量を減少させ、且つ、冷却ガスとして機能するカソードガスの供給量を増加させる。そして、スタック温度が所定温度(例えば400℃)以下に冷却されたら、制御部100は、燃料原料ポンプ55を停止させて燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させる燃料原料供給操作を停止させる。且つ、改質水ポンプ42を停止させて改質水を燃料電池装置1Aに供給する改質水供給操作を停止させる(ステップS206)。次に、スタック温度が所定温度(例えば150℃)以下になったら、カソードガスポンプ62を停止させ、カソードガス供給操作、つまり、カソードガスとしての空気を燃料電池装置1Aに供給させることを停止させる(ステップS208)。
上記したように改質水供給操作などの各操作を停止させて燃料電池装置1Aの発電運転を停止させた後であっても、スタック1を冷却するために、冷却流体として機能するカソードガス(空気)の供給を継続させる(ステップS205)。このため、燃料電池装置1Aに残留している高温のガスが排気通路75を介して外部に放出される。また、液相の改質水が蒸発部20に残留しているときには、余熱により改質水が水蒸気化し、水蒸気を含む高温のガスが排気通路75を介して継続的に外部に放出されるおそれがあり、好ましくない。
そこで本実施形態によれば、上記したように改質水供給操作等の操作を停止させて燃料電池装置1Aの発電運転を停止させる停止指令が出力された後であっても、冷却ガスとして機能するカソードガス(空気)を供給している間、貯湯ポンプ72の駆動を継続させる。これにより貯湯タンク70の水を冷却水として熱交換器74の水通路74wに供給させる操作を継続させ、熱交換器74の冷却機能及び熱交換機能が継続して確保されている。このため、燃料電池装置1Aから排気通路75を介して外部に放出される高温のガスが熱交換器74の冷却水で積極的に冷却される。
上記したカソードガスの供給操作を停止させた後、制御部100は、貯湯ポンプ72の駆動を停止させ(ステップS210)、冷却水を熱交換器74の水通路74wに供給させる操作を停止させる。
本実施形態によれば、図1に示すように、排気通路75において、熱交換器74のガス通路74gの下流には凝縮水通路77が分岐部77mから分岐されている。凝縮水通路77は、イオン交換樹脂等の水精製材40aをもつ水精製器40に向けて分岐されている。従って、熱交換器74のガス通路74gを流れる排ガスに含まれている気相状の水分は、熱交換器74において水通路74gを流れる水により冷却されて液相状の凝縮水を生成する。凝縮水は重力により凝縮水通路77から水精製器40に供給されて水精製材40aで精製され、給水タンク44に溜められる。給水タンク44に溜められている水は改質水として使用される。なお本実施形態によれば、熱交換器74の内部温度を除けば、熱交換器74の沸騰場所に一番近いのが熱交換器74の出口温度である。更に温度センサの取付けやすさ、温度センサの取り替えやすさなどのため、熱交換器74の出口温度を採用している。
(実施形態2)
図4および図5は実施形態2を示す。図4は固体酸化物形の固体酸化物形燃料電池システムの概念を示す。図4に示すように、循環通路71は、循環通路71の冷却水が貯湯タンク70を迂回する迂回通路715と、循環通路71の冷却水が貯湯タンク70を迂回して迂回通路715を流れるように作動する迂回バルブ717とを有する。迂回バルブ717は循環通路71において貯湯タンク70の上流に設けられており、熱交換器74の水通路74wに連通する第1ポート717fと、貯湯タンク70の入口70iに連通する第2ポート717sと、迂回通路715に連通する第3ポート717tとを有する。迂回通路715を流れる冷却水の温度を検知する迂回温度センサ205が迂回通路715に設けられている。
図4に示すように、熱交換器74の水通路74wの入口には、水通路74wの入口の温度を検知する入口温度センサ203が設けられている。熱交換器74の水通路74wの出口には、水通路74wの出口を流れる冷却水の温度を検知する出口温度センサ202が設けられている。スタック温度センサ105の温度信号、出口温度センサ202の温度信号、入口温度センサ203の温度信号、迂回温度センサ205の温度信号がそれぞれ制御部100に入力される。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、運転が停止されていた燃料電池装置1Aを起動させるとき、燃料電池装置1Aから高温の排ガスが放出されるおそれがあるため、制御部100は、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させる操作よりも、貯湯ポンプ72を駆動させる操作を時間的に優先させる。すなわち、燃料電池装置1Aを起動させるにあたり、制御部100は、まず、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換の水通路74wに冷却水を供給させ、熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を優先的に確保し、その後、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させて発電を行う。
発電運転が停止されていたスタック1を起動させるとき、スタック1が常温である場合もあるし、スタック1の余熱の影響でスタック1がかなり高温である場合が多い。殊に、前回の運転停止から長時間が経過していないときには、スタック1は断熱壁30で断熱されているため、スタック1の余熱の影響でスタック1がかなり高温である場合が多い。スタック1の冷却に長時間かかるためである。この場合、カソードガスポンプ62の起動に伴い空気が燃料電池装置1Aに供給されると、燃料電池装置1Aに残留している高温の排ガスが排気通路75、熱交換器74のガス通路74gを経て排気口76から外部に放出されるおそれがあり、好ましくない。
このような場合であっても、本実施形態によれば、燃料電池装置1Aの発電運転を起動させるとき、制御部100は、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる操作を時間的に優先させる。このため、余熱をもつスタック1からの高温の排ガスが熱交換器74のガス通路74gを経て外部に放出されるときであっても、その排ガスを熱交換器74の水通路74wを流れる冷却水により効果的に冷却させることができる。
図5は、制御部100が実行するフローチャートの一例を示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。まず、制御部100はスタック1の温度を読み込む(ステップS302)。前回の運転停止から長い時間が経過しているときには、スタック1の温度が第1所定温度T1未満となる。スタック1の温度が第1所定温度T1以上であるときには、熱交換器74で循環通路71の水が加熱される程度が高い。スタック1の温度が第1所定温度T1未満であるときには、熱交換器74で循環通路71の水が加熱される程度が低い。
このようにスタック1の温度が低いとき(ステップS304のNO)には、沸騰水または沸騰に近い状態の水が貯湯タンク70に供給されるおそれがないため、メインルーチンにリターンする。これに対して、スタック1の温度が第1所定温度T1以上であるときには(ステップS304のYES)、沸騰水または沸騰に近いといった過剰に高温の水が貯湯タンク70に供給されるおそれがある。そこで、入口温度センサ203よりも高温となり易い出口温度センサ202の温度を読み込む(ステップS306)。熱交換器74の温度を示す出口温度センサ202の温度が第2所定温度T2以上であれば(ステップS308のYES)、沸騰水または沸騰に近いといった過剰に高温の冷却水が入口70iから貯湯タンク70に供給されるおそれがある。このため、制御部100は迂回バルブ717を制御して迂回通路715側に切り替える(ステップS310)。すなわち、制御部100は、迂回バルブ717の第1ポート717fと第3ポート717tとを連通させると共に、第2ポート717sを閉鎖する。更に、制御部100は、スタック1の再起動を禁止させる信号を出力する(ステップS312)。起動に伴い、沸騰水または沸騰に近い状態の水が貯湯タンク70に供給されるおそれがあるためである。
上記したように燃料電池装置1Aの起動を禁止した状態で、制御部100は、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる(ステップS314)。上記したように迂回バルブ717の第1ポート717fおよび第3ポート717tが連通するように、迂回バルブ717が制御されている。この状態で貯湯ポンプ72が駆動すると、循環通路71の水は、貯湯ポンプ72、熱交換器74の水通路74w、迂回バルブ717の第1ポート717fおよび第3ポート717tを流れ、ひいては迂回通路715を流れる。このように循環通路71の水が循環通路71を流れ続けると、循環通路71の水が配管からの放熱により次第に冷却される。この場合、熱交換器74で加熱された冷却水は、入口70iから貯湯タンク70には供給されない。このため沸騰した水、または、沸騰に近い状態の水が貯湯タンク70に供給されることが未然に防止され、安全性を高め得る。
次に、出口温度センサ202の温度、入口温度センサ203の温度、迂回温度センサ204の温度を読み込む温度読込操作を実施する(ステップS316)。出口温度センサ202の温度、入口温度センサ203の温度、迂回温度センサ204の温度がそれぞれ、第2所定温度T2未満であれば(ステップS318のYES)、ステップS320に進む。そして、制御部100は、熱交換器74の出口側に設けられている出口温度センサ202の温度が所定温度T7(例えば30℃)未満であるか否か、すなわち、過剰に低温である否かを判定する(ステップS320)。出口温度センサ202の温度が過剰に低温であれば(ステップS320のYES)、過剰に低温の冷却水が貯湯タンク70に供給され、貯湯タンク70の温水が過剰に低温となるおそれがある。このため制御部100は迂回バルブ717を迂回通路715側に切り替え、迂回バルブ717の第1ポート717fと第3ポート717tとを連通させると共に、第2ポート717sを閉鎖する(ステップS350)。これにより過剰の低温の水が貯湯タンク70に供給されることが抑制される。これにより貯湯タンク70の温水温度が適温域に維持される。
出口温度センサ202の温度、入口温度センサ203の温度、迂回温度センサ204の温度が過剰に高温でもなく、過剰に低温でもなければ(ステップS320のNO)、制御部100は、循環通路71の水が沸騰しておらず且つ過剰に低温でもないと判定する。このため熱交換器74の水通路74wから吐出される水を入口70iから貯湯タンク70に供給させるべく、制御部100は、迂回バルブ717を貯湯タンク70側に切り替え、迂回バルブ717の第1ポート717fと第2ポート717sとを連通させると共に、第3ポート717tを閉鎖させるか、第3ポート717tの開口を小さくさせるように切り替える(ステップS322)。更に、制御部100は、所定時間t9待機(ステップS324)した後に、貯湯ポンプ72を停止させ(ステップS326)、スタック1の起動を許可させる起動許可信号を出力する(ステップS328)。ステップS326において、貯湯ポンプ72を停止させているが、これに限らず、貯湯ポンプ72の出力を低下させるだけでも良い。なお、ステップS326において貯湯ポンプ72を停止させる信号が出力されるものの、燃料電池装置1Aが実際に起動されれば、燃料電池装置1Aから排気ガスが排気通路75を流れるため、貯湯ポンプ72は駆動され、熱交換器74の冷却機能および熱交換機能は維持される。上記したようにスタック1の起動を許可させる信号が出力されると、燃料電池装置1Aは発電運転可能な状態となる。上記したフローチャートでは、ステップS316において、出口温度センサ202の温度、入口温度センサ203の温度、迂回温度センサ204の温度をそれぞれ読み込むことにしているが、これに限らず、出口温度センサ202の温度のみとしても良い。入口温度センサ203の温度のみとしても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、前記した実施形態と同様に、燃料電池装置1Aを起動させるとき、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させる操作(ステップS328に相当)よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる操作(ステップS314に相当)を時間的に優先させる。すなわち、制御部100は、まず、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を確保し、その後、カソードガス、更には燃料原料(アノード流体)を燃料電池装置1Aに供給させて発電させる。
前述したように運転が停止されていたスタック1を起動させるときには、実施形態1と同様に、スタック1の余熱の影響で、スタック1がかなり高温であるときがある。殊に、スタック1は断熱壁30で断熱されているため、スタック1の冷却には長時間かかるためである。このような場合であっても、本実施形態によれば、燃料電池装置1Aを起動させるとき、制御部100は、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させて燃料電池装置1Aを起動させることを禁止(ステップS312に相当)した後に、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる。すなわち、制御部100は、まず、貯湯ポンプ72の駆動により熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を優先的に確保し、その後、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させて燃料電池装置1Aを起動させる。このため、余熱をもつスタック1からの高温の排ガスが熱交換器74のガス通路74gを経て外部に放出されるときであっても、その排ガスを熱交換器74の水通路74wを流れる冷却水により効果的に冷却させることができる。
更に本実施形態によれば、前述したように、熱交換器74の水通路74wの出口温度が過剰に高温である場合、および、循環通路71の温度が過剰に低温である場合には、循環通路71の水を貯湯タンク70に流入させないで、循環通路71および迂回通路715を循環させることにしている。このため循環通路71を流れる過剰高温の水、循環通路71を流れる過剰低温の水が貯湯タンク70に流入することが抑制されている。従って貯湯タンク70に溜められている水が過剰に高温となったり、過剰に低温となったりすることが抑制され、貯湯タンク70に溜められている水の適温化に貢献できる。
迂回通路715の効果としては、低温の水が貯湯タンク70へ流入することを防止することと、沸騰水が貯湯タンク70へ流入することを防止することが挙げられる。
ところでシステムの起動時において、カソードガスが燃料電池装置1Aに流れていないときには、循環通路71の冷却水を加熱させる主要熱源は、熱交換器74の熱容量である。このときポンプ72により貯湯水を流すと、十分に加熱されない低温の貯湯水が貯湯タンク70に戻るおそれがある。このため起動時においては、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば60℃)以上になるまで、水が貯湯タンク70を流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回させることが好ましい。所定温度は、貯湯タンク70の水が適温域となり得る温度として、システムに応じて設定される。この場合、熱交換器74の所定温度を基準とする制御に代えて、システムの起動開始時刻などの基準時刻から経過した所定時間を基準とすることもできる。所定時間は、熱交換器74の出口温度が安定するまでの時間に相当し、システムに応じて定まる。
また、システムの起動運転時、定常運転時、停止運転時のうちのいずれにおいても、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば95℃と高温)以上の場合に、過剰に高温の水が貯湯タンク70に流入しないように、過剰に高温の水が迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回することも好ましい。更に熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば60℃)以下の場合においても、その水が貯湯タンク70に流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回させることも好ましい。水の温度が過剰に高すぎる場合には、迂回通路715上にファン付きラジエータ(図略)を設けて、そのファンを回転させてもよい。
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態2と基本的には共通する構成および共通する作用効果を有するため、図4および図5を準用する。ここで、迂回バルブ717が迂回通路715に水を流すものの貯湯タンク70に流さない迂回形態において、貯湯ポンプ72の単位時間あたりの回転数をNbとする。迂回バルブ717が迂回通路715に水を流さないものの貯湯タンク70に流すタンク形態において、貯湯ポンプ72の単位時間あたりの回転数をNtとする。本実施形態によれば、Nb=Nt、Nb≒Nt、Nb>Nt、Nb<Ntにできる。
Nb>Ntの場合には、迂回通路715に流れる単位時間あたりの水量が増加する。このため、水が循環通路71を流れるときにおける熱交換器74の冷却能および熱交換機能を高めることができる。これに対して、Nb<Ntの場合には、貯湯ポンプ72の駆動により迂回通路715に流れる単位時間あたりの水量が抑制されている。このため、貯湯ポンプ72のエネルギが節約されるものの、水が循環通路71を流れるときにおける熱交換器74の冷却能および熱交換機能が抑制されている。
(実施形態4)
図6は実施形態4を示す。本実施形態は、実施形態2と基本的には共通する構成および共通する作用効果を有する。燃料電池装置1Aを起動させる前においては、燃料電池装置1Aが余熱をもつのか、もたないのか、あるいは、余熱が存在するとしても、余熱の程度は必ずしも明確でないときがある。さらには、温度センサが予期しない事情により損傷しているときがある。
そこで、本実施形態によれば、燃料電池装置1Aの起動を開始させる指令が時刻txにおいて出力されると、制御部100は、燃料電池装置1の発電運転に先立ち、貯湯ポンプ72の初期操作を実行する。初期操作では、出口温度センサ202の検知温度またはスタック温度センサ105の検知温度にかかわらず、制御部100は、迂回バルブ717を迂回通路715側に優先的に切り替え、第2ポート717sを閉鎖させる。この状態で、出口温度センサ202の検知温度またはスタック温度センサ105の検知温度にかかわらず、制御部100は、図6に示すように、時刻taにおいて、制御部100は、貯湯ポンプ72の単位時間あたりの回転数をNhigh(貯湯ポンプ72の最大回転数に近い状態)に増加させた状態で所定時間tcぶん貯湯ポンプ72を駆動させる。貯湯ポンプ72の回転数が高いので、循環通路71を流れる水量が増加し、熱交換器74の冷却機能および熱交換器機能が高められている。
故に、起動開始にあたり、燃料電池装置1Aに残留している排ガスの温度が万一、高温であるときであっても、その排ガスを熱交換器74の水通路74wの水で効果的に冷却できる。更に、貯湯ポンプ72の回転初期では、貯湯ポンプ72の回転数Nhighであり高いため、循環通路71を流れる単位時間あたりの水量が増加し、その結果、熱交換器74の冷却機能および熱交換器機能が高められており、沸騰水の発生を効果的に抑制させることができ、沸騰水が貯湯タンク70に流入されることが抑制される。
なお、所定時間tc経過した時刻tdにおいて、制御部100は、貯湯ポンプ72の単位時間あたりの回転数をNnormalに低下させた状態で貯湯ポンプ72を駆動させると共に、カソードガスポンプ62を駆動させて空気を燃料電池装置1Aの内部に供給させる。回数数Nnormalは、出口温度センサ202の検知温度またはスタック温度センサ105の検知温度にほぼ比例するような回転数とされており、初期の回転数Nhighよりも低い回転数とされている。これにより貯湯ポンプ72の駆動負荷が低減されている。所定時間tcはシステムに応じて設定される。
上記した初期操作が終了すれば、出口温度センサ202の検知温度が第2所定温度T2未満、または、スタック温度センサ105の検知温度が第1所定温度T1未満となり、且つ、過剰に低温でなければ、制御部100は、迂回バルブ717を貯湯タンク70側に切り替える。すなわち、制御部100は、第1ポート717fと第2ポート717sとを連通させると共に、第3ポート717tを閉鎖するか開口面積を小さくさせる。これにより熱交換器74で排ガスにより加熱された水が温水として貯湯タンク70に供給される。
ところでシステムの起動時において、カソードガスが燃料電池装置1Aに流れていないときには、燃料電池装置1Aの高温の排ガスが熱交換器74に流れないため、循環通路71の冷却水を加熱させる主要熱源は、熱交換器74の熱容量である。このとき熱交換器74の温度はさほど高くない。よって、ポンプ72により循環通路71の水を循環させると、十分に加熱されない低温の水が貯湯タンク70に戻るおそれがある。このためシステムの起動時においては、起動開始から、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば60℃)以上になるまで、迂回バルブ717が制御され、循環通路71の水が貯湯タンク70に流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回することが好ましい。貯湯タンク70の水温が適温に維持される。この場合、制御部100は、熱交換器74の温度を基準とする制御に代えて、システムの起動開始時刻などの基準時刻から経過した所定時間を基準とすることもできる。所定時間は、熱交換器74の出口温度が安定するまでの時間に相当し、システムに応じて定まる。
また、システムの起動運転時、定常運転時、停止運転時のうちのいずれにおいても、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば95℃と高温)以上の場合に、過剰に高温の水が貯湯タンク70に流入しないように、過剰に高温の水が迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回することも好ましい。更に熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば60℃)以下の場合においても、その水が貯湯タンク70に流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回させることも好ましい。水の温度が過剰に高すぎる場合には、迂回通路715上にファン付きラジエータ(図略)を設けて、そのファンを回転させてもよい。
(実施形態5)
図7は実施形態5を示す。本実施形態は図4および図5に示す実施形態と基本的には共通する構成および共通する作用効果をもつ。但し、循環通路71の迂回通路715には、放熱作用を有するラジエータ780が設けられている。ラジエータ780は冷却ファン付きが好ましく、放熱フィン付きも好ましいが、冷却ファン無しの放熱フィン付きでも良い。
運転が停止されていたスタック1を起動させるとき、スタック1の余熱の影響で、燃料電池装置1Aの内部に高温のガスが残留している場合が多い。殊に、前回の運転停止から長時間が経過していないときには、スタック1は断熱壁30で断熱されているため、余熱の影響で高温のガスが残留している場合が多い。この場合、燃料電池装置1Aを起動させるに伴い、カソードガスポンプ62が駆動して空気が燃料電池装置1Aに供給されると、燃料電池装置1Aの内部に残留している高温の排ガスが熱交換器74のガス通路74gを経て排気口76から外部に放出されるおそれがあり、好ましくない。このような場合であっても、本実施形態によれば、燃料電池装置1Aの発電運転を起動させるとき、制御部100は、カソードガスポンプ62を起動させて、カソードガスとしての空気を燃料電池装置1Aに供給させる操作よりも、且つ、燃料原料ポンプ55を駆動させて燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始させる操作を時間的に優先させ、循環通路71の水を熱交換器74の水通路74wを介して循環させる。このため、余熱をもつ燃料電池装置1Aから高温のガスが熱交換器74のガス通路74gを経て外部に放出されるときであっても、その排ガスを熱交換器74の水通路74wを流れる冷却水により効果的に冷却させることができる。
この場合、燃料電池装置1Aの温度(すなわち、スタック温度センサ150が検知する温度)が第1所定温度T1以上であるとき、あるいは、熱交換器74の温度(すなわち、出口温度センサ202が検知する温度)が第2所定温度T2以上であるときには、沸騰水のような過剰に高温の冷却水が貯湯タンク70に入口70iから流入するおそれがある。そこで制御部100は迂回バルブ717を迂回通路715側に切り替える。従って、迂回バルブ717の第1ポート717fと第3ポート717tとが連通されると共に、第2ポート717sが閉鎖される。これにより循環通路71の水が迂回通路715およびラジエータ780に流れ、放熱される。特に、ラジエータ780は放熱作用が強いため、沸騰水の低温化に貢献できると共に、沸騰水が貯湯タンク70に流入することが抑制される。
この場合、出口温度センサ202が検知する温度が第2所定温度T2未満に低下すれば、その温度が過剰に低温でない限り、制御部100は、迂回バルブ717を貯湯タンク70側に切り替え、迂回バルブ717の第1ポート717fと第2ポート717sとを連通させることにより、循環通路71の水を入口70iから貯湯タンク70に流入させても良い。
なお、燃料電池装置1Aの温度(すなわち、スタック温度センサ150が検知する温度)が第1所定温度T1未満であるとき、あるいは、熱交換器74の温度(すなわち、出口温度センサ202が検知する温度)が第2所定温度T2未満であるときには、燃料電池74において沸騰水が発生するおそれがない。この場合、出口温度センサ202が検知する温度が過剰に低温でなければ、制御部100は迂回バルブ717を貯湯タンク70側に切り替え、循環通路71の水を貯湯タンク70に流入させる。
このように本実施形態によれば、循環通路71において沸騰水または沸騰に近いといった過剰に高温の冷却水が熱交換器74により生成されるときであっても、その冷却水を迂回通路715およびラジエータ780を繰り返して循環させれば、その水は冷却される。この場合、出口温度センサ202が検知する温度が第2所定温度T2未満になり、且つ、過剰に低温でなければ、その水は温水として貯湯タンク70に流入される。
また、システムの起動運転時、定常運転時、停止運転時のうちのいずれかにおいても、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば95℃と高温)以上と高温である場合には、循環通路71に存在する過剰に高温の水が貯湯タンク70に流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70をできるだけ迂回することが好ましい。また、熱交換器74の出口温度が所定温度(例えば60℃)以下と低めの場合においても、その水が貯湯タンク70に流入しないように迂回通路715に流れ、貯湯タンク70を迂回することが好ましい。これにより貯湯タンク70の水温が適温に維持される。
(実施形態6)
図8および図9は実施形態6を示す。本実施形態は図1に示す実施形態と基本的には共通する構成および共通する作用効果をもつ。図9はスタック1付近を示す。図8に模式的に示すように、固体酸化物形燃料電池システムにおいて搭載されているスタック1は、燃料電池モジュール3の発電室32において、カソードガスが通過できる通路32rを形成するように複数の燃料電池10をアノードガスマニホルド13上に並設して形成されている。燃料電池10は、アノードガスが供給される燃料極として機能するアノード11と、カソードガスが供給される酸化剤極として機能するカソード12と、アノード11およびカソード12で挟まれた固体酸化物を母材とする膜状の電解質15とを有する。アノード11にアノードガスを供給させる通路11rをもつ導電部11xがアノード11に隣設されている。ガス不透過性をもつ緻密な材料で形成された集電コネクタ16が導電部11xに隣設されている。
電解質15を構成する固体酸化物は、酸素イオン(O2−)を伝導させる性質をもつものであり、イットリアを添加した安定化ジルコニア系、ランタンガレート系が例示される。アノードガスを通過させる通路11rがアノード11に隣設された状態で燃料電池10の内部に形成されている。アノード11の材料としては、ニッケルやコバルト等の金属が例示され、更に、ニッケル等の金属相とジルコニアとが混在するサーメットが例示される。このようにアノード11は金属成分を有するため、高温状態において酸化雰囲気に長時間晒されると、酸化物を生成させるおそれがある。酸化物はアノード11の長寿命化を損なうおそれがあるため、アノード11の過剰酸化は好ましくない。カソード12は、サマリウムコバルタイト、ランタンマンガナイトが例示される。材質は上記に限定されるものではない。なお、スタック1の下部には、アノードガスをスタック1の入口に案内するアノードガスマニホルド13が配置されている。
図8に示すように、改質器2は、蒸発部20と、燃料原料が供給される改質部22とを備えている。蒸発部20は、改質水系4から蒸発部20に供給される液相状の改質水を水蒸気化させる。改質部22は蒸発部20の下流に設けられており、蒸発部20で生成された水蒸気で燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素リッチのため還元性雰囲気)を生成させ、アノードガスをアノードガス通路14を介してスタック1の内部の通路11rに供給させる。アノードガスは水素ガスまたは水素含有ガスである。
筐体9は、筐体9の収容室91と、外気とを連通させる外気取込口92をもつ。燃料電池モジュール(燃料電池装置に相当)3は筐体9の内部に収容されており、発電室32を形成する断熱材で形成された容器状の断熱壁30を有する。断熱壁30の発電室32にスタック1および改質器2を燃焼用空間23を介して収容することにより、燃料電池モジュール3は形成されている。燃料電池モジュール3では、スタック1の上側には改質器2(改質部22および蒸発部20)が配置されている。燃料電池モジュール3では、スタック1と改質器2(改質部22および蒸発部20)との間には、燃焼用空間23が形成されている。殊に、スタック1の上部と改質器2(改質部22および蒸発部20)の下部との間には、燃焼用空間23が形成されている。
図8に示すように、改質水系4は、改質部22における水蒸気改質において水蒸気として消費される液相状の改質水を蒸発部20を介して改質部22に供給するものであり、水精製器40と改質器2とを結ぶ改質水供給通路41と、改質水ポンプ42(改質水搬送源)と、給水バルブ43とを有する。水精製器40は、水を浄化させ得るイオン交換樹脂等の水精製材40aを有する。
図8に示すように、燃料原料供給系5は、炭化水素系の燃料原料を改質器2に供給させるために燃料源50に繋がる燃料原料供給通路51と、入口バルブ52と、流量計53、脱硫器54と、燃料原料ポンプ55(燃料原料搬送源)とを有する。カソードガス供給糸6は、空気であるカソードガスをスタック1のカソード12に供給するカソードガス供給通路60と、除塵フィルタ61と、カソードガスポンプ62(カソードガス搬送源)と、流量計63とを有する。
カソードガスポンプ62(カソード流体搬送源)が駆動すると、外気は外気取込口92から収容室91に流入し、除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介してカソードガスとしてスタック1の入口からカソード12に供給される。外気取込口92から取り込まれる外気(カソードガス)の温度を検知する温度センサ102が、筐体9の外気取込口92付近において設けられている。蒸発部20で生成される水蒸気の温度を検知する温度センサ103が蒸発部20に設けられている。改質器2の改質部22の温度を検知する温度センサ104が改質器22に設けられている。スタック1の温度を検知する温度センサ105がスタック1に設けられている。スタック1の発電電圧を検知する電圧センサ106が設けられている。センサ102,103,104,105,106の各信号は制御部100に入力される。
図8に示すように、貯湯系7は、熱交換器74および貯湯タンク70を循環する循環通路71と、循環通路71に設けられた貯湯ポンプ72(貯湯用水の水搬送源)とを有する。貯湯ポンプ72が作動すると、貯湯タンク72の水は、循環通路71から熱交換器74に供給され、熱交換器74における排気ガスとの熱交換により加熱される。加熱された水は貯湯タンク70に戻る。これにより貯湯タンク70は温水を貯留させる。燃料電池モジュール3の近傍には熱交換器74が設けられている。
熱交換器74は、燃料電池モジュール3から排出される排気ガスが通過するガス通路74gと、貯湯系7の循環通路71の水が通過する水通路74wとをもつ。そして、熱交換器74を流れる排気ガスの熱は、貯湯系7の循環通路71の水に伝達される。熱交換器74のガス通路74gから排気通路75が筐体9の排気口76に向けて延設されており、燃料電池モジュール3の発電室32で生成された排気ガスは、熱交換器74で冷却された後、排気通路75を介して排気口76から筐体9の外部に排出される。熱交換器74のガス通路74gから凝縮水通路77が水精製器40に向けて延設されている。従って排気ガスに含まれている気相状の水分は、熱交換器74において冷却されて凝縮水を生成する。凝縮水は凝縮水通路77から水精製器40に供給される。
さて、スタック1の発電運転時には、バルブ52が開放した状態で燃料原料ポンプ55が駆動し、燃料原料が燃料原料供給通路51を介して改質器2の蒸発部20に供給される。また改質水ポンプ42が駆動し、貯水タンク44の液相状の改質水が改質水供給通路41を介して蒸発部20に供給される。ここで、蒸発部20は加熱されているため、蒸発部20は改質水を水蒸気化させる。水蒸気は改質部22に供給される。改質部22は燃料原料を水蒸気改質させ、アノードガスを生成させる。燃料原料がメタン系である場合には、水蒸気改質ではアノードガスの生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。固体酸化物形のスタック1では、H2の他にCOも燃料となりうる。
(1)…CH4+2H2O→4H2+CO2
CH4+H2O→3H2+CO
生成されたアノードガスは、アノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介して、スタック1に設けられているアノードガス通路11rの入口に供給されて発電に使用される。またカソードガスポンプ62が駆動しているため、筐体9の外部の外気がカソードガスとして除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介して、発電室32に供給され、更に隣設する燃料電池10間の通路32rを介して、スタック1のカソード12に供給される。これによりスタック1は発電する。燃料電池10同士は図略の集電部材を介して電気的に接続されている。
発電反応においては、水素含有ガスで供給されるアノード11では基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。酸素が供給されるカソード12では基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード12において発生した酸素イオン(O2−)がカソード12からアノード11に向けて電解質15を伝導する。
(2)…H2+O2−→H2O+2e−
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO2+2e−
(3)…1/2O2+2e−→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、スタック1の上方の燃焼用空間23に排出され、発電反応後のカソードオフガスおよび発電反応を経ていないカソードガスにより燃焼し、燃焼火炎24を燃焼用空間23において形成し、その後、排気ガスとして、熱交換器74および逃がし弁78を経て排気通路75の先端の排気口76から筐体9の外部に放出される。排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水は、熱交換器74から導出される凝縮水通路77から水精製器40に供給され、水精製器40で精製される。精製された水は、貯水タンク44に改質水44wとして貯留される。
なお、アノードガス(燃料原料)の流量としては、スタック1のアノード11における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23においてアノードオフガスが燃焼火炎24を形成する流量とを含む流量が設定されている。カソードガスの流量としては、スタック1のカソード12における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23において燃焼用空気として燃焼火炎24を形成する流量と、余裕流量とを加算した流量が設定されている。
蒸発部20は、燃焼用空間23の燃焼火炎24により加熱される。蒸発部20は、炭化水素系のガス状をなす燃料原料を水蒸気改質させる改質触媒220を有する水蒸気改質反応室(吸熱室)を有する改質部22に繋がる。改質触媒220は、水蒸気改質反応を促進させる触媒と、触媒を担持するセラミックス担体(例えばアルミナ、マグネシア)とを有する。触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、金等の貴金属系、または、ニッケル等の卑金属系等の公知のものが例示される。
本実施形態においても、前記した各実施形態と同様に、燃料電池装置1Aを起動させるとき、燃料電池装置1Aが第1所定温度T1以上であるとき、または、熱交換器74の温度が第2所定温度T2以上であるとき、制御部100は、高温の排ガスが排気口76から放出されることを抑制する処理と、沸騰水が貯湯タンク70に流入することを抑制する処理とを実行する。すなわち、制御部100は、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させて発電運転を開始する前に、水搬送源としての貯湯ポンプ72を駆動させて熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を確保する。換言すると、制御部100は、反応流体を燃料電池装置1Aに供給させて発電運転を開始する前に、水搬送源としての貯湯ポンプ72を駆動させて熱交換器74における冷却機能および熱交換機能を確保する。
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。制御部100は、燃料電池装置1Aを起動させるとき、カソードガスに供給させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始する操作を時間的に優先させ、貯湯ポンプ72の駆動の開始により熱交換器74における熱交換機能を確保し、その後、燃料原料を燃料電池装置1Aに供給させることにしている。これに限らず、水素ガスで形成されたアノードガスを貯蔵する貯蔵タンクを設けてもよい。この場合には、制御部100は、燃料電池装置1Aを起動させるとき、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させる操作よりも、貯湯ポンプ72の駆動を開始する操作を時間的に優先させ、貯湯ポンプ72の駆動の開始により熱交換器74における熱交換機能を確保し、その後、カソードガスを燃料電池装置1Aに供給させる。
更に、スタック1の燃料電池10は平板積層構造であるが、これに限らず、チューブ型でも良い。蒸発部20は改質部22と一体的に形成されているが、これに限らず、蒸発部20は改質部22から物理的に分離されていても良い。改質水ポンプ42、燃料原料ポンプ55およびカソードガスポンプ62はポンプに限らず、コンプレッサ、ファンでも良い。熱交換器の温度を、上記した実施形態では熱交換器の出口温度で検知しているが、熱交換器の内部温度でも入口温度でもよい。熱交換器の内部温度を除けば、熱交換器の沸騰場所に一番近いのが熱交換器の出口温度である。更にセンサの取付けやすさ、取り替えやすさなどのため熱交換器の出口温度を採用している。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
[付記項1]燃料原料から形成されたアノード流体とカソード流体とで発電する固体酸化物形の燃料電池装置と、燃料電池装置から吐出された高温の排ガスと冷却水とを熱交換させることにより、排ガスを冷却させると共に冷却水を加熱させる熱交換器と、熱交換器で加熱された冷却水を温水として溜める貯湯タンクと、熱交換器と貯湯タンクとを連通させる連通路と、連通路に設けられ燃料電池装置の発電運転時において駆動し、駆動に伴い連通路の冷却水を熱交換器を介して貯湯タンクに搬送させる水搬送源と、水搬送源の駆動を制御する制御部とを具備する燃料電池システム。
[付記項2]上記請求項において、燃料電池装置の発電運転を停止させるとき、前記水搬送源の駆動を停止させる操作よりも、燃料電池装置への燃料原料またはアノード流体の供給を停止させる操作を優先させ、燃料電池装置への燃料原料またはアノード流体の供給を停止させ、その後、前記水搬送源の駆動を所定時間継続させて前記熱交換器における熱交換機能を維持させる固体酸化物形燃料電池システム。
[付記項3]アノード流体とカソード流体とで発電する固体酸化物形の燃料電池装置と、前記燃料電池装置から吐出される高温の排ガスを放出させる排気通路と、排気通路に設けられ排気通路を流れる高温の排ガスと冷却水とを熱交換させることにより、排ガスを冷却させると共に冷却水を加熱させる熱交換器と、熱交換器で加熱された冷却水を温水として溜める貯湯タンクと、熱交換器と貯湯タンクとを連通させる連通路と、連通路に設けられ燃料電池装置の発電運転時において駆動し、駆動に伴い連通路の冷却水を熱交換器を介して貯湯タンクに搬送させる水搬送源と、水搬送源の駆動を制御する制御部とを具備しており、制御部は、燃料電池装置を起動させるとき、反応流体を燃料電池装置に供給させる操作よりも、前記水搬送源の駆動を開始する操作を時間的に優先させ、水搬送源の駆動の開始により熱交換器における熱交換機能を確保し、その後、反応流体を燃料電池装置に供給させる固体酸化物形燃料電池システム。
[付記項4]アノード流体とカソード流体とで発電する固体酸化物形の燃料電池装置と、燃料電池装置から吐出される高温の排ガスを放出させる排気通路と、排気通路に設けられ排気通路を流れる高温の排ガスと冷却水とを熱交換させることにより、排ガスを冷却させると共に冷却水を加熱させる熱交換器と、熱交換器で加熱された冷却水を温水として溜める貯湯タンクと、熱交換器と貯湯タンクとを連通させる連通路と、連通路に設けられ燃料電池装置の発電運転時において駆動し、駆動に伴い連通路の冷却水を熱交換器を介して貯湯タンクに搬送させる水搬送源と、水搬送源の駆動を制御する制御部とを具備する燃料電池システム。