JP5748404B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インク中の色材を凝集または不溶化する処理液またはインクを用いて記録を行う記録装置および記録方法に関する。
一般的なインクジェット記録装置では、所謂普通紙と呼ばれる記録媒体上に画像を形成する場合、画像の耐水性が不十分になることがあり、これを解消することが求められている。また一方では、カラー画像を形成する場合などのように、記録媒体に付与されるインク量が比較的多くなる記録を行う場合には、フェザリングや色間のにじみが発生し易いため、こうした現象を抑えた高濃度で鮮明な画像を形成することも要求されている。しかしながら、上記のような双方の要求を満たすことは困難であり、未だ画像堅牢性と画像品質とを十分に備えたカラー画像を得るには至っていない。
画像の耐水性を向上させる方法として、インク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年では実用化されてきている。しかしながら、耐水性の向上を図る現在のインクは、原理的に、乾燥後は水に溶解しにくいインクであるために、記録ヘッドのノズルの目詰まりが生じ易く、その耐水性についても十分な効果が得られるものとはなっていない。
そこで、耐水性の向上、およびノズルの目詰まりを防止するために新たな機構を付与するなどの装置の改良を施すことも提案されている。しかし、この場合には、装置が複雑化し、装置コストの大幅な増大を招くという課題がある。
これに対し、特許文献1には、記録インクと化学反応を起こす記録性向上液などの処理液を、記録媒体上にインクを付与する位置と同じ位置に付与することにより、インクによって記録された画像の画像堅牢性を向上させる技術が開示されている。
特開2001−001510号公報
しかしながら、インクジェット記録装置においては、記録ヘッドからインク及び処理液が吐出された際に、記録媒体へと着弾する主滴の他に、微小なミスト状の液滴が発生する。この微小なインク滴および処理液滴が記録装置の内部の稼働部や記録ヘッドの吐出口が形成される面(以下、吐出口面)に付着すると、それらが反応して付着部分に固着し、装置の信頼性や寿命を低下させるという問題が生じる。従って、記録媒体以外でのインクと処理液との反応、固着を抑制する必要があり、そのためには、処理液の微小な液滴(処理液ミスト)の発生を大幅に低減する必要がある。また、処理液ミストの量はインクの吐出速度が低い程少なく、吐出量が小さい程少ない。従って、インクの吐出速度や吐出量を抑えることによって処理液ミストを低減させることも検討されている。
しかしながら、処理液ミストを低減させるべく、インク及び処理液の吐出速度や吐出量を低下させた場合には、インクの着弾精度が低下し、画像品質が劣化するという新たな問題が生じる。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、高品位な画像形成と、処理液のミスト量低減による装置の寿命向上とを両立させることが可能なインクジェット録装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち、本発明の第1の形態は、色材を含むインクを吐出するための複数の第1記録素子が所定方向に配列された第1記録素子列と、前記インクの色材を凝集または不溶化する処理液を吐出するための複数の第2記録素子が所定方向に配列された第2記録素子列と、が所定方向と交差する方向に並ぶように設けられた記録手段と、前記複数の第1記録素子と前記複数の第2記録素子と、記録媒体とを相対的に走査させながら前記インクと前記処理液とを吐出することにより記録媒体に記録を行うために、前記第1記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第2記録素子を順に駆動する駆動手段と、を有する記録装置であって、前記駆動手段は、前記一つのグループに属する前記複数の第1記録素子においては隣接した記録素子が連続して駆動されないように順に駆動し、前記一つのグループに属する前記複数の第2の記録素子においては隣接した記録素子を順に駆動し、前記複数の第1記録素子のうちの所定の前記第1記録素子が駆動されるタイミングと、前記所定の第1記録素子と前記所定方向における位置が対応する所定の前記第2記録素子が駆動されるタイミングと、が異なるように、前記所定の第1記録素子を前記複数の第1記録素子のうちK番目で駆動し、前記所定の第2記録素子を前記複数の第2記録素子のうちのL(LはKと異なる)番目で駆動し、前記駆動手段は、前記第1の記録素子によって吐出されるインクの界面に当該第1の記録素子に隣接する隣接第1記録素子によるインクの吐出によって生じた振動が収まってから当該第1の記録素子によるインクの吐出が行われるように、前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2の記録素子によって吐出される処理液の界面が当該第2の記録素子に隣接する隣接第2記録素子による処理液の吐出の影響によって振動している状態で当該第2の記録素子による処理液の吐出が行われるように、前記複数の第2記録素子を順に駆動することを特徴とする。
すなわち、本発明の第2の形態は、色材を含むインクを吐出するための複数の第1記録素子が所定方向に配列された第1記録素子列と、前記インクの色材を凝集または不溶化する処理液を吐出するための複数の第2記録素子が所定方向に配列された第2記録素子列と、が所定方向と交差する方向に並ぶように設けられた記録手段を用いて記録を行うステップと、前記複数の第1記録素子と前記複数の第2記録素子と、記録媒体とを相対的に走査させながら前記インクと前記処理液とを吐出することにより記録媒体に記録を行うために、前記第1記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第2記録素子を順に駆動する駆動ステップと、を有する記録方法であって、前記駆動ステップは、前記一つのグループに属する前記複数の第1記録素子においては隣接した記録素子が連続して駆動されないように順に駆動し、前記一つのグループに属する前記複数の第2の記録素子においては隣接した記録素子を順に駆動し、前記複数の第1記録素子のうちの所定の前記第1記録素子が駆動されるタイミングと、前記所定の第1記録素子と前記所定方向における位置が対応する所定の前記第2記録素子が駆動されるタイミングと、が異なるように、前記所定の第1記録素子を前記複数の第1記録素子のうちK番目で駆動し、前記所定の第2記録素子を前記複数の第2記録素子のうちのL(LはKと異なる)番目で駆動し、前記駆動ステップは、前記第1の記録素子によって吐出されるインクの界面に当該第1の記録素子に隣接する隣接第1記録素子によるインクの吐出によって生じた振動が収まってから当該第1の記録素子によるインクの吐出が行われるように、前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2の記録素子によって吐出される処理液の界面が当該第2の記録素子に隣接する隣接第2記録素子による処理液の吐出の影響によって振動している状態で当該第2の記録素子による処理液の吐出が行われるように、前記複数の第2記録素子を順に駆動することを特徴とする。
本発明によれば、インク滴の吐出量及び吐出速度を低下させることなく、処理液のミスト量を低減することが可能になるため、高品位な画像形成と、装置寿命の向上とを両立させることができる。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置を示す斜視図である。 図1に示したインクジェット記録装置に搭載されるインクカートリッジの構成を示す模式図である。 図1に示したインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (a)は記録ヘッドにおけるノズルの配列を示す模式図、(b)は記録ヘッドに設けられたノズルの基本的な駆動方式を説明するための図で、時分割駆動における駆動信号を示す図、(c)は(b)の駆動方式によって記録ヘッドから吐出されるインク滴を模式的に示す図である。 第1の実施形態における連続型時分割駆動の駆動順を示す模式図である。 第1の実施形態における分散型時分割駆動の駆動順を示す模式図である。 第1の実施形態における他の連続型の時分割駆動順を示す模式図である。 第1の実施形態における複数の時分割駆動の駆動順を示す模式図である。 第2の実施形態における駆動電圧パルスを示す模式図である。 第2の実施形態における駆動電圧パルスを示す模式図である。 第3の実施形態における記録ヘッドに設けられたヒータ部材を示す模式図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。
ここに示すインクジェット記録装置1は、矢印Aにて示される主走査方向に沿って往復走査可能なキャリッジ2を備える。キャリッジ2には、インクを吐出可能な記録手段としての記録ヘッド3が着脱可能に搭載される。また、インクを収容し、記録ヘッド3にインクを供給するインクジェットカートリッジ4が記録ヘッド3に着脱可能に保持される。
インクジェットカートリッジ4には、ブラック(K)インク(第1インク)と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のカラーインク(第1インク)と、それらのインク中の色材を凝集可能で色材を含まない処理液(第2インク)とがそれぞれ収容される。処理液は、インクカートリッジ4の両端に各々1つずつ配列される。これを図2に示す。処理液が両端に配置されるのは、キャリッジ2が矢印A1で示す往方向と、矢印A2で示す復方向のいずれの方向に移動する際も処理液が、色材を含むインクに先立って吐出されるようにするためである。なお、処理液はインク中の色材を不溶化させるタイプであってもよい。
記録ヘッド3は、不図示のブラックインクを吐出させるためのノズル列31(インク吐出用のノズル列)と、各カラーインクを吐出させるために用いられる3つノズル列(インク吐出用のノズル列)32、33、34を有する。また、記録ヘッド3は、処理液を吐出させるノズル列(処理液吐出用のノズル列)35、36を有する。これらのノズル列は、それぞれ1280個のノズルにおける吐出口を配列した構成となっている。なお、本明細書の記載において、ノズルとは、記録ヘッド内に供給された液体(インク、処理液)を吐出する吐出口と、この吐出口にそれぞれ連通する液路と、各液路内に設けられた吐出エネルギー発生手段である記録素子(例えばヒータ)を備える部分を指す。以下の説明では、記録素子(ヒータ)を駆動することを、単にノズルを駆動するとも記載する。また、本発明における第1記録素子列は、ノズル列31,32,33,34のそれぞれに該当し、第2記録素子列は、ノズル列35,36のそれぞれに該当する。
キャリッジ2は、フレーム7に取り付けられたガイドシャフト8によって図中矢印A方向、すなわち主走査方向に移動自在に案内されている。また、キャリッジ2は、CRモータM1の駆動力を伝達する伝動機構5に含まれる駆動ベルト6に連結されている。従って、CRモータM1を正転または逆転させることにより、キャリッジ2はガイドシャフト8に沿って往復移動する。更に、フレーム7内には、キャリッジ2の主走査方向における絶対位置を示すスケール(エンコーダー)9がガイドシャフト8と平行に配置されている。
フレーム7の背部には給紙機構10が配置されている。A4サイズの用紙や葉書サイズの用紙など様々なサイズの記録媒体Pは、給紙機構10に含まれる給紙トレイ11上に複数枚載置可能である。給紙機構10は、LFモータM2(図1では省略)によって駆動される図示されない分離ローラを備えている。この分離ローラによって記録媒体Pは給紙トレイ11から給紙される。給紙された記録媒体は、その後、搬送ローラなどの搬送機構によってキャリッジ2に搭載された記録ヘッド3と相対する記録位置に搬送される。
更に、インクジェット記録装置1は、キャッピングユニット13やワイピングユニット14等を含む回復装置15を備えている。インクジェット記録装置1の非記録時には、キャッピングユニット13によって記録ヘッド3がキャッピングされ、吸引回復処理などの回復動作が行われる。また、記録ヘッド3に付着したインクは、ワイピングユニット14によって除去される。
予備吐出インクを受容するインク受容器(以下、予備吐出箱とする)が、キャッピングユニット13と画像記録可能領域の間に配置されている(図1では省略)。キャリッジが所定位置に移動した後、予備吐出箱に対し予備吐出による吐出回復処理が行うことが可能になっている。
記録時には、キャリッジ2が矢印Aの往方向(例えば、ホームポジション側から他方端への移動方向)に移動し、その移動と共に画像データに応じて記録ヘッドの各ノズルからインク滴が記録媒体Pに向かって吐出される。記録ヘッドがキャリッジと共に移動しつつ、インク滴を吐出して記録を行うことを記録走査ともいう。キャリッジ2が記録媒体Pの他方端まで移動したら、分離ローラが一定量だけ回転することで記録媒体Pを矢印B方向(副走査方向、搬送方向)に所定量搬送する。そして、再度、矢印A2の復方向(例えば、他方端からホームポジション側への移動方向)にキャリッジ2を移動しながら記録を行う。このように、キャリッジの記録走査と記録媒体の搬送動作とを繰り返すことにより記録媒体全体に画像の記録を行う。なお、記録ヘッド3の往方向、復方向のいずれの方向への移動時にもインク滴の吐出によって記録を行う記録方式を双方向記録方式と称す。
記録ヘッド3は、電気エネルギを熱エネルギに変換するための電気熱変換体(以下、ヒータと記述する)を備えている。このヒータによって発生させた熱エネルギーによりインクを膜沸騰させ、その膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用してインクを吐出させている。ヒータ(記録素子)は各ノズル列31〜36を構成する吐出口(ノズルとも称する)のそれぞれに設けられて記録素子列を構成しており、各ヒータには、インクを吐出させるために駆動パルス電圧(駆動パルスの振幅)が印加される。
図3は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、ホストコンピュータ(パーソナルコンピュータなど)と接続しており、ホストコンピュータのアプリケーションなどを利用して作成された画像情報や記録情報を含む画像データに応じて記録を行うものである。図中、200はインクジェット記録装置全体を制御する制御手段としてのCPUを示す。CPU200は、ROM201とランダムアクセスメモリ(RAM)202を備えている。そして、CPU200は、メインバスライン205を介して各駆動部へ駆動指令を送ることで記録装置を制御する。メインバスライン205には、画像入力部203と画像信号処理部204とが接続されており、ホストコンピュータからの画像情報(画像データ)は画像入力部203に一旦入力され、画像信号処理部204にて記録に適した画像信号(記録データ)に変換される。さらに、メインバスライン205には、操作者が記録等に関する諸設定を行う操作部206と、記録ヘッド3の回復装置に繋がる回復系制御回路207が接続されている。さらにまた、メインバスライン205には、各駆動部であるヘッド駆動制御回路215、キャリッジ駆動制御回路216及び紙送り(搬送)制御回路217のそれぞれが接続されている。また、RAM202内には、予め各駆動部を駆動するためのプログラムが格納されており、CPU200からの駆動指令に応じて各駆動回路のプログラムを起動させる。
なお、記録装置は、メインバスライン205に接続されるインターフェースを介して、ホストコンピュータと接続されている。上記の説明では、ホストコンピュータと記録装置とを接続する構成であるが、ホストコンピュータ以外に、デジタルカメラやフラッシュメモリなどの外部機器を接続することも可能である。このとき、記録装置は、デジタルカメラ等で撮影した画像や、フラッシュメモリ内に格納されている画像の記録を行う。
回復系制御回路207は、記録ヘッドからのインク滴の吐出状態を良好に保つための回復装置を制御する回路であり、回復系モータ208やブレード209、キャップ210及び吸引ポンプ211の駆動を制御する。回復装置には、吐出口面に付着したインク滴やホコリを拭き取るブレード209、吐出口からインクが蒸発しないように記録を行わないときに吐出口面を覆うキャップ210がある。さらに、キャップ内を負圧にすることで記録ヘッド内のインクを吸引してノズル内の増粘インクを強制的に排出させる吸引ポンプ211がある。
ヘッド駆動制御回路215は、記録データに応じて記録ヘッド213の各吐出口に連通する液路内に設けられている電気熱変換体の駆動を制御や、予備吐出や画像記録のためのインク吐出や、吐出すべきインク及び記録ヘッドの温度調節などを行う。さらに、キャリッジ2の駆動を制御するキャリッジ駆動制御回路216及び記録媒体の給紙機構や搬送機構を制御する紙送り制御回路217は、プログラムに応じてキャリッジモータや搬送モータを駆動させる。なお、このヘッド駆動制御回路215とCPU200とにより、後述のノズルの駆動順、ノズルの電気熱変換素子に印加する電圧、及び/又は、インク吐出用のノズル列の温度、といった吐出条件を各記録ヘッドに毎に独立して制御する制御手段を構成している。
次に、記録ヘッドの各ノズルに対応して設けられた電気熱変換素子(ヒータ)の駆動方式を説明する。なお、以下の説明では、各ノズルに対応して設けられた電気熱変換素子の駆動を、ノズルの駆動ともいう。
まず、図4A,図4B及び図4Cに基づき、記録ヘッドに設けられたノズルの基本的な駆動方式を説明する。図4Aは記録ヘッドのノズル列を、図4Bは記録ヘッドの液路内に設けられている電気熱変換体に印加される駆動信号を、図4Cは各ノズルから吐出された飛翔インク滴を模式的に示している。なお、ここでは、ノズルの基本的な駆動方式を説明するため、ノズルの数を実際のノズル数より少ない数で構成した例を示している。
図4Aにおいて、記録ヘッド3に設けられているノズル列500は、例えば32個のノズルからなる。ノズル列500の各ノズルには、その配列順に従ってノズル番号1〜32番が定められている。ここでは、図における一番上のノズルのノズル番号を1番とし、以下、下方に位置するノズルに順次、2番、3番‥‥32番のノズル番号が定められている。ノズル列500は、図4A中の上から8ノズルずつ、第1グループから第4グループまで4つのグループに分けられている。更にこれら各グループ内の8個の各ノズルは、8つの駆動ブロックの1つに属しており、記録の際には駆動ブロック単位で時分割して順次駆動される。時分割駆動において、同じブロックのノズルは同時に駆動される。
図4Aに示す例では、ノズル列500の各ノズルに対し、その配列順に付した番号を1番、9番、17番、25番の4つのノズルが第1駆動ブロック(単に第1ブロックとも称する)、8番、16番、24番、32番の4つのノズルが第2駆動ブロックである。同様に、2番、10番、18番、26番のノズルが第8駆動ブロックというように、各グループ内のノズルが周期的に駆動ブロックに割り当てられて駆動可能な状態となる。第1駆動ブロックから第8駆動ブロックまで昇順に順次駆動される時分割駆動の場合、図4Bに示すパルス状の駆動信号300によりそれぞれのヒータが順次駆動され、各ノズルから駆動信号に対応して図4Cに示すようにインク滴100が吐出される。以下、記録ヘッドに設けられたノズルを、駆動ブロック単位で時分割に駆動する駆動方式を、ブロック駆動と称す。
次に、本実施形態に用いられる記録ヘッドのブロック構成及び印加する駆動信号に関して図5及び図6を用いて説明する。
本実施形態では、図5に示すように、1280個のノズルを配列したノズル列を用い、20ノズルで一つのグループを構成している。0番のノズルから19番のノズルが第1グループであり、ノズル列全体では64グループに分けられている。また、単位時間当たりに記録されるブロック数(時分割数)は20であり、0番、20番、40番・・・の各ノズルはブロック番号が0であり、同じブロック番号の64個のノズルが同時に駆動されてインク滴が吐出される。
なお、図6においても、グループ、ブロックの構成は同一である。この1グループ内の20個のノズルは、順次駆動されるものの1カラム内に全て駆動されるものである。また、図5及び図6に示した記録ヘッドは1280個のノズルを1列に配列したノズル列の構成である。但し、640個のノズルからなる2つのノズル列(奇数列、偶数列)を、各ノズル列におけるノズルの配列ピッチの1/2の距離だけノズル配列方向にずらして並べた記録ヘッドを用いてもよい。このとき、奇数列と偶数列それぞれのノズルは主走査方向にずらして配置する。この奇数列、偶数列それぞれのノズル列毎に、連続する20個のノズルで1つのグループ(記録素子グループ)を構成し、ノズル列毎に各グループの同一のブロック番号のノズルを同時に駆動する(ブロック駆動する)構成とすることもできる。
図5に示す時分割駆動は、1つ分の駆動タイミングを空けて上方ノズルから下方ノズルに向かって順次、駆動が行われる。例えば全ノズルからインクを吐出する場合、先ずブロック番号0番のノズルについて駆動が行なわれてノズル番号0番のノズルからインクが吐出される。次に、ブロック番号10番のノズル、ブロック番号1番のノズル、ブロック番号11番のノズル…ブロック番号20番のノズルから順次インクが吐出される。
この図5に示す例では、1つのノズルグループ全体から観た場合、ノズルの配列位置において隣接するノズルは、連続した駆動タイミングで駆動されていない。しかし、ノズル配列において連続する0番ノズル〜9番ノズルのグループ(以下、第1分割ノズルグループ)を観た場合、この第1分割ノズルグループ(第1分割記録素子グループ)におけるノズルは順番に駆動されてインクを吐出している。10番ノズル〜19番ノズルのグループ(以下、第2分割ノズルグループ(第2分割記録素子グループ))においても同様である。そして、第1分割ノズルグループで最初に吐出されるノズル(ノズル番号0番のノズル)の吐出は、第2分割ノズルグループで最初に吐出されるノズル(ノズル番号10番のノズル)の吐出より先に行われる。本明細書では、この駆動順序、すなわち第1分割ノズルグループでは、ノズル番号0番、1番、3番‥‥9番の駆動順序、第2分割ノズルグループでは、ノズル番号10番、11番、12番‥‥19番を「連続型」の駆動順序と称す。もちろん、図7に示すように0番ノズルから19番ノズルまで時分割駆動に係る1つのグループ内の隣接するノズルを順番に連続して駆動するものも連続型の駆動順序に含まれる。
上記のように、分割ノズルグループを設定したノズルの駆動順序を一般化すると、次のようになる。いま、時分割駆動のブロック数(時分割数d(1以上、n/2以下の整数);図5では20)と同じ数の、物理的なノズルの配列において隣接するノズルからなる集合を1つのグループとする。そして、グループのd個のノズルをn個(1以上の整数;図5では2つ)の分割ノズルグループに分けて時分割駆動することを考える。このとき、「連続型」の駆動順序は、第k番目の分割ノズルグループ(kは1以上、n/2以下の整数、図5では、第1、第2分割ノズルグループ)のノズル配列において連続するd個のノズルでは、これらのノズルから順番にインクが吐出される。そして、第k分割ノズルグループで最初に吐出されるノズルの吐出順序は、第(k+1)分割ノズルグループで最初に吐出されるノズルの吐出順序より先である。
以上の連続型の駆動順序によれば、インクミストの発生を抑制できるとともに、吐出口面に付着するミスト量を低減させることができる。また、その際、インク吐出速度や吐出量も小さくなっている。すなわち、従来、隣接するノズルから順次インクを吐出するときには、インク吐出の際に、隣接するノズルのインクメニスカスを振動させるため、隣接ノズルからのインク吐出が不安定な状態(クロストーク)となることが知られている。そして、本発明の発明者らは、この不安定な状態でインク吐出を行なった場合、上記のような連続型の駆動順序で時分割駆動を行うことにより、インク滴の飛翔による気流の発生が抑制されることを発見した。これはクロストークによって、膜沸騰による気泡のエネルギーが拡散してインク吐出の速度が低下することにより、気流の発生量が低減するものと考えられる。そして、気流の発生量が低減されることにより、インクミストの発生量が減少すると共に、飛翔しているインク滴同士の気流が干渉することによって発生する乱流が低減し、その結果、吐出口面へのインクミストの付着量が抑制される。
ただし、インクの吐出特性は比較的不安定な状態なので、記録に寄与するインク滴(主滴)の記録媒体への着弾位置がずれたり、吐出口から吐出されるインク滴の量が変動したりする場合がある。このため、本発明の実施形態では、上記のような連続型の時分割駆動を色材を含まない透明な処理液の駆動に用いる。これにより、処理液のインクミストが吐出口面に付着する量を低減させることができ、色材を有するインクと処理液との反応によって固着するインク量を低減することができる。
例えば、時分割駆動の各グループにおいて最初に吐出するノズルにはクロストークの影響もないため、吐出インクの速度も速く、気流も発生する。それ以降連続して吐出されるインク滴はクロストークの影響を受けて吐出速度が低下し、気流も低減されるものの、先に吐出したインク滴により発生する気流の影響を受けて、後ろに位置するインク滴は着弾位置がヨレてしまう。この連続して吐出されるインク滴のうち、比較的後ろに位置するインク滴の着弾位置がヨレてしまうことを端ヨレと称す。
図5に示す例では、単位時間あたりの吐出数が多いときに、連続したインク滴の吐出により発生する気流の影響を受けて、1番ノズルや11番ノズルのインク滴がそれぞれ0番ノズル、10番ノズルの方向に引き寄せられる。この端ヨレは、連続して吐出されるインク滴により記録される帯状の画像の一端にあたる部分の着弾位置がずれることにより、画像内に記録媒体の地色が見える白いスジ状の線が生じてしまう。この白いスジ状の線は、記録ヘッドの連続型の時分割駆動時の1グループ毎に生じるため、白スジが狭い間隔、つまり低いピッチで多く生じる。そのため、白スジは認識されやすく、画像品位の低下につながってしまう。この白スジは、高記録率の画像を記録するとき、さらには1回の記録走査において記録される領域の記録率が高いときなどにより顕著に現れる。すなわち、単位面積当たりに付与されるインク量が多い、あるいは単位時間当たりの吐出数が多い、といった条件で記録される場合に、より顕著に現れる。
一方、本実施形態では、図6に示す「分散型」の駆動順序は色材を有するインクの駆動で用いる。これにより、着弾位置ずれなどのない高品位で信頼性の高い画像を記録することができる。
図6は、分散型の時分割駆動における駆動順序の一例を示している。なお、図6においても、グループ、ブロックの構成は図5に示す構成と同一である。本明細書において、上述の連続型の時分割駆動以外の駆動順序で行われるノズルの駆動を「分散型」の駆動と称す。図6に示す分散型の駆動では、1つのグループが図5に示すように分割されておらず、各グループ内の20個のノズルが、その配列順序とは異なる順番で時分割に駆動され、インクが吐出される。図6に示すような分散型の駆動において、全ノズルからインクを吐出する場合には、先ずブロック番号0番のノズルが駆動され、インクが吐出される。この際、図6に示すノズル番号0番から19番までのノズルからなるノズルグループでは、ノズル番号0番のノズルからインクが吐出される。次いで、ノズル番号8番のノズル、4番のノズル、12番ノズル…から順次インクが吐出される。
従来、駆動タイミングを分散させて隣接しないノズル(離散したノズル)からインクを吐出するときには、ノズルのインクメニスカスは振動しておらず、安定した状態でインク吐出が行なわれることが知られている。つまり、ノズルからインクを吐出したときに隣接するノズルのインク界面を振動させるものの、次の吐出動作ではインク界面の安定している離れたノズルからインクを吐出するため、安定したインク吐出が行われていると考えられている。そして隣接ノズルのインク吐出によるインク界面の振動が収まってからその隣接ノズルのインクが吐出されると考えられている。しかしながら、本発明の発明者らは、この安定した状態でインク吐出を行った場合には、インク滴の飛翔による気流の発生が助長されることを発見した。つまり、この分散型の駆動では、膜沸騰による気泡のエネルギーが正確に吐出インクへ伝わるために、インク吐出の速度が速く、気流が発生しやすい状態になる。その結果、インクミストの発生量が増加するばかりでなく、飛翔しているインク滴同士の気流が干渉して乱流が発生し、インクミストは吐出口面に付着されてしまう。
ただし、比較的安定した状態でインク吐出が行われているために、記録媒体に対するインク滴(主滴)の着弾位置がずれたり、吐出口から吐出されるインク滴(主滴)の量が変動したりする懸念は少ない。例えば、先に吐出したインク滴により発生する気流の影響は、隣接したノズル領域に限定されており、次に吐出するノズルが離れている場合にはそのノズルから吐出されたインク滴に、先に吐出によって発生した気流の影響が及びにくい。従って本実施形態では、インクの吐出するとき、特に高い記録率の画像を記録するときには、分散型の駆動順の方が、端ヨレが生じにくいためより高品位な画像を記録することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、図8に示すようなブロック駆動の順番を複数種類(駆動順A、駆動順B、駆動順C)用意し、これらの駆動順を色材を含まない透明な処理液の吐出と、色材を含むインクの吐出とで選択的に使い分けている。すなわち、処理液の吐出には連続型の駆動順を、インクの吐出には分散型の駆動順をそれぞれ適用している。図8において、駆動順Aは図5に示した連続型の駆動順であり、駆動順Bは図6に示した分散型の駆動順である。これにより、端ヨレ懸念のある駆動順Aを色材を含むインクの吐出に適用することは避け、駆動順Bを適用することで高品位な画像記録を達成することができる。なお、駆動順Cは図7に示した連続型の駆動順序である。
一方、端ヨレなどの懸念はあるものの、色材を含まない透明な処理液であれば画像劣化を生じることはないため、ミスト低減を重視した駆動順AまたはCを適用する。
以上のように、色材を含むインクにおいてはヨレ等の画像劣化が生じにくく、高品位な画像記録が行われる駆動順を用い、色材を含まない透明な処理液においては、インクミスト発生を抑制する駆動順を用いる。これにより、高品位な画像記録と装置の信頼性及び寿命の向上とを両立することができる。
(第2の実施形態)
上記実施形態においては、色材を含まない透明な処理液のミストを低減させるために、ブロック駆動順の最適化を行ったが、他の手段でミスト低減を達成することも可能である。
この第2の実施形態では、記録ヘッド3のヒータに印加される駆動電圧パルスの大きさを制御する。すなわち、色材を含むインクに印加する駆動電圧パルスに対し、色材を含まない透明な処理液に印加する駆動電圧パルスを小さくする。
駆動電圧パルスの大きさの制御としては、図9に示すように駆動電圧パルスの電圧値を一定とし、駆動パルスの幅を制御する方式を採ることができる。また、図10に示すように駆動電圧パルスのパルス幅を一定とし、駆動電圧パルスの電圧値を制御する方式を採ることも可能である。さらに、駆動電圧パルスのパルス幅と駆動電圧の双方を制御することも可能である。いずれにしても、処理液の吐出時に各ノズルに対応するヒータに印加される駆動電圧パルスの大きさを、色材を含むインクの吐出時にヒータに印加される駆動電圧パルスの大きさより小さくする。これにより、一回の吐出動作において各ヒータが発する熱エネルギー(インクの吐出エネルギー)の量が、インク吐出時に比べ、処理液吐出時の方が小さくなり、ミスト量、吐出速度及び吐出量が抑えられる。その結果、色材を含むインクと処理液とが記録ヘッドの吐出口面上で反応、固着するのを低減することができる。また、駆動電圧パルスを小さくすることで吐出された処理液のヨレなどによる画像劣化の懸念はあるものの、処理液は色材を含まないことから、インクにヨレが生じた場合のように画像の劣化が視認されないため、大きな画質の低下を生じさせることはない。なお、インク滴については、駆動電圧パルスを小さくしないため、吐出速度や吐出量に不足が生じることはなく、所期の着弾状態を得ることができる。
以上のように、色材を含むインクにおいては、ヨレ等による画像劣化が生じにくく、高品位な画像記録が行われる駆動電圧パルスを加えるのに対し、色材を含まない透明な処理液においては、駆動パルスの大きさを減少させ、インクミストの発生を抑制する。これにより、高品位な画像の記録と、装置の信頼性及び寿命の向上とを両立させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
この第3の実施形態は、色材を含むインクと、色材を含まない透明な処理液とで、記録ヘッドにおける温度制御を変更することによって、処理液の吐出時に発生するミスト量を低減するものとなっている。
一般に、インクジェット記録装置においては、インクや処理液などの吐出液の温度によって液体の吐出特性、特に吐出される液滴(主滴)の径が変化することが知られている。また、熱エネルギーによりインクを吐出する記録装置においては、インクに与えられた熱エネルギー全てが吐出エネルギーとならず、記録に伴って記録ヘッドに熱エネルギーが畜熱されるため、記録ヘッドの温度が上昇する傾向にあることも知られている。
このように、記録に伴って記録ヘッドの温度が変化することにより、吐出されるインク滴の量が異なり、記録媒体に着弾したインク滴の径が変化するため、記録濃度が変化してしまうことがある。さらに、インクの粘度や表面張力のような物性は、温度によって変化するため、その変化に伴ってノズルからの吐出状態も変化する。例えば、記録ヘッドの温度が低い場合にはインク粘度が高いため、記録初期に正常な吐出が行なわれず、画像形成不良を招く場合もある。このため、インクジェット記録装置においては、記録初期から色材を含むインクの良好な吐出状態を確保し、適正な画像記録動作を実現するために、記録動作開始前にインクの温度を制御している。しかしながら、インク温度を直接的に制御することは現実的に難しく、代替的に記録ヘッドの温度制御を行っている。図11にノズル近傍の概略図を示す。温度制御はヒータ部材30(図11参照)に電圧を印加し、不図示の温度センサにより記録ヘッドの温度を10ms毎に観測し、目標温度となるように制御する。この第3の実施形態では加熱手段としてノズル列周囲に設けたヒータ部材30を用い、インクを吐出する記録ヘッド3が35度に保たれるようにヒータ部材の発熱を制御している。なお、インクを吐出する記録ヘッド3の温度調整には、インク吐出用ヒータを用いることも可能である。この場合、無駄なインクの吐出を避けるため、インクが吐出されない程度の温度にヒータを発熱させることが望ましい。すなわち、インク吐出時に付与する熱エネルギーより小さな熱エネルギーを発生させるように前述の駆動パルスの大きさを制御する。
一方、色材を含むインクを吐出する記録ヘッド3については上記のような温度制御を行うのに対し、この第3の実施形態では色材を含まない透明な処理液を吐出する記録ヘッド3に関して温度制御を実施しないようになっている。色材を含まない透明な処理液の温度制御を行わないことでミスト量、吐出速度、吐出量が小さくなり、色材を含むインクと処理液とがヘッドフェイス面上で反応、固着することを防ぐことができる。また、処理液を吐出する記録ヘッドに対する温度制御を行わないことで、吐出された処理液にヨレが生じることは懸念されるが、透明な処理液であれば画像劣化が視認されないため問題とならない。また、処理液は色材を含まないことから、インクほど温度による粘度変化が生じないため、温度制御を実施しなくとも吐出性能に大きな変化が生じることはない。
なお、この第3の実施形態では、色材を含まない透明な処理液を吐出する記録ヘッドの温度制御を実施しないものとしたが、必要に応じて最低限の温度制御を行うようにしてもよい。
以上のように、色材を含むインクにおいてヨレ、濃度変化等の画像劣化が生じにくく、高品位な画像記録が行われるヘッド温度制御を、色材を含まない透明な処理液においては、インクミスト発生を抑制するヘッド温度制御とする。これにより、高品位の画像記録と、装置の信頼性及び寿命の向上とを両立することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上記各実施形態の構成を適宜組み合わせることによって、より優れた効果を得られるよう構成することも可能である。すなわち、第1の実施形態におけるブロック駆動における駆動順の選択、第2の実施形態における駆動パルスの大きさの制御、第3の実施形態における温度制御の何れか2つ、あるいは3つを組み合わせることも可能である。例えば、第1の実施形態におけるブロック駆動の駆動順の選択制御と、第3の実施形態における記録ヘッドへの温度制御とを併せて行うことも可能である。また、第1の実施形態におけるブロック駆動の駆動順の制御と第2の実施形態における駆動パルスの大きさの制御とを併せて行うことも可能である。もちろん、第2の実施形態における駆動パルスの大きさの制御に併せて第3の実施形態における温度制御を実施することも可能である。
また、上記実施形態では、インクと、当該インクの色材と凝集または反応する処理液を用いる形態で説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、本発明は、同色で1滴あたりの記録濃度が異なるインクを用いて記録を行う形態であって、これらインクが反応(凝集または不溶化)する形態にも適用できる。このような形態においては、相対的に記録濃度の低いインク(淡インク)の吐出条件をミストの発生し難い条件(例えば、連続型の分割駆動方式)とする。これにより、相対的に記録濃度の高いインク(濃インク)の吐出条件を着弾位置のずれ難い条件(例えば、分散型の分割駆動方式)とする。即ち、濃インク、淡インクのうち、相対的に視認し難い淡インクをミストの発生し難い条件で記録することにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させて記録動作を行う、所謂シリアル型のインクジェット記録装置を例に採り説明した。しかし、本願発明は、記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って記録媒体の幅以上の範囲にノズルを配列した記録ヘッドを用いて記録を行う所謂フルライン型のインクジェット記録装置にも本願発明は適用可能である。例えば、フルライン型のインクジェット記録装置における記録ヘッド上記第1の実施形態と同様に分割駆動したり、第2の実施形態と同様に駆動パルスの大きさを制御したりすることも可能である。また、第3の実施形態と同様に記録ヘッドの温度制御を実施したりすることも可能である。
さらに、本発明は、インクあるいは処理液を吐出するための吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生手段として、ヒータを用いた場合を例に採り説明したが、吐出エネルギー発生手段として、ピエゾなどの電気機械変換素子を用いることも可能である。すなわち、電気機械変換素子を用いる場合にも、上記各実施形態における駆動順の制御、印加電圧の制御、および記録ヘッドの温度制御などを用いることで、処理液のミスト量を抑えることができる。

Claims (8)

  1. 色材を含むインクを吐出するための複数の第1記録素子が所定方向に配列された第1記録素子列と、前記インクの色材を凝集または不溶化する処理液を吐出するための複数の第2記録素子が所定方向に配列された第2記録素子列と、が所定方向と交差する方向に並ぶように設けられた記録手段と、
    前記複数の第1記録素子と前記複数の第2記録素子と、記録媒体とを相対的に走査させながら前記インクと前記処理液とを吐出することにより記録媒体に記録を行うために、前記第1記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第2記録素子を順に駆動する駆動手段と、
    を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、前記一つのグループに属する前記複数の第1記録素子においては隣接した記録素子が連続して駆動されないように順に駆動し、前記一つのグループに属する前記複数の第2の記録素子においては隣接した記録素子を順に駆動し、前記複数の第1記録素子のうちの所定の前記第1記録素子が駆動されるタイミングと、前記所定の第1記録素子と前記所定方向における位置が対応する所定の前記第2記録素子が駆動されるタイミングと、が異なるように、前記所定の第1記録素子を前記複数の第1記録素子のうちK番目で駆動し、前記所定の第2記録素子を前記複数の第2記録素子のうちのL(LはKと異なる)番目で駆動し、
    前記駆動手段は、前記第1の記録素子によって吐出されるインクの界面に当該第1の記録素子に隣接する隣接第1記録素子によるインクの吐出によって生じた振動が収まってから当該第1の記録素子によるインクの吐出が行われるように、前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2の記録素子によって吐出される処理液の界面が当該第2の記録素子に隣接する隣接第2記録素子による処理液の吐出の影響によって振動している状態で当該第2の記録素子による処理液の吐出が行われるように、前記複数の第2記録素子を順に駆動することを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録手段を前記所定方向と交差する方向に走査させながら前記インクおよび前記処理液を吐出させることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  3. 前記第1記録素子列と前記第2記録素子列とは隣接して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録手段は、前記第1記録素子列が対応するインクと色が異なるインクを吐出するための第3の記録素子が前記所定方向に配列された第3記録素子列を備え、前記第1、2、3記録素子列が前記所定方向と交差する方向に並ぶように設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 色材を含むインクを吐出するための複数の第1記録素子が所定方向に配列された第1記録素子列と、前記インクの色材を凝集または不溶化する処理液を吐出するための複数の第2記録素子が所定方向に配列された第2記録素子列と、が所定方向と交差する方向に並ぶように設けられた記録手段を用いて記録を行うステップと、
    前記複数の第1記録素子と前記複数の第2記録素子と、記録媒体とを相対的に走査させながら前記インクと前記処理液とを吐出することにより記録媒体に記録を行うために、前記第1記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2記録素子列を複数のグループに分割した一つのグループの前記複数の第2記録素子を順に駆動する駆動ステップと、
    を有する記録方法であって、
    前記駆動ステップは、前記一つのグループに属する前記複数の第1記録素子においては隣接した記録素子が連続して駆動されないように順に駆動し、前記一つのグループに属する前記複数の第2の記録素子においては隣接した記録素子を順に駆動し、前記複数の第1記録素子のうちの所定の前記第1記録素子が駆動されるタイミングと、前記所定の第1記録素子と前記所定方向における位置が対応する所定の前記第2記録素子が駆動されるタイミングと、が異なるように、前記所定の第1記録素子を前記複数の第1記録素子のうちK番目で駆動し、前記所定の第2記録素子を前記複数の第2記録素子のうちのL(LはKと異なる)番目で駆動し、
    前記駆動ステップは、前記第1の記録素子によって吐出されるインクの界面に当該第1の記録素子に隣接する隣接第1記録素子によるインクの吐出によって生じた振動が収まってから当該第1の記録素子によるインクの吐出が行われるように、前記複数の第1記録素子を順に駆動し、かつ、前記第2の記録素子によって吐出される処理液の界面が当該第2の記録素子に隣接する隣接第2記録素子による処理液の吐出の影響によって振動している状態で当該第2の記録素子による処理液の吐出が行われるように、前記複数の第2記録素子を順に駆動することを特徴とする記録方法。
  6. 前記記録手段を前記所定方向と交差する方向に走査させながら前記インクおよび前記処理液を吐出させることを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  7. 前記第1記録素子列と前記第2記録素子列とは隣接して配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載の記録方法。
  8. 前記記録手段は、前記第1記録素子列が対応するインクと色が異なるインクを吐出するための第3の記録素子が前記所定方向に配列された第3記録素子列を備え、前記第1、2、3記録素子列が前記所定方向と交差する方向に並ぶように設けられていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録方法。
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