JP5771220B2 - ベクトルイオンチャネルを調節するための有機化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、ベクトルイオンチャネル(vectrial ion chanel)の調節、肺機能に関連した疾患の調節、および浮腫の処置に適した有機化合物およびその医薬製剤に関する。
細胞層および組織を通る体液輸送は、主に、ベクトルイオン輸送、例えばナトリウム輸送による浸透勾配に基づく。この体液輸送は、例えば上皮ナトリウムチャネル複合体(ENaC)などの厳密に調節された極めて重要なイオンチャネルによって主に行われる(Ware L.B.およびMatthay M.A.New England J Med 2001;342/18:1334〜1359。Matthayら、Am J Physiol 1996;270:L487〜L503;Berthiaume Y.およびMatthay M.A.Respiratory Physiology&Neurobiology 159(2007)350〜359)。水は、とりわけ、水チャネルのアクアポリンVなどの特定の水チャネルを通って、この勾配に受動的に従う。したがって、細胞および組織を通るベクトルイオン輸送の薬物調節によって、組織の体液含有量を制御するだけでなく、組織内での体液の貯留に関連した疾患を予防的または治療的に処置することも可能となる。
浮腫とは、例えば肺だけでなく脳または皮膚などの臓器内での体液の病的な貯留を意味する。肺での浮腫は肺水腫と呼ばれる。肺水腫はほとんどの場合、体液溢出と体液再吸収との間のアンバランスに基づく。肺組織の透過性が損傷することも多く、それによって体液の供給が増加し、体液が肺胞内に貯留する。
肺胞から間質へ戻る体液輸送が不十分であることで生じる肺水腫は、急性肺傷害(ALI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、肺炎、インフルエンザ、ならびに他のバクテリア誘導およびウイルス誘導の肺疾患にとって特に重大である。しかし、肺水腫はまた、呼吸誘導肺傷害(respiration−induced lung injury)、肺移植、輸血関連肺傷害、IL−2の治療的投与または喘息などの他の肺疾患にも重要な役割を果たす。
組織または臓器、例えば肺内での体液貯留が増加すると、必要なガス交換が妨げられるか、または完全に制限される。呼吸空気からの酸素が血液に到達しなくなると、酸素欠乏により致命的な臓器損傷が起こることがある。
Lucasら(Lucas Rら Science 1994、263:814)は、腫瘍壊死因子のSer(99)からGlu(116)の領域に由来し、肺胞中の体液含有量を制御するとされているペプチドについて記載している。
配列CGQRETPEGAEKPWYCを含む前記ペプチドは、WO00/09149の主題でもある。
肺胞中の体液含有量を制御し、配列CGTKPIELGPDEPKAVCを含むペプチドはまたEP2009023に含まれ、配列LSPGQRETPEGAEAKPWYEを含むペプチドはWO2009/073909に含まれる。
これまで、細胞および組織内のベクトルイオンチャネルを調節する、特に肺組織のベクトルイオンチャネルを調節する選択的および医学的に使用可能な治療または処置はなかった。肺のベクトルイオン輸送を調節する、特に肺水腫を処置する選択的治療もこれまでなかった。肺水腫を患う患者に人工呼吸を施して、血液への、ひいては臓器への酸素の供給を確保しようとすることが極めて一般的である。
したがって、本発明は、イオンチャネルのベクトル活性化(vectorial activation)に適した有機生理活性物質を提供するという目的に基づく。特に、本発明は、肺内の上皮ナトリウムイオンチャネルの活性化および肺水腫の選択的処置に使用できる有機生理活性物質を提供することを目的とする。
驚くべきことに、提議された課題を解決するのに適した有機化合物がここで見出された。
一態様において、本発明は、16個のアミノ酸または17個のアミノ酸を含み、C末端カルボキシル基および/またはN末端アミノ基を有さず、
任意選択で、アミノ酸の1つが非天然アミノ酸であり、
閉環があるアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸のC末端との間で形成されるか、または閉環が非天然アミノ酸によって行われることを特徴とする環式有機化合物を提供する。
本発明により提供される1つまたは複数の環式有機化合物は、本出願において「本発明による化合物」とも称される。
本発明による化合物は、あらゆる形態、例えば遊離の形態および共結晶の形態、例えば塩の形態、または溶媒和物の形態、または塩と溶媒和物との形態の化合物を含む。
さらなる態様において、本発明は、塩の形態の本発明による化合物を提供する。
好ましくは、このような塩は薬学的に許容される塩を含むが、薬学的に許容されない塩が、例えば本発明の化合物を製造、単離、精製する目的で含まれる。例えば、本発明は、例えば本発明の化合物を製造する際に生じる可能性のある、本発明の化合物の、トリフルオロ酢酸との塩を含む。
塩の形態の本発明による化合物は、金属塩または酸付加塩を含む。金属塩は、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含み、酸付加塩は本発明による化合物の、酸との塩を含む。
遊離の形態、任意選択で溶媒和物の形態の本発明による化合物は、塩の形態、非溶媒和物の形態または溶媒和物の形態の適切な化合物に変換することができ、逆にも変換できる。
本発明による化合物において、これまでにペプチドでは知られていない閉環と組み合わせた特定のアミノ酸配列は、驚くべきことに環式有機化合物となり、同時に、これまでにペプチドでは知られていない分子内アミド結合を形成し、ここで、このような化合物は、全く予期せぬことに、細胞および組織内のベクトルイオンチャネルを調節することができ、例えば、本発明の化合物は、既に知られているが構造が異なるペプチドよりもある程度大きく上皮ナトリウムチャネル複合体を調節することができる。
驚くべきことに、本発明による化合物がアミノ酸配列GQRETPEGAEAKPWYを含むことが判明した。
別の態様において、本発明は、アミノ酸配列GQRETPEGAEAKPWYを含む本発明による化合物を提供する。
本発明による化合物中の非天然アミノ酸は、好ましくは、オルニチンまたはω−アミノ酸、特にω−アミノ−(C3〜8)−アルカン酸から、特に3−アミノ−プロパン酸、γ−アミノ酪酸、5−アミノ−ペンタン酸、6−アミノ−ヘキサン酸および7−アミノ−へプタン酸から選択され、特に非天然アミノ酸はアミド結合を介して結合している。
さらなる態様において、本発明は、非天然アミノ酸がオルニチンまたはω−アミノ酸から選択される本発明による化合物を提供し、特に非天然アミノ酸はアミド結合を介して結合している。
本発明による化合物において、閉環は、好ましくはあるアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸のC末端との間、特にオルニチンまたはリシンの側鎖と天然アミノ酸、特にグリシンのC末端との間に形成される。
さらなる態様において、本発明は、閉環があるアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸のC末端との間に形成されることを特徴とする、本発明による化合物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、下記のアミノ酸配列を含む本発明による化合物を提供する。
配列番号1{[KGQRETPEGAEAKPWYG](シクロKε1−G17)}の配列の化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のグリシン(G)からN末端アミノ酸のリシン(K)までペプチド結合しており、N末端アミノ酸のリシン(K)は、C末端アミノ酸グリシン(G)と、リシンの側鎖のε−アミノ基の窒素とグリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はC末端カルボキシル基を有しない。
配列番号2{[オルニチン−GQRETPEGAEAKPWYG](シクロOrn−δ1−G17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のグリシン(G)からN末端アミノ酸のオルニチン(Orn)までペプチド結合しており、N末端アミノ酸のオルニチン(Orn)は、C末端アミノ酸のグリシン(G)と、オルニチンの側鎖のδ−アミノ基の窒素とグリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はC末端カルボキシル基を有しない。
配列番号3{[5−アミノ−ペンタン酸−GQRETPEGAEAKPWYG](シクロ1−17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のグリシン(G)からN末端アミノ酸のグリシン(G)までペプチド結合しており、N末端アミノ酸のグリシン(G)は、C末端アミノ酸のグリシン(G)と、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と5−アミノ−ペンタン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方において5−アミノ−ペンタン酸の5−アミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はC末端カルボキシル基を有しない。
配列番号4{[γ−アミノ酪酸−GQRETPEGAEAKPWYG](シクロ1−17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のグリシン(G)からN末端アミノ酸のグリシン(G)までペプチド結合しており、C末端アミノ酸のグリシン(G)は、N末端アミノ酸のグリシン(G)と、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素とγ−アミノ酪酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方においてγ−アミノ酪酸のアミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はC末端カルボキシル基を有しない。
配列番号5{[γ−アミノ酪酸−GQRETPEGAEAKPWYD−OH](シクロ1−Dγ17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アスパラギン酸(D)からN末端アミノ酸のグリシンまでペプチド結合しており、C末端アスパラギン酸(D)は、N末端アミノ酸のグリシンと、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素とγ−アミノ酪酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方においてγ−アミノ酪酸のアミノ基の窒素とC末端アスパラギン酸の側鎖のカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はN末端アミノ基を有しない。
配列番号6{[3−アミノ−プロパン酸−GQRETPEGAEAKPWYE−OH](シクロ1−Eδ17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端グルタミン酸(E)からN末端アミノ酸のグリシンまでペプチド結合しており、C末端グルタミン酸(E)は、N末端アミノ酸のグリシンと、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と3−アミノ−プロパン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方において3−アミノ−プロパン酸のアミノ基の窒素とC末端グルタミン酸の側鎖のカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はN末端アミノ基を有しない。
配列番号7{[7−アミノ−へプタン酸−GQRETPEGAEAKPWY](シクロ1−16)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のチロシンからN末端アミノ酸のグリシンまでペプチド結合しており、C末端アミノ酸のチロシンは、N末端アミノ酸のグリシンと、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と7−アミノ−へプタン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方において7−アミノ−へプタン酸のアミノ基の窒素とC末端チロシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はN末端アミノ基もC末端カルボキシル基も有しない。
配列番号8{[6−アミノ−ヘキサン酸−GQRETPEGAEAKPWYG](シクロ1−17)}の配列を含む化合物において、アミノ酸は、C末端アミノ酸のグリシンからN末端アミノ酸のグリシンまでペプチド結合しており、C末端アミノ酸のグリシンは、N末端アミノ酸のグリシンと、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と6−アミノ−ヘキサン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合を介して、他方において6−アミノ−ヘキサン酸のアミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合を介して結合しており、それによって化合物はN末端アミノ基もC末端カルボキシル基も有しない。
本発明による化合物は、好適な様式、例えば、公知のプロセスに類似した様式で、もしくは本明細書に記載されているように、例えば化学合成によって、または微生物プロセスを用いて生成することができ、ここで特に、遊離アミノ基と遊離カルボキシル基の間のアミド結合は、好適な様式、例えば、公知のプロセスに類似した様式で、または本出願に記載されているように導入することができる。
本発明による化合物は興味深い薬理活性を示し、したがって薬物として使用可能であることが判明した。
さらなる態様において、本発明は、薬物として使用するための本発明による化合物を提供する。
ヒト細胞に対する生物学的試験によって、本発明による化合物には炎症性または毒性がないことが示されている。このために、ヒト上皮細胞を一般的な研究用細胞培養で培養し、本発明による化合物を添加する。本発明による化合物を添加しても、ヒト細胞において毒性反応または炎症反応は観察されなかった。
化合物によるイオンチャネルのベクトル調節の検出は、研究では一般的な方法に従って、例えばClunes M.T.ら、J Physiolo.(2004)557.3:809〜819)に従って、パッチクランプ実験により行うことができる。イオンチャネルのパッチクランプ試験において、ガラスカニューレを薄く伸ばし、中性緩衝液を充填する。ガラスカニューレ(パッチクランプピペット)を無傷の(intact)上皮細胞上に注意深く押し付ける。一片の膜をピペットの下に配置する。それによって、ピペットの内部と外液との間に電気抵抗が生じる。高感度増幅器に取り付けられた電極をピペット溶液に浸す。
ベクトル上皮イオンチャネルの調節は、定電圧での電流強度の変化によって検出される。
このようにして、驚くべきことに、本発明の化合物はベクトル上皮イオンチャネルの調節を示すことが判明した。
特に驚くべきことは、本発明による化合物、例えば配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号6および配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物では、既に文献から知られているペプチドCGQRETPEGAEKPWYC(Lucasら Science 1994、およびWO00/09149)、CGTKPIELGPDEPKAVC(EP2009023の配列番号2)ならびにLSPGQRETPEGAEAKPWYE(PCT AT2008448の配列番号2)よりも、ベクトルイオン電流の活性化が非常に高くなることであった。
したがって、本発明による化合物は、例えば、ベクトルイオンチャネル、特に肺内のイオンチャネルを調節するための、および浮腫を処置するための、特に肺水腫を処置するための薬物の製造に使用することができ、さらなる態様において、本発明は、ベクトルイオンチャネル、特に肺内のイオンチャネルを調節するための、肺機能に関連した疾患を処置するための、および浮腫を処置するための、特に肺水腫を処置するための薬物を製造するための本発明による化合物を提供する。
肺機能に関連した疾患の処置として、例えば、上皮イオンチャネルの活性化、肺機能の改善、および/または肺水腫などの浮腫の処置、
さらには
− 急性肺傷害(ALI)、
− 急性呼吸促迫症候群(ARDS)、
− 重症急性呼吸器症候群(SARS)、
− 肺炎、
− インフルエンザおよびRSV感染症などのウイルス性肺炎、
− 多臓器不全の場合、
− 呼吸誘導肺傷害、肺移植、輸血関連肺傷害、IL−2の治療的投与、または喘息の場合
の処置が挙げられる。
別の態様において、本発明は、ベクトルイオンチャネル、特に肺内のイオンチャネルを調節するための、肺機能に関連した疾患を処置するための、および浮腫を処置するための、特に肺水腫を処置するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に有効量の本発明による化合物を投与することを特徴とする方法を提供する。
本明細書で使用される患者には、哺乳動物、例えばヒトが含まれる。
本発明による化合物は、医薬製剤の形態で投与することができる。
別の態様において、本発明は、本発明による化合物を、例えば、担体または希釈剤などの少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバントと組み合わせて、例えば、1つまたは複数の充填剤、結合剤、崩壊剤、フロー調整剤(flow−conditioning agent)、滑沢剤、香味剤(flavouring agent)、糖または甘味料、香料(fragrance)、防腐剤、安定効果を有する物質、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝液(混合物)と組み合わせて含むことを特徴とする医薬製剤を提供する。
疾患を処置するための本発明による化合物の適量は、当然ながら、異なるパラメータ、例えば使用する化合物の化学的性質および薬物動態、個々の患者、処置すべき疾患、適用の種類に強く依存するものであるが、大型哺乳動物にとっての適切な1日用量として、例えば0.0001g〜1.5gの範囲の量、例えば0.001mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲の量が挙げられる。
本発明による化合物は、遊離の形態または塩の形態、任意選択で溶媒和物の形態で投与することができる。塩の形態、任意選択で溶媒和物の形態である本発明による化合物は、遊離の形態、任意選択で非溶媒和の形態である本発明の化合物と本質的に同じ活性を示す。
本発明による化合物またはその医薬製剤は、好ましくは肺内投与または非経口投与することができ、特に好ましくは肺内投与である。
本発明による医薬製剤は、好適な様式、例えば公知の方法に類似した様式、例えば、混合、顆粒化、コーティング、溶解、凍結乾燥法によって生成することができる。
配列番号1のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号2のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号3のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号4のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号5のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号6のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号7のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物のHPLCクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、吸収(mAU=ミリ吸収単位(Milli Absorption Unit))をy軸にプロットし、時間(分)をx軸にプロットする。 配列番号1のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号2のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号3のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号4のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号5のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号6のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号7のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。 配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物のパッチクランプ測定のクロマトグラムを示す図である。クロマトグラムにおいて、電流強度(pA=ピコアンペア)をy軸にプロットし、時間(sec=秒)をx軸にプロットする。
配列番号1のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号1のアミノ酸配列を含む化合物を、表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、N末端リシンの側鎖のε−アミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1886.1であった。
配列番号2のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号2のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、N末端オルニチンの側鎖のδ−アミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1872.4であった。
配列番号3のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号3のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素とアミノ−ペンタン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方においてアミノ−ペンタン酸のアミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1857.0であった。
配列番号4のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号4のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素とγ−アミノ酪酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方においてγ−アミノ酪酸のアミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1843.0であった。
配列番号5のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号5のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素とγ−アミノ酪酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方においてγ−アミノ酪酸のアミノ基の窒素とC末端アスパラギン酸の側鎖のカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1901.0であった。
配列番号6のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号6のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と3−アミノ−プロパン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方において3−アミノ−プロパン酸のアミノ基の窒素とC末端グルタミン酸の側鎖のカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1901.0であった。
配列番号7のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号7のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と7−アミノ−へプタン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方において7−アミノ−へプタン酸のアミノ基の窒素とC末端チロシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1828.0であった。
配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物の合成
配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物を、実施例1の表1に記載される工程でFmoc固相合成法により完全に自動的に合成した。
閉環は、一方においてN末端グリシンのアミノ基の窒素と6−アミノ−ヘキサン酸のカルボキシル基の炭素C1との間のアミド結合の形成によって、かつ他方において6−アミノ−ヘキサン酸のアミノ基の窒素とC末端グリシンのカルボキシル基の炭素との間のアミド結合の形成によって行った。
続いて、逆相HPLCによってペプチドを調べた。純度は95%を上回った。分子量は1873.0であった。
パッチクランプ実験
9a.細胞培養
電気生理学実験をヒトA549細胞(ATTC番号CCL−185)に行った。A549細胞は、ヒト肺上皮細胞であり、この細胞は肺における水および電解質の拡散に関与する。細胞を、1%のペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%のウシ胎仔血清を含むRPMI−1640培地(Sigma−Aldrich、製品番号R6504)に懸濁させ、プラスチック製細胞培養容器に移し、95%空気および5%CO2で37℃のインキュベータで培養した。培地は週に2〜3回交換した。細胞は、約22時間以内に倍増するが、7×104個/cm2を超える細胞密度には至らなかった。
9b.化合物の添加
顕微鏡で細胞を観察した。観察することで、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列を含む化合物のそれぞれの添加が形態または細胞増殖に全く変化を及ぼさず、それぞれの添加によって細胞死が起こらないことが判明した。
9c.パッチクランプ実験
パッチクランプ実験のために、細胞を小さなガラス板上に移した。
9d.パッチクランプ測定
「ホールセル(whole cell)」構造の「パッチクランプ」技法(Hamillら、Pflugers Arch.1981、391(2):85〜100.、1981)において、A549細胞から巨視的電流が放電された。「ホールセル」構造での電流散逸には、以下の槽溶液および電極溶液を用いた。
槽溶液:135mMメタンスルホン酸ナトリウム、10mM NaCl、2.7mM KCl、1.8mM CaCl2、2mM MgCl2、5.5mMグルコース、および10mM HEPES、pH7.4。
電極溶液:120mMメタンスルホン酸カリウム、15mM KCl、6mM NaCl、1mM Mg2ATP、2mM Na3ATP、10mM HEPES、および0.5mM EGTA(pH7.2)。
細胞が培養されているカバーガラスを1mlの容量の試験槽(test bath)に移し、顕微鏡台(Axiovert100、倍率400倍)上に固定し、上記の槽溶液で細胞を灌流した。その後すぐに、(カバーガラスに付着した)適切な細胞から電流が放電された。このため、電解質溶液が充填された微小電極(3〜5Ωの電極チップの抵抗に相当する、約1〜3μmの規定の加熱研磨(heat−polish)された先端開口部を有するガラス毛管)を細胞上に配置し、膜を吸引して、漏れ電流を最小限に抑えるために膜と電極との間に「ギガオームシール」を形成した。「ホールセル」構造において、膜は電極チップの真下を貫通するので、細胞の全てのイオンチャネルを流れる電流を測定することができた。ギガオームシールを得ると、膜を保持する規定の電位を前置増幅器(CV−4 Headstage、Axon Instruments)および増幅器(Axopatch 1D、Axon Instr.)を介して適用し、それによってイオンチャネルを流れる電流を測定した。
パルスプロトコル(pulse protocol)は、5秒間−100mVまで細胞膜が過分極し、その後20mVずつ+100mVまで徐々に脱分極することから構成された。
このプロトコルは、環状有機分子の添加前(対照)および添加後に行った。このようにして得られた電流散逸はプログラムPCLAMP6.0によって記憶され分析された。このために、アミロライドの存在下で得られた電流散逸が先に記録された電流から差し引かれ、それによって上皮ナトリウムチャネルを通るアミロライド感受性ナトリウム電流を決定することができた。
9d.結果
本発明による化合物によるナトリウムイオンチャネルの調節
パッチクランプ測定を用いて、ベクトルイオンチャネルを調節する能力について本発明による化合物を試験した。それによって、本発明による化合物にはベクトルイオンチャネルを調節する能力があることが明らかになった。
さらに、本発明による化合物を文献により公知のペプチドと比較し、公知のペプチドの活性と比較した本発明による化合物の活性を決定した。
結果を表2にまとめる。
表2から分かるように、本発明による化合物の活性は、構造が異なる公知のペプチド化合物の活性よりも驚くほど高い。

Claims (12)

  1. 環式有機化合物であって、
    配列番号9のアミノ酸配列GQRETPEGAEAKPWYに加えて1つまたは2つのさらなるアミノ酸を含み、
    C末端カルボキシル基および/またはN末端アミノ基を有さず、
    閉環があるアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸のC末端との間で形成されるか、または閉環が非天然アミノ酸によって行われ、
    1つまたは2つのさらなるアミノ酸の一つは非天然アミノ酸であり、
    非天然アミノ酸が、オルニチンまたはω−アミノ酸から選択される化合物であるか、または、
    前記環式有機化合物は、配列番号1の化合物:
    である、環式有機化合物。
  2. ω−アミノ酸が、ω−アミノ−(C 3-12 )−アルカン酸である、請求項1に記載の化合物。
  3. ω−アミノ酸が、3−アミノ−プロパン酸、γ−アミノ酪酸、5−アミノ−ペンタン酸、6−アミノ−ヘキサン酸および7−アミノ−へプタン酸から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 非天然アミノ酸が、アミド結合を介して連結した、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 閉環が、非天然アミノ酸であるオルニチンの側鎖と天然アミノ酸のC末端との間で形成された、請求項1に記載の化合物。
  6. 天然アミノ酸がグリシンである、請求項5に記載の化合物。
  7. 化合物が以下式の化合物:
    である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 塩の形態である、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の化合物を含む、医薬組成物。
  10. 請求項1から7のいずれかに記載の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバントと組み合わせて含むことを特徴とする、医薬製剤。
  11. 少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバントが、担体および希釈剤からなる群から選択される、請求項10に記載の医薬製剤。
  12. 請求項11に記載の医薬製剤であって、担体および希釈剤からなる前記群が、充填剤、結合剤、崩壊剤、フロー調整剤、滑沢剤、香味剤、糖または甘味料、香料、防腐剤、安定効果を有する物質、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝液(混合物)から選択される少なくとも1つである、該医薬製剤。
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