JP5779384B2 - 着色剤 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等のメタリック塗装仕上げ、プラスチックの装飾仕上げ、印刷インキ等に使用される着色剤に関する。特に、金属顔料、より好適にはアルミニウム顔料を基体粒子とする着色剤に関する。さらに、その着色剤を配合してなるコーティング組成物にも関する。
一般的に、着色剤には、有機顔料または無機顔料などの着色顔料が使用される。これらの着色剤に対して、隠蔽性またはメタリック感を付与することを目的として、金属顔料、特にアルミニウム顔料等の基体粒子に着色顔料を付着させた着色剤が開発されている。
金属顔料に着色顔料を付着させた着色剤は、鮮やかな色調が得られるとともに下地色の隠蔽性が良いという点で優れた性能を有している。これらの着色剤には、ジケトピロロピロール系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、スレン系、ペリノン系、ペリレン系、キノフタロン系、フタロシアニン系等の有機顔料や酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料が使用されている。
たとえば、特開昭58−141248号公報(特許文献1)には、メタリック顔料表面に重合性二重結合を有するモノマーからなるポリマーによって着色顔料を均一に付着せしめた着色メタリック顔料、特表平05−508424号公報(特許文献2)には、特に金属である薄片と、その上に保持されて固体着色金属顔料を包み込んだ重合体マトリックスとの組合わせからなる着色顔料、特開平01−315470号公報(特許文献3)には、メタリック顔料の表面に、二重結合を有する1種以上のカルボン酸を熱重合した、1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸を介して着色顔料を化学吸着させてなる着色メタリック顔料、特開平09−040885号公報(特許文献4)には、着色顔料100重量部に対し0.2〜100重量部の一塩基性芳香族カルボン酸を着色顔料の表面に被覆させてなることを特徴とする表面処理着色顔料、特開平09−059532号公報(特許文献5)には、表面に有機着色顔料の蒸着層を有する着色金属フレーク顔料、特開平09−124973号公報(特許文献6)には、着色顔料100重量部に対し0.2〜100重量部の分子中に2個のアミノ基を有し、カルボキシル基を持たないアミノ化合物を着色顔料の表面に被覆させてなることを特徴とする表面処理着色顔料、がそれぞれ提案されている。
特開昭58−141248号公報 特表平05−508424号公報 特開平01−315470号公報 特開平09−040885号公報 特開平09−059532号公報 特開平09−124973号公報
上記の各提案では、基体粒子に対して十分にかつ均一に着色顔料を付着させることが困難な場合があり、特に高い彩度を備えた着色剤を得る場合に問題があった。また、着色顔料が一部遊離していたり、基体粒子上で凝集する傾向があり、このような着色剤を塗料や溶剤に分散すると、着色顔料の脱落が起こりやすいという問題もあった。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、高彩度を有し、かつ着色顔料の脱落を低減した着色剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を種々検討した結果、表面に着色顔料が付着していない基体粒子が存在すると、その基体粒子からの光の直接反射により彩度が低下するとの知見が得られた。このため、本発明者らは、各基体粒子の表面に均一に着色顔料を付着せしめ、かつ一旦付着した着色顔料の脱落を低減することができれば、上記の課題を解決することができるとの知見の下、さらに研究を重ねることにより、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の着色剤は、基体粒子と、該基体粒子の表面に形成された有機燐酸化合物層と、該有機燐酸化合物層の表面に付着された着色顔料とを含むことを特徴とする。
ここで、該有機燐酸化合物層は、少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成されることが好ましく、少なくとも2個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成されることがより好ましい。
また、該基体粒子は、金属顔料であることが好ましく、アルミニウム顔料であることがより好ましい。また、本発明の着色剤は、該着色顔料上に、さらに樹脂被覆層が形成されていることが好ましい。
また、本発明は、上記の着色剤を配合してなるコーティング組成物にも係わる。
本発明の着色剤は、上記の構成を備えることにより、高彩度を有し、かつ着色顔料の脱落を低減したという優れた効果を示す。
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
<着色剤>
本発明の着色剤は、基体粒子と、該基体粒子の表面に形成された有機燐酸化合物層と、該有機燐酸化合物層の表面に付着された着色顔料とを含む構造を基本構造とする。以下、各構成要素をさらに詳細に説明する。
<基体粒子>
本発明の着色剤を構成する基体粒子としては、たとえば金属顔料、マイカ、フレーク状ガラス、金属酸化物(アルミナ、シリカ等)、非酸化物セラミックス(グラファイト、炭化珪素、窒化珪素等)、樹脂(PET、ポリエチレン等)等を挙げることができる。これらの中でも、金属顔料が好ましく、特にアルミニウム顔料が好ましい。
金属顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、銀、鉄、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属により構成される金属顔料およびこれらの金属を含む合金により構成される金属顔料が挙げられる。
これらの金属顔料の中でもアルミニウムからなるアルミニウム顔料は、反射率が高く金属光沢に優れ、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。なお、このような金属顔料には、無機化合物粒子(ガラス、マイカ、およびアルミナまたはチタニアなどのセラミックス粒子等)の表面にめっき等により金属による被膜を形成することによりメタリック感を呈するようにした粒子も含まれる。
以下、このような金属顔料として特に好適なアルミニウム顔料について説明する。ここで、本発明に用いるアルミニウム顔料の組成としては、アルミニウムのみから構成されていてもよいし、またアルミニウム基合金から構成されていてもよく、アルミニウムの純度は特に限定されない。
また、本発明に用いるアルミニウム顔料の形状は、粒状、板状、塊状、フレーク状(鱗片状)などの種々の形状のものを用いることができるが、塗膜に優れたメタリック感および輝度を与えるためにはフレーク状であることが好ましい。
そして、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であればより好ましい。また、この平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であればより好ましい。
平均粒径が1μm以上である場合、製造工程での取り扱いが容易であり、アルミニウム顔料は凝集しにくい傾向を示し、平均粒径が100μm以下である場合、塗料として使用した場合に塗膜表面が荒れるのを防止でき、好ましい意匠を実現できる。
さらに、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均厚みは、特に限定されるものではないが、0.02μm以上であることが好ましく、特に0.1μm以上であることがより好ましい。また、平均厚みは、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であればより好ましい。この平均厚みが0.02μm以上である場合、製造工程の容易さの点で有利であり、平均厚みが5μm以下である場合、塗膜等のコーティング組成物の外観の点で有利である。
ここで、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均粒径は、レーザー回折法などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布に基づき、その体積平均を算出して求められる。また、平均厚みについては、アルミニウム顔料の隠ぺい力と密度より算出される。
また、本発明に用いるアルミニウム顔料の表面には、粉砕助剤が付着していてもよい。このような粉砕助剤としては、従来公知のものを特に限定することなく用いることができる。
また、本発明に用いるアルミニウム顔料を得る方法としては、特に限定されず、たとえばボールミルやアトライターミルの中で粉砕媒体の存在下、原料となるアルミニウム粉末を脂肪酸等の粉砕助剤を用いて粉砕もしくは磨砕することにより製造されるものでもよいし、フィルム上にアルミニウムを蒸着させたアルミニウム蒸着箔を破砕することにより得られるものでもよい。上記粉砕媒体としては、ミネラルスピリット、ソルベントナフサなどの高引火点の鉱物油を使用することができる。
なお、以上の説明は、アルミニウム顔料以外の金属顔料についても同様である。
<有機燐酸化合物層>
本発明の有機燐酸化合物層は、有機燐酸化合物で構成され、基体粒子の表面に形成される。この有機燐酸化合物層は、着色顔料と強固に付着し、以って着色顔料を基体粒子上に均一かつ強固に付着させる作用を有する。したがって、本発明の着色剤は、主としてこの有機燐酸化合物層の作用により、高彩度を有し、かつ着色顔料の脱落を低減したという優れた効果を示すものとなる。
このような有機燐酸化合物層は、基体粒子の表面に有機燐酸化合物が化学的または物理的に吸着して形成されていると推察される。また、有機燐酸化合物層は、基体粒子の表面に有機燐酸化合物が層状態で形成されていてもよいし、層状態ではなく当該表面に有機燐酸化合物が点在する状態で形成されていてもよい。すなわち、本発明における有機燐酸化合物層は、有機燐酸化合物が基体粒子の表面上に連続層の状態で存在する場合だけではなく、有機燐酸化合物が層を構成せず基体粒子の表面上に点在して存在する場合も含むものとする。要するに、本発明における有機燐酸化合物層は、後に付着する着色顔料の付着量に対応する量で存在していればよく、その存在状態が限定されるものではない。よって、本発明では、このように有機燐酸化合物が点在する状態であっても、有機燐酸化合物層として表現するものとする。
このような有機燐酸化合物層を構成する有機燐酸化合物は、燐酸のOH基の一部が有機系の置換基で置換された構造を有する化合物を意味する。このような有機燐酸化合物は、特に限定されないが、たとえば、有機燐酸エステルを挙げることができる。有機燐酸エステルとしては、たとえば、ステアリルアシッドホスフェート、ミリスチルアシッドホスフェート、パルミチルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアシッドホスフェート、n−デシルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ヘキシルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート等を挙げることができる。
また、このような有機燐酸化合物層は、少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成されることが好ましく、このような化合物としては、たとえば少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸エステルを挙げることができる。少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸エステルとしては、たとえば、オレイルアシッドフォスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシプロピルアシッドフォスフェート等の重合性二重結合を1個有する有機燐酸化合物を挙げることができる。
また、本発明の有機燐酸化合物層は、着色顔料をさらに強固に付着することができるため、少なくとも2個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成されることが好ましく、このような化合物としては、たとえば少なくとも2個の重合性二重結合を有する有機燐酸エステルを挙げることができる。少なくとも2個の重合性二重結合を有する有機燐酸エステルとしては、たとえば、ビス(2−クロロエチル)ビニルホスホネート、ジ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、トリ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジ−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、トリ−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジアリルジブチルホスホノサクシネート等の重合性二重結合を二個以上有する有機燐酸化合物等を挙げることができる。
本発明においては、このように有機燐酸化合物層を構成する有機燐酸化合物として少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物を用いることが好ましく、重合性二重結合を少なくとも2個有する化合物を用いることがより好ましい。これは、着色顔料の付着性が特に良いという理由によるものである。
有機燐酸化合物の使用量は、特に限定されないが、基体粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。0.1質量部以上であれば着色顔料の付着性の点で有利であり、10質量部以下であれば着色剤を使用した塗膜等のコーティング膜の膜性能(多すぎると密着性、耐候性等が低下する)の点で有利である。
なお、本発明の着色剤において、このような有機燐酸化合物層の存在は、ICP(Inductively Coupled Plasma)分析法等によるP(燐)の検出および定量により特定することができる。
<着色顔料>
本発明の着色顔料は、有機燐酸化合物層の表面に付着するものである。本発明において、上記の基体粒子は、主として下地色を隠蔽したり金属光沢を付与する作用を有するものであり、色彩的には無彩色となることが多いため、この着色顔料は、主として有彩色の色彩を付与する作用を有するものであるが、これのみに限定されることはなく、たとえば白色や黒色等の無彩色を付与する作用を有していてもよい。
このような着色顔料は、従来公知の顔料を特に限定することなく使用することができる。たとえば、次のようなものを例示することができる。
すなわち、ジケトピロロピロール系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、スレン系、ペリノン系、ペリレン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アゾメチン金属錯体系、インダンスロン系、アントラキノン系、ベンゾイミダゾロン系、トリフェニルメタン系、アントラピリミジン系、等の有機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、バナジウム酸ビスマス、複合酸化物焼成顔料、チタンブラック、酸化チタン、超微粒子酸化チタン等の無機顔料等を挙げることができる。
具体的にはフタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、アゾメチン金属錯体、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、縮合アゾ、トリフェニルメタン、キノフタロン、アントラピリミジン、酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、バナジウム酸ビスマス、複合酸化物焼成顔料、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、超微粒子酸化チタンなどが例示できる。
基体粒子への付着性、耐候性および着色力の面から特に好ましい顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、キナクリドンマルーン、キナクリドンゴールド、ジケトピロロピロール、イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ、アントラピリミジンイエロー、ジオキサジンバイオレット、ペリレンマルーン、アゾメチン銅錯体、透明酸化鉄、カーボンブラック、超微粒子酸化チタン等を挙げることができる。
このような着色顔料の一次粒子径については、特に限定されないが、好ましくは0.01〜1μmの範囲内、より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲内のものが使用できる。一次粒子径が0.01μm以上の場合には顔料の分散が困難となる危険性が少なく、一次粒子径が1.0μm以下の場合には基体粒子表面に均一に付着させることが困難となる危険性が少ない。
着色顔料の付着量は、有機燐酸化合物層を形成した基体粒子100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下、より好ましくは10質量部以上100質量部以下である。付着量は、基体粒子の比表面積に応じて適宜調整することが好ましい。付着量が1質量部未満の場合は最終的に得られる着色剤について十分な彩度が得られず、また付着量が200質量部を超える場合は、基体粒子が金属顔料の場合、最終的に得られる着色剤の光輝感が低下する。
なお、着色顔料は付着性を向上させるために下記のような化合物で表面が処理されていることがより好ましい。
すなわち、このような化合物としては、たとえばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ステアリルプロピレンジアミン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、安息香酸、安息香酸ビニル、サリチル酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香酸、p−アミノサリチル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、ナフテン酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、ケイ皮酸、アミノケイ皮酸等を挙げることができるが、これらのみに限定されるものではない。
<樹脂被覆層>
本発明の着色剤は、有機燐酸化合物層の表面に付着された着色顔料上に、さらに樹脂被覆層が形成されていることが好ましい。この樹脂被覆層の形成により着色顔料の付着がより強固なものとなる。
樹脂被覆層の組成は特に限定されないが、たとえばラジカル重合性樹脂により構成されていることが好ましい。これは、樹脂被覆層がより緻密で耐溶剤性に優れた層となるため、着色顔料の脱落や変質が生じにくくなるためである。
このようなラジカル重合性樹脂により樹脂被覆層を形成する場合、ラジカル重合性樹脂の量は、基体粒子100質量部に対し、0.5〜100質量部、より好ましくは5〜30質量部が適当である。ラジカル重合性樹脂の量は、目的とする樹脂被覆層の厚み、金属顔料の比表面積、被覆するラジカル重合性樹脂の密度等を勘案して適宜決定することができる。
なお、このようなラジカル重合性樹脂で構成される樹脂被覆層の厚みは特に限定されないが、5nm以上200nm以下であれば不都合を伴うことなく着色顔料の付着を強固なものとすることができるため好ましい。厚みの測定方法は、走査電子顕微鏡等による着色剤の断面観察により測定できる。
基体粒子に付着した着色顔料の表面をこのようなラジカル重合性樹脂で被覆する具体的な方法は、着色顔料が付着した基体粒子を炭化水素系あるいはアルコール系溶媒(好ましくは炭化水素系溶剤)に分散した分散体に、モノマーおよび/またはオリゴマーと過酸化ベンゾイル、過酸化イソブチル、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤とを添加し、撹拌させながら加熱してモノマーおよび/またはオリゴマーをラジカル重合させ、該着色顔料表面に析出させる方法が好ましい。
この場合、重合開始剤の添加量は、モノマーおよび/またはオリゴマー100質量部に対して1質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。重合反応は、無酸素雰囲気、たとえば窒素、アルゴン等の不活性ガス中で行なうことが望ましい。反応温度は50〜150℃、より好ましくは70〜100℃が適当である。また、反応時間は30分以上30時間以下が好ましい。
上記のモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、下記のものが例示される。
すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ポリブタジエン、アマニ油、大豆油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジビニルベンゼンモノオキサイド、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシプロピルアシッドフォスフェート、ビス(2−クロロエチル)ビニルホスホネート、ジ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、トリ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジ−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、トリ−2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、ジアリルジブチルホスホノサクシネート、アクリル変性ポリエステル(重合度2〜20程度)、アクリル変性ポリエーテル(重合度2〜20程度)、アクリル変性ウレタン(重合度2〜20程度)、アクリル変性エポキシ(重合度2〜20程度)、アクリル変性スピラン(重合度2〜20程度)等が挙げられるがこれらに限定するものではない。
中でも、当該モノマーおよび/またはオリゴマーとして、重合性二重結合を2個以上有するモノマーおよび/またはオリゴマーを使用した場合には、3次元架橋したラジカル重合性樹脂からなる樹脂被覆層が形成される点で有利である。
なお、上記の有機燐酸化合物層が少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成される場合、樹脂被覆層の形成時において、樹脂被覆層を構成するモノマーやオリゴマーの一部が、有機燐酸化合物の一部と反応していても差し支えない。
なお、本発明の着色剤中において、樹脂被覆層がラジカル重合性樹脂で構成されているか否かの同定は、質量分析法、NMRなどによる重合開始剤残基の分析、より簡易的には分子量、分子量分布、ガラス転移点、有機溶剤への溶解性などにより確認することができる。
<本発明の着色剤の製造方法>
本発明の着色剤は、以下に挙げるような方法により製造することができるが、これのみに限定されるものではない。
<有機燐酸化合物層形成工程>
まず、基体粒子の表面に有機燐酸化合物層を形成する。有機燐酸化合物層を基体粒子の表面に形成する方法としては、たとえば有機燐酸化合物を基体粒子の表面に吸着させる方法が挙げられる。たとえば、次のような方法により実行することができる。
すなわち、有機燐酸化合物を下記に例示するような溶剤に溶解した溶液に基体粒子を接触させ、所定の温度で所定時間分散することにより、基体粒子の表面に有機燐酸化合物を吸着させることができる。
上記の溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、グリセリン、アリルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジメチルスルホキシド等を例示できる。
また、基体粒子を接触させる方法としては、スラリー状態で処理する方法やペースト状態で混練する方法等を採用することができるがこれらのみに限定されるものではない。また、処理温度も限定されないが、5℃以上100℃以下、好ましくは30℃以上70℃以下で行なうことが好ましい。また処理時間も特に限定されないが、1分以上180分以下、好ましくは10分以上60分以下とすることが好ましい。
<着色顔料付着工程>
続いて、上記のようにして基体粒子の表面上に形成された有機燐酸化合物層の表面に着色顔料を付着させる。この付着方法は、たとえば、次のような方法により実行することができる。
すなわち、まず第1段階として、着色顔料を溶媒中、好ましくは非極性溶媒中で分散し、着色顔料の分散体(スラリー)を作製する。この際、上述したように着色顔料の付着性を向上させるためにエチレンジアミン等の特定の化合物で着色顔料の表面を処理することを目的として、分散体中に当該特定の化合物を添加してもよい。また、この分散体中には、必要に応じて、界面活性剤やキレート化合物等の分散剤を添加してもよい。
ここで、非極性溶媒としては、沸点範囲が100〜250℃程度である脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびそれらの混合溶媒等が好適に使用され得る。具体的には、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、灯油、ミネラルスピリット、石油ベンジン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じてアルコールまたはエステル系溶剤を着色顔料の分散の補助として少量添加しても良い。
また、着色顔料を分散する方法は特に限定されないが、たとえば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等による粉砕媒体を使った分散方法が挙げられる。分散時間も特に限定されないが30分から30時間の範囲内であることが、着色剤の意匠性(30分以下では意匠性低下)、および生産性(30時間以上では生産性が悪い)の理由により好適である。また分散時の温度も特に限定されず、0℃から100℃の範囲内であればよい。
次いで第2段階として、上記で作製した着色顔料の分散体に有機燐酸化合物層が形成された基体粒子を加えてさらに分散し、着色顔料を有機燐酸化合物の表面に付着させる。この場合の分散方法としては、上述の分散方法の他にスターラーやディスパーによる攪拌も好適である。
この第2段階での分散時間も特に限定されないが30分から30時間の範囲内であることが着色顔料の分散度合(30分以下では顔料が十分分散できない)および生産性(30時間以上では生産性低下)の理由により好適である。また分散時の温度も特に限定されず、0℃から100℃の範囲内であればよい。
このような方法により、基体粒子の有機燐酸化合物層の表面に着色顔料が付着した本発明の着色剤を得ることができる。なお、上記の記載からも明らかなように、有機燐酸化合物層の表面への着色顔料の付着は、物理吸着または化学吸着と考えられる。
なお、上記において第1段階と第2段階を分けて説明したが、必ずしもこの順序で行なわなければならないとする理由はなく、第1段階と第2段階の順序を逆にする方法や第1段階および第2段階で使用される全ての成分を一度に添加して分散する方法も本発明の効果が損なわれない限り採用することができる。
<樹脂被覆層形成工程>
本発明の着色剤は、所望により上記の着色顔料上に、さらに樹脂被覆層を形成することができる。この樹脂被覆層の形成は、既に上記の樹脂被覆層の項で説明した方法により形成することができる。
<コーティング組成物>
本発明は、上記で説明した着色剤を配合してなるコーティング組成物にも係わる。このようなコーティング組成物は、通常、着色剤と樹脂成分と溶剤とを含むものである。
本発明のコーティング組成物中の着色剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下、より好ましくは1質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。着色剤が0.1質量部より少ないと目的とする意匠性が得られず、50質量部より多いと塗膜の鮮映性が低下する。
本発明のコーティング組成物中の溶剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下、より好ましくは5質量部以上50質量部以下とすることが好ましい。溶剤が1質量部より少ないとコーティング組成物中への着色剤の分散性が不十分となり、100質量部より多いとコーティング組成物を乾燥・硬化させる際に蒸発する溶剤による環境汚染が問題となる。
本発明のコーティング組成物に配合される樹脂成分は、特に限定はないが、たとえば熱硬化型アクリル樹脂/メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂/CAB(セルロースアセテートブチレート)/メラミン樹脂、熱硬化型ポリエステル(アルキド)樹脂/メラミン樹脂、熱硬化型ポリエステル(アルキド)/CAB/メラミン樹脂、イソシアネート硬化型ウレタン樹脂/常温硬化型アクリル樹脂、水希釈型アクリルエマルジョン/メラミン樹脂等を例示することができる。
本発明のコーティング組成物に配合される溶剤は、特に限定されないが、水、アルコール系、グリコール系、ケトン系、エステル系等の親水性溶剤(たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸プロピル等)、芳香族系、脂環族系、炭化水素系溶剤等の油性溶剤(たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット等)を使用することができる。
また、このようなコーティング組成物には、必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、沈降防止剤、硬化触媒等の添加剤や、他の着色顔料を配合することもできる。
このようなコーティング組成物の具体例としては、たとえば塗料、インキ、塗膜等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
<有機燐酸化合物層形成工程>
基体粒子として市販のアルミニウム顔料を用いた。このアルミニウム顔料は、それを含むペースト(商品名:「TCR2060」、東洋アルミニウム(株)製、平均粒径18μm)をミネラルスピリットで洗浄し、次いで濾過することにより、ペースト状の形態を有するものであった。濾過後のペーストの不揮発成分(アルミニウム顔料)は70質量%(残部はミネラルスピリット)であった。
このアルミニウム顔料をプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄した。そして、この洗浄されたアルミニウム顔料200g(固形分換算)を、有機燐酸化合物であるジ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート2g(基体粒子に対し1質量%)をプロピレングリコールモノブチルエーテル400gに溶解した溶液に投入し、75℃で1時間攪拌してスラリーを得た。得られたスラリーを固液分離し、基体粒子の表面に有機燐酸化合物を吸着させることにより有機燐酸化合物層が形成された着色剤前駆体ペースト(固形分70質量%)を得た。
<着色顔料付着工程>
直径1mmのガラスビーズ500gを挿入した直径5cm、内容積500ccのポットミルに、着色顔料として市販のフタロシアニンブルー顔料(商品名:「リオノールブルーPM7185」(一次平均粒子径0.02μm)、東洋インキ製造(株)製)20g、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.5g(着色顔料に対し2.5質量%)およびミネラルスピリット30gを加え、24時間ボールミルにより着色顔料を分散した。
その後、上記のポットミルに、上記の有機燐酸化合物層形成工程を経た着色剤前駆体ペースト42.9g(固形分として30g)およびミネラルスピリット30gを添加し、さらに1時間ボールミルにより分散した。この工程により着色剤前駆体の有機燐酸化合物層の表面に着色顔料を付着させた。
このようにして得られたスラリーをミネラルスピリット500gで洗浄することにより、ガラスビーズと目的物とを分離し、その後濾過することにより、基体粒子の表面上に形成された有機燐酸化合物層の表面に着色顔料が付着した本発明の着色剤を得た。
<樹脂被覆層形成工程>
上記で得られた着色剤20g(固形分として)をミネラルスピリット200gに分散させたスラリーに、アクリル酸0.3g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3g、スチレン0.3g、エポキシ化ポリブタジエン0.3gを添加し、窒素中で80℃で加熱撹拌しながら、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリル0.05gを添加してこれらのモノマーをラジカル重合させることにより、上記で得られた着色剤の着色顔料上にラジカル重合性樹脂で構成される樹脂被覆層を形成した。
この処理後、スラリーを固液分離することにより、着色顔料上に樹脂被覆層が形成された本発明の着色剤をペースト状態(固形分60質量%)で得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、極めて高彩度の青色を呈した。
<実施例2>
<有機燐酸化合物層形成工程>
基体粒子として市販のアルミニウム顔料を用いた。このアルミニウム顔料は、それを含むペースト(商品名:「TCR2060」、東洋アルミニウム(株)製、平均粒径18μm)をミネラルスピリットで洗浄し、次いで濾過することにより、ペースト状の形態を有するものであった。濾過後のペーストの不揮発成分(アルミニウム顔料)は70質量%(残部はミネラルスピリット)であった。
このアルミニウム顔料をプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄した。そして、この洗浄されたアルミニウム顔料200g(固形分換算)を、有機燐酸化合物であるモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート2g(基体粒子に対し1質量%)をプロピレングリコールモノブチルエーテル400gに溶解した溶液に投入し、75℃で1時間攪拌してスラリーを得た。得られたスラリーを固液分離し、基体粒子の表面に有機燐酸化合物を吸着させることにより有機燐酸化合物層が形成された着色剤前駆体ペースト(固形分70質量%)を得た。
<着色顔料付着工程>
直径1mmのガラスビーズ500gを挿入した直径5cm、内容積500ccのポットミルに、着色顔料として市販のジケトピロロピロール顔料(商品名:「イルガジンDPP Rubine TR」(粒径0.02μm)、BASF社製)20g、o−アミノ安息香酸0.5g(着色顔料に対し2.5質量%)およびミネラルスピリット30gを加え、24時間ボールミルにより着色顔料を分散した。
その後、上記のポットミルに、上記の有機燐酸化合物層形成工程を経た着色剤前駆体ペースト42.9g(固形分として30g)およびミネラルスピリット30gを添加し、さらに1時間ボールミルにより分散した。この工程により着色剤前駆体の有機燐酸化合物層の表面に着色顔料が付着した。
このようにして得られたスラリーをミネラルスピリット500gで洗浄することにより、ガラスビーズと目的物とを分離し、その後濾過することにより、基体粒子の表面上に形成された有機燐酸化合物層の表面に着色顔料が付着した本発明の着色剤(固形分60質量%)を得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、極めて高彩度の赤色を呈した。
<実施例3>
実施例1に対して、着色顔料として、市販のフタロシアニンブルー顔料に変えて市販のグリーン顔料(商品名:「L8730」、BASF社製)を用いたことを除き、他は全て実施例1と同様にして、本発明の着色剤(樹脂被覆層も形成したもの)を得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、極めて高彩度の緑色を呈した。
<実施例4>
実施例1に対して、有機燐酸化合物として、ジ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート2gに変えてオレイルアシッドホスフェート2gを用いたことを除き、他は全て実施例1と同様にして、本発明の着色剤(樹脂被覆層も形成したもの)を得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、極めて高彩度の青色を呈した。
<実施例5>
実施例2に対して、基体粒子として、市販のアルミニウム顔料に変えて市販のフレーク状ガラス(商品名:「M2025PS」、日本板硝子(株)製)を用いたことを除き、他は全て実施例2と同様にして、本発明の着色剤(樹脂被覆層を形成していないもの)を得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、極めて高彩度の赤色を呈した。
<実施例6>
実施例1に対して、有機燐酸化合物として、ジ−2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート2gに変えてラウリルアシッドホスフェート2gを用いたことを除き、他は全て実施例1と同様にして、本発明の着色剤(樹脂被覆層も形成したもの)を得た。
このようにして得られた本発明の着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料である本発明のコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、高彩度の青色を呈した。
<比較例1>
実施例1に対して、有機燐酸化合物層を形成しなかったことを除き、他は全て実施例1と同様にして着色剤(樹脂被覆層も形成したもの、固形分60質量%)を得た。
このようにして得られた着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料であるコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、青色のメタリック色を呈したが、彩度は劣っていた。
<比較例2>
実施例2に対して、有機燐酸化合物層を形成しなかったことを除き、他は全て実施例2と同様にして着色剤(樹脂被覆層を形成していないもの、固形分60質量%)を得た。
このようにして得られた着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料であるコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、赤色のメタリック色を呈したが、彩度は劣っていた。
<比較例3>
実施例3に対して、有機燐酸化合物層を形成しなかったことを除き、他は全て実施例3と同様にして着色剤(樹脂被覆層も形成したもの、固形分60質量%)を得た。
このようにして得られた着色剤2.5g(固形分として)を市販のアクリルラッカー(商品名:「オートクリヤー」、日本ペイント(株)製)50gに分散させることにより、塗料であるコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、250μmドクターブレードを用いて両面アート紙に塗布することにより、塗板を作製した。得られた塗板は、緑色のメタリック色を呈したが、彩度は劣っていた。
以上の実施例1〜6および比較例1〜3について、次のような試験を行なった。
<試験1>
実施例1〜6および比較例1〜3で作製した各塗板の彩度値をマルチアングル分光測色計(商品名:「X-Rite MA-68II」、X-Rite社製)を用いて測定した。彩度値(C*)は、入射角45°、オフセット角15°における測定値であるa*値およびb*値を用い、次式により計算した。彩度値(C*)は、数値が高い程、高彩度であることを示す。その結果を表1に示す。
彩度値(C*)=(a*2+b*21/2
<試験2>
容量20mlの試験管に、実施例1〜6および比較例1〜3で得られた各着色剤を固形分として0.2gおよび酢酸エチル20gを加え、よく振って分散させた後、3時間静置し、着色顔料の溶出状態を観察した。この試験において、着色顔料の付着力が不十分な場合には上澄み液が溶出した着色顔料によって着色し、付着力が良好な場合には上澄み液が透明となる。上澄み液の透明度を目視評価し、下記の4段階で示した。上澄み液が無色透明に近い程、着色顔料の脱落が低減されていることを表わす。その結果を表1に示す。
A:無色透明である。
B:透明であるが、僅かに着色している。
C:透明であるが着色している。
D:不透明で着色している。
Figure 0005779384
表1より明らかなように、本実施例の着色剤は、比較例の着色剤に比し、高彩度を有し、かつ着色顔料の脱落が低減されていることを確認することができた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (7)

  1. 基体粒子と、該基体粒子の表面に形成された有機燐酸化合物層と、該有機燐酸化合物層の表面に付着された着色顔料とを含む、着色剤。
  2. 前記有機燐酸化合物層は、少なくとも1個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成される、請求項1に記載の着色剤。
  3. 前記有機燐酸化合物層は、少なくとも2個の重合性二重結合を有する有機燐酸化合物で構成される、請求項1に記載の着色剤。
  4. 前記基体粒子は、金属顔料である、請求項1〜3のいずれかに記載の着色剤。
  5. 前記基体粒子は、アルミニウム顔料である、請求項1〜3のいずれかに記載の着色剤。
  6. 前記着色顔料上に、さらに樹脂被覆層が形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の着色剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の着色剤を配合してなるコーティング組成物。
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