JP5796202B2 - 透明電極およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、透明電極およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、各種デバイスの電極用途に用いられる透明電極およびその製造方法に関する。
デジタル機器・情報端末の普及に伴い、スマートフォン等を含む携帯端末、コンピュータ、電子手帳、携帯ゲーム機、デジタルカメラ等において、データ入力を行うための入力装置の1つとしてタッチパネルが多用されている。タッチパネルは、高い透明性を有しており、入力面に接触または接近した指やペンの位置を感知することによりデータ入力を直感的に操作できる。
タッチパネルの電極として使用される透明電極は、可視光領域の高い透過率と高い導電性とが求められる。またこのような透明性を有する電極は、太陽電池や液晶表示素子、その他各種受光素子の電極、帯電防止膜等にも利用されている。特に太陽電池、液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンス等のような表示素子や、それに用いられているタッチパネルに対しては低抵抗な透明電極が求められる。
このような透明電極の透明導電性薄膜材料として、「酸化インジウムに対してスズ(錫)をドーパントとして含むITO膜」が現在最も工業的に利用されている。かかるITO膜は、特に低抵抗な膜であり、容易に得ることができる。しかしながら、その主原料であるIn元素は現在枯渇が懸念されるため、ITOに代わる透明性と導電性とを有する膜形成可能な材料につき開発が行われている。
ITOの代替として用いられる金属酸化物としては、酸化スズ(SnO2)や、それに対しアンチモンをドーパントとして含むもの(ATO)やフッ素をドーパントとして含むもの(FTO)が利用されている。また、酸化亜鉛(ZnO)や、それに対しアルミニウムをドーパントとして含むもの(AZO)やガリウムをドーパントとして含むもの(GZO)なども利用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このような金属酸化物から透明電極を形成するには蒸着法、スパッタリング法やイオンプレーティング法などの物理的成膜法、または化学気相成長(CVD)法などの化学的成膜法が多く用いられている。しかしながら、これら製造方法では製膜速度が非常に遅く製造コストが高くなるだけでなく、真空装置を用いるがゆえに真空容器の大きさに依拠して製膜の大きさが制限されてしまい、大型の透明電極を製造できない等の問題があった。
上記問題点に鑑み、塗布法で成膜することによって、CVD法などに比べて簡易な設備で生産性良く製造する方法が提案されている(例えば、「特開2010−126402号公報」参照)。本願発明者らは、かかる製造方法に関連してタッチパネルに用いられる透明電極の研究・開発を行っており、特に金属化合物系透明導電性薄膜を用いた透明電極の構成などにつき検討を重ねている。
例えば静電容量方式のタッチパネルに使用するには上部電極と下部電極との2層の透明電極が必要である。一般的には、まず基板上に透明導電性薄膜を形成した積層体を2組用意する。そして、上部電極の配線パターンおよび下部電極の配線パターンを設けた後、かかる2組を相互に位置合わせして、“電気的絶縁性を有する接着層”によってそれらを貼り合わせてタッチパネルを製造している。本願発明者らは、かかる構成ではタッチパネルの層数が増えてしまい、総厚さも大きくなるため可視光領域の透過率を低化させる原因となることを見出した。また、製造時においては貼付時の上部電極と下部電極との位置合わせや、層間に気泡が噛みこまないようにするなどの煩雑なプロセスを多く伴い、必ずしも好適とはいえないことも見出した。更には、接着層を介して貼り合わせて形成していること自体で層間剥離を誘発し得ることも見出した。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的の1つは、「従来必須とされてきた “接着層”を備えた電極構成」に取って代わる革新的な構成を備えると共に、生産性向上にも資する透明電極を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明では、
透明電極であって、
支持基板、
支持基板上に設けられた第1透明導電性膜、
第1透明導電性膜上に設けられた透明絶縁性膜、および
透明絶縁性膜上に設けられた第2透明導電性膜
を有して成り、
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極が提供される。
透明電極であって、
支持基板、
支持基板上に設けられた第1透明導電性膜、
第1透明導電性膜上に設けられた透明絶縁性膜、および
透明絶縁性膜上に設けられた第2透明導電性膜
を有して成り、
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極が提供される。
本発明の特徴の1つは、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成ることであり、いわゆる“接着層・接着剤層”を用いていないことである。特に好ましくは本発明の透明電極では、“金属化合物を構成する金属元素”が、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜との間で同一である(つまり、これらの3つの透明薄膜における金属化合物は、同一種類の金属に基づく化合物となっている)。
また、本発明では、上記透明電極を製造するための方法も提供される。かかる本発明の製造方法は、
所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって、その支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成しており、
(i)支持基板に第1透明導電性膜原料を塗布して支持基板上に第1透明導電性膜を形成する工程、
(ii)第1透明導電性膜に透明絶縁性膜原料を塗布して第1透明導電性膜上に透明絶縁性膜を形成する工程、および
(iii)透明絶縁性膜に第2透明導電性膜原料を塗布して透明絶縁性膜上に第2透明導電性膜を形成する工程
を含んで成り、
第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっており、工程(i)および(iii)で形成される第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、工程(ii)で形成される透明絶縁性膜が非結晶構造を有している。
所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって、その支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成しており、
(i)支持基板に第1透明導電性膜原料を塗布して支持基板上に第1透明導電性膜を形成する工程、
(ii)第1透明導電性膜に透明絶縁性膜原料を塗布して第1透明導電性膜上に透明絶縁性膜を形成する工程、および
(iii)透明絶縁性膜に第2透明導電性膜原料を塗布して透明絶縁性膜上に第2透明導電性膜を形成する工程
を含んで成り、
第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっており、工程(i)および(iii)で形成される第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、工程(ii)で形成される透明絶縁性膜が非結晶構造を有している。
本発明の製造方法の特徴の1つは、「結晶構造を有する第1透明導電性膜および第1透明導電性膜のための原料」および「非結晶性の透明絶縁性膜のための原料」の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっていることである。特に本発明の製造方法では、“有機金属化合物を構成する金属元素”を、好ましくは、第1透明導電性膜原料、第2透明導電性膜原料および透明絶縁性膜原料との間で全て同一にする(つまり、これらの3つの透明膜の原料となる有機金属化合物を、同一種類の金属に基づく化合物とする)。
本発明の透明電極では、従来必須と考えられてきた“接着層”を用いておらず、それゆえ、積層数が減じられている。従って、例えば本発明の透明電極をタッチパネル用途に用いた場合、薄く透明性の高いタッチパネルを実現することができる。また、接着層を用いていないといえども、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜とが全て同じ金属元素に基づく金属化合物から成り、それゆえに膜相互の密着性は良好であり、層間剥離が防止されている。
また、本発明の製造方法は、膜原料として全て同一金属ベースの原料を用いていると共に、それら原料をスプレー法などの塗布法で順次に積層していくので、比較的簡易な製造プロセスが実現されている。
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。まず、本発明の透明電極について説明し、次いで、本発明の製造方法を説明する。尚、図面に示す各種の要素は、本発明の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比や外観などは実物と異なり得ることに留意されたい。また、本発明に係る透明電極は、特にタッチパネル用途に好適に用いることができるものの、[産業上の利用可能性]で説明するように、透明性が求められる各種デバイスの電極用途にも好適に用いることができる。
[本発明の透明電極構成]
図1に、本発明の透明電極の構成を模式的に示す。図示されるように、本発明の透明電極100は、支持基板10、第1透明導電性膜20、透明絶縁性膜30および第2透明導電性膜40を有して成る。具体的には、支持基板10上に第1透明導電性膜20が設けられ、その第1透明導電性膜20上に透明絶縁性膜30が設けられ、そして、その透明絶縁性膜30上に第2透明導電性膜40が設けられている。つまり、本発明の透明電極100においては、基板10上にて第1透明導電性膜20と第2透明導電性膜40との間に透明絶縁性膜30が配置された構成となっている。
図1に、本発明の透明電極の構成を模式的に示す。図示されるように、本発明の透明電極100は、支持基板10、第1透明導電性膜20、透明絶縁性膜30および第2透明導電性膜40を有して成る。具体的には、支持基板10上に第1透明導電性膜20が設けられ、その第1透明導電性膜20上に透明絶縁性膜30が設けられ、そして、その透明絶縁性膜30上に第2透明導電性膜40が設けられている。つまり、本発明の透明電極100においては、基板10上にて第1透明導電性膜20と第2透明導電性膜40との間に透明絶縁性膜30が配置された構成となっている。
特に本発明においては、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜30は金属化合物を含んでいる。また、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜30が非結晶構造を有している。
かかる3つの透明膜材質の金属化合物につき、それを構成する金属元素が同一となっていることが好ましい。つまり、第1透明導電性膜20、第2透明導電性膜40および透明絶縁性膜30に含まれる金属化合物につき、その構成金属元素の種類が全て互いに同じとなっていることが好ましい。このような金属(金属元素)として例えば亜鉛(Zn)を挙げることができる。
第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、透明絶縁性膜30とは対照的に“結晶構造”を有している。その一方、透明絶縁性膜30は、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40とは対照的に“非結晶構造”を有している。第1透明導電性膜20/第2透明導電性膜40の“結晶性”と、透明絶縁性膜30の“非結晶性”とは、XRD分析(X線回折)を用いることにより確認することができる。この点、XRD分析(X線回折)において明確に回折ピークを有するものは“結晶構造”を有するものとされ、回折ピークがみられないものが“非結晶構造”を有するものとされる。
本発明の透明電極において、支持基板10は、その上に設けられる透明薄膜を支える機能を少なくとも有している。例えば透明電極がタッチパネル用透明電極として用いられる場合、支持基板10は、タッチパネルとして利用される際に透過率を損なうことのない透過率の高い材料から構成されていることが好ましい。かかる支持基板10としては、例えばガラスもしくはプラスチック樹脂などからなる基板や、樹脂フィルムを挙げることができる。樹脂フィルムは、ポリエステルフィルム(PENフィルム、PETフィルムなど)、アラミドフィルムまたはポリイミドフィルムなどであってよい。支持基板10の厚さについていえば、例えば透過率の向上を主たる目的とする場合、100μm以下(即ち、0(0μmを含まず)〜100μm)であってよい。
第1透明導電性膜20、第2透明導電性膜40および透明絶縁性膜30は、それらの名称が示すように“透明”となっている。ここで、本発明にいう「透明」(即ち、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜における“透明”)とは、可視光領域(波長:約400nm〜約700nm)における平均透過率が80%以上となる態様を実質的に意味している。つまり、第1透明導電性膜20、第2透明導電性膜40および透明絶縁性膜30につき波長400nm〜700nmの光透過率が80%以上となっている。
本発明において、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、それらの名称が示すように「導電性」を有している。ここで、本発明にいう「導電性」(即ち、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜における“導電性”)とは、膜のシート抵抗が1×103Ω/□以下となる態様を実質的に指している。その一方、本発明において、透明絶縁性膜30は、その名称が示すように「電気的な絶縁性(即ち、電気的に高抵抗な性質)」を有している。ここで、本発明にいう「絶縁性」(即ち、透明絶縁性膜における“絶縁性”)とは、膜のシート抵抗が1×106Ω/□以上となる態様を実質的に意味している。
第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、いわゆる“薄膜”の形態を有している。この点、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、好ましくはそれぞれ2μm以下の厚み(0(0を含まず)〜2μm、例えば0.5μm〜2μmの厚み)を有している。2μmよりも厚くなると膜内応力に起因してクラックが発生し、電気的特性が低下する原因となったり、あるいは、白濁に起因して透過率が低下する原因となったりすることが懸念されるからである。
第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、上述したように、双方とも結晶構造を有している。第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40の材質を構成する金属化合物は、例えば亜鉛化合物であってよい。ここで、好ましくは3つの透明膜における金属化合物が同一の金属元素を含むことに鑑みれば、透明絶縁性膜30に含まれる金属化合物もまた亜鉛化合物となる。つまり、ある好適な態様では、第1透明導電性膜20、第2透明導電性膜40および透明絶縁性膜30に含まれる金属化合物が全て亜鉛化合物(即ち、Zn化合物)となっている。
より具体的な態様としては、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40には酸化亜鉛が少なくとも含まれる一方、透明絶縁性膜30には水酸化亜鉛が少なくとも含まれる。つまり、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40の主たる膜構成材料は酸化亜鉛(ZnO)となっている一方、透明絶縁性膜30の主たる膜構成材料は水酸化亜鉛(Zn(OH)2)となっている。尚、製膜プロセスに起因して第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が“酸化亜鉛”以外に水酸化亜鉛を不可避的に含み得る場合があり、その逆で、透明絶縁性膜30が“水酸化亜鉛”以外に酸化亜鉛を不可避的に含み得る場合がある。ここで、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が酸化亜鉛を含んで成る一方、透明絶縁性膜30が水酸化亜鉛を含んで成る場合では、非結晶性の透明絶縁性膜30を介すことで第1透明導電性膜20と第2透明導電性膜40とが電気的に絶縁されており、それによって、支持基板10上にて2層の透明導電層を備えた積層構造が設けられている。
“結晶性”を有する第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40は、針状の結晶構造を有していることが好ましい。つまり、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が、それぞれ、先端の角ばった形状の微細結晶からなることが好ましい。このような針状結晶は、好ましくは支持基板に対して略垂直な方向に配向していることが好ましい(即ち、角ばった先端が支持基板の主面に対して略垂直な方向に向いていることが好ましい)。第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が酸化亜鉛(ZnO)を含んで成る場合では、酸化亜鉛結晶が針状の結晶構造を有していることが好ましく、更には、そのような針状の酸化亜鉛結晶が支持基板に対して略垂直な方向に配向していることが好ましい(つまり、酸化亜鉛結晶が全体として略一定の方向に向いていることが好ましいといえる)。
一方、“非結晶性”の透明絶縁性膜30は、結晶構造を有しておらず、それゆえに“一定の方向に配向した構造”となっていない(つまり、ある態様では“アモルファス形態”を有しているといえる)。この点、例えば、透明絶縁性膜が水酸化亜鉛を含んで成る場合、透明絶縁性膜30は球状・球形状の粒子を含んでいることが好ましい。透明絶縁性膜30の厚さについていえば、例えば1μm以上であってよく、その上限値は特に制限ないものの例えば5μm程度である。
本発明の透明電極においては、第1透明導電性膜20、第2透明導電性膜40および透明絶縁性膜30のうちの少なくとも1つが第3B族元素を含有していてもよい。これにより、“透明性”や“導電性”などの物性が特に意図的に制御され得る。好ましくは、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が第3B族元素を含有している。より具体的に例でいうと、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が“結晶性を有する酸化亜鉛”から成る場合、その“結晶性を有する酸化亜鉛”のドーパントとして第3B族元素を含有していてよい。つまり、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)およびIn(インジウム)から成る群から選択される少なくとも1種類の元素をドーパント元素として含有していることが好ましく、また、将来的なインジウム枯渇の観点でいえばInを除くB(ホウ素)、Al(アルミニウム)およびGa(ガリウム)から成る群から選択される少なくとも1種類の元素をドーパント元素として含有していることが好ましい。尚、特にGa(ガリウム)元素は、膜平坦化にも寄与するので、かかる観点を重視するならGa(ガリウム)元素が特に好ましいといえる。尚、第1透明導電性膜20に含有される第3B族元素と、第2透明導電性膜40に含有される第3B族元素とが相互に異なる種類の元素であってもよい。これにより、第1透明導電性膜20と第2透明導電性膜40とで導電性などの諸物性を適宜変えることができ、透明電極として設計自由度が増すことになる。同様に、透明導電性膜20,40と透明絶縁性膜30との間でドーパント元素の種類が異なっていてもよい。
本発明の透明電極においては、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40がパターニングされた形態を有していてよい。“パターニングされた形態”は、例えばタッチパネル用途により適した透明電極の実現に資する。この点、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が酸化亜鉛を含んで成る場合でいうと、かかる“酸化亜鉛”は酸性またはアルカリ性のいずれでも容易にエッチングされ得る材質であるので、製造プロセスの自由度は増したものとなる。
本発明の透明電極においては、支持基板10の表面にガスバリア膜が設けられていてもよい。つまり、支持基板10と第1透明導電性膜20との間に薄膜状態の層が設けられていてよい。かかるガスバリア膜によって、「基板10から第1透明導電性膜20への不純物イオン、ガスおよび/または水分の進入・拡散」を防ぐことができる。あくまでも例示にすぎないが、支持基板の表面に設けられるガスバリア膜は、酸化珪素および/または窒化珪素を含んで成るものであってよい。
以上説明してきた本発明の透明電極では積層数が減じられている。よって、例えば本発明の透明電極がタッチパネル用透明電極として用いられる場合、薄い透明性の高いタッチパネルが実現される(つまり、いわゆる“接着層”を用いていないので積層数が総じて減じられており、向上した透過率が達成されている)。また、接着層を用いずとも、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜が全て同じ金属ベースの材質からなるので相互の密着性は良好であり、層間剥離などが好適に防止されている。そして、そのように電極薄膜層の全てが同じ金属ベースの材質から成るものであっても、少なくとも“結晶性”と“非結晶”との違いによって“導電性”と“絶縁性”との物性の違いが発現されており、電極として好適な積層構造が実現されている。
より具体的にいえば、本発明においては、レアメタルが含まれるITO(Snをドープした酸化インジウム)を用いるのではなく、材料資源が豊富で低コストな材料である酸化亜鉛系を用いており、そのような材料であっても、透明電極に好適な積層構造を実現している。本発明の透明電極がタッチパネル用透明電極として用いられる場合では特に、「タッチパネルに好適な多層の透明電極構成」が透過率を低下させずに実現される。この点、層間の接着剤層を不要とつつも、透明導電性薄膜層および絶縁性層で「亜鉛化合物を主成分とした同系材料」が用いられているので層間の密着強度は比較的高いものとなっている。
[本発明の製造方法]
次に、本発明の製造方法について説明する。かかる本発明は、上記透明電極の製造方法であって、所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成している。つまり、本発明では、設定温度に加熱した基板上に層(特にナノオーダーの層)を順次堆積させて膜形成を行う。
次に、本発明の製造方法について説明する。かかる本発明は、上記透明電極の製造方法であって、所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成している。つまり、本発明では、設定温度に加熱した基板上に層(特にナノオーダーの層)を順次堆積させて膜形成を行う。
本発明にいう「所定温度」とは、膜形成に必要な温度のことを実質的に意味している。つまり、本発明の製造方法では、第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜が“加熱された支持基板”の熱に起因して各塗布原料から形成されることになるが、その膜形成に必要とされる温度が「所定温度」に相当する。
まず、工程(i)を実施する。つまり、図2(a)および(b)に示すように、支持基板10に第1透明導電性膜原料を塗布して支持基板10上に第1透明導電性膜20を形成する。
用いられる支持基板は、ガラス基板、プラスチック樹脂基板ないしは樹脂フィルムなどであってよい(熱に対する寸法安定性が優れる点を特に重視すると“ガラス基板”が好ましい)。支持基板は、市販の基板をそのまま用いてもよいし、あるいは、常套の作成法で基板を作製してもよい。 “ガスバリア膜”を設ける場合では、表面にガスバリア膜が設けられた支持基板を用意することが好ましい。例えば、マグネトロンスパッタ法により、酸化珪素や窒化珪素をスパッタすることによって、支持基板の表面にガスバリア膜を形成することができる。
第1透明導電性膜原料は、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料である。「有機金属化合物」は、それを構成する金属元素が、他の膜原料(“透明絶縁性膜原料”および“第2透明導電性膜原料”)における有機金属化合物の金属元素と同一となっていることが好ましい。また、得られる膜材質(金属化合物)はこの有機金属化合物の種類に依存する。あくまでも例示にすぎないが、第1透明導電性膜原料に含まれる「有機金属化合物」は有機亜鉛化合物(好ましくはジエチル亜鉛)であってよい。一方、第1透明導電性膜原料に含まれる「有機溶媒」は、有機金属化合物の媒体となるものであれば、いずれの種類の溶媒であってよい。例えば、「有機溶媒」としては、ヘキサンやヘプタン、トルエンなどを用いることができる。また、アルコール系溶媒として脱水したイソプロピルアルコール、電子供与性を持つ溶媒としてのトリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒等も「有機溶媒」として用いることができる。これらの溶媒が複数混合されているものであっても構わない。尚、ドーピングを行う場合では、第1透明導電性膜原料に、ドープ原料を添加しておけばよい。かかるドープ原料としては、第3B属金属の化合物(第3B属金属塩)、例えば、第3B属金属を含んだ塩化化合物、硝酸化合物、酢酸化合物または有機金属化合物などを挙げることができる。
第1透明導電性膜原料は、流動性を有するものであり、それゆえ、適当な塗布法を用いて支持基板上に第1透明導電性膜原料を塗布することができる。この点、好ましくはスプレー法を用いて第1透明導電性膜原料を支持基板に塗布し、それによって、第1透明導電性膜を形成してもよい(図3参照)。スプレー法では、図3に示すように、第1透明導電性膜原料を大気圧下でキャリアガスと混合し、その混合物をスプレーノズルを介して支持基板に噴霧してよい。スプレー法においてノズルから吐出される原料液滴の大きさは、支持基板に着弾するまでの溶媒の蒸発しやすさや、支持基板上への付着性や面内の均一な塗膜性などの諸条件を考慮して決定することが好ましい。例示すると、スプレーノズルから吐出される原料液滴は、1〜50μmの範囲(より好ましくは1〜30μmの範囲)で均一な大きさとなっているものが好ましい。
加熱された支持基板10上に対して塗布された第1透明導電性膜原料は熱処理に付され、それによって、第1透明導電性膜原料から第1透明導電性膜が形成される。換言すれば、“設定温度に加熱した支持基板”からの熱に起因して、第1透明導電性膜が第1透明導電性膜原料から形成される。ここで、支持基板の加熱温度は、その次の工程(ii)における“支持基板の加熱温度”と異なることが好ましい。つまり、「第1透明導電性膜を形成するための工程(i)」と「透明絶縁性膜を形成するための工程(ii)」との間で支持基板の加熱温度を変えることが好ましい。
本発明では、「工程(i)の第1透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」を「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」よりも高くすることによって、逆にいえば、「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」を「工程(i)の第1透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」よりも低くすることによって、得られる膜の“結晶”/“非結晶”を調整することが好ましい。つまり、「工程(i)における支持基板の設定温度」を「工程(ii)における支持基板の設定温度」よりも高くすること、逆にいえば、「工程(ii)における支持基板の設定温度」を「工程(i)における支持基板の設定温度」よりも低くすることによって、第1透明導電性膜を“結晶構造”を有するように形成できる一方、透明絶縁性膜を“非結晶構造”を有するように形成できる。
より具体的な例でいうと、第1透明導電性膜原料および透明絶縁性膜原料(後述する)に含まれる「有機金属化合物」が有機亜鉛化合物(例えばジエチル亜鉛)である場合、「工程(i)における支持基板」を100℃以上に加熱する一方、「工程(ii)における支持基板」を100℃未満で加熱することによって、第1透明導電性膜(即ち、「亜鉛化合物から成る第1透明導電性膜」)を“結晶構造”を有するように形成できる一方、透明絶縁性膜(即ち、「亜鉛化合物から成る透明絶縁性膜」)を“非結晶構造”を有するように形成できる。「工程(ii)における支持基板」の加熱温度における下限値は、特に制限はないものの、例えば“室温程度(20℃〜25℃程度)”であってよい
工程(i)に引き続いて工程(ii)を実施する。つまり、図2(b)および(c)に示すように、第1透明導電性膜20に透明絶縁性膜原料を塗布して第1透明導電性膜20上に透明絶縁性膜30を形成する。
透明絶縁性膜原料は、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料である。「有機金属化合物」は、それを構成する金属元素が、他の膜原料(“第1透明導電性膜原料”および“第2透明導電性膜原料”)における有機金属化合物の金属元素と同一となっていることが好ましい。また、得られる膜材質(金属化合物)はこの有機金属化合物の種類に依存する。あくまでも例示にすぎないが、透明絶縁性膜原料に含まれる「有機金属化合物」は有機亜鉛化合物(好ましくはジエチル亜鉛)であってよい。一方、透明絶縁性膜原料に含まれる「有機溶媒」は、有機金属化合物の媒体となるものであれば、いずれの種類の溶媒であってもよい。例えば、「有機溶媒」として、ヘキサンやヘプタン、トルエンなどを用いることができる。また、アルコール系溶媒として脱水したイソプロピルアルコール、電子供与性を持つ溶媒としてのトリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒等も「有機溶媒」として用いることができる。これらの溶媒が複数混合されているものであっても構わない。尚、ドーピングを行う場合では、透明絶縁性膜原料にドープ原料を添加しておけばよい。かかるドープ原料としては、上記と同様、第3B属金属の化合物、即ち、第3B属金属を含んだ塩化化合物、硝酸化合物、酢酸化合物または有機金属化合物などを用いてよい。
透明絶縁性膜原料も、第1透明導電性膜原料と同様、流動性を有するものであり、それゆえ、適当な塗布法を用いることによって第1透明導電性膜20上に透明絶縁性膜原料を塗布することができる。この点、上記で触れたように、スプレー法を用いて透明絶縁性膜原料を塗布し、それによって、透明絶縁性膜を形成してよい(図3参照)。
第1透明導電性膜20上に塗布された透明絶縁性膜原料は熱処理に付されるが、“第1透明導電性膜原料”と同様、設定温度に加熱した支持基板からの熱に起因して、透明絶縁性膜原料から透明絶縁性膜が形成される。上記で触れたように、「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」は「工程(i)の第1透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」と変えることによって、透明絶縁性膜を“非結晶構造”を有するように形成できる。具体的には、「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」を「工程(i)の第1透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」よりも低くすることによって、透明絶縁性膜を“非結晶構造”を有するように形成できる。より具体的な例では、透明絶縁性膜原料および第1透明導電性膜原料に含まれる「有機金属化合物」が有機亜鉛化合物(例えばジエチル亜鉛)である場合、「工程(ii)における支持基板」を100℃未満で加熱することによって、「亜鉛化合物から成る透明絶縁性膜」を“非結晶構造”を有するように形成できる(尚、「工程(i)における支持基板」は100℃以上に加熱することによって、「亜鉛化合物から成る結晶性の第1透明導電性膜」が形成される)。
工程(ii)に引き続いて工程(iii)を実施する。つまり、図2(c)および(d)に示すように、透明絶縁性膜30に第2透明導電性膜原料を塗布して透明絶縁性膜30上に第2透明導電性膜40を形成する。
かかる第2透明導電性膜原料は、第1透明導電性膜原料と同じであってよい。この点、原料に含まれる「有機金属化合物」は、それを構成する金属元素が、他の膜原料(“第1透明導電性膜原料”および“透明絶縁性膜原料”)における有機金属化合物の金属元素と同一となっていることが好ましい。また、得られる膜材質(金属化合物)はこの有機金属化合物の種類に依存し、例えば第2透明導電性膜原料に含まれる「有機金属化合物」が有機亜鉛化合物(好ましくはジエチル亜鉛)であってよい。第2透明導電性膜原料に含まれる「有機溶媒」は、第1透明導電性膜原料におけるものと同じものであってよい。尚、第2透明導電性膜と第1透明導電性膜との間で異なる種類の元素でドーピングを行う場合では、これら原料に添加するドープ原料を相互に変えればよい。
第2透明導電性膜原料も、第1透明導電性膜原料・透明絶縁性膜原料と同様、流動性を有するものであり、それゆえ、適当な塗布法を用いて透明絶縁性膜30上に第2透明導電性膜原料を供給することができる。特にスプレー法を利用して第2透明導電性膜原料を塗布することが好ましい(図3参照)。
透明絶縁性膜30上に塗布された第2透明導電性膜原料は熱処理に付されるが、“第1透明導電性膜原料”および“透明絶縁性膜原料”と同様、設定温度に加熱した支持基板からの熱に起因して、第2透明導電性膜原料から第2透明導電性膜が形成される。上記で間接的に触れたように、「工程(iii)の第2透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」を「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」と変えることによって、第2透明導電性膜を“結晶構造”を有するように形成できる。具体的には、「工程(iii)の第2透明導電性膜形成のための支持基板の加熱温度」を「工程(ii)の透明絶縁性膜形成のための支持基板の加熱温度」よりも高くすることによって、第2透明導電性膜を“結晶構造”を有するように形成できる。より具体的な例では、第2透明導電性膜原料および透明絶縁性膜原料に含まれる「有機金属化合物」が有機亜鉛化合物(例えばジエチル亜鉛)である場合、「工程(iii)における支持基板」を100℃以上で加熱することによって「亜鉛化合物から成る透明導電性膜」を“結晶構造”を有するように形成できる(尚、「工程(ii)における支持基板」を100℃未満で加熱することによって「亜鉛化合物から成る非結晶構造を有する透明絶縁性膜」が形成される)。
以上のような工程(i)〜(iii)を経ると、最終的に、支持基板10上において第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜30の全てが同一金属元素を含み、かつ、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40が結晶性を有する一方、透明絶縁性膜30が非結晶性を有する透明電極を得ることができる。
本発明の製造方法では、塗布法による透明薄膜の積層を通じて透明電極を得るので、「貼り合わせを行うための接着層を形成し、かつ、上部電極と下部電極とを位置合わせする」といった従来技術のプロセス工程は省かれている。さらに、本発明の製造方法は、スプレー法を利用して透明薄膜を形成するので、大型の真空装置を必要とせず、大気中において速い成膜速度で形成でき、その結果、工業的に有用な製造プロセスとなっている。また、本発明の製造方法では、全ての膜原料の有機金属化合物を同一にするので、それぞれの膜間の密着性は良く、いわゆる“接着層”を用いる態様と比べて層間密着性が高い。
以下では、本発明の製造方法につき、更に特徴的な事項を個々に説明していく。
本発明の製造方法は、加熱温度を変えることによって、実質的に同一の原料から“透明導電性薄膜”と“透明絶縁性薄膜”とを得ているが、かかる加熱温度は総じて低い。つまり、工程(i)〜(iii)のそれぞれの加熱温度は、総じて300℃以下、好ましくは200℃以下にすることができる。それゆえ、支持基板として樹脂フィルムなるものを用いることができ、設計自由度が高くなる。より具体的には、工程(i)および(iii)における支持基板の加熱を100℃以上にする一方、工程(ii)における支持基板の加熱温度を100℃未満にするが、かかる場合、工程(i)および(iii)における支持基板の加熱を100℃以上かつ300℃以下(好ましくは200℃以下)にできる。
膜原料に用いられる有機金属化合物としては“ジエチル亜鉛”を好適に用いることができる。かかる場合、有機溶媒中にジエチル亜鉛を溶解して成る溶液を大気圧下でキャリアガスと混合して基板にスプレー噴霧することが好ましい(図3参照)。スプレー雰囲気として“室温中で水ないしは水蒸気の存在する大気雰囲気”を用いると、ジエチル亜鉛の反応が好適に進行して、酸化亜鉛を主成分とした薄膜を結果的に得ることができる(図4の化学式参照)。特に第1透明導電性膜および第2透明導電性膜を形成する場合、支持基板を100℃以上かつ300℃以下に加熱した状態にしておき、かかる基板表面に対してスプレー噴霧を実施すると、支持基板上で酸化亜鉛の薄膜を形成することができる(加熱温度は、支持基板の耐熱温度に合わせて変更することができものの、均一な結晶構造を得るためには、100℃以上に支持基板を加熱することが望ましい)。透明絶縁性膜の場合も同様に、有機溶媒中にジエチル亜鉛を溶解して成る溶液を大気圧下でキャリアガスと混合して基板にスプレー噴霧を実施することで形成することができる(図3参照)。特にスプレー雰囲気として“室温中で水ないしは水蒸気の存在する大気雰囲気”を制御することで、ジエチル亜鉛の反応が好適に生じて、水酸化亜鉛を主成分とした薄膜を結果的に得ることができる(図4の化学式参照)。尚、透明絶縁性膜の形成では、スプレー噴霧時の支持基板を「室温以上かつ100℃未満の温度」に加熱した状態にしておくことが好ましい。支持基板の加熱温度がそのような温度であれば、ジエチル亜鉛が堆積するときに結晶成長することなくアモルファスの状態で堆積して“絶縁性の透明薄膜”を形成できるからである。
本発明では、スプレー噴霧に用いるスプレーノズルを支持基板に対して傾斜させた状態で用いてもよい。つまり、「スプレーノズルからの吐出方向」と「支持基板の表面」との成す角度(図3の下側点線内に示すような傾斜角度“α”)が、垂直(90°)でなくてもよく、例えば30°〜85°の範囲であってよい。“傾斜状態”は、一定に固定配置された支持基板に対してスプレーノズルを傾けることによって、あるいはその逆で、一定に固定配置されたスプレーノズルに対して支持基板を傾けることによって得ることができる。このように、スプレーノズルを支持基板に対して傾斜させると、支持基板に対して結晶の成長方向をコントロールすることができ、結晶の配向性の向上を図ることができる。換言すれば、傾斜角度αを調整することによって、結晶の成長方向をコントロールすることができ、結晶の配向性を向上させることができる。例えば、傾斜角度αを約90°にすれば、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜の結晶構造につき、針状結晶を支持基板に対して垂直方向に配向させることができるが、その傾斜角度αを90°以外の角度にすると、その角度に応じて結晶配向を変化させることができる。
本発明では、第1透明導電性膜をパターニング処理に付してもよい。例えば、図5に示すように、支持基板10上に第1透明導電性膜20を形成した後、エッチング液を用いてエッチング処理することによりパターニングを施すことができる。エッチング液としては硝酸、リン酸、硫酸などの酸性溶液や、水酸化ナトリウム溶液のようなアルカリ性溶液を用いることができる。尚、スプレー法を用いる場合では、パターン加工されたマスクを用いて支持基板10上に位置合わせした後、膜原料をスプレー噴霧し、マスクを除去することでパターニングすることができ、ウェットエッチング工程を行うことなくパターニング可能である。尚、この場合、パターン加工されたマスクではなくレジスト材料を用いることも可能である。同様にして、第2透明導電性膜もパターニング処理に付してもよい。具体的には、図5に示すように、透明絶縁性膜30上に第2透明導電性膜40を形成した後、エッチング液を用いてエッチング処理することによりパターニングを施す。しかし、この場合エッチング液としては前記と同様のものを用いることができるものの、透明絶縁性膜30にダメージを与えないようにエッチングレートを考慮して行うことが特に好ましい。そして、スプレー法を用いる場合においては、同様に、パターン加工されたマスクを用いて透明絶縁性膜30上に位置合わせした後、膜原料をスプレー噴霧し、マスクを除去することでパターニングすることもできる。つまり、既に形成された積層体をウェット工程に付すことなくパターン化された第2透明導電性膜40’を得ることができ、各層の吸湿に起因する電気特性劣化を効果的に防ぐことができる。
本発明の製造方法は、第1透明導電性膜に紫外線を照射する工程、および/または、第2透明導電性膜に紫外線を照射する工程を更に含んでいてよい。つまり、第1透明導電性膜20および第2透明導電性膜40に対して紫外線を照射してもよい。紫外線領域の光を照射することによって、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜を低抵抗化させることが可能となるからである。例えば紫外線として185nm〜380nmの光を照射してよい。これにより、透明導電性膜中に存在する“導電性を阻害する不純物残渣を好適に減じることができ、結果的にシート抵抗のより低い透明導電性膜を実現できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の態様が考えられることを当業者は容易に理解されよう。例えば以下の態様が考えられる。
本発明の透明電極では、第2透明導電性膜上に別の付加的な透明絶縁性膜および透明導電性膜を形成し、それによって、更に多層化することも可能である。つまり、第2透明導電性膜上にて少なくとも1つの更なる透明絶縁性膜および少なくとも1つの更なる透明導電性膜を交互に設けてもよく、それによって、支持基板上において透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層した構造を得てもよい。換言すれば、更に多層化した本発明の透明電極は、
支持基板上にて透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層された構造を有しており、
その複数積層された透明導電性膜および透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また、
透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極であるといえる。
このような多層構造の透明電極であっても、複数の透明導電性薄膜の間でドープ材料の異なるものにすることができ、より設計自由度が高い透明電極を実現できる。
支持基板上にて透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層された構造を有しており、
その複数積層された透明導電性膜および透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また、
透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極であるといえる。
このような多層構造の透明電極であっても、複数の透明導電性薄膜の間でドープ材料の異なるものにすることができ、より設計自由度が高い透明電極を実現できる。
最後に、本発明は下記の態様を有するものであることを確認的に付言しておく。
第1態様:透明電極であって、
支持基板、
支持基板上に設けられた第1透明導電性膜、
第1透明導電性膜上に設けられた透明絶縁性膜、および
透明絶縁性膜上に設けられた第2透明導電性膜
を有して成り、
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極。
第2態様:上記第1態様において、金属化合物を構成する金属元素として、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする透明電極。
第3態様:上記第1態様または第2態様において、金属化合物が亜鉛化合物であることを特徴とする透明電極。
第4態様:上記第2態様または第3態様において、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が酸化亜鉛を少なくとも含んで成る一方、透明絶縁性膜が水酸化亜鉛を少なくとも含んで成ることを特徴とする透明電極。
第5態様:上記第1態様〜第4態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜の結晶構造が、針状の結晶となっていることを特徴とする透明電極。
第6態様:上記第5態様において、針状の結晶が支持基板に対して垂直な方向に配向していることを特徴とする透明電極。
第7態様:上記第4態様に従属する上記第5態様または第6態様において、透明絶縁性膜に含まれる水酸化亜鉛が球状を有していることを特徴とする透明電極。
第8態様:上記第1態様〜第7態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜のそれぞれの厚みが2μm以下であることを特徴とする透明電極。
第9態様:上記第1態様〜第8態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜の少なくとも1つが第3B族元素を含有していることを特徴とする透明電極。
第10態様:上記第9態様において、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が第3B族元素を含有していることを特徴とする透明電極。
第11態様:上記第10態様において、第1透明導電性膜に含有される第3B族元素と、第2透明導電性膜に含有される第3B族元素とが相互に異なる種類の元素であることを特徴とする透明電極。
第12態様:上記第1態様〜第11態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜がパターニングされた形態を有していることを特徴とする透明電極。
第13態様:上記第1態様〜第12態様のいずれかにおいて、支持基板と第1透明導電性膜との間にガスバリア膜が設けられていることを特徴とする透明電極。
第14態様:上記第1態様〜第13態様のいずれかにおいて、第2透明導電性膜上にて少なくとも1つの更なる透明絶縁性膜および少なくとも1つの更なる透明導電性膜が交互に設けられ、それによって、支持基板上において透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層した構造を有していることを特徴とする透明電極。
第15態様:上記第1態様〜第14態様のいずれかにおいて、透明電極がタッチパネルに用いられる透明電極であることを特徴とする透明電極。
第16態様:透明電極を製造する方法であって、
所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって、支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成しており、
(i)支持基板に第1透明導電性膜原料を塗布して支持基板上に第1透明導電性膜を形成する工程、
(ii)第1透明導電性膜に透明絶縁性膜原料を塗布して第1透明導電性膜上に透明絶縁性膜を形成する工程、および
(iii)透明絶縁性膜に第2透明導電性膜原料を塗布して透明絶縁性膜上に第2透明導電性膜を形成する工程
を含んで成り、
第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっており、工程(i)および(iii)で形成される第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、工程(ii)で形成される透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極の製造方法。
第17態様:上記第16態様において、有機金属化合物を構成する金属元素として、第1透明導電性膜原料、第2透明導電性膜原料および透明絶縁性膜原料との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする透明電極の製造方法。
第18態様:上記第16態様または第17態様において、有機金属化合物として有機亜鉛化合物を用いることを特徴とする透明電極の製造方法。
第19態様:上記第16態様〜第18態様のいずれかにおいて、工程(i)および(iii)と、工程(ii)とでは、支持基板の加熱温度を相互に変えることを特徴とする透明電極の製造方法。
第20態様:上記第19態様において、工程(i)および(iii)では支持基板の加熱温度を100℃以上にする一方、工程(ii)では支持基板の加熱温度を100℃未満にすることを特徴とする透明電極の製造方法。
第21態様:上記第20態様において、工程(i)〜工程(iii)における支持基板の加熱温度が200℃以下であることを特徴とする透明電極の製造方法。
第22態様:上記第16態様〜第21態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の塗布をスプレー噴霧によって行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
第23態様:上記第22態様において、スプレー噴霧に際しては、そのスプレー噴霧に用いるスプレーノズルを支持基板に対して傾斜させた状態で用いることを特徴とする透明電極の製造方法。
第24態様:上記第16態様〜第23態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜に紫外線を照射する工程、および/または、第2透明導電性膜に紫外線を照射する工程を更に含んで成ることを特徴とする透明電極の製造方法。
第25態様:上記第16態様〜第24態様のいずれかにおいて、透明電極の製造方法が、タッチパネルに用いられる透明電極の製造方法となっていることを特徴とする透明電極の製造方法。
第1態様:透明電極であって、
支持基板、
支持基板上に設けられた第1透明導電性膜、
第1透明導電性膜上に設けられた透明絶縁性膜、および
透明絶縁性膜上に設けられた第2透明導電性膜
を有して成り、
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また
第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極。
第2態様:上記第1態様において、金属化合物を構成する金属元素として、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする透明電極。
第3態様:上記第1態様または第2態様において、金属化合物が亜鉛化合物であることを特徴とする透明電極。
第4態様:上記第2態様または第3態様において、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が酸化亜鉛を少なくとも含んで成る一方、透明絶縁性膜が水酸化亜鉛を少なくとも含んで成ることを特徴とする透明電極。
第5態様:上記第1態様〜第4態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜の結晶構造が、針状の結晶となっていることを特徴とする透明電極。
第6態様:上記第5態様において、針状の結晶が支持基板に対して垂直な方向に配向していることを特徴とする透明電極。
第7態様:上記第4態様に従属する上記第5態様または第6態様において、透明絶縁性膜に含まれる水酸化亜鉛が球状を有していることを特徴とする透明電極。
第8態様:上記第1態様〜第7態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜のそれぞれの厚みが2μm以下であることを特徴とする透明電極。
第9態様:上記第1態様〜第8態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜、第2透明導電性膜および透明絶縁性膜の少なくとも1つが第3B族元素を含有していることを特徴とする透明電極。
第10態様:上記第9態様において、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が第3B族元素を含有していることを特徴とする透明電極。
第11態様:上記第10態様において、第1透明導電性膜に含有される第3B族元素と、第2透明導電性膜に含有される第3B族元素とが相互に異なる種類の元素であることを特徴とする透明電極。
第12態様:上記第1態様〜第11態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜および第2透明導電性膜がパターニングされた形態を有していることを特徴とする透明電極。
第13態様:上記第1態様〜第12態様のいずれかにおいて、支持基板と第1透明導電性膜との間にガスバリア膜が設けられていることを特徴とする透明電極。
第14態様:上記第1態様〜第13態様のいずれかにおいて、第2透明導電性膜上にて少なくとも1つの更なる透明絶縁性膜および少なくとも1つの更なる透明導電性膜が交互に設けられ、それによって、支持基板上において透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層した構造を有していることを特徴とする透明電極。
第15態様:上記第1態様〜第14態様のいずれかにおいて、透明電極がタッチパネルに用いられる透明電極であることを特徴とする透明電極。
第16態様:透明電極を製造する方法であって、
所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって、支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成しており、
(i)支持基板に第1透明導電性膜原料を塗布して支持基板上に第1透明導電性膜を形成する工程、
(ii)第1透明導電性膜に透明絶縁性膜原料を塗布して第1透明導電性膜上に透明絶縁性膜を形成する工程、および
(iii)透明絶縁性膜に第2透明導電性膜原料を塗布して透明絶縁性膜上に第2透明導電性膜を形成する工程
を含んで成り、
第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっており、工程(i)および(iii)で形成される第1透明導電性膜および第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、工程(ii)で形成される透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極の製造方法。
第17態様:上記第16態様において、有機金属化合物を構成する金属元素として、第1透明導電性膜原料、第2透明導電性膜原料および透明絶縁性膜原料との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする透明電極の製造方法。
第18態様:上記第16態様または第17態様において、有機金属化合物として有機亜鉛化合物を用いることを特徴とする透明電極の製造方法。
第19態様:上記第16態様〜第18態様のいずれかにおいて、工程(i)および(iii)と、工程(ii)とでは、支持基板の加熱温度を相互に変えることを特徴とする透明電極の製造方法。
第20態様:上記第19態様において、工程(i)および(iii)では支持基板の加熱温度を100℃以上にする一方、工程(ii)では支持基板の加熱温度を100℃未満にすることを特徴とする透明電極の製造方法。
第21態様:上記第20態様において、工程(i)〜工程(iii)における支持基板の加熱温度が200℃以下であることを特徴とする透明電極の製造方法。
第22態様:上記第16態様〜第21態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料の塗布をスプレー噴霧によって行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
第23態様:上記第22態様において、スプレー噴霧に際しては、そのスプレー噴霧に用いるスプレーノズルを支持基板に対して傾斜させた状態で用いることを特徴とする透明電極の製造方法。
第24態様:上記第16態様〜第23態様のいずれかにおいて、第1透明導電性膜に紫外線を照射する工程、および/または、第2透明導電性膜に紫外線を照射する工程を更に含んで成ることを特徴とする透明電極の製造方法。
第25態様:上記第16態様〜第24態様のいずれかにおいて、透明電極の製造方法が、タッチパネルに用いられる透明電極の製造方法となっていることを特徴とする透明電極の製造方法。
本発明に係る透明電極は、各種デバイスの電極(例えば「高い透過率が求められる多層構造の電極」))として利用することができる。
より具体的には、本発明の透明電極は、高信頼性で高透過率であって、かつ生産性に優れているので、特にタッチパネル用透明電極として有用である(静電容量方式のタッチパネルに用いる場合では、図6に示すように、第1透明導電性薄膜20と第2透明導電性薄膜40とをマトリクス型に形成したタッチパネル用途電極として使用してよい)。更には、本発明は、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池等、透明性が同様に求められる電極用途に対しても好適に利用することができる。
本出願は、日本国特許出願第2012−128890号(出願日:2012年6月6日、発明の名称「透明電極およびその製造方法」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるとする。
10 支持基板
20 第1透明導電性膜
20’ パターニングされた第1透明導電性膜
30 透明絶縁性膜
40 第2透明導電性膜
40’ パターニングされた第2透明導電性膜
100 透明電極(例えば、タッチパネル用透明電極)
20 第1透明導電性膜
20’ パターニングされた第1透明導電性膜
30 透明絶縁性膜
40 第2透明導電性膜
40’ パターニングされた第2透明導電性膜
100 透明電極(例えば、タッチパネル用透明電極)
Claims (25)
- 透明電極であって、
支持基板、
前記支持基板上に設けられた第1透明導電性膜、
前記第1透明導電性膜上に設けられた透明絶縁性膜、および
前記透明絶縁性膜上に設けられた第2透明導電性膜
を有して成り、
前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜ならびにそれらの間に設けられた前記透明絶縁性膜の全てが金属化合物を含んで成り、また
前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、前記透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極。 - 前記金属化合物を構成する金属元素として、前記第1透明導電性膜、前記第2透明導電性膜および前記透明絶縁性膜との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記金属化合物が亜鉛化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜が酸化亜鉛を少なくとも含んで成る一方、前記透明絶縁性膜が水酸化亜鉛を少なくとも含んで成ることを特徴とする、請求項2に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜の前記結晶構造が、針状の結晶となっていることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記針状の結晶が前記支持基板に対して垂直な方向に配向していることを特徴とする、請求項5に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜が酸化亜鉛を少なくとも含んで成る一方、前記透明絶縁性膜が水酸化亜鉛を少なくとも含んで成り、また
前記透明絶縁性膜に含まれる前記水酸化亜鉛が球状を有していることを特徴とする、請求項5に記載の透明電極。 - 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜のそれぞれの厚みが2μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜、前記第2透明導電性膜および前記透明絶縁性膜の少なくとも1つが第3B族元素を含有していることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜が第3B族元素を含有していることを特徴とする、請求項9に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜に含有される第3B族元素と、前記第2透明導電性膜に含有される第3B族元素とが相互に異なる種類の元素であることを特徴とする、請求項10に記載の透明電極。
- 前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜がパターニングされた形態を有していることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記支持基板と前記第1透明導電性膜との間にガスバリア膜が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記第2透明導電性膜上にて少なくとも1つの更なる透明絶縁性膜および少なくとも1つの更なる透明導電性膜が交互に設けられ、それによって、前記支持基板上において透明導電性膜と透明絶縁性膜とが交互に複数積層した構造を有していることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 前記透明電極がタッチパネルに用いられる透明電極であることを特徴とする、請求項1に記載の透明電極。
- 透明電極を製造する方法であって、
所定温度に加熱した支持基板に対して第1透明導電性膜原料、透明絶縁性膜原料および第2透明導電性膜原料を順次塗布し、それによって、該支持基板上にて第1透明導電性膜、透明絶縁性膜および第2透明導電性膜を積層形成しており、
(i)前記支持基板に前記第1透明導電性膜原料を塗布して該支持基板上に前記第1透明導電性膜を形成する工程、
(ii)前記第1透明導電性膜に前記透明絶縁性膜原料を塗布して該第1透明導電性膜上に前記透明絶縁性膜を形成する工程、および
(iii)前記透明絶縁性膜に前記第2透明導電性膜原料を塗布して該透明絶縁性膜上に前記第2透明導電性膜を形成する工程
を含んで成り、
前記第1透明導電性膜原料、前記透明絶縁性膜原料および前記第2透明導電性膜原料の全てが、有機金属化合物および有機溶媒を含んで成る原料となっており、工程(i)および(iii)で形成される前記第1透明導電性膜および前記第2透明導電性膜が結晶構造を有する一方、工程(ii)で形成される前記透明絶縁性膜が非結晶構造を有する、透明電極の製造方法。 - 前記有機金属化合物を構成する金属元素として、前記第1透明導電性膜原料、前記第2透明導電性膜原料および前記透明絶縁性膜原料との間で全て同一となった金属元素が含まれることを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
- 前記有機金属化合物として有機亜鉛化合物を用いることを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
- 工程(i)および(iii)と、工程(ii)とでは、前記支持基板の加熱温度を相互に変えることを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
- 工程(i)および(iii)では前記支持基板の前記加熱温度を100℃以上にする一方、工程(ii)では前記支持基板の前記加熱温度を100℃未満にすることを特徴とする、請求項19に記載の透明電極の製造方法。
- 工程(i)〜工程(iii)における前記支持基板の前記加熱温度が200℃以下であることを特徴とする、請求項20に記載の透明電極の製造方法。
- 前記第1透明導電性膜原料、前記透明絶縁性膜原料および前記第2透明導電性膜原料の前記塗布をスプレー噴霧によって行うことを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
- 前記スプレー噴霧に際しては、該スプレー噴霧に用いるスプレーノズルを前記支持基板に対して傾斜させた状態で用いることを特徴とする、請求項22に記載の透明電極の製造方法。
- 前記第1透明導電性膜に紫外線を照射する工程、および/または、前記第2透明導電性膜に紫外線を照射する工程を更に含んで成ることを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
- 前記透明電極の製造方法が、タッチパネルに用いられる透明電極の製造方法であることを特徴とする、請求項16に記載の透明電極の製造方法。
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