JP5921967B2 - 樹脂複合成形体および樹脂複合成形体を製造する方法 - Google Patents
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Description
本発明のPPS樹脂組成物(X)は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であるPPS樹脂(x1)を含む。
以下に、本発明に用いるPPS樹脂(x1)の製造方法について説明するが、上記構造のPPS樹脂(x1)が得られれば下記方法に限定されるものではもちろんない。
本発明で用いられるポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する芳香族化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
本発明においては、生成するPPS樹脂(x1)の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を分子量調節剤として、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
本発明においては、重合度調節のために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られるPPS樹脂(x1)の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩、水、およびアルカリ金属塩化物が好ましく、更に有機カルボン酸塩としてはアルカリ金属カルボン酸塩が、アルカリ金属塩化物としては塩化リチウムが好ましい。および/または水、塩化リチウムが好ましく用いられる。
本発明においては、重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の
一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
本発明に用いるPPS樹脂(x1)の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。
本発明においては、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることによりPPS樹脂(x1)を製造する。
一般に、最終的には250〜290℃の温度まで昇温し、その温度で通常0.25〜50時間、好ましくは0.5〜20時間反応させる。
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
本発明で用いるPPS樹脂(x1)の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。本発明で用いるPPS樹脂(x1)は、公知の如何なる回収方法を採用しても良い。
本発明で用いられるPPS樹脂(x1)は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)は、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)、および主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)が主たる構成成分であり、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)と、ポリビニルアルコール樹脂(B)と、シランカップリング剤(C)と、酸化防止剤(D)と、を含み、ポリエステルブロック共重合体(A)を66〜98.98質量%、ポリビニルアルコール樹脂(B)を1〜30質量%、シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、並びに酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%の割合で配合してなる。
リン系酸化防止剤とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジァルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あるいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使用が好ましい。
シリンダー温度320℃、金型温度140℃にて、ISO3167に準じた1A形引張試験片(4.0mm厚み)を射出成形し、23℃の温度条件下でISO527−1、−2に準じて測定したものである。この値が高いほど剛性が優れ、好ましい。
1mm厚みのスパイラルフロー金型を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度130℃、射出速度230mm/sec、射出圧力98MPa、射出時間5sec、冷却時間15secの条件で成形し、流動長を測定した。(使用成形機:住友重機製”SE−30D”)流動長が大きいほど流動性に優れ、成形性にも優れる。
90℃で3時間以上熱風乾燥したペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製NEX−1000)を用いて、シリンダー温度210℃と金型温度50℃の成形条件で、120×75×2mm厚角板を成形し角板を3枚重ねた後、JIS K7215に従って測定した。
90℃で3時間以上熱風乾燥したペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製NEX−1000)を用いて、シリンダー温度210℃と金型温度50℃の成形条件で、JIS K−71133 2号ダンベル試験片を成形し、JIS K7113に従って測定した。
ティー・エイ・インスツルメント社製DSC Q100を使用し、10℃/分の昇温速度で常温から240℃まで加熱し融点を測定した。
熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)を、シリンダー温度210℃に設定したインラインスクリュー型射出成形機を用いて、50℃の金型温度(金型キャビティ表面)において、長さ65mm×幅10mm×肉厚2.0mmの板状成形体を得る。次にシリンダー温度320℃、金型温度130℃に設定した成形機の金型キャビティ内に熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の板状部材をセットし、板状部材の長さ方向に10mm重ね合わせた状態で、PPS樹脂組成物(X)を射出成形し長さ65mm×幅10mm×肉厚2.0mmのPPS樹脂組成物(X)の板状部材が、熱可塑性エラストマー樹脂部材(Y)の板状部材と10mm×10mmの面積で接合された複合成形体を得る。その後、PPS樹脂組成物(X)の板状部材と、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の板状部材の端を引張試験機のチャックにはさみ、50mm/分の歪み速度で引張り、接合面の引張せん断によって剥がれる力を測定した。引張せん断によって得られた剥がれ力を接合面積の100mm2で割り算した値を接合力(MPa)として算出した。また、各接合試験片について、耐久性試験として80℃×85%RH×100hrの湿熱処理を施した後にも同様の方法で引張せん断による接合力を測定した。接合力が大きい程気密性に優れ、湿熱処理後の接合力が高い程耐久性に優れている。
長さ60mm×幅20mm×肉厚1.5mmの金属板部材(アルミ)を、下側210℃、上側60℃に設定した熱プレスの下側に配置し1分間放置する。その後、縦横20mm×10mm×厚み0.2mmにプレスした熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなるシートを金属板部材の上に重なるように配置し、さらにシートを介して金属板部材と10mm重ね合わせるように、長さ60mm×幅20mm×肉厚3.0mmのPPS樹脂組成物(X)からなる部材を配置する。その後2MPaの加重で15秒間プレスし熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)シートを溶融させてPPS樹脂組成物(X)部材と金属に接合させる。その後、PPS樹脂組成物(X)/熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)/金属板部材(アルミ)からなる接合体を、上側と下側を35℃に設定したプレスにて、2MPa×20秒間プレスして熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)を固化させることにより、PPS樹脂組成物(X)/熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)/金属板材(アルミ)が200mm2の面積で重ね合わせられた引張せん断試験片を得る。その後、引張せん断試験片の両端を引張試験機のチャックにはさみ、50mm/分の歪み速度で引張り接合面の引張せん断によって剥がれる力を測定した。引張せん断によって得られた剥がれ力を接合面積の200mm2で割り算した値を接合力(MPa)として算出した。また、各接合試験片について、耐久性試験として80℃×85%RH×100hrの湿熱処理を施した後にも同様の方法で引張せん断による接合力を測定した。接合力が大きい程気密性に優れ、湿熱処理後の接合力が高い程耐久性に優れている。
(PPS−1の製造)
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、オートクレーブを200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。その後、p−ジクロロベンゼン10.48kg(71.27モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加え、オートクレーブを窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温した。270℃で100分反応した後、オートクレーブの底栓弁を開放し、窒素で加圧しながら内容物を攪拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去した。得られた固形物およびイオン交換水76リットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した76リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。得られたケークおよびイオン交換水90リットルを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、pHが7になるよう酢酸を添加した。オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水76リットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを窒素気流下、120℃で乾燥することにより、乾燥PPS−1を得た。得られたPPS−1は、溶融粘度が10Pa・sであった。
なお、溶融粘度はキャピログラフ1C(東洋精機(株)社製、ダイス長10mm、孔直径0.5〜1mm)を用い、310℃、剪断速度1000/秒の条件で測定した値である。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.10モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、オートクレーブを200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。その後、p−ジクロロベンゼン10.45kg(71.07モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加え、オートクレーブを窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温した。270℃で100分反応した後、オートクレーブの底栓弁を開放し、窒素で加圧しながら内容物を攪拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去した。得られた固形物およびイオン交換水76リットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した76リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。得られたケークおよびイオン交換水90リットルを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、pHが7になるよう酢酸を添加した。オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水76リットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを酸素気流下、200℃で熱処理し、乾燥PPS−2を得た。得られたPPS−2は、溶融粘度が80Pa・sであった。
(エポキシ樹脂)
x2−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER1007(三菱化学(株)製)エポキシ当量;1750〜2200g/eq。
x2−2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂 jER4010P(三菱化学(株)製)エポキシ当量;4400g/eq。
x3−1:ガラス繊維:ガラスチョップドストランド“ECS 03 T−747H”平均繊維径11μm、繊維長3mm、Eガラス(日本電気硝子製)
なお、上記において、ガラス繊維の平均繊維径は電子走査顕微鏡を用いて常法にて測定した平均繊維径である。
x3−2:炭酸カルシウム:重質炭酸カルシウム“KS−1000”、平均粒子径2.1μm(平均粒子径測定方法;(6×104)/真比重×比表面積)((株)同和カルファイン製)
x3−3:タルク:含水珪酸マグネシウム“タルカンパウダー PK−S”平均粒径9.0μm(林化成(株)製)
PPS樹脂(x1)およびエポキシ樹脂(x2)を、表1、表2に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜320℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いてブレンドした。(x1)、(x2)、(x3−2)および(x−3)を元込め供給し、溶融混練後、サイドフィーダーから充填材(x3−1)ガラス繊維を供給した後、真空状態に曝して発生するガスを除去してペレタイズしてペレット状PPS樹脂組成物(X)を作製した。このペレットを用い、前述の各手段により引張強度、流動性の測定を行った。測定結果を表1、2に記載する。なお、いずれの測定時にも共通し、成形前にはペレットを130℃に温調した熱風乾燥機中にて3時間予備乾燥を行った。
ポリエステルブロック共重合体(A)として東レ・デュポン(株)製ハイトレル4057N(融点:162℃)、ポリビニルアルコール樹脂(B)として積水化学工業(株)製エスレックBL−1、シランカップリング剤(C)として東レ・ダウコーニング(株)製Z−6040、酸化防止剤(D)として白石カルシウム(株)製ナウガード445(芳香族アミン系酸化防止剤)を、表1に示すような配合比率でドライブレンドし、45mmφのスクリューを有する2軸押出機を用いて、220℃の温度設定で溶融混練したのちペレット化した。このペレットを80℃で5時間乾燥した後、各種特性値を試験した。得られた熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の硬度、引張破断強さ、引張破断伸びの測定結果は表1、2に記載する。尚、ポリビニルアルコール樹脂(B)の配合量が規定範囲を超えた比較例11は、射出成形時に熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)金型の固化が不十分で金型から成形品を取り出すことが困難であり、取り出し成形品もヒケや変形が大きく成形加工性が劣り物性測定を断念した。
表1に実施例を示す。実施例1〜14では、いずれもPPS樹脂組成物(X)の引張強度と流動性のバランスが優れ、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の硬度、引張破断強さ、引張破断伸びに優れる。さらに、実施例1〜14にかかるPPS樹脂組成物(X)からなる部材と熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材との樹脂複合成形体は、2色射出成形、および熱プレスの両成形方法において接合力に優れるとともに、80℃×85%RH×100hrの湿熱処理後も優れた接合力を示すことが確認された。PPS樹脂(x1)に、エポキシ樹脂(x2)を配合したPPS樹脂組成物(X)からなる部材の方が、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材との接合力に優れるとともに、湿熱処理後も優れた接合力を示すことが確認された。
表2に比較例を示す。ポリビニルアルコール樹脂(B)およびシランカップリング剤(C)を含まない比較例1〜8、シランカップリング剤(C)を含まない比較例9、ポリビニルアルコール樹脂(B)を含まない比較例10、ならびにポリエステルブロック共重合体(A)とポリビニルアルコール樹脂(B)の配合量が規定範囲でない比較例11のいずれにおいても、実施例と比較して大幅に接合力が低くなっていることが確認された。また、ポリビニルアルコール樹脂(B)およびシランカップリング剤(C)を含まない比較例1〜8、およびシランカップリング剤(C)を含まない比較例9は、とくに耐久性試験後の接合力低下が大きいことがわかる。
Claims (8)
- ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材と、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材とが接合された部位を有する樹脂複合成形体であって、
前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)は、
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)、および主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)が主たる構成成分であり、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)と、
ポリビニルアルコール樹脂(B)と、
シランカップリング剤(C)と、
酸化防止剤(D)と、
を配合してなり、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を66〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、並びに前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%の割合で配合してなることを特徴とする樹脂複合成形体。 - 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(x1)100質量部に対して、エポキシ樹脂(x2)を1〜50質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂複合成形体。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(x1)100質量部に対して、無機充填材(x3)を10〜200質量部配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂複合成形体。
- 前記ポリエステルブロック共重合体(A)のハードセグメント(a1)は、
テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、
イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位と、
からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の樹脂複合成形体。 - 前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材と前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材との接合は、前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材の前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材との接合部分を、レーザー光照射、高周波または熱板により加熱溶融してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の樹脂複合成形体。
- 前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材と前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材との接合は、前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材を金型内に配置し、該金型内に溶融した前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)を射出融着させてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の樹脂複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材との接合部分を、レーザー光照射、高周波または熱板により加熱溶融させることで、前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材と前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材とが接合された部位を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の樹脂複合成形体を製造することを特徴とする樹脂複合成形体を製造する方法。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材を金型内に配置し、該金型内に溶融したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)を射出させることで、前記熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)からなる部材と前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(X)からなる部材とが接合された部位を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の樹脂複合成形体を製造することを特徴とする樹脂複合成形体を製造する方法。
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