本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。なお、説明中に図面を参照するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。また、同様のものを指す際には同じハッチパターンを使用し、特に符号を付さない場合がある。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲等は、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。
なお、本明細書において、テーパー部(傾斜部)とは、層の端部であって、テーパー形状を有するものをいう。テーパー部の側面は、基板表面に水平な面に対して傾斜している。また、テーパー角とは、基板表面に水平な面とテーパー部の側面とのなす角度をいう。
(実施の形態1)
本実施の形態では、SOI基板の作製方法の一例に関して、図1〜図3を参照して説明する。具体的には、ベース基板上に単結晶半導体層が設けられたSOI基板を作製する場合について説明する。
まず、ベース基板100と単結晶半導体基板110とを準備する(図1(A)、図1(B)参照)。
ベース基板100として、絶縁体からなる基板を用いることができる。
ベース基板100として、具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイア基板が挙げられる。
また、ベース基板100として、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板等の半導体基板を用いてもよい。ベース基板100として半導体基板を用いる場合は、ガラス基板等を用いる場合と比べて熱処理の温度条件が緩和するため、良質なSOI基板を得ることが容易になる。ここで、半導体基板として、太陽電池級シリコン(SOG−Si:Solar Grade Silicon)基板や多結晶半導体基板等を用いてもよい。太陽電池級シリコン基板や多結晶半導体基板等を用いる場合は、単結晶シリコン基板等を用いる場合と比較して、製造コストを低減することができる。
本実施の形態では、ベース基板100としてガラス基板を用いる場合について説明する。ガラス基板は大面積化が可能で安価であるため、ベース基板100として用いることにより低コスト化を図ることができる。
ベース基板100は、その表面をあらかじめ洗浄しておくことが好ましい。具体的には、ベース基板100に対して、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、希フッ酸(DHF)等を用いて超音波洗浄を行う。このような洗浄処理を行うことによって、ベース基板100の表面の平坦性向上や、ベース基板100の表面に残存する研磨粒子の除去等が可能である。
単結晶半導体基板110として、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、単結晶シリコンゲルマニウム基板等、周期表の第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板を用いることもできる。なお、単結晶半導体基板110に用いられる基板の形状は、市販のシリコン基板に代表される円形に限られず、例えば、加工して矩形等とすることもできる。また、単結晶半導体基板110は、CZ(チョクラルスキー)法やFZ(フローティングゾーン)法を用いて作製することができる。
なお、汚染物除去の観点から、硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、希フッ酸(DHF)等を用いて、単結晶半導体基板110の表面を洗浄しておくことが好ましい。また、希フッ酸とオゾン水を交互に吐出して洗浄してもよい。
次に、電界で加速されたイオンを単結晶半導体基板110に照射することで、単結晶半導体基板110の表面から所定の深さに、結晶構造が損傷した脆化領域112を形成する(図1(C)参照)。
単結晶半導体基板110の表面から所定の深さに形成される脆化領域112は、加速による運動エネルギーを有する水素等のイオンを単結晶半導体基板110に照射することにより形成することができる。
脆化領域112が形成される領域の深さは、イオンの運動エネルギー、質量、電荷、入射角等によって調節することができる。また、脆化領域112は、イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に形成される。このため、イオンを添加する深さで、単結晶半導体基板110から分離される単結晶半導体層の厚さを調節することができる。例えば、単結晶半導体層の厚さが10nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上200nm以下となるように平均侵入深さを調節すればよい。
イオンの照射は、イオンドーピング装置やイオン注入装置を用いて行うことができる。イオンドーピング装置の代表例として、プロセスガスをプラズマ励起して生成された全てのイオン種を被処理体に照射する非質量分離型の装置が挙げられる。非質量分離型のイオンドーピング装置では、プラズマ中のイオン種を質量分離しないで被処理体に照射する。これに対して、イオン注入装置は質量分離型の装置である。イオン注入装置では、プラズマ中のイオン種を質量分離し、ある特定の質量のイオン種を被処理体に照射する。
本実施の形態では、イオンドーピング装置を用いて、水素を単結晶半導体基板110に添加する例について説明する。ソースガスとして水素を含むガスを用いる。照射するイオンについては、H3 +の比率が高まるようにするとよい。具体的には、H+、H2 +、H3 +の総量に対してH3 +の割合が50%以上(好ましくは80%以上)となるようにする。H3 +の割合を高めることで、イオンの照射の効率を向上させることができる。
なお、照射するイオンは水素のイオンに限定されない。ヘリウム等のイオンを照射してもよい。また、照射するイオンは一種類に限定されず、複数種類のイオンを照射してもよい。例えば、イオンドーピング装置を用いて水素のイオンとヘリウムのイオンとを同時に照射する場合は、水素のイオンとヘリウムのイオンを別々の工程で照射する場合と比較して、工程数を低減することができるとともに、単結晶半導体層の表面荒れを抑えることができる。
次に、ベース基板100の表面と単結晶半導体基板110の表面とを対向させ、絶縁膜114を介してベース基板100と単結晶半導体基板110とを貼り合わせる(図1(D)参照)。
貼り合わせは、絶縁膜114を介して、ベース基板100と単結晶半導体基板110を接着させた後、ベース基板100又は単結晶半導体基板110の一箇所に1N/cm2以上500N/cm2以下の圧力を加えることにより行われる。圧力を加えると、その部分からベース基板100と絶縁膜114とが接合しはじめ、自発的に接合が形成されて全面に及ぶ。この接合工程には、ファンデルワールス力や水素結合が作用しており、常温で行うことができる。
絶縁膜114は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を単層で、又は積層させて形成することができる。これらの膜は、熱酸化法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法や、スパッタリング法等を用いて、ベース基板100又は単結晶半導体基板110に形成することができる。
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、その組成において、窒素よりも酸素の含有量(原子数)が多いものを示し、例えば、酸化窒化シリコンとは、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化物とは、その組成において、酸素よりも窒素の含有量(原子数)が多いものを示し、例えば、窒化酸化シリコンとは、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上30原子%以下の範囲で含まれるものをいう。但し、上記範囲は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の含有比率の合計は、100原子%を超えない。
なお、ベース基板100と単結晶半導体基板110とを貼り合わせる前に、貼り合わせに係る表面に表面処理を行うことが好ましい。表面処理を行うことで、単結晶半導体基板110とベース基板100の接合界面での接合強度を向上させることができる。
表面処理として、ウエット処理、ドライ処理、又はウエット処理及びドライ処理の組み合わせが挙げられる。異なるウエット処理、又は異なるドライ処理を組み合わせて行ってもよい。
ウエット処理として、オゾン水を用いたオゾン処理(オゾン水洗浄)、メガソニック洗浄、2流体洗浄(純水や水素添加水等の機能水を、窒素等のキャリアガスとともに吹き付ける方法)等が挙げられる。ドライ処理として、紫外線処理、オゾン処理、プラズマ処理、バイアス印加プラズマ処理、ラジカル処理等が挙げられる。被処理体(単結晶半導体基板、単結晶半導体基板上に形成された絶縁膜、ベース基板、又は、ベース基板上に形成された絶縁膜)に対し、上記のような表面処理を行うことで、被処理体表面の親水性及び清浄性を高める効果を奏する。その結果、基板同士の接合強度を向上させることができる。
ウエット処理は、被処理体表面に付着するマクロなゴミ等の除去に効果的である。ドライ処理は、被処理体表面に付着する有機物等のミクロなゴミの除去又は分解に効果的である。ここで、被処理体に対して、紫外線処理等のドライ処理を行った後、洗浄等のウエット処理を行うと、被処理体表面を清浄化及び親水化し、さらに被処理体表面のウォーターマークの発生を抑制できるため好ましい。
また、ドライ処理として、オゾン又は一重項酸素等の活性状態にある酸素を用いた表面処理を行うことが好ましい。オゾン又は一重項酸素等の活性状態にある酸素により、被処理体表面に付着する有機物を効果的に除去又は分解することができる。また、オゾン又は一重項酸素等の活性状態にある酸素を用いた処理に、紫外線のうち200nm未満の波長を含む光による処理を組み合わせることで、被処理体表面に付着する有機物をさらに効果的に除去することができる。
なお、ベース基板100と絶縁膜114とを接合させた後に、接合強度を高めるための熱処理を行ってもよい。この熱処理の温度は、脆化領域112における分離が生じない温度(例えば、室温以上400℃未満)とする。また、この温度範囲で加熱しながら、ベース基板100と絶縁膜114とを接合させてもよい。熱処理には、拡散炉や抵抗加熱炉等の加熱炉、瞬間熱アニール(RTA:Rapid Thermal Anneal)装置、マイクロ波加熱装置等を用いることができる。
次に、単結晶半導体基板110を脆化領域112にて分離することにより、ベース基板100上に、絶縁膜114を介して単結晶半導体層116を設ける(図1(E)、図1(F)参照)。例えば、熱処理を行って、単結晶半導体基板110を脆化領域112にて分離する。
熱処理を行うことで、脆化領域112に形成された微小な孔に、添加された元素が分子として析出し、当該分子の熱運動によって微小な孔内部の圧力が上昇する。圧力の上昇により、脆化領域112に亀裂が生じるため、脆化領域112に沿って単結晶半導体基板110が分離する。絶縁膜114はベース基板100に接合しているため、ベース基板100上に単結晶半導体基板110から分離された単結晶半導体層116及び絶縁膜114が残存する。
なお、単結晶半導体基板110の分離の際の熱処理の温度は、できる限り低いものであることが好ましい。分離の際の温度が低いほど、単結晶半導体層116の表面荒れを抑制できるためである。具体的には、単結晶半導体基板110の分離の際の熱処理の温度は、400℃以上600℃以下、好ましくは400℃以上500℃以下とするとよい。
単結晶半導体層116の分離に係る熱処理には、拡散炉や抵抗加熱炉等の加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置等を用いることができる。
次に、単結晶半導体層116の表面にレーザー光120を照射して、表面の平坦性が向上し、かつ欠陥が低減された単結晶半導体層122を形成する(図2(A)、図2(B)参照)。
なお、レーザー光120の照射によって、単結晶半導体層116を部分溶融させることが好ましい。完全溶融させた場合は、液相となった後の無秩序な核発生により微結晶化し、結晶性が低下するためである。一方、部分溶融では、溶融されていない固相部分に基づいて結晶が成長するため、単結晶半導体層116を完全に溶融させる場合と比較して、結晶品位を向上させることができる。また、部分溶融では、絶縁膜114からの酸素や窒素等の取り込みを抑制することができる。
なお、上記において、部分溶融では、レーザー光120の照射により単結晶半導体層116が溶融される深さを、単結晶半導体層116と絶縁膜114との界面の深さより、浅くする(つまり、単結晶半導体層116の厚さより浅くする)。すなわち、部分溶融状態とは、単結晶半導体層116の上層は溶融して液相となるが、下層は溶融せずに固相のままである状態をいう。また、完全溶融では、単結晶半導体層116が、単結晶半導体層116と絶縁膜114との界面まで溶融される。すなわち、完全溶融状態とは、単結晶半導体層116が液相状態になることをいう。
レーザー光の照射には、パルス発振レーザーを用いることが好ましい。パルス発振レーザーを用いることで、高エネルギーを得ることができ、部分溶融状態を作り出すことが容易になる。発振周波数は、1Hz以上10MHz以下とすることが好ましいが、これに限定されない。
パルス発振レーザーとして、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー(ArFレーザー、KrFレーザー、XeClレーザー等)、CO2レーザー、YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、Y2O3レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザー、金蒸気レーザー等が挙げられる。
なお、部分溶融させることが可能であれば、連続発振レーザーを使用してもよい。連続発振レーザーとして、Arレーザー、Krレーザー、CO2レーザー、YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、Y2O3レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等が挙げられる。
レーザー光120の波長として、単結晶半導体層116に吸収される波長を選択すればよく、レーザー光の表皮深さ(skin depth)等を考慮して決定することができる。波長は、例えば、250nm以上700nm以下の範囲とすればよい。また、レーザー光120のエネルギー密度は、レーザー光120の波長、レーザー光120の表皮深さ、単結晶半導体層116の膜厚等を考慮して決定することができる。例えば、パルス発振レーザーとしてXeClエキシマレーザー(波長:308nm)を用いた場合、レーザー光120のエネルギー密度は、300mJ/cm2以上800mJ/cm2以下の範囲とすればよい。
レーザー光120の照射は、大気雰囲気のような酸素を含む雰囲気、又は、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気のような不活性雰囲気で行うことができる。
不活性雰囲気中でレーザー光120を照射するには、気密性のあるチャンバー内でレーザー光120を照射し、このチャンバー内の雰囲気を制御すればよい。チャンバーを用いない場合は、レーザー光120の被照射面に窒素ガス等の不活性ガスを吹き付けることで、不活性雰囲気を形成することもできる。なお、レーザー光120の照射は、大気雰囲気よりも不活性雰囲気で行う方が、単結晶半導体層122の平坦性を向上させる効果が高い。また、大気雰囲気よりも不活性雰囲気で行う方が、クラックやリッジの発生を抑える効果が高く、レーザー光120の使用可能なエネルギー密度の範囲が広くなる。
また、レーザー光120の照射は、減圧雰囲気で行ってもよい。減圧雰囲気でレーザー光120を照射すると、不活性雰囲気における照射と同様の効果を得ることができる。
なお、上記において、単結晶半導体層116の分離に係る熱処理の直後に、レーザー光120の照射を行う場合について説明しているが、本実施の形態はこれに限定されない。単結晶半導体層116の分離に係る熱処理の後に、単結晶半導体層116の表面の欠陥が多い領域をエッチング処理により除去してから、レーザー光120の照射を行ってもよい。また、単結晶半導体層116の表面の平坦性をエッチング処理等によって向上させてから、レーザー光120の照射を行ってもよい。なお、エッチング処理として、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよい。
また、レーザー光120を照射する前又は照射した後に、単結晶半導体層122が所望の膜厚を有するようにエッチング処理を行ってもよい。エッチング処理として、ドライエッチング又はウエットエッチングの一方、又は双方を組み合わせて行うことができる。また、当該エッチング処理は、単結晶半導体層122の表面の平坦性の向上を兼ねていてもよい。
また、上記のように、単結晶半導体層122が所望の膜厚を有するようにエッチング処理を行った後に、熱処理を行ってもよい。この熱処理の温度は、300℃以上600℃以下、好ましくは400℃以上500℃以下とする。熱処理には、拡散炉や抵抗加熱炉等の加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置等を用いることができる。
また、レーザー光120を照射する前又は照射した後に、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、少なくとも単結晶半導体層のうちトランジスタのチャネル形成領域となる領域に、不純物元素を添加してもよい。n型を付与する不純物元素として、リン、ヒ素等があり、p型を付与する不純物元素として、ボロン、アルミニウム、ガリウム等がある。なお、不純物元素の添加後に、熱処理を行ってもよい。熱処理により、不純物元素の活性化や不純物元素の添加時に生じる欠陥を改善することができる。
次に、フォトリソグラフィ工程により、単結晶半導体層122の所望の領域上に、テーパー部(傾斜部)を有するマスクパターン130を形成する(図2(C)参照)。
まず、単結晶半導体層122上にレジストを形成し、当該レジストを露光して、単結晶半導体層122の所望の領域上にレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンを加熱することで、レジストパターンのサイズが縮小し、端部にテーパー形状を有するマスクパターン130を形成することができる。
レジストとして、ノボラック樹脂を主成分とするレジスト、ポリエチレン系樹脂を主成分とするレジスト等を用いることができる。これらのレジストは、ドライエッチングに対する耐性が優れているため、好ましい。
レジストを露光する露光装置として、縮小投影露光装置、ミラープロジェクション方式の露光装置等を用いることができる。また、露光装置を用いてレジストを露光する代わりに、レーザービーム直描装置によってレジストを露光してもよい。
なお、フォトリソグラフィ工程において、レジストを単結晶半導体層122の全面に形成してから露光してもよいが、レジストパターンを形成する領域に印刷法によりレジストを印刷した後、露光してもよい。印刷法を用いることにより、レジストを節約することができ、コストを削減することができる。
次に、マスクパターン130を用いて単結晶半導体層122をエッチングして素子分離し、端部にテーパー形状を有する島状の単結晶半導体層132を形成する(図3(A)参照)。
エッチングは、ドライエッチングにより行う。ドライエッチングは、ウエットエッチングよりもエッチング速度の制御がしやすい等の理由により、テーパー形状を精度良く形成できるため好ましい。又、ドライエッチングの方が、下層にアンダーカットが形成されにくく、異方性エッチングを行いやすいため好ましい。
エッチングガスとして、塩素を含むガス(例えば、塩素(Cl2)、塩化ホウ素(BCl3)、塩化珪素(SiCl4)、四塩化炭素(CCl4)等の塩素系ガス)を用いることができる。また、フッ素を含むガス(例えば、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、三フッ化窒素(NF3)、トリフルオロメタン(CHF3)等のフッ素系ガス)、臭化水素(HBr)、及び、前記ガスの少なくとも一つに酸素(O2)を加えたガス、並びに、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の希ガスを添加したガス等を用いることができる。
ドライエッチングには、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節して、所望の形状を有するように単結晶半導体層132を形成する。
例えば、エッチングガスである塩化ホウ素(BCl3)と四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)の流量をそれぞれ順に10〜50sccm、10〜50sccm、5〜15sccm、コイル型の電極に投入する電力を300〜600W、下部電極(バイアス側)に投入する電力を50〜200W、反応圧力を1.5〜3.0Paとすればよい。
ここで、単結晶半導体層132のドライエッチングは、単結晶半導体層132の端部がテーパー形状を有するように行う。テーパー角は、30度以上90度未満、好ましくは30度以上50度以下とする。以下の説明において、単結晶半導体層のテーパー形状を有する端部を、テーパー部ともいう。
なお、塩素を含むガス、フッ素を含むガス等は、単結晶半導体層を形成しているシリコンに対するエッチングレートが高い。そのため、当該ガスのエッチングガスにおけるガス比を大きくすることで、テーパー角を大きくすることができる。このように、求めるテーパー角に応じて、適宜ガス比を設定すればよい。
単結晶半導体層132の端部がテーパー形状を有することにより、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される膜(絶縁膜、導電膜、配線等)の段切れを防止することができる。また、単結晶半導体層132の端部がテーパー形状を有することにより、電界の集中を緩和してトランジスタに不都合が生じるのを防止することができる。
そして、マスクパターン130を用いて単結晶半導体層132を形成した後に、当該マスクパターン130を用いて、単結晶半導体層132の端部に基板バイアスを印加しないICPエッチング法によるエッチング処理を行う。当該エッチング処理によって、単結晶半導体層132のテーパー部の表面近傍134(テーパー部の表層)を除去して、単結晶半導体層136を形成する(図3(B)、図3(C)参照)。
島状の単結晶半導体層132をドライエッチングにより形成すると、マスクパターン130で覆われていないテーパー部の表面近傍134は、ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じる。なお、ドライエッチングによる汚染とは、エッチング装置からの重金属等による汚染や、エッチング装置の上部電極及び下部電極に電力を投入していることによるエッチングガスによる汚染を含む。
このようなテーパー部を有する単結晶半導体層132では、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される絶縁膜との界面において、チャージが発生して界面準位が増加してしまい、当該単結晶半導体層を用いたトランジスタにおいて特性不良が発生してしまう。例えば、トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合はテーパー部の表面近傍はマイナスにチャージし、pチャネル型トランジスタの場合はプラスにチャージする。
また、界面準位の増加を抑制するために単結晶半導体層132の膜厚を大きくすると、単結晶半導体層132の端部における段差が大きくなる。このため、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される膜(絶縁膜、導電膜、配線等)のカバレッジが悪くなり、また、当該膜の形成の際に不必要な箇所に膜の材料が残存してしまい、ショート等を引き起こしてしまう。
一方、本実施の形態では、島状の単結晶半導体層132をドライエッチングにより形成した後で、基板バイアスを印加しないエッチングを行うことによって、界面準位の増加の原因となる単結晶半導体層132のテーパー部の表面近傍134を除去して単結晶半導体層136を形成する。よって、表面近傍134が除去された単結晶半導体層136を用いたトランジスタは、良好な特性を有することができる。
図11に、ドライエッチングに使用される装置の一例として、ICPエッチング装置の構成の一例を示す。
図11に示すICPエッチング装置は、処理室1121の上部の石英板1122上にアンテナコイル1123が配置され、マッチングボックス1124を介して高周波電源1125に接続されている。また、石英板1122に対向して配置された、被処理物1120側の電極である下部電極1126(バイアス側)には、マッチングボックス1127を介して高周波電源1128が接続されている。
また、下部電極1126には、冷却制御装置1130が接続されている。なお、冷却制御装置1130は、冷却用の油を冷却するものである。冷却用の油を下部電極1126と冷却制御装置1130との間で循環させることにより、下部電極1126上に備えられている被処理物1120を冷却することができる。また、冷却用の油には冷却時に流動性を維持できるシリコンオイル、テトラデカフルオロヘキサンや、パーフルオロポリエーテルなどを用いることができる。
ガス供給部1129からは、各種ガスが処理室1121に供給される。供給されるガスとして、塩素を含むガス、フッ素を含むガス、臭化水素(HBr)、及び、前記ガスの少なくとも一つに酸素(O2)を加えたガス、並びに、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の希ガスを添加したガス等が挙げられる。
ここで、下部電極1126は接地されているため、下部電極1126(バイアス側)に投入する電力を0Wとすることができる。このため、ベース基板側の電位は接地電位となっている。
下部電極1126(バイアス側)に投入する電力を0Wとすることによって、基板バイアスを印加しないICPエッチングを行うことができる。
下部電極1126に投入する電力を0Wとする場合は、電力を投入した場合よりも、単結晶半導体層132のエッチング速度を遅くすることができるため、単結晶半導体層132の表面近傍134のエッチングによる除去を、精度良く行うことができる。
また、単結晶半導体層132の表面近傍134をエッチングする際に基板バイアスを印加すると、表面近傍134を除去しながらも、当該エッチングにより単結晶半導体層に対しプラズマダメージが与えられる恐れがある。しかし、本実施の形態では、基板バイアスを印加せずに単結晶半導体層132の表面近傍134をエッチングするため、当該エッチングによるプラズマダメージを与えずに単結晶半導体層132の表面近傍134を除去することができる。
また、単結晶半導体層132をエッチングする際に基板バイアスを印加すると、単結晶半導体層132の表面に存在する不純物が単結晶半導体層132中に導入される恐れがある。しかし、本実施の形態では、基板バイアスを印加せずに単結晶半導体層132の表面近傍134をエッチングするため、当該エッチングによる不純物の導入を防ぐことができる。
また、単結晶半導体層132をエッチングする際に基板バイアスを印加すると、ドライエッチングによる汚染が生じる恐れがある。しかし、本実施の形態では、基板バイアスを印加せずに単結晶半導体層132の表面近傍134をエッチングするため、当該エッチングによる単結晶半導体層132の汚染を防止することができる。
なお、除去されるテーパー部の表面近傍134は、単結晶半導体層132の全体に対してごく僅かである。そのため、テーパー角等で表される斜面部の形状は、テーパー部の表面近傍134の除去の前後でほとんど変化しない。
そのため、単結晶半導体層136の端部はテーパー形状を有し、テーパー角は、30度以上90度未満、好ましくは30度以上50度以下となる。
また、単結晶半導体層132の表面近傍134の大きさや表面からの深さ(ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染の範囲)は、単結晶半導体層132を形成する際のエッチング条件によって変わるため、表面近傍134の状態に応じて基板バイアス以外のエッチング条件を適宜設定すればよい。
エッチングガスとして、塩素を含むガス(例えば、塩素、塩化ホウ素、塩化珪素、四塩化炭素等の塩素系ガス)、四フッ化炭素、フッ素を含むガス(例えば、六フッ化硫黄、三フッ化窒素等のフッ素系ガス)、及び、前記ガスの少なくとも一つに酸素を加えたガス等を用いることができる。
例えば、エッチングガスである塩素(Cl2)の流量を50〜100sccm、コイル型の電極に投入する電力を100〜500W、下部電極(バイアス側)に投入する電力を0W、反応圧力を1.5〜3.0Paとすればよい。
また、本実施の形態では、単結晶半導体層132の形成で用いたマスクパターン130を、そのままテーパー部の表面近傍134のエッチング処理に用いている。マスクパターン130を除去する工程を挟まないことで、単結晶半導体層132の形成工程と表面近傍134のエッチング工程とを同一のチャンバーで行うことができる。また、マスクパターン130を残しておくことで、当該マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層132の表面に自然酸化膜が形成されるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、単結晶半導体層132の形成で用いたマスクパターン130を、そのままテーパー部の表面近傍134のエッチング処理に用いている。よって、表面近傍134の除去を単結晶半導体層132の形成とは別のチャンバーで行う場合であっても、別のチャンバーに搬送する際に、マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層132の表面が汚染されるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、マスクパターン130を除去しないで残したまま、テーパー部の表面近傍134をエッチング処理する。
マスクパターン130が単結晶半導体層132上に設けられた状態でエッチング処理を行うことにより、テーパー部の表面近傍134のエッチング処理の際に、マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層132の表面を保護することができる。
なお、上記の汚染等を考慮する必要がなければ、テーパー部の表面近傍134のエッチング処理の前に、マスクパターン130を除去してもよい。
また、本実施の形態では、テーパー部の表面近傍134の除去にドライエッチング法を用いたが、エッチングレートの制御が可能であれば、ウエットエッチング法を用いてもよい。
上記で説明したように、ドライエッチングにより単結晶半導体層132を形成した後に、単結晶半導体層132のテーパー部に、ベース基板側の電位を接地電位としたエッチング処理を行うことによって、単結晶半導体層132の表面近傍134を除去し、良質な単結晶半導体層136を形成することができる。
次に、単結晶半導体層136に設けられたマスクパターン130を除去する(図3(D)参照)。
以上により、ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じた部分が除去された単結晶半導体層を有するSOI基板を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した構成は、他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、SOI基板の作製方法の別の一例に関して、図4〜図6を参照して説明する。
まず、ベース基板100と単結晶半導体基板110とを準備する(図4(A)、図4(C)参照)。ベース基板100及び単結晶半導体基板110の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
ベース基板100の表面に、窒素含有層142を形成する(図4(B)参照)。
窒素含有層142として、例えば、窒化シリコン(SiNx)膜や窒化酸化シリコン(SiNxOy)膜(x>y)等の、窒素を含有する絶縁膜を含む層を用いることができる。
本実施の形態において形成される窒素含有層142は、後に単結晶半導体層を貼り合わせるための層(接合層)となる。また、窒素含有層142は、ベース基板に含まれるナトリウム(Na)等の不純物が単結晶半導体層に拡散することを防ぐためのバリア層としても機能する。
上記のように、本実施の形態においては、窒素含有層142を接合層として用いるため、その表面が所定の平坦性を有するように窒素含有層142を形成することが好ましい。具体的には、表面の平均面粗さ(Ra)が0.5nm以下、自乗平均粗さ(Rms)が0.60nm以下、より好ましくは、平均面粗さが0.35nm以下、自乗平均粗さが0.45nm以下となるように窒素含有層142を形成する。膜厚は、10nm以上200nm以下、好ましくは50nm以上100nm以下とする。このように、表面の平坦性を高めておくことで、窒素含有層142と単結晶半導体層との接合不良を防止することができる。
単結晶半導体基板110の表面に、酸化膜144を形成する(図4(D)参照)。
酸化膜144は、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等を単層で、又は積層させて形成することができる。酸化膜144の作製方法として、熱酸化法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。また、CVD法を用いて酸化膜144を形成する場合、テトラエトキシシラン(略称;TEOS:化学式Si(OC2H5)4)等の有機シランを用いて酸化シリコン膜を形成することが好ましい。
本実施の形態では、単結晶半導体基板110に熱酸化処理を行うことにより、酸化膜144として酸化シリコン膜を形成する。熱酸化処理は、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加して行うことが好ましい。
例えば、塩酸が添加された酸化性雰囲気中で単結晶半導体基板110に熱酸化処理を行うことにより、表面が塩素酸化された酸化膜144を形成することができる。この場合、酸化膜144は、塩素原子を含有する膜となる。
酸化膜144に含有された塩素原子は、酸化膜144に歪みを形成する。その結果、酸化膜144中における水の拡散速度が増大する。つまり、酸化膜144の表面に水が接触した場合、水を酸化膜144中に素早く吸収させ、拡散させることができるため、水の存在による貼り合わせ不良を低減することができる。
また、酸化膜144に塩素原子を含有させることによって、外因性の不純物である重金属(例えば、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)等)を捕集して、単結晶半導体基板110の汚染を防止することができる。また、ベース基板100と貼り合わせた後に、ベース基板100からのナトリウム(Na)等の不純物を固定して、単結晶半導体基板110の汚染を防止することができる。
なお、酸化膜144に含有させるハロゲン原子は、塩素原子に限られない。酸化膜144にフッ素原子を含有させてもよい。単結晶半導体基板110の表面をフッ素酸化する方法として、フッ酸(HF)溶液に浸漬させた後に酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行う方法や、三フッ化窒素(NF3)を酸化性雰囲気に添加して熱酸化処理を行う方法等がある。
なお、汚染物除去の観点から、酸化膜144を形成する前に、硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、希フッ酸(DHF)等を用いて、単結晶半導体基板110の表面を洗浄しておくことが好ましい。また、希フッ酸とオゾン水を交互に吐出して洗浄してもよい。
次に、電界で加速されたイオンを単結晶半導体基板110に照射することで、単結晶半導体基板110の表面から所定の深さに、結晶構造が損傷した脆化領域112を形成する(図4(D)参照)。脆化領域112の形成の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
なお、イオンドーピング装置を用いて脆化領域112を形成する場合は、重金属も同時に添加される恐れがあるが、ハロゲン原子を含有する酸化膜144を介してイオンの照射を行うことによって、重金属による単結晶半導体基板110の汚染を防ぐことができる。
次に、窒素含有層142の表面と酸化膜144の表面とを対向させ、窒素含有層142と酸化膜144を介してベース基板100と単結晶半導体基板110とを貼り合わせる(図4(E)参照)。
貼り合わせは、窒素含有層142と酸化膜144とを介して、ベース基板100と単結晶半導体基板110を接着させた後、ベース基板100又は単結晶半導体基板110の一箇所に1N/cm2以上500N/cm2以下の圧力を加えることにより行われる。圧力を加えると、その部分から窒素含有層142と酸化膜144とが接合しはじめ、自発的に接合が形成されて全面に及ぶ。この接合工程には、ファンデルワールス力や水素結合が作用しており、常温で行うことができる。
なお、ベース基板100と単結晶半導体基板110とを貼り合わせる前に、貼り合わせに係る表面に表面処理を行うことが好ましい。表面処理の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
また、窒素含有層142と酸化膜144とを接合させた後に、接合強度を高めるための熱処理を行ってもよい。この熱処理の温度は、脆化領域112における分離が生じない温度(例えば、室温以上400℃未満)とする。また、この温度範囲で加熱しながら、窒素含有層142と酸化膜144とを接合させてもよい。熱処理には、拡散炉や抵抗加熱炉等の加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置等を用いることができる。
次に、単結晶半導体基板110を脆化領域112にて分離することにより、ベース基板100上に、窒素含有層142及び酸化膜146を介して単結晶半導体層148を設ける(図4(F)、図4(G)参照)。例えば、熱処理を行って、単結晶半導体基板110を脆化領域112にて分離する。熱処理の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
次に、単結晶半導体層148の表面にレーザー光120を照射して、表面の平坦性が向上し、かつ欠陥が低減された単結晶半導体層150を形成する(図5(A)、図5(B)参照)。レーザー光120の照射の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
なお、上記において、単結晶半導体層148の分離に係る熱処理の直後に、レーザー光120の照射を行う場合について説明しているが、本実施の形態はこれに限定されない。単結晶半導体層148の分離に係る熱処理の後に、単結晶半導体層148の表面の欠陥が多い領域をエッチング処理により除去してから、レーザー光120の照射を行ってもよい。また、単結晶半導体層148の表面の平坦性をエッチング処理等によって向上させてから、レーザー光120の照射を行ってもよい。なお、エッチング処理として、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよい。
また、レーザー光120を照射する前又は照射した後に、単結晶半導体層150が所望の膜厚を有するようにエッチング処理を行ってもよい。当該エッチング処理の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
また、上記のように、単結晶半導体層150が所望の膜厚を有するようにエッチング処理を行った後に、熱処理を行ってもよい。当該熱処理の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
また、レーザー光120を照射する前又は照射した後に、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、少なくとも単結晶半導体層のうちトランジスタのチャネル形成領域となる領域に、不純物元素を添加してもよい。不純物元素の添加については、実施の形態1を参酌することができる。
次に、フォトリソグラフィ工程により、単結晶半導体層150の所望の領域上に、テーパー部(傾斜部)を有するマスクパターン130を形成する(図5(C)参照)。マスクパターン130の形成の詳細については、実施の形態1を参酌することができる。
次に、マスクパターン130を用いて単結晶半導体層150をエッチングして素子分離し、端部にテーパー形状を有する島状の単結晶半導体層162を形成する(図6(A)参照)。
なお、図6(A)において、酸化膜146の一部を除去することによって形成した酸化膜168を示しているが、酸化膜146は所望の形状となるように適宜成形すればよく、図6(A)の構成に限定されない。
エッチングは、ドライエッチングにより行う。
エッチングガスとして、塩素を含むガス(例えば、塩素(Cl2)、塩化ホウ素(BCl3)、塩化珪素(SiCl4)、四塩化炭素(CCl4)等の塩素系ガス)を用いることができる。また、フッ素を含むガス(例えば、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、三フッ化窒素(NF3)、トリフルオロメタン(CHF3)等のフッ素系ガス)、臭化水素(HBr)、及び、前記ガスの少なくとも一つに酸素(O2)を加えたガス、並びに、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の希ガスを添加したガス等を用いることができる。
ドライエッチングには、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICPエッチング法を用いることができる。エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節して、所望の形状を有するように単結晶半導体層162を形成する。
例えば、エッチングガスである塩化ホウ素(BCl3)と四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)の流量をそれぞれ順に10〜50sccm、10〜50sccm、5〜15sccm、コイル型の電極に投入する電力を300〜600W、下部電極(バイアス側)に投入する電力を50〜200W、反応圧力を1.5〜3.0Paとすればよい。
ここで、単結晶半導体層150のドライエッチングは、単結晶半導体層150の端部がテーパー形状を有するように行う。テーパー角は、30度以上90度未満、好ましくは30度以上50度以下とする。以下の説明において、単結晶半導体層のテーパー形状を有する端部を、テーパー部ともいう。
単結晶半導体層162の端部がテーパー形状を有することにより、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される膜(絶縁膜、導電膜、配線等)の段切れを防止することができる。また、単結晶半導体層162の端部がテーパー形状を有することにより、電界の集中を緩和してトランジスタに不都合が生じるのを防止することができる。
そして、マスクパターン130を用いて単結晶半導体層162を形成した後に、当該マスクパターン130を用いて、単結晶半導体層162の端部に基板バイアスを印加しないICPエッチング法によるエッチング処理を行う。当該エッチング処理によって、単結晶半導体層162のテーパー部の表面近傍164(テーパー部の表層)を除去して、単結晶半導体層166を形成する(図6(B)、図6(C)参照)。
島状の単結晶半導体層162をドライエッチングにより形成すると、マスクパターン130で覆われていないテーパー部の表面近傍164は、ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じる。このようなテーパー部を有する単結晶半導体層162では、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される絶縁膜との界面において、チャージが発生して界面準位が増加してしまい、当該単結晶半導体層を用いたトランジスタにおいて特性不良が発生してしまう。例えば、トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合はテーパー部の表面近傍はマイナスにチャージし、pチャネル型トランジスタの場合はプラスにチャージする。
また、界面準位の増加を抑制するために単結晶半導体層166の膜厚を大きくすると、単結晶半導体層166の端部における段差が大きくなる。このため、後の工程で単結晶半導体層の上に形成される膜(絶縁膜、導電膜、配線等)のカバレッジが悪くなり、また、当該膜の形成の際に不必要な箇所に膜の材料が残存してしまい、ショート等を引き起こしてしまう。
一方、本実施の形態では、島状の単結晶半導体層162をドライエッチングにより形成した後で、ベース基板側の電位を接地電位とした状態でエッチングを行うことによって、界面準位の増加の原因となる単結晶半導体層162のテーパー部の表面近傍164を除去して単結晶半導体層166を形成する。表面近傍164が除去された単結晶半導体層166を用いたトランジスタは、良好な特性を有することができる。
また、本実施の形態では、単結晶半導体層162の形成で用いたマスクパターン130を、そのままテーパー部の表面近傍164のエッチング処理に用いている。マスクパターン130を除去する工程を挟まないことで、単結晶半導体層162の形成工程と表面近傍164のエッチング工程とを同一のチャンバーで行うことができる。また、マスクパターン130を残しておくことで、当該マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層162の表面に自然酸化膜が形成されるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、単結晶半導体層162の形成で用いたマスクパターン130を、そのままテーパー部の表面近傍164のエッチング処理に用いている。よって、表面近傍164の除去を単結晶半導体層162の形成とは別のチャンバーで行う場合であっても、別のチャンバーに搬送する際に、マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層162の表面が汚染されるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、マスクパターン130を除去しないで残したまま、テーパー部の表面近傍164をエッチング処理する。
マスクパターン130が単結晶半導体層162上に設けられた状態でエッチング処理を行うことにより、テーパー部の表面近傍164のエッチング処理の際に、マスクパターン130で覆われた単結晶半導体層162の表面を保護することができる。
なお、上記の汚染等を考慮する必要がなければ、テーパー部の表面近傍164のエッチング処理の前に、マスクパターン130を除去してもよい。
また、本実施の形態では、テーパー部の表面近傍164の除去にドライエッチング法を用いたが、エッチングレートの制御が可能であれば、ウエットエッチング法を用いてもよい。
上記で説明したように、ドライエッチングにより単結晶半導体層162を形成した後に、単結晶半導体層162のテーパー部に基板バイアスを印加しないICPエッチング法を用いたエッチング処理を行うことによって、単結晶半導体層162の表面近傍164を除去し、良質な単結晶半導体層166を形成することができる。
次に、単結晶半導体層166に設けられたマスクパターン130を除去する(図6(D)参照)。
以上により、ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じた部分が除去された単結晶半導体層を有するSOI基板を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した構成は、他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示したSOI基板を用いた半導体装置の作製方法について、図7〜図9を参照して説明する。ここでは、半導体装置の一例として、SOI基板を用いたトランジスタを複数有する半導体装置の作製方法について説明する。なお、本実施の形態において説明するトランジスタを用いることで、様々な半導体装置を作製することができる。
図7(A)は、実施の形態1で説明した方法で作製した単結晶半導体層を有するSOI基板を示す断面図である。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で示したSOI基板を用いて半導体装置を作製する場合について説明するが、実施の形態2で示したSOI基板を用いて半導体装置を作製してもよい。
ベース基板700上に、絶縁膜701を介して、単結晶半導体層702と単結晶半導体層704を設ける。
単結晶半導体層702と単結晶半導体層704の各々には、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、p型を付与する不純物元素(ボロン、アルミニウム、ガリウム等)、又は、n型を付与する不純物元素(リン、ヒ素等)を添加してもよい。不純物元素を添加する領域、不純物元素の種類は、適宜変更することができる。例えば、nチャネル型トランジスタを構成する単結晶半導体層にp型を付与する不純物元素を添加し、pチャネル型トランジスタを構成する単結晶半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する。
次に、単結晶半導体層702と単結晶半導体層704を覆うように、ゲート絶縁膜706を形成する(図7(B)参照)。本実施の形態では、ゲート絶縁膜706として、プラズマCVD法を用いて酸化シリコン膜を形成する。
なお、ゲート絶縁膜706として、酸化シリコン膜の他にも、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化ハフニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜等を、単層構造又は積層構造で形成してもよい。
ゲート絶縁膜706の作製方法として、プラズマCVD法以外では、スパッタリング法や、高密度プラズマ処理による酸化又は窒化による方法が挙げられる。また、単結晶半導体層702と単結晶半導体層704を熱酸化することで、ゲート絶縁膜706を形成してもよい。熱酸化を行う場合は、ベース基板700としてある程度の耐熱性を有するガラス基板を用いることが好ましい。
次に、ゲート絶縁膜706上に導電膜を形成した後、当該導電膜を所定の形状に加工(パターニングともいう。)することで、単結晶半導体層702の上方にゲート電極708、及び、単結晶半導体層704の上方にゲート電極710を、それぞれ形成する(図7(C)参照)。
導電膜の形成には、CVD法、スパッタリング法等を用いることができる。導電膜の材料として、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等の金属を用いることができる。また、上記金属を主成分とする合金材料を用いてもよいし、上記金属を含む化合物を用いてもよい。
本実施の形態では、ゲート電極708及びゲート電極710を単層の導電膜で形成しているが、ゲート電極708及びゲート電極710の構成はこれに限定されない。ゲート電極708及びゲート電極710を、積層された複数の導電膜で形成してもよい。例えば、2層構造とする場合は、下層をモリブデン膜、チタン膜、窒化チタン膜等とし、上層をアルミニウム膜等とする積層構造で形成すればよい。3層構造とする場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造や、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜の積層構造等で形成すればよい。
なお、ゲート電極708及びゲート電極710を形成する際に用いるマスクは、酸化シリコンや窒化酸化シリコン等の材料を用いて形成してもよい。この場合、酸化シリコン膜や窒化酸化シリコン膜等をパターニングしてマスクを形成する工程が加わるが、これらの膜を用いたマスクでは、レジスト材料を用いて形成したマスクと比較して、導電膜のエッチング時における膜減りが少ないため、形状が精度良く制御されたゲート電極708及びゲート電極710を形成することができる。
また、マスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極708及びゲート電極710を形成してもよい。ここで、液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を吐出又は噴出することで所定のパターンを形成する方法を指し、インクジェット法等がその範疇に含まれる。
また、導電膜の加工にICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節し、所望のテーパー形状を有するようにゲート電極708及びゲート電極710を形成することもできる。また、上記テーパー形状は、マスクの形状によって制御することもできる。なお、エッチングガスとして、塩素を含むガス(例えば、塩素、塩化ホウ素、塩化珪素、四塩化炭素等の塩素系ガス)、フッ素を含むガス(例えば、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素等のフッ素系ガス)、及び、前記ガスの少なくとも一つに酸素を加えたガス等を用いることができる。
次に、ゲート電極708及びゲート電極710をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を単結晶半導体層702及び単結晶半導体層704のそれぞれに添加する(図8(A)参照)。
本実施の形態では、単結晶半導体層702にn型を付与する不純物元素(例えば、リン、ヒ素)を、単結晶半導体層704にp型を付与する不純物元素(例えば、ボロン)を、それぞれ添加する。
なお、n型を付与する不純物元素を単結晶半導体層702に添加する際は、p型を付与する不純物元素が添加される単結晶半導体層704をマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が単結晶半導体層702に選択的に行われるようにする。また、p型を付与する不純物元素を単結晶半導体層704に添加する際は、n型を付与する不純物元素が添加される単結晶半導体層702をマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が単結晶半導体層704に選択的に行われるようにする。
又は、単結晶半導体層702及び単結晶半導体層704に、p型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素の一方を添加した後、一方の単結晶半導体層のみに、より高い濃度でp型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素の他方を添加してもよい。
上記不純物元素の添加により、単結晶半導体層702に不純物領域712、単結晶半導体層704に不純物領域714が形成される。
次に、ゲート電極708の側面にサイドウォール716、及び、ゲート電極710の側面にサイドウォール718を、それぞれ形成する(図8(B)参照)。
サイドウォール716及びサイドウォール718は、例えば、ゲート絶縁膜706、ゲート電極708、及びゲート電極710を覆うように絶縁膜を形成し、当該絶縁膜を異方性エッチングにより部分的にエッチングすることで形成することができる。なお、上記の異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜706を部分的にエッチングしてもよい。
サイドウォール716及びサイドウォール718を形成する絶縁膜として、シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、有機材料等を含む膜等を、単層構造又は積層構造で形成すればよい。また、サイドウォール716及びサイドウォール718を形成する絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等を用いて形成するとよい。本実施の形態では、サイドウォール716及びサイドウォール718を形成する絶縁膜として、プラズマCVD法を用いて酸化シリコン膜を形成する。
また、絶縁膜のエッチングに用いるエッチングガスとして、トリフルオロメタン(CHF3)とヘリウム(He)の混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール716及びサイドウォール718を形成する工程はこれに限定されない。
次に、ゲート絶縁膜706、ゲート電極708、ゲート電極710、サイドウォール716、及びサイドウォール718をマスクとして、単結晶半導体層702及び単結晶半導体層704に、一導電型を付与する不純物元素を添加する(図8(C)参照)。なお、単結晶半導体層702及び単結晶半導体層704には、それぞれ先の工程で添加した不純物元素と同じ導電型の不純物元素をより高い濃度で添加してもよい。
ここで、n型を付与する不純物元素を単結晶半導体層702に添加する際は、p型を付与する不純物元素が添加される単結晶半導体層704をマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が単結晶半導体層702に選択的に行われるようにする。また、p型を付与する不純物元素を単結晶半導体層704に添加する際は、n型を付与する不純物元素が添加される単結晶半導体層702をマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が単結晶半導体層704に選択的に行われるようにする。
上記不純物元素の添加により、単結晶半導体層702に、一対の高濃度不純物領域720と、一対の低濃度不純物領域722と、チャネル形成領域724とが形成される。また、上記不純物元素の添加により、単結晶半導体層704に、一対の高濃度不純物領域726と、一対の低濃度不純物領域728と、チャネル形成領域730とが形成される。高濃度不純物領域720及び高濃度不純物領域726はソース領域又はドレイン領域として機能し、低濃度不純物領域722及び低濃度不純物領域728はLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。
なお、単結晶半導体層702上に形成されたサイドウォール716と、単結晶半導体層704上に形成されたサイドウォール718は、キャリアが移動する方向(いわゆるチャネル長に平行な方向)の長さが同じになるように形成しても良いし、異なるように形成してもよい。
例えば、pチャネル型トランジスタとなる単結晶半導体層704上のサイドウォール718は、nチャネル型トランジスタとなる単結晶半導体層702上のサイドウォール716よりも、キャリアが移動する方向の長さが大きくなるように形成するとよい。pチャネル型トランジスタにおいて、サイドウォール718の長さをより長くすることで、ボロンの拡散による短チャネル化を抑制することができるため、ソース領域及びドレイン領域に高濃度のボロンを添加することが可能となる。これにより、ソース領域及びドレイン領域を十分に低抵抗化することができる。
上記の工程により、nチャネル型トランジスタ732及びpチャネル型トランジスタ734が形成される。なお、図8(C)に示す段階では、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜は形成していないが、これらのソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜を含めてトランジスタと呼ぶこともある。
次に、nチャネル型トランジスタ732及びpチャネル型トランジスタ734を覆うように、絶縁膜736を形成する(図8(D)参照)。
絶縁膜736を形成することによって、アルカリ金属やアルカリ土類金属等の不純物がnチャネル型トランジスタ732及びpチャネル型トランジスタ734に侵入することを防止できる。具体的には、絶縁膜736を、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の材料を用いて形成するのが好ましい。本実施の形態では、絶縁膜736として窒化酸化シリコン膜を用いる。なお、本実施の形態においては、絶縁膜736を単層構造としているが、積層構造としてもよい。例えば、絶縁膜736を2層構造とする場合は、酸化窒化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜との積層構造とすることができる。また、絶縁膜736は設けなくてもよい。
次に、nチャネル型トランジスタ732及びpチャネル型トランジスタ734を覆うように、絶縁膜736上に絶縁膜738を形成する(図8(D)参照)。
絶縁膜738は、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いて形成するとよい。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。ここで、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基として水素の他に、フッ素、アルキル基、又は芳香族炭化水素を有していてもよい。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜738を形成してもよい。
絶縁膜738の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)等の方法や、ドクターナイフ、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の器具を用いることができる。
次に、単結晶半導体層702と単結晶半導体層704の一部が露出するように絶縁膜736及び絶縁膜738にコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールを介して、単結晶半導体層702に接する導電膜740及び導電膜742と、単結晶半導体層704に接する導電膜744及び導電膜746を形成する(図9(A)参照)。
コンタクトホールは、例えば、トリフルオロメタン(CHF3)とヘリウム(He)の混合ガスを用いたエッチングにより形成することができる。
導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746は、ソース電極又はドレイン電極として機能する。
導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)等を用いることができる。また、上記材料を主成分とする合金を用いてもよいし、上記材料を含む化合物を用いてもよい。また、導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746は、単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。
アルミニウム(Al)を主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分として、ニッケルを含むものや、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素又はシリコンの一方又は両方を含むもの、等が挙げられる。アルミニウムやアルミニウムシリコン(Al−Si)は抵抗値が低く、安価であるため、導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746を形成する材料として適している。特に、アルミニウムシリコンは、パターニングの際のレジストベークによるヒロックの発生を抑制することができるため好ましい。また、シリコン(Si)の代わりに、アルミニウムに0.5%程度の銅(Cu)を混入させた材料を用いてもよい。
導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746を積層構造とする場合は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造等を用いるとよい。
なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、モリブデンの窒化物等を用いて形成された膜である。バリア膜の間にアルミニウムシリコン膜を挟んで導電膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を十分に防ぐことができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、単結晶半導体層702と単結晶半導体層704の上に薄い酸化膜が形成されていたとしても、バリア膜に含まれるチタンが当該酸化膜を還元し、導電膜740と単結晶半導体層702とのコンタクト、導電膜742と単結晶半導体層702とのコンタクト、導電膜744と単結晶半導体層704とのコンタクト、及び導電膜746と単結晶半導体層704とのコンタクトを良好なものとすることができる。
また、導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746において、バリア膜を複数積層して用いてもよい。その場合、例えば、導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746を、下層からチタン膜、窒化チタン膜、アルミニウムシリコン膜、チタン膜、窒化チタン膜のような5層構造、又はそれ以上の積層構造とすることができる。
また、導電膜740、導電膜742、導電膜744、及び導電膜746として、CVD法によって、六フッ化タングステン(WF6)ガスとシラン(SiH4)ガスから形成したタングステンシリサイドを用いてもよい。また、六フッ化タングステン(WF6)を水素還元して形成したタングステンを用いてもよい。
なお、導電膜740及び導電膜742は、nチャネル型トランジスタ732の高濃度不純物領域720に接続されている。導電膜744及び導電膜746は、pチャネル型トランジスタ734の高濃度不純物領域726に接続されている。
図9(B)に、図9(A)に示したnチャネル型トランジスタ732及びpチャネル型トランジスタ734の平面図を示す。ここで、図9(B)のAとBとを結ぶ破線における断面が図9(A)に対応している。ただし、図9(B)においては、絶縁膜736、絶縁膜738、導電膜740、導電膜742、導電膜744、導電膜746等を省略している。
なお、本実施の形態においては、nチャネル型トランジスタ732とpチャネル型トランジスタ734が、それぞれゲート電極として機能する電極を1つずつ有する場合(ゲート電極708、ゲート電極710を有する場合)を例示しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。トランジスタが、ゲート電極として機能する電極を複数有し、かつ当該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造を有していてもよい。
以上により、ドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じた部分が除去された単結晶半導体層を有するSOI基板を用いることによって、優れた電気特性を有するトランジスタを得ることができる。
なお、本実施の形態で示した構成は、他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で示したSOI基板、トランジスタ、又は半導体装置を用いた電子機器について説明する。
電気機器には、カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ等)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機、電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD(digital versatile disc)等の記録媒体に記憶された音声データを再生し、かつ記憶された画像データを表示しうる表示装置を備えた装置)等が含まれる。電子機器の一例として、携帯電話の構成について、図10を参照して説明する。
図10は携帯電話の一例であり、図10(A)に正面図、図10(B)に背面図、図10(C)に2つの筐体をスライドさせたときの正面図を示す。携帯電話は、筐体1001及び筐体1002という二つの筐体で構成されている。携帯電話は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
携帯電話は、筐体1001及び筐体1002で構成されている。筐体1001は、表示部1003、スピーカ1004、マイクロフォン1005、操作キー1006、ポインティングデバイス1007、表面カメラ用レンズ1008、外部接続端子ジャック1009、イヤホン端子1010等を備えている。筐体1002は、キーボード1011、外部メモリスロット1012、裏面カメラ1013、ライト1014等を備えている。また、アンテナは筐体1001に内蔵されている。
なお、携帯電話には、上記の構成に加えて、非接触型ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
重なり合った筐体1001と筐体1002(図10(A)参照)はスライドさせることが可能であり、スライドさせることで図10(C)のように展開する。また、表示部1003と表面カメラ用レンズ1008を同一の面に備えているため、テレビ電話としての使用が可能である。また、表示部1003をファインダーとして用いることで、裏面カメラ1013及びライト1014で静止画及び動画の撮影が可能である。
表示部1003には、上記実施の形態で説明したSOI基板、トランジスタ、又は半導体装置を用いた、表示パネル又は表示装置を組み込むことが可能である。
スピーカ1004及びマイクロフォン1005を用いることで、携帯電話は、音声記録装置(録音装置)又は音声再生装置として使用することができる。また、操作キー1006により、電話の発着信操作、電子メール等の簡単な情報入力操作、表示部に表示する画面のスクロール操作、表示部に表示する情報の選択等を行うカーソルの移動操作等が可能である。
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード1011を用いると便利である。携帯情報端末として使用する場合は、キーボード1011及びポインティングデバイス1007を用いて、円滑な操作が可能である。外部接続端子ジャック1009はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット1012に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動が可能になる。
筐体1002の裏面(図10(B)参照)には、裏面カメラ1013及びライト1014を備え、表示部1003をファインダーとして静止画及び動画の撮影が可能である。
また、上記の機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ、イヤホンジャック等を備えたものであってもよい。
以上のように、上記実施の形態で説明したSOI基板、トランジスタ、又は半導体装置を、電子機器の表示部に組み込むことによって、信頼性を向上させることができる。
本実施の形態で示した構成は、他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、単結晶半導体層の端部に、基板バイアスを印加しないICPエッチング法を用いたエッチング処理を行ってSOI基板を作製し、当該SOI基板を用いてトランジスタを形成した場合の、トランジスタの電気特性に対する影響等について、図12、図13を用いて説明する。なお、本実施例では、トランジスタとしてpチャネル型トランジスタを作製した。
<トランジスタの作製工程>
まず、本発明の一態様であるSOI基板を用いたトランジスタの作製工程について説明する。
本実施例で用いたSOI基板は、ベース基板と単結晶半導体層とが絶縁膜を介して接合した構成を有する。ベース基板には、厚さ0.7mmのガラス基板を用いた。単結晶半導体層として、厚さ145nmの単結晶シリコン層を用いた。また、絶縁膜として、塩素が添加された酸化性雰囲気中で単結晶シリコン基板に熱酸化を行うことによって形成した、酸化シリコン膜を用いた。酸化シリコン膜の膜厚は100nmとした。
接合後、単結晶シリコン層の表面にレーザー光を照射した。レーザー光のレーザー発振器として、XeClエキシマレーザー(波長:308nm、繰り返し周波数:30Hz)を用いた。レーザー光の照射は、光学系により断面を線状に整形し、線状のレーザー光の走査速度を0.5mm/秒、ビームショット数を約20ショットとし、室温にて窒素ガスを試料に吹き付けながら行った。
また、しきい値電圧を制御するためのチャネルドープを行った。本実施例では、単結晶シリコン層のチャネル形成領域となる領域に、p型を付与する不純物元素を添加した。p型を付与する不純物元素としてボロンを用いた。チャネルドープは、原料ガスである三フッ化ホウ酸(BF3)の流量を0.3sccm、加速電圧を30kVとして行い、ドーズ量が1.3×1012/cm2となるようにボロンを添加した。
次に、単結晶シリコン層の所望の領域上に、レジストパターンを形成し、当該レジストパターンを加熱することで、端部がテーパー形状であるマスクパターンを形成した。熱処理は、150℃で、0.3時間行った。
次に、マスクパターンを用いて単結晶シリコン層をエッチングして、端部がテーパー形状を有する島状の単結晶半導体層を形成した。
エッチングはドライエッチングにより行い、ICPエッチング法を用いた。エッチングガスとして、塩化ホウ素(BCl3)と四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)との混合ガスを用い、流量を順に、36sccm、36sccm、8sccmに設定した。また、コイル型の電極に投入する電力を450W、バイアス側に投入する電力を100W、反応圧力を2.0Pa、基板側の電極温度を70℃とした。
続いて、マスクパターンを用いて島状の単結晶シリコン層の端部の表面近傍をエッチングにより除去した。ここで、2つのエッチング条件により、SOI基板を作製した。共通しているのは、ICPエッチングにおいて、バイアス側に投入する電力を0Wとしたこと等である。
第1のエッチング条件では、島状の単結晶シリコン層の端部の表面近傍をドライエッチングにより除去した。エッチングには、ICPエッチング法を用い、コイル型の電極に投入する電力を200W、バイアス側に投入する電力を0W、反応圧力を2.0Pa、基板側の電極温度を70℃とした。また、エッチングガスとして塩素(Cl2)を用い、流量を100sccmに設定した。なお、島状の単結晶シリコン層の端部のテーパー角は約30度であった。
第2のエッチング条件では、島状の単結晶シリコン層の端部の表面近傍をドライエッチングにより除去した。エッチングには、ICPエッチング法を用い、コイル型の電極に投入する電力を200W、バイアス側に投入する電力を0W、反応圧力を2.0Pa、基板側の電極温度を70℃とした。また、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)を用い、流量を100sccmに設定した。なお、島状の単結晶シリコン層の端部のテーパー角は約30度であった。
次に、マスクパターンを除去して、SOI基板とした。第1のエッチング条件によってエッチング処理を行ったSOI基板を用いたトランジスタを第1のトランジスタ、第2のエッチング条件によってエッチング処理を行ったSOI基板を用いたトランジスタを第2のトランジスタ、とそれぞれ表記する。
なお、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、単結晶シリコン層のソース領域及びドレイン領域を形成する領域に、p型を付与する不純物元素としてボロンをドーズ量が1.0×1015/cm2となるように添加して、pチャネル型トランジスタとしている。
また、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、ゲート絶縁膜を介して単結晶シリコン層のチャネル形成領域とゲート電極とが重なった、トップゲート型のトランジスタである。ゲート絶縁膜として膜厚20nmの酸化シリコン膜を形成し、ゲート電極として膜厚30nmの窒化タンタル膜と膜厚370nmのタングステン膜とを積層して形成した。
<比較用のトランジスタの作製工程>
比較用のSOI基板を用いたトランジスタの作製工程について説明する。
比較用のSOI基板の作製方法は、単結晶シリコン層をエッチングして、端部がテーパー形状を有する島状の単結晶半導体層を形成する工程までは、本発明の一態様であるSOI基板の作製方法と同じであるため、説明を省略する。
次に、島状の単結晶シリコン層の端部の表面近傍の除去を行わずに、マスクパターンを除去して、SOI基板とした。当該SOI基板を用いたトランジスタを、比較用のトランジスタと表記する。
なお、比較用のトランジスタは、単結晶シリコン層のソース領域及びドレイン領域を形成する領域に、p型を付与する不純物元素としてボロンをドーズ量が1.0×1015/cm2となるように添加して、pチャネル型トランジスタとしている。
また、比較用のトランジスタは、トップゲート型のトランジスタである。ゲート絶縁膜として膜厚20nmの酸化シリコン膜を形成し、ゲート電極として膜厚30nmの窒化タンタル膜と膜厚370nmのタングステン膜とを積層して形成した。
以上の工程により作製したトランジスタの電気特性を測定した結果を、図12に示す。図12(A)に第1のトランジスタの電気特性、図12(B)に第2のトランジスタの電気特性、図12(C)に比較用のトランジスタの電気特性を示す。
図12において、横軸はゲート電圧(Vg。単位はV)、左縦軸はドレイン電流(Id。単位はA)、右縦軸は電界効果移動度(μFE。単位はcm2/Vs)を示す。また、電流(Id)−電圧(Vg)特性を実線で示し、電界効果移動度を破線で示す。なお、本実施例の薄膜トランジスタのチャネル長を9.9μm、チャネル幅を8.3μm、単結晶シリコン層の膜厚を20nmとして、電界効果移動度を計算した。
図12(C)に示すように、比較用のトランジスタでは、Id−Vg特性を示す曲線において、範囲1200に示すように、こぶ(kink)が生じることが確認された。比較用のトランジスタの電流−電圧特性を示す曲線においてこぶ(kink)が存在する原因として、島状の単結晶シリコン層の端部の表面近傍の除去を行わなかったことが挙げられる。
比較用のトランジスタは、単結晶シリコン層のテーパー形状を有する端部(テーパー部)をチャネル形成領域とするトランジスタ(エッジトランジスタともいう。)と、単結晶半導体層の中央部をチャネル形成領域とするトランジスタ(メイントランジスタともいう。)と、を有するとみなすことができる。
ここで、エッジトランジスタは、島状の単結晶シリコン層を形成する際のドライエッチングによるプラズマダメージや汚染が生じたテーパー部を含んでいる。そして、エッジトランジスタでは、上記テーパー部を含む単結晶シリコン層と、単結晶シリコン層と接するゲート絶縁膜との界面において、マイナスのチャージがたまるため、界面準位が増加する。
よって、エッジトランジスタの界面準位はメイントランジスタよりも高くなるため、エッジトランジスタのしきい値電圧はメイントランジスタよりも低くなる。そして、比較用のトランジスタは、エッジトランジスタとメイントランジスタとが並列に接続された構造を有する。したがって、比較用トランジスタ全体の特性は、メイントランジスタの特性とエッジトランジスタの特性の双方が反映されるため、Id−Vg特性は、図12(C)に示すようなこぶ(kink)を有することになる。
一方、本発明の一態様であるSOI基板を用いた第1のトランジスタと第2のトランジスタでは、図12(A)、図12(B)に示すように、いずれも、Id−Vg特性を示す曲線においてこぶ(kink)は確認されなかった。
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、ドライエッチングによって島状の単結晶シリコン層を形成した後に、バイアス側に投入する電力を0WとしたICPエッチングを行ってテーパー部の表面近傍を除去したトランジスタである。テーパー部の表面近傍を除去することによって、プラズマダメージや汚染の影響を取り除くことができ、界面準位の増加を抑えることができるため、こぶ(kink)が生じなかった。
また、それぞれのトランジスタの電気特性として、オフ電流(Ioff)及びオンオフ比(Ion/Ioff)を測定した。ここで、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間を流れる電流をいう。p型トランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタのしきい値よりも低いときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。また、オンオフ比とは、オフ電流とオン電流の比率をいう。
バイアス側に投入する電力を0WとしたICPエッチングを行った、第1のトランジスタでは、オフ電流が0.1pA、オンオフ比が6.0×108、第2のトランジスタでは、オフ電流が0.5pA、オンオフ比が1.3×108であった。一方、比較用のトランジスタでは、オフ電流が4.7pA、オンオフ比が0.3×108であった。
以上のように、本発明を適用することで、オフ電流が低く、オンオフ比を大きくすることができるため、スイッチング特性に優れたトランジスタを作製することができることが確認された。
また、それぞれのトランジスタの単結晶シリコン層のテーパー部の断面を走査透過型電子顕微鏡(STEM(Scanning Transmission Electron Microscope))にて観察した画像を、図13に示す。
図13では、ベース基板としてガラス基板1300、絶縁膜として酸化窒化シリコン膜1302、単結晶半導体層として単結晶シリコン層1304、ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜1306、をそれぞれ示している。
バイアス側に投入する電力を0WとしたICPエッチングによる、島状の単結晶シリコン層のテーパー部の表面近傍の除去の前(図13(C))と後(図13(A)、図13(B))とでは、テーパー部の形状の変化はほとんど見られなかった。バイアス側に投入する電力を0WとしたICPエッチングを行ってもテーパー部の形状が変わらないため、単結晶シリコン層1304上の酸化シリコン膜1306の被覆不良等の問題は生じなかった。
以上のように、本発明を適用することで、島状の単結晶シリコン層のテーパー部の表面近傍を除去することにより、こぶ(kink)の発生を抑えることができることが確認された。