JP5953520B2 - コンタクトレンズ保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な構造のコンタクトレンズ保持具に係り、特にコンタクトレンズを取り出し易くするとともに、安定して保存することができ、備品全体の扱いが簡単で製造コストの低減などを考慮した保持具に関するものである。
コンタクトレンズ(以下、単に「レンズ」という)は継続的に使用するものであるが、睡眠時等には外して一旦容器内に収納・保存し、レンズを清浄化或いは装用により低下した諸機能を回復させる。近年では連続装用後に廃棄する或いは毎日使い捨てのレンズも市場で重用されているので、必ずしも装用後のレンズを収納する容器が必要ではないとも思われる。しかし、流通段階では所定の容器に保管されているのであり、最初にレンズを取り出す際には、取り出し易い容器であることが好ましい。結局、レンズを収納する容器、収納部や保持具に改良を加えることは潜在的に要望されているのである。
また、レンズは視力矯正のための高度管理医療機器であり、直接角膜の上に乗せるので、これを安全かつ安定して保存することは非常に重要である。一方、商品として見たときは、レンズが主に対して容器や保持具は従たる関係にあるので、従たるものにそれほど開発・製造コスト等は掛けられないという事情も存在する。
従来のレンズ用収納部或いは保持具に係わる技術としては、例えば、製造コストの低廉を目的として単一の成形体からなるレンズ保持具(特許文献1)がある。この保持具は、容器内の過酸化水素水により消毒する際の接触を図るためにレンズ収納部が網目状に形成されている。さらに、一対のレンズをそれぞれ別個に保持するように分離部分を有し、分離部分にも網目が設けられている。これにより、レンズはそれぞれの収納状態において、容器内の消毒液が充分に行き渡るようになっている。このレンズ保持具は、分離部分にそれぞれ折り曲げ可能でかつ分離部分のそれぞれの表面を覆う二つのカゴ部分が形成されて成る。これらのパーツは一体成形により製造されるので、製造コストが低減され目的にあった保持具が提供されることとなる。しかし、この保持具においては、レンズをカゴ部分に収納した後に、分離部分に対してカゴ部分を近づけるようにして係合する。その際、収納されたレンズがカゴ部分の中で多少移動することがあり、係合時にカゴ部分と分離部分との間にレンズが挟まれるおそれがあった。また、左右の収納部を表裏別々に開閉する必要があり、開閉操作やレンズの取り出し、収納操作が煩雑であった。
前記同様にカゴ状収納部にレンズを保存する他の態様として、過酸化水素の分解中に発生するガスを抜くことに特徴を有する容器(特許文献2)や、中和剤の導入を遅延させて確実に消毒処理などを行うことができる容器(特許文献3)などがある。両者はともに従来公知のレンズ保持具を使用するものであり、解決しようとする課題はそれぞれ別にある。前者においては発生ガスをいかにして容器から排出するかであり、後者においては消毒と中和の時間差処理にある。つまり、これらの文献に記載されている保持具はレンズを片方ずつ取り出し或いは収納するものであり、装用に際しては保持部を少なくとも2度開閉操作する必要があった。
また、使い捨てのレンズを保存する容器として、使用者によって繰り返し使用される事態を確実に排除し再封止が不能な使い捨てタイプの収納容器(特許文献4、特許文献5、特許文献6)がある。これらの提案は、一般的な使い捨てレンズ用の容器に採用されているレンズ収納部開口をフィルムで封止する方法(例えば特許文献7など)における課題を解決するために為されたものである。フィルムによる封止の場合、接着工程を厳密に管理する必要があり、製造上不便だからである。
このフィルム接着工程を無くして、容器を組み立てるだけでレンズを封止できれば、当該(接着)工程管理が不要となる。しかし、これらの容器はフィルムを使用しない代わりに、全体が樹脂で成形されているために、使用者としては容器を繰り返し使用することが可能になる。そうすると、使い捨てレンズであるにも係わらず、使用後のレンズを保存して再度装用したり、容器が微生物等に汚染され衛生管理が不十分になるおそれがある。そのような事態を防止することが新たな課題となって、それを解決するためになされたのが前記の各容器である。再封止ができないようにすれば、容器及びレンズを定期的に捨てさせることが可能となるからである。いわば工程管理の一部を省略したことによって、元々顕在化していなかったレンズ使用時の課題が現れ、それを解決したものと言える。従って、レンズの取り出し易さについては格別な配慮がなされたとは言い難く、従来通り、レンズの取り出しは片方ずつであり、この場合に蓋を少なくとも2回開く必要があった。
特開平6−51249号公報 特開平9−103470号公報 特表2002−532151号公報 特開2002−306227号公報 特開2004−121645号公報 特開2005−121907号公報 特開平6−296514号公報
本発明の課題は、上記従来技術において必ずしも充分には考慮されていなかったレンズ収納状態からレンズを取り出し易い構造を有する保持具を提供することである。また、レンズを安定して保持することは無論のこと、保持具の扱いを簡便化し、さらに製造コストの低減を図ることが出来るレンズ保持具を提供することを目的とする。
本発明は、レンズを夫々個別に収納する左右一対の収納部と、各収納部を覆蓋する左右一対の覆蓋部と、各収納部を連接する折り曲げ可能な第一連接部と、各覆蓋部を連接する折り曲げ可能な第二連接部と、左収納部と左覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第三連接部と、右収納部と右覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第四連接部と、を有するレンズ保持具である。そして保持具の開放状態において、開放方向に第一乃至第四連接部を各二等分する仮想直線をそれぞれ延長し、該仮想直線を同一平面に投影したとき、仮想直線の交点を結んだ図形は台形を形成し、第一連接部の仮想直線を下底、第二連接部の仮想直線を上底、第三連接部と第四連接部の各仮想直線を斜辺とし、下底の長さが上底の長さより長くなるように連接されていることを特徴とする。
すなわち、本発明のレンズ保持具は2つのレンズ収納部とそれを覆う2つの覆蓋部とを有しており、収納部同士、覆蓋部同士が連結されて、連携して動くことによって、一回の操作で2つのレンズが取り出せる状態(開放状態)になるものである。レンズが収納部に保持された状態にあるときは、覆蓋部同士が重なって2つのレンズを隔離する。レンズを取り出す際は、収納部が離間する動きに合わせて覆蓋部の重なりが解除され、前記仮想直線の投影図が台形を成すことに起因して、いわゆるポップアップ式に覆蓋部が開放される。
さらに前記仮想直線が形成する台形が等脚台形であることが好ましい。レンズ保持状態、開放状態ともに保持具全体のバランスが良く、覆蓋部の動きがなめらかでかつ左右対称に行われるからである。また、レンズを収納したり、取り出したりする際に、レンズを傷つけることがなく、扱い易いという効果もある。
各連接部については、第一、第三、第四連接部が谷折り方向に、第二連接部が山折り方向に、それぞれ折り曲がることにより、コンタクトレンズを各収納部に保持した状態になる。この場合、これら各折り曲げ動作はほぼ同時的に進行する。レンズを取り出す際には、前記と逆の動きをするために、一回の操作で、レンズを保持したり、取り出したりすることができるのである。
一方、各覆蓋部には少なくとも一つの貫通孔を有していてもよい。この貫通孔はレンズが保持され覆蓋部が重なっている状態において、それぞれのレンズ収納部と覆蓋部が形成するレンズ収納空間を、連結するように形成されていることが好ましい。このような貫通孔は、左右のレンズ収納空間での圧力差を無くすことで、部分的な圧力変化を収納部全体で吸収できるからである。なお、収納部の一方に少なくとも一つの貫通孔を形成して、別途準備された容器と組み合わせて保存する場合にも好適である。別容器内に充填される処理液の流通を促進することができるからである。この場合にはこれら貫通孔は、それぞれ網目状に形成されたものであることが、より好ましい。
さらに、左右収納部の一方に取手が設けられ、他方に別部品との固定部が設けられていても良い。別部品としては保持具を収納する容器やこの収納容器を密封する蓋などがある。こうした別部品に対して固定可能な部分が形成されていると、レンズの取り出しや収納の際に、本発明の保持具が安定した位置に維持される。従って、レンズの取り扱いがより容易になる。また、収納部に取手が設けられていれば、保持具の開閉操作がし易くなる。
そして、本発明のレンズ保持具は、単一の成形体で形成することができる。製造コストを低減し、量産が容易だからである。
本発明のコンタクトレンズ保持具は、収納部と覆蓋部とがそれぞれ連接部によって環状に連結されており、各覆蓋部が連結されていることから一回の操作でレンズの出し入れが可能であり、操作性が向上される。しかもこれらを折り畳むことが出来る構造であるため、全体としてコンパクトに纏めることができ、保存・携帯等に優れている。また、折り畳まれた状態から、開放状態にする際にいわゆるポップアップ式に覆蓋部が開放され、しかも左右の収納部が同じ向きに開放されるため、レンズの取り出しや収納が容易である。
さらに、レンズ保持具を樹脂等を用いて、射出成形などの製法で単一の成形体にすることで、安定した品質を維持し、大量に製造できるため、コスト低減に資する。
図1は本発明の一例について、各仮想直線を同一平面に投影した状態を説明する図である。 図2は本発明の保持具について、覆蓋部が平坦面で、収納部が凹面状になっている例を示す図である。 図3は本発明の保持具について、覆蓋部が平坦面で、収納部が凸面状になっている例を示す図である。 図4は別容器の例と本発明の一例を組み合わせた状態を説明する図で、図4(I)が保持具の開放状態、図4(II)が保持具を折畳んで容器毎ひっくり返した状態、図4(III)が上面図、図4(IV)がA−A断面図である。 図5は別容器の中に、本発明例の保持具全体が収容される状態を説明する図で、図5(I)が保持具の開放状態、図5(II)が保持具を折畳んだ状態、図5(III)が保持具全体を別容器内に収容した状態を示す図である。 図6はレンズが収納された状態から取り出し可能な状態へと移行する過程を示す説明図である。 図7は係合部の他の態様を示す図である。 図8は本発明の保持具の他の態様を示す図である。 図9は実施例で検討した各部位の名称を説明する図である。
本発明は、本(いわゆる飛び出す絵本)を開いた際にポップアップされるような開き方をするレンズ保持具に関するもので、一回の開く操作によってレンズの取り出しができる状態になる極めて簡易化された保持具である。従来のレンズ保持具は、レンズ一枚ごとに取り出し操作が一回、すなわち両眼にレンズを装用するためには少なくとも二回の操作が必要だったのである。この点が従来技術との大きな相違点である。
以下、添付図面に基づいて説明する。
本発明のレンズ保持具は一例として図1に示すように、レンズを夫々個別に収納する左右一対の収納部(2A、2B)と、各収納部を覆蓋する左右一対の覆蓋部(3C、3D)と、各収納部を連接する折り曲げ可能な第一連接部(5)と、各覆蓋部を連接する折り曲げ可能な第二連接部(6)と、左収納部と左覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第三連接部(7)と、右収納部と右覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第四連接部(8)と、から構成されるコンタクトレンズ保持具(1)である。前記保持具の開放状態において、開放方向に第一乃至第四連接部を各二等分する仮想直線をそれぞれ延長し、該仮想直線を同一平面に投影したとき、仮想直線の交点を結んだ図形は台形(9)を形成し、第一連接部の仮想直線(5L)を下底、第二連接部の仮想直線(6L)を上底、第三連接部と第四連接部の各仮想直線(7L、8L)を斜辺とし、下底の長さが上底の長さより長くなるように連接されていることを特徴とする。なお、図に示す収納部や覆蓋部に記載されている二点鎖線は、曲面であることを表すために示されたもので、他に特別な意味はなく、他の図面においても同様である。
収納部(2A、2B)表面はレンズに対して傷を付けることがないように滑らかであって、好ましくは収納するレンズが接触する側の曲率と近い方が良い。またレンズは通常凸面を下にして収納され、それに対応して前記収納部表面は凹面状となっている(図1、図2参照)。仮にレンズ凹面を下にして収納するのであれば、前記収納部は凸面状とすることが好ましい(図3参照)。保存中のレンズに対して無用な負荷がかからないようにするためである。また収納部の曲率をレンズの曲率に近く設定することも同様の理由からである。
図1や図2に示す様に収納部が凹面状であると、レンズを取り出す際に、指先と収納部表面との間にレンズを挟んで、レンズが収納部表面を滑るようにして取り出すことができるので、レンズの取り扱いが容易である。またレンズはその自重によって収納部の凹面の曲率中心に自然に配置されるので、使用者はレンズの位置を把握し易く、前記取り出し時にレンズを正確に挟むこともできる。
一方、図3に示す様に収納部(12A、12B)が、凸面状であると、取り出し時に指先が触れる面は基本的にレンズの外面側だけとなる。レンズを眼に装用するとレンズの内面側は角膜と接触するので、汚れや衛生面において、この内面側はできるだけ指先等と接触させない方が好ましい。従ってこのような意味で、凸面状にする効果があるのである。また、ソフトコンタクトレンズの場合には、レンズを摘んで取り出すことができるので、つまみ易い状態に収納する構造であるということもできる。
なお、レンズを収容する際の操作において、装用後のレンズを収納部に直接入れてもよいが、覆蓋部側に載置した後、保持具を折り畳むことでレンズを収納した状態にすることもできる。図1においては、収納部(2A、2B)が凹面状、覆蓋部(3C、3D)が凸面状に形成されている。このような構造の場合には、レンズは使用者の載置し易い方に置くことができる。
覆蓋部表面は必ずしも凸面状あるいは凹面状になっている必要はなく、平坦な面であってもよい。収納部側にレンズが完全に収まっていれば、収納部の開口部を覆うだけで良いからである。例えば図2或いは図3に示すように、覆蓋部(4C、4D)を平坦面としたような場合である。もちろん収納部側が凸面状で、覆蓋部側が凸面状という組み合わせでも構わないが、覆蓋部表面は滑らかであることが好ましい。レンズに傷をつけないようにするためである。なお、覆蓋部側をレンズの収納部分として考えることも可能ではあるが、ポップアップ式に覆蓋部をオープンする本発明においては、覆蓋部の動きが大きくなるので、レンズのずれなどを考慮すると収納部側にレンズを収納する方が好ましい。
図1では、収納部、覆蓋部、第一〜第四連接部(5〜8)が、保持具開放状態において略同一平面上に配置されている。しかし、例えば予め覆蓋部が収納部側に傾いた開放状態であっても良い。レンズは収納部に収容されているが、その際に覆蓋部が180°開放されていなくても、有る程度開放されていれば良いからである。具体的には開放状態において、左右収納部の開口端部を含む仮想平面と、覆蓋部の外周端部を含む仮想平面とが80°程度の角度を形成するように配置されていても良い。特にレンズの取り出し、収納に差し障りがないレベルだからである。
図1に示す各仮想直線(5L、6L、7L、8L)は、各連接部が開放状態において、開放方向に二等分する直線である。この仮想直線は、前記各連接部の折り曲げ線を垂直に二等分する線ということもできる。本発明では、各仮想直線を同一平面に投影したとき、仮想直線の交点を結んだ図形が台形(9)を形成することが特徴である。このように形成することで、一回の操作によって、左右の収納部を同時に開閉することができるのである。
収納部と覆蓋部から形成される収納空間を、ドライ状態とするか、溶液で満たすのかは、使用されるレンズや使用方法により適宜選択することができる。例えば、非含水性のハードコンタクトレンズ等を流通させる場合にはドライ状態としても良いし、含水性のソフトコンタクトレンズ等の流通ケースとして用いる場合には適当な溶液で満たして用いることができる。使い捨て含水性レンズの流通容器として用いた場合、開放状態にする際に溶液の一部が自然に排出され、再使用や改ざん防止の効果がある。
図1〜図3に示す保持具は、それのみでレンズを保存する容器としても使用することができる。各収納部にレンズを収納したのち、覆蓋部を閉じるように折り曲げて収納部を密閉すれば良いからである。このとき、密閉状態を安定に維持するために後述するような係合部を設けていることが望ましい。
図1〜図3に示す各覆蓋部は、貫通孔が無いものである。それに対して、各覆蓋部に少なくとも一つの貫通孔をあけることで、各レンズの収納空間を連通するようにしても良い。また、保持具をレンズ収納状態にしたときに各覆蓋部が重なり、両者の間に間隙がないような場合には、前記各貫通孔は重なり合う位置に設けられる必要がある。各レンズの収納空間を連通させるためである。一方、各覆蓋部が重なっても両者の間に有る程度の隙間があるのであれば、特に貫通孔が重なるように形成されている必要はない。この貫通孔は、各レンズ収納空間を連通することで、両空間内の圧力を均一にし、保持具が過度の衝撃を受けて一方の収納空間の圧力変化を、全体で吸収できる。また、レンズ収納空間を溶液で満たす場合には、互いの液量を均等にし、流通させて溶液成分の不均一化を防止する効果もある。
本発明の保持具と組み合わせて使用することができる別容器が有る場合には、前記収納部側にも一つ以上の貫通孔を有していてもよい。この貫通孔を通して、別容器内のレンズ保存液などが流入し、レンズ収容空間を該保存液で満たすことができるからである。具体的には、一方の収納部に貫通孔を設けた例を図4に、両方の収納部に貫通孔を設けた例を図5に示す。
図4には、別容器(10)に収納部(22A)が接続され、覆蓋部(13C、13D)、収納部(22B)および第一連接部(15)、第二連接部(16)、第三連接部(17)、第四連接部(18)から全体が構成されている。そして収納部(22A)、覆蓋部(13C、13D)にはそれぞれ一つの貫通孔(11)が形成されており、別容器(10)内のレンズ用保存液などが、この貫通孔を通じて各レンズ収納空間に通水されるのである(図4II〜IV参照)。
図4のような構成の特徴は、レンズを保存する時に保持具を下方に配置させることでレンズ収納部に液を満たすことができ、レンズを取り出す際には保持具が上方に配置されてレンズ収納部から液が別容器(10)内に移動していることである。これによって、レンズの取り出し時にレンズの位置を容易に特定でき、保持具を開放する際に保存液をこぼしたりすることがないという効果がある。なお、貫通孔(11)は図4ではそれぞれ一つずつ形成されているが、複数或いは網目状に配置しても良い。別容器内の保存液等の流通が容易になるからである。
図5には、別容器(20)の中に本発明のレンズ保持具全体が収容される場合を例示している。収納部(32A、32B)には複数の貫通孔(21)が網目状に形成され、各覆蓋部(23C、23D)および第一〜第四連接部(25〜28)から全体が構成されている。別容器(20)内のレンズ保存液などが、この網目から各レンズ収納空間内に通水されるのである(図5(III)参照)。なお、図5では覆蓋部(23C、23D)に貫通孔を有しない例が示されているが、一つ以上の貫通孔や、網目状に形成されていても良い。これにより、液の流通がさらに促進されることになる。
図5のような構成は、図4のような構成に比較して別容器に対する蓋(24)が必要で部品点数が多くなるという不利はある。しかし、図4では、レンズ収納時に容器を反転(図4(II))させていないと、収納部(22B)内のレンズが乾燥してしまうおそれがある。図5の構成では、別容器(20)に十分な保存液等を充填しておくことができるため、そのようなおそれを回避できる。
再び図1を参照すると、台形(9)は、第一連接部の仮想直線(5L)を下底、第二連接部の仮想直線(6L)を上底、第三連接部と第四連接部の各仮想直線(7L、8L)を斜辺とし、下底の長さが上底の長さより長くなっている。この構造に配置されていることにより、レンズ収納状態から開放状態に移る際に、覆蓋部がいわゆるポップアップ式に開くのである。この台形(9)は好ましくは等脚台形である。開放する際の滑らかな動きを実現し、保持具全体のバランス、製造方法が容易であるなどの効果があるからである。
本発明の保持具によるレンズを収納した状態にする際には、収納部(2A、2B)を、第一連接部(5)を谷折りにするようにして近づけるだけで、保持具全体が折り畳まれることになる。その時、第二連接部(6)は山折りに、第三連接部(7)第四連接部(8)は谷折りにそれぞれ折り曲げられる。この状態を示したのが、図6(I)〜(V)である。ポップアップ式に開くためには、台形(9)の下底と斜辺との成す角度や第一乃至第四連接部の長さなどとの間に一定の関係があることが望ましいが、これについては実施例を用いて後述する。
さて、図6(I)を見れば分かるように、本発明の保持具は開放状態のおよそ1/4の大きさに折り畳まれている。このようにコンパクトに折り畳まれた状態を保つためには、収納部(2A)と収納部(2B)とを解除可能な係合部(30E、30F)で連結されていることが好ましい。もちろん折り畳まれた状態で外側からビニールシートや輪ゴムなどで梱包して、外的な要素によって折り畳まれた状態を維持することも可能である。流通用ケースとして使用するような場合はそれでも十分かもしれないが、保存用ケースとして使用するのであれば、図6(I)の状態を維持するために係合部(30E、30F)を設ける方が好ましいのである。
この係合部は1対のみの場合には左右の収納部に設けること、2対以上の場合には、各対の少なくとも一方は収納部側に設けることが重要である。1対のみの例は図6に示す通りである。仮に1対の場合に、一方を収納部、他方を覆蓋部とすれば、図6(I)の状態を維持し難いことは容易に理解できる。第一連接部(5)の折り曲げ状態が維持し難いからである。
また、2対設ける場合には、図6と同様に収納部のみに2対を設けたり、1対を収納部(2A)と覆蓋部(3D)に、もう1対を収納部(2B)と覆蓋部(3C)に、それぞれ設けることは可能である。しかし仮に、2対のうちの一方を、左右の覆蓋部(3D、3C)に設けた場合には、係合の強さにもよるが、本発明の特徴であるホップアップ式に開くことができなくなるおそれがあるからである。
係合部の構造は、図6や図7(III)にも示すように、ピン(30F)と該ピンを挿入する円筒(30E)の関係で表されているが、係止できればどのような形状、どのような位置に設けられていてもよい。例えば図7(I)に示すように突出させた壁面の先端に鉤状に係止する構造(34E、34F)を設けたり、図7(II)に示すように凸部を凹溝で挟み込んで係止するような構造(36E、36F)であっても良いのである。
また保持具を開放状態(図6(V))にする場合には、収納部に取手(39G、39H)が設けられていることが好ましい。レンズ収納状態(図6(I))では、収納部が係合部(30E、30F)により係止されているので、この係合を解除し易くなるからである。また、該取手には収納部を外部からの衝撃から保護する作用や、保持具取り扱いに際して机やテーブルなどに安定して載置する作用を持たせることができる。この取手の形状・配置も図6に示すものに限らず、収納部の周囲全体を環状に覆うもの、部分的に欠損部があるもの、2以上の柱または壁を立設させたものなど、種々の態様が可能である。
図5には、別容器(20)の蓋(24)に固定するための固定部(29)が収納部(32B)から延設されている。この固定部は、別容器(20)内で保持具(21)が浮遊しないように保持すること、同容器内の溶液に保持具が完全に浸漬されるようにするなどの効果を奏する。固定部の形状・配置については、図5に示すものに限定されず、例えば別容器(20)の内周壁面や、内底面に固定しても良い。特に、蓋に固定する場合、別容器内の溶液とは別個にレンズの出し入れができる。これにより、周辺環境に溶液がこぼれたり、指先に溶液が付着してレンズが扱い難くなることを防止できる。
さらに別の態様として図8に本発明の保持具(51)を示す。この例の保持具は、網目状の収納部(42A、42B)と網目状の覆蓋部(43C、43D)、1対の係合部(38E、38F)、第一〜第四連接部(45〜48)、レンズ収納時に一体となって別容器(40)の蓋としても作用する取手(49G、49H)を有している。この保持具にレンズを収納して、別容器内に入れる。別容器内には予めレンズ保存用溶液液や消毒液(例えば過酸化水素水)などを充填しておき、網目を通して収納部内のレンズを溶液によりケアすることができる。
例えば、図8の保持具(51)を使用して、レンズを過酸化水素水によりケアする場合の一例を説明する。装用後のレンズを、保存液或いは洗浄液にて軽く濯いだのち、各収納部(42A、42B)に置く。次に各取手(49G、49H)を、第一連接部(45)を支点として、谷折りに曲げるようにして近づける。このとき、第三連接部(47)と第四連接部(48)は谷折りに、第二連接部(46)は山折りに、それぞれほぼ同時進行的に曲げられる。各取手が接触し、係合部(38E、38F)によって、折り畳まれた状態が維持される(図8(II))。すなわち、レンズは各収納部内に収納された状態となり、各取手は、一体となって別容器(40)の蓋としても使用できるようになる。
別容器には、予めレンズの消毒のために過酸化水素水が充填されており、取手を持って保持具を過酸化水素水中に浸漬し、別容器にセットする(図8(III))。保持具には、過酸化水素の分解触媒(54)が固定されているので、別容器内で過酸化水素による消毒工程と、その中和工程が進行し、保存中にレンズのケアが完了するのである。この例では、分解触媒が保持具に固定されているが、この固定位置は別容器内の過酸化水素水と接触する位置であればどこに有っても良い。また、分解触媒が別容器内壁に取り付けられていても構わないのである。取手には、さらに過酸化水素分解により発生する酸素ガスを外部に放出するための穴あるいはガス透過性の膜が備えられていても良い。
なお、前記例示は白金などの固形の触媒を使用することを想定しているが、カタラーゼなど水に溶解性の酵素を錠剤化して投入したり、過酸化水素水を除去した後に中和溶液を使用することも可能である。
上述のような構成の保持具であるが、これを単一の成形体にすることで製造コストを大幅に低減できる。特に折り曲げ可能な連接部をいわゆるヒンジにするには合成樹脂で全体を成形することが好ましい。使用される樹脂としてはポリプロピレンやポリエチレンなどの汎用材料を使用することができる。また、成形時に左右の収納部にマークをつけたり樹脂の色を変えるなど識別性を向上させても良いが、元々覆蓋部を手前にして置くことは考え難く、そのような意味でも従来のレンズ保持具に比較して、レンズの左右を混同するおそれが軽減されているのである。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、図9に示すような位置関係、各部位の名称における覆蓋部のポップアップ効果について検証した。なお、図9での収納部および覆蓋部はそれぞれ円形と仮定し、その半径は20mmと設定した。この程度の大きさであれば、レンズを収納するのに充分な大きさだからである。
効果の確認は以下のようにして行った。まず厚紙で図9の形状のモデルを作成し、一度折り畳んだ後に水平な机の上で、収納部が水平になるように指先で操作した場合に、覆蓋部の開き具合を確認し、左右収納部の仮想平面と、左右覆蓋部の仮想平面との関係において両者の成す角度が、180°以下135°以上を二重丸、135°未満100°以上を丸、100°未満80°以上を三角、80°未満をバツ印で表した。その結果を次表1に示す。
Figure 0005953520
前記試験の結果、使用状態の使いやすさの点から、左右・上下間は0〜5mm、開き角度は10°以上、90°未満であることが好ましいと思われる。
本発明は、コンタクトレンズの流通・保存等に使用する保持具であり、特に従来のカゴ内にレンズを保持する形態と比較して、一度の操作でレンズが取り出し可能になることから、レンズにアクセスし易い。また、保存中のレンズは収納部内にて安定に保持することができ、保持具としての扱いも簡便である。本発明の保持具を一体成形することで製造コストを引き下げ、低価格な容器を提供することができる。
1,51 コンタクトレンズ保持具
2A,2B,12A,12B,22A,22B,42A,42B 収納部
3C,3D,4C,4D,13C,13D,23C,23D,43C,43D 覆蓋部
5,15,25,45 第一連接部
6,16,26,46 第二連接部
7,17,27,47 第三連接部
8,18,28,48 第四連接部
5L,6L,7L,8L 仮想直線
30E,30F,34E,34F,36E,36F,38E,38F 係合部
39G,39H,49G,49H 取手
10,20,40 別容器

Claims (8)

  1. コンタクトレンズを夫々個別に収納する左右一対の収納部と、
    各収納部を覆蓋する左右一対の覆蓋部と、
    各収納部を連接する折り曲げ可能な第一連接部と、
    各覆蓋部を連接する折り曲げ可能な第二連接部と、
    左収納部と左覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第三連接部と、
    右収納部と右覆蓋部とを連接する折り曲げ可能な第四連接部と、
    を有するコンタクトレンズ保持具であって、
    前記保持具の開放状態において、開放方向に第一乃至第四連接部を各二等分する仮想直線をそれぞれ延長し、
    該仮想直線を同一平面に投影したとき、
    仮想直線の交点を結んだ図形は台形を形成し、
    第一連接部の仮想直線を下底、第二連接部の仮想直線を上底、
    第三連接部と第四連接部の各仮想直線を斜辺とし、
    下底の長さが上底の長さより長くなるように連接されていることを特徴とするコンタクトレンズ保持具。
  2. 前記仮想直線が形成する台形が等脚台形であることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ保持具。
  3. 第一、第三、第四連接部が谷折りに、第二連接部が山折りに、それぞれ折り曲がることにより、コンタクトレンズを各収納部に保持した状態になることを特徴とする請求項1または2に記載のコンタクトレンズ保持具。
  4. 各覆蓋部に少なくとも一つの貫通孔を有する請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ保持具。
  5. 左右収納部の一方に、少なくとも一つの貫通孔を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載のコンタクトレンズ保持具。
  6. 左右収納部の一方に取手が設けられ、他方に別部品との固定部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンタクトレンズ保持具。
  7. 各収納部にそれぞれ取手が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンタクトレンズ保持具。
  8. 単一の成形体よりなる請求項1乃至7のいずれかに記載のコンタクトレンズ保持具。
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