JP5977320B2 - 戸当たり装置およびそれを備えた防水扉 - Google Patents

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Description

本発明は、防水扉の閉時に該防水扉の扉本体の周縁部が当接する戸当たりと、上面が床面に略面一となるように埋設され前記戸当たりが収納される上開口有底状の収納体とを有する戸当たり装置、およびそれを備えた防水扉に関し、特に、前記戸当たり装置の収納性・水密性を向上するための構成に関する。
従来より、地下鉄、駐車場、建造物などの施設の通路や出入口には、豪雨や水害などの緊急の際に、施設内への浸水を防ぐための防水扉が設置されている。そして、該防水扉の形式には、起伏式・引き戸式・開き扉式があるが、このうちの起伏式では、通路や出入口の床内に、扉本体を収納するための大きな収納スペースが必要であり、引き戸式では、該収納スペースとして幅広の袖部が必要であることから、収納時には、ヒンジを中心に扉本体を回転させて左右側壁近傍に配置するだけでよく、前記収納スペースを別途に大きく確保する必要のない、開き扉式の防水扉に関する技術が注目され、公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
該技術では、扉本体を閉じた際の水密性を確保するため、該扉本体の下縁部に当接して該下縁部と床面との間の隙間を塞ぐ止水保持枠(以下、「戸当たり」とする)が備えられており、通常時は、該戸当たりは床に設けた凹状の収納部に収納され、防水時には、該収納部から回転させて前記隙間に設置し、扉本体と床面との間を水密に閉塞するようにしている。
特開2014−34841号公報
しかしながら、前記技術では、戸当たりが、T字形状やL字形状のブロック体で形成されているため、該戸当たりを収納するのに要する収納部の深さが深くなり、既設の地下鉄通路などのように、鉄筋コンクリート梁の上に薄いセメントや化粧石が積層され、該鉄筋コンクリート梁との干渉を避けるべく浅い収納スペースしか確保できない場合には、前記技術の適用が難しい、という問題があった。
更に、前記戸当たりは、床面の所定位置にボルトなどの締結手段によって固定保持されるため、該締結手段の保管場所が別途に必要となるだけでなく、防水時に、締結作業に時間がかかって防水扉の閉操作が遅れる、という問題があった。
加えて、前記戸当たりは床面上に固定されると共に、該戸当たりと前記扉本体の下縁部との間には、単一のパッキンなどの弾性体が介装されているのみであり、扉本体の下縁部からの水圧が短時間で増加すると、単一の弾性体だけでは十分に応力を緩和できず、過大な応力集中による戸当たりの寿命劣化や、扉本体の下縁部と戸当たりとの間の片当たりによる水密性の悪化を招く、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、防水扉の閉時に該防水扉の扉本体の周縁部が当接する戸当たりと、上面が床面に略面一となるように埋設され前記戸当たりが収納される上開口有底状の収納体とを有する戸当たり装置において、前記戸当たりは、前記床面に対して略平行な倒伏位置から略垂直な起立位置まで防水扉の扉閉方向に回転可能な平板形状であって、前記戸当たりの扉閉方向後面を、前記扉本体の受ける水圧によって収納体内の受圧支持部に向かって押圧し、前記戸当たりを起立位置に固定保持させる起立保持構造を設けると共に、該起立位置にある戸当たりにて、該戸当たりの扉閉方向後面と前記扉本体の周縁部との間、及び前記戸当たりの扉閉方向前面と前記収納体の受圧支持部との間に、それぞれ第一弾性体・第二弾性体を介装し、該第一弾性体・第二弾性体のいずれも、前記水圧によって圧縮状態とし、前記扉本体と床面との間を水密に閉塞させる水密構造を設け、前記収納体の底面には、前記戸当たりの扉閉方向後面を上面で受けて底面から浮かせ支持するスペーサを設ける一方、前記戸当たりの扉閉方向前面には、該戸当たりを引き上げて回転させる把持部を設けるものである。
請求項2においては、前記起立保持構造は、前記収納体の底面と戸当たりの回転基端部を回動可能に連結するヒンジと、前記戸当たりの扉閉方向前面より突設されて受圧支持部に当接可能なリブとを備えるものである。
請求項3においては、前記戸当たりを倒伏位置から起立方向に回転していくと、前記第二弾性体がリブに先行して受圧支持部に当接するものである。
請求項においては、前記戸当たりを起立方向に付勢する第一起立動作補助部材と、前記戸当たりの起立時の回転を減速する第二起立動作補助部材とを備えるものである。
請求項においては、前記第一起立動作補助部材は、ねじりコイルバネであり、前記第二起立動作補助部材は、ダンパである。
請求項においては、前記収納体の上部開口を閉塞すると上面が床面に略面一となる蓋板を設け、該蓋板の回転基端部は、前記戸当たりよりも扉閉方向側の収納体の部位に、該戸当たりと一緒に扉閉方向に回転して起立可能に支持されると共に、前記蓋体の下面には、先に前記収納体に収納されて倒伏位置にある戸当たりに近接可能な突部材を設けるものである。
請求項においては、前記第一弾性体・第二弾性体は、少なくとも一方に多層弾性体構造を備え、該多層弾性体構造は、前記水圧による押圧部材側に配置した硬質弾性材に、該硬質弾性材よりも柔らかい軟質弾性材を積層し、該軟質弾性材を被押圧部材に当接可能に形成するものである。
請求項においては、前記第一弾性体は、いずれも多層弾性体構造である、被押圧部材の面内を押圧する第一弾性部と、被押圧部材の端部を押圧する第二弾性部とを備え、前記第一弾性部は、前記硬質弾性材から成る断面視P型形状の第一基部の円筒部分の表面を、前記軟質弾性材から成る半割パイプ形状の第一表部で覆って形成し、前記第二弾性部は、前記硬質弾性材から成る平板形状の第二基部の表面を、前記軟質弾性材から成る平板形状の第二表部で覆って形成するものである。
請求項においては、戸当たり装置を備えた防水扉であって、通路途中や出入口の内周壁に設けられた扉枠と、水平回動して該扉枠を開放・閉塞可能な止水板を有する扉本体と、該扉本体の回転先端部を前記内周壁に固定するロック機構とを含み、前記扉本体には、前記周縁部の扉閉方向前面にあって水圧により扉枠と戸当たりに押圧される外周弾性部を備え、該外周弾性部を前記第一弾性体により形成するものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1により、収納時には、平板形状で薄い戸当たりを床面に略平行な倒伏位置に配置することができ、該戸当たりの収納体の深さを薄くし、既設の地下鉄通路などのように、鉄筋コンクリート梁の上に薄いセメントや化粧石を積層していて浅い収納スペースしか確保できない場合にも、容易に適用することができる。更に、戸当たりの起立位置への固定保持を水圧のみによって行うことができ、ボルトなどの締結手段を省くことで、締結手段の保管場所が不要となるだけでなく、締結作業をなくして防水扉の閉操作を迅速に行うことができる。加えて、扉本体の下縁部からの水圧を複数の弾性体に分散させることができ、応力集中軽減による戸当たりの寿命向上や、扉本体の下縁部と戸当たりとの間の片当たりの抑制による防水扉の水密性向上を図ることができる。また、スペーサで設けた、戸当たりと底面間の隙間に指をかけたり、把持部を把持することで、戸当たりを容易に引き上げて起立方向に回転させることができ、防水扉の閉操作を一層迅速に行うことができる。更に、把持部を戸当たりの扉閉方向前面に設けることで、扉本体との干渉を防止することができ、把持するための空間を大きく確保し、戸当たりを一層容易に引き上げて起立方向に回転させることができる。
請求項2により、簡単な構成で起立保持構造を設けることができ、部品数削減による装置コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。更に、リブによって平板形状で薄い戸当たりの剛性を高めることができ、過大な水圧によっても戸当たりが破損することがなく、強度上昇による戸当たりの更なる寿命向上を図ることができる。
請求項3により、前記第二弾性体を、高圧縮状態で戸当たりと受圧支持部との間に介装することができ、戸当たりと受圧支持部間の水密性を向上させることができる。
請求項により、第一起立動作補助部材によって戸当たりの起立操作の操作力を軽減することができ、更に、第二起立動作補助部材によって該戸当たりを緩やかに回転させることができ、起立操作の操作負荷の大幅な軽減を図ることができる。
請求項により、前記第一起立動作補助部材・第二起立動作補助部材のいずれもコンパクトに形成することができ、戸当たりを納めた収納体の浅い収納スペースにも容易に収納することができる。
請求項により、防水時には、収納体の上部開口を閉塞していた蓋体を、戸当たりと干渉することなく回転して起立させておくことができ、蓋体の取り外しと保管が不要となって、防水扉の閉操作の操作性向上や防水扉のコンパクト化を図ることができる。更に、たとえ、通常時に蓋体が歩行者や荷物など通過物の重量によって下方に撓んでも、該蓋体は、倒伏位置にある戸当たりの上面に当接された突部材によって支えることができ、該蓋体の高さを床面と略面一に保持して、蓋体上における通過物の円滑な通過を可能とする。
請求項により、硬質弾性材により、弾性体全体の変形を抑制して軟質弾性材を堅固に支持した上で、該軟質弾性材を、前記被押圧部材の外形に沿って自在に変形させることができ、押圧部材と被押圧部材間を隙間なく埋めて、弾性体の水密性能を著しく向上させることができる。
請求項により、被押圧部材の面内には、内部に空孔を有していて弾性変形量が大きい第一基部の円筒部分により支持した第一表部を当接して、第一弾性部を高圧縮状態とし、被押圧部材の端部には、平板形状であって端部で発生する隙間が小さい第二基部により支持した第二表部を当接して、該端部を隙間なく閉塞することができ、被押圧部材の部位に適した弾性部を当接し、様々な形状の被押圧部材への対応が可能となって、高い水密性能が得られる。
請求項により、起伏式防水扉のような床内の扉収納スペースや、引き戸式防水扉のような扉収納スペースとしての幅広の袖部が不要となり、通常時には、扉本体を水平回動させて左右側壁近傍に設けた戸袋などに収納するだけでよく、扉本体の収納スペースを別途に大きく確保する必要がない。一方、防水時には、扉本体の回転先端部を内周壁にロックした状態で、水圧によって外周弾性部を扉枠と戸当たりに押圧することができ、扉本体の幅中央などにロック機構を設けた場合のように、前記扉枠と戸当たりに作用する水圧が該ロック機構に支持されて大きく減少することを防止し、扉本体を閉じた際の水密性を十分に確保することができる。
本発明に係わる防水扉の全体構成を示す斜視図である。 同じく正面図である。 同じく背面図である。 同じく平面一部断面図である。 第二ロック装置の斜視図であって、図5(a)は係止部の斜視図であり、図5(b)は被係止部の斜視図である。 戸当たり装置の斜視図であって、図6(a)は通常時の戸当たり装置の斜視図であり、図6(b)は防水時の戸当たり装置の斜視図である。 通常時の戸当たり装置の側面一部断面図である。 防水時の戸当たり装置の側面一部断面図である。 同じくパッキン周辺の側面拡大断面図である。 別形態の戸当たり装置における防水時の側面一部断面図である。 同じく右部周辺の平面一部断面図である。 同じく右部周辺の背面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、図1の矢印Fで示す方向を戸当たり装置2およびそれを備えた防水扉1の前方とし、矢印Rで示す方向を右方として、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前方・右方を基準とするものである。
まず、本発明に係わる防水扉1の全体構成とその動作について、図1乃至図5により説明する。
該防水扉1は、前述の如く、地下鉄などの通路や出入口に設置して、豪雨や水害などの際に施設内への浸水を防ぐものである。そして、本実施形態に係わる防水扉1は、該防水扉1の扉本体8の左右方向中央部が後方に屈曲する中折れ式であって、該扉本体8の左側端を中心に水平回動して開閉動作を行う片開き式に構成されている。
更に、該防水扉1は、平坦な通路3から階段通路5に出入りするための出入口4に設置されると共に、豪雨や水害による水は、前記通路3側から階段通路5側に向かって流れており、前記扉本体8を図4の矢印18で示す方向(以下、「扉閉方向」とする)に押動して出入口4を閉じると、行き場のなくなった水が該扉本体8の後方空間に滞留し、動的または静的な水圧が、後方から前方に向け、扉本体8を扉閉方向18である前方に押圧するように作用する。そして、このような防水扉1は、前記出入口4の内周壁6に設けられた扉枠7、前記扉本体8、戸袋9、回転機構10、ロック機構11、及び戸当たり装置2が備えている。
このうちの扉枠7は、図1乃至図3に示すように、前記出入口4の内周壁6に嵌合し固定される上枠部7aと、左右の縦枠部7b・7cとから構成され、正面視で下方に開いたU字形状に形成されると共に、該縦枠部7b・7cの下端間に、本発明に係わる前記戸当たり装置2が介設されている。
これにより、前記扉本体8を閉じて、該扉本体8の周縁部8aの前面を、前記扉枠7と、前記戸当たり装置2の戸当たり16とに当接した状態で、該扉本体8に後方から高い水圧を作用させるようにしている。
前記扉本体8は、図1乃至図4に示すように、略同一の形状と大きさを有する矩形状の左右の止水板13・14と、止水板13の前面の右端縁と止水板14の前面の左端縁間を後方に屈曲可能に連結する複数のヒンジ15と、前記周縁部8aの前面8a2に固着された外周弾性部12と、止水板13の後面の右端縁と止水板14の後面の左端縁間を連結する複数の連結具19とから構成される。
これにより、前記ヒンジ15を取り付けた連結部8bを前方に押動すると、前記止水板13・14をヒンジ15を中心に回動して同一面上に展開した上で、該ヒンジ15と前後方向反対側を連結具19で連結することができ、止水板13・14を屈曲不能に一体化し、扉本体8を折り畳み状態から展開保持状態に移行させることができる。
更に、このように展開保持状態となった扉本体8の周縁部8aの前面8a2には、前述の如く、前記外周弾性部12が固着されており、該外周弾性部12を、当接状態で扉本体8に後方から作用する水圧によって、前記周縁部8aと、前記扉枠7または戸当たり16との間に高圧縮状態で介装させることができる。
前記戸袋9は、図4に示すように、平面断面視L字形状であって、前記左側壁部6aから右方に突設される突設板部9aと、該突設板部9aの右端のヒンジ21を中心にして位置23から位置24まで回動可能な平面断面視L字形状の袋本体9bと、該袋本体9bの前端のヒンジ22を中心にして位置23から位置25まで回動可能な開閉板部9cとから構成される。
そして、その前開放部9dを前記扉枠7の左縦枠部7bによって閉塞し、左開放部9eを前記内周壁6の左側壁部6aとによって閉塞することにより、戸袋9内に、前記扉本体8を収納可能な収納空間20が形成される。
これにより、前記袋本体9b・開閉板部9cをヒンジ21・22を中心に回転して戸袋9を展開してから、前記扉本体8を後方に屈曲して折り畳んだ状態で前記収納空間20の位置に移動した後、再び戸袋9を折り畳んで袋状態に復元することにより、扉本体8が戸袋9内に収納できるようにしている。
前記回転機構10は、図3、図4に示すように、上下のヒンジ部10a・10bから成り、いずれも、前記収納空間20の前端部にあって上下方向の回転軸心を有する共通の回転軸28と、前記左縦枠部7bの後面に固設されて回転軸28を回転自在に支持する支持ステー26と、前記回転軸28に固設されて一体回転する連結ステー27とを備え、該連結ステー27の外端に、前記扉本体8の止水板13の左端部が複数のボルト32によって締結されている。
これにより、前記折り畳み状態または展開保持状態にある扉本体8を、前記回転軸28を中心にして、前記扉本体8を折り畳んで収納空間20内に収納する収納位置29から出入口4を閉じる閉位置30まで、自在に回動させることができる。
前記ロック機構11は、図3乃至図5に示すように、上から順に配設した、第一ロック装置11a、第二ロック装置11b、第三ロック装置11cと、これらロック装置11a・11b・11c間を相互にリンクするリンクワイヤ36とから構成されており、該リンクワイヤ36を介することにより、前記第二ロック装置11bのロック操作に連動して、残りの第一ロック装置11a・第三ロック装置11cも同時にロックされるようにしている。
このうちの第二ロック装置11bは、前記止水板14の右端の上下途中に設けた係止部11b1と、該係止部11b1から突出するロックバー35bを係止する被係止部11b2とから構成される。該被係止部11b2は、前記内周壁6に固定された右縦枠部7cよりも後方の縦枠部7dにあって、その左側面の上下途中に配置されている。
そして、前記係止部11b1においては、前記止水板14の後面に固設された矩形状の基板33から、該基板33に垂直な回転軸心を有する支軸34が突設され、該支軸34の突出端には、該支軸34に外嵌固定されて一体回転可能な回転体35が取り付けられている。
該回転体35は、背面視で前記支軸34を境にして左斜め上方に延びる把持アーム35aと、支軸34を挟んで該把持アーム35aと反対側にあって右斜め下方に延びる丸棒状のロックバー35bと、前記把持アーム35aまでの途中部にあって支軸34よりも径方向外側に設けたリンクピン35cとから構成され、該リンクピン35cは、上下方向に延びる前記リンクワイヤ36の途中部に連結されている。
更に、前記止水板14の右縁部14aでロックバー35bの回転軌跡上には、該ロックバー35bが通過して外部に突出可能な長孔14a1が開口されている。
一方、前記被係止部11b2においては、前記縦枠部7dの左側面7d1で長孔14a1に対向する位置には、矩形板状の被係止具38が上下のボルト39・39によって締結固定されている。
そして、該被係止具38には、前記長孔14a1から突出したロックバー35bが挿嵌される係止凹部38aが形成され、該係止凹部38aは、該ロックバー35bの直径と略同じ幅を有する上半凹部38a1と、該上半凹部38a1から下方に離間するほど幅が徐々に拡大する下半凹部38a2とから構成されている。
前記第一ロック装置11aも、係止部11a1と被係止部11a2とから構成されるが、該被係止部11a2は、前記被係止部11b2と同じ構成である一方、係止部11a1は、前記係止部11b1において、前記回転体35を、該回転体35から把持アーム35aをなくした回転体35Aに変更したものとなっている。
前記第三ロック装置11cも、係止部11c1と被係止部11c2とから構成され、それぞれ、前記第一ロック装置11aの係止部11a1と被係止部11a2と同じ構成である。そして、これら第一ロック装置11a・第三ロック装置11cの各回転体35Aのリンクピン35cも、前記リンクワイヤ36の途中部に連結されている。
これにより、前記第二ロック装置11bにおいて、前記把持アーム35aを把持して回転体35を矢印37の方向に回転させると、該回転体35のロックバー35bは、前記長孔14a1から突出した後、下方から幅広の前記下半凹部38a2内に挿入され、該下半凹部38a2内を摺動しながら前記上半凹部38a1内に円滑に導かれて嵌合し、第二ロック装置11bがロック動作される。
この際、該第二ロック装置11bのリンクピン35cも矢印37の方向に回転するため、前記リンクワイヤ36が下降し、前記第一ロック装置11a・第三ロック装置11cのリンクピン35cも、それぞれ矢印40・41の方向に回転し、ロックバー35bが上半凹部38a1内に嵌合し、その結果、全てのロック装置11a・11b・11cを同時にロック動作される。
なお、前記係止部11b1の直上方の横フレーム14bの上面には、一方の手で把持して止水板14を前後に押し引きし、扉本体8の開閉動作を行うための取っ手42が固設されている。そして、該取っ手42を把持しながら他方の手で前記把持アーム35aを把持することで、該把持アーム35aの回動操作を容易なものとしている。
以上のような構成において、前記防水扉1を以下のように動作させることができる。
すなわち、図3、図4に示すように、通常時は、扉本体8を折り畳み状態にした上で、左側壁部6aに設けた戸袋9内の収納空間20内に収納しておく。そして、防水時には、まず、戸当たり装置2を後で詳述する所定の動作状態に設定した後、ヒンジ21を中心にして、袋本体9bを位置23から位置24まで矢印80の方向に回動し、戸袋9を展開する。
その後、取っ手42を把持して前方に押動することにより、回転軸28を中心にして、折り畳み状態にある扉本体8を収納位置29から閉位置30まで矢印81の方向に回動しながら、ヒンジ15を中心にして、止水板13・14を徐々に回動して同一面上に展開する。
続いて、前記閉位置30において、止水板13・14を連結具19で連結して屈曲不能に一体化し、扉本体8を展開保持状態に移行させると共に、取っ手42を把持しながら第二ロック装置11bの把持アーム35aを把持して矢印37の方向に回転し、全てのロック装置11a・11b・11cをロック動作させる。この際、後方から作用する水圧によって前記外周弾性部12が扉枠7と戸当たり16に押圧される。
その後、展開していた戸袋9において、ヒンジ22を中心にして開閉板部9cを袋本体9bに対して後方に90度回転させた状態で、ヒンジ21を中心にして袋本体9bを位置24から位置23まで回動することで、戸袋9を扉本体8と干渉しないように折り畳んで袋状態に復元させ、これにより、防水扉1の閉操作が完了する。開操作については、逆の手順にて行うことができる。
次に、前記戸当たり装置2について、図6乃至図8により説明する。
該戸当たり装置2は、前記防水扉1の閉時に、その扉本体8の周縁部8aのうちの下縁部8a1が後方より当接する前記戸当たり16と、該戸当たり16を収納部17aに収納する収納体17とを備える。
そして、このうちの戸当たり16は、回転可能な薄い平板形状であって、その回転基端部16aの後面16dは、ヒンジ43を介して、前記収納部17aの底面17a1上に前後回動可能に連結される一方、前記回転基端部16aの前面16cには、左右方向に延びる帯状のゴム部材などの弾性体から成る平板形状の平板パッキン48が貼着されている。
更に、前記戸当たり16の前面16c上で平板パッキン48よりも回転先端側には、該前面16cと直交する立設辺44aを回転基端側に有する側面視直角三角形状のリブ44が、複数突設されている。そして、前記戸当たり16の前面16cには、前記リブ44の先端を跨ぐようにして取っ手49も固設されている。
これにより、該取っ手49を把持して引き上げると、前記戸当たり16を、前記ヒンジ43の支軸43aを中心にして、前記底面17a1に略平行な倒伏位置45から、前記底面17a1に略垂直な起立位置46まで、前方に回転させることができる。
前記収納体17は、上開口有底状であって、該収納体17の後端上部の角部に形成された側面断面視L字形状の棚部17b、前記収納体17の前部で左右方向に延びた溝部17d、及び該溝部17dの後側の縦壁部17d1と前記収納部17aの前側の縦壁部17a2との上端間を接続して成る左右方向に延びた帯状突部17cを備える。
そして、該帯状突部17cの縦壁部17a2には、起立位置46にある戸当たり16の平板パッキン48が当接され、前記帯状突部17cの上面17c1には、起立位置46にある戸当たり16のリブ44の立設辺44aが、所定の隙間50をあけて近設配置されている。
これにより、前記戸当たり16を、前記倒伏位置45から矢印51に示す方向(以下、「起立方向」とする)に押動して回転させていくと、先に起立位置46にて、平板パッキン48が帯状突部17cの縦壁部17a2に当接し、続いて、該平板パッキン48が前記戸当たり16の回転基端部16aと帯状突部17cの縦壁部17a2との間で高圧縮されながら、戸当たり16が更に前方に回転する。
すると、前記隙間50は徐々に縮小していき起立位置46aではなくなり、前記リブ44の立設辺44aが帯状突部17cの上面17c1に当接する。つまり、前記隙間50を設けることにより、前記平板パッキン48がリブ44に先行して帯状突部17cに当接できるようにしている。なお、前述の如く、該リブ44は戸当たり16の前面16cから複数突設されており、該戸当たり16の剛性も高めるようにしている。
また、前記外周弾性部12はP型パッキン47により形成されており、該外周弾性部12の下部のP型パッキン47が、前記起立位置46にある戸当たり16の上半部16bの後面16dに、当接されるようにしている。
これにより、前述のようにして防水扉1を閉じた状態で、動的または静的な水圧によって扉本体8が前方に押圧されると、該P型パッキン47を介して、前記戸当たり16の後面16dが更に帯状突部17cに向かって押圧される。
すると、該戸当たり16の前方への回転は、扉本体8の受ける水圧が小さい場合は、平板パッキン48が帯状突部17cに当接した時点で停止し、戸当たり16が前記起立位置46に固定保持される。扉本体8の受ける水圧が大きい場合は、平板パッキン48が圧縮されてリブ44が帯状突部17cに至る途中または当接した時点で戸当たり16の回転が停止し、戸当たり16が回転途中の起立位置46bまたは前記起立位置46aに固定保持される。このようにして、固定保持が水圧のみによって可能な起立保持構造53が、簡単な構成で形成されている。
この際、前記防水扉1を閉じた状態で、前記扉本体8の下縁部8a1にかかる水圧は、前記P型パッキン47から、前記起立位置46・46a・46bにある戸当たり16と、平板パッキン48とを介して、前記収納体17内の帯状突部17cに伝達される構成となっている。
これにより、動的または静的な水圧が扉本体8に作用すると、前記戸当たり16の後面16dと扉本体8の下縁部8a1との間にあるP型パッキン47、及び前記戸当たり16の前面16cと収納体17内の帯状突部17cとの間にある平板パッキン48に水圧が分散され、該分散圧力による圧縮状態に、P型パッキン47・平板パッキン48が移行する。
すると、前記扉本体8と、前記帯状突部17cを設けた収納体17を埋設した通路3の床面3aとの間を水密に閉塞可能な水密構造54が形成される。
また、前記収納体17の収納部17aの底面17a1上には、ゴム部材などの弾性体から成る四角柱状のスペーサ55が、その長手方向が左右方向となるように、同一左右線82上に複数並設され、該スペーサ55の上面55aの高さは、倒伏位置45にある戸当たり16の後面16dが、前記底面17a1に略平行となるように設定されている。
これにより、倒伏位置45において、戸当たり16を底面17a1から浮かせて支持することができ、前記戸当たり16と底面17a1間の隙間56に一方の手をかけたまま、他方の手で、前記戸当たり16の前面16cに固設した取っ手49を把持し、戸当たり16をヒンジ43を中心にして容易に引き上げることができる。
更に、各ヒンジ43近傍には、図6に示すように、ねじりコイルバネ57が設置されている。該ねじりコイルバネ57は、その一端部57aが、前記収納体17の底面17a1に当接され、他端部57bが、前記戸当たり16の後面16dに当接されると共に、該両端部57a・57b間が圧縮された状態で、前記底面17a1と戸当たり16間にコンパクトに挿設されている。
加えて、前記戸当たり16の右側方には、ダンパ58が設置されている。該ダンパ58はガス封入タイプなどであって、そのピストンロッド部58aの先端が、ヒンジ59aを介して、前記戸当たり16の右側面16eに回動自在に連結される一方、前記ダンパ58のシリンダ部58bの基端が、ヒンジ59bを介して、前記収納部17aの底面17a1に回動自在に連結された状態で、前記底面17a1と戸当たり16間にコンパクトに挿設されている。
これにより、前記ねじりコイルバネ57の弾性力によって戸当たり16を起立方向51に付勢した状態で、前記取っ手49とスペーサ55を使い、前記戸当たり16を小さな力で引き上げて起立方向51に回転させることができる。しかも、この際、前記ダンパ58のシリンダ部58b内のエア室の容積変化で生じた弾性反力によって戸当たり16に回転抵抗を作用させた状態で、前記戸当たり16の回転を減速させることができる。
また、前記収納体17の上部開口17eには、蓋板60が覆設されている。該蓋板60は、前記戸当たり16よりも薄く回転可能な平板形状であって、その回転基端部60aは、ヒンジ61を介して、前記戸当たり16よりも前方にある溝部17dの前側の縦壁部17d2の上部に支持されており、前記戸当たり16と干渉することなく前方に回転して起立可能に構成されている。
更に、前記蓋体60において、その上面60cには、面全体に滑り止め用の突起60eが複数形成されている。一方、前記蓋体60の下面60dにおいて、前記回転基端部60aには、左右方向に延びる角柱状のゴム部材などから成る支持部材62が貼着されると共に、回転先端部60bには、左右方向に延びる帯状のゴム部材などから成る支持部材63が貼着されている。そして、下面60dにおいて、該両支持部材62・63の略中央には、左右方向に延びる側面視U字形状の金具などから成る突部材64が固設されている。
そして、前記蓋体60によって上部開口17eを閉塞すると、該蓋体60の回転基端部60aの支持部材62が、前記収納体17の溝部17d内に挿入されて底面17d3に当接され、同時に、前記回転先端部60bの支持部材63も、前記収納体17の棚部17bに係止されて棚面17b1に当接されるが、この際の蓋体60の上面60cは、前記通路3の床面3aに対して略面一となるように構成されている。本実施例では、前記支持部材62・63の厚さは、それぞれ前記溝部17d・棚部17bの深さに等しく設定する。
加えて、前記上部開口17e閉塞時の突部材64については、先に収納体17に収納されて倒伏位置45にある戸当たり16との間に、所定の隙間65が形成されている。
これにより、通常時には、支持部材62・63のみで蓋体60を支持して、該蓋体60の上面60cを通路3の床面3aに略面一に設定することができ、たとえ通過物の重量が大きくなって蓋体60が下方に撓んでも、前記隙間65がなくなって戸当たり16上に当接した突部材64によって、該蓋体60を確実に支えることができる。
次に、前記P型パッキン47、平板パッキン48の構成について、図8乃至図10により説明する。
図8、図9に示すように、該P型パッキン47、平板パッキン48のいずれにも、多層弾性体構造73が形成されている。
このうちのP型パッキン47は、前記扉本体8の下縁部8a1の前面8a2に固定された第一弾性部66と、該第一弾性体66の前面に固定された第二弾性部69とから構成される。
そして、前記第一弾性部66は、内部に空孔67a2を有していて弾性変形量が大きい断面視P型形状の第一基部67と、該第一基部67の下半部の円筒部分67aの前面67a1を覆うように積層される半割パイプ形状の第一表部68とから形成される。この第一弾性部66は、前記第一基部67の上半部の平板部分67bを、前記下縁部8a1と取り付け板72との間で挟持してボルト52で締結することにより、扉本体8の下縁部8a1に固定されている。
前記第一基部67は、硬質のゴム部材などから成る硬質弾性材78から形成される一方、前記第一表部68は、スポンジ状のゴム部材などから成り前記硬質弾性材78よりも柔らかい軟質弾性材79から形成され、該第一表部68が、前記起立位置46にある戸当たり16の上半部16bの途中部の後面16dに当接し、該後面16d内を押圧できるようにしている。
更に、前記第二弾性部69は、薄い平板形状の第二基部70と、該第二基部70の前面70aを覆うように積層され第二基部70よりも厚い平板形状の第二表部71とから形成される。この第二弾性部69は、前記第二基部70を取り付け板72の前面に貼着することにより、第一弾性部66の前面に固定されている。
そして、前記第二基部70も硬質弾性材78から成り、第二表部71も軟質弾性材79から形成され、該第二表部71が、前記起立位置46にある戸当たり16の回転先端部16fの後面16dに当接して、該回転先端部16fを隙間なく押圧できるようにしている。
前記平板パッキン48は、前記P型パッキン47の第二弾性部69と同様に、平板形状の基部74と、該基部74の前面74aを覆うように積層され基部74よりも薄い平板形状の表部75とから構成される。この平板パッキン48は、前記基部74を戸当たり16の回転基端部16aの前面16cに貼着することにより、戸当たり16に固定されている。
そして、前記基部74も硬質弾性材78から成り、表部75も軟質弾性材79から形成され、該表部75が、前記収納体17内の帯状突部17cの縦壁部17a2に当接して、該収納体17内の帯状突部17cを押圧できるようにしている。
これにより、防水扉1を閉じた状態で、動的または静的な水圧によって扉本体8が前方に押圧されると、硬質弾性材78である前記基部67・70・74により、P型パッキン47全体や平板パッキン48全体の大きな変形を抑制し、軟質弾性材79である前記表部68・71・75を堅固に支持した上で、該表部68・71・75を戸当たり16や帯状突部17cの外形に沿って自在に変形させることができる。
次に、別形態の戸当たり装置2Aについて、図10乃至図12により説明する。
該戸当たり装置2Aは、前記戸当たり装置2の構造強度を高めて、防水時の耐水圧性を向上させると共に、前記パッキン47・48の端部間の隙間を閉塞して、水密性も向上させたものである。
図10に示すように、前記収納体17の底面17a1上には、敷板83を介して前記ヒンジ43の固定側プレート43bが固設され、該固定側プレート43bの後端と、前記収納部17aの後側の縦壁部17a3との間に、止め板84が前後端当接状態で介装されると共に、該止め板84は、ボルト式などの複数のアンカー85によって前記底面17a1上に固定されている。
これにより、前記扉本体8からP型パッキン47を介して戸当たり16Aに作用する水圧が過大となり、前記帯状突部17cの後端部17c2を中心にして、該戸当たりの16Aの回転基端部16Aaが後方に大きな力で回転し、前記ヒンジ43の取付部分やその周辺が、強く後方に押動されて剪断・座屈などで破損するような場合であっても、該ヒンジ43の固定側プレート43bを前記止め板84によって強固に支持し、破損を十分に防止することができる。
更に、前記戸当たり16Aは、前記戸当たり16の下端をヒンジ43の支軸43aと略同じ高さ位置86まで下方に延設したものであり、該下端16Abを前記支軸43aの近傍に配置して、該支軸43aに前記戸当たりの16Aの回転基端部16Aaからの回転力を作用させるようにしている。
これにより、該回転力を、前記支軸43a・固定側プレート43b・止め板84を通る略共通な面上で支持することができ、支持強度を高めて、前記ヒンジ43の取付部分やその周辺の破損を更に確実に防止することができる。
なお、前記収納部17aの前側の縦壁部17a2の前面には、断面視L字形状の補強部材88の後面部88aが当接され、該補強部材88の底面部88bは、ボルト式などのアンカー87によって前記通路3の内部に固定されており、前記帯状突部17cの後端部17c2の構造強度を高めることができ、該後端部17c2の破損を防止するようにしている。
これ以外に、前記戸当たり16Aの前面16Acで、通常時に前記蓋体60の突部材64が当接する位置には、板状のゴム部材などから成る当て板89を固設するようにしており、通常時の前記隙間65を塞ぎ、前記蓋体60上を通過する際の撓みをなくして、通行快適性を高めるようにしている。
更に、前記戸当たり16Aの下端16Abの下方の敷板83上には、板状のゴム部材などの弾性体から成る平板パッキン90が貼着されており、該平板パッキン90は、前記戸当たり16Aの前面16Acに貼着した平板パッキン48Aと相まって、前記戸当たり16Aの下端16Ab下方を通って後方から侵入してくる水に対する水密性を、向上させることができる。
また、図11、図12に示すように、前記扉枠7の右縦枠部7cにおいて、その後面7c1の内側の角部には、平面断面視L字形状の棚部7c2が形成され、該棚部7c2に、起立位置46にある戸当たり16Aの右端16Adが後方から嵌合されており、この嵌合構造は、前述した戸当たり装置2においても同様である。
しかしながら、本形態の戸当たり装置2Aにおいては、右側を短くした平板パッキン48Aの右端面48Aaと、前記閉位置30にある扉本体8に設けたP型パッキン47の前面47aとの間に、ゴム部材などの弾性体から成る予備パッキン76が挿嵌されている。
該予備パッキン76は、平面断面視L字形状の本体部76aと、舌状の外縁部76bとから形成され、該本体部76aの左端面が前記平板パッキン48Aの右端面48Aaに当接され、前記本体部76aの後端面がP型パッキン47の前面47aに当接されるようにして、予備パッキン76が戸当たり16Aの右端16Adに嵌合固定されている。
これにより、矢印77に示すように、過大な水圧によって平板パッキン48Aの右外側から未貼着の部分を通って、扉本体8の前方に浸出しようとする水の流れを、前記予備パッキン76によって阻止することができ、防水扉の水密性の更なる向上を図ることができる。
すなわち、以上のような構成により、防水扉1の閉時に該防水扉1の扉本体8の周縁部8aが当接する戸当たり16と、上面が床面3aに略面一となるように埋設され前記戸当たり16が収納される上開口有底状の収納体17とを有する戸当たり装置2において、前記戸当たり16は、前記床面3aに対して略平行な倒伏位置45から略垂直な起立位置46・46a・46bまで防水扉1の扉閉方向18に回転可能な平板形状であって、前記戸当たり16の扉閉方向後面である後面16dを、前記扉本体8の受ける水圧によって収納体17内の受圧支持部である帯状突起17cに向かって押圧し、前記戸当たり16を起立位置46・46a・46bに固定保持させる起立保持構造53を設けると共に、該起立位置46・46a・46bにある戸当たり16にて、該戸当たり16の後面16dと前記扉本体8の周縁部8aとの間、及び前記戸当たり16の扉閉方向前面である前面16cと前記収納体17の帯状突起17cとの間に、それぞれ第一弾性体であるP型パッキン47と、第二弾性体である平板パッキン48を介装し、該P型パッキン47・平板パッキン48のいずれも、前記水圧によって圧縮状態とし、前記扉本体8と床面3aとの間を水密に閉塞させる水密構造54を設けたので、収納時には、平板形状で薄い戸当たり16を床面3aに略平行な倒伏位置46に配置することができ、該戸当たり16の収納体17の深さを薄くし、既設の地下鉄通路などのように、鉄筋コンクリート梁の上に薄いセメントや化粧石を積層していて浅い収納スペースしか確保できない場合にも、容易に適用することができる。更に、戸当たり16の起立位置46・46a・46bへの固定保持を水圧のみによって行うことができ、ボルトなどの締結手段を省くことで、締結手段の保管場所が不要となるだけでなく、締結作業をなくして防水扉1の閉操作を迅速に行うことができる。加えて、扉本体8の下縁部8a1からの水圧を複数の弾性体であるP型パッキン47・平板パッキン48に分散させることができ、応力集中軽減による戸当たり16の寿命向上や、扉本体8の下縁部8a1と戸当たり16との間の片当たりの抑制による防水扉1の水密性向上を図ることができる。
更に、前記起立保持構造53は、前記収納体17の底面17a1と戸当たり16の回転基端部16aを回動可能に連結するヒンジ43と、前記戸当たり16の扉閉方向前面である前面16cより突設されて受圧支持部である帯状突部17cに当接可能なリブ44とを備えるので、簡単な構成で起立保持構造53を設けることができ、部品数削減による装置コストの低減、メンテナンス性の向上を図ることができる。更に、リブ44によって平板形状で薄い戸当たり16の剛性を高めることができ、過大な水圧によっても戸当たり16が破損することがなく、強度上昇による戸当たり16の更なる寿命向上を図ることができる。
加えて、前記戸当たり16を倒伏位置45から起立方向51に回転していくと、前記第二弾性体である平板パッキン48がリブ44に先行して受圧支持部である帯状突部17cに当接するので、前記平板パッキン48を、高圧縮状態で戸当たり16と帯状突部17cとの間に介装することができ、戸当たり16と帯状突部17c間の水密性を向上させることができる。
そして、前記収納体17の底面17a1には、前記戸当たり16の扉閉方向後面である後面16dを上面55aで受けて底面17a1から浮かせ支持するスペーサ55を設ける一方、前記戸当たり16の扉閉方向前面である前面16cには、該戸当たり16を引き上げて回転させる把持部である取っ手49を設けるので、スペーサ55で設けた、戸当たり16と底面17a1間の隙間56に指をかけたり、取っ手49を把持することで、戸当たり16を容易に引き上げて起立方向51に回転させることができ、防水扉1の閉操作を一層迅速に行うことができる。更に、取っ手49を戸当たり16の前面16cに設けることで、扉本体8との干渉を防止することができ、把持するための空間を大きく確保し、戸当たり16を一層容易に引き上げて起立方向51に回転させることができる。
更に、前記戸当たり16を起立方向51に付勢する第一起立動作補助部材であるねじりコイルバネ57と、前記戸当たり16の起立時の回転を減速する第二起立動作補助部材であるダンパ58を備えるので、ねじりコイルバネ57によって戸当たり16の起立操作の操作力を軽減することができ、更に、ダンパ58によって該戸当たり16を緩やかに回転させることができ、起立操作の操作負荷の大幅な軽減を図ることができる。
加えて、前記第一起立動作補助部材はねじりコイルバネ57であり、前記第二起立動作補助部材はダンパ58であるので、前記第一起立動作補助部材・第二起立動作補助部材のいずれもコンパクトに形成することができ、戸当たり16を納めた収納体17の浅い収納スペースにも容易に収納することができる。
そして、前記収納体17の上部開口17eを閉塞すると上面60cが床面3aに略面一となる蓋板60を設け、該蓋板60の回転基端部60aは、前記戸当たり16よりも扉閉方向18側の収納体17の部位である縦壁部17d2の上部に、該戸当たり16と一緒に扉閉方向18に回転して起立可能に支持されると共に、前記蓋体60の下面60dには、先に前記収納体17に収納されて倒伏位置45にある戸当たり16に近接可能な突部材64を設けるので、防水時には、収納体17の上部開口17eを閉塞していた蓋体60を、戸当たり16と干渉することなく回転して起立させておくことができ、該蓋体60の取り外しと保管が不要となって、防水扉1の閉操作の操作性向上や防水扉1のコンパクト化を図ることができる。更に、たとえ、通常時に蓋体60が歩行者や荷物など通過物の重量によって下方に撓んでも、該蓋体60は、倒伏位置45にある戸当たり16の上面である前面16cに当接した突部材64によって支えることができ、該蓋体60の高さを床面3aと略面一に保持して、蓋体60上における通過物の円滑な通過を可能とする。
更に、前記第一弾性体であるP型パッキン47と第二弾性体である平板パッキン48は、少なくとも一方に多層弾性体構造73を備え、該多層弾性体構造73は、前記水圧による押圧部材である扉本体8側(P型パッキン47の場合)または戸当たり16側(平板パッキン48の場合)に配置した硬質弾性材78に、該硬質弾性材78よりも柔らかい軟質弾性材79を積層し、該軟質弾性材79を被押圧部材である戸当たり16(P型パッキン47の場合)または帯状突部17c(平板パッキン48の場合)に当接可能に形成するので、硬質弾性材78により、弾性体であるP型パッキン47・平板パッキン48の全体の変形を抑制して軟質弾性材79を堅固に支持した上で、該軟質弾性材79を、前記戸当たり16(P型パッキン47の場合)または帯状突部17c(平板パッキン48の場合)の外形に沿って自在に変形させることができ、扉本体8と戸当たり16との間(P型パッキン47の場合)または戸当たり16と帯状突部17cとの間(平板パッキン48の場合)を隙間なく埋めて、弾性体であるP型パッキン47・平板パッキン48の水密性能を著しく向上させることができる。
加えて、前記第一弾性体であるP型パッキン47は、いずれも多層弾性体構造である、被押圧部材である戸当たり16の後面16d内を押圧する第一弾性部66と、戸当たり16の端部である回転先端部16fを押圧する第二弾性部69とを備え、前記第一弾性部66は、前記硬質弾性材78から成る断面視P型形状の第一基部67の円筒部分67aの表面である前面67a1を、前記軟質弾性材79から成る半割パイプ形状の第一表部68で覆って形成し、前記第二弾性部69は、前記硬質弾性材78から成る平板形状の第二基部70の表面である前面70aを、前記軟質弾性材79から成る平板形状の第二表部71で覆って形成するので、戸当たり16の後面16d内には、内部に空孔を有していて弾性変形量が大きい第一基部67の円筒部分67aにより支持した第一表部68を当接して、第一弾性部66を高圧縮状態とし、戸当たり16の回転先端部16fには、平板形状であって回転先端部16fで発生する隙間が小さい第二基部70により支持した第二表部71を当接して、該回転先端部16fを隙間なく閉塞することができ、戸当たり16の部位に適した弾性部である第一弾性部66または第二弾性部69を当接し、様々な形状の戸当たり16への対応が可能となって、高い水密性能が得られる。
そして、前記戸当たり装置2を備えた防水扉1であって、通路途中や出入口の内周壁6に設けられた扉枠7と、水平回動して該扉枠7を開放・閉塞可能な止水板13・14を有する扉本体8と、該扉本体8の回転先端部である右縁部14aを前記内周壁6に固定するロック機構11とを含み、前記扉本体8には、前記周縁部8aの扉閉方向前面である前面8a2にあって水圧により扉枠と戸当たりに押圧される外周弾性部12を備え、該外周弾性部12を前記第一弾性体であるP型パッキン47により形成するので、起伏式防水扉のような床内の扉収納スペースや、引き戸式防水扉のような扉収納スペースとしての幅広の袖部が不要となり、通常時には、扉本体8を水平回動させて左右側壁のうちの左側壁部6a近傍に設けた戸袋9などに収納するだけでよく、扉本体8の収納スペースを別途に大きく確保する必要がない。一方、防水時には、扉本体8の右縁部14aを内周壁6にロックした状態で、水圧によって外周弾性部12を扉枠7と戸当たり16に押圧することができ、扉本体8の幅中央などにロック機構を設けた場合のように、前記扉枠7と戸当たり16に作用する水圧が該ロック機構に支持されて大きく減少することを防止し、扉本体8を閉じた際の水密性を十分に確保することができる。
本発明は、防水扉の閉時に該防水扉の扉本体の周縁部が当接する戸当たりと、上面が床面に略面一となるように埋設され前記戸当たりが収納される上開口有底状の収納体とを有する全ての戸当たり装置、およびそれを備えた防水扉に適用することができる。
1 防水扉
2 戸当たり装置
3a 床面
6 内周壁
7 扉枠
8 扉本体
8a 周縁部
8a2 前面(扉閉方向前面)
11 ロック機構
12 外周弾性部
13・14 止水板
14a 右縁部(回転先端部)
16 戸当たり
16a 回転基端部
16c 前面(扉閉方向前面)
16d 後面(扉閉方向後面)
16f 回転先端部(端部)
17 収納体
17a1 底面
17c 帯状突起(受圧支持部)
17d2 縦壁部(部位)
17e 上部開口
18 扉閉方向
43 ヒンジ
44 リブ
45 倒伏位置
46・46a・46b 起立位置
47 P型パッキン(第一弾性体)
48 平板パッキン(第二弾性体)
49 取っ手(把持部)
51 起立方向
53 起立保持構造
54 水密構造
55 スペーサ
55a 上面
57 ねじりコイルバネ(第一起立動作補助部材)
58 ダンパ(第二起立動作補助部材)
60 蓋板
60a 回転基端部
60c 上面
60d 下面
64 突部材
66 第一弾性部
67 第一基部
67a 円筒部分
67a1 前面(表面)
68 第一表部
69 第二弾性部
70 第二基部
70a 前面(表面)
71 第二表部
73 多層弾性体構造
78 硬質弾性材
79 軟質弾性材

Claims (9)

  1. 防水扉の閉時に該防水扉の扉本体の周縁部が当接する戸当たりと、上面が床面に略面一となるように埋設され前記戸当たりが収納される上開口有底状の収納体とを有する戸当たり装置において、
    前記戸当たりは、前記床面に対して略平行な倒伏位置から略垂直な起立位置まで防水扉の扉閉方向に回転可能な平板形状であって、前記戸当たりの扉閉方向後面を、前記扉本体の受ける水圧によって収納体内の受圧支持部に向かって押圧し、前記戸当たりを起立位置に固定保持させる起立保持構造を設けると共に、
    該起立位置にある戸当たりにて、該戸当たりの扉閉方向後面と前記扉本体の周縁部との間、及び前記戸当たりの扉閉方向前面と前記収納体の受圧支持部との間に、それぞれ第一弾性体・第二弾性体を介装し、該第一弾性体・第二弾性体のいずれも、前記水圧によって圧縮状態とし、前記扉本体と床面との間を水密に閉塞させる水密構造を設け
    前記収納体の底面には、前記戸当たりの扉閉方向後面を上面で受けて底面から浮かせ支持するスペーサを設ける一方、前記戸当たりの扉閉方向前面には、該戸当たりを引き上げて回転させる把持部を設けることを特徴とする戸当たり装置。
  2. 前記起立保持構造は、前記収納体の底面と戸当たりの回転基端部を回動可能に連結するヒンジと、前記戸当たりの扉閉方向前面より突設されて受圧支持部に当接可能なリブとを備えることを特徴とする請求項1に記載の戸当たり装置。
  3. 前記戸当たりを倒伏位置から起立方向に回転していくと、前記第二弾性体がリブに先行して受圧支持部に当接することを特徴とする請求項2に記載の戸当たり装置。
  4. 前記戸当たりを起立方向に付勢する第一起立動作補助部材と、前記戸当たりの起立時の回転を減速する第二起立動作補助部材とを備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の戸当たり装置。
  5. 前記第一起立動作補助部材は、ねじりコイルバネであり、前記第二起立動作補助部材は、ダンパであることを特徴とする請求項に記載の戸当たり装置。
  6. 前記収納体の上部開口を閉塞すると上面が床面に略面一となる蓋板を設け、
    該蓋板の回転基端部は、前記戸当たりよりも扉閉方向側の収納体の部位に、該戸当たりと一緒に扉閉方向に回転して起立可能に支持されると共に、
    前記蓋体の下面には、先に前記収納体に収納されて倒伏位置にある戸当たりに近接可能な突部材を設けることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の戸当たり装置。
  7. 前記第一弾性体・第二弾性体は、少なくとも一方に多層弾性体構造を備え、
    該多層弾性体構造は、前記水圧による押圧部材側に配置した硬質弾性材に、該硬質弾性材よりも柔らかい軟質弾性材を積層し、該軟質弾性材を被押圧部材に当接可能に形成することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の戸当たり装置。
  8. 前記第一弾性体は、いずれも多層弾性体構造である、被押圧部材の面内を押圧する第一弾性部と、被押圧部材の端部を押圧する第二弾性部とを備え、
    前記第一弾性部は、前記硬質弾性材から成る断面視P型形状の第一基部の円筒部分の表面を、前記軟質弾性材から成る半割パイプ形状の第一表部で覆って形成し、
    前記第二弾性部は、前記硬質弾性材から成る平板形状の第二基部の表面を、前記軟質弾性材から成る平板形状の第二表部で覆って形成することを特徴とする請求項に記載の戸当たり装置。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の戸当たり装置を備えた防水扉であって、
    通路途中や出入口の内周壁に設けられた扉枠と、
    水平回動して該扉枠を開放・閉塞可能な止水板を有する扉本体と、
    該扉本体の回転先端部を前記内周壁に固定するロック機構とを含み、
    前記扉本体には、前記周縁部の扉閉方向前面にあって水圧により扉枠と戸当たりに押圧される外周弾性部を備え、該外周弾性部を前記第一弾性体により形成することを特徴とする防水扉。
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