JP6000948B2 - 多糖の製造方法 - Google Patents
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Description
ヒアルロン酸はこれらの性質を持つので、化粧品添加剤、医薬品添加剤(関節炎治療剤、創傷被覆剤、眼科手術用手術補助剤及び外科手術後の癒着阻止剤等)として広範囲に使用される。
(1)前記の生体組織から抽出する方法(抽出法)(特許文献1及び2)、
(2)グルコース等の糖の存在下で、ヒアルロン酸を生成する能力を有する微生物を培養してヒアルロン酸を生産し、回収する方法(微生物培養方法)(特許文献3及び4)
が多く知られている。
また、(2)の微生物培養方法によるヒアルロン酸の生産では、ヒアルロン酸が生産されるのに伴って、培養溶液の粘度が上昇するため、通気攪拌が困難になる。さらに、通気攪拌が困難になることにより、ヒアルロン酸の生産が停止する。したがって、微生物培養方法は、ヒアルロン酸の生産効率が非常に低い問題がある。また、培養液の粘度が高いため、用いた微生物の除去に複雑な精製過程を要する問題がある。さらに、微生物の有するヒアルロン酸分解酵素により、生産されたヒアルロン酸が分解されるため、ヒアルロン酸の分子量が大きくならない、分子量の不均一性が高くなる等の問題もある。
ヒアルロン酸以外の多糖についても同様に、抽出法では不純物が多く混入してしまう問題があり、微生物培養方法では生産効率が低い、分子量が大きくならない、分子量の不均一性が高くなる等の問題がある。
すなわち、本発明の多糖の製造方法は、下記リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に多糖合成酵素(B)を作用させて多糖を製造する方法において、(A)に(B)を作用させる時間中の10〜100%の時間において、反応溶液中のリボヌクレオシド2リン酸の濃度が多糖合成酵素(B)の下記阻害濃度IC50の100倍未満である多糖の製造方法である。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)を用いて、阻害剤としてリボヌクレオシド2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのリボヌクレオシド2リン酸の濃度。
リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A):トリオース(a−1)、テトロース(a−2)、ペントース(a−3)、ヘキソース(a−4)、ヘプトース(a−5)及び下記単糖(a−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の単糖(a)が有する少なくとも1つのヒドロキシル基のプロトンが下記化学式(1)〜(5)のいずれか1つの官能基で置換された糖ヌクレオチド。
置換基(E):カルボキシル基、アミノ基、N−アセチルアミノ基、スルファート基、メチルエステル基、N−グリコリル基、メチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、リン酸基及び2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)を用いて、阻害剤としてリボヌクレオシド2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのリボヌクレオシド2リン酸の濃度。
リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A):トリオース(a−1)、テトロース(a−2)、ペントース(a−3)、ヘキソース(a−4)、ヘプトース(a−5)及び下記単糖(a−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の単糖(a)が有する少なくとも1つのヒドロキシル基のプロトンが下記化学式(1)〜(5)のいずれか1つの官能基で置換された糖ヌクレオチド。
置換基(E):カルボキシル基、アミノ基、N−アセチルアミノ基、スルファート基、メチルエステル基、N−グリコリル基、メチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、リン酸基及び2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基。
単糖(a)には、光学異性体及び立体異性体が含まれる。
テトロース(a−2)は、炭素数4の単糖であり、具体的には、エリトロース、トレオース及びエリトルロース等が挙げられる。
ペントース(a−3)は、炭素数5の単糖であり、具体的には、アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース及びデオキシリボース等が挙げられる。
ヘキソース(a−4)は、炭素数6の単糖であり、具体的には、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース、フコース、フクロース及びラムノース等が挙げられる。
ヘプトース(a−5)は、炭素数7の単糖であり、具体的には、セドヘプツロース等が挙げられる。
(a−6−1):カルボキシル基(−COOH)で置換された単糖
(a−6−2):アミノ基(−NH2)で置換された単糖
(a−6−3):N−アセチルアミノ基(−NHCOCH3)で置換された単糖
(a−6−4):スルファート基(−OSO3H)で置換された単糖
(a−6−5):メチルエステル基(−COOCH3)で置換された単糖
(a−6−6):N−グリコリル基(−NHCOCH2OH)で置換された単糖
(a−6−7):メチル基で置換された単糖
(a−6−8):1,2,3−トリヒドロキシプロピル基(−CHOHCHOHCH2OH)で置換された単糖
(a−6−9):リン酸基(−OPO3H2)で置換された単糖
(a−6−10):2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル基(−CH2CHOHCOOH)で置換された単糖
(a−6−11):(a−1)〜(a−5)の分子中のプロトン、ヒドロキシル基及びヒドロキシメチル基のうち少なくとも2つが2種以上の置換基(E)で置換された単糖
(a−6−2)として、具体的には、グルコサミン、ガラクトサミン及びマンノサミン等のアミノ糖等が挙げられる。
(a−6−3)として、具体的には、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルマンノサミン及びN−アセチルガラクトサミン等が挙げられる。
(a−6−4)として、具体的には、ガラクトース−3−硫酸等が挙げられる。
(a−6−5)として、具体的には、グルコースメチルエステル及び(a−6−1)中のカルボン酸をメチルエステル化したもの等が挙げられる。
(a−6−11)として、具体的には、N−アセチルムラミン酸、ムラミン酸、N−アセチルグルコサミン−4−硫酸、イズロン酸−2−硫酸、グルクロン酸−2−硫酸、N−アセチルガラクトサミン−4−硫酸、シアル酸、ノイラミン酸、N−グライコリルノイラミン酸及びN−アセチルノイラミン酸等が挙げられる。
(A−3)として、具体的には、ウリジン2リン酸−キシロース等が挙げられる。
(A−4)として、具体的には、シチジン2リン酸−グルコース、グアノシン2リン酸−マンノース、グアノシン2リン酸−フコース、アデノシン2リン酸−グルコース、ウリジン2リン酸−グルコース、ウリジン2リン酸−ガラクトース及びウリジン2リン酸−マンノース等が挙げられる。
(A−6)として、具体的には、ウリジン2リン酸−グルクロン酸、ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン、ウリジン2リン酸−ウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミン及びウリジン2リン酸−イズロン酸等が挙げられる。
多糖合成酵素(B)には、合成する多糖がヒアルロン酸であるヒアルロン酸合成酵素(B−1)、合成する多糖がコンドロイチンであるコンドロイチン合成酵素(B−2)、合成する多糖がキサンタンであるキサンタン合成酵素(B−3)、合成する多糖がセルロースであるセルロース合成酵素(B−4)、デンプン合成酵素(B−5)及びヘパリン合成酵素(B−6)が含まれる。また、(B)には、(B−1)〜(B−6)以外にも、単糖から多糖を合成する活性を有する酵素が含まれる。
(B−1)としては、従来のヒアルロン酸合成酵素を使用でき、ヒアルロン酸合成活性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、非特許文献(The Journal of Biological Chemistry,2007,Vol.282,No.51,P36777−36781)に記載されているクラスI及びクラスIIのヒアルロン酸合成酵素等が挙げられる。クラスI及びクラスIIは、酵素のアミノ酸配列の相同性によって分類されたものである。クラスIのヒアルロン酸合成酵素として、具体的には、ストレプトコッカスピロジェネシス由来、ストレプトコッカスエクイシミリス由来及び藻類ウイルス由来のヒアルロン酸合成酵素等が挙げられる。また、クラスIIのヒアルロン酸合成酵素として、具体的には、パスツレラ・ムルトシダ由来のヒアルロン酸合成酵素等が挙げられる。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)を用いて、阻害剤としてリボヌクレオシド2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのリボヌクレオシド2リン酸の濃度。
阻害濃度IC50は、(B)を(A)に作用させる工程の開始時から終了時までのいずれかの時点での、(B)を作用させる際と同じ(B)の濃度、温度及びpHの条件下で、下記測定を行うことにより求められる。
<阻害濃度IC50の測定方法>
一定量の多糖合成酵素(B)、リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)、リボヌクレオシド2リン酸、pH調整剤(K)及び水を含む一定の温度及びpHに調整した酵素反応溶液(I)を作成する。
酵素反応溶液(I)の温度は、製造工程中で(B)を(A)に作用させる工程の開始時から終了時までのいずれかの時点での温度と同じ温度に調整する。
酵素反応溶液(I)のpHは、製造工程中で(B)を(A)に作用させる工程の開始時から終了時までのいずれかの時点でのpHと同じpHに調整する。
酵素反応溶液(I)中の(B)のモル濃度は、(B)を(A)に作用させる工程の開始時から終了時までのいずれかの時点での濃度と同じ濃度に調整する。
酵素反応溶液(I)中のリボヌクレオシド2リン酸の含有量(モル濃度)は、リボヌクレオシド2リン酸が0Mの酵素反応溶液(I)、及びリボヌクレオシド2リン酸の濃度が0Mから多糖合成酵素(B)の活性が0になる(多糖の生成が観測できなくなる)リボヌクレオシド2リン酸の濃度との間で、リボヌクレオシド2リン酸の濃度が異なる4種類以上の酵素反応溶液(I)、合計5種類以上の酵素反応溶液(I)を作成する。また、類似の多糖合成酵素に対するリボヌクレオシド2リン酸の阻害定数Kiが分かっている場合は、リボヌクレオシド2リン酸の濃度が0Mのもの、類似の多糖合成酵素のKi未満で0Mより大きい濃度範囲で2種類以上、Ki以上及びKiの10倍以下の濃度範囲で2種類以上、合計5種類以上作成すればいい。
酵素反応溶液(I)中のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)の含有量は、経時的なピーク面積変化を観測できる濃度を1点選べばよい。測定に使用する(B)と類似の多糖合成酵素のミカエリス定数Kmが分かっている場合は、Km以上及びKmの5倍以下の濃度範囲の間で選べばよい。
酵素反応溶液(I)に用いるpH調整剤(K)は、扱いやすさ及び酵素の安定性の観点から、リン酸塩、ホウ酸塩、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(I)中の(K)の含有量(モル濃度)は、10〜500mMである。
作成した酵素反応溶液(I)について、(I)を作成直後及び一定時間(例えば5分)ごとに溶液の一部(例えば100μL)を取り出し、取り出したものを100℃で1分間熱処理し、酵素反応を停止する。液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する)を用いて、取り出した反応溶液中の多糖の量を定量する。酵素反応溶液(I)を作成直後のピーク面積をP0、h時間後のピーク面積をPhとし、ピーク面積の変化ΔP(ΔP=Ph−P0)と多糖のピーク面積に対する検量線を用いて酵素反応初速度v(M/s)を算出する。
さらに、リボヌクレオシド2リン酸の濃度が異なる酵素反応溶液(I)を用いて同様に測定し、酵素反応初速度vを算出する。
横軸に(x軸)に酵素反応溶液(I)中のそれぞれのリボヌクレオシド2リン酸の濃度、縦軸(y軸)にリボヌクレオシド2リン酸の濃度が0の時の酵素反応初速度vを100(%)としたときの相対活性をプロットする。プロットを直線でつなぎ、y=50(%)となるときのリボヌクレオシド2リン酸の濃度を阻害濃度IC50とする。
リボヌクレオシド2リン酸の濃度が高くなればなるほど、多糖合成酵素(B)の活性が抑制される。IC50の100倍のリボヌクレオシド2リン酸が存在すれば、多糖合成酵素の活性は100分の1に抑制される。したがって、IC50の100倍のリボヌクレオシド2リン酸が存在すれば、多糖合成酵素を100倍必要とする。さらに、多糖合成酵素溶液に含まれる夾雑酵素も同時に反応系に組み込まれる。つまり、多糖合成酵素の純度99%として、リボヌクレオシド2リン酸がIC50の100倍存在する場合、(リボヌクレオシド2リン酸が存在しない条件の)100倍多糖合成酵素を添加すると、夾雑酵素はリボヌクレオシド2リン酸が存在しない時に添加する多糖合成酵素の量と同程度含まれることになる。よって、夾雑酵素による望まない反応が問題になってくる。多糖合成酵素の精製度を上げればこの問題は解決するのだが、工業的に酵素を精製する場合、純度99%以上を達成する事は非常に困難である。よって、リボヌクレオシド2リン酸の濃度は100倍未満にする必要がある。
また、複数種類の(B)を用いる場合は、全ての(B)の阻害濃度IC50を測定し、少なくとも1つの(B)の阻害濃度IC50について上記範囲であることが好ましい。
また、(A)に(B)を作用させる工程において、リボヌクレオシド2リン酸の濃度が上記範囲である時間は、(A)に(B)を作用させる時間中の10〜100%の時間であるが、反応効率の観点から、30〜100%の時間であることが好ましく、さらに好ましくは50〜100%の時間であり、特に好ましくは80〜100%の時間であり、最も好ましくは90〜100%の時間である。
多糖合成酵素(B)を用いた従来の生産方法は、副生成物であるリボヌクレオシド2リン酸により、(B)の活性が阻害されるため、多糖の生産効率が低い、生産量が少ない、(B)が大量に必要である等の問題があるが、本発明では、(A)に(B)を作用させる際の反応溶液中のリボヌクレオシド2リン酸の濃度が上記範囲であることにより、リボヌクレオシド2リン酸が(B)の活性を阻害しにくく、従来の生産方法よりも生産効率が高い。また、(B)の活性が阻害されにくいので、単位酵素あたりの多糖の生産量が多く、(B)を多量に使用する必要がない。
(i)リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)を用いてリボヌクレオシド2リン酸を後述する化合物(C)に変換する方法
(ii)シリカゲル担体等を用いて反応溶液中のリボヌクレオシド2リン酸を吸着させる方法
(iii)化学反応によりリボヌクレオシド2リン酸を他の化合物に変換する方法
(iii)の方法においては、リボヌクレオシド2リン酸を他の化合物に変換することができる化学反応であれば、一般的に知られている化学反応を制限無く用いることができる。
リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に多糖合成酵素(B)を作用させて多糖を製造する方法において、リボヌクレオシド2リン酸を下記化合物(C)に変換する活性を有するリボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)の存在下で(B)を作用させる多糖の製造方法。
化合物(C):プリン塩基又はピリミジン塩基(C−1)、リボヌクレオシド(C−2)、リボヌクレオシド1リン酸(C−3)、リボヌクレオシド3リン酸(C−4)、ポリリボヌクレオチド(C−5)、デオキシリボヌクレオシド2リン酸(C−6)及びリボヌクレオシド2リン酸−単糖(C−7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物。
(C−2)は、(C−1)の塩基と単糖が結合した化合物であり、具体的には、ウリジン、アデノシン、リボチミジン、シチジン及びグアノシン等が挙げられる。
(C−3)は、(C−2)のモノリン酸エステル化物であり、具体的には、ウリジル酸(ウリジン5’−リン酸)、アデノシン1リン酸(アデノシン5’−リン酸)、リボチミジル酸(リボチミジン5’−リン酸)、シチジン1リン酸(シチジン5’−リン酸)及びグアノシン1リン酸(グアノシン5’−リン酸)等が挙げられる。
(C−4)は、(C−2)のトリリン酸エステル化物であり、具体的には、ウリジン3リン酸(ウリジン5’−3リン酸)、アデノシン3リン酸(アデノシン5’−3リン酸)、リボチミジン−3リン酸(リボチミジン5’−3リン酸)、シチジン3リン酸(シチジン5’−3リン酸)及びグアノシン3リン酸(グアノシン5’−3リン酸)等が挙げられる。
(C−5)は、(C−3)がホスホジエステル結合で重合したポリマーであり、具体的には、ポリウリジル酸、ポリアデニル酸、ポリチミジル酸、ポリシチジル酸及びポリグアニル酸等が挙げられる。
(C−6)は、リボヌクレオシド2リン酸分子中のリボースが2−デオキシリボースとなったものであり、具体的には、デオキシウリジン2リン酸、デオキシアデノシン2リン酸、デオキシグアノシン2リン酸、デオキシシチジン2リン酸及びチミジン2リン酸等が挙げられる。
(C−7)には、上記リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)が含まれる。
(D1)リボヌクレオシド2リン酸をプリン塩基又はピリミジン塩基に変換する活性を有する酵素
(D2)リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシドに変換する活性を有する酵素
(D3)リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシド1リン酸に変換する活性を有する酵素
(D4)リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシド3リン酸に変換する活性を有する酵素
(D5)リボヌクレオシド2リン酸をポリリボヌクレオチドに変換する活性を有する酵素
(D6)リボヌクレオシド2リン酸をデオキシリボヌクレオシド2リン酸に変換する活性を有する酵素
(D7)リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシド2リン酸−単糖に変換する活性を有する酵素
また、(D4)には、ウリジン3リン酸合成酵素(D4−1)が含まれる。(D4−1)は、作用するリボヌクレオシド2リン酸がウリジン2リン酸であり、ウリジン3リン酸を合成する反応を触媒する酵素である。
(D4)のうち、リボヌクレオシド3リン酸合成活性の高さの観点から、アルギニンキナーゼ、ヌクレオシド2リン酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びカルバミン酸キナーゼが好ましい。
リン酸基含有化合物(F)を用いる場合、(D4)と(F)との組み合わせとしては、ヌクレオシド2リン酸キナーゼとヌクレオシド3リン酸との組み合わせ、ポリリン酸キナーゼとポリリン酸との組み合わせ、アルギニンキナーゼとω−ホスホノ−L−アルギニンとの組み合わせ、ピルビン酸キナーゼとホスホエノールピルビン酸及びその塩との組み合わせ、カルバミン酸キナーゼとカルバモイルリン酸との組み合わせ、ホスホグリセリン酸キナーゼと3−ホスホグリセロールリン酸との組み合わせ、ホスホグリセリン酸キナーゼと3−ホスホグリセロールリン酸との組み合わせ並びにホスホクレアチンキナーゼとホスホクレアチンとの組み合わせが好ましい。
ミカエリス定数Km:ウリジン2リン酸を基質とし、(D4−1)を酵素とし、リン酸基含有化合物(F)の存在下でウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をウリジン2リン酸−単糖に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてウリジン2リン酸−単糖を用いて、阻害剤としてウリジン2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのウリジン2リン酸の濃度。
(d7−1)には、単糖、二糖及びオリゴ糖等が含まれ、具体的には、スクロース等が挙げられる。
(d7−2)は、単糖の有するヒドロキシル基のうち1つに1つのリン酸が結合した化合物であり、例えば、グルクロン酸1リン酸(1−ホスホ−α−D−グルクロン酸等)、N−アセチルグルコサミン1リン酸(N−アセチル−D−グルコサミン−1−ホスファート等)等が挙げられる。
(D7)により合成されるリボヌクレオシド2リン酸−単糖は、本発明の製造方法の原料である(A)と同じでもよく、(A)と異なってもいい。糖(d7−1)又は糖リン酸(d7−2)として、本発明の製造方法の原料であるリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)と同じ単糖(a)のヒドロキシル基に、1つのリン酸が結合した化合物である場合は、(A)が合成される。
(D)は、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもいい。
酵素活性比(Y1)=Vmax1/Vmax2 (1)
酵素活性Vmax1:リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)のリボヌクレオシド2リン酸に対する酵素活性。
酵素活性Vmax2:リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に対する酵素活性。
なお、酵素活性Vmax1及びVmax2は下記酵素活性Vmaxの測定法により測定できる。
一定量の基質(リボヌクレオシド2リン酸又はウリジン2リン酸−単糖(A))、酵素(多糖合成酵素(B)又はリボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D))、pH調整剤(K)及び水を含む、一定の温度及び一定のpHに調整した酵素反応溶液(II)を作成する。酵素反応溶液(II)中において、用いる酵素が(D4)である場合は必要によりリン酸基含有化合物(F)を添加し、酵素が(D6)である場合は還元剤(d6)を添加し、(D7)である場合は糖核酸の原料(d7)を添加する。
酵素反応溶液(II)を作成後、静置し、1分〜100時間酵素反応させる。次に、反応後の反応生成物量(X)を測定して酵素反応初速度vを求める。同様に、基質の濃度が異なる酵素反応溶液(II)を用いて、酵素反応初速度vを求める。得られた酵素反応初速度vと基質の濃度とからラインウェバー−バークプロットを作成し、酵素活性Vmaxを求める。
ここで、酵素反応溶液(II)の温度は、0〜100℃の範囲内で、酵素の活性が失活せず、活性がある温度で、酵素反応溶液(II)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(II)のpHは、pH3〜12の範囲内であればいい。後述する多糖合成酵素(B)の最適pHがわかっている場合は、最適pHであることが好ましい。
酵素反応溶液(II)に用いるpH調整剤(K)は、扱いやすさ及び酵素の安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(II)中のpH調整剤(K)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(II)中の酵素の濃度(モル濃度)は、使用する(D)の種類によって適宜選択されるが、後述する反応生成物量(X)を縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが一次関数となる濃度を選ぶ。
酵素が(D4)であり、リン酸基含有化合物(F)を添加する場合、酵素反応溶液(II)中の(F)の濃度(モル濃度)は、1nM〜10Mである。また、(F)の濃度は、(F)の濃度を2倍又は1/2倍に変化させても、反応速度が変化しない程度の濃度とする。
酵素が(D6)である場合、酵素反応溶液(II)中の還元剤(d6)の濃度(モル濃度)は、1nM〜10Mである。また、(d6)の濃度は、(d6)の濃度を2倍又は1/2倍に変化させても、反応速度が変化しない程度の濃度とする。
酵素が(D7)である場合、酵素反応溶液(II)中の糖核酸の原料(d7)の濃度(モル濃度)は、1nM〜10Mである。また、(d7)の濃度は、(d7)の濃度を2倍又は1/2倍に変化させても、反応速度が変化しない程度の濃度とする。
酵素反応溶液(II)中の基質の濃度(モル濃度)は、経時的に反応生成物量(X)を観測できる最小の基質濃度から最大の基質濃度の間で3点以上選べばよい。
反応時間は、短すぎると、反応生成物量(X)の正確な値が測定できない。また、反応時間が長すぎると、酵素が失活したり基質が枯渇するという問題が存在する。したがって、反応時間は反応生成物量(X)を縦軸に、時間を横軸にプロットした場合、プロットが一次関数となる反応時間とする。
反応生成物量(X)は、反応生成物の量を定量的に測定する目的で適切な条件下でHPLCを用いて解析を行うことにより求める。ここにおいて、反応生成物とは、多糖合成酵素(B)又はリボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)が有する活性により基質が変換されて生成したものである。
酵素活性Vmax(M/s)はミカエリスメンテン式から派生したラインウェバー−バーク(Lineweaver−Burk)プロットを用いて求める。ラインウェバー−バークプロットは、横軸(x軸)にそれぞれの基質の濃度の逆数(1/[S])、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度での酵素反応初速度の逆数(1/v)をプロットしたものであり、プロットの近似直線とy軸との交点が酵素活性Vmaxの逆数(1/Vmax)である。
また、多糖の製造において、2種以上の(D)を用いる場合は、それぞれの(D)について酵素活性比(Y1)を求める。多糖を効率よく製造する観点及び基質(リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A))を有効利用する観点から、少なくとも1種の(D)について酵素活性比(Y1)が0.1以上であることが好ましく、さらに好ましくは全ての(D)について酵素活性比(Y1)が0.1以上であることが好ましい。
一定量のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)、多糖合成酵素(B)、pH調整剤(K)及び水を含み、pHがそれぞれ3〜12である酵素反応溶液(III)を作成する。次に、酵素反応溶液(III)を静置して、1分〜100時間反応を行う。さらに、酵素反応溶液(III)中に生成した多糖の量をそれぞれ測定する。縦軸に多糖の生成量、横軸にpHをプロットし、多糖の生成量が極大値となるpHが最適pHである。
酵素反応溶液(III)の温度は、0〜100℃の範囲内で、多糖合成酵素(B)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(III)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(III)に用いるpH調整剤(K)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(III)中のpH調整剤(K)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(III)中のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)の濃度(モル濃度)は、10mMである。また、複数種類の(A)を用いる場合は、それぞれの濃度(モル濃度)が10mMである。(A)としては、(B)を作用させる(A)を適宜選択して用いる(例えば、(B)が(B−1)である場合は、(A)としてリボヌクレオシド2リン酸−グルクロン酸及びリボヌクレオシド2リン酸−N−アセチルグルコサミンを用いる)。
酵素反応溶液(III)中の多糖合成酵素(B)の濃度(U/L)は0.001〜10,000U/Lである。(但し1Uとは1分間に1μmolのリボヌクレオシド2リン酸−糖からリボヌクレオシド2リン酸を生成する酵素量である。)
反応時間は、短すぎると多糖の生成量の正確な値が測定できない。また、反応時間が長すぎると、酵素が失活したり基質が枯渇するという問題が存在する。したがって、多糖の生成量を縦軸に、時間を横軸にプロットした場合、プロットが一次関数となる反応時間で、多糖の生成量の正確な値が測定できる反応時間とする。
多糖の生成量は、放射性同位体でラベルしたリボヌクレオシド2リン酸−単糖を用いることで測定できる。例えば、14Cで単糖(例えばグルクロン酸)をラベルしたリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)(例えばリボヌクレオシド2リン酸−グルクロン酸)を用いて多糖合成を行い、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質(リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A))と多糖を分離し、多糖の生成量を測定する。
それぞれのpH(pH3〜12)の酵素反応溶液(III)について、同様に多糖の生成量を測定する。
縦軸に多糖の合成量、横軸にpHをプロットし、多糖の合成量が極大値となるpHが最適pHである。
酵素活性比(Y2)=Vmax1/Vmax3 (2)
酵素活性Vmax3:多糖合成酵素(B)のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に対する酵素活性。
なお、酵素活性Vmax3は上記酵素活性Vmaxの測定法において、酵素として多糖合成酵素(B)を用いて、基質としてリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)を用いることにより測定できる。
また、多糖の製造において、2種以上の(B)及び/又は2種以上の(D)を用いる場合は、それぞれの(B)及び(D)について酵素活性比(Y2)を求める。多糖を効率よく製造する観点及び基質(リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A))を有効利用する観点から、少なくとも1種の(B)及び(D)の関係について酵素活性比(Y2)が0.1以上であることが好ましく、さらに好ましくは全ての(B)及び(D)の関係において酵素活性比(Y2)が0.1以上であることが好ましい。
工程(a):所定量のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)、多糖合成酵素(B)、リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)及び溶剤(H)を混合して反応溶液(Z)とし、所定の温度、所定のpHに調整する。本工程では、必要により攪拌してもいい。
リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)及び溶剤(H)を混合し、温度及びpHを調整した後、(B)及び(D)を添加してもいい。さらに、(B)及び(D)は、そのまま添加してもよく、溶剤(H)で希釈してから添加してもいい。
また、反応溶液(Z)中には、使用する(D)が(D4)である場合は、リン酸基含有化合物(F)を含んでもいい。また、使用する(D)が(D6)である場合は、還元剤(d6)を含む。また、使用する(D)が(D7)である場合は、糖核酸の原料(d7)を含む。
さらに、反応溶液(Z)中には、脂質(L)、糖類(M)及びオリゴ糖(N)を含んでもいい。
工程(b):反応溶液(Z)の温度を調整しながら、所定の時間、リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に多糖合成酵素(B)を作用させる。本工程では、必要により攪拌してもいい。
工程(c):生成した多糖を精製する。多糖の精製方法としては、適量のアルコール(炭素数1〜10のアルコール)などの溶剤を加えて沈殿させる方法や膜(具体的には、セラミック膜等)を用いて溶液交換をする方法等が挙げられる。
反応溶液(Z)中の多糖合成酵素(B)の含有量(重量%)は、多糖を効率よく製造する観点及び多糖合成酵素(B)を効率よく作用させる観点から、0.1〜100,000U/Lが好ましい。
ここで1Uは、1分間に1μmolの基質(リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A))を多糖に変換する酵素量を意味する。例えば、(B)が(B−1)であり、(A)としてウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンを用いる場合、1分間にウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンを合計1μmol、多糖に変換する酵素量を意味する。
反応溶液(Z)中のリボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)の含有量(U/L)は、多糖を効率よく製造する観点及び多糖合成酵素(B)を効率よく作用させる観点から、0.1〜100,000U/Lが好ましい。
1Uは、1分間に1μmolの基質(リボヌクレオシド2リン酸)を化合物(C)に変換する酵素量を意味する。
糖類(M)としては、例えば、グリセリン等が挙げられる。
オリゴ糖(N)としては、例えば、オリゴヒアルロン酸等が挙げられる。
反応溶液(Z)中の糖類(M)の含有量(重量%)は、酵素の安定化及び酵素の活性化の観点から、0〜30が好ましい。
反応溶液(Z)中のオリゴ糖(N)の含有量(重量%)は、酵素の安定化及び酵素の活性化の観点から、0〜1が好ましい。
また、ウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(G)は、2種以上を用いてもいい。
反応溶液(Z)中のウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(G)の含有量(U/mL)はウリジン2リン酸―グルクロン酸の変換効率を良くする観点から、0.00001U/mL〜10,000U/mLが好ましく、さらに好ましくは0.001U/mL〜1,000U/mLである。
1Uとは、1分間に1μmolのウリジン3リン酸及び1μmolの1−ホスホ−グルクロン酸をウリジン2リン酸−グルクロン酸にする酵素量である。
工程(1):ウリジン2リン酸−グルクロン酸とウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンとにヒアルロン酸合成酵素(B−1)を作用させて、ヒアルロン酸及びウリジン2リン酸を得る工程。
工程(2):ウリジン2リン酸とリン酸基含有化合物(F)とにウリジン3リン酸合成酵素(D4−1)を作用させてウリジン3リン酸を得る工程。
工程(3):ウリジン3リン酸と1−ホスホ−グルクロン酸とにウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(G)を作用させてウリジン2リン酸−グルクロン酸を得る工程。
ミカエリス定数Km:ウリジン2リン酸を基質とし、(D4−1)を酵素とし、リン酸基含有化合物(F)の存在下でウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数。
阻害濃度IC50:(B−1)をウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンに作用させる際の(B−1)の濃度において、基質としてウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンを用いて、阻害剤としてウリジン2リン酸を用いて求めた、(B−1)の酵素活性が半減するときのウリジン2リン酸の濃度。
ピロリン酸分解酵素としては、EC3.1.3及びEC3.6.1に分類される酵素が挙げられ、具体的にはアルカリホスファターゼ、アピラーゼ、フィターゼ及びジホスファターゼ等が挙げられる。
ピロリン酸分解酵素としては、反応生成物(ウリジン3リン酸及びヒアルロン酸)を分解しにくいという観点から、ジホスファターゼが好ましい。
反応溶液(Z)中のピロリン酸分解酵素の含有量(U/mL)は、反応生成物(ウリジン3リン酸、ウリジン2リン酸−グルクロン酸及びヒアルロン酸)を分解せずにピロリン酸を分解する観点から、0.00001〜100が好ましい。
ピロリン酸分解酵素において、1Uは、1分間に1μmolのピロリン酸を分解する酵素量である。
ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子にFLAGタグを融合した遺伝子をpKK223−3に組み込んだプラスミドを大腸菌E.coliSUREに形質転換して、30℃で5時間培養し、培養液の濁度(濁度計:島津製作所社製「UV−1700」、1mlの石英セル)が0.5に達したところで、発現誘導した。その後、遠心分離機[KUBOTA社製「5922」(以下同じ)、4℃、6000×g、15分間]を用いて大腸菌を回収した。回収した大腸菌を、緩衝液A{100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、10mMのドデシルマルトシド、5mMのオレイン酸を含む100mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}に再懸濁して、超音波破砕(130W、10分)を行った。その後、抗FLAG抗体カラムで精製を行い、ヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を得た。
水溶液S{1mMのウリジン2リン酸−グルクロン酸(14Cでラベルした放射性同位体を含むウリジン2リン酸−グルクロン酸、放射能300mCi/mmol)、1mMのウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン、100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、10mMのドデシルマルトシド、5mMのオレイン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を10μL加えて、反応溶液(1)としたものを4つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分、20分反応を行った。ろ紙(Whatman No.3MM、以下同じ)を用いたペーパークロマトグラフィー法(展開溶媒:1M酢酸アンモニウム(pH5.5):エタノール=7:13、以下同じ)で未反応の基質とヒアルロン酸とを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定した。14Cでラベルしたグルクロン酸の取り込み量から、ヒアルロン酸の合成量を算出したところ、それぞれ5分後1.6mg、10分後2.9mg、15分後4.2mg、20分後5.5mgであった。ヒアルロン酸の合成量と反応時間との関係から、ヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)の比活性を計算した。その結果、0.15U/μlであった。
1.5mL容量のチューブ中で940μLの水溶液1[5mMの塩化マグネシウムと0.05mMのウリジン2リン酸ナトリウムを含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.5、25℃)]に、製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を1.5U/mLとなるように溶解し、恒温水槽を用いてチューブを40℃で20分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液[1−1][ウリジン2リン酸−グルクロン酸ナトリウム塩及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンを緩衝液B{50mMのリン酸緩衝液(pH7.5、25℃)}に溶解してそれぞれ20mMの濃度にしたもの]を50μL添加し、酵素反応溶液(I−1)とした。(I−1)を作成直後及び5分おきに100μLずつ取り出し、取り出した溶液は、100℃で2分間加熱して酵素反応を停止した。酵素反応を停止した溶液について、遠心分離器(4℃、12,000×g、10分)を用いて遠心し、不純物を沈殿させた。上清80μLを下記条件でHPLCにより分析し、ヒアルロン酸のピーク面積を記録した。
<HPLCの測定条件>
以下において、HPLCの測定条件は全て同じである。
装置:ACQUITY UPLCシステム
カラム:Shodex OHpak SB−806M HQ
移動相:0.1M NaNO3
流速:1.0ml/min
検出器:ACQUITY UPLC RID検出器
温度:40℃
水溶液1において、ウリジン2リン酸ナトリウムの濃度が異なる溶液{0mM(水溶液2)、0.15mM(水溶液3)、3mM(水溶液4)、1mM(水溶液5)及び3mM(水溶液6)}を作成した。水溶液1に代えて水溶液2〜6を用いる以外は同様にして酵素反応溶液(I−2)〜(I−6)を作成した。酵素反応溶液(I−2)〜(I−6)についても、酵素反応溶液(I−1)の場合と同様にして、ヒアルロン酸のピーク面積を記録した。
ヒアルロン酸ナトリウム(フナコシ社製、「ヒアロース」、分子質量:175kDa)を緩衝液Bに溶解し、それぞれ0.001μg/mL、0.01μg/mL、0.1μg/mL及び5μg/mLの濃度にしたものを作成し、ヒアルロン酸標準溶液(1)〜(4)とした。(1)〜(4)を、HPLCにより分析し、ヒアルロン酸のピーク面積をそれぞれ記録した。横軸(x軸)にそれぞれのヒアルロン酸濃度(μg)、縦軸(y軸)にそれぞれのピーク面積Pをプロットし、直線の傾き「k」を算出した。
(I−1)〜(I−6)を作成直後のウリジン3リン酸のピーク面積をP0、「m」分後のピーク面積をPhとし、それぞれピーク面積の変化ΔP(ΔP=Ph−P0)と上記直線の傾きを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(μg/s)を算出した。
v=ΔP/(k×m×60)(1)
酵素反応溶液(I−2)を用いて測定した酵素反応初速度vを100%とし、酵素反応溶液(I−1)及び(I−3)〜(I−6)を用いて測定した酵素反応初速度の相対値(%)を算出した。算出した相対値を用いて、横軸(x軸)にそれぞれのウリジン2リン酸濃度[S]、縦軸(y軸)に酵素反応溶液(I−1)〜(I−6)での酵素反応初速度vの相対値をプロットした。プロットの近似曲線と直線y=50(%)との交点でのウリジン2リン酸の濃度が阻害濃度IC50であり、阻害濃度IC50は0.11mMであった。
また、上記において、「ヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を1.5U/mL」に代えて「ヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を45U/mL」とする以外は同様にして、阻害濃度IC50を測定したところ、0.11mMであった。
下記の「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「ヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)」を用いて、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」を用いて、また、「スクロース」を用いない以外は同様にして、ウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンに対する酵素活性Vmax3を求めた。
得られた酵素活性Vmax3と、後述する(D2−1)、(D3−1)、(D4−1−1)〜(4−1−3)、(D5−1)、(D6−1)及び(D7−1)について求めた酵素活性Vmax1とから、酵素活性比(Y2)を求めた。酵素活性比(Y2)は全て0.1以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「ソラマメ由来の配列番号2のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を得た。
水溶液R{100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、1mMのウリジン2リン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、1Mのスクロース水溶液を10μL及びスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL加えて反応溶液(2)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−7)である反応生成物(ウリジン2リン酸−グルコース)の量は、TLC(Sigma社製、PEI−Celluloseプレート、以下同じ)で展開して(展開溶媒:1MのLiCl、1Mのギ酸を含む水溶液、以下同じ)、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−7)の生成量と反応時間との関係から、スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
水溶液P{100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウムを含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、溶液中の濃度が0.5mMとなるように基質(ウリジン2リン酸)を加え、スクロース(和光純薬工業社製)を溶液中の濃度が100mMとなるように加え、スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を1μL加えて酵素反応溶液(II−1)とし、反応を開始した。酵素反応溶液(II−1)を30℃で静置し、HPLCを用いて反応生成物(ウリジン2リン酸−グルコース)の量を5分毎に測定しながら30分酵素反応させ、酵素反応初速度vを算出した。さらに、酵素反応溶液(II−1)中のウリジン2リン酸の濃度が0.3mM、0.1mM、0.05mMのもの(II−2)〜(II−4)について、同様に酵素反応初速度vを算出した。
横軸(x軸)にそれぞれ酵素反応溶液(II−1)〜(II−4)の基質(ウリジン2リン酸)の濃度の逆数(1/[S])、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度での酵素反応初速度の逆数(1/v)をプロットしたLinewaver−Burkプロットを作成した。プロットの近似直線とy軸との交点から、酵素活性Vmax1の逆数(1/Vmax1)を求めた。
基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」を用いる以外は同様にしてVmax2を求めた。求めたVmax1及びVmax2から酵素活性比(Y1)を算出したところ、10以上であった。
また、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」を用いる以外は同様にしてVmax2を求めた。求めたVmax1及びVmax2から酵素活性比(Y1)を算出したところ、10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「コリネバクテリウム・グルタミカス由来の配列番号3のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、リボヌクレオチド2リン酸リダクターゼ水溶液(D6−1)を得た。
1mLの水溶液Rに、還元型チオレドキシンを0.1mgと、リボヌクレオチド2リン酸リダクターゼ水溶液(D6−1)を10μL加えて、反応溶液(3)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−6)である反応生成物(デオキシウリジン2リン酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−6)の生成量と反応時間との関係から、リボヌクレオチド2リン酸リダクターゼ水溶液(D6−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「リボヌクレオチド2リン酸リダクターゼ水溶液(D6−1)」を用いて、また、「スクロース」に代えて「還元型チオレドキシン」を用いる以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」及び「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にしてVmax2を求めた。求めたVmax1及びVmax2から酵素活性比(Y1)を算出したところ、全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「大腸菌由来の配列番号4のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、ピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を得た。
1mLの水溶液Rに、1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液(和光純薬工業社製)を10μLと、ピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を10μL加えて、反応溶液(4)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−4)である反応生成物(ウリジン3リン酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−4)の生成量と反応時間との関係から、ピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「ピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」を用いて、また、「スクロース」に代えて「ホスホエノールピルビン酸1カリウム」を用いる以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミン」、「ウリジン2リン酸−グルコース」、「ウリジン2リン酸−マンノース」及び「ウリジン2リン酸−グルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「大腸菌由来の配列番号5のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、ヌクレオチダーゼ水溶液(D3−1)を得た。
1mLの水溶液Rに、ヌクレオチダーゼ水溶液(D3−1)を10μL加えて、反応溶液(5)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−3)である反応生成物(ウリジン1リン酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−3)の生成量と反応時間との関係から、ヌクレオチダーゼ水溶液(D3−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「ヌクレオチダーゼ水溶液(D3−1)」を用いて、また、「スクロース」を用いない以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」及び「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「大腸菌由来の配列番号6のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、ポリリボヌクレオチドヌクレオチジルトランスフェラーゼ水溶液(D5−1)を得た。
1mLの水溶液Rに、ポリウリジン(Sigma社製、品名「ポリウリジリックアシッドポタジウムソルト」)を1mg、ポリリボヌクレオチドヌクレオチヂルトランスフェラーゼ水溶液(D5−1)を10μL加えて、反応溶液(6)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−5)である反応生成物(ポリウリジル酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−5)の生成量と反応時間との関係から、ポリリボヌクレオチドヌクレオチジルトランスフェラーゼ水溶液(D5−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「ポリリボヌクレオチドヌクレオチジルトランスフェラーゼ水溶液(D5−1)」を用いて、また、「スクロース」を用いない以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」及び「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「アフリカツメガエル由来の配列番号7のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、アピラーゼ水溶液(D2−1)を得た。
1mLの水溶液Rに、アピラーゼ水溶液(D2−1)を10μL加えて、反応溶液(7)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−2)である反応生成物(ウリジン)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−2)の生成量と反応時間との関係から、アピラーゼ水溶液(D2−1)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「アピラーゼ水溶液(D2−1)」を用いて、また、「スクロース」を用いない以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」及び「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「ラットすい臓由来の配列番号8のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、ヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)を得た。
1mLの水溶液Rに、5mMのアデノシン3リン酸(Sigma社製)を含む溶液を作成し、ヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)を10μL加えて、反応溶液(8)としたものを3つ作成し、30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−4)である反応生成物(ウリジン3リン酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−4)の生成量と反応時間との関係から、ヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「ヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)」を用いて、また、「スクロース」に代えて「アデノシン3リン酸」を用いる以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミン」、「ウリジン2リン酸−グルコース」、「ウリジン2リン酸−マンノース」及び「ウリジン2リン酸−グルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「トキソプラズマ属由来の配列番号9のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、アルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)を得た。
水溶液Rを1mLに、1Mのω−ホスホノ−L−アルギニン水溶液(Sigma社製)を含む溶液を作成し、アルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)を10μL加えて、反応溶液(9)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。化合物(C−4)である反応生成物(ウリジン3リン酸)の量は、TLCで展開して、UVライト(260nm)で検出して求めた。化合物(C−4)の生成量と反応時間との関係から、アルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)の比活性を計算したところ、0.3U/μlであった。
「スクロースシンターゼの酵素活性Vmax1、Vmax2、酵素活性比(Y1)の測定」において、「スクロースシンターゼ水溶液(D7−1)」に代えて「アルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)」を用いて、また、「スクロース」に代えて「ホスホエノールピルビン酸1カリウム」を用いる以外は同様にして、ウリジン2リン酸に対する酵素活性Vmax1を求めた。
さらに、基質として、「ウリジン2リン酸」に代えて「ウリジン2リン酸−グルクロン酸」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン」、「ウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミン」、「ウリジン2リン酸−グルコース」、「ウリジン2リン酸−マンノース」及び「ウリジン2リン酸−グルコサミン」をそれぞれ用いる以外は同様にして、それぞれ酵素活性Vmax2を求め、酵素活性比(Y1)を求めた。酵素活性比(Y1)は全て10以上であった。
製造例8で得たヌクレオシド−2−リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)10μLを、1.5mLのチューブ中で890μLの水溶液7[5mMの塩化マグネシウム、100mMのアデノシン3リン酸(Sigma社製)を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.5、25℃)]に溶解し、恒温水槽を用いてチューブを30℃で3分静置した。ここに、30℃に温調した基質溶液[2−1](ウリジン2リン酸ナトリウムを緩衝液Bに溶解して10mMの濃度にしたもの)を100μL添加し、酵素反応溶液(IV−2−1)とした。(IV−2−1)を作成直後及び1分おきに100μLずつ取り出し、取り出した溶液を100℃で2分間加熱して酵素反応を停止した。遠心分離器(4℃、12,000×g、10分)を用いて遠心し、不純物を沈殿させた。上清80μLをHPLCで分析し、ウリジン3リン酸のピーク面積を記録した。
基質溶液[2−1]において、ウリジン2リン酸ナトリウムのモル濃度を5mM(基質溶液[2−2])、2mM(基質溶液[2−3])、1mM(基質溶液[2−4])及び0.3mM(基質溶液[2−5])に変更した溶液を作成した。酵素反応溶液(IV−2−1)において、基質溶液[2−1]に代えて基質溶液[2−2]〜[2−5]を用いる以外は同様にして酵素反応溶液(IV−2−2)〜(IV−2−5)を作成した。酵素反応溶液(IV−2−2)〜(IV−2−5)についても、酵素反応溶液(IV−2−1)と同様にして、ウリジン3リン酸のピーク面積を記録した。
ウリジン3リン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を緩衝液Bに溶解し、0.005mM、0.1mM、1mM及び5mMの濃度にしたものを作成し、ウリジン3リン酸標準溶液(M−1)〜(M−4)とした。(M−1)〜(M−4)を80μL、上記と同条件のHPLCで分析し、ウリジン3リン酸のピーク面積をそれぞれ記録した。横軸(x軸)にそれぞれのウリジン3リン酸濃度(mM)、縦軸(y軸)にそれぞれのピーク面積Pをプロットし、直線の傾き「k’」を算出した。
酵素反応溶液(IV−2−1)〜(IV−2−5)を作成直後のウリジン3リン酸のピーク面積をP0、「m’」分後のピーク面積をPhとし、それぞれピーク面積の変化ΔP(ΔP=Ph−P0)と上記直線の傾き「k’」を用いて下記数式(5)からそれぞれの酵素反応初速度v(mM/s)を算出した。
v=ΔP/(k’×m’×60)(5)
算出した酵素反応初速度vを用いて、横軸(x軸)にそれぞれの基質濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度での酵素反応初速度の逆数[S]/vをプロットし、Hanes−Woolfプロットを作成した。プロットの近似直線とx軸との交点(−Km)から、ミカエリス定数Kmは0.25mMであった。
「ヌクレオシド−2−リン酸キナーゼを用いたウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数Kmの測定」において、「製造例8で得たヌクレオシド−2−リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)」に代えて「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」を用いて、「アデノシン3リン酸」に代えて、「ホスホエノールピルビン酸1カリウム」を用いる以外は同様にして、ミカエリス定数Kmを求めたところ、6mMであった。
「ヌクレオシド−2−リン酸キナーゼを用いたウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数Kmの測定」において、「製造例8で得たヌクレオシド−2−リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」に代えて「製造例9で得たアルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)」を用いて、「アデノシン3リン酸」に代えて、「ω−ホスホノ−L−アルギニン」を用いること以外は同様にして、ミカエリス定数Kmを求めたところ、0.71mMであった。
1mLの水溶液Sに、1Mのスクロース水溶液を100μL、製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL及び製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を10μL加えて、反応溶液(Z−1)とし、30℃で2時間反応を行った。反応途中でサンプリングを行い、HPLCを用いて反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を測定した。結果を表1に示す。
また、2時間反応した後、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とヒアルロン酸を分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルクロン酸の取り込み量からヒアルロン酸の生成量を算出した。ヒアルロン酸の生成量は5.1mgであった。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」に代えて「製造例3で得たリボヌクレオチド2リン酸リダクターゼ水溶液(D6−1)を10μL」として、「1Mのスクロース水溶液を100μL」に代えて「還元型チオレドキシンを10mg」とする以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は5.3mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」に代えて「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を10μL」として、「1Mのスクロース水溶液を100μL」に代えて「1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液を100μL」とする以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は5.0mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」に代えて「製造例5で得たヌクレオチダーゼ水溶液(D3−1)を10μL」とし、「1Mのスクロース水溶液を100μL」を用いない以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は4.8gであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」に代えて「製造例6で得たポリリボヌクレオチドヌクレオチジルトランスフェラーゼ水溶液(D5−1)を10μL」とし、「1Mのスクロース水溶液を100μL」を用いない以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は5.0mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」に代えて「製造例7で得たアピラーゼ水溶液(D2−1)を10μL」とし、「1M スクロース水溶液を100μL」を用いない以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は5.3mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「シロイヌナズナ由来の配列番号10のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、ウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ水溶液(G−1)を得た。
水溶液{100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、10mMのウリジン3リン酸、10mMのN−アセチルグルコサミン1リン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、製造例10で得たウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ水溶液(G−1)を10μL加えて、反応溶液(10−1)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。生成したウリジル2リン酸−N−アセチルグルコサミンの定量はHPLCを用いて、UVライト(260nm)で検出して求めた。ウリジル2リン酸−N−アセチルグルコサミンの生成量から、ウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼのウリジル2リン酸−N−アセチルグルコサミンを生成させる活性を求めたところ、0.1U/mlであった。
上記において、「10mMのN−アセチルグルコサミン1リン酸」に代えて「10mMのグルクロン1リン酸」を含む水溶液を用いて、「ウリジル2リン酸−N−アセチルグルコサミン」に代えて「ウリジル2リン酸−グルクロン酸」を定量する以外は同様にして、ウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼのウリジル2リン酸−グルクロン酸を生成させる活性を求めたところ、5U/μlであった。
緩衝液B(pH7.5、25℃)中に、1mMのウリジン2リン酸−グルクロン酸(14Cでラベルした放射性同位体を含むウリジン2リン酸−グルクロン酸、放射能300mCi/mmol)、1mMのウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン、100mMのアデノシン3リン酸、100mMの1−ホスホ−グルクロン酸、100mMのN−アセチルグルコサミン−1リン酸及び5mMの塩化マグネシウムを含む1mLの溶液に、製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)を10μl、ピロリン酸分解酵素(ロシュアプライドサイエンス社製)を5μl、製造例8で得たヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)を5μl、製造例10で得たウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ水溶液(G−1)を5μL加えて反応溶液(Z−7)を調製した。すべて混合してから2時間、30℃の恒温水槽で温調し、酵素反応させた。反応途中でサンプリングを行い、HPLCを用いて反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を測定した。結果を表1に示す。
また、2時間反応した後、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とヒアルロン酸を分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルクロン酸の取り込み量からヒアルロン酸の生成量を算出した。ヒアルロン酸の生成量は16mgであった。
実施例7において、「製造例8で得たヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)を5μl」及び「100mMのアデノシン3リン酸」に代えて「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を5μl」及び「100mMのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液」を用いたこと以外は実施例7と同様にして、ヒアルロン酸を生成した。ヒアルロン酸の生成量は14mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例7において、「製造例8で得たヌクレオシド2リン酸キナーゼ水溶液(D4−1−2)を5μl」及び「100mMのアデノシン3リン酸」に代えて「製造例9で得たアルギニンキナーゼ水溶液(D4−1−3)を5μl」及び「100mMのω−ホスホノ−L−アルギニン水溶液」を用いたこと以外は実施例7と同様にして、ヒアルロン酸を生成した。ヒアルロン酸の生成量は15mgであった。また、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度測定の結果を表1に示す。
実施例1において、「製造例2で得たスクロースシンターゼ水溶液(D7−1)を10μL」及び「1M スクロース水溶液を10μL」を用いないこと、ヒアルロン酸合成酵素(B−1)を「10μL」でなく「300μL」用いた以外は実施例1と同様にして、ヒアルロン酸を合成した。ヒアルロン酸の生成量は3.0mgであった。なお、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「パスツレラ・ムルトシダ由来の配列番号11のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、コンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を得た。
水溶液T{1mMのウリジン2リン酸−グルクロン酸(14Cでラベルした放射性同位体を含むウリジン2リン酸−グルクロン酸、放射能300mCi/mmol)、1mMのウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミン、100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、10mMのドデシルマルトシド、5mMのオレイン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、製造例11で得たコンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を10μL加えて、反応溶液(11)としたものを3つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分反応を行った。ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とコンドロイチンを分離した。その後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定した。14Cでラベルしたグルクロン酸の取り込み量からコンドロイチンの生成量を算出したところ、それぞれ5分後1.7μg、10分後3.1μg、15分後4.4μgであった。コンドロイチンの生成量と反応時間との関係から、コンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)の比活性を計算した。結果は0.15U/mlであった。
「ヒアルロン酸合成酵素の阻害濃度IC50の測定」において、「製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)」に代えて「製造例11で得たコンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)」を用いて、「基質溶液[1−1]」に代えて「基質溶液[1−2](ウリジン2リン酸−グルクロン酸ナトリウム塩、ウリジン2リン酸−N−アセチルガラクトサミンを緩衝液Bに溶解してそれぞれ20mMの濃度にしたもの)」を用いて、「ヒアルロン酸ナトリウム」に代えて「コンドロイチンナトリウム(和光純薬工業社製)」を用いて同様に測定した。阻害濃度IC50は0.085mMであった。
また、「コンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を1.5U/mL」に代えて「コンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を45U/mL」とする以外は同様にして、阻害濃度IC50を求めたところ、0.085mMであった。
水溶液Tを1mLに、1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液を100μL、製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を10μL及び製造例11で得たコンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を10μL加えて、反応溶液(Z−10)とし、30℃で2時間反応を行った。反応途中でサンプリングを行い、HPLCを用いて(実施例1の条件と同じ)、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を測定した。結果を表2に示す。
また、2時間反応した後、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とコンドロイチンを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルクロン酸の取り込み量からコンドロイチンの生成量を算出した。コンドロイチンの生成量は5.0mgであった。
実施例10において、「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」及び「1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液」を用いないこと、コンドロイチン合成酵素水溶液(B−2)を「10μl」でなく「300μl」用いたこと以外は実施例10と同様にして、コンドロイチンを合成した。コンドロイチンの生成量は2.5mgであった。なお、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を実施例10と同様に測定した。結果を表2に示す。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「酢酸菌由来の配列番号12のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、セルロース合成酵素水溶液(B−3)を得た。
水溶液U{100mMのウリジン2リン酸−β−グルコース(14Cでラベルした放射性同位体を含むウリジン2リン酸−β−グルコース、放射能300mCi/mmol)、100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、5mMのオレイン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、製造例12で得たセルロース合成酵素水溶液(B−3)を10μL加えて、反応溶液(12)としたものを4つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分、20分反応を行った。ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とセルロースを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルコースの取り込み量からセルロースの生成量を算出したところ、5分後は1.3mg、10分後は2.6mg、15分後は3.7mg、20分後は5.1mgであった。セルロースの生成量と反応時間との関係から、セルロース合成酵素水溶液(B−3)の比活性を計算した。結果は0.15U/μlであった。
「ヒアルロン酸合成酵素の阻害濃度IC50の測定」において、「製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)」に代えて「製造例12で得たセルロース合成酵素水溶液(B−3)」を用いて、「基質溶液[1−1]」に代えて「基質溶液[1−3](ウリジン2リン酸−β−グルコースを緩衝液Bに溶解して20mMの濃度にしたもの)」を用いて、「ヒアルロン酸ナトリウム」に代えて「酢酸菌由来のセルロース(東京化成工業社製)」を用いて同様に測定した。阻害濃度IC50は0.1mMであった。
また、「セルロース合成酵素水溶液(B−3)を1.5U/mL」に代えて「セルロース合成酵素水溶液(B−3)を45U/mL」とする以外は同様にして、阻害濃度IC50を求めたところ、0.1mMであった。
水溶液Uを1mLに、1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液を10μL、製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を10μL及び製造例12で得たセルロース合成酵素水溶液(B−3)を10μL加えて、反応溶液(Z−11)とし、30℃で2時間反応を行った。反応途中でサンプリングを行い、HPLCを用いて(実施例1の条件と同じ)、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を測定した。結果を表2に示す。
2時間反応した後、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とセルロースを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルコースの取り込み量からセルロースの生成量を算出した。セルロースの生成量は10mgであった。
実施例11において、「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」及び「1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液」を用いないこと、「製造例12で得たセルロース合成酵素水溶液(B−3)」を「10μl」から「300μl」に変更した以外は実施例11と同様にして、セルロースを合成した。セルロースの生成量は3.0mgであった。なお、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を実施例11と同様に測定した。結果を表2に示す。
製造例1において、「ストレプトコッカスエクイシミリス由来の配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子」に代えて「サッカロマイセスセルビシエ由来の配列番号13のアミノ酸配列をコードする遺伝子」を用いる以外は同様にして、デンプン合成酵素水溶液(B−4)を得た。
水溶液V{100mMのウリジン2リン酸−α−グルコース(14Cでラベルした放射性同位体を含むウリジン2リン酸−α−グルコース、放射能300mCi/mmol)、100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、5mMのオレイン酸を含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)}1mLに、製造例13で得たデンプン合成酵素水溶液(B−4)を10μL加えて、反応溶液(13)としたものを4つ作成し、それぞれ30℃で5分、10分、15分、20分反応を行った。ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とデンプンを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルコースの取り込み量からデンプンの生成量を算出したところ、5分後は1.3mg、10分後は2.5mg、15分後は3.8mg、20分後は5.2mgであった。デンプンの生成量と反応時間との関係から、デンプン合成酵素水溶液(B−4)の比活性を計算した。結果は0.15U/μlであった。
「ヒアルロン酸合成酵素(B−1)の阻害濃度IC50の測定」において、「製造例1で得たヒアルロン酸合成酵素水溶液(B−1)」に代えて「製造例13で得たデンプン合成酵素水溶液(B−4)」を用いて、「基質溶液[1−1]」に代えて「基質溶液[1−4](ウリジン2リン酸−α−グルコースを緩衝液Bに溶解して20mMの濃度にしたもの)」を用いて、「ヒアルロン酸ナトリウム」に代えて「デンプン(和光純薬工業社製)」を用いて同様に測定した。阻害濃度IC50は0.2mMであった。
また、「デンプン合成酵素水溶液(B−4)を1.5U/mL」に代えて「デンプン合成酵素水溶液(B−4)を75U/mL」とする以外は同様にして、阻害濃度IC50を求めたところ、0.2mMであった。
水溶液Vを1mLに、1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液を10μL、製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)を10μL及び製造例13のデンプン合成酵素水溶液(B−4)を10μL加えて、反応溶液(Z−12)とし、30℃で2時間反応を行った。反応途中でサンプリングを行い、HPLCを用いて(実施例1の条件と同じ)、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を測定した。結果を表2に示す。
また、2時間反応した後、ろ紙を用いたペーパークロマトグラフィー法で未反応の基質とデンプンを分離した後、原点部を切り出し、液体シンチレーションカクテルに浸漬させた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射性同位体を測定し、14Cでラベルしたグルコースの取り込み量からデンプンの生成量を算出した。デンプンの生成量は9.0mgであった。
実施例12において、「製造例4で得たピルビン酸キナーゼ水溶液(D4−1−1)」及び「1Mのホスホエノールピルビン酸1カリウム水溶液」を用いないこと、「製造例13で得たデンプン合成酵素水溶液(B−4)」を「10μl」から「500μl」に変更した以外は実施例12と同様にして、デンプンを合成した。デンプンの生成量は6.0mgであった。なお、反応溶液中のウリジン2リン酸の濃度を実施例12と同様に測定した。結果を表2に示す。
また、リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)の存在下で多糖合成酵素(B)を作用させることで、リボヌクレオシド2リン酸の濃度を低くすることができ、多糖の生成量が多くなることがわかる。
Claims (8)
- 下記リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に多糖合成酵素(B)を作用させて多糖を製造する方法において、(A)に(B)を作用させる時間中の10〜100%の時間において、反応溶液中のリボヌクレオシド2リン酸の濃度が多糖合成酵素(B)の下記阻害濃度IC50の100倍未満であり、
前記リボヌクレオシド2リン酸を下記化合物(C)に変換する活性を有するリボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)の存在下で(B)を作用させ、
前記リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)は、リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシドに変換する活性を有する酵素(D2)、リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシド1リン酸に変換する活性を有する酵素(D3)、リボヌクレオシド2リン酸をリボヌクレオシド3リン酸に変換する活性を有する酵素(D4)、リボヌクレオシド2リン酸をポリリボヌクレオチドに変換する活性を有する酵素(D5)及びN−アシルニューラミネートシチジリルトランスフェラーゼからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記反応溶液中の前記多糖合成酵素(B)の酵素量(U)と前記リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)の酵素量(U)との比が、多糖合成酵素(B):リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)=1:1〜1:2である、酵素合成法による多糖の製造方法。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)を用いて、阻害剤としてリボヌクレオシド2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのリボヌクレオシド2リン酸の濃度。
リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A):トリオース(a−1)、テトロース(a−2)、ペントース(a−3)、ヘキソース(a−4)、ヘプトース(a−5)及び下記単糖(a−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の単糖(a)が有する少なくとも1つのヒドロキシル基のプロトンが下記化学式(1)〜(5)のいずれか1つの官能基で置換された糖ヌクレオチド。
単糖(a−6):(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)及び(a−5)からなる群より選ばれる単糖において、この単糖が有するプロトン、ヒドロキシル基及びヒドロキシメチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が下記置換基(E)で置換された単糖。
置換基(E):カルボキシル基、アミノ基、N−アセチルアミノ基、スルファート基、メチルエステル基、N−グリコリル基、メチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、リン酸基及び2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基。
化合物(C):リボヌクレオシド(C−2)、リボヌクレオシド1リン酸(C−3)、リボヌクレオシド3リン酸(C−4)、ポリリボヌクレオチド(C−5)及びリボヌクレオシド2リン酸−単糖(C−7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物。 - 下記酵素活性Vmax1及び下記酵素活性Vmax2を用いて下記数式(1)から算出した酵素活性比(Y1)が0.1以上である請求項1に記載の多糖の製造方法。
酵素活性比(Y1)=Vmax1/Vmax2 (1)
酵素活性Vmax1:リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)のリボヌクレオシド2リン酸に対する酵素活性。
酵素活性Vmax2:リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に対する酵素活性。 - 下記酵素活性Vmax1及び下記酵素活性Vmax3を用いて下記数式(2)から算出した酵素活性比(Y2)が0.1以上である請求項1又は2に記載の多糖の製造方法。
酵素活性比(Y2)=Vmax1/Vmax3 (2)
酵素活性Vmax1:リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)のリボヌクレオシド2リン酸に対する酵素活性。
酵素活性Vmax3:多糖合成酵素(B)のリボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)に対する酵素活性。 - リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)がウリジン3リン酸合成酵素(D4−1)であり、化合物(C)がウリジン3リン酸であり、リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)がウリジン2リン酸−単糖であり、下記ミカエリス定数Kmが下記阻害濃度IC50の100倍未満である請求項1〜3のいずれかに記載の多糖の製造方法。
ミカエリス定数Km:ウリジン2リン酸を基質とし、(D4−1)を酵素とし、リン酸基含有化合物(F)の存在下でウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数。
阻害濃度IC50:多糖合成酵素(B)をウリジン2リン酸−単糖に作用させる際の(B)の濃度において、基質としてウリジン2リン酸−単糖を用いて、阻害剤としてウリジン2リン酸を用いて求めた、(B)の酵素活性が半減するときのウリジン2リン酸の濃度。 - 多糖がヒアルロン酸であり、リボヌクレオシド2リン酸−単糖(A)が、ウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンであり、多糖合成酵素(B)がヒアルロン酸合成酵素(B−1)であり、化合物(C)がウリジン3リン酸であり、リボヌクレオシド2リン酸変換酵素(D)がウリジン3リン酸合成酵素(D4−1)である請求項1〜4のいずれかに記載の多糖の製造方法。
- 反応溶液中に、さらにリン酸基含有化合物(F)、1−ホスホ−グルクロン酸及びウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(G)を含有させる請求項5に記載の多糖の製造方法。
- 下記工程(1)〜(3)を同時に行う請求項6に記載の多糖の製造方法。
工程(1):ウリジン2リン酸−グルクロン酸とウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンとにヒアルロン酸合成酵素(B−1)を作用させて、ヒアルロン酸及びウリジン2リン酸を得る工程。
工程(2):ウリジン2リン酸とリン酸基含有化合物(F)とにウリジン3リン酸合成酵素(D4−1)を作用させてウリジン3リン酸を得る工程。
工程(3):ウリジン3リン酸と1−ホスホ−グルクロン酸とにウリジン3リン酸−モノサッカリド−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(G)を作用させてウリジン2リン酸−グルクロン酸を得る工程。 - 下記ミカエリス定数Kmが下記阻害濃度IC50の100倍未満である請求項7に記載の多糖の製造方法。
ミカエリス定数Km:ウリジン2リン酸を基質とし、(D4−1)を酵素とし、リン酸基含有化合物(F)の存在下でウリジン3リン酸を合成する反応におけるミカエリス定数。
阻害濃度IC50:(B−1)をウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンに作用させる際の(B−1)の濃度において、基質としてウリジン2リン酸−グルクロン酸及びウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミンを用いて、阻害剤としてウリジン2リン酸を用いて求めた、(B−1)の酵素活性が半減するときのウリジン2リン酸の濃度。
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