JP6020706B2 - ジペプチド合成酵素(バリアント)をコードするdna、エシェリヒア属に属する細菌、およびそれらを用いるジペププドの生産方法 - Google Patents
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Description
(A)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15および17の塩基配列を有するDNA;
(B)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15および17で示される配列に相補的な塩基配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAであって、ストリンジェント条件が、1×SSC、0.1% SDSまたは0.1×SSC、0.1% SDSの塩濃度を含む溶液中での60℃または65℃での1以上の洗浄を含む、DNA;
(C)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA;
(D)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列を有するが、1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつ配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列のジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質をコードするDNA;
(E)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列に対する128以上、142以上、162以上、175以上、182以上、196以上、または233以上の|Log10(E値)|値、ならびに配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列のジペプチド合成活性により規定される、相同性を有するタンパク質をコードするDNA。
(F)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列を有するタンパク質;
(G)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列を有するが、1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつ配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列のジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質;
(H)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列に対する128以上、142以上、162以上、175以上、182以上、196以上、または233以上の|Log10(E値)|値、ならびに配列番号2、4、6、8、10、12、14、16および18のアミノ酸配列のジペプチド合成活性により規定される、相同性を有するタンパク質。
(a)培養培地中で上記細菌を培養して、タンパク質を生産すること;
(b)細菌または培養培地中、あるいはその双方にタンパク質を蓄積させること;および、必要に応じて
(c)細菌または培養培地からタンパク質を回収すること。
(a)上記タンパク質の存在下における適切な条件下でL−アミノ酸またはL−アミノ酸誘導体、あるいはそれらの塩を反応させること;
(b)適切な溶媒中にジペプチドまたはその塩を蓄積させること;および、必要に応じて
(c)適切な溶媒からジペプチドまたはその塩を回収すること。
(a)培養培地中で上記細菌を培養すること;
(b)細菌または培養培地中、あるいはその双方にタンパク質を蓄積させること;および、必要に応じて
(c)細菌または培養培地からタンパク質を回収すること。
R1が、酸性L−アミノ酸残基、または酸性L−アミノ酸残基の誘導体であり、
R2が、L−アミノ酸残基、またはL−アミノ酸残基の誘導体であり、
L−アミノ酸残基が、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、およびL−フェニルアラニンの低級アルキルエステルからなる群より選ばれる、上記方法を提供することである。
「酵素」という語句は、高エネルギー分子依存性様式でアミノ酸を連結して、アミノ酸残基間でペプチド結合を生成する活性を有するL−アミノ酸αリガーゼ(Lal)を意味し得る。
スチグマテラ・アウランチアカ(Stigmatella aurantiaca) DW4/3−1(NCBI分類ID:378806)由来の遺伝子(NCBI参照配列:ADO72629.1;ヌクレオチドの位置:5973963〜5975216,相補体;遺伝子ID:9878344)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるStaur_4851のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号3および配列番号4に示される。
デスモスポラ・エスピー(Desmospora sp.) 8437(NCBI分類ID:997346)由来の遺伝子(GenBankアクセッション番号EGK06810.1,GI:332967701)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるDESのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号5および配列番号6に示される。
バークホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei) 305(NCBI分類ID:425067)由来の遺伝子(GenBankアクセッション番号EBA51208.1,GI:134251129)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるBURのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号7および配列番号8に示される。
バチルス・セレウス(Bacillus cereus) AH621(NCBI分類ID:526972)由来の遺伝子(GenBankアクセッション番号EEK72190.1,GI:228615090)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるBCEのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号9および配列番号10に示される。
バチルス・スリンギエンシス亜種・フィニチムス(Bacillus thuringiensis subsp.Finitimus)(株YBT−020)(NCBI分類ID:930170)の遺伝子(GenBankアクセッション番号ADY24341.1,GI:324329081)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるBTHのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号11および配列番号12に示される。
アルカリフィラス・メタリレヂゲンス(Alkaliphilus metalliredigens) QYMF(NCBI分類ID:293826)由来の遺伝子(GenBankアクセッション番号ABR48216.1,GI:149949688)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるAMEのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号13および配列番号14に示される。
ストレプトマイセス・フラボグリゼウス(Streptomyces flavogriseus) ATCC 33331(NCBI分類ID:591167)由来の遺伝子(GenBankアクセッション番号ADW01942.1,GI:320007092)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるSFLのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号15および配列番号16に示される。
バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides) Rock3−17(NCBI分類ID:526999)由来の遺伝子(NCBI参照配列:ZP_04160564.1,GI:229002475)の塩基配列、および本遺伝子によりコードされるBMYのアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号17および配列番号18に示される。
「バリアント塩基配列」という語句は、標準的な遺伝暗号表(例えば、Lewin B.,「Genes VIII」,2004,Pearson Education, Inc.,Upper Saddle River,NJ 07458参照)による任意の同義アミノ酸コドンを用いて「バリアントタンパク質」をコードする塩基配列を意味し得る。
「ジペプチド生産細菌」という語句は、その細菌が培地中で培養される場合に、培養培地においてジペプチドを生産し、その蓄積を引き起こす能力を有する、エシェリヒア属に属する細菌等の腸内細菌科の細菌を意味し得る。ジペプチド生産能は、細菌が培地中で培養される場合に培地または菌体からジペプチドを回収できる程度に、細菌が培地または菌体中にジペプチドを生産し、かつジペプチドの蓄積を引き起こす能力を意味し得る。
本発明の方法は、酵素法および発酵法とそれぞれ呼ばれる、L−アミノ酸αリガーゼ(Lal)、または当該Lalを含むように改変された腸内細菌科に属する細菌を用いる、ジペプチド、より具体的には、酸性L−アミノ酸をN末端に有するジペプチドの製造方法であり得る。
酵素法は、上記のようなLalの活性により反応生成物を得る適切な条件下で、L−アミノ酸αリガーゼまたはLal含有物を、同種または異種の1以上のアミノ酸、もしくはその誘導体、またはそれらの塩と接触させる工程を少なくとも含むことができる。
L−アミノ酸αリガーゼは、エシェリヒア属、例えば、E.coli種に属する細菌から精製することができる。細菌からLalを蓄積、回収および精製する方法は、当業者に既知の通常の方法であり得る。
本発明の方法はまた、本発明の細菌を培養培地中で培養して、ジペプチドを生産、分泌、培養培地中に蓄積せしめ、培養培地からジペプチドを回収することによる、ジペプチド、より具体的には、酸性L−アミノ酸をN末端に有するジペプチドの製造方法であり得る。
本発明の細菌の培養、培地からのジペプチドの回収および精製等は、微生物を用いてジペプチドまたはアミノ酸を生産する従来の発酵法と同様の様式で行われてもよい。ジペプチド生産用の培養培地は、炭素源、窒素源、無機イオン、および必要とされる他の有機成分を含有する典型的な培地であってもよい。炭素源としては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フルクトース、アラビノース、マルトース、キシロース、トレハロース、リボース等の糖質、および澱粉の加水分解物;グリセロール、マンニトール、およびソルビトール等のアルコール;グルコン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、およびコハク酸等の有機酸等を用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、およびリン酸アンモニウム等のアンモニウム塩;大豆加水分解物のもの等の有機窒素;アンモニアガス;水性アンモニア等を用いることができる。ビタミンB1等のビタミン、必要物質、例えば、アデニンおよびRNA等の核酸等の有機栄養素、または酵母抽出物等が、たとえ微量であっても適切な量で存在していてもよい。これら以外に、少量のリン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、鉄イオン、マンガンイオン等を、必要に応じて、加えてもよい。
機能未知タンパク質BBR47_51900およびStaur_4851をコードする遺伝子の一次構造を、E.coliでの発現のために最適化した。ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis) NBRC 100599由来のBBR47_51900およびスチグマテラ・アウランチアカ(Stigmatella aurantiaca)DW4/3−1由来のStaur_4851をコードする遺伝子を、SlonoGeneTM遺伝子合成サービス(http://www.sloning.com/)により合成し、最適化配列を有する標的遺伝子を含む合成XbaI−EcoRIフラグメントを保持するpSlo.Xプラスミドセットとして移入した。BBR47_51900およびStaur_4851タンパク質をコードする最適化配列の遺伝子を保持するXbaI−EcoRIフラグメントを、それぞれ、配列番号19および20に示す。
プラスミドpET−HT−BBRおよびpET−HT−STAを、Ca2+依存性形質転換により、BL21(DE3)株(Novagen,USA)に導入して、BL21(DE3)[pET−HT−BBR]およびBL21(DE3)[pET−HT−STA]株を構築した。製造業者の使用説明書にしたがい、“Bio−Rad”電気穿孔器(USA)(番号165−2098,バージョン2−89)を用いて、電気形質転換を行った。BL21(DE3)[pET−HT−BBR]およびBL21(DE3)[pET−HT−STA]株の菌体を各々、37℃および150rpmでLBブロス中でOD540約1まで増殖させた(Sambrook,J.およびRussell,D.W.(2001) Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版).Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載される溶原性ブロスとも呼ばれる)中で増殖させた。イソプロビル−β−D−チオ−ガラクトシド(IPTG)を1mMの終濃度で加え、細胞培養物を37℃および150rpmで2時間インキュベートした。誘導された細胞を1Lの培養ブロスから採取し、60〜80mLのHT−1緩衝液(20mM NaH2PO4,0.5M NaCl,20mM イミダゾール,pH7.4,NaOHで調整)中に再懸濁し、フレンチ−プレス(Thermo Spectronic)を用いて2000Psi(約140バール)下で破砕した。破砕屑を4℃および13000rpmで2回遠心分離し、続いて0.45μmフィルター(CHROMAFIL Xtra CA−45/25,MACHEREY−NAGEL GmbH)を通じて濾過することにより除去した。粗タンパク質溶液を、総容量1mlの固定金属アフィニティー・クロマトグラフィー(IMAC)に予め充填し、かつHT−I緩衝液で平衡化したHiTrapキレートカラム(GE Healthcare)にロードした。製造業者の推奨にしたがい、IMACを行った。活性画分を回収し、合わせて、SB緩衝液(20mM Tris−HCl,120mM NaCl,1mM β−メルカプトエタノール,15%グリセロール,pH7.5)で平衡化したPD10カラム(GE Healthcare)を用いて脱塩した。タンパク質調製物を一定分量(200μL)に分け、−70℃で保存した。BIO−RADタンパク質 ASSAY(BIO−RAD,USA)を用いて、タンパク質濃度を決定した。
BBR47_51900およびStaur_4851の基質特異性を、酵素含有反応混合液、ならびにL−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、およびL−バリン等の標準L−アミノ酸、またはその塩(同種または異なる2種)において試験した。総容量50μLの反応混合液の組成は、他に指摘しない限り、以下のとおりであった。
Tris−HCl,pH8.0 50mM
第1L−アミノ酸 10mM
第2L−アミノ酸 10mM
アデノシン 5’−トリホスフェート(ATP) 10mM
MgSO4x7H2O 10mM
H2O 50μLにする
1)BBR47_51900およびL−Glu/L−Glu、またはL−Glu/L−Asp、またはL−Glu/L−Val、またはL−Glu/L−Ile、またはL−Asp/L−Ile、またはL−Asp/L−Val(図2−4);
2)Staur_4851およびL−Asp/L−Phe、またはL−Asp/L−Trp、またはL−Asp/L−Thr)(図5および6)。
BBR47_51900およびStaur_4851により合成されたジペプチドを、総容量400μLの反応混合液のHPLC解析を用いて決定した。反応混合液は、以下を含んでいた:
BBR47_51900またはStaur_4851 160μg
Tris−HCl,pH9.0 50mM
L−AspまたはL−Glu 10mM
L−PheまたはL−PheOMe、L−Val、L−Trp 10mM
アデノシン 5’−トリホスフェート(ATP) 10mM
MgSO4x7H2O 10mM
ここで、Meはメチル基を示す。
装置:HITACHI L−2000 シリーズ
カラム:Inertsil ODS−3 4.6x250mm,5mm(GL Sciences Inc.)
温度:40℃
緩衝液:
A(混合物L−Asp/L−ValおよびL−Glu/L−Val):0.1M KH2PO4(pH2.2)+5mM オクタンスルホネート,ナトリウム塩:CH3CN=4:1(v/v)
B(混合物L−Asp/L−Phe):0.1M KH2PO4(pH2.2)+5mM オクタンスルホネート,ナトリウム塩:CH3CN=7:3(v/v)
C(混合物L−Asp/L−PheOMe、L−Asp/L−Trp、およびL−Val/L−Val):0.1M KH2PO4(pH2.2)+5mM オクタンスルホネート,ナトリウム塩:CH3CN=3:2(v/v)
D(混合物L−Phe/L−Phe):0.1M KH2PO4(pH2.2)+5mM オクタンスルホネート,ナトリウム塩:CH3CN=1:1(v/v)
勾配プロフィール:均一
流速:1.5mL/min
注入量:10μL
検出:UV210nm
L−Asp(L−アスパラギン酸,ナトリウム塩):ナカライテスク株式会社 #03504−75
L−Phe(L−フェニルアラニン):ナカライテスク株式会社 #26901−35
L−Val(L−バリン):味の素株式会社 #317LG13
L−Trp(L−トリプトファン): 味の素株式会社 #0000002205
L−PheOMe(L−フェニルアラニン,メチルエステル塩酸塩):東京化成工業株式会社 #P1278
ATP:オリエンタル酵母工業株式会社 #45142000
MgSO4x7H2O:純正化学株式会社 #83580−0301
αAsp−Phe(H−Asp−Phe−OH):Bachem G−1620
βAsp−Phe(H−Asp(Phe−OH)−OH):Bachem G−4750
αAsp−Asp(H−Asp−Asp−OH):Bachem G−1565
Phe−Asp(H−Phe−Asp−OH):Bachem G−2870
Phe−Phe(H−Phe−Phe−OH):Bachem G−2925
αAsp−Val(H−Asp−Val−OH):Bachem G−1635
Val−Asp(H−Val−Asp−OH):Bachem G−3510
Val−Val(H−Val−Val−OH):Bachem G−3595
αGlu−Val(H−Glu−Val−OH):Bachem G−2010
γGlu−Val(H−Glu(Val−OH)−OH):Bachem G−2015
Val−Glu(H−Val−Glu−OH):Bachem G−3520
αGlu−Glu(H−Glu−Glu−OH):Bachem G−1915
αAspartame(H−Asp−Phe−OMe):Bachem G−1545
βAspartame:(H−Asp(Phe−OMe)−OH):Bachem G−3725
Asp−Trp(H−Asp−Trp−OH):Bachem G−3705
実施例4に記載されるようにして得られた反応混合液および標準溶液の試料を、LC−QTOF/MS/MS解析に供した。
装置:LC(Agilent1200SL),MS(Micromass Q−TOF Premier)
LC条件:
カラム:Develosil C30 2.0x250mm,3μm(野村化学)
温度:20℃
緩衝液:
A:H2O(0.025%ギ酸)、
B:CH3CN(0.025%ギ酸)。
勾配プロフィール:
時間(分) B(%)
0 0
20 2.5
20.1 100
25 100
流速:0.3mL/分
注入量:2〜5μL
キャピラリー電圧:3.0kV
コーン電圧:20V
衝突電圧:4V(MS/MS 12V)
ソース温度:80℃
脱溶剤温度:120℃
コーンガス流速:50L/時間
脱溶剤ガス流速:700L/時間。
タンパク質配列のホモログについて配列データベース中で検索するため、およびタンパク質配列のアライメントのため、HMMER法を用いた。この方法は、隠れマルコフモデルプロフィール(HMMプロフィール)と呼ばれる確率モデルを使用する(Finn R.D.ら,HMMER web server:interactive sequence similarity searching,Nucleic Acids Res.,2011,39(ウェブサーバー発行):W29−37)。
DES、BUR、BCE、BTH、AME、SFLおよびBMYタンパク質をコードする遺伝子の一次構造を、遺伝子デザイナー・プログラムの「バック翻訳」機能(Villalobos A.ら,Gene Designer:a synthetic biology tool for constructing artificial DNA segments,BMC Bioinformatics,2006,7:285)を用いて、E.coliにおける発現のために最適化した。全てのコンストラクトは、SlonoGeneTM遺伝子合成サービス(http://www.sloning.com/)により合成し、最適化配列を有する標的遺伝子を含む合成XbaI−EcoRIフラグメントを保持するpSlo.Xのセットとして移入した。DES、BUR、BCE、BTH、AME、SFLおよびBMYをコードする最適化配列を有する遺伝子を保持するXbaI−EcoRIフラグメントを、それぞれ、配列番号21、22、23、24、25、26および27に示す。
8.1.E.coliペプチダーゼ欠損1−5Δ株の構築
ΔpepB変異を有するE.coli BW25113株(E.coli BW25113株:Keioコレクション,株番号ME9062)(ΔpepB変異を有するE.coli BW25113株:Keioコレクション,株番号JW2507;E.coli遺伝子保存センター,エール大学,ニュー・ヘヴン,米国,アクセッション番号CGSC9995)において、iadA遺伝子を欠失させた(E.coli 1Δ株)。この目的のため、λattL−cat−λattRカセットを保持するDNAフラグメントを、プライマーP1(配列番号28)およびP2(配列番号29)、ならびにpMW118−λattR−cat−λattL(Katashkina Zh.I.ら.,Mol.Biol.(Mosk.),2005,39(5):823−831)を鋳型として用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅した。得られたDNAフラグメントを、製造業者の使用説明書にしたがい、「Bio−Rad」電気穿孔器(米国)(番号165−2098,バージョン2−89)を用いる電気的形質転換により、E.coli BW25113(ΔpepB)/pKD46株中に導入した。組換えプラスミドpKD46(Datsenko K.A.およびWanner B.L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2000,97:6640−6645)を温度感受性レプリコンとともに、λRed媒介組換え系を担うλファージ由来遺伝子のドナーとして用いた。pKD46プラスミドを、上記の方法(Datsenko K.A.およびWanner B.L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2000,97:6640−6645)により、E.coli BW25113(ΔpepB)中に組み込んで、E.coli BW25113(ΔpepB)/pKD46株を得ることができる。あるいは、組換えプラスミドpKD46を含むE.coli BW25113(ΔpepB)株を、E.coli遺伝子保存センター、エール大学,ニュー・ヘヴン,米国,アクセション番号CGSC7739から得ることができる。
特異的なアスパラギン酸ペプチド加水分解活性を解析するため、人工ジペプチドDP3(L−Asp−L−5−フルオロトリプトファン)を合成した(ロシア科学アカデミーの生物有機化学研究所部門(BIBCh),プーシチノ,ロシア連邦)。ペプチド加水分解活性を、インビトロおよびインビボで試験した。
50mM Tris−HCl pH8.0、
20mM NaCl、
5mM DP3ジペプチド、
1mM ZnSO4またはMnCl2、
24μg粗タンパク質調製物、
H2O 総容量10μLまで。
特異的なアスパラギン酸ペプチド加水分解活性を有する残存細胞内ペプチダーゼを同定するため、以下の手法を用いた。E.coli 5Δ株の菌体を、D−グルコース(0.4%,w/v)を補充したM9塩培地4L中で37℃で一晩増殖させた。増殖した菌体を、遠心分離(4℃,10000rpm)により採取し、100mLの緩衝液F(20mM Tris−HCl pH7.5,20mM NaCl)中に再懸濁した。
工程1.フレンチ−プレス(Termo Spectronic)を2回通し、続いて遠心分離(14000g,4℃,20分)により、菌体を破砕して菌体屑を除去した。得られた粗タンパク質調製物を、緩衝液F(20mM Tris−HCl pH7.5,20mM NaCl)で平衡化したDEAE FF 16/10カラム(20mL)(GE Healthcare)に充填した。緩衝液F(各々10mL)において線形勾配のNaCl(20カラム容量において20〜600mM)により流速1mL/分で溶出し、回収し、実施例8.2.に記載されるように解析した。活性画分16〜21が見出された。
PepA遺伝子を、実施例8.1.に記載されるように、E.coli BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB,dapE::λattB)株において欠失させた。λattL−cat−λattRカセットを保持するDNAフラグメントを、プライマーP9(配列番号36)およびP10(配列番号37)、ならびにpMW118−λattR−cat−λattLプラスミドを鋳型として用いて、PCRにより増幅した。得られたDNAフラグメントを、上記したような電気的形質転換により、E.coli BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB,dapE::λattB)/pKD46株中に導入して、E.coli BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB,dapE::λattB,pepA::λattL−cat−λattR)株(E.coli 6Δ株)を構築した。
特異的なアスパラギン酸ペプチド加水分解活性を、実施例8.2.で上記したように、インビトロで解析した。得られた結果(表4)は、4〜5Δ株と比較してより低いアスパラギン酸ペプチド加水分解活性が6Δ株において測定できることを示す。
L−AspまたはL−Glu等の酸性L−アミノ酸をN末端に有するジペプチドを、腸内細菌科の細菌、より具体的には、E.coli等のエシェリヒア属に属する、ジペプチド生産能を有する細菌を用いて、必要なアミノ酸(例であり、これに限定されない)を補充した、またはこれを欠く培地中で生産した。ジペプチド生産菌は、L−アミノ酸αリガーゼ活性を有するようにさらに改変された、ペプチダーゼ活性を欠損する上記E.coli 5Δまたは6Δ株である。ジペプチド生産株は、さらに BBR47_51900、Staur_4851、DES、BUR、BCE、BTH、AME、SFLおよびBMYからなる群より選ばれるLalをコードする遺伝子を、E.coliの染色体に導入するか、またはLalをコードする遺伝子を有するプラスミドにおいて、細菌の菌体中に導入する。Lalをコードする遺伝子を、プロモーター下に配置する。
グルコース 5〜40
NaCl 0.8
(NH4)2SO4 22
K2HPO4 2.0
MgSO4x7H2O 0.8
MnSO4x5H2O 0.02
FeSO4x7H2O 0.02
塩酸チアミン 0.002
酵母抽出物 1.0〜2.0
CaCO3 30
L−Phe 0〜100(mM)
L−Asp 0〜100(mM)
BBR47_51900およびStaur_4851タンパク質の既知L−アミノ酸αリガーゼ(Lal)との多重アライメントを表2(同一性)および表3(類似性)に示す。表2および3から分かるように、BBR47_51900およびStaur_4851タンパク質は、既知のLalと、25%以下の同一性値(表2)、および43%以下の類似性値(表3)を有する。
BBR47_51900、Staur_4851、DES、BUR、BCE、BTH、AME、SFLおよびBMYタンパク質についてのペア−ワイズ・アライメント・データを表7(同一性)および表8(類似性)に示す。表7および8から分かるように、BBR47_51900、Staur_4851、DES、BUR、BCE、BTH、AME、SFLおよびBMYタンパク質は、25%以下の同一性値(表7)、および44%以下の類似性値(表8)を有する。
1−BBR47_51900(NCBI参照配列:YP_002774671.1);
2−Staur_4851(NCBI参照配列:ADO72629.1);
3−TDE2209(NCBI参照配列:NP_972809.1);
4−BL00235(NCBI参照配列:YP_081312.1);
5−plu1218(NCBI参照配列:NP_928530.1);
6−YwfE(UniProtKB/Swiss−Prot:P39641.1);
7−Rsp1486(NCBI参照配列:NP_523045.1);
8−NP_900476(NCBI参照配列:NP_900476.1);
9−Aple02000835(NCBI参照配列:ZP_00134462.2);
10−SMU1321c(NCBI参照配列:NP_721690.1);
11−YP_816266(NCBI参照配列:YP_816266.1);
12−YP_001544794(NCBI参照配列:YP_001544794.1);
13−YP_077482(NCBI参照配列:YP_077482.1);
14−BAH56723(GenBank:BAH56723.1);
15−NP_358563(NCBI参照配列:NP_358563.1);
16−YP_910063(NCBI参照配列:YP_910063.1);
17−BAG72134(GenBank:BAG72134.1);
18−plu1440(NCBI参照配列:NP_928738.1);
19−AAZ37741(GenBank:AAZ37741.1).
1−BBR47_51900(NCBI参照配列:YP_002774671.1);
2−Staur_4851(NCBI参照配列:ADO72629.1);
3−TDE2209(NCBI参照配列:NP_972809.1);
4−BL00235(NCBI参照配列:YP_081312.1);
5−plu1218(NCBI参照配列:NP_928530.1);
6−YwfE(UniProtKB/Swiss−Prot:P39641.1);
7−Rsp1486(NCBI参照配列:NP_523045.1);
8−NP_900476(NCBI参照配列:NP_900476.1);
9−Aple02000835(NCBI参照配列:ZP_00134462.2);
10−SMU1321c(NCBI参照配列:NP_721690.1);
11−YP_816266(NCBI参照配列:YP_816266.1);
12−YP_001544794(NCBI参照配列:YP_001544794.1);
13−YP_077482(NCBI参照配列:YP_077482.1);
14−BAH56723(GenBank:BAH56723.1);
15−NP_358563(NCBI参照配列:NP_358563.1);
16−YP_910063(NCBI参照配列:YP_910063.1);
17−BAG72134(GenBank:BAG72134.1);
18−plu1440(NCBI参照配列:NP_928738.1);
19−AAZ37741(GenBank:AAZ37741.1)
WT−BW25113;
4Δ−BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB);
5Δ−BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB,dapE::λattB;
6Δ−BW25113(ΔpepB,iadA::λattB,pepE::λattB,ybiK::λattB,dapE::λattB,pepA::λattL−cat−λattR).
高度に濃縮されたATPが酵素反応を阻害することを防ぐため、Asp−Pheの生産収率を、ATP再生のためのホスホエノールピルビン酸およびピルビン酸キナーゼを含むBBR47_51900およびStaur_4851の反応混合液において試験した。総容量1mlの反応混合液の組成は、以下のとおりであった。
Tris−HCl pH9.0 50mM
L−AspNa 100mM
L−Phe 100mM
ATP 10mM
ホスホエノールピルビン酸 100mM
MgSO4x7H2O 10mM
ピルビン酸キナーゼ 25U
H2O 総容量1mLまで
11.1.E.coli Asp−Phe加水分解ペプチダーゼ欠損7Δ株の構築
pepD遺伝子を、E.coli JM109株において欠損させた。ΔattL−cat−ΔattRカセットを保持するDNAフラグメントを、プライマーP11(配列番号38)およびP12(配列番号39)、ならびにpMW118−ΔattL−cat−ΔattRプラスミドを鋳型として用いて、PCRにより増幅した。得られたDNAフラグメントを、上記したように、E.coli JM109/pKD46株中に導入した。CmRマーカーを、E.coli JM109(pepD::ΔattR−cat−ΔattL)形質転換体から切り出して、E.coli JM109(pepD::ΔattB)株を構築した。
E.coli JM109およびE.coli 7Δ株の菌体を、LB寒天培地上で、37℃で16時間増殖させた。増殖した菌体を、20mLのMS培地中に接種し、OD610nm 約20の菌体密度になるまで37℃で増殖させた。次いで、Asp−Pheの標準品を培養液に添加し(終濃度2mM)、さらに32時間培養を行った。各培養時間で得られた培養液を遠心分離して、培養上清を得た。培養上清中の残存Asp−Pheを、HPLCにより解析した。結果を表10に示す。E.coli 7Δ株の培地におけるAsp−Phe加水分解活性は、E.coli JM109のものと比較して、はるかに低かった。
グルコース 20
(NH4)2SO4 8
KH2PO4 0.5
FeSO4x7H2O 0.005
MnSO4x7H2O 0.005
酵母抽出物 1
L−Tyr 0.05
MgSO4x7H2O 0.5
CaCO3 30
BBR47_51900およびStaur_4851をコードする遺伝子の一次構造を、E.coliでの発現のためにさらに最適化した。ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis) NBRC 100599由来のBBR47_51900およびスチグマテラ・アウランチアカ(Stigmatella aurantiaca) DW4/3−1由来のStaur_4851をコードする遺伝子を、GenScriptにより合成し、pUC57プラスミドのセット(pUC57−cBBRおよびpUC57−cSTA)として移入した。調製したcBBRおよびcSTAの塩基配列を、それぞれ、配列番号68および69に示す。
BBR47_51900を保持するDNAフラグメントを、プライマーP25(配列番号52)およびP26(配列番号53)、ならびにpUC57−cBBRプラスミドを鋳型として用いて、PCRにより増幅した。PCRを、以下の工程プログラム:98℃,30秒;(98℃,15秒;58℃,10秒;72℃,1分)×30サイクル;72℃,5分を用いて、0.04μgのプラスミドDNA、各0.2μmol/Lのプライマー、1.0ユニットのPhusion High−Fidelity DNAポリメラーゼ(New England Labs)、10μLの5×Phusion HF緩衝液および各0.2mmol/LのdNTPを含む50μLの反応混合液で行った。増幅したDNAフラグメントを、MinElute PCR精製キット(Qiagen)により精製した。
ジペプチド生産菌は、L−アミノ酸αリガーゼ活性を有するようにさらに改変された、ペプチダーゼおよびジペプチドパーミアーゼ活性を欠損する、上記E.coli 7Δ株である。ジペプチド生産株は、プラスミド(それぞれpSF12−cBBRまたはpSF12−cSTA)において、細菌の菌体中に導入されるBBR47_51900またはStaur_4851をコードする遺伝子を保持する。Lalをコードする各遺伝子を、rpoHプロモーター下に配置する。Lalをコードする遺伝子を保持する改変E.coli 7Δ株、およびコントロール7Δ株を各々、LB寒天培地(Lalをコードする遺伝子を保持する改変E.coli 7Δ株のために、100μg/mlアンピシリンを含む)上で25℃にて24時間培養した。Lalをコードする遺伝子を保持するE.coli 7Δ株、およびコントロール7Δ株を、500mL坂口フラスコにおいて、100mM L−Aspおよび100mM L−Pheを補充した20mLのMS培地中に接種し、往復式振盪機において120rpmで25℃にて32時間培養した。得られた培養液を遠心分離して、培養上清を得た。培養上清中に蓄積したAsp−Pheを、HPLCにより解析した。結果を表11に示す。
13.1.tyrRおよびtyrA欠損E.coli 7Δ株の構築
先ず、芳香族アミノ酸の生合成に関与する酵素の合成を抑制するため、tyrR遺伝子を、E.coli JM109(pepD::ΔattB,pepE::ΔattB,iadA::ΔattB,pepA::ΔattB,pepB::ΔattB,iaaA::ΔattB,dpp::ΔattB)株において欠損させた。ΔattL−cat−ΔattRカセットを保持するDNAフラグメントを、プライマーP29(配列番号56)およびP30(配列番号57)、ならびにpMW118−ΔattL−cat−ΔattRプラスミドを鋳型として用いて、PCRにより増幅した。得られたDNAフラグメントを、実施例11.1に記載したように、E.coli JM109(pepD::ΔattB,pepE::ΔattB,iadA::ΔattB,pepA::ΔattB,pepB::ΔattB,iaaA::ΔattB,dpp::ΔattB)/pKD46株中に導入した。CmRマーカーを、E.coli JM109(pepD::ΔattB,pepE::ΔattB,iadA::ΔttB,pepA::ΔattB,pepB::ΔattB,iaaA::ΔattB,dpp::ΔattB,tyrR::ΔattR−cat−ΔattL)形質転換体から切り出して、E.coli JM109(pepD::ΔattB,pepE::ΔattB,iadA::ΔattB,pepA::ΔattB,pepB::ΔattB,iaaA::ΔattB,dpp::ΔattB,tyrR::ΔattB)株を構築した。
pHSG−cBBRプラスミドを構築するために、pSF12−cBBRプラスミドのrpoHプロモーターおよびBBR47_51900遺伝子を含む対応EcoRI−SphIフラグメントを、EcoRIおよびSphIでの消化により切出し、次いで、同じ制限酵素により消化されたpHSG396ベクター(TaKaRa)に連結した。
pMGAL1ベクターを、pMW19(Wako)から構築した。これは、E.coliにおけるPhe生合成に関与する3つの遺伝子;コリスミ酸ムターゼ−プレフェン酸デヒドラターゼ(CM−PD)、3−デオキシ−D−アラビノヘプツロソン酸−7−リン酸シンテターゼ(DAHPシンテターゼ)、およびシキミ酸キナーゼ(SK)をそれぞれコードするpheA、aroG4、およびaroLを保持する(特許第3225597号)。pheAおよびaroG4遺伝子の各々を、対応する元の遺伝子から変異させて、生合成されるPheによるネガティブ・フィードバックを回避した。
改変E.coli 9Δ/pMGAL1/pHSG−cLalおよびコントロール9Δ株/pMGAL1の各々を、LB寒天培地(E.coli 9Δ/pMGAL1/pHSG−cLalのために100μg/mlアンピシリンおよび25μg/mlクロラムフェニコールを含む)上で、25℃で24時間培養した。E.coli 9Δ/pMGAL1/pHSG−cLalおよびコントロール9Δ/pMGAL1株を、500mL坂口フラスコにおいて100mM L−Aspを補充した20mLのMS培地中に接種し、往復式振盪機において、120rpmで25℃にて72時間培養した。得られた培養液を遠心分離して、培養上清を得た。培養上清中に蓄積したPheおよびAsp−Pheを、HPLCにより解析した。結果を表12に示す。
14.1.pELAC−MBP−DES−HTプラスミドの構築
14.1.1.補助プラスミドpELACの構築
<PlacUV5>DNAフラグメントを、オリゴプライマーP35(配列番号62)、P36(配列番号63)、およびpUC18プラスミド(GenBank:L08752.1)のDNAを鋳型として用いて、PCRにより増幅した。
malE遺伝子(シグナルペプチド配列無し)を、オリゴプライマーP37(配列番号64)、P38(配列番号65)、およびE.coli MG1655染色体を鋳型として用いて、PCRにより増幅した。得られたDNAフラグメントを、XbaIおよびBamHIにより消化し、pELAC−/XbaI−BamHIベクター中にクローニングした。これにより、pELAC−MBP−HTプラスミドを構築した。
pELAC−MBP−DES−HTプラスミドを構築するため、我々は、オリゴプライマーP39(配列番号66)、P40(配列番号67)、およびpUC57−DES(ジペプチド特許出願に記載される)のDNAを鋳型として用いることにより、DES遺伝子を含むDNAフラグメントを増幅した。得られたDNAフラグメントを、BamHIおよびNotIで消化し、pELAC−MBP−HT/BamHI−NotIベクターに連結した。これにより、pELAC−MBP−DES−HTプラスミドを構築した。
pELAC−MBP−DES−HTを保持するE.coli 7Δの菌体を、試験管において、100μg/mLアンピリシンを含むLB培地中で、OD610nmが約2になるまで、37℃で増殖させた。得られた培養液2mLを、500ml坂口フラスコにおいて、IPTG(終濃度0.1mmol/L)を補充した100mLのLB培地中に、30℃で8時間接種した。誘導された菌体を、1.6Lの培養ブロスから採取し、200〜240mLのHT−II緩衝液(50mM Tris−HCL,pH8.0,0.3M NaCl,10mMイミダゾール,15%グリセロール)中に再懸濁し、ソニケーター(INSONATOR 201M,KUBOTA)を用いて超音波処理した。4℃および14,000rpmでの15分間の遠心分離、続いて、0.45mmフィルター(Millipore)を通じた濾過により、屑を除去した。粗タンパク質の溶液を、製造業者の推奨にしたがい、AKTA avant 25(GE healthcare)を用いて、HisTALON Superflowカートリッジ,5ml(Clontech)に充填した。MBP融合His6タグ付加DESを含む画分を合わせ、SC緩衝液(50mM Tris−HCl,pH8.0,0.3M NaCl,15%グリセロール)で平衡化したPD−10カラム(GE healthcare)を用いて脱塩した。
MBP融合His6タグ付加DESにより合成されたジペプチドを、総容量400μLの反応混合液のHPLC解析を用いて決定した。反応混合液は、以下を含んだ:
DES 160μg
Tris−HCl,pH9.0 50mM
L−Asp 100mM
L−Phe 100mM
アデノシン 5’−トリホスフェート(ATP) 10mM
MgSO4x7H2O 10mM
配列番号1は、BBR47_51900遺伝子を示す。
配列番号2は、BBR47_51900タンパク質を示す。
配列番号3は、Staur_4851遺伝子を示す。
配列番号4は、Staur_4851タンパク質を示す。
配列番号5は、DES遺伝子を示す。
配列番号6は、DESタンパク質を示す。
配列番号7は、BUR遺伝子を示す。
配列番号8は、BURタンパク質を示す。
配列番号9は、BCE遺伝子を示す。
配列番号10は、BCEタンパク質を示す。
配列番号11は、BTH遺伝子を示す。
配列番号12は、BTHタンパク質を示す。
配列番号13は、AME遺伝子を示す。
配列番号14は、AMEタンパク質を示す。
配列番号15は、SFL遺伝子を示す。
配列番号16は、SFLタンパク質を示す。
配列番号17は、BMY遺伝子を示す。
配列番号18は、BMYタンパク質を示す。
配列番号19は、BBR47_51900を保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号20は、Staur_4851を保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号21は、DESを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号22は、BURを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号23は、BCEを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号24は、BTHを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号25は、AMEを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号26は、SFLを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号27は、BMYを保持するXbaI−EcoRIフラグメントを示す。
配列番号28は、プライマーP1を示す。
配列番号29は、プライマーP2を示す。
配列番号30は、プライマーP3を示す。
配列番号31は、プライマーP4を示す。
配列番号32は、プライマーP5を示す。
配列番号33は、プライマーP6を示す。
配列番号34は、プライマーP7を示す。
配列番号35は、プライマーP8を示す。
配列番号36は、プライマーP9を示す。
配列番号37は、プライマーP10を示す。
配列番号38は、プライマーP11を示す。
配列番号39は、プライマーP12を示す。
配列番号40は、プライマーP13を示す。
配列番号41は、プライマーP14を示す。
配列番号42は、プライマーP15を示す。
配列番号43は、プライマーP16を示す。
配列番号44は、プライマーP17を示す。
配列番号45は、プライマーP18を示す。
配列番号46は、プライマーP19を示す。
配列番号47は、プライマーP20を示す。
配列番号48は、プライマーP21を示す。
配列番号49は、プライマーP22を示す。
配列番号50は、プライマーP23を示す。
配列番号51は、プライマーP24を示す。
配列番号52は、プライマーP25を示す。
配列番号53は、プライマーP26を示す。
配列番号54は、プライマーP27を示す。
配列番号55は、プライマーP28を示す。
配列番号56は、プライマーP29を示す。
配列番号57は、プライマーP30を示す。
配列番号58は、プライマーP31を示す。
配列番号59は、プライマーP32を示す。
配列番号60は、プライマーP33を示す。
配列番号61は、プライマーP34を示す。
配列番号62は、プライマーP35を示す。
配列番号63は、プライマーP36を示す。
配列番号64は、プライマーP37を示す。
配列番号65は、プライマーP38を示す。
配列番号66は、プライマーP39を示す。
配列番号67は、プライマーP40を示す。
配列番号68は、ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis) NBRC 100599のBBR47_51900をコードする最適化遺伝子を示す。
配列番号69は、スチグマテラ・アウランチアカ(Stigmatella aurantiaca)のStaur_4851をコードする最適化遺伝子を示す。
Claims (11)
- エシェリヒア属に属するジペプチド生産細菌であって、
ペプチダーゼ活性を有するタンパク質をコードする1以上の遺伝子の改変により、ペプチダーゼ活性が減弱または不活化されるように改変されており、
エシェリヒア属に属するジペプチド生産細菌におけるペプチダーゼ活性の減弱または不活化の比較基準が、エシェリヒア属に属する同じジペプチド生産細菌の野生型株におけるペプチダーゼ活性であり、かつ
以下(A)〜(E)からなる群より選ばれるDNAを含むように改変された、エシェリヒア属に属するジペプチド生産細菌:
(A)配列番号1、3または5の塩基配列を有するDNA;
(B)配列番号1、3または5で示される配列に相補的な塩基配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNA;
(C)配列番号2、4または6のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA;
(D)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して1〜30個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質をコードするDNA;
(E)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して90%以上の相同性を有し、かつジペプチド合成活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 前記細菌が、エシェリヒア・コリ種に属する、請求項1記載の細菌。
- ペプチダーゼ活性を有するタンパク質をコードする前記遺伝子が、pepA、pepB、pepD、pepE、pepP、pepQ、pepN、pepT、iadA、iaaA(ybiK)、およびdapEからなる群より選ばれる、請求項1または2記載の細菌。
- 下記:
(F)配列番号2、4または6のアミノ酸配列を有するタンパク質;
(G)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して1〜30個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質;
(H)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して90%以上の相同性を有し、かつジペプチド合成活性を有するタンパク質、
からなる群より選ばれるタンパク質の生産方法であって、
以下を含む、生産方法:
(a)培養培地中で請求項1〜3のいずれか一項記載の細菌を培養して、前記タンパク質を生産すること;
(b)前記細菌または培養培地中、あるいはその双方に前記タンパク質を蓄積させること;および、必要に応じて
(c)前記細菌または培養培地から前記タンパク質を回収すること。 - 以下の工程を含む、N末端側が酸性アミノ酸残基または酸性L−アミノ酸残基の誘導体であるジペプチドまたはその塩の生産方法:
(a)下記:
(F)配列番号2、4または6のアミノ酸配列を有するタンパク質;
(G)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して1〜30個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質;
(H)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して90%以上の相同性を有し、かつジペプチド合成活性を有するタンパク質、
からなる群より選ばれるタンパク質の存在下における適切な条件下でL−アミノ酸またはその誘導体、あるいはそれらの塩を反応させること;
(b)適切な溶媒中に前記ジペプチドまたはその塩を蓄積させること;および、必要に応じて
(c)適切な溶媒から前記ジペプチドまたはその塩を回収すること
〔ただし、配列番号6のアミノ酸配列に関連するタンパク質が用いられる場合、生産されるジペプチドはL−Asp−L−Pheである〕。 - N末端側が酸性アミノ酸残基または酸性L−アミノ酸残基の誘導体であるジペプチドまたはその塩の生産方法であって、以下の工程:
(a)培養培地中で細菌を培養すること;
(b)前記細菌または培養培地中、あるいはその双方に前記ジペプチドを蓄積させること;および、必要に応じて
(c)前記細菌または培養培地から前記ジペプチドを回収すること、
を含み、
前記細菌が、以下(A)〜(E)からなる群より選ばれるDNAを含むように改変された、エシェリヒア属に属するジペプチド生産細菌である、生産方法:
(A)配列番号1、3または5の塩基配列を有するDNA;
(B)配列番号1、3または5で示される配列に相補的な塩基配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNA;
(C)配列番号2、4または6のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA;
(D)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して1〜30個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含み、かつジペプチド合成活性を有するバリアントタンパク質をコードするDNA;
(E)配列番号2、4または6のアミノ酸配列に対して90%以上の相同性を有し、かつジペプチド合成活性を有するタンパク質をコードするDNA
〔ただし、配列番号6のアミノ酸配列に関連するタンパク質が用いられる場合、生産されるジペプチドはL−Asp−L−Pheである〕。 - 前記L−アミノ酸またはその誘導体が、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、およびL−フェニルアラニンの低級アルキルエステルからなる群より選ばれる、請求項5記載の方法。
- 前記ジペプチドが、式:R1−R2により表され、
R1が、酸性L−アミノ酸残基、または酸性L−アミノ酸残基の誘導体であり、
R2が、L−アミノ酸残基、またはL−アミノ酸残基の誘導体であり、
前記L−アミノ酸残基が、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、およびL−フェニルアラニンの低級アルキルエステルからなる群より選ばれる、請求項5または6のいずれか記載の方法。 - R1が、L−アスパラギン酸またはL−グルタミン酸残基であり、
R2が、L−グルタミン酸、L−イソロイシン、L−フェニルアラニン、L−トリプトファン、L−バリン、またはL−フェニルアラニン残基の低級アルキルエステルである、請求項8記載の方法。 - R1が、L−アスパラギン酸残基であり、
R2が、L−フェニルアラニン、またはL−フェニルアラニン残基の低級アルキルエステルである、請求項8記載の方法。 - 前記L−フェニルアラニン残基の低級アルキルエステルが、L−フェニルアラニンのメチル、エチルまたはプロピルエステルである、請求項8記載の方法。
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