JP6031443B2 - 関節アシスト装置及び関節アシスト装置の調整方法 - Google Patents
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Description
アルミ合金製装具の第一の問題点は、患者の症状に合せて装具アームの形状を最終調整しても、使用により装具アームが繰返し荷重を受けることで塑性変形して、よって、調整時の矯正力を持続的に発揮しなくなることである。第二の問題点は、アルミが汗の塩分等により腐食をして破損の原因となることである。第三の問題点は、患者が金属製の装具を装着して航空機へ搭乗する際に、金属探知機により金属が探知され、確認検査を受けなければならないことである。
これら前記の問題点を改善し、従来装具よりも軽量で性能と装着感が改良された装具を提供することが求められている。
関節装具のアーム部を樹脂で構成した装具はすでに実用化されている。その装具の構造材は頑丈なものが多く、使用中に形状変化する心配はないけれども、患者の症状に合せてアームの形状または連結部材を調整することを意図していない。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の関節アシスト装置において、前記熱可塑性樹脂を、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、及び液晶ポリマーのいずれかとしたことを特徴とするとする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の関節アシスト装置において、前記短繊維強化熱可塑性樹脂、前記長繊維強化熱可塑性樹脂、及び前記布強化熱可塑性樹脂に、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種を用いたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の関節アシスト装置の調整方法であって、変形の必要性を判断する判断ステップと、前記判断ステップで変形の必要性があると判断した場合に変形量を計測する計測ステップと、少なくとも前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームを加熱する軟化処理ステップと、軟化させた前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームに変形処理を行う変形処理ステップと、少なくとも前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームを冷却する硬化処理ステップとを有することを特徴とする。
関節アシスト装置において要求される機能の第一は、変形性膝関節症の矯正力即ち支持力である。アルミに比してはるかに剛性に優れる炭素繊維強化樹脂を装具アームに採用することで、装具アームが受ける繰り返し荷重で塑性変形するため、患者に合せて調整した矯正力が落ちることはない。更に発明者らの経験によると、患者の症状のレベルにもよるが、装具装着の被視認性、即ち装具を装着していること、を他人に認知されることを忌避する傾向が強いということがわかった。しかし、本発明の関節アシスト装置は、装具装着の被視認性を改善することができる。
アルミ構造材は汗の塩分などによって腐食破損を起こしやすいが、樹脂化することで腐食破損の問題も解決できる。
更に金属製の膝装具を装着して航空機搭乗をする際に、金属探知機により金属が探知され、確認検査を受ける等の煩わしさが生じる。オールプラスチック装具であれば金属探知機に探知されることはなくなる上に、装具の軽量化も可能である。その結果、着用者にとって日常生活を支障なく過ごす膝装具を提供できる。
1b 内側支持板
10a 第1の外側アーム
10b 第1の内側アーム
11a、11b 上端側回動支点
12a、12b ピン
20a 第2の外側アーム
20b 第2の内側アーム
21a、21b 下端側回動支点
22a、22b ピン
30 連結部材
41 第1のバンド
42 第2のバンド
43 第3のバンド
50a 外側パット
50b 内側パット
60a 接続部
60b 弾性接続部
70a、70b 被覆部材
図1は本実施例による関節アシスト装置の一方から見た斜視図、図2は同装置の他方から見た斜視図、図3は同装置の伸展させた状態を示す側面図、図4は同装置の装具フレームを示す図である。
本実施例による関節アシスト装置は、関節の外側に配置される外側支持板1aと、関節の内側に配置される内側支持板1bと、外側支持板1aと内側支持板1bとを後膝部側で連結する連結部材30とを備えている。外側支持板1aは、大腿骨外側上顆の上方に配置され、内側支持板1bは、大腿骨内側上顆の上方に配置される。
外側支持板1aは、2枚の板状部材で構成され、第1の外側アーム10aの一端と第2の外側アーム20aの一端とは、2枚の板状部材の間に挟まれている。
また、内側支持板1bには上端側回動支点11bと下端側回動支点21bが設けられる。上端側回動支点11bには第1の内側アーム10bの一端が回動自在に設けられ、下端側回動支点21bには第2の内側アーム20bの一端が回動自在に設けられている。
内側支持板1bは、2枚の板状部材で構成され、第1の内側アーム10bの一端と第2の内側アーム20bの一端とは、2枚の板状部材の間に挟まれている。
装着者の体型や脚部の長さによって若干異なるが、例えば、次の場合に良好な効果を得られている。第1の外側アーム10aの上端側回動支点11aからピン12aまでの寸法を83mmとしたときに、第2の外側アーム20aの下端側回動支点21aからピン22aまでの寸法を140mmとし、第1の内側アーム10bの上端側回動支点11bからピン12bまでの寸法を83mmとしたときに、第2の内側アーム20bの下端側回動支点21bからピン22bまでの寸法を155mmとした。実験の結果によれば、次の寸法とすることが好ましい。第1の外側アーム10aの上端側回動支点11aからピン12aまでの寸法は、第1の内側アーム10bの上端側回動支点11bからピン12bまでの寸法の1.05倍から0.95倍までの範囲の長さとし、第2の外側アーム20aの下端側回動支点21aからピン22aまでの寸法は、第2の内側アーム20bの下端側回動支点21bからピン22bまでの寸法の1.05倍から0.85倍までの範囲の長さとし、第2の外側アーム20aの下端側回動支点21aからピン22aまでの寸法は、第1の外側アーム10aの上端側回動支点11aからピン12aまでの寸法の1.5倍から2倍の長さとし、第2の内側アーム20bの下端側回動支点21bからピン22bまでの寸法は、第1の内側アーム10bの上端側回動支点11bからピン12bまでの寸法の1.5倍から2倍の長さとする。
第1の外側アーム10a、第1の内側アーム10b、第2の外側アーム20a、及び第2の内側アーム20bは、短繊維強化熱可塑性樹脂とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂には、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、及び液晶ポリマーのいずれかを用い、短繊維には、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種を用いる。
連結部材30は、長繊維強化熱可塑性樹脂又は布強化熱可塑性樹脂とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂には、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、及び液晶ポリマーのいずれかを用いる。長繊維には、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種を用いる。布には、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種を織り込んだもの、又は炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種による不織布を用いる。
なお、短繊維及び長繊維は、熱可塑性樹脂の補強材として用いられる。短繊維強化熱可塑性樹脂を用いた場合には、長繊維強化熱可塑性樹脂又は布強化熱可塑性樹脂と比較して、大きな変形処理に適している。一方、長繊維強化熱可塑性樹脂又は布強化熱可塑性樹脂を用いた場合には、短繊維強化熱可塑性樹脂と比較して変形に強く、大きな変形処理を必要とせず、使用時の変形に対する強度を確保することができる。
なお、外側支持板1a及び内側支持板1bを樹脂製とする場合には、繊維強化樹脂又は布強化樹脂等の強度の大きい樹脂とすることが好ましい。
第1の外側アーム10aは、他端側に第1のバンド41を取り付けるピン12aを有し、第1の内側アーム10bは、他端側に第1のバンド41を取り付けるピン12bを有している。また、第2の外側アーム20aは、他端側に第2のバンド42を取り付けるピン22aを有し、第2の内側アーム20bは、他端側に第2のバンド42を取り付けるピン22bを有している。
第2の外側アーム20aの端部はピン22aによって回動可能に設けられ、第2の内側アーム20bの端部はピン22bによって回動可能に設けられている。
また、第2の外側アーム20aの端部には、第2の外側アーム20aの他端側の一部を覆う被覆部材70aを、第2の内側アーム20bの端部には、第2の内側アーム20bの他端側の一部を覆う被覆部材70bを設けている。被覆部材70a、70bと第2のバンド42とは開口部71a、71bを除いて縫合され、開口部71a、71bによって第2の外側アーム20a及び第2の内側アーム20bの回動範囲を規制している。従って、第2の外側アーム20a及び第2の内側アーム20bは、開口部71a、71bによって所定角度回動自在に動作することができる。
また、第3のバンド43は、膝関節の外側の位置で接続部60aを介して第1の外側アーム10aに接続されている。外側支持板1aの内側には外側パット50aが設けられている。
図5は本実施例による関節アシスト装置を装着した状態を示す側面図、図6は同装置を装着した状態を示す正面図である。
外側支持板1aは大腿骨外側上顆101の上方に配置され、内側支持板1bは大腿骨内側上顆102の上方に配置する。従って、外側パット50aは大腿二頭筋103の下部に位置し、内側パット50bは半腱様筋104の下部に位置する。内側パット50bは弾性接続部60bによって第1の内側アーム10bに懸架されており、第3のバンド43は接続部60aによって第1の外側アーム10aに接続されている。そのため、第3のバンド43による締め付けによって内側パット50bは半腱様筋104に密着する。また第3のバンド43による締め付けによって第1の外側アーム10aには大腿骨105の方向に力が加わるため、外側支持板1aにも大腿骨105の方向に力が加わり、外側パット50aは大腿二頭筋103に密着する。このように内側パット50bは半腱様筋104の位置に、外側パット50aは大腿二頭筋103の位置に配置されるために押圧による密着性が高い。その結果、内側パット50bは大腿骨内側上顆102によってずれ落ちを防止でき、外側パット50aは大腿骨外側上顆101によってずれ落ちを防止できる。
下肢の姿位によって異なるが、極度な内反膝の場合を除き、内側支持板1bの位置に対して、第2の内側アーム20bのピン22bは頸骨107の方向に寸法w3だけ近くなる。このとき、第2の内側アーム20bは、内側支持板1bに対して回動するとともにピン22bに対しても所定範囲で回動しなければならないため、第2の内側アーム20bの中間部で傾斜面20xを構成する必要がある。しかし、この傾斜面20xを大腿骨内側顆108から頸骨107上部に沿わせることで、特に内側支持板1b及び第2の内側アーム20bを、大腿部109から下腿部110に沿った状態に配置することができる。
従って、膝蓋骨111の両側部には、第2の外側アーム20aと第2の内側アーム20bが位置することになる。
図7は、本実施例による関節アシスト装置の調整方法を示すフローチャートであり、図8は関節アシスト装置を仮装着した状態の装具フレームを示す正面図、図9は調整後の関節アシスト装置を装着した状態の装具フレームを示す正面図である。
まず、標準品としての関節アシスト装置が制作される(ステップ1)。標準品は、第1の外側アーム10a、第1の内側アーム10b、第2の外側アーム20a、第2の内側アーム20b、及び連結部材30が、それぞれ射出成型によって成型され、その後に図1から図4に示す状態に組み立てられる。標準品は、あらかじめ体型に合わせて数種類のサイズが標準品として製作される。
ステップ2において、これらの標準品の中から使用者に最も適したサイズの関節アシスト装置が選択される。
そして、ステップ2で選択した関節アシスト装置を仮装着し(ステップ3)、変形の必要性を判断する(ステップ4)。
ステップ4において、変形の必要があれば、変形量の計測を行う(ステップ5)。
ステップ5における変形量の計測の後に関節アシスト装置を取り外し(ステップ6)、関節アシスト装置の軟化処理を行う(ステップ7)。関節アシスト装置の軟化処理は、加熱によって行う。例えば、第1の外側アーム10a、第1の内側アーム10b、第2の外側アーム20a、第2の内側アーム20b、及び連結部材30の中で必要部材又は必要部位に熱風を吹き付ける。
ステップ7における軟化処理の後に、第1の外側アーム10a、第1の内側アーム10b、第2の外側アーム20a、第2の内側アーム20b、及び連結部材30の中で必要部材又は必要部位の変形処理を行う(ステップ8)。
ステップ8における変形処理の後に、特に変形処理部材又は変形処理部位を冷却して硬化処理を行う(ステップ9)。なお、硬化処理は、冷風を吹き付け、又は冷却ガスの吹き付けによって強制的に冷却する場合に限らず、自然冷却であってもよい。
ステップ9による硬化処理の後に、再度仮装着を行い(ステップ3)、変形の必要性を判断する(ステップ4)。
ステップ4において変形の必要性が無いと判断されると、関節アシスト装置の調整は完了する(ステップ10)。
なお、図7における処理流れは、標準品としての関節アシスト装置を制作し、その後標準品を選択するステップを含めて説明した。しかし、既に関節アシスト装置を着用している使用者が、所定期間経過後に関節アシスト装置を再調整する場合にも適用できる。関節アシスト装置の再調整にあっては、ステップ3からの処理流れとなる。
また、本実施例の説明では、関節アシスト装置を図1から図3に示す状態に完成させた後の調整方法として説明した。しかし、図4に示す装具フレームの状態で調整を行うこともできる。装具フレームの状態で調整を行う場合には、装具フレーム以外の部材を治具として装具フレームの仮装着を行う。
また、他の方法としては、ステップ3からステップ5の工程を、データを用いたシミュレーションで行うこともできる。シミュレーションで行う場合には、使用者の装着部位に関する寸法データをあらかじめ計測して入力する。寸法データは画像データを用いてもよい。その場合、三次元立体模型をシミュレートし、シミュレートした三次元立体模型に選択した装具(部材)を適用することで、変形の必要性の判断と、変形量の算出を行う。
Claims (4)
- 関節の内側に配置される内側支持板と、前記関節の外側に配置される外側支持板と、前記内側支持板と前記外側支持板とを後膝部側で連結する連結部材と、前記内側支持板の上端側に回動自在に設けられる第1の内側アームと、前記内側支持板の下端側に回動自在に設けられる第2の内側アームと、前記外側支持板の上端側に回動自在に設けられる第1の外側アームと、前記外側支持板の下端側に回動自在に設けられる第2の外側アームとを備えた関節アシスト装具であって、前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、前記第2の外側アーム、及び前記連結部材を、熱可塑性樹脂で構成し、前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームを短繊維強化熱可塑性樹脂とし、前記連結部材を長繊維強化熱可塑性樹脂又は布強化熱可塑性樹脂としたことを特徴とする関節アシスト装置。
- 前記熱可塑性樹脂を、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、及び液晶ポリマーのいずれかとしたことを特徴とするとする請求項1に記載の関節アシスト装置。
- 前記短繊維強化熱可塑性樹脂、前記長繊維強化熱可塑性樹脂、及び前記布強化熱可塑性樹脂に、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン、及び液晶ポリマーのいずれか一種又は複数種を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の関節アシスト装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の関節アシスト装置の調整方法であって、変形の必要性を判断する判断ステップと、前記判断ステップで変形の必要性があると判断した場合に変形量を計測する計測ステップと、少なくとも前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームを加熱する軟化処理ステップと、軟化させた前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームに変形処理を行う変形処理ステップと、少なくとも前記第1の内側アーム、前記第1の外側アーム、前記第2の内側アーム、及び前記第2の外側アームを冷却する硬化処理ステップとを有することを特徴とする関節アシスト装置の調整方法。
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