JP6042151B2 - シリカ粒子を含む半導体用絶縁材料 - Google Patents

シリカ粒子を含む半導体用絶縁材料 Download PDF

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Description

本発明は、シリカ粒子を含む半導体用絶縁材料、等に関する。
近年、メモリセルの集積度を高めるために、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置が多数提案されている。このような半導体装置において、メモリセル及び回路素子等の隙間にあたる箇所にトレンチを形成し、トレンチ内に絶縁材料を埋め込むことにより、メモリセル間及び回路素子間等の電気的分離を行う必要がある。このようなトレンチ埋め込み用絶縁材料としては、高い絶縁性が求められるという理由でシリコン酸化物が広く好適に用いられている。
トレンチ内にシリコン酸化物を埋め込むための手段としては、従来CVD(化学気相成長)法が挙げられ、トレンチを有する基板上にシリコン酸化物膜を形成することができる。一方、CVD以外の方法として、塗布法により液状の材料をトレンチ内に埋設し、酸化雰囲気下で焼成することによりシリコン酸化物を形成する方法が知られている。この手法で用いる液状材料としては、ポリシラザン材料(例えば特許文献1)、ポリシラン材料(例えば特許文献2)、及びシリコーン材料が知られている。
特にシリコーン材料は、塗布膜形成時に脱水及び脱アルコール縮合反応を伴うため、得られたシリコン酸化物膜中にボイド及びクラックが発生しやすい。またシリコーン材料からシリコン酸化物膜に転化する際に大きな硬化収縮を伴うため、膜表面からトレンチの底部に向かって密度が不均一になるといった問題があった。
このようなボイド及びクラックの発生を回避する方法として、シリカ粒子とポリシロキサン化合物とを含む組成物が提案されている(例えば特許文献3)。また、層間絶縁膜用途のために設計された材料として、シリカ粒子とポリシロキサン化合物とを縮合反応させた材料について特許文献4〜7に記載されている。
さらにポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを含む組成物は、塗布後、焼成して酸化シリコン膜とした時の硬化収縮率が小さく、HF耐性も示す材料であることが特許文献8、9に記載されている。
特開2001−308090号公報 特開2003−31568号公報 特開2006−310448号公報 特開平5−263045号公報 特開平4−10418号公報 特開平3−263476号公報 特許第4746704号公報 特開2010−153655号公報 特開2011−26570号公報
半導体装置等の高集積化や多層化に伴い、メモリセル間及び回路素子間等を電気的分離するためにより優れた電気特性を示す材料が求められる。前述した優れた電気特性とはリーク電流が小さいことである。すなわち、本発明はリーク電流が小さい半導体用絶縁材料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成する方法を開発すべく鋭意検討を行った結果、以下に示すようにシリカ粒子を特定の状態で含む絶縁材料がリーク電流を低減することを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 珪素原子、炭素原子、及び酸素原子を含む半導体用絶縁材料であって、
シリカ粒子を、9.5%より大きく30%以下である体積割合で含み、
炭素原子の珪素原子に対する組成比(C/Si)が0より大きく0.85より小さく、かつ
微小角入射X線小角散乱(GI−SAXS)測定における、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該散乱ベクトルqが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が、1.35以下である、半導体用絶縁材料。
[2] 前記炭素原子の珪素原子に対する組成比(C/Si)が0.54以上0.62以下である、上記[1]に記載の半導体用絶縁材料。
[3] 前記シリカ粒子の体積割合が13%以上20%以下である、上記[1]又は[2]に記載の半導体用絶縁材料。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体用絶縁材料の製造方法であって、
ポリシロキサン化合物及びシリカ粒子を含む材料組成物を基板に塗布し、前記材料組成物を焼成硬化させる工程を含み、
前記ポリシロキサン化合物は、下記一般式(1):
1Si(OR23 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、そしてR2は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマー及び下記一般式(2):
Si(OR34 (2)
(式中、R3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマーを合計で50質量%以上の量で含むシラン成分を加水分解重縮合することで得られる、半導体用絶縁材料の製造方法。
[5] 前記材料組成物が、前記ポリシロキサン化合物及び前記シリカ粒子の合計100質量部に対して前記シリカ粒子を20質量部以上30質量部以下含む、上記[4]に記載の半導体用絶縁材料の製造方法。
本発明により、リーク電流を低減可能な、シリカ粒子を含む半導体用絶縁材料を提供できる。
実施例1及び比較例1のGI−SAXS測定結果を示す図である。 GI−SAXS測定結果における散乱ベクトルが0.05nm-1から0.25nm-1の範囲での拡大図である。 実施例1のGI−SAXS測定結果と剛体球モデルで粒子体積割合13%とした時のフィッティング結果とを示す図である。 実施例1及び比較例1のIV特性の測定結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の半導体用絶縁材料(以下、単に絶縁材料ということもある)は、炭素原子、珪素原子及び酸素原子を含み、典型的には炭素原子、珪素原子及び酸素原子並びに不可避的不純物からなる。絶縁材料は、シリカ粒子を含み、以下の(1)、(2)及び(3)の特徴を満足する。
(1) 炭素原子の珪素原子に対する組成比(C/Si)(本開示で、C/Si比ともいう)(原子数比)が0より大きく0.85より小さい。
(2) シリカ粒子の体積割合が9.5%より大きく30%以下である。
(3) 微小角入射X線小角散乱(GI−SAXS)において、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、散乱ベクトルqが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が1.35以下である。
<(3)に関して>
本発明の絶縁材料は微小角入射X線小角散乱(GI−SAXS)において、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、散乱ベクトルqが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が1.35以下であることを特徴とする。ここで散乱ベクトルqはq=4πsinθ/λであり、2θは散乱角度、λは入射X線の波長である。散乱強度I(q)は散乱体積中の電子密度の揺らぎに関係しており、I(q)から、ナノスケールの周期構造、並びに散乱体の形及び大きさを知ることができる。本発明の絶縁材料は、炭素原子、珪素原子及び酸素原子を含み、かつシリカ粒子を含んでいる。従って、絶縁材料において、シリカ粒子(すなわち珪素原子と酸素原子とからなる部分)とシリカ粒子以外の部分(すなわち炭素原子を少なくとも含む部分)とは電子密度差を有する。例えば、絶縁材料は、有機基を含む珪素化合物(例えば後述のポリシロキサン化合物)を用いて製造でき、この場合、シリカ粒子以外の部分は有機基由来の炭素を含むことになり、シリカ粒子の部分とシリカ粒子以外の部分とは顕著な電子密度差を有する。よって、GI−SAXSで観察される散乱の殆どは、シリカ粒子の粒径及び粒子の分布状態(すなわち配置)に由来すると考えられる。以上により、本実施の形態では、GI−SAXS測定により、シリカ粒子の存在状態を評価する。
GI−SAXS測定における0.5nm-1以下の小角領域の測定からは、シリカ粒子の凝集の度合いに関する情報を得ることができる。材料中のシリカ粒子を剛体球とみなし、シリカ粒子が材料中に均一に存在していると仮定したモデルで解析を行うと、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.2nm-1の小角領域における散乱強度I(q)の変化は小さい。実際、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該qが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))は1.35以下となる。すなわち、シリカ粒子を含むある材料についての測定結果がこのモデルに近い場合、シリカ粒子はその材料中に均一に存在しており、凝集は起こっていないと考えることができる。一方、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)が、該qが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)よりも非常に大きくなる場合、シリカ粒子が材料中に均一に存在していない、すなわち粒子間での相互作用による凝集が起こっていると考えることができる。
発明者は、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該qが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が1.35以下である条件を満たさない絶縁材料である場合、リーク電流が劇的に増加することを見出した。おそらくシリカ粒子の凝集が顕著となり、それが絶縁材料中の欠陥となった結果、リーク電流が生じやすくなるためと考えられる。以上より、本実施の形態の絶縁材料において、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該qが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が1.35以下である必要がある。
さらにシリカ粒子の凝集を抑制するという観点で、前述したI1(q)/I2(q)が1.30以下であることがより好ましく、更に好ましくは1.20以下である。I1(q)/I2(q)比は、シリカ粒子の凝集を抑制するという観点では小さい程好ましいが、粒子が膜中に均一に存在しているモデルに近いという観点から、好ましくは0以上、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.50以上であることができる。
本発明におけるGI−SAXS測定では2次元検出器を用いる。2次元検出器を用いることは時間分割測定や異方性の把握において優位である。ただし、2次元検出器ではビームパスで生じる空気散乱すべてを計測してしまうため、真空若しくはヘリウムガス中での測定が必要である。
また上記測定では、2次元GI−SAXSパターンに対し、試料面内の散乱のみを取り出し、これを1次元化する。これにより小角領域における散乱強度を正確に測定することができ、本発明における散乱強度比(I1(q)/I2(q))を適切に算出することが可能となる。
絶縁材料は、より典型的には、限定はされないが、例えば、温度20℃以上25℃以下、相対湿度40%以上50%以下の条件下で、シリカ粒子を含む材料組成物の基材上への塗布及び続いて焼成炉内での焼成により作製される。更に典型的には、絶縁材料は、後述の実施例において記載する条件で作製される。
上記したような特定のI1(q)/I2(q)比を満足する絶縁材料は、シリカ粒子とポリシロキサン化合物を重縮合させ、得られる材料組成物を焼成硬化させることにより形成できる。その際、絶縁材料中のシリカ粒子の体積割合を所定値以下にすることが重要である。詳細は後述する。
<(1)に関して>
半導体用途の絶縁膜のために設計された従来の材料に関し、有機基を含むポリシロキサンを含む材料組成物を用いて形成される絶縁材料は、一般的な絶縁材料であるSiO2のみでは困難とされているクラック耐性、低収縮性、及び疎水性を示す。それらの特性は絶縁材料中における炭素/珪素組成比に大きく依存しうるため、炭素/珪素組成比の決定は極めて重要である。
本発明の絶縁材料は、C/Si比が0より大きく0.85より小さいことを特徴とする。該C/Si比が0より大きいことは、膜の疎水性を高め、吸着水によるリーク電流を低減する点で有利である。該C/Si比は好ましくは0.28以上、更に好ましくは0.54以上である。一方、該C/Si比が0.85より小さいことはシリカ粒子の凝集を抑制し、リーク電流を低減する点で有利である。該C/Si比は好ましくは0.75以下、より好ましくは、0.62以下である。上記C/Si比はX線光電子分光法(XPS)により測定することができる。本発明におけるXPS測定は従来公知の方法及び装置を用いて行えばよい。またC/Si比を測定する上で、ラザフォード後方散乱分析法(RBS)、核反応分析法(NRA)等他の測定手法を用いてもよく、当業者に公知のいずれかの方法で上記範囲内のC/Si比が得られればよい。
絶縁材料は、より典型的には、限定はされないが、例えば、温度20℃以上25℃以下、相対湿度40%以上50%以下の条件下で、シリカ粒子を含む材料組成物の基材上への塗布及び続いて焼成炉内での焼成により作製される。更に典型的には、絶縁材料は、後述の実施例において記載する条件で作製される。
上記したような特定のC/Si比を満足する絶縁材料は、シリカ粒子とポリシロキサン化合物を重縮合させ、得られる材料組成物を焼成硬化させることにより形成できる。その際、材料組成物におけるポリシロキサン化合物とシリカ粒子との割合、ポリシロキサン化合物中の有機基の炭素数(例えば、後述する一般式(1)及び(2)で表されるシランモノマーにおける炭化水素基の炭素数)を選定することが重要である。
<(2)に関して>
本発明の絶縁材料は、材料中のシリカ粒子とその他の成分との体積割合の総和を100%とすると、シリカ粒子の体積割合は9.5%より大きく30%以下であることを特徴とする。上記したGI−SAXS測定における0.5nm-1以上の広角領域の測定からは、シリカ粒子の分布状態、すなわち絶縁材料中のシリカ粒子の体積割合に関する情報を得ることができる。本開示のシリカ粒子の体積割合は以下のように定義される。すなわち、SAXS測定における散乱ベクトル(q)が0.5nm-1以上の広角領域における散乱強度プロファイルを、シリカ粒子を剛体球と仮定したときの種々のシリカ粒子体積割合のモデルによる散乱強度プロファイルでフィッティングし、実測プロファイルと一致するモデルプロファイルのシリカ粒子体積割合を、本開示のシリカ粒子の体積割合とする。
シリカ粒子の体積割合が9.5%より大きいことはリーク電流を低減する点で有利である。該体積割合は好ましくは11%以上、より好ましくは13%以上である。一方、該体積割合が30%以下であることはシリカ粒子の凝集を抑制し、リーク電流を低減する点で有利である。該体積割合は好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。
シリカ粒子としては、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えば、ハロゲン化ケイ素(例えば塩化ケイ素等)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解・縮合するゾルゲル法により合成することができる。コロイダルシリカの原料としては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラエトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えばジフェニルジクロロシラン等)等が挙げられる。これらの中でも、金属イオン、ハロゲン等の不純物の混入が少ないという観点から、アルコキシケイ素から得られるコロイダルシリカが好ましい。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上120nm以下であることが好ましく、より好ましくは、1nm以上40nm以下、更に好ましくは、1nm以上20nm以下、最も好ましくは、1nm以上15nm以下である。上記平均一次粒径が1nm以上である場合、耐クラック性が良好であり、120nm以下である場合、トレンチへの埋め込み性が良好である。
シリカ粒子の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは2nm以上80nm以下、更に好ましくは2nm以上40nm以下、最も好ましくは2nm以上30nm以下である。上記平均二次粒径が2nm以上である場合、耐クラック性が良好であり、250nm以下である場合トレンチへの埋め込み性が良好である。
上記平均一次粒子径は、窒素分子の圧力と吸着量とから算出される比表面積(BET法)により求められる。また、上記平均二次粒子径は、動的光散乱光度計により測定される。
前述の(1)〜(3)の特徴を満足する絶縁材料は、典型的には、シリカ粒子及びシリコン酸化物を含む絶縁材料であって、該シリコン酸化物が、ポリシロキサン化合物の焼成によって得られるものである。
好ましい態様において、該ポリシロキサン化合物は、下記一般式(1):
1Si(OR23 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、そしてR2は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマー及び下記一般式(2):
Si(OR34 (2)
(式中、R3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマーを合計で好ましくは50質量%以上の量で含むシラン成分を、加水分解重縮合することで得られる。
絶縁材料のシリカ粒子以外の部分は、炭素原子を、原子数基準で、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、また好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは25%以下含有する。
絶縁材料のシリカ粒子以外の部分は、珪素原子を、原子数基準で、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上、また好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下含有する。
絶縁材料のシリカ粒子以外の部分は、酸素原子を、原子数基準で、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上、また好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下含有する。
これらの含有量は絶縁材料のXPS測定より得られる炭素、珪素、酸素の元素数比からシリカ粒子(SiO2)の体積割合分の寄与を除いて算出される値である。
<絶縁材料の製造方法>
本実施の形態はまた、シリカ粒子を含む材料組成物を基板に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、該塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程とを含む絶縁材料の製造方法を提供する。
好ましい態様は、半導体用絶縁材料の製造方法であって、
ポリシロキサン化合物及びシリカ粒子を含む材料組成物を基板に塗布し、該材料組成物を焼成硬化させる工程を含み、
該ポリシロキサン化合物は、下記一般式(1):
1Si(OR23 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、そしてR2は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマー及び下記一般式(2):
Si(OR34 (2)
(式中、R3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマーを合計で50質量%以上の量で含むシラン成分を加水分解重縮合することで得られる、半導体用絶縁材料の製造方法を提供する。
シリカ粒子を含む材料組成物は、通常の方法で基板上に塗布することができる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ローラーブレード塗布法、スプレー塗布法等が挙げられる。これらの中でも、成膜時の塗布膜厚みが均一であるという点から、スピンコート法が好ましい。
上記基板としては、例えば、シリコン基板が挙げられる。また基板としてはトレンチ構造を有するものを使用することができる。例えば、トレンチ構造を有するシリコン基板にスピンコート法によって材料組成物を塗布する場合、1段階での回転数で塗布しても、複数段階の回転数を組み合わせて塗布しても構わない。少なくとも1段階目の回転数を低速にし、2段階目以降を高速にすることが好ましい。1段階目に低速で回転させることによって材料組成物をシリコン基板の全面に広げることができ、埋め込み性が良好になる。また、材料組成物の塗布回数は1回でも複数回でも構わないが、成膜性が良好であるという観点及び製造コストが低減できるという観点から、1回で塗布することが好ましい。
上記塗布工程において、基板上に塗布する材料組成物の固形分濃度については特に制限はなく、目的とする塗布膜の膜厚に合わせて任意の固形分濃度で実施できる。
上記塗布工程の温度及び時間については特に制限はないが、温度は0℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは20℃以上80℃以下であり、時間は、0.1分以上30分以下であることが好ましく、より好ましくは0.2分以上10分以下である。
次いで、焼成工程において上記塗布基板を加熱する。なお、上記塗布工程において、材料組成物を基板上に塗布した後、塗布膜中の残留溶媒を除くために50℃〜200℃の範囲で予備硬化(プリベーク)させることが好ましい。このとき、段階的に温度を上げても、連続的に温度を上げてもよい。予備硬化(プリベーク)時の雰囲気は、酸素、水蒸気等の酸化性ガスを含む酸化性雰囲気であっても、酸化性ガスを実質的に含まない非酸化性雰囲気であっても構わない。
次いで、任意に予備硬化(プリベーク)させて得られた膜を加熱焼成することによって硬化膜を得ることができる。加熱焼成の方法としては、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネス等の一般的な加熱手段を適用することができる。加熱焼成は非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。加熱焼成温度は、200℃以上900℃以下であることが好ましく、より好ましくは300℃以上800℃以下、更に好ましくは350℃以上750℃以下である。加熱焼成温度が200℃以上であれば、得られる膜質が良好であり、900℃以下であれば、耐クラック性が良好である。
上記非酸化性雰囲気とは、例えば、真空下、又は窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン等の不活性雰囲気が挙げられる。これらの不活性雰囲気中に含まれる、酸素、水蒸気等の酸化性ガスの濃度は1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。非酸化性雰囲気の圧力については特に制限は無く、加圧、常圧、又は減圧のいずれでもよい。
上記焼成工程において、700℃以上900℃以下の高温領域では、水素を含む気体中で加熱焼成を行うことが好ましい。焼成工程で使用する水素を含む気体は、焼成工程の初期から、即ち、基板温度が700℃未満である時点から導入してもよいし、700℃に到達してから導入してもよい。更に、一旦700℃以上900℃以下の温度で水素を含まない気体で第1の加熱を行った後に、水素を含む気体を導入して第2の加熱を行うという2段階で加熱焼成を行ってもよい。いずれの方法でも、加熱焼成を終えた基板が400℃以下の温度、好ましくは室温程度に冷却されるまで、水素を含む気体を導入したままにしておくことが好ましい。
上述のように、焼成工程を、水素を含む気体中で行うことは、上記一般式(1)で表されるシラン及び上記一般式(2)で表されるシランを用いる場合に特に有利である。すなわちこの場合、シリコン原子と有機基との間の化学結合が700℃を超える高温で切断されても、発生するダングリングボンドを水素で終端することができるため、シラノール基の形成を防止し、半導体素子の絶縁材料として良好な膜物性を実現することが可能となる。
焼成工程における熱処理時間は、好ましくは1分以上24時間以下であり、より好ましくは30分以上12時間以下である。
焼成工程においては、酸化性雰囲気での加熱焼成と光処理とを併用しても構わない。加熱と光処理とを同時に行う場合の温度は、20℃以上600℃以下であることが好ましく、処理時間は、0.1分以上120分以下であることが好ましい。光処理には、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線等を使用できる。光処理の光源としては、例えば、低圧若しくは高圧の水銀ランプ、重水素ランプ、又はアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、又はXeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF若しくはArCl等のエキシマレーザー等を使用することができる。これらの光源の出力は、10〜5,000Wであることが好ましい。
これらの光源の光の波長は、基板上に形成された、シリカ粒子を含む材料組成物の膜によって少しでも吸収があればよく、170nm以上600nm以下であることが好ましい。光処理において、光の照射量は、0.1J/cm2以上1,000J/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは1J/cm2以上100J/cm2以下である。また、光処理と同時にオゾンを発生させても構わない。上述した条件で光処理することによって、基板上に形成した膜において、シリカ粒子を含む材料組成物の酸化反応が進行し、焼成後の膜質を向上させることができる。
材料組成物がポリシロキサン化合物を含む場合、上記焼成工程の後に、絶縁材料の表面を疎水化処理剤にさらしても構わない。硬化膜を疎水化処理剤にさらすことで、該硬化膜中のシラノール基と疎水化処理剤とが反応し、硬化膜の表面を疎水化することができる。
<シリカ粒子を含む材料組成物の製造>
シリカ粒子を含む材料組成物の好ましい製造方法について以下に説明する。
本発明におけるシリカ粒子を含む材料組成物は、好ましくは、下記一般式(1):
1Si(OR23 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、そしてR2は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマー及び下記一般式(2):
Si(OR34 (2)
(式中、R3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
で表される1種以上のシランモノマーを含むシラン成分を加水分解重縮合することで得られるポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを含む組成物である。
上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、非環式及び環式の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、非環式及び環式の不飽和脂肪族炭化水素基、並びにこれらの2つ以上の組合せの基(例えばアリールアルキル基)等が挙げられる。
この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転化の際に重量減少が少なく、収縮率が小さいポリシロキサン化合物を与えることができるという観点から、R1はメチル基又はエチル基であることが好ましく、より好ましくはメチル基である。
上記一般式(1)及び(2)において、R2及びR3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
この中でも、反応性制御の容易さという観点から、R2及びR3はそれぞれメチル基又はエチル基であることが好ましい。
上記ポリシロキサン化合物は、上記シランモノマー(1)及び上記シランモノマー(2)をそれぞれ1種以上含むシラン成分を加水分解重縮合して得られるものであればよく、数種類のシランモノマーを組み合わせて用いてもよい。用いるシランモノマーの組み合わせは、目的とするポリシロキサン化合物の物性に合わせて選択することが可能である。一般的に、官能基数が少ないシランモノマーを用いることにより、重合度が高く靱性に優れたポリシロキサン化合物が得られ、官能基数が多いシランモノマーを用いることにより、緻密で機械強度の高いポリシロキサン化合物が得られる。
このような観点から、半導体素子に用いる絶縁材料としては、上記一般式(1)で表されるシランモノマーに加え、上記一般式(2)で表されるシランモノマーを適宜組み合わせて用いることがより好ましい。
一般式(1)で表されるシランモノマー(以下、シランモノマー(1)ともいう)と一般式(2)で表されるシランモノマー(以下、シランモノマー(2)ともいう)との混合比は、モル比で、0/100〜100/0まで可能であるが、耐クラック性の観点から、シランモノマー(1)/シランモノマー(2)(モル比)は、30/70〜90/10であることが好ましい。より好ましくは、上記モル比が50/50〜85/15であり、更に好ましくは70/30〜80/20である。シラン成分は、シランモノマー(1)及びシランモノマー(2)以外のモノマーを含んでも含まなくてもよく、典型的には含まない。
シラン成分中、シランモノマー(1)とシランモノマー(2)との合計含有率は、耐クラック性を良好に得る観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、最も典型的には100質量%である。
ポリシロキサン化合物中での上記モル比は、例えば、1H−NMR及び29Si−NMRを用いて確認することができる。
上記ポリシロキサン化合物は、上記シラン成分を従来公知の方法を用いて加水分解重縮合することによって製造できる。加水分解重縮合の典型的な手法としては、酸触媒、水存在下でシラン成分を反応させる手法が挙げられる。
シリカ粒子を含む材料組成物中のシリカ粒子の含有率は、前記ポリシロキサン化合物及び前記シリカ粒子の合計100質量部に対して、好ましくは16質量部以上34質量部以下、より好ましくは20質量部以上30質量部以下である。リーク電流を低減させる観点で、シリカ粒子の上記含有率は16質量部以上であることが好ましい。また材料組成物中のシリカ粒子の凝集を抑制するという観点で上記含有率は34質量部以下であることが好ましい。なお本開示において、ポリシロキサン化合物及びシリカ粒子の合計を100質量部とするときのポリシロキサン化合物の量としては、縮合換算量(すなわち、ポリシロキサン化合物中に残存する加水分解性基(具体的には、一般式(1)中のOR2及び一般式(2)中のOR3)をそれぞれ1/2個のOで置き換えた量を用いる。
材料組成物において、シリカ粒子は、上記ポリシロキサン化合物と単に混合された状態で存在してもよく、また、ポリシロキサン化合物と縮合した状態で存在(ポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とが縮合した縮合成分を含有)していてもよい。材料組成物が、上記シリカ粒子と上記ポリシロキサン化合物との縮合反応物を含む場合、耐クラック性が特に良好な絶縁材料を形成できる。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応物の製造方法としては、以下のような方法が挙げられる。
(i)上記シランモノマー(1)及び上記シランモノマー(2)を含むシラン成分を加水分解重縮合反応させてポリシロキサン化合物を製造した後に、シリカ粒子と得られたポリシロキサン化合物とを更に縮合反応させる方法。
(ii)上記シランモノマー(1)及び上記シランモノマー(2)を含むシラン成分を加水分解重縮合反応させる際に、シリカ粒子を共存させておく方法。
(iii)上記シランモノマー(1)及び上記シランモノマー(2)を含むシラン成分を加水分解重縮合反応させている途中に、シリカ粒子を反応系に添加する方法。
シリカ粒子を上記ポリシロキサン化合物又は上記シラン成分と反応させる際には、溶媒に分散した状態の材料を反応させることができる。使用される溶媒としては、水若しくは有機溶媒又はこれらの混合溶媒を使用することができる。使用される有機溶媒としては、水若しくは有機溶媒又はこれらの混合溶媒を使用することができる。使用される有機溶媒は使用されるシリカ粒子の分散媒によって変わる。使用されるシリカ粒子の分散媒が水系の場合は、水若しくはアルコール系溶媒をシリカ粒子の水系分散媒に加えてからポリシロキサン化合物又はシラン成分とシリカ粒子との反応を行ってもよいし、シリカ粒子の水系溶液を一度アルコール系溶媒に置換してから、ポリシロキサン化合物又はシラン成分とシリカ粒子との反応を行ってもよい。使用できるアルコール溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等が挙げられ、これらは水と容易に混合するため好ましい。
シリカ粒子とポリシロキサン化合物又はシラン成分とを反応させる際の反応温度に特に制限はなく、通常50℃から200℃の範囲で行われる。
材料組成物は、ポリシロキサン化合物、シリカ粒子及びこれらの縮合反応物以外の成分、例えば、窒素含有化合物等の添加剤、溶媒等を含んでいても構わない。添加剤としては、目的に合わせた添加剤を任意に選択できる。添加剤の使用量は、添加剤が効果を発揮し、且つ材料組成物の他の物性、例えば、揮発成分量等に影響を与えない範囲が好ましい。添加剤は、直接添加しても、適切な溶媒で希釈した溶液として添加してもよい。
シリカ粒子を含む材料組成物が溶媒を含有する場合、溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒が挙げられる。これらの溶媒の沸点は100℃以上200℃以下であることが好ましい。
次に、実施例及び比較例によって本実施の形態をより詳細に説明する。本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
<評価方法>
[縮合反応物の重量平均分子量(Mw)の測定]
プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(PGMEA)溶液である材料組成物を、縮合反応物の濃度が1質量%になるようにテトラヒドロフラン(THF)で希釈して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。重量平均分子量(Mw)は、標準物質であるポリエチレングリコール(PEG)換算の値として求めた。
(GPC測定条件)
・GPCシステム:SCL−1APvp(島津製作所社製)
・カラム:Shodex KF−804L(昭和電工株式会社)2本直列
・溶離液:THF(流量:1mL/min)
・カラム使用温度:40℃
[膜評価項目]
(1)X線光電子分光(XPS)測定
(測定試料作製)
Si基板に材料組成物をスピンコートにより塗布して成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後、600℃、酸素濃度10ppm以下の雰囲気下で焼成することで厚さ100nm程度の絶縁膜を得た。
(スピンコート条件)
・スピンコーター:Mark−8
・メイン回転数:1600rpm
(1000rpm×10秒+1000rpm×30秒+799rpm×10秒)
・メイン回転時間:40秒
(XPS測定)
サーモフィッシャーESCALAB250を用い、以下の条件で測定を実施した。
(測定条件)
・励起源:mono.AlKα 15kVx10mA
・分析サイズ:約1mm(形状は楕円)
・Survey scan:0−1100eV
・Narrow scan:Si2p,C1s
・Pass Energy
Survey scan:100eV ; Narrow scan:20eV
測定で得られたナロースペクトルから得られる相対元素濃度から炭素/珪素組成比(C/Si)を計算した。
(2)微小角入射X線小角散乱(GI−SAXS)測定
(測定試料作製)
Si基板に材料組成物をスピンコートにより塗布して成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後、600℃、酸素濃度10ppm以下の雰囲気下で焼成することで、厚さ400nm程度の絶縁膜を得た。これを3cm角に切り出したものを測定試料とした。
・スピンコーター:Mark−8
・メイン回転数:1600rpm
(1600rpm×10秒+1600rpm×30秒+799rpm×10秒)
・メイン回転時間:40秒
(GI−SAXS測定と評価)
GI−SAXS測定はSPring−8のBL03XUにて行った。実験の詳細を以下に記す。
GI−SAXSにはX線波長1nmの入射X線を用い、検出器にはイメージングプレート(リガク製R−AXIS IV)を用いた。試料へのX線入射は入射X線と試料面のなす角が0.14°になるように調整した。測定中は雰囲気を真空とし、測定温度は室温とした。2次元GI−SAXSパターンに対しては試料面内の散乱のみを取り出し、これを1次元化した。得られた測定データ中の散乱ベクトル(q)が0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該qが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が1.35以下である場合を○、1.35より大きい場合は×とした。
材料中のシリカ粒子の体積割合は以下の方法で求めた。得られた測定データの散乱ベクトル(q)が0.5nm-1以上の広角領域のプロファイルを、シリカ粒子を剛体球と仮定した、種々のシリカ粒子体積割合のモデルのプロファイルでフィッティングし、実測プロファイルと一致するモデルプロファイルのシリカ粒子体積割合をサンプルにおけるシリカ粒子の体積割合とした。
(3)電気特性評価
(測定試料作製)
p型低抵抗Si基板に材料組成物をスピンコートにより塗布して成膜した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後、600℃、酸素濃度10ppm以下の雰囲気下で焼成することで厚さ100nm程度の絶縁膜を得た。
(スピンコート条件)
・スピンコーター:Mark−8
・メイン回転数:1600rpm
(1000rpm×10秒+1000rpm×30秒+799rpm×10秒)
・メイン回転時間:40秒
次に絶縁膜表面及びSi基板裏面に厚み約250nmのアルミニウムを真空蒸着してキャパシタを作製した。このとき絶縁膜表面にはマスクを介して、半径1mmの円形の上部電極を形成した。
(電気特性評価)
I−V測定にはAgilent社製AgilentB1500A半導体デバイス・アナライザ、Micromanipulator社製プローバー装置を用いた。電界強度が−3.5MV/cmの時の電流密度をリーク電流値とし、値が1.0x10-6A/cm2以下である場合を○、1.0x10-6A/cm2よりも大きい場合を×とした。
[実施例1]
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた500mLセパラブルフラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMS)22.2g、テトラエトキシシラン(TEOS)8.9g、及びエタノール61.9gを加え、撹拌しながら内温75℃まで昇温した。0.7質量%硝酸水溶液1.9gとイオン交換水20.3gとの混合物を滴下しながら加え、滴下後、75℃で2時間攪拌した。その後エタノール103.1gを加え、水分散シリカ粒子(PL−06、扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒径6nm、6.0質量%濃度)55.5gを滴下した。滴下後、内温80℃まで昇温した。4時間後加熱を止めて室温まで放冷し、反応混合物を得た。
上記反応混合物を1Lフラスコに移し、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)300gを添加し、エバポレーターでエタノール及び水を除去し、材料組成物A−1を得た(固形分濃度18質量%のPGMEA溶液。材料組成物の固形分中のシリカ粒子は20質量%)。得られた材料組成物A−1のMwは1805であった。
得られた材料組成物A−1を前述のように焼成硬化させて得た膜に関して、XPS測定、GI−SAXS測定、及び電気特性評価を行った。GI−SAXS測定から得られた膜中のシリカ粒子の体積割合は13%であった。XPS測定から得られた炭素/珪素原子組成比(C/Si)は0.62であった。GI−SAXS測定から得られた散乱強度比I1(q)/I2(q)は0.90であった。電界強度が−3.5MV/cmの時のリーク電流は8.2x10-7A/cm2であった。
[実施例2]
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた500mLセパラブルフラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMS)22.2g、テトラエトキシシラン(TEOS)8.9g、及びエタノール82.5gを加え、撹拌しながら内温75℃まで昇温した。0.7質量%硝酸水溶液3.86gとイオン交換水18.4gとの混合物を滴下しながら加え、滴下後、75℃で2時間攪拌した。その後エタノール77.5gを加え、水分散シリカ粒子(BS−01、扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒径10nm、6.0質量%濃度)95.4gを滴下した。滴下後、内温80℃まで昇温した。4時間後加熱を止めて室温まで放冷して、反応混合物を得た。
上記反応混合物を1Lフラスコに移し、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)300gを添加し、エバポレーターでエタノール及び水を除去し、材料組成物A−2を得た(固形分濃度18質量%のPGMEA溶液。材料組成物の固形分中のシリカ粒子は30質量%)。得られた材料組成物A−2のMwは2983であった。
得られた材料組成物A−2を前述のように焼成硬化させて得た膜に関して、XPS測定、GI−SAXS測定、及び電気特性評価を行った。GI−SAXS測定から得られた膜中のシリカ粒子の体積割合は20%であった。XPS測定から得られた炭素/珪素原子組成比(C/Si)は0.54であった。GI−SAXS測定から得られた散乱強度比I1(q)/I2(q)は0.77であった。電界強度が−3.5MV/cmの時のリーク電流は2.9x10-7A/cm2であった。
[比較例1]
水分散シリカ粒子(PL−06、扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒径6nm、6.0質量%濃度)を95.2g用いるほかは実施例1と同様にして材料組成物B−1を得た(固形分濃度18質量%のPGMEA溶液。材料組成物の固形分中のシリカ粒子は30質量%)。得られた材料組成物B−1のMwは3407であった。
得られた材料組成物B−1を前述のように焼成硬化させて得た膜に関して、XPS測定、GI−SAXS測定、及び電気特性評価を行った。GI−SAXS測定から得られた膜中のシリカ粒子の体積割合は30%であった。XPS測定から得られた炭素/珪素原子組成比(C/Si)は0.54であった。GI−SAXS測定から得られた散乱強度比I1(q)/I2(q)は1.39であった。電界強度が−3.5MV/cmの時のリーク電流は3.8x10-5A/cm2であった。
[比較例2]
水分散シリカ粒子(PL−06、扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒径6nm)を41.6g用いるほかは実施例1と同様にして材料組成物B−2を得た(固形分濃度18質量%のPGMEA溶液。材料組成物の固形分中のシリカ粒子は15質量%)。得られた材料組成物B−2のMwは3200であった。
得られた材料組成物B−2を前述のように焼成硬化させて得た膜に関して、XPS測定、GI−SAXS測定、及び電気特性評価を行った。GI−SAXS測定から得られた膜中のシリカ粒子の体積割合は9.4%であった。XPS測定から得られた炭素/珪素原子組成比(C/Si)は0.66であった。GI−SAXS測定から得られた散乱強度比I1(q)/I2(q)は1.14であった。電界強度が−3.5MV/cmの時のリーク電流は2.0x10-6A/cm2であった。
上記実施例1及び2、並びに比較例1及び2の結果を表1に示す。
Figure 0006042151
図1に実施例1及び比較例1のGI−SAX測定結果を示し、図2にGI−SAXS測定結果における散乱ベクトル(q)が0.05nm-1から0.25nm-1の範囲での拡大図を示す。図3に、実施例1のGI−SAXS測定結果と剛体球モデルで粒子体積割合13%とした時のフィッティング結果とを示す。また図4に実施例1及び比較例1のIV特性の測定結果を示す。
本発明の絶縁材料は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、及び、固体撮像素子等の半導体装置用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、及び封止膜等として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 珪素原子、炭素原子、及び酸素原子を含む半導体用絶縁材料であって、
    シリカ粒子を、13以上20%以下である体積割合で含み、
    炭素原子の珪素原子に対する組成比(C/Si)が0.54以上0.62以下であり、かつ
    微小角入射X線小角散乱(GI−SAXS)測定における、散乱ベクトルqが0.1nm-1の時の散乱強度I1(q)の、該散乱ベクトルqが0.2nm-1の時の散乱強度I2(q)に対する比(I1(q)/I2(q))が、0.90以下である、半導体用絶縁材料。
  2. 前記シリカ粒子の平均一次粒子径が1nm以上15nm以下である、請求項1に記載の半導体用絶縁材料。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体用絶縁材料の製造方法であって、
    ポリシロキサン化合物及びシリカ粒子を含む材料組成物を基板に塗布し、前記材料組成物を焼成硬化させる工程を含み、
    前記ポリシロキサン化合物は、下記一般式(1):
    1Si(OR23 (1)
    (式中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、そしてR2は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
    で表される1種以上のシランモノマー及び下記一般式(2):
    Si(OR34 (2)
    (式中、R3は各々独立に炭素数1〜6の炭化水素基である。)
    で表される1種以上のシランモノマーを合計で50質量%以上の量で含むシラン成分を加水分解重縮合することで得られる、半導体用絶縁材料の製造方法。
  4. 前記材料組成物が、前記ポリシロキサン化合物及び前記シリカ粒子の合計100質量部に対して前記シリカ粒子を20質量部以上30質量部以下含む、請求項に記載の半導体用絶縁材料の製造方法。
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