JP6060778B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機の制御量をその指令値に制御すべく、回転座標系における前記回転機の印加電圧の位相を操作する電圧位相操作手段を備える回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、永久磁石同期機のトルクを指令トルクにフィードバック制御すべく、同期機の回転座標系であるdq座標系において、q軸を基準した同期機の印加電圧の位相を操作する制御装置が知られている。これにより、同期機のトルク制御性の向上を図っている。
特許第3746377号公報
ただし、本発明者は、上述したフィードバック制御系において同期機のトルク制御性が大きく低下するといった問題に直面した。詳しくは、上記印加電圧の位相を入力としてdq座標系における同期機に流れる電流(q軸電流)を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性は、同期機の電気角周波数付近に極大値を有する。このため、何らかの要因によってフィードバック制御系に外乱が加わると、同期機のトルクの変動によって同期機の制御が不安定となる等、同期機のトルク制御性が大きく低下し得る。
こうした問題に対処すべく、フィードバック制御における比例ゲインを低下させることも考えられる。ただし、この場合、同期機のトルク制御の応答性が大きく低下し得る。
なお、こうした問題は、上述した同期機に限らず、制御量をその指令値に制御するための印加電圧の位相が操作される回転機であれば、同様に生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、制御量の制御性を好適に向上させることのできる回転機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、発明は、回転機(10;70)の制御量をその指令値に制御すべく、回転座標系における前記回転機の印加電圧の位相を操作する位相操作手段を備える。こうした構成を前提として、発明は、前記位相を入力として前記回転座標系における前記回転機に流れる電流を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性について、前記印加電圧の回転角周波数付近の利得を低減するように前記位相を補正する位相補正手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、位相補正手段を備えることで、上記印加電圧の回転角周波数付近の利得を低減させることができる。このため、回転機の制御を安定させることができる等、回転機の制御量の制御性を好適に向上させることができる。
第1の実施形態にかかる誘導機の制御システムの構成図。 同実施形態にかかるベクトル制御領域及び電圧位相制御領域を示す図。 同実施形態にかかるベクトル制御に関するブロック図。 同実施形態にかかる電圧位相制御に関するブロック図。 同実施形態にかかる電圧ベクトル及び位相を示す図。 同実施形態にかかる位相補正量算出部の設計手法を説明するための図。 同実施形態にかかる電圧位相制御による効果を示す図。 同実施形態にかかる電圧位相制御による効果を示す図。 第2の実施形態にかかる電圧位相制御に関するブロック図。 第3の実施形態にかかる電圧位相制御に関するブロック図。 第4の実施形態にかかる電圧位相制御に関するブロック図。 第5の実施形態にかかる同期機の制御システムの構成図。 同実施形態にかかる電圧位相制御に関するブロック図。 同実施形態にかかる電圧ベクトル及び位相を示す図。 同実施形態にかかる同期機の伝達関数の算出手法を説明するための図。 同実施形態にかかる位相補正量算出部の設計手法を説明するための図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる制御装置を車載主機として回転機を備える車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータジェネレータ10は、誘導機であり、より詳しくは、3相かご型誘導機である。モータジェネレータ10は、車載主機であり、図示しない駆動輪に連結されている。
モータジェネレータ10は、インバータINVを介して「直流電源」としての高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子S¥p,S¥n(¥=u,v,w)の直列接続体を3組備えている。スイッチング素子S¥p,S¥nの接続点は、モータジェネレータ10の¥相に接続されている。本実施形態では、スイッチング素子S¥#(#=p,n)として、IGBTを用いている。そして、スイッチング素子S¥#には、フリーホイールダイオードD¥#が逆並列に接続されている。
ここで、本実施形態において、モータジェネレータ10の制御システムは、モータジェネレータ10やインバータINVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まず、モータジェネレータ10のV相及びW相を流れる電流iv,iwを検出する電流センサ14を備えている。また、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ16を備えている。
上記各種センサの検出値は、制御装置20に取り込まれる。制御装置20は、これら各種センサの検出値に基づき、インバータINVを操作する操作信号を生成して出力する。なお、図1には、インバータINVを構成するスイッチング素子S¥#の操作信号を「g¥#」にて示した。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを指令トルクTrq*に制御すべく、インバータINVを操作する。ここで、指令トルクTrq*は、例えば、車両の走行制御を統括する制御装置等、制御装置20よりも上位の制御装置から制御装置20に対して出力される。
本実施形態において、制御装置20は、ベクトル制御又は電圧位相制御によってモータジェネレータ10のトルクを指令トルクTrq*に制御する。詳しくは、図2に示すように、モータジェネレータ10の低回転速度領域から中回転速度領域までにおいてベクトル制御を行い、高回転速度領域において電圧位相制御を行う。ここで、ベクトル制御を行う領域と電圧位相制御を行う領域との境界は、指令トルクTrq*が高いほど低回転速度側となる。ここでは、モータジェネレータ10のパワーWm(モータジェネレータ10の回転速度Nm及び指令トルクTrq*の乗算値)と、電圧センサ16によって検出された電源電圧VDCとに基づき、ベクトル制御又は電圧位相制御のいずれかを選択すればよい。なお、本実施形態において、ベクトル制御又は電圧位相制御のいずれかを制御装置20が選択する処理が「選択手段」を構成する。
続いて、ベクトル制御及び電圧位相制御について詳述する。
まず、図3を用いて、ベクトル制御について説明する。ここで、図3は、ベクトル制御に関する処理のブロック図である。なお、本実施形態において、図3に示すベクトル制御に関する処理が「ベクトル制御手段」を構成する。
2相変換部22は、電流センサ14によって検出された電流iv,iwを、αβ軸上の電流である1次電流iα1,iβ1に変換する。ここで、αβ座標系は、モータジェネレータ10の直交2次元固定座標系である。詳しくは、本実施形態では、α軸を、モータジェネレータ10の固定子のU相正方向とし、β軸を、α軸に対して直交する方向(「π/2」進んだ方向)とする。
回転座標変換部24は、1次電流iα1,iβ1を、γδ軸上の1次電流iγ1,iδ1に変換する。ここで、γδ座標系は、インバータINVの出力電圧ベクトルの回転角周波数である1次周波数ω1(電源角周波数)で回転する直交2次元回転座標系である。ちなみに、回転座標変換部24による変換処理は、後述する処理によって算出される出力電圧ベクトルの基本波成分の位相である電源角(以下、1次位相θ1)に基づき行われる。なお、本実施形態において、1次位相θ1は、αβ座標系及びγδ座標系の位相差に相当する。
本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクを指令トルクTrq*に制御するための制御系を、1次電流iγ1,iδ1を1次指令電流iγ1*,iδ1*にフィードバック制御する制御系として構成する。この際、指令トルクTrq*を与えただけでは、1次指令電流iγ1*,iδ1*を一義的に定めることができない。そこで、本実施形態では、δ軸上の2次磁束φδ2を「0」に制御することとし、指令トルクTrq*と、γ軸上の2次指令磁束φγ2*とに基づき、1次指令電流iγ1*,iδ1*を算出する処理を行う。
詳しくは、トルク偏差算出部25は、後述するトルク推定部52によって推定されたトルクTmを指令トルクTrq*から減算することで、トルク偏差ΔTを算出する。トルクフィードバック制御部26は、上記トルクTmを指令トルクTrq*にフィードバック制御するための操作量として、δ軸上の1次指令電流iδ1*を算出する。詳しくは、トルクフィードバック制御部26は、トルク偏差ΔTに基づく比例積分制御によって1次指令電流iδ1*を算出する。
一方、磁束偏差算出部27は、後述するγδ変換部50によって推定されるγ軸上の2次磁束φγ2を2次指令磁束φγ2*から減算することで、磁束偏差Δφを算出する。磁束フィードバック制御部28は、上記γ軸上の2次磁束φγ2を2次指令磁束φγ2*にフィードバック制御するための操作量として、γ軸上の1次指令電流iγ1*を算出する。詳しくは、磁束偏差算出部27は、磁束偏差Δφに基づく比例積分制御によって1次指令電流iγ1*を算出する。なお、本実施形態において、トルク偏差算出部25、トルクフィードバック制御部26、磁束偏差算出部27及び磁束フィードバック制御部28が「指令電流算出手段」を構成する。
γ軸電流フィードバック制御部30は、1次電流iγ1を1次指令電流iγ1*にフィードバック制御するための操作量として、γ軸上の1次電圧成分である1次指令電圧vγ1*を算出する。詳しくは、1次指令電流iγ1*及び1次電流iγ1の偏差の比例積分制御によってγ軸上の1次指令電圧vγ1*を算出する。なお、γ軸電流フィードバック制御部30の出力値に、周知の非干渉制御を適用してγ軸上の1次指令電圧vγ1*を算出してもよい。
δ軸電流フィードバック制御部32は、1次電流iδ1を1次指令電流iδ1*にフィードバック制御するための操作量として、δ軸上の1次電圧成分である1次指令電圧vδ1*を算出する。詳しくは、1次指令電流iδ1*及び1次電流iδ1の偏差の比例積分制御によってδ軸上の1次指令電圧vδ1*を算出する。なお、δ軸電流フィードバック制御部32の出力値に、周知の非干渉制御を適用してδ軸の1次指令電圧vδ1*を算出してもよい。また、本実施形態において、γ軸電流フィードバック制御部30及びδ軸電流フィードバック制御部32が「第1の指令電圧算出手段」を構成する。
固定座標変換部34は、1次位相θ1に基づき、γδ軸上の1次指令電圧vγ1*,vδ1*を、αβ軸上の1次指令電圧vα*1,vβ1*に変換する。また、3相変換部36は、αβ軸上の1次指令電圧vα*1,vβ1*を、U相の指令電圧vu*、V相指令電圧vv*、W相の指令電圧vw*に変換する。なお、本実施形態において、固定座標変換部34が「座標変換手段」を構成する。
操作信号生成部38は、インバータINVの出力電圧を、指令電圧v¥*(¥=u,v,w)を模擬した電圧とすべく、インバータINVを構成するスイッチング素子S¥#の操作信号g¥#を生成する処理を行う。本実施形態では、指令電圧v¥*を電源電圧VDCによって規格化した信号と三角波形状のキャリア信号との大小比較によって生成されるPWM信号に基づき、操作信号g¥#を生成する。
ここで、上述した処理を行う上で必要なパラメータの算出(推定)処理について説明する。
すべり角周波数推定部40は、γδ軸上の1次電流iγ1,iδ1を入力として、以下の式(eq1)によってすべり角周波数ωsを推定する。
上式(eq1)において、「L2」を2次インダクタンスとし、「R2」を2次抵抗とすると、「τ2=L2/R2」である。上式(eq1)は、本実施形態の特有の設定を前提としたものである。すなわち、δ軸上の2次磁束φδ2を「0」に制御することと、指令トルクTrq*が一定である場合にγ軸上の2次指令磁束φγ2*が一定となることとから、指令トルクTrq*が一定である場合にγ軸上の1次電流iγ1が一定であるとみなして上式(eq1)が導かれる。
一方、1次周波数算出部42は、後述する1次位相θ1の微分演算によって、1次周波数ω1を算出する。2次周波数算出部44は、1次周波数ω1からすべり角周波数ωsを減算することで、2次周波数ω2を算出する。
2次磁束算出部(磁束オブザーバ46)は、αβ軸上の1次電流iα1,iβ1と、αβ軸上の1次指令電圧vα1*,vβ1*と、2次周波数ω2とを入力として、2次磁束φα2e,φβ2eを推定する。ここで、添え字の「e」は、磁束オブザーバ46による推定値であることを示す。なお、磁束オブザーバ46としては、例えば、周知の最小次元オブザーバや同一次元オブザーバを用いればよい。また、本実施形態において、磁束オブザーバ46が「2次磁束算出手段」を構成する。
ここで、本実施形態において、γ軸の正方向(位相の基準)は、磁束オブザーバ46によって推定された2次磁束ベクトルの方向に設定されている。そして、γδ座標系は、αβ座標系に対して2次磁束ベクトルの回転角速度と同じ角速度で回転する。
1次位相算出部48は、磁束オブザーバ46によって推定された2次磁束ベクトル(αβ軸上の2次磁束φα2e,φβ2e)に基づき、以下の式(eq2)によって、1次位相θ1を算出する。
こうして算出された1次位相θ1は、回転座標変換部24、固定座標変換部34等の座標変換処理や、1次周波数算出部42による1次周波数ω1の算出処理に用いられる。
γδ変換部50は、1次位相θ1に基づき、磁束オブザーバ46によって推定されたαβ軸上の2次磁束φα2e,φβ2eを、γδ軸上の2次磁束φγ2,φδ2に変換する。ここで、γ軸上の2次磁束φγ2は、磁束フィードバック制御の制御量となる。
トルク推定部52は、γ軸上の2次磁束φγ2と、δ軸上の1次電流iδ1とを入力として、下式(eq3)によってモータジェネレータ10のトルクTmを推定する。
なお、上式(eq3)において、「Pn」は極対数を示し、「M」は相互インダクタンスを示す。このトルクTmは、トルクフィードバック制御の制御量となる。
続いて、図4を用いて、電圧位相制御について説明する。この制御は、電圧利用率の向上を図るべくなされる制御である。ここで、図4は、電圧位相制御に関する処理のブロック図である。なお、図4において、先の図3に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。また、図4では、先の図3に示した処理の一部の図示を省略している。
トルク制御器56は、トルク偏差算出部25によって算出されたトルク偏差ΔTを入力として、基準電圧位相θ*を算出する。本実施形態において、トルク制御器56は、1次遅れ要素によって構成されている。なお、本実施形態において、トルク制御器56が「位相算出手段」を構成する。
指令電圧位相算出部58は、トルク制御器56によって算出された基準電圧位相θ*と、後述する位相補正量算出部61によって算出された電圧位相補正量Δθとの加算値として、指令電圧位相θv*を算出する。
指令電圧算出部60は、指令電圧の最大値を電源電圧VDCの「1/2」で除算した値である変調率Rm、及び電源電圧VDCに基づき、γδ軸上の指令電圧ベクトルVm*を算出し、算出された指令電圧ベクトルVm*及び指令電圧位相θv*に基づき、γδ軸上の1次指令電圧vγ1,vδ1を算出する。ここでは、電源電圧VDCが高いほど、指令電圧ベクトルVm*の振幅が大きく算出される傾向にある。ここで、上記振幅とは、γ軸上の1次指令電圧vγ1の2乗値及びδ軸上の1次指令電圧vδ1の2乗値の加算値の平方根である。なお、指令電圧算出部60によって算出された1次指令電圧vγ1,vδ1は、固定座標変換部34及び3相変換部36を介して操作信号生成部38に入力される。
ちなみに、本実施形態において、指令電圧算出部60が「振幅算出手段」及び「指令電圧算出手段(第2の指令電圧算出手段)」を構成する。また、本実施形態において、指令電圧位相算出部58及び位相補正量算出部61以外の図4に示す各種処理が、モータジェネレータ10のトルクを指令トルクTrq*にフィードバック制御すべく、γδ座標系におけるモータジェネレータ10の印加電圧の位相を操作する「位相操作手段」を構成する。
続いて、本実施形態にかかる上記位相補正量算出部61の設計手法について説明する。
まず、位相補正量算出部61の説明に先立ち、モータジェネレータ10の伝達関数P1(s)について説明する。
γδ座標系におけるモータジェネレータ10の電圧方程式は、下式(eq4)によって表される。
なお、本実施形態では、上述したように、γ軸の正方向を磁束オブザーバ46によって推定された2次磁束ベクトルの方向に設定しているため、δ軸上の2次磁束φδ2が「0」となる。また、上式(eq4)において、「L1」は1次インダクタンスを示し、「p」は微分演算子を示す。
上式(eq4)を1次電圧vγ1,vδ1について示すと、下式(eq5),(eq6)が導かれる。
ここで、図5に示すように、指令電圧ベクトルVm*が微小角Δθv回転する場合におけるγδ軸上の1次電圧の微小変動量Δvγ1,Δvδ1は、上式(eq5),(eq6)に基づき、下式(eq7),(eq7)によって表される。
ここで、γδ軸上の1次電圧の微小変動量Δvγ1,Δvδ1は、下式(eq9),(eq10)のようにも表すことができる。
上式(eq10)において、「Vγave」は、上式(eq5)で表されるγ軸上の1次電圧vδ1の時間平均値である。また、上式(eq9)において、「Vδave」は、上式(eq6)で表されるδ軸上の1次電圧vδ1の時間平均値である。
上式(eq7)〜(eq10)から、モータジェネレータ10の伝達関数P1(s)を下式(eq11)によって表すことができる。
ここで、上式(eq11)において2つの近似を用いる。1つ目は、「Vδave>>Vγave」なる近似である。これは、以下に説明する理由によって成立する近似である。つまり、本実施形態では、電圧位相制御が行われる領域(弱め界磁領域)において、モータジェネレータ10における効率等の観点から、指令トルクTrq*が小さめに設定される。これにより、指令電圧ベクトルVm*がδ軸近傍(例えば、指令電圧位相θv*で45°〜135°)となり、γ軸上の1次指令電圧vγ1*が小さくなる。こうした理由から、「Vaveδ>>Vaveγ」なる近似が成立する。
2つ目は、下式(eq12)によって表される近似である。
こうした近似は、1次電圧vδ1の時間平均値Vδaveを考える場合に上式(eq6)の右辺第1項の微分演算子pを含む項が無視できること、及び電圧位相制御が行われる高回転領域において上式(eq6)の右辺第2項が支配的となることから導かれる。
以上説明した2つの近似を用いると、モータジェネレータ10の伝達関数P1(s)は、下式(eq13)によって表される。
続いて、図6を用いて、位相補正量算出部61の設計手法について説明する。
本実施形態では、位相補正量算出部61を、「除去手段」としてのハイパスフィルタによって構成している。このため、位相補正量算出部61の伝達関数C1(s)は、下式(eq14)によって表される。
上式(eq14)において、「K」はゲインを示し、「ωCT」はトルク応答周波数(遮断周波数)を示す。
ここで、図6において、指令電圧位相θv*を入力として、δ軸上の1次電流iδ1を出力とする閉ループ伝達関数P2(s)は、下式(eq15)によって表される。
なお、電圧位相制御が行われる領域が高回転速度域であることから、上式(eq15)の右辺の分母において、1次抵抗R1の2乗を含む項を無視している。
ここで、上式(eq15)の分母において、ラプラス演算子sの1次項として1次周波数ω1を含む項が存在する。この項の存在により、モータジェネレータ10の伝達関数P1(s)の利得に関する周波数特性がその1次周波数ω1付近に極大値を有することとなる。このため、本実施形態では、1次周波数ω1を含む項を除去するように、ハイパスフィルタのゲインKを設定する。すなわち、位相補正量算出部61のゲインKを、下式(eq16)のように設定する。
γ軸上の1次電流iγ1を入力としてゲインKを設定する構成によれば、位相補正量算出部61を、指令電圧位相θv*を入力としてδ軸上の1次電流iδ1を出力とする伝達関数P1(s)の利得に関する周波数特性において、上記周波数特性の1次周波数ω1付近の利得を低減するように指令電圧位相θv*を補正する「位相補正手段」として構成することができる。すなわち、本実施形態では、ハイパスフィルタによってδ軸上の1次電流iδ1の低周波数成分を除去し、低周波数成分が除去された1次電流iδ1を電圧位相補正量Δθとすることで、上記周波数特性の1次周波数ω1付近の利得を低減させることができる。
ちなみに、本実施形態では、トルク制御器56を、下式(eq17)によって表す1次遅れ要素によって構成している。
なお、本実施形態では、トルク制御器56のゲインAを、位相補正量算出部61のゲインKと同一の値に設定した。
続いて、図7及び図8を用いて、位相補正量算出部61を設けた効果について説明する。
まず、図7に、指令トルクTrq*を入力として、モータジェネレータ10の力行時におけるトルクTmを出力とする閉ループ周波数特性を示す。ここで、図中、(a)は、利得に関する周波数特性を示し、(b)は、位相に関する周波数特性を示す。また、図中、比較技術とは、先の図4に示す構成から位相補正量算出部61を除去した技術のことである。
図示されるように、本実施形態によれば、利得に関する周波数特性において、1次周波数ω1付近の極大値を低減させることができる。
続いて、図8に、トルク推定部52によって推定されたトルクTm、及びδ軸上の1次電流iδ1の推移を示す。
図示されるように、本実施形態によれば、比較技術と比較して、δ軸上の1次電流iδ1及び推定トルクTmのそれぞれの脈動を58%低減させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)位相補正量算出部61をハイパスフィルタによって構成した。そして、位相補正量算出部61においてδ軸上の1次電流iδ1の低周波数成分を除去し、低周波数成分が除去されたδ軸上iδ1に基づき、電圧位相補正量Δθを算出した。そして、電圧位相補正量Δθを基準電圧位相θ*に加算することで指令電圧位相θv*を補正した。これにより、伝達関数の利得に関する周波数特性において、上記周波数特性の1次周波数ω1付近の利得を低減させることができる。したがって、モータジェネレータ10のトルク制御性を好適に向上させることができる。
なお、本実施形態によれば、理論上、トルク制御器56のゲインを電流ベクトル制御同等まで高めることができる。このため、電圧位相制御によるモータジェネレータ10のトルク制御の応答性を向上させることもできる。
(2)γ軸の正方向を磁束オブザーバ46によって推定された2次磁束ベクトルの方向に設定した。これにより、αβ座標系及びγδ座標系のうち一方から他方への座標変換の安定化を図ることなどができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図9に示すように、本実施形態では、電圧位相補正量Δθをその上限値θlimitで制限する「制限手段」としてのリミッタ62を設けた。リミッタ62の出力値は、指令電圧位相算出部58に入力される。なお、図9は、本実施形態にかかる電圧位相制御に関する処理のブロック図である。ここで、図9において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態で得られる効果に加えて、以下の効果が得られる。
(3)電圧位相補正量Δθを上限値θlimitで制限するリミッタ62を設けた。このため、電圧位相補正量Δθを所定範囲に制限することができ、例えばδ軸上の1次電流iδ1にノイズが重畳することより、指令電圧位相θv*の補正精度が低下することを回避できる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、δ軸上の1次電流iδ1に代えて、γ軸上の2次磁束φγ2に基づき、位相補正量算出部61において電圧位相補正量Δθを算出する。
図10に、本実施形態にかかる電圧位相制御に関する処理のブロック図を示す。なお、図10において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、回転座標変換部24によって変換されたγ軸上の1次電流iγ1は、乗算部64において、その符号が反転されてかつ相互インダクタンスMが乗算される。乗算部64の出力値は、回転座標変換部24によって変換されたγ軸上の1次電流iγ1とともに、位相補正量算出部61に入力される。位相補正量算出部61において、1次電流iγ1は、ゲインKの設定に用いられる。また、乗算部64の出力値であるγ軸上の2次磁束φγ2の符号反転値は、ハイパスフィルタの入力パラメータとして用いられる。ここで、乗算部64の出力値に基づき電圧位相補正量Δθが算出できるのは、以下に説明する理由に基づく。つまり、γ軸上の2次磁束φγ2及び1次電流iγ1の間には、下式(eq18)によって表される関係がある。
また、上記第1の実施形態において位相補正量算出部61(ハイバスフィルタ)の入力パラメータであったδ軸上の1次電流iδ1と、γ軸上の1次電流iγ1との位相差は「π」である。位相差が「π」であること及び上式(eq18)の関係から、乗算部64n出力値をδ軸上の1次電流iδ1の代替値として用いることができる。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、指令電圧位相θv*の補正手法を変更する。
図11に、本実施形態にかかる電圧位相制御に関する処理のブロック図を示す。なお、図11において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、指令電圧位相算出部58が除去されている。このため、トルク制御器56の出力値が指令電圧位相θv*として指令電圧算出部60に直接入力されることとなる。
こうした構成において、位相加算部66は、位相補正量算出部61によって算出された電圧位相補正量Δθ及び1次位相θ1の加算値を算出して固定座標変換部34に対して出力する。固定座標変換部34は、γδ座標系からαβ座標系への変換に、1次位相θ1及び電圧位相補正量Δθの加算値を用いる。すなわち、固定座標変換部34において用いられるγδ座標系及びαβ座標系の位相差を電圧位相補正量Δθで補正することで、指令電圧位相θv*を補正する。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、モータジェネレータとして、誘導機に代えて、同期機を用いる。
図12に、本実施形態にかかるモータ制御システムの構成図を示す。なお、図12において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、モータジェネレータ70は、同期機であり、より詳しくは、永久磁石同期機である。モータジェネレータ70が備えられる制御システムには、モータジェネレータ70の回転子の回転角(電気角θe)を検出する回転角センサ72(例えばレゾルバ)が備えられている。回転角センサ72の検出値θeは、制御装置20に取り込まれる。
なお、本実施形態において、制御装置20は、上記第1の実施形態と同様に、変調率Rm及び電源電圧VDCに基づき、ベクトル制御又は電圧位相制御のいずれかを選択してモータジェネレータ70の制御を行う。ただし、本実施形態では、ベクトル制御についての説明を省略する。
図13に、本実施形態にかかる電圧位相制御に関する処理のブロック図を示す。なお、図13において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
回転座標変換部22aは、電流センサ14によって検出された電流iv,iwを、dq軸上の電流であるd軸電流id,q軸電流iqに変換する。ここで、dq軸系は、インバータINVの出力電圧ベクトルの回転角周波数である電気角周波数ωeで回転する直交2次元回転座標系である。本実施形態では、d軸を、モータジェネレータ70の回転子に備えられる界磁の磁束方向とし、q軸を、d軸に対して直交する方向(「π/2」進んだ方向)とする。
トルク推定部52aは、回転座標変換部22aの出力するd軸電流id,q軸電流iqを入力として、下式(eq19)によってモータジェネレータ70のトルクTmを推定する。
なお、上式(eq19)において、「Ld」はd軸インダクタンスを示し、「Lq」はq軸インダクタンスを示す。
電気角周波数算出部74は、回転角センサ72によって検出された電気角θeの時間微分値として、電気角周波数ωeを算出する。
指令電圧位相算出部58は、トルク制御器56によって算出された基準電圧位相θ*と、後述する位相補正量算出部61aによって算出された電圧位相補正量Δθとの加算値として、指令電圧位相θv*を算出する。
指令電圧算出部60aは、変調率Rm及び電源電圧VDCに基づき、dq軸上の指令電圧ベクトルVm*を算出し、算出された指令電圧ベクトルVm*及び指令電圧位相θv*に基づき、dq軸上の指令電圧vd*,vq*を算出する(図14参照)。なお、本実施形態において、指令電圧算出部60aが「指令電圧算出手段(第2の指令電圧算出手段)」を構成する。
固定座標変換部34aは、電気角θeに基づき、dq軸上の指令電圧vd*,vq*を、U相の指令電圧vu*、V相指令電圧vv*、W相の指令電圧vw*に変換する。固定座標変換部34aによって変換された指令電圧vu*,vv*,vw*は、操作信号生成部38に入力される。
なお、本実施形態において、指令電圧位相算出部58、位相補正量算出部61a及び電気角周波数算出部74以外の図13に示す各種処理が、モータジェネレータ70のトルクを指令トルクTrq*にフィードバック制御すべく、dq座標系におけるモータジェネレータ10の印加電圧の位相を操作する「位相操作手段」を構成する。
続いて、本実施形態にかかる上記位相補正量算出部61aの設計手法について説明する。
まず、位相補正量算出部61aの説明に先立ち、図15を用いて、モータジェネレータ70の伝達関数P3(s)について説明する。ここで、図15は、本実施形態にかかる制御系のブロック図である。ここでは、指令電圧算出部60aを制御器80と表現した。ここで、図中、破線で示した経路を無視する場合、制御器80の入力からq軸電流iqまでの開ループ伝達関数P3(s)、下式(eq20)によって表される。
ここで、上式(eq20)において、「R」は電機子巻線抵抗を示す。電圧位相制御が行われる領域(弱め界磁領域)では、電気角周波数ωeが高いことから、電機子巻線抵抗Rの2乗値を含む項を無視することができる。この近似を適用すると、上式(eq20)を下式(eq21)のように表すことができる。
続いて、図16を用いて、位相補正量算出部61aの設計手法について説明する。なお、図16において、先の図6に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、位相補正量算出部61aは、上記第1の実施形態の図6と同様に、ハイパスフィルタによって構成されている。このため、位相補正量算出部61aの伝達関数C2(s)は、上式(eq14)によって表される。
ここで、図16において、指令電圧位相θv*を入力として、q軸電流iqを出力とする閉ループ伝達関数P4(s)は、下式(eq22)によって表される。
上式(eq22)の分母において、ラプラス演算子sの1次項として電気角周波数ωeを含む項が存在する。この項の存在により、モータジェネレータ70の伝達関数P3(s)の利得に関する周波数特性がその電気角周波数ωe付近に極大値を有することとなる。このため、本実施形態では、電気角周波数ωeを含む項を除去するように、ハイパスフィルタのゲインKを設定する。すなわち、位相補正量算出部61aのゲインKを、下式(eq23)のように設定する。
電気角周波数ωeを入力としてゲインKを設定する構成によれば、位相補正量算出部61aを、指令電圧位相θv*を入力としてq軸電流iqを出力とする伝達関数P3(s)の利得に関する周波数特性において、上記周波数特性の電気角周波数ωe付近の利得を低減するように指令電圧位相θv*を補正する「位相補正手段」として構成することができる。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1の実施形態で得られる効果と同様の効果を同期機について得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「位相補正手段」としては、上記各実施形態に例示したものに限らず、例えば以下に説明するものであってもよい。詳しくは、上記第1の実施形態の図4において、位相補正量算出部61を除去してかつ、トルク制御器56に微分器を追加する。こうした構成において、微分器のゲインの調整によって周波数特性の1次周波数ω1付近の利得を低減するものであってもよい。すなわち、この場合、トルク制御器56から出力される指令電圧位相θv*は、低周波数成分が除去されたδ軸上の1次電流iδ1によって既に補正された値となる。こうした構成であっても、上記第1の実施形態で得られる効果に準じた効果を得ることはできる。なお、上記第5の実施形態で説明した同期機についても同様である。
・上記第1の実施形態の図1や、上記第5の実施形態の図12において、高電圧バッテリ12及びインバータINVの間に昇圧コンバータが介在する場合、昇圧コンバータが「直流電源」となる。
・上記第2の実施形態で説明したリミッタ62を、上記第5の実施形態で説明した同期機の制御システムに適用してもよい。
・上記第4の実施形態で説明した指令電圧位相θv*の補正手法を、上記第5の実施形態で説明した同期機の制御システムに適用してもよい。
・回転機の「制御量」としては、トルクに限らず、例えば回転速度であってもよい。
10…モータジェネレータ、20…制御装置。

Claims (10)

  1. 回転機としての誘導機(10)に適用される回転機の制御装置において、
    前記誘導機の回転座標系として、前記誘導機に印加される電圧ベクトルの回転角周波数である1次周波数で回転する直交2次元座標系がγδ座標系として定義されており、
    前記誘導機の制御量及びその指令値の偏差に基づき、前記γδ座標系における前記誘導機の印加電圧の位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記誘導機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    を有し、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記誘導機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御する位相操作手段と、
    前記位相を入力として前記誘導機に流れるδ軸上の電流を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性について、前記1次周波数付近の利得を低減するように前記位相を補正する位相補正手段と、
    を備え
    前記位相補正手段は、前記誘導機に流れるδ軸上の電流の低周波数成分を除去してかつ分母及び分子の次数が1次の伝達関数で表されるハイパスフィルタを有し、前記ハイパスフィルタによって前記低周波数成分が除去されたδ軸上の電流に基づき、前記位相算出手段によって算出された前記位相を補正し、
    前記ハイパスフィルタのゲインは、前記誘導機に流れるγ軸上の電流が大きいほど、小さく設定されることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 回転機としての同期機(70)に適用される回転機の制御装置において、
    前記同期機の回転座標系として、前記同期機に印加される電圧ベクトルの回転角周波数である電気角周波数で回転する直交2次元座標系がdq座標系として定義されており、
    前記同期機の制御量及びその指令値の偏差に基づき、前記dq座標系における前記同期機の印加電圧の位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記同期機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    を有し、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記同期機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御する位相操作手段と、
    前記位相を入力として前記同期機に流れるq軸上の電流を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性について、前記電気角周波数付近の利得を低減するように前記位相を補正する位相補正手段と、
    を備え、
    前記位相補正手段は、前記同期機に流れるq軸上の電流の低周波数成分を除去してかつ分母及び分子の次数が1次の伝達関数で表されるハイパスフィルタを有し、前記ハイパスフィルタによって前記低周波数成分が除去されたq軸上の電流に基づき、前記位相算出手段によって算出された前記位相を補正し、
    前記ハイパスフィルタのゲインは、前記電気角周波数が高いほど、大きく設定されることを特徴とする回転機の制御装置。
  3. 回転機としての誘導機(10)の制御量をその指令値に制御すべく、回転座標系における前記回転機の印加電圧の位相を操作する位相操作手段と、
    前記位相を入力として前記回転座標系における前記回転機に流れる電流を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性について、前記印加電圧の回転角周波数付近の利得を低減するように前記位相を補正する位相補正手段と、
    を備え、
    前記位相操作手段は、
    前記制御量及び前記指令値の偏差に基づき、前記位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記回転機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    有し、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御し、
    前記位相補正手段は、前記誘導機の2次磁束の低周波数成分を除去する除去手段を有し、前記除去手段によって前記低周波数成分が除去された2次磁束に基づき、前記位相を補正することを特徴とする回転機の制御装置。
  4. 回転機(10;70)の制御量をその指令値に制御すべく、回転座標系における前記回転機の印加電圧の位相を操作する位相操作手段と、
    前記位相を入力として前記回転座標系における前記回転機に流れる電流を出力とする伝達関数の利得に関する周波数特性について、前記印加電圧の回転角周波数付近の利得を低減するように前記位相を補正する位相補正手段と、
    を備え、
    前記位相操作手段は、
    前記制御量及び前記指令値の偏差に基づき、前記位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記回転座標系における前記回転機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    前記回転座標系及び固定座標系の位相差に基づき、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧を前記固定座標系における指令電圧に変換する座標変換手段と、
    有し、前記座標変換手段によって変換された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御し、
    前記位相補正手段は、前記位相の補正を、前記回転角周波数付近の利得を低減するように前記座標変換手段において用いられる前記位相差を補正することで行うことを特徴とする回転機の制御装置。
  5. 前記位相操作手段は、
    前記制御量及び前記指令値の偏差に基づき、前記位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記回転機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    有し、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御し、
    前記位相補正手段は、前記回転機に流れる電流の低周波数成分を除去する除去手段を有し、前記除去手段によって前記低周波数成分が除去された電流に基づき、前記位相算出手段によって算出された前記位相を補正することを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  6. 前記回転機は、誘導機(10)であり、
    前記位相操作手段は、
    前記制御量及び前記指令値の偏差に基づき、前記位相を算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相に基づき、前記回転機の指令電圧を算出する指令電圧算出手段と、
    有し、前記指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御し、
    前記位相補正手段は、前記誘導機の2次磁束の低周波数成分を除去する除去手段を有し、前記除去手段によって前記低周波数成分が除去された2次磁束に基づき、前記位相を補正することを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  7. 前記除去手段は、ハイパスフィルタを有することを特徴とする請求項3又は5記載の回転機の制御装置。
  8. 前記位相補正手段による前記位相の補正量をその上限値で制限する制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  9. 前記回転機は、誘導機(10)であり、
    前記回転機の2次磁束ベクトルを算出する2次磁束算出手段を更に備え、
    前記位相操作手段によって操作される前記位相の基準は、前記2次磁束算出手段によって算出された前記2次磁束ベクトルの方向に設定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  10. 前記回転座標系における前記回転機の指令電流を算出する指令電流算出手段と、
    前記指令電流及び前記回転座標系における前記回転機に流れる電流の偏差に基づき、前記回転機の指令電圧を算出する第1の指令電圧算出手段と、
    前記第1の指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御するベクトル制御手段と、
    を更に備え、
    前記位相操作手段は、
    前記制御量及び前記指令値の偏差に基づき、前記位相を算出する位相算出手段と、
    前記回転機の電力供給源となる直流電源(12)の電圧に基づき、前記回転機の印加電圧の振幅を算出する振幅算出手段と、
    前記位相算出手段によって算出された前記位相及び前記振幅算出手段によって算出された前記振幅に基づき、前記回転機の指令電圧を算出する第2の指令電圧算出手段と、
    有し、前記第2の指令電圧算出手段によって算出された前記指令電圧に前記回転機の印加電圧を制御することで、前記制御量を前記指令値に制御し、
    前記位相操作手段による前記回転機の制御又は前記ベクトル制御手段による前記回転機の制御を選択する選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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