JP6072396B2 - 空圧式アクチュエータ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、シリンダ部への給気によりピストンを往動させることで、ピストンロッドが往動し、また、圧縮されたスプリングの付勢力によりピストンを復動させることで、ピストンロッドが復動する空圧式アクチュエータが記載されている。
ところで、空圧式アクチュエータの動作時、スプリングは圧縮状態となるだけでなく、曲げられた状態にもなる。スプリングは、曲げられると、その曲げを解消するような復元力を生じる。この復元力は、空圧式アクチュエータの特性に影響を与える要素となる。
このように、空圧式アクチュエータにおいて、特性が不安定になるという課題があった。特性が不安定であると、空圧式アクチュエータの動作が安定せず、制御性が悪化する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る空圧式アクチュエータの断面図であり、空圧式アクチュエータをターボチャージャに取り付けた場合を例に示している。
空圧式アクチュエータは、第1ハウジング10と第2ハウジング11とで箱状に構成されたハウジング1を有する。ハウジング1の内部には、例えばゴム製で円板状のダイアフラム2が設けられる。ダイアフラム2は、その周縁部が第1ハウジング10と第2ハウジング11とで挟まれた状態で設けられており、ハウジング1の内部を大気圧室3aと負圧室3bとに分割している。大気圧室3aは、不図示の大気孔を介して大気に開放される。負圧室3bには、第1ハウジング10に取り付けられた負圧導入管4を介して、負圧が印加される。
スプリングホルダ5には、ロッド7の一端部が固定されている。ロッド7は、第2ハウジング11を貫通して、その他端部が外部に露出する。ロッド7は、第2ハウジング11の内部に設けられた軸受部8によって、軸方向に摺動可能に保持される。
空圧式アクチュエータは、第2ハウジング11がブラケット40にねじ止めされることで、ブラケット40に固定されている。
負圧室3bに負圧が印加されると、ダイアフラム2のうちの周縁部以外の部分及びダイアフラム2に設けられたスプリングホルダ5が、スプリング6を収縮させながら、負圧室3bの容積を減少させる方向に移動する。これに伴い、ロッド7が、ハウジング1の内部に引き込まれる方向すなわち引込方向へ移動する。すると、ターボチャージャのレバー30は、回転中心Oを支点として、図1における時計回りに回転する。
一方、負圧室3bに印加する負圧が低減されると、ダイアフラム2のうちの周縁部以外の部分及びダイアフラム2に設けられたスプリングホルダ5が、収縮状態から伸びようとするスプリング6の付勢力によって、負圧室3bの容積を増加させる方向に移動する。これに伴い、ロッド7が、ハウジング1の外部へ押し出される方向すなわち押出方向へ移動する。すると、ターボチャージャのレバー30は、回転中心Oを支点として、図1における反時計回りに回転する。
軸線P1と軸線P2は、スプリング6の中心軸Rを挟んで対向するような位置関係にある。同様に、軸線Q1と軸線Q2も、スプリング6の中心軸Rを挟んで対向するような位置関係にある。また、軸線P1と軸線Q1は、中心軸Rから見て角度α離れている。αは0以外の値をとり、従って、軸線P1と軸線Q1は同一の軸線ではない。
このように、スプリング6は、曲げられる方向によって生じる復元力が異なる。
なお、図1では、スプリング6のうちの底面10a側の端部に生じる復元力は図示を省略した。これは、底面10a側の端部に生じる復元力は、ロッド7と軸受部8との間に生じる中心軸Aと垂直な方向の抵抗力に与える影響が小さいからである。
実線で示す特性S1は、スプリング6が例えば図2(a)の方向に曲げられる場合のものである。点線で示す特性S2は、スプリング6が例えば図2(b)の方向に曲げられる場合のものである。
またさらに、ロッド7の移動方向が同じ場合でも、特性S1と特性S2とでは、異なる軌跡を示している。ロッド7の引込方向の場合、ロッド7のストローク変化量は、ストロークが0の位置を基準として定義する。ロッド7が引き込まれるとき、印加する圧力が同じでも、ロッド7のストローク変化量は、特性S1の方が大きい。また、ロッド7の押出方向の場合、ロッド7のストローク変化量は、ロッド7が最大限引き込まれたストローク最大位置を基準として定義する。ロッド7が押し出されるとき、印加する圧力が同じでも、ロッド7のストローク変化量は、特性S1の方が大きい。そして、ロッド7の移動方向による空気圧の差は、特性S1の場合の差H1よりも、特性S2の場合の差H2の方が大きい。これは、図2で示したように、図2(b)の方向に曲げられた方がスプリング6の復元力が大きいために、ロッド7と軸受部8との間に生じる中心軸Aと垂直な方向の抵抗力が大きくなり、ロッド7が移動する際に受ける抵抗が大きくなるからである。
なお、以下、ロッド7の移動方向による空気圧の差を、ヒステリシスと称す。
図4に、スプリング6の平面図を示す。図4(a)は、スプリング6を側面から見たときの平面図である。図4(b)は、スプリング6を軸方向から見たときの平面図である。図4(b)に示すように、スプリング6の巻き先端部6aは、スプリング6の内側に曲げられている。巻き先端部6aは、螺旋状に巻かれてスプリング6を構成している線状部材の端部を意味する。
なお、円板面5aの中央の孔5dは、ロッド7を取り付けるための孔である。
スプリングガイド5bは、プレス成型により円板面5aに設けられる。または、平坦な円板面5aに、スプリングガイド5bに相当する形状の部材を接着することで設けてもよい。
例えば、スプリング6に替えて、図7に示すスプリング61としてよい。図7(a)は、スプリング61を側面から見たときの平面図である。図7(b)は、スプリング61を軸方向から見たときの平面図である。スプリング61では、巻き先端部61aが、スプリング61の外側に延長されている。より詳しくは、軸方向から見たときにスプリング6が成す円の接線方向に、巻き先端部61aが伸びている。
爪51c,51dは、プレス成型により円板面51aに設けられる。または、平坦な円板面51aに、爪51c,51dに相当する形状のブロックを接着することで設けてもよい。
スプリング61のようにした場合、図10に平面図で示すように、スプリングホルダ52により回転が規制されてもよい。スプリングホルダ52の円板面52aには、スプリング61の外周に位置するようなスプリングガイド52bが、設けられている。スプリングガイド52bは、スプリング61をその径方向に位置決めするために、スプリング61の外周に沿うような形状に形成された凸部である。スプリングガイド52bの一部は凹んで、窪み部52cとなっている。窪み部52cに、スプリング61の巻き先端部61aが配置され、スプリング61の回転が規制された状態となっている。
このとき、スプリングホルダ5に替えて、図12に斜視図で示すスプリングホルダ53を用いる。スプリングホルダ53の円板面53aには、円環状に盛り上がったかさ上げ部53cが設けられている。さらにかさ上げ部53cには、スプリング62をその径方向に位置決めするために、スプリングガイド53bが設けられている。スプリングガイド53bは、スプリング62の内周に沿って円環状に形成された凸部である。かさ上げ部53cには、巻き先端部62aを挿入するための挿入穴53dが形成されている。
なお、かさ上げ部53cを設けるのは、挿入穴53dに挿入された巻き先端部62aが、ダイアフラム2側に突き出てダイアフラム2を傷つけるのを防止するためである。
かさ上げ部材9は、円板状のかさ上げ部9aと、かさ上げ部9a上に設けられたガイド部9bとを有する。ガイド部9bは、スプリング62をその径方向に位置決めするために、スプリング62の内周に沿って円環状に形成された凸部である。かさ上げ部9aの中央には、ロッド7を取り付けるための孔9cが形成されている。また、かさ上げ部9aのうちの、ガイド部9bの外周に位置する部分には、巻き先端部62aを挿入するための挿入穴9dが形成されている。
図13に示すように、スプリング62は、かさ上げ部9a上に置かれて、挿入穴9dに巻き先端部62aが挿入される。このようにして、スプリング62の回転が規制される。また、図12と同様に、ダイアフラム2が傷つくことを防止できる。
このとき、スプリングホルダ5に替えて、図15に平面図で示すスプリングホルダ55を用いる。スプリングホルダ55の円板面55aには、スプリング63をその径方向に位置決めするために、スプリングガイド55bが設けられている。スプリングガイド55bは、スプリング63の内周に沿って円環状に形成された凸部である。円板面55aには、突出した爪55cが設けられている。爪55cは、プレス成型により円板面55aに設けられる。または、平坦な円板面55aに、爪55cに相当する形状のブロックを接着することで設けてもよい。
図15に示すように、爪55cがスプリング63の巻き先端部63aの先端面に当接することで、スプリング63の回転が規制される。
爪55cは、巻き先端部63aが爪55cから離れる方向にスプリング63が回転するのは、規制することはできない。つまり、爪55cは、一方向の回転に対してのみ有効な構成である。しかしながら、空圧式アクチュエータをターボチャージャ等の他の装置に取り付けて使用する際、空圧式アクチュエータに掛かる振動等の関係で、一方向にしかスプリング63は回転しないと考えられる場合がある。このような場合は、爪55cを設けることで非常に簡素かつ効率的に、スプリング63の回転を規制することができる。
なお、上記した回転規制のための構成は一例であり、スプリングの回転を規制できるのであれば、上記以外の構成を適宜採用してよい。
また、上記では、スプリングホルダ側でスプリングの回転を規制する場合を示した。しかしながら、第1ハウジング10側でスプリングの回転を規制してもよい。
例えば、図13で示したような挿入穴9dと巻き先端部62aによる回転規制、図15で示したような爪55cと巻き先端部63aによる回転規制等の構成を適用できる。
図2及び図3に示したように、スプリングが図2(a)の方向で曲げられる位置にて回転を規制するか、図2(b)の方向で曲げられる位置にて回転を規制するかで、スプリングが曲げられた際に生じる復元力、そしてヒステリシスが変化する。このヒステリシスは、小さいほど好ましく、少なくとも空圧式アクチュエータの使用上許容される許容値以下とすることが好ましい。従って、スプリングは、ヒステリシスが許容値以下となるような復元力を生じる方向で曲げられるように、回転方向での位置決めつまり回転規制がなされると、さらに好ましい。実際は、例えばシミュレーション、実験等により、スプリングが曲げられる方向とヒステリシスとの対応を順次とって、ヒステリシスが許容値以下となった曲げ方向を求め、それらの方向でスプリングが曲げられるように、スプリングの回転方向での位置決めを行う。このようにして、ヒステリシスが許容値以下となった特性のもと、空圧式アクチュエータを常に動作させることができる。
52cが、回転規制部に相当する。この構成により、空圧式アクチュエータの特性を安定させることができる。
Claims (7)
- 内部に空気圧が印加されるハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、印加される前記空気圧によりダイアフラムを介して往復動作するスプリングホルダと、
前記スプリングホルダに固定され、前記スプリングホルダと一体に往復動作するロッドと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記スプリングホルダの往復動作により伸縮して付勢力を与えるスプリングと、
前記スプリングの回転を規制する回転規制部とを備えたことを特徴とする空圧式アクチュエータ。 - 前記スプリングの巻き先端部は、内側に曲げられており、
前記スプリングホルダには、前記スプリングの内周に沿って凸部が形成され、
前記回転規制部は、前記凸部の一部が凹んで前記巻き先端部が配置される窪み部であることを特徴とする請求項1記載の空圧式アクチュエータ。 - 前記スプリングホルダに設けられたかさ上げ部と、前記かさ上げ部上に配置された前記スプリングの内周に沿って形成された凸部とを有し、
前記スプリングの巻き先端部は、軸方向に突き出ており、
前記回転規制部は、前記かさ上げ部に形成されて前記巻き先端部が挿入される挿入穴であることを特徴とする請求項1記載の空圧式アクチュエータ。 - 前記スプリングホルダには、前記スプリングの内周に沿って凸部が形成され、
前記回転規制部は、前記スプリングホルダに形成され、前記スプリングの巻き先端部に当接して前記スプリングの回転を規制する爪であることを特徴とする請求項1記載の空圧式アクチュエータ。 - 前記巻き先端部は、前記スプリングの外側に延長されており、
前記爪は、前記巻き先端部を挟んだ両側に形成されていることを特徴とする請求項4記載の空圧式アクチュエータ。 - 前記スプリングの巻き先端部は、外側に延長されており、
前記スプリングホルダには、前記スプリングの外周に沿って凸部が形成され、
前記回転規制部は、前記凸部の一部が凹んで前記巻き先端部が配置される窪み部であることを特徴とする請求項1記載の空圧式アクチュエータ。 - 前記ロッドの動作方向による前記空気圧の差が許容値以下となるように、前記スプリングの回転方向の位置決めがされることを特徴とする請求項1記載の空圧式アクチュエータ。
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