JP6079313B2 - 方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システム - Google Patents

方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システム Download PDF

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Description

本発明は、方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムに関する。
砕石や路盤材、骨材等の製造現場では、製品を銘柄別に効率よく区分けするため、製造ヤード内に区分け用の擁壁を設けることがしばしば行われる。この擁壁は、製品の需給量に応じて配置変更が可能であることが望まれており、可動式のものが用いられることが多い。そして、移動の際に揚重用の大型重機を必要としない方法として、方形ブロックを積み重ねて擁壁を形成する手法が多く用いられている。
他方、漁礁用の海底マウンドでは、魚介類のマウンド内の移動や生息を促す目的で、単一粒度の石材やブロックが用いられることが好適であることが知られている。とりわけ同一形状の方形ブロックを用いると、海底マウンド内の空隙を大きくできるため、漁礁に好適とされ、表面に種々の凹凸を設けたブロックを用いることで、藻の着生を促し、良質な漁礁を得ようとする試みが実施されている。
このような擁壁や漁礁等に用いる方形ブロックの製造としては、例えば特許文献1に示されているような、型枠を使用してコンクリートを打設する方法が一般的に用いられている。すなわち、上述した漁礁用のブロックを製造する場合には、そのブロック形状に合わせて組み立てた型枠内にコンクリート等の水硬性材料を充填し、所定の期間、養生したのちに脱型し、ブロックを移動させ、再度型枠を組み立て、水硬性材料を打設することを繰り返すことで製造されている。
特開2012−67488号公報
擁壁や漁礁用に用いる方形ブロックでは、単一形状の多数の方形ブロックが必要であり、仮設的な用途、あるいは石材代替の用途であるため、安価に製造できることが必要である。しかしながら、従来の型枠を使用した方形ブロックの製造方法では、打設ごとに発生する型枠の組立・解体作業が不可避でかつ人力作業のため、多大な手間と時間がかかり、製造効率を著しく悪くし、高価な製造法となっていた。そのため、安価で、簡単に且つ効率よく方形ブロックを製造できる方法が求められていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、安価で、簡単に且つ効率よく方形ブロックを製造することができる方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、敷地内で水硬性材料から形成される多数の方形ブロックを製造するための方形ブロックの製造方法であって、前記敷地内で平面に成形されるとともに複数の前記方形ブロックを縦横方向に配列可能な製造ヤードが設けられ、該製造ヤードの直交する2辺に固定型壁体を構築する工程と、前記方形ブロックの縦横方向の両配列方向において、交互に前記方形ブロックの打設領域を形成するための型枠部材を前記製造ヤード内に配置する工程と、前記製造ヤードの前記固定型壁体と対向する他の2辺のセット位置に可動型壁体を配置する工程と、前記打設領域に水硬性材料を打設する工程と、前記可動型壁体を前記セット位置から前記製造ヤードの外方へ移動させる工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明に係る方形ブロックの製造システムは、敷地内で水硬性材料から形成される多数の方形ブロックを製造するための方形ブロックの製造システムであって、前記敷地内で平面に成形されるとともに複数の前記方形ブロックを縦横方向に配列可能な製造ヤードと、前記製造ヤードの直交する2辺に設けられた固定型壁体と前記方形ブロックの縦横方向の両配列方向において、交互に前記方形ブロックの打設領域を形成するために移動可能に設けられ、かつ前記方形ブロックと同形に形成された型枠部材と、前記製造ヤードの前記固定型壁体と対向する他の直交2辺に設けられた可動型壁体と、を備え、前記可動型壁体は、セット位置から前記製造ヤードの外方へ移動自在に設けられていることを特徴としている。
本発明では、固定型壁体と可動型壁体とによって四方が囲まれた製造ヤード内において、方形ブロックの縦横方向の両配列方向において交互に型枠部材を配置することで、方形ブロックの打設領域を形成することができ、それら形成された打設領域に水硬性材料を打設し、硬化させてから、脱型することで、一度に多数の方形ブロックを製造することができる。
この場合、製造ヤードの直交する2辺に設けられる固定型壁体が方形ブロックの製造上の縦横方向の基準位置となるので、製造される方形ブロックの精度を確保と、形状の安定化を図ることができ、形状のばらつきを低減させることができる。
また、製造ヤードの2辺が固定型壁体で固定され、他の2辺が可動型壁体で移動可能であるので、方形ブロックの打設時には可動型壁体を前記セット位置から前記製造ヤードの外方へ移動させることで、製造ヤードに自由面を確保することができる。すなわち、可動型壁体を移動させることで、製造ヤード内で打設した方形ブロックと型枠部材との間に生じる拘束力がなくなり、緩みが生じるので、脱型がし易くなる。
さらに、製造ヤード内で交互に型枠部材を配置することで、打設領域も方形ブロック1個置きに形成されているので、その最初の打設領域と型枠部材の配置領域と入れ替えることが可能となる。そのため、例えば、2回目以降の打設においては、直近で打設した方形ブロックを製造ヤード内に残置して型枠部材を取り出し、その型枠部材の取り出し部分を次の打設領域とし、前記残置した方形ブロックを型枠部材として打設することができる。このように製造することで、2回目以降の型枠部材の組立、解体が不要となり、作業効率を向上させることができ、時間の短縮を図ることができるうえ、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させた後、前記型枠部材を取り外して空間箇所を形成する工程と、前記製造ヤードの前記セット位置に前記可動型壁体を再び配置する第1工程と、前記空間箇所を次の打設領域とし、直近で打設した方形ブロックを型枠部材として、当該打設領域に水硬性材料を打設する第2工程と、該第2工程の後、前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させ、前記型枠部材とした前記方形ブロックを取り出して空間箇所を形成する第3工程と、を有し、以降、前記第1工程から第3工程を繰り返し行うことを特徴としている。
このような方形ブロックの製造方法によれば、2回目以降の打設においては、直近で打設した方形ブロックを製造ヤード内に残置して型枠部材を取り出し、その型枠部材を取り出した部分(空間箇所)を次の打設領域とし、前記残置した方形ブロックを型枠部材として打設することができる。したがって、前述のように2回目以降の型枠部材の組立、解体が不要となり、作業効率を向上させることができ、時間の短縮を図ることができるうえ、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記型枠部材は、方形ブロックの製品寸法と同寸法に製作された型枠ブロックであることが好ましい。
この場合には、予め他の場所で製造した型枠ブロックを製造ヤードの所定位置にクレーンなどで吊り下ろすだけで、方形ブロックの縦横方向の両配列方向において、交互に形成される方形ブロックの打設領域を容易に設けることができる。そのため、型枠部材として従来のような型枠板を組み立て、解体するという手間のかかる作業が不要になり、作業効率を向上させることができる。
また、型枠ブロックが方形ブロックの製品寸法と同寸法に製作されているので、型枠部材としての使用が完了したときに、方形ブロックと同様の用途で使用することも可能である。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させた後、直近で打設した方形ブロックを取り出す工程を有し、前記型枠ブロックを同位置に配置させた状態で、以降、前記型枠部材として繰り返し使用することが好ましい。
このような方形ブロックの製造方法によれば、型枠ブロックを製造ヤードの同位置に継続して配置し続けることで、型枠のセットにかかる時間や手間を少なくすることができることから、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、打設される前記方形ブロックの上部に吊り治具を埋設することが好ましい。
この場合には、上部に吊り治具を備えた方形ブロックを製造することができるので、その方形ブロックを製造ヤードから取り出す際に吊り治具を使用してクレーン等で吊り上げて容易に移動させることができ、製造作業の効率化を図ることができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記方形ブロックを形成する水硬性材料は、スランプが5〜12cmのコンシステンシーであることが好ましい。
この場合には、隣り合う型枠部材同士の間から12cmより大きいスランプの柔らかい水硬性材料が型枠部材の外側に流出するのを防止することができ、5cmより小さいスランプの硬い水硬性材料によって充填性が悪くなることに伴う品質の低下を防止することができる。つまり、型枠部材の外に水硬性材料が流出した場合のように、流出部分が硬化して脱型し難くなるという不具合を無くすことができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記方形ブロックを形成する水硬性材料は、製鋼スラグ60〜70vol%、高炉セメント若しくは高炉スラグ微粉末10〜20vol%、水10〜20vol%の混合物であることが好ましい。
このような方形ブロックの製造方法によれば、方形ブロックを形成する水硬性材料として製鉄所で発生する製鋼スラグや高炉セメント若しくは高炉スラグ微粉末を用いた材料を再利用することができるので、材料費の低減を図ることができることに加え、これらに含まれるミネラル成分の溶出効果により、より良い漁礁環境を形成することができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記水硬性材料の打設前の状態において、前記打設領域を画成する前記型枠部材の側面、前記固定型壁体の内面、前記可動型壁体の内面、及び前記製造ヤードの上面に、疎水性のエマルジョンを塗布することが好ましい。
この場合には、打設領域を画成する型枠の機能を有する面に、例えば剥離剤などの疎水性のエマルジョンが塗布されているので、打設領域内に打設した方形ブロックの脱型を容易に行うことができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記水硬性材料の打設前の状態において、前記打設領域を画成する前記型枠部材の側面、前記固定型壁体の内面、前記可動型壁体の内面、及び前記製造ヤードの上面に、樹脂製のシートを配設することが好ましい。
このような方形ブロックの製造方法によれば、打設領域を画成する型枠の機能を有する面に、樹脂製のシートが配設され、打設領域内に打設した方形ブロックの水硬性材料と型枠面とが密接していないので、脱型を容易に行うことができる。
また、本発明に係る方形ブロックの製造方法では、前記方形ブロックの打設面上面には、所望の凹凸を設けるようにしてもよい。
この場合、形成された方形ブロックの打設面上面に凹凸処理が施された凹凸部が設けられているので、例えば漁礁用などに用いる海洋ブロックとして好適に利用することができる。
本発明の方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムによれば、安価で、簡単に且つ効率よく方形ブロックを製造することができる効果を奏する。
本発明の実施の形態による方形ブロックの製造方法の概要を示す平面図である。 図1に示すA−A線矢視図である。 方形ブロックの製造方向の概要を示す一部省略した斜視図である。 製造する方形ブロックの斜視図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、型枠ブロックを配置した状態を示す平面図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、可動型壁体をセットして第1打設領域にコンクリートを打設した状態を示す平面図である。 吊り治具の埋設方法を示す図であって、(a)は半割り枠の斜視図、(b)は半割り枠に吊り治具を係合した状態を上方から見た図、(c)は半割り枠に吊り治具を係合した状態の側断面図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、可動型壁体を移動させた状態を示す平面図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、脱型により型枠ブロックを取り出した状態を示す平面図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、可動型壁体をセットして第2打設領域にコンクリートを打設した状態を示す平面図である。 方形ブロックの製造工程の図であって、脱型により第1方形ブロックを取り出した状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態による方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムについて、図面に基づいて説明する。
本実施の形態による方形ブロックの製造方法は、図1〜図3に示すように、例えば人工漁礁に用いられる海洋ブロック等の多数の方形ブロック1、1、…が、所定の敷地内に設けられる正方形状の所定の広さを有する製造ヤード2に多数の型枠ブロック5(図3参照からなる型枠部材を配置して、繰り返しコンクリート(水硬性材料)を打設することにより多数の方形ブロック1を製造するための方法である。ここで、図3は、見易くするために方形ブロック1や型枠ブロック5の一部を省略している。また、図1及び後述する図5の縦横の数値(1〜14)は、配列方向(横方向X、縦方向Y)に配置される方形ブロック1の数量を示している。
製造される方形ブロック1は、図4に示すように、例えば1m角の立方形状のコンクリート(水硬性材料)造であり、打設時における上部1aには吊り治具11が埋設されている。そして、方形ブロック1を形成するためのコンクリートは、スランプが5〜12cmのコンシステンシーに設定されている。
なお、方形ブロック1を形成する水硬性材料としては、上記コンクリートであることに限定されることはなく、例えば、製鋼スラグ60〜70vol%、高炉セメント若しくは高炉スラグ微粉末10〜20vol%、水10〜20vol%の混合物であってもよいが、本実施の形態では上記スランプのコンクリートを対象とする。
吊り治具11は、U字状に形成された鉄筋部材(図7(c)参照)であり、U字状の湾曲部(フック部11a)が方形ブロック1の上部1aの中央部分に形成された球面上の凹部1b側から突出して吊りフックを形成している。なお、フック部11aは、方形ブロック1の上面の高さからは突出しないように設けられている。
製造ヤード2は、図1及び図3に示すように、平面視で縦方向Y及び横方向Xに複数(本実施の形態ではそれぞれ14個)の方形ブロック1、1、…を配列することが可能な広さを有する例えばコンクリート製の基盤であり、その基盤の上面2aは高い精度で面一に形成されている。
また、製造ヤード2の外周の4辺には、該製造ヤードの直交する2辺に構築される固定型壁体3と、製造ヤード2の固定型壁体3と対向する他の2辺のセット位置に配置される可動型壁体4と、が設けられている。
固定型壁体3は、例えばコンクリート製、木製、鋼製などから形成され、上述したように正方形をなす製造ヤード2の外周辺のうち角隅部を構成する2辺にL字状に設けられ、製造ヤード2の基盤に固定されている。固定型壁体3は、製造ヤード2に打設される多数の方形ブロック1のコンクリート充填圧に耐え得る構造で、その位置が移動しないように基盤に対して固定されていれば良い。例えば固定型壁体3がコンクリート製の場合には、その自重で動かなければとくに固定手段による固定は不要であるし、アンカーやボルト等の固定手段により製造ヤード2の基盤に固定するようにしてもよい。
固定型壁体3は、方形ブロック1と同等、あるいは高い位置に精度よく設けられ、内面3a側(製造ヤード2に対向する側)には、鉄板等、離型性の良好な部材を配設している。例えば固定型壁体3がコンクリート製の場合には、そのコンクリートの内面3aに鉄板を張り付けた構成とすることができる。また、固定型壁体3は、上記L字状の全体に型枠を組んでコンクリートを打設することで一体的に形成したものでも良いし、ブロック状の単体の型枠体を前記L字状となるように並べて配設しても良い。
可動型壁体4は、所定形状からなるコンクリート製の単体ブロック4Aを、打設領域Rの外周辺のうち前記固定型壁体3が配設されていない他の2辺のセット位置に移動可能な状態でL字状に設けられている。ただし、方形ブロック1の打設中のコンクリート充填圧に耐え得る必要はあるので、所定の重量を有するか、打設時に仮に固定される構成となっている。つまり、可動型壁体4は、製造ヤード2における方形ブロック1の打設毎に所定の打設位置(前記セット位置)と、非セット位置との間で繰り返し移動できればよく、例えば単体ブロック4Aと基盤との間や、単体ブロック4A、4A同士を着脱可能に固定しておいてもよい。
単体ブロック4Aは、図1に示すように、平面視で長方形状をなし、一方の長辺方向の側面が方形ブロック1の2個分の寸法となっており、その長辺方向を製造ヤード2の外周辺方向に向けて配列されている。また、単体ブロック4Aは、方形ブロック1と同等、あるいは高い高さ寸法で設けられ、内面4a側(打設領域Rに対向する側)には、鉄板等、離型性の良好な部材を配設している。
次に、上述した方形ブロックの本実施の形態による製造方法について、施工手順に基づいて説明する。
先ず、図1及び図3に示すように、敷地内で平面に成形されるとともに複数の方形ブロック1を縦方向Y及び横方向Xのそれぞれに配列可能な製造ヤード2を築造するとともに、その製造ヤード2の直交する2辺に固定型壁体3を構築する。
この製造ヤード2の上面、及び固定型壁体3は、打設する方形ブロック1の製造上の縦横方向の基準位置となるので、精度よく製作しておく。
次に、図5に示すように、方形ブロック1の縦方向Y及び横方向Xの両方向において、交互に方形ブロック1の打設領域Rを形成するための型枠ブロック5(型枠部材)を製造ヤード2内に配置する。すなわち、図5において、白抜き部分は型枠ブロック5が配置される領域であり、それら型枠ブロック5同士に囲まれた領域(色付きの領域)が前記打設領域Rとなる。本実施の形態では、このときの打設領域Rを第1打設領域R1という。なお、当該第1打設領域R1でない型枠ブロック5が配置される箇所は、後述する第2回目の打設箇所(図7に示す第2打設領域R2)となる。
このとき、図4に示す可動型壁体4は設置されていないので、この可動型壁体4が設置され得るセット位置(製造ヤード2の他の2辺)が開放された自由面をなしており、この開放部分において作業員は移動自在である。そのため、固定型壁体3の角隅部側から順次、型枠ブロック5を配置することで効率の良い設置作業を行うことができる。
ここで、前記型枠ブロック5としては、方形ブロック1の製品寸法と同寸法に製作されたコンクリート製のブロックが用いられている。
次に、図6に示すように、製造ヤード2の固定型壁体3と対向する他の2辺のセット位置に可動型壁体4を配置する。そして、前記複数の型枠ブロック5、5、…の側面、固定型壁体3の内面3a、可動型壁体4の内面4a、及び製造ヤード2の上面2a(図2参照)に剥離剤(疎水性のエマルジョン)を塗布した後、複数の第1打設領域R1、R1、…にコンクリートを所定高さまで打設する。
このコンクリートの打設時には、方形ブロック1の上部1a(図4参照)に、図7(a)〜(c)に示す半球面状の半割り枠6と吊り治具11を埋設する。つまり、打設後の上部中央部に半割り枠6をその凹面6a側を上に向けた状態で、上面の高さから上方に突出しないように配置する。半割り枠6の接合面には一対の穴6bが設けられており、吊り治具11の埋設部11bが挿通可能となっている。コンクリートに配置された半割り枠6の穴6bに埋設部11bを挿通させて、U字状のフック部11aが前記凹面6a側に位置するように吊り治具11をセットする。そして、コンクリートが所定の強度に硬化してきた時点で、半割り枠6をコンクリートから取り外し、吊り治具11をコンクリート内に残置することで、吊り治具11のみを方形ブロック1の上部1aに取り付けることができる。なお、フック部11aの上端位置も方形ブロック1の上面の高さから上方に突出しないように配置することで、突起部分のない方形ブロック1を製作することができ、それら方形ブロック1を上下に積むことができる。
次に、図8に示すように、コンクリートを養生させ、脱型可能となった時点で可動型壁体4を所定のセット位置から製造ヤード2から離れる外方へ移動させ、その後、複数の型枠ブロック5を製造ヤード2から取り出す。
このとき、先行して可動型壁体4を移動させて、製造ヤード2の外周部分に自由面を形成することで、製造ヤード2内で打設した方形ブロック(これを第1方形ブロック1Aという)と型枠ブロック5の間に生じる拘束力がなくなり、緩みが生じるので、脱型がし易くなる。ここで、脱型のタイミングとしては、例えばコンクリートに埋設させた吊り治具11(図4参照)が抜けない強度に硬化したタイミングとされる。
また、可動型壁体4の前記セット位置からずらす移動量は、とくに限定されることはなく、製造ヤード2側(内面側)に僅かに隙間ができる程度でもかまわない。
次いで、図9に示すように、製造ヤード2の前記セット位置に可動型壁体4を再び配置する。このとき、固定型壁体3及び可動型壁体4によって囲まれる製造ヤード2内には直近で打設した複数の第1方形ブロック1A、1A、…が縦横交互に(千鳥状に)残されている。これら残された第1方形ブロック1Aが2回目打設の型枠の代わりとなり、それら第1方形ブロック1A同士によって囲まれた箇所、すなわち型枠ブロック5を取り出した後の空間箇所が、2回目の打設領域(これを第2打設領域R2という)となる。
そして、これら第1方形ブロック1Aの側面、固定型壁体3の内面3a、可動型壁体4の内面4a、及び製造ヤード2の上面2a(図3参照)に前述と同様の剥離剤を塗布する。つまり、第2打設領域R2の上面側を除く周囲の壁面全体にわたって前記剥離剤が付着された状態となっている。
次に、図10に示すように、直近で打設した第1方形ブロック1Aを型枠部材として、第2打設領域R2にコンクリートを打設して第2方形ブロック1Bを製作する。この場合も前述のように各第2打設領域R2内のコンクリートに対して吊り治具11(図4参照)を埋設しておく。
次に、コンクリートの養生後で脱型可能となった時点で、可動型壁体4を前記セット位置から離れる外方に移動させ、その後、図11に示すように、型枠部材とした複数の第1方形ブロック1Aを製造ヤード2から取り出す。なお、第1方形ブロック1Aを取り出した後の空間には、次に打設される第3打設領域R3が形成されることになる。
そして、これ以降は、図9に示す可動型壁体4のセットから脱型までの工程を繰り返し行う。つまり、2回目以降の打設では、縦横方向に碁盤目状に配置される打設領域Rのうち、型枠として機能する方形ブロック1が残置される部分とコンクリートが充填される部分とが交互に入れ替わって、その都度、多数の方形ブロック1が製造されることになる。
次に、上述した方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの作用について図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図6に示すように、固定型壁体3と可動型壁体4とによって四方が囲まれた製造ヤード2内において、方形ブロック1の縦方向Y及び横方向Xの両配列方向において交互に型枠ブロック5を配置することで、方形ブロック1の打設領域Rを形成することができ、それら形成された打設領域Rにコンクリートを打設し、硬化させてから、脱型することで、一度に多数の方形ブロック1を製造することができる。
この場合、製造ヤード2の直交する2辺に設けられる固定型壁体3が方形ブロック1の製造上の縦方向Y及び横方向Xの基準位置となるので、製造される方形ブロック1の精度を確保と、形状の安定化を図ることができ、形状のばらつきを低減させることができる。
また、製造ヤード2の2辺が固定型壁体3で固定され、他の2辺が可動型壁体4で移動可能であるので、方形ブロック1の打設時には可動型壁体4を前記セット位置から製造ヤード2の外方へ移動させることで、製造ヤード2に自由面を確保することができる(図8参照)。すなわち、可動型壁体4を移動させることで、製造ヤード2内で打設した方形ブロック1と型枠ブロック5との間に生じる拘束力がなくなり、緩みが生じるので、脱型がし易くなる。
さらに、製造ヤード2内で交互に型枠部材(型枠ブロック5又は型枠の代わりに設けられる残置された方形ブロック1)を配置することで、打設領域Rも方形ブロック1個置きに形成されているので、その最初の打設領域Rと型枠部材の配置領域と入れ替えることが可能となる。そのため、例えば、2回目以降の打設においては、直近で打設した方形ブロック1を製造ヤード2内に残置して型枠部材を取り出し、その型枠部材の取り出し部分を次の打設領域Rとし、前記残置した方形ブロック1を型枠部材として打設することができる。
このように製造することで、2回目以降の型枠部材の組立、解体が不要となり、作業効率を向上させることができ、時間の短縮を図ることができるうえ、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態では、型枠ブロック5が方形ブロック1の製品寸法と同寸法に製作されているので、予め他の場所で製造した型枠ブロック5を製造ヤード2の所定位置にクレーンなどで吊り下ろすだけで、方形ブロック1の縦方向Y及び横方向Xの両配列方向において、交互に形成される方形ブロック1の打設領域Rを容易に設けることができる。そのため、型枠部材として従来のような型枠板を組み立て、解体するという手間のかかる作業が不要になり、作業効率を向上させることができる。
また、型枠ブロック5が方形ブロック1の製品寸法と同寸法に製作されているので、型枠部材としての使用が完了したときに、方形ブロック1と同様に例えば漁礁の海洋ブロックなどの用途として使用することも可能である。
また、本実施の形態では、図4に示すような上部1aに吊り治具11を備えた方形ブロック1を製造することができるので、その方形ブロック1を製造ヤード2から取り出す際に吊り治具11を使用してクレーン等で吊り上げて容易に移動させることができ、製造作業の効率化を図ることができる。
さらに、本実施の形態のコンクリートがスランプ5〜12cmに設定された材料であるので、隣り合う型枠部材同士の間から12cmより大きいスランプの柔らかいコンクリートが型枠部材の外側に流出するのを防止することができ、5cmより小さいスランプの硬いコンクリートによって充填性が悪くなることに伴う品質の低下を防止することができる。つまり、型枠部材の外にコンクリートが流出した場合のように、流出部分が硬化して脱型し難くなるという不具合を無くすことができる。
また、打設領域Rを画成する型枠の機能を有する面に、剥離剤などの疎水性のエマルジョンが塗布されているので、打設領域R内に打設した方形ブロック1の脱型を容易に行うことができる。
上述した本実施の形態による方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムでは、安価で、簡単に且つ効率よく方形ブロック1を製造することができる効果を奏する。
以上、本発明による方形ブロックの製造方法及び方形ブロックの製造システムの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、型枠ブロック5は最初の第1回目の打設のみ(すなわち第1方形ブロック1Aのみ)使用し、第2回目以降の打設では直近に打設した方形ブロック1を型枠代わりにしているが、このような製造方法であることに限定されることはない。例えば、第2回目以降の打設において、可動型壁体4を移動させた後、直近で打設した方形ブロック1を取り出す工程を有し、型枠ブロック5を同位置に配置させた状態で、以降、この型枠ブロック5を型枠部材として繰り返し使用することも可能である。この場合、型枠ブロック5を製造ヤード2の同位置に継続して配置し続けることで、型枠のセットにかかる時間や手間を少なくすることができることから、作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態のコンクリートに代えて、上述したように水硬性材料として、製鋼スラグ60〜70vol%、高炉若しくは高炉スラグ微粉末10〜20vol%、水10〜20%の混合物を用いることも可能であり、この場合には製鉄所で発生する製鋼スラグや高炉若しくは高炉スラグ微粉末を用いた材料を再利用することができるので、材料費の低減を図ることができる。
また、本実施の形態では、第1回目の打設時における型枠部材として、型枠ブロック5を用いているが、型枠部材の構成については限定されることはなく、第1回目の型枠部材に周知の型枠板を組み立てて打設領域Rを形成するようにしてもよい。要は、1回目の型枠部材としては、いかなる形状、構成の型枠部材を採用することが可能であり、この組み立て、解体に手間や時間がかかるものに関しては、2回目の打設以降は、上述の実施の形態のように打設した方形ブロック1を型枠代わりに使用する製造方法とすればよいのである。
また、本実施の形態では、剥離剤を型枠面に塗布しているが、剥離剤に代えて樹脂製のシートを配設することも可能である。この場合、打設領域Rを画成する型枠の機能を有する面に、樹脂製のシートが配設され、打設領域R内に打設した方形ブロック1のコンクリート(水硬性材料)と型枠面とが密接していないので、脱型を容易に行うことができる。
さらに、方形ブロック1の打設面上面に所望の凹凸を設けるようにしてもよい。例えば、打設したコンクリートが適宜な硬さになった後の固化中において、板面に凹凸模様が形成されている板を打設面上面に対して上方から押し付け、その凹凸模様を打設面上面に転写することにより、方形ブロックに凹凸を設けることができる。この場合、形成された方形ブロック1の打設面上面に凹凸処理が施された凹凸部が設けられているので、例えば漁礁用などに用いる海洋ブロックとして好適に利用することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、 1A、1B 方形ブロック
1a 上部
2 製造ヤード
3 固定型壁体
3a 内面
4 可動型壁体
4a 内面
5 型枠ブロック(型枠部材)
6 半割り枠
11 吊り治具
11a フック部
R 打設領域
X 横方向
Y 縦方向

Claims (11)

  1. 敷地内で水硬性材料から形成される多数の方形ブロックを製造するための方形ブロックの製造方法であって、
    前記敷地内で平面に成形されるとともに複数の前記方形ブロックを縦横方向に配列可能な製造ヤードが設けられ、該製造ヤードの直交する2辺に固定型壁体を構築する工程と、
    前記方形ブロックの縦横方向の両配列方向において、交互に前記方形ブロックの打設領域を形成するための型枠部材を前記製造ヤード内に配置する工程と、
    前記製造ヤードの前記固定型壁体と対向する他の2辺のセット位置に可動型壁体を配置する工程と、
    前記打設領域に水硬性材料を打設する工程と、
    前記可動型壁体を前記セット位置から前記製造ヤードの外方へ移動させる工程と、
    を有することを特徴とする方形ブロックの製造方法。
  2. 前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させた後、前記型枠部材を取り外して空間箇所を形成する工程と、
    前記製造ヤードの前記セット位置に前記可動型壁体を再び配置する第1工程と、
    前記空間箇所を次の打設領域とし、直近で打設した方形ブロックを型枠部材として、当該打設領域に水硬性材料を打設する第2工程と、
    該第2工程の後、前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させ、前記型枠部材とした前記方形ブロックを取り出して空間箇所を形成する第3工程と、
    を有し、
    以降、前記第1工程から第3工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の方形ブロックの製造方法。
  3. 前記型枠部材は、方形ブロックの製品寸法と同寸法に製作された型枠ブロックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方形ブロックの製造方法。
  4. 前記可動型壁体を前記製造ヤードの外方へ移動させた後、直近で打設した方形ブロックを取り出す工程を有し、
    前記型枠ブロックを同位置に配置させた状態で、以降、前記型枠部材として繰り返し使用することを特徴とする請求項3に記載の方形ブロックの製造方法。
  5. 打設される前記方形ブロックの上部に吊り治具を埋設することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  6. 前記方形ブロックを形成する水硬性材料は、スランプが5〜12cmのコンシステンシーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  7. 前記方形ブロックを形成する水硬性材料は、製鋼スラグ60〜70vol%、高炉セメント若しくは高炉スラグ微粉末10〜20vol%、水10〜20vol%の混合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  8. 前記水硬性材料の打設前の状態において、前記打設領域を画成する前記型枠部材の側面、前記固定型壁体の内面、前記可動型壁体の内面、及び前記製造ヤードの上面に、疎水性のエマルジョンを塗布することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  9. 前記水硬性材料の打設前の状態において、前記打設領域を画成する前記型枠部材の側面、前記固定型壁体の内面、前記可動型壁体の内面、及び前記製造ヤードの上面に、樹脂製のシートを配設することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  10. 前記方形ブロックの打設面上面には、所望の凹凸を設けることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方形ブロックの製造方法。
  11. 敷地内で水硬性材料から形成される多数の方形ブロックを製造するための方形ブロックの製造システムであって、
    前記敷地内で平面に成形されるとともに複数の前記方形ブロックを縦横方向に配列可能な製造ヤードと、
    前記製造ヤードの直交する2辺に設けられた固定型壁体と
    前記方形ブロックの縦横方向の両配列方向において、交互に前記方形ブロックの打設領域を形成するために移動可能に設けられ、かつ前記方形ブロックと同形に形成された型枠部材と、
    前記製造ヤードの前記固定型壁体と対向する他の直交2辺に設けられた可動型壁体と、
    を備え、
    前記可動型壁体は、セット位置から前記製造ヤードの外方へ移動自在に設けられていることを特徴とする方形ブロックの製造システム。
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