JP6091284B2 - 方向性結合器 - Google Patents
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Description
方向性結合器としては、2つの線路をブロードサイド結合させた構成がある(例えば、下記非特許文献1参照)。
このように、線路をブロードサイド結合させることで、方向性結合器を実現できる。
方向性結合器をマイクロストリップ線路やトリプレート線路で構成する場合、基板厚や線路幅などの製造上の制約により、方向性結合器の反射特性やアイソレーション量が最小となり、かつ結合量が最大となる結合線路インピーダンスが、カプラの各端子に接続される終端インピーダンスよりも低くなる場合がある。
結合線路インピーダンスが終端インピーダンスよりも低い場合、偶モード動作時の通過位相は、奇モード動作時の通過位相よりも進むため、偶/奇モード動作時で位相差が生じ、方向性が劣化するという課題がある。
よって、結合線路インピーダンスが終端インピーダンスよりも低い場合でも、第1の信号導体と第2の信号導体の真下にリアクタンス素子を設けると、偶モード動作時にはリアクタンス素子の影響を受け、リアクタンス素子がない場合よりも位相が遅れるが、奇モード動作時には第1の信号導体と第2の信号導体の対称面が電気壁となることからリアクタンス素子の影響を受けず通過位相は変化しないため、偶モード動作時の通過位相と奇モード動作時の通過位相を一致させることができることから、方向性が改善することができる効果がある。
以下、本発明の方向性結合器の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明するが、各図において、同一または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
図1と図2において、1000a〜1000eは誘電体基板、1001は誘電体基板1000cの一方の面に設けられた第1の信号導体、1002は誘電体基板1000dの一方の面に設けられた第2の信号導体である。
1101は第1の信号導体1001に設けられた第1の入出力端子、1102は第1の信号導体1001に設けられた第2の入出力端子である。
1103は第2の信号導体1002に設けられた第3の入出力端子、1104は第2の信号導体1002に設けられた第4の入出力端子である。
1301は第1の地導体1201の一部を削除した第1の削除部、1302は第2の地導体1202の一部を削除した第2の削除部である。
なお、第1の削除部1301、および第2の削除部1302の各辺の長さは、動作周波数における自由空間波長の1/4よりも十分小さく、例えば、1/10波長以下である。
図1から図4において、第1の信号導体1001と第2の信号導体1002は、重なるように配置され、ブロードサイド結合部を形成している。
図4におけるB−B’断面を磁気壁/電気壁とした場合、つまり、偶/奇モード動作時の断面図を図5に示す。
図5における断面B−B’は、偶モード動作時には磁気壁となり、奇モード動作時には電気壁となる。
図7は、従来の方向性結合器を示す斜視図である。
図6と図7において、9000a〜9000cは誘電体基板、9001は誘電体基板9000bの一方の面に設けられた第1の信号導体、9002は誘電体基板9000cの一方の面に設けられた第2の信号導体である。
9101は第1の信号導体9001に設けられた第1の入出力端子、9102は第1の信号導体9001に設けられた第2の入出力端子である。
9103は第2の信号導体9002に設けられた第3の入出力端子、9104は第2の信号導体9002に設けられた第4の入出力端子である。
9201は誘電体基板9000aの一方の面に設けられた第1の地導体、9202は第2の地導体である。
図6から図9において、第1の信号導体9001と第2の信号導体9002は、重ねて配置され、ブロードサイド結合部を形成している。
図9におけるB−B’断面を磁気壁/電気壁とした場合、つまり、偶/奇モード動作時の上面図を図10に示す。
図10における断面B−B’は、偶モード動作時には磁気壁となり、奇モード動作時には電気壁となる。
式(1)で表される結合線路インピーダンスZ’が、第1の入出力端子9101から第4の入出力端子9104の終端インピーダンスZoと等しくなるように、ブロードサイド結合部を設計することで、方向性結合器の反射特性やアイソレーション量が最小としつつ、かつ結合量が最大とすることができる。
例えば、製造上の制約により線路幅を細くすることができず、偶/奇モード動作時のインピーダンスZ’e/Z’oが、それぞれ80Ω/20Ωとなったとする。
このときの結合線路インピーダンスは、式(1)より40Ωとなる。
一方、一般的に、方向性結合器の前後に接続される回路のインピーダンスは、50Ωとなっているため、このときの方向性結合器の終端インピーダンスは、50Ωとなる。
結合線路長が短いため、偶/奇モード動作時の通過S21e/S21oの振幅は、ほぼ同じとなるが、図12のように、奇モード動作時の通過位相は、偶モード動作時の通過位相よりも遅れることになり、通過位相差が大きくなる。
つまり、結合線路インピーダンスが製造上の制約などにより、終端インピーダンスよりも低くなると、方向性が劣化するという課題がある。
なお、リアクタンス素子とは、リアクタンス素子が存在しない通常の直線線路と比べ、リアクタンス素子上を通過する信号の通過位相を遅らせる効果がある構造のことである。
本実施の形態1では、このリアクタンス素子を、第1の地導体1201の一部に、位相を遅らせる機能を有した、動作周波数の1/4波長に対して十分に小さい不連続構造からなる第1の削除部1301、および第2の地導体1202の一部に、位相を遅らせる機能を有した、動作周波数の1/4波長に対して十分に小さい不連続構造からなる第2の削除部1302により実現する。
図13に、実施の形態1による方向性結合器の偶モード動作時において、第1の信号導体1001上部の第1の地導体1201に流れる電流の経路を示す。
また、図13におけるA−A’断面の電界分布を図14に示す。
このため、図13に示すように、第1の地導体1201を流れる電流は、第1の削除部1301を迂回するように流れる。
一方、第1の削除部1301が設けられていない従来の方向性結合器では、第1の地導体9201を流れる電流は迂回しない。
つまり、本実施の形態1による方向性結合器では、従来の方向性結合器の偶モード動作時における通過位相よりも遅らせることが可能となる。
すなわち、第1の削除部1301は、リアクタンス素子として動作する。
実施の形態1による方向性結合器における奇モード動作時において、図15のように、第1の信号導体1001と第1の地導体1201の間隔よりも、第1の信号導体1001と電気壁となる断面B−B’の間隔の方が近くなるように決定する。
このことで、第1の信号導体1001から生じる電気力線は、第1の信号導体1001とB−B’断面の電気壁の間にのみ存在する。
このため、第1の信号導体1001を流れる電流のリターン電流は、第1の地導体1201に設けた第1の削除部1301の有無にかかわらず、電気壁となるB−B’断面を流れることになる。
つまり、実施の形態1の方向性結合器における奇モード動作時の通過位相は、第1の削除部1106がない従来の方向性結合器における奇モード動作時の通過位相と同じになる。
したがって、結合線路インピーダンスが終端インピーダンスよりも低い場合でも、偶モード動作時の通過位相と奇モード動作時の通過位相が一致するように第1の削除部1301の大きさを決定することで、偶/奇モード動作時の通過が打ち消し合い、アイソレーション量を小さくすることができるため、良好な方向性を実現できる。
なお、図16は、実施の形態1による他の方向性結合器を示す上面透視図であり、図において、1301a,1301b,1301cは第1の地導体1201に形成された第1の削除部である。
また、図16には示さないが、第1の削除部1301a,1301b,1301cの対称となる第2の地導体1202の3箇所の位置に、それぞれ第2の削除部を設ける。
本構成とすることで、偶モード動作時の通過位相が削除部を1つの場合よりも遅らせることができるため、偶/奇モード動作時の通過位相を合わせることが容易となることから、設計が容易になる。
地導体を1つにすることで、層数を減らせるため、低コスト化が可能である。
よって、結合線路インピーダンスが終端インピーダンスよりも低い場合でも、第1の信号導体1001と第2の信号導体1002の真上および真下に第1および第2の削除部1301,1302を設けると、偶モード動作時には第1および第2の削除部1301,1302の影響を受け、第1および第2の削除部1301,1302がない場合よりも位相が遅れるが、奇モード動作時には第1の信号導体1001と第2の信号導体1002の対称面が電気壁となることから第1および第2の削除部1301,1302の影響を受けず通過位相は変化しないため、偶モード動作時の通過位相と奇モード動作時の通過位相を一致させることができることから、方向性が改善することができる。
よって、第1の地導体1201の一部を削除した第1の削除部1301、および第2の地導体1202の一部を削除した第2の削除部1302により、リアクタンス素子を容易に構成することができる。
よって、通過位相を容易に一致させることができ、方向性が良好な方向性結合器を容易に設計することができる。
図18は、実施の形態2による方向性結合器を示す透視図である。
図19は、図18におけるA−A’断面を示す断面図である。
図18と図19において、1000は誘電体基板、1001は誘電体基板1000内に設けられた第1の信号導体、1002は誘電体基板1000内に設けられた第2の信号導体である。
1101は第1の入出力端子、1102は第2の入出力端子、1103は第3の入出力端子、1104は第4の入出力端子である。
なお、第1の削除部1301、および第2の削除部1302の各辺の長さは、動作周波数における自由空間波長の1/10以下である。
図19におけるB−B’断面を磁気壁/電気壁とした場合、つまり、偶/奇モード動作時の断面図を図20に示す。
図20における断面B−B’は、偶モード動作時には磁気壁となり、奇モード動作時には電気壁となる。
つまり、接続導体1501、および第1の浮遊導体1401は、どの導体とも接続されていないことから、第1の信号導体1001を伝搬する電界に対しては影響を与えない。
したがって、電界分布は図21のようになる。
図21に示すように、B−B’断面は磁気壁となることから、信号線から生じた電気力線は第1の地導体1201で終端する。
このため、図22に示すように、第1の地導体1201を流れる電流は、第1の削除部1301を迂回するように流れる。
つまり、本実施の形態2による方向性結合器では、前記実施の形態1と同様に、従来の方向性結合器の偶モード動作時における通過位相よりも遅らせることが可能となる。
実施の形態2による方向性結合器の奇モード動作時において、接続導体1501は電気壁に接続されているため、第1の浮遊導体1401と接続導体1501は、地導体として動作する。
このため、第1の信号導体1001で生じた電気力線は、B−B’断面、および第1の浮遊導体1401で終端される。
したがって、第1の信号導体1001を流れる電流のリターン電流は、電気壁となるB−B’断面や、図24のように、第1の地導体1201や第1の浮遊導体1401にも流れることになる。
したがって、実施の形態2の方向性結合器における奇モード動作時の通過位相は、従来の方向性結合器における奇モード動作時の通過位相とほぼ同じになる。
図25は、実施の形態2による他の方向性結合器を示す上面透視図であり、図において、1601は第1の浮遊導体1401と第2の浮遊導体1402を接続する第1の接続導体、1602は第1の浮遊導体1401と第2の浮遊導体1402を接続する第2の接続導体である。
接続導体を2つ以上用いると、奇モード動作時における第1の浮遊導体1401と第2の浮遊導体1402は、2箇所以上で電気壁と接続されるため、1つの場合よりも、より理想的な地導体として動作するため、設計が容易となる。
図26は、実施の形態2による他の方向性結合器を示す上面透視図であり、図において、1301a,1301b,1301cは第1の地導体1201に形成された第1の削除部である。
1401a,1401b,1401cは、それぞれ第1の削除部1301a,1301b,1301cの内部に設けられた第1の浮遊導体である。
さらに、図26には示さないが、第1の削除部1301a,1301b,1301cの対称となる第2の地導体1202の3箇所の位置に、それぞれ第2の削除部を設け、第1の浮遊導体1401a,1401b,1401cの対称となる第2の地導体1202の3箇所の位置に、それぞれ第2の浮遊導体を設ける。
1501aは、第1の浮遊導体1401aと対称となる第2の浮遊導体を接続する第1の接続導体、1501bは、第1の浮遊導体1401bと対称となる第2の浮遊導体を接続する第1の接続導体、1501cは、第1の浮遊導体1401cと対称となる第2の浮遊導体を接続する第1の接続導体である。
本構成とすることで、偶モード動作時の通過位相が削除部を1つの場合よりも遅らせることができるため、偶/奇モード動作時の通過位相を合わせることが容易となることから、設計が容易になる。
図27は、実施の形態2による他の方向性結合器を示す上面透視図である。
図28は、図27のA−A’断面における断面図である。
図において、2001は第1の信号線路、2002は第2の信号線路である。
図29は、実施の形態2による他の方向性結合器を示す上面透視図である。
図において、1701は第1の地導体1201に形成され、第1の信号導体1001の中心部に端部が形成された第1の削除部である。
1801は第1の削除部1701の内部に設けられた第1の浮遊導体である。
さらに、図29には示さないが、第1の削除部1701の対称となる第2の地導体1202の位置に第2の削除部を設け、第1の浮遊導体1801の対称となる第2の地導体1202の位置に第2の浮遊導体を設ける。
1901は第1の浮遊導体1801と対称となる第2の浮遊導体を接続する接続導体である。
よって、第1の削除部1301および第2の削除部1302の調整に加えて、第1の浮遊導体1401および第2の浮遊導体1402の大きさおよび形状の調整により、通過位相を一致させることができ、方向性が良好な方向性結合器を容易に設計することができる。
また、接続導体1501は、第1の浮遊導体1401と第2の浮遊導体1402の間の電気的平衡を保ち、より良好な特性が得られる。
Claims (7)
- 第1の信号導体と、
前記第1の信号導体と異なる平面に配置され、かつ該第1の信号導体と平行に配置された第2の信号導体と、
前記第1の信号導体および前記第2の信号導体から隔離して設けられ、かつ該第1の信号導体および該第2の信号導体から見て同一方向に配置された地導体と、
前記地導体に設けられ、かつ前記第1の信号導体および前記第2の信号導体の真下に配置され、位相を遅らせる機能を有した動作周波数の1/4波長に対して小さい不連続構造からなるリアクタンス素子と、
を備えた方向性結合器。 - 前記リアクタンス素子は、
前記地導体の一部を削除した削除部により構成されたことを特徴とする請求項1記載の方向性結合器。 - 前記リアクタンス素子は、
少なくとも2つ以上設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の方向性結合器。 - 第1の信号導体と、
前記第1の信号導体と異なる平面に配置され、かつ該第1の信号導体と平行に配置された第2の信号導体と、
前記第1の信号導体および前記第2の信号導体から隔離して設けられ、かつ該第1の信号導体および該第2の信号導体よりも上に配置された第1の地導体と、
前記第1の信号導体および前記第2の信号導体から隔離して設けられ、かつ該第1の信号導体および該第2の信号導体よりも下に配置された第2の地導体と、
前記第1の地導体に設けられ、かつ前記第1の信号導体および前記第2の信号導体の真上に配置され、位相を遅らせる機能を有した動作周波数の1/4波長に対して小さい不連続構造からなる第1のリアクタンス素子と、
前記第2の地導体に設けられ、かつ前記第1の信号導体および前記第2の信号導体の真下に配置され、位相を遅らせる機能を有した動作周波数の1/4波長に対して小さい不連続構造からなる第2のリアクタンス素子と、
を備えた方向性結合器。 - 前記第1のリアクタンス素子は、
前記第1の地導体の一部を削除した第1の削除部により構成され、
前記第2のリアクタンス素子は、
前記第2の地導体の一部を削除した第2の削除部により構成されたことを特徴とする請求項4記載の方向性結合器。 - 前記第1のリアクタンス素子は、
前記第1の削除部に加え、前記第1の地導体に非接触に該第1の削除部内に設けられた第1の浮遊導体により構成され、
前記第2のリアクタンス素子は、
前記第2の削除部に加え、前記第2の地導体に非接触に該第2の削除部内に設けられた第2の浮遊導体により構成され、
前記第1の浮遊導体と前記第2の浮遊導体は、
少なくとも1つ以上の接続導体により接続されたことを特徴とする請求項5記載の方向性結合器。 - 前記第1のリアクタンス素子および前記第2のリアクタンス素子は、
それぞれ少なくとも2つ以上設けられたことを特徴とする請求項4から請求項6のうちのいずれか1項記載の方向性結合器。
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