JP6103246B2 - 充電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池の充電を行う充電装置に関する。
従来から、多段定電流方式による鉛蓄電池の充電方法が知られている。多段定電流方式では、各段において予め設定された一定の充電電流にて充電して、所定の充電電圧に達した場合に次の段に移行し、最終段において予め設定された所定の充電電圧に達した場合に充電を終了する。例えば、特許文献1に記載の充電方法では、1段目充電時の電池電槽温度を用いて1段目の充電による充電電気量を補正し、この補正された充電電気量を基に2段目の充電時間が制御されている。
特開平11−89104号公報
ところで、鉛蓄電池では、過充電となると水素ガスや酸素ガスが発生し、電解液が減少する液枯れが生じて電池寿命に影響が及ぶ虞がある。一方、鉛蓄電池の充電量が不足した状態で使用を続けると、活物質(硫酸鉛:PbSO)が不活性化し蓄電量が低下するといったサルフェーションの問題が生じ得る。このような問題を解決するために、鉛蓄電池の放電量を計測して記憶し、この放電量を充電装置に通信手段にて送信して、放電量に応じて充電を行う方法が提案されている。また、鉛蓄電池の残容量(充電状態、SOC:state of charge)を推定し、放電量(空き容量)に対して一定の係数を乗じた充電量を充電する方法も提案されている。
しかしながら、上述の充電方法では、放電量を記憶すると共に放電量を充電装置に送信する通信手段が必要であり、構成の複雑化が避けられない。また、鉛蓄電池の充電状態の推定精度によっては、依然として過充電や充電不足の問題が生じ得る。また、いずれの方法においても、最適な充電の実現には充電電流及び充電電圧を高精度に計測する必要があり、高精度の電圧計、電流計が必要となるためコストが増大するといった問題がある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、コストの増大を抑えつつ、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる充電装置を提供することにある。
本発明者らは、コストの増大を抑えつつ、鉛蓄電池の適切な充電を実現するという目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、多段電流方式の充電において、所定の段数の電流値を調整することで、その段数において鉛蓄電池の充電量が一定になることを見出し、当該段数の充電量を用いることにより最終段の鉛蓄電池の充電時間を最適に算出でき、鉛蓄電池の適切な充電を実現できるという知見を得た。本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
すなわち、本発明の充電装置は、N段の多段定電流方式により鉛蓄電池の充電を行う充電装置であって、前記鉛蓄電池の充電を制御する制御部を備え、前記制御部は、N段目の充電時間をT、前記鉛蓄電池の定格容量をW、前記鉛蓄電池の最適充電量をC、N−2段目における前記鉛蓄電池の残容量をCN−2、N−1段目の充電時間をTN−1、前記N−1段目の充電電流をIN−1、N段目の充電電流をIとして、T=[W×(C−CN−2)−(TN−1×IN−1)]/Iにより前記N段目の充電時間Tを求め、N段目において充電を前記充電時間T実施して充電を終了する。
この充電装置では、N段目の充電時間Tを、鉛蓄電池の最適充電量CとN―2段目における鉛蓄電池の残容量CN−2との差を用いて求めている。本発明者らの研究により、N−2段目の電流値を調整することでN−2段目における鉛蓄電池の残容量は、鉛蓄電池の充電において一定となることが見出された。そのため、高精度の計測器を用いたり、複雑な算出方法を用いたりしなくても、N−2段目における鉛蓄電池の残容量CN−2を把握できる。そして、そのN−2段目における鉛蓄電池の残容量CN−2を一つの基準として用いることにより、累積的な誤差を低減でき、N段目の充電時間Tを精度良く算出できる。これにより、最終段であるN段目において最適な充電量を鉛蓄電池に与えることができる。したがって、コストの増大を抑えつつ、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる。
また、上記充電装置において、N−2段目の前記鉛蓄電池の残容量CN−2において、前記鉛蓄電池の温度に基づく値を加味する。このように、鉛蓄電池の温度を加味することにより、N段目の充電時間Tをより良好に求めることができる。
また、上記充電装置において、N−1段目の充電時間TN−1を計測する計測部を備え、前記制御部は、前記計測部の計測時間が基準充電時間よりも予め定めた判定時間以上、短くなった場合にリフレッシュ充電を実行させる。この充電装置では、鉛蓄電池の充電量を一定量とした状態において充電時間を計測し、その計測時間と基準充電時間の差をもとにリフレッシュ充電を実行させる。つまり、リフレッシュ充電を、実際の鉛蓄電池の状態を監視し、その監視結果をもとに実行させる。このため、鉛蓄電池の状態としてリフレッシュ充電が必要な時に、リフレッシュ充電を実行させることができる。したがって、効果的にリフレッシュ充電を実行することによって、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる。
また、上記充電装置において、前記制御部は、リフレッシュ充電後、最初の充電時に前記基準充電時間を設定する。この充電装置では、基準充電時間として適切な時間を設定し、リフレッシュ充電を実行させるか否かの判断を行うことができる。
本発明によれば、コストの増大を抑えつつ、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる。
充電装置の構成を示すブロック図。 充電条件を示す表。 多段定電流方式により充電を行う場合の充電時間と充電電圧の関係を示すグラフ。
以下、充電装置を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、鉛蓄電池10の充電を行う充電装置11は、充電を制御する制御部12と、時間を計測する計測部13と、を備えている。充電時に鉛蓄電池10と充電装置11とを接続する給電線L1には、電力計14が配置されている。電力計14の計測結果は、充電装置11に送信される。電力計14は、電圧値及び電流値を計測する。また、充電装置11は、給電線L2を介して電力系統15と接続されている。充電装置11は、電力系統15から供給される電力を受電する。電力系統15は、電力を送電するための送電システムである。鉛蓄電池10は、充電装置11からの電力供給を受けて充電される。また、充電装置11は、温度センサ16を有する。制御部12は、温度センサ16の検出結果から鉛蓄電池10の温度を計測する温度計測部として機能する。本実施形態の鉛蓄電池10は、シール式鉛蓄電池である。
この実施形態において制御部12は、多段定電流方式で鉛蓄電池10の充電を制御する。多段定電流方式は、定電流で充電を行うとともに充電電圧が所定電圧に到達する毎に電流値を段階的に下げて充電を行う方式である。
図2に示すように、この実施形態において制御部12は多段定電流方式の段数を5段とし、以下の充電条件に基づいて鉛蓄電池10を充電する。
1段目は、Iの充電電流で充電を行い、充電電圧がV+kV[V]に到達したら2段目に移行させる。2段目は、Iの充電電流で充電を行い、充電電圧がV+kV[V]に到達したら3段目に移行させる。3段目は、Iの充電電流で充電を行い、充電電圧がV+kV[V]に到達したら4段目に移行させる。4段目は、Iの充電電流で充電を行い、充電電圧がV+kV[V]に到達したら5段目に移行させる。5段目は、Iの充電電流で充電を行い、充電時間Tで充電を終了させる。
上記の充電条件において、充電電流I〜Iは、例えば0.5CA〜0.03CAに設定されており、段数により段階的に小さくなる。移行電圧である充電電圧V〜Vは、例えば2.4V/セルに設定されている。上記充電条件の充電電圧におけるkVは、鉛蓄電池10の温度に対する温度補正項である。温度補正項kV(V:ボルト)は、基準温度と計測温度との差に補正項を乗算して電圧に換算した値であり、電池特性に依存する。温度補正項の値は、予め実験などによって求められており、制御部12に記憶されている。
制御部12は、以下の式(1)により5段目の充電時間Tを算出する。
=[W×(C−CN−2+K)−(TN−1×IN−1)]/I …(1)
上記式(1)において、T:N段目の充電時間(h)、W:鉛蓄電池10の定格容量(Ah)、C:鉛蓄電池10の最適充電量(%)、CN−2:N−2段目における鉛蓄電池10の残容量(%)、K:温度補正項、TN−1:N−1段目の充電時間(h)、IN−1:N−1段目の充電電流(A)、I:N段目の充電電流(A)である。
この実施形態では、5段で鉛蓄電池10の充電を行うため、式(1)は以下の式(2)に書き換えられる。
=[W×(C−C+K)−(T×I)]/I …(2)
上記式(2)において、T:5段目の充電時間、W:鉛蓄電池10の定格容量、C:3段目における鉛蓄電池10の残容量(SOC:state of charge)、T:4段目の充電時間、I:4段目の充電電流、I:5段目の充電電流である。
定格容量Wは、鉛蓄電池10において、完全(満)充電状態から取出せる電気量の基準値であり、鉛蓄電池10の種類、特性に応じて予め設定されているものである。最適充電量は、満充電時の満充電量であり、鉛蓄電池10の種類、特性や充放電サイクル(均等充電の実施頻度)等に応じて設定される。温度補正項Kは、鉛蓄電池10の温度に基づいて設定される値である。鉛蓄電池10の充電の特性は、鉛蓄電池10の温度によって特性が変化するため、鉛蓄電池10の温度、具体的には基準温度と計測温度との差に基づいて温度補正項の値が設定されている。鉛蓄電池10の温度と温度補正項の値の関係は、例えば、予め実験等によって求められており、制御部12に記憶されている。
3段目における鉛蓄電池10の残容量Cは、鉛蓄電池10において一定値で設定されている値である。すなわち、3段目の電流値を最適に調整することによって、3段目から4段目へ移行する時の鉛蓄電池10の残容量(SOC)が一定値になるという特性を実験により見出しており、この特性を利用している。したがって、鉛蓄電池10の残容量Cにおいても、例えば、予め実験等によって求められており、最適充電量Cが放電量の105%である場合に、例えば放電量の95%に設定される。この3段目における鉛蓄電池10の残容量Cの値は制御部12に記憶されている。
制御部12は、所定の充電電流Iで充電を開始し、充電電圧がV+kV[V]に到達すると、次の段(2段目)に移行する。制御部12は、以降の段についても、所定の充電電流により充電を行い、充電電圧が設定した移行充電電圧に到達すると次の段に移行して最終段まで充電を行う。制御部12は、最終段では、上記式(2)により5段目(最終段)の充電時間Tを求め、5段目で充電を充電時間T実施すると鉛蓄電池10の充電を終了する。
上記のように、本発明者らは、鉛蓄電池10の適切な充電を実現する目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、多段定電流方式の充電において、所定の段数の電流値を調整することで、その段数において鉛蓄電池10の残容量が一定になることを見出した。また、所定の段数の残容量を用いることにより最終段の鉛蓄電池10の充電時間を最適に算出でき、鉛蓄電池10の適切な充電を実現できるという知見を得た。
図3は、多段定電流方式の充電を5段で行う場合の充電時間と充電電圧との関係を示すグラフである。図3では、充電を2回実施した際の結果を示している。本実施形態では、前述したように、N段目(本実施形態では5段目)の充電時間Tを、鉛蓄電池10の最適充電量CとN−2段目における鉛蓄電池10の残容量CN−2との差を用いて求めている。このため、図3に示すように、いずれの充電結果においても、3段目以外の段においては鉛蓄電池10の残容量(SOC)にずれが生じているものの、3段目(N−2段目)の鉛蓄電池10の残容量が一定となっている。
ところで、鉛蓄電池10は電気車両などの動力源として利用されている。鉛蓄電池10は、放電に伴って蓄電量が減少すると、充電装置によって充電が行われる。しかしながら、鉛蓄電池10は、満充電としない充電不足状態の充電回数が増加すると、正極又は負極の活物質が結晶化して充電し難い状態となり、容量劣化を招く。このため、容量劣化を解消するために、鉛蓄電池を過充電状態とするリフレッシュ充電が行われている。なお、このようなリフレッシュ充電は、例えば特開2003−163034号公報に開示されている。
そして、この実施形態では、上記のように所定の段数(実施形態では3段目)の残容量が一定になる特性を利用し、リフレッシュ充電を適切なタイミングで実行させる制御を行う。
以下、図3にしたがって、制御部12がリフレッシュ充電を実行させる制御内容をその作用とともに説明する。
図3において、実線は初回の充電時又はリフレッシュ充電直後の充電時間と充電電圧の関係を示す。また、図3において、破線は数〜数十サイクル後の充電時の充電時間と充電電圧の関係を示す。また、図3において、N:5段、N−1:4段、N−2:3段、N−3:2段、N−4:1段である。
図3に示すように、この実施形態では、N−2段目としての3段目の鉛蓄電池10の残容量が一定となっている。そして、制御部12は、3段目を、鉛蓄電池10の残容量が所定の一定量となる基準段として、リフレッシュ充電の実行可否を判断する。
制御部12は、3段目から4段目への移行に伴い、計測部13による時間の計測を開始させる。そして、制御部12は、4段目の充電電圧が予め定めた閾値電圧に達するまでの時間を計測部13に計測させる。閾値電圧は、4段目から5段目へ移行させる電圧であり、この実施形態ではV+kVである。
制御部12は、4段目の充電電圧が閾値電圧に達すると、4段目の基準充電時間Tと計測部13の計測時間TXとを比較する。基準充電時間Tは、制御部12に記憶されている。この実施形態において基準充電時間Tには、リフレッシュ充電後、最初の充電時に4段目の充電時間を計測し、その時間が基準充電時間Tとして設定される。なお、基準充電時間Tは、例えば、設計段階において予め実験等によって充電時間を求め、その時間を基準充電時間Tとして一義的に設定しても良い。また、基準充電時間Tは、例えば、鉛蓄電池10の最初の充電時に4段目の充電時間を計測し、その計測した時間を基準充電時間Tとして一義的に設定しても良い。
制御部12は、以下の式(3)により、リフレッシュ充電の実行可否を判断する。
(T−TX)≧α …(3)
上記式(3)において、T:N−1段目の基準充電時間T、TX:計測部13の計測時間、α:判定時間である。この実施形態において、Tは、4段目の基準充電時間Tである。
制御部12は、上記式(3)により、基準充電時間Tと計測時間TXの差ΔTが判定時間α以上の場合、すなわち計測時間TXが基準充電時間Tよりも判定時間α以上短くなった場合、リフレッシュ充電を実行させると判断する。一方、制御部12は、上記式(3)により、基準充電時間Tと計測時間TXの差ΔTが判定時間α未満の場合、リフレッシュ充電を実行させないと判断する。上記式(3)による結果は、リフレッシュ充電を実行させずに鉛蓄電池10を使用している場合には充電時の電圧の上昇が早くなるという特性をもとに得ている。つまり、この実施形態においてリフレッシュ充電は、3段目から4段目への移行時における鉛蓄電池10の残容量が一定であることを利用し、4段目の充電時間が基準充電時間Tよりも早くなったか否かによって実行可否を判断している。
制御部12は、リフレッシュ充電を実行させないと判断した場合、上記式(2)で算出される充電時間Tをもとに最終段(5段目)の充電を行う。
一方、制御部12は、リフレッシュ充電を実行させると判断した場合、上記式(2)で算出される充電時間Tよりも長い時間、充電を行う。つまり、制御部12は、充電時間を長くすることで、鉛蓄電池10を過充電の状態とする。
なお、上記式(3)の「α」は、鉛蓄電池10の運用方針など、使用者側がリフレッシュ充電をどのようなタイミングで実行させたいかによって任意に設定することができる。例えば、日常的に少なめの充電量で鉛蓄電池10を運用する場合であって、短いサイクルでリフレッシュ充電を実行させたいときには、αを小さく設定することでリフレッシュ充電を短いサイクルで実行させることができる。また、例えば、日常的に多めの充電量、すなわちほぼ満充電の充電量で鉛蓄電池10を運用する場合であって、長いサイクルでリフレッシュ充電を実行させたいときには、αを大きく設定することでリフレッシュ充電を長いサイクルで実行させることができる。
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)5段目の充電時間Tを、鉛蓄電池10の最適充電量Cと3段目における鉛蓄電池の残容量Cとの差を用いて求めている。そのため、高精度の計測器を用いたり、複雑な算出方法を用いたりしなくても、3段目における鉛蓄電池10の残容量Cを把握できる。そして、その3段目における鉛蓄電池10の残容量Cを一つの基準として用いることにより、累積的な誤差を低減でき、5段目の充電時間Tを精度良く算出できる。これにより、最終段である5段目において最適な充電量を鉛蓄電池10に与えることができる。したがって、コストの増大を抑えつつ、鉛蓄電池10の適切な充電を実現できる。
(2)また、本実施形態では、3段目における鉛蓄電池10の残容量Cに温度補正項Kを加えることにより、鉛蓄電池10の温度を加味している。すなわち、鉛蓄電池10の温度によって充電時間Tが補正される。これにより、充電時における鉛蓄電池10の使用状況に応じた充電を実行させることができる。
(3)多段定電流方式で充電を行う場合に、鉛蓄電池10の残容量を一定量とする所定段(実施形態では3段)を基準段とし、次の段の充電時間を計測し、その計測時間TXと基準充電時間Tの差ΔTをもとにリフレッシュ充電を実行させる。つまり、リフレッシュ充電を、実際の鉛蓄電池10の状態を監視し、その監視結果をもとに実行させる。このため、鉛蓄電池10の状態としてリフレッシュ充電が必要な時に、リフレッシュ充電を実行させることができる。したがって、効果的にリフレッシュ充電を実行することによって、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる。
(4)また、リフレッシュ充電を実行させるか否かの判断を、充電中に自動的に行うことから、常に最適なタイミングでリフレッシュ充電を実行させることができる。また、鉛蓄電池10の使用履歴や放電量等のデータの取得、記録などが必要となる複雑な判断手法を用いる必要がなく、また新たな計測器も必要がないので、リフレッシュ充電を実行させるために必要なコストの増加を抑制できる。したがって、効果的にリフレッシュ充電を実行できる。
(5)上記実施形態で例示した特開2003−163034号公報に開示されるリフレッシュ充電は、充電回数をもとに実行させている。鉛蓄電池10は、リフレッシュ充電によって容量劣化を解消し得る反面、リフレッシュ充電を頻繁に実施すると、ガス発生による格子腐食や液枯れによって寿命低下を招く虞がある。このため、リフレッシュ充電は、適度に実施されることが好ましい。
これに対し、この実施形態では、鉛蓄電池10の状態を監視してリフレッシュ充電を実行させるので、リフレッシュ充電の実行タイミングを最適化できる。その結果、リフレッシュ充電の回数を適度な回数とすることができる。したがって、リフレッシュ充電を頻繁に実行させることによって生じる現象、すなわちガス発生による格子腐食や液枯れなどを抑制し、鉛蓄電池10の寿命延伸効果を期待することができる。
(6)リフレッシュ充電の実行タイミングの最適化により、鉛蓄電池10の寿命延伸を図り得るので、鉛蓄電池10の使用者や保有者の維持費低減に寄与できる。
(7)鉛蓄電池10の温度を加味することにより、充電時における鉛蓄電池10の使用状況に応じた充電を実行させることができる。
(8)リフレッシュ充電後、最初の充電時に基準充電時間Tを設定するので、基準充電時間Tとして適切な時間を設定した状態で、リフレッシュ充電を実行させるか否かの判断を行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 鉛蓄電池10は、車載用鉛蓄電池や定置用鉛蓄電池の何れでも良い。また、その他の用途に用いる鉛蓄電池10でも良い。
○ 鉛蓄電池10を多段定電流方式で充電する場合、その段数を変更しても良い。例えば、2段〜4段でも良いし、6段以上でも良い。
○ 電力計14に代えて、電圧計や電流計としても良い。
○ 多段定電流方式の各段の充電電圧に温度を加味してなくても良い。また、式(1),(2)において温度補正項Kを省略しても良い。
○ リフレッシュ充電を実行させる場合、所定の充電量に到達したことを契機に充電を終了させても良い。所定の充電量は、例えば、リフレッシュ充電を実行させる最終段の充電量でも良い。この場合、最終段の充電量を計測し、その充電量が過充電状態となり得る所定の充電量に到達したことを契機に充電を終了しても良い。また、所定の充電量は、鉛蓄電池10の総充電量でも良い。この場合、充電開始時における鉛蓄電池10の充電量(SOC)を検出しておけば、充電を開始してからの総充電量を検出することができるので、その総充電量が過充電状態となり得る所定の総充電量に到達したことを契機に充電を終了しても良い。
○ リフレッシュ充電を実行させるか否かを判断する際に鉛蓄電池10の残容量を一定量とすれば良い。このため、残容量を一定量とする方法は、実施形態の記載事項に限定されず、他の方法を用いても良い。例えば、図2において、1段〜3段を他の充電方式で充電させた結果、残容量を一定量とし、4段〜定電流方式で充電を行わせても良い。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)N段の多段定電流方式により鉛蓄電池の充電を行う充電方法であって、N段目の充電時間をT、前記鉛蓄電池の定格容量をW、前記鉛蓄電池の最適充電量をC、N−2段目における前記鉛蓄電池の残容量をCN−2、N−1段目の充電時間をTN−1、前記N−1段目の充電電流をIN−1、N段目の充電電流をIとして、T=[W×(C−CN−2)−(TN−1×IN−1)]/IによりN段目の充電時間Tを求め、N段目において充電を前記充電時間T実施して充電を終了する。実施形態の制御部12は、上記充電方法を用いて鉛蓄電池10の充電を行う。これにより、鉛蓄電池10の適切な充電を実現できる。なお、上記充電方法を実現するための制御情報(プログラムなど)は制御部12に記憶されている。
(ロ)鉛蓄電池の充電を行う充電装置であって、鉛蓄電池の残容量を所定の一定量とした状態で定電流方式によって鉛蓄電池の充電を制御する第1の制御部と、定電流方式の充電において充電電圧が予め定めた閾値電圧に達するまでの充電時間を計測する計測部と、計測部の計測時間が基準充電時間よりも予め定めた判定時間以上、短くなった場合にリフレッシュ充電を実行させる第2の制御部と、を備えた充電装置。上記実施形態の制御部12が、第1の制御部及び第2の制御部として機能する。
技術的思想(ロ)は、上記別例で記載したように残容量を一定量とする方法を問わず、残容量を一定量とした状態でリフレッシュ充電を行うことに着目した思想である。この技術的思想(ロ)の充電装置では、鉛蓄電池の充電量を一定量とした状態において充電時間を計測し、その計測時間と基準充電時間の差をもとにリフレッシュ充電を実行させる。つまり、リフレッシュ充電を、実際の鉛蓄電池の状態を監視し、その監視結果をもとに実行させる。このため、鉛蓄電池の状態としてリフレッシュ充電が必要な時に、リフレッシュ充電を実行させることができる。したがって、効果的にリフレッシュ充電を実行することによって、鉛蓄電池の適切な充電を実現できる。
(ハ)上記技術的思想(ロ)の充電装置において、第1の制御部は、鉛蓄電池を多段定電流方式で充電を行い、最終段をN段と規定したときにN−1段よりも前の段には鉛蓄電池の残容量を所定の一定量とする基準段が定められており、計測部は、基準段から次の段への移行に伴って充電時間を計測する。この充電装置では、実施形態に記載した効果(3)、(4)と同様の効果を得ることができる。
(ニ)上記技術的思想(ロ)、(ハ)の充電装置において、第1の制御部は、N段目の充電時間をT、鉛蓄電池の定格容量をW、鉛蓄電池の最適充電量をC、N−2段目における鉛蓄電池の残容量をCN−2、N−1段目の充電時間をTN−1、N−1段目の充電電流をIN−1、N段目の充電電流をIとして、T=[W×(C−CN−2)−(TN−1×IN−1)]/IによりN段目の充電時間Tを求め、N段目において充電を充電時間T実施して充電を終了させ、計測部は、N−1段目の充電時間TN−1を計測する。この充電装置では、実施形態に記載した効果(1)と同様の効果を得ることができる。
(ホ)上記技術的思想(ロ)、(ハ)、(ニ)のうちいずれか一つに記載の技術的思想の充電装置において、鉛蓄電池の温度を計測する温度計測部を備え、第1の制御部は、温度計測部の計測温度をもとに充電電圧を補正する。この充電装置では、実施形態に記載した効果(7)と同様の効果を得ることができる。
(ヘ)上記技術的思想(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)のうちいずれか一つに記載の技術的思想の充電装置において、第2の制御部は、リフレッシュ充電後、最初の充電時に基準充電時間を設定する。この充電装置では、実施形態に記載した効果(8)と同様の効果を得ることができる。
10…鉛蓄電池、11…充電装置、12…制御部、13…計測部、16…温度センサ、T…基準充電時間、TX…計測時間、α…判定時間、I〜I…充電電流、W…定格容量、C,C…残容量、T,T…充電時間。

Claims (4)

  1. N段の多段定電流方式により鉛蓄電池の充電を行う充電装置であって、
    前記鉛蓄電池の充電を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、N段目の充電時間をT、前記鉛蓄電池の定格容量をW、前記鉛蓄電池の最適充電量をC、N−2段目における前記鉛蓄電池の残容量をCN−2、N−1段目の充電時間をTN−1、前記N−1段目の充電電流をIN−1、N段目の充電電流をIとして、
    =[W×(C−CN−2)−(TN−1×IN−1)]/I
    によりN段目の充電時間Tを求め、N段目において充電を前記充電時間T実施して充電を終了することを特徴とする充電装置。
  2. N−2段目の前記鉛蓄電池の残容量CN−2において、前記鉛蓄電池の温度に基づく値を加味する請求項1に記載の充電装置。
  3. N−1段目の充電時間TN−1を計測する計測部を備え、
    前記制御部は、前記計測部の計測時間が基準充電時間よりも予め定めた判定時間以上、短くなった場合にリフレッシュ充電を実行させる請求項1又は請求項2に記載の充電装置。
  4. 前記制御部は、リフレッシュ充電後、最初の充電時に前記基準充電時間を設定する請求項3に記載の充電装置。
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