JP6107460B2 - 乗物用シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用、飛行機用、船用、電車用等の乗物用シート及びその製造方法に関する。
車両用シートにおけるシートバックのシートカバーの固定の仕方には、各種のものがあるが、下記特許文献1には、シートバック背面のバックボードに形成された溝内にシートカバーの端末を結合して固定するものが開示されている。この場合、バックボードの表面にはカーペットが貼設されており、このカーペットの端末もシートカバーの端末と同様に、バックボードの溝内に挿入されている。
特開2013−102855号公報
しかし、上記特許文献1の技術の場合、シートカバーの端末をバックボードの溝内に挿入して固定するのみならず、カーペットの端末もバックボードの溝内に挿入して貼設する必要があり、作業に手間がかかり、生産性が悪かった。
このような問題に鑑み本発明の課題は、シートカバーを固定用溝内へ挿入する動きをカーペットに伝えてカーペットの端末を溝内に押し込むことにより、カーペットの端末を溝内に挿入するための作業を軽減して生産性を改善することにある。
本発明の第1発明は、骨格としてのシートフレームの着座面側を、シートパッドを介在させてシートカバーで被い、非着座面側をシートカバーより変形に対する剛性の高い表皮材であるカーペットによって被って成り、前記シートカバーと前記カーペットとの境界線に沿って両端末を嵌め込んで固定するための溝を持った端末固定部を備える乗物用シートの製造方法であって、前記シートカバーの端末には、そのシートカバーと一体化されて前記溝内に挿入して固定することが可能な剛性を備えた挿入体を固定し、前記カーペットは、その端末が前記溝の入口を被うように前記溝の上まで食み出して配置し、前記挿入体を溝内に挿入するとき、前記カーペットの端末が挿入体に当接して溝内に押し込まれて固定されることを特徴とする。
第1発明によれば、シートカバー及びカーペットの各端末を溝内に挿入して固定するに当り、カーペットの端末を溝の入口を被うように溝の上まで食み出して配置し、シートカバーに固定された挿入体の溝内への挿入時に、挿入体にカーペットの端末を当接させて、挿入体の溝内への挿入と共にカーペットの端末も溝内へ挿入する。そのため、カーペットの端末を溝内に挿入するための作業を軽減して生産性を改善することができる。
本発明の第2発明は、骨格としてのシートフレームの着座面側を、シートパッドを介在させてシートカバーで被い、非着座面側をシートカバーより変形に対する剛性の高い表皮材であるカーペットによって被って成り、前記シートカバーと前記カーペットとの境界線に沿って両端末を嵌め込んで固定するための溝を持った端末固定部を備える乗物用シートであって、前記シートカバーの端末には、そのシートカバーと一体化されて前記溝内に挿入して固定することが可能な剛性を備えた挿入体を備え、前記カーペットは、その端末が前記溝の入口を被うように前記溝の上まで食み出して配置された状態で前記挿入体が溝内に挿入されるとき、その端末が挿入体に当接して溝内に押し込まれることによって固定されていることを特徴とする。
第2発明によれば、シートカバー及びカーペットの各端末を溝内に挿入して固定するに当り、溝の入口を被うように溝の上まで食み出して配置されたカーペットの端末が、シートカバーに固定された挿入体の溝内への挿入時に、挿入体に当接して溝内に押し込まれる。そのため、カーペットの端末は、シートカバーの端末の溝内への挿入操作時に同時に溝内へ挿入され、カーペットの端末を溝内に挿入するための作業を軽減して生産性を改善することができる。
また、カーペットは、溝の入口を被うように溝の上まで食み出して配置される程度の剛性を備えるため、溝内へ挿入された状態では挿入体と共に溝内に挿入されたシートカバー側へ弾性力を持って当接し、シートカバーとの間に隙間を作らないようにすることができる。
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記挿入体は、その先端に前記溝の幅より幅の大きい膨出部を備え、前記端末固定部は、前記挿入体が挿入されることによって溝幅が大きくなるように変形可能に構成されていることを特徴とする。
第3発明によれば、挿入体の膨出部は、溝を変形させながら溝内に挿入される。そのため、挿入体は、溝内に圧入されることになり、挿入体は、溝から容易に抜けないように固定することができる。
また、溝幅や膨出部の幅寸法が多少ばらついても、溝の変形によってそのばらつきを吸収することができ、溝幅や膨出部の幅寸法の製造精度をラフにすることができる。
本発明の一実施形態である車両用リヤシートの斜視図である。 図1のII−II線断面矢視図である。 図2と同様の断面図であり、シートカバーが固定される前の状態を示す。
図1〜3は、本発明の一実施形態を示す。この実施形態は、自動車用リヤシート(以下、単にシートという)に本発明を適用した例を示す。このシート2は、所謂6−4分割シートの4側のシートを示す。各図中、矢印によりシートを自動車に搭載した際の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
シート2は、周知のように、主に、シートバック4とシートクッション6とから成り、シートバック4にはヘッドレスト8を備えている。シートバック4は、骨格としてのバックフレーム(不図示。本発明のシートフレームに相当)の着座面側を、バックパッド(不図示。本発明のシートパッドに相当)を介在させてシートカバー12で被って成る。バックフレームの背裏側(非着座面側)には、発泡樹脂成形体10(本発明の端末固定部に相当)が、バックフレームをインサート材としてインサート成形にて設けられ、発泡樹脂成形体10の背裏側表面には、背裏カーペット(以下、単にカーペットという)14が接着、若しくは一体成形にて貼設されている。ここでは、バックフレームはパイプとワイヤとの組合せで構成されている。
発泡樹脂成形体10の背裏面には、シートバック4の上下、左右の輪郭線に沿うように溝10Aが形成されており、この溝10Aにシートカバー12及びカーペット14の各端末12A、14Aが嵌め込まれて固定されている。
図2には、シートカバー12及びカーペット14の各端末12A、14Aの溝10A内への嵌め込み構造が示されている。シートカバー12の端末12Aには、樹脂製で板状のフック16(本発明の挿入体に相当)が縫製部18により縫い付けられており、フック16が溝10A内に挿入されて固定されることによりシートカバー12を溝10A内に挿入して固定するようにしている。フック16の挿入端部には、矢じり形状の引掛部16A(本発明の膨出部に相当)が一体に形成されており、フック16が溝10A内に挿入されるとき、引掛部16Aは溝10Aの溝幅を押し広げるようにされ、挿入後は、引掛部16Aの両側の先鋭部が溝10Aの内壁に食い込んでフック16が溝10A内から容易に抜けないように固定されている。即ち、溝10Aの溝幅に対して引掛部16Aの幅が大きい寸法とされると共に、発泡樹脂成形体10は、フック16の引掛部16Aの溝10A内への挿入により弾性変形可能とされている。例えば、溝10Aの溝幅は5mm、引掛部16Aの幅は6〜7mmとされる。また、発泡樹脂成形体10は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、又はポリエチレンとポリスチレンの複合樹脂、等の発泡体であり、フック16はポリプロピレンから成る。
また、フック16の引掛部16Aの反対側には、フック16の挿入方向に対して略直角方向に延ばされた延出部16Bが形成されている。そのため、フック16と共にシートカバー12が溝10Aに挿入されて固定されたとき、延出部16Bは、フック16に近い側のシートカバー12が発泡樹脂成形体10に直接触れないようにして、シートカバー12の表面が滑らかに形成されるようにしている。即ち、延出部16Bがない場合には、シートカバー12はフック16の端部に触れ、その隣りでは発泡樹脂成形体10に触れることになり、シートカバー12の表面は凸凹面となり易い。それに対し、延出部16Bのシートカバー12側表面を滑らかに形成しておくことにより、延出部16Bの表面に触れたシートカバー12の表面が凸凹面となることを防止することができる。
図2、3から明らかなように、発泡樹脂成形体10の溝10Aより外縁側で、シートカバー12によって被われる部分は、溝10Aによって囲まれる内側より前後方向の厚さが薄く形成されている。そのため、その部分にフック16の延出部16Bが位置しても、シートバック4の背裏側でシートカバー12が突出することはない。
カーペット14は、シートカバー12に比べて変形に対する剛性の高い表皮材で形成されており、図3に示されるように、カーペット14が発泡樹脂成形体10の背裏側に貼設され、その端末14Aが溝10Aの上に食み出すようにされたとき、端末14Aは溝10Aの入口を被うように庇状に延びている。例えば、カーペット14の端末14Aの溝10A入口への食み出し長さ(図3における「L」の寸法に相当)は、5mm±2mmとされる。
そのため、フック16が発泡樹脂成形体10の溝10Aに挿入されるとき、カーペット14の端末14Aは、フック16に当接してフック16に押されるように溝10A内へ押し込まれ、フック16が溝10A内に固定されると、カーペット14の端末14Aも溝10A内に固定される。このとき、カーペット14の端末14Aの溝10A内への進入深さは、フック16の引掛部16Aの溝10A内への進入深さより浅くなるように調整されている。即ち、フック16の引掛部16Aの両側の先鋭部が溝10Aの内壁に食い込むのをカーペット14の端末14Aが邪魔しないようにしている。
このように、上記実施形態によれば、フック16を発泡樹脂成形体10の溝10Aに挿入するのみで、シートカバー12と共にカーペット14も溝10A内に挿入して固定することができ、カーペット14の端末14Aを溝10A内に挿入するための作業を軽減して生産性を改善することができる。
また、カーペット14は、上述のように剛性を備えるため、溝10A内へ挿入された状態ではシートカバー12側へ弾性力を持って当接し、シートカバー12との間に隙間を作らないようにすることができる。
更に、溝10Aの幅やフック16の引掛部16Aの幅寸法が多少ばらついても、溝10Aの変形によってそのばらつきを吸収することができ、溝10Aの幅や引掛部16Aの幅寸法の製造精度をラフにすることができる。
更にまた、カーペット14の端末14Aは、フック16に押し込まれて溝10A内に固定されるため、端末14Aの長さLにバラツキがあっても、常時安定して溝10A内に固定され、端末14Aの長さLが多少長くても溝10A内に入り切らない端末14Aが皺を形成するような不具合を抑制することができる。シートカバー12の長さのバラツキは、従来同様、バックパッドの弾性変形によって吸収される。そのため、シートカバー12及びカーペット14の各端末12A、14Aの溝10Aへの嵌め込み部をきれいに仕上げることができる。
なお、図1に示すような1個のシートバック4に対し、フック16は4個設けられ、シートバック4の発泡樹脂成形体10の背裏面に四角形状に形成された溝10Aの4辺にそれぞれ1個づつ配置されている。また、シートカバー12は、溝10Aに嵌り易いように立体形状に縫製され、カーペット14は、溝10Aに嵌り易いように溝10Aのコーナー部に切り込みが入れられている。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、
1.上記実施形態では、端末固定部を発泡樹脂成形体10によって構成したが、木製のバックボード、金属製の溝構成体によって構成しても良い。
2.上記実施形態では、挿入体であるフック16が溝10A内に圧入されることによってフック16が溝10A内に固定されたが、フック16の先端が溝内に形成された係止部によって係止されて固定されても良い。
3.上記実施形態では、カーペット14が端末固定部である発泡樹脂成形体10に貼設されたが、クリップによって固定されても良い。
4.上記実施形態では、本発明をシートバックに適用したが、シートクッションに適用しても良い。また、本発明をリヤシートに適用したが、フロントシートに適用しても良い。
5.上記実施形態では、本発明を自動車用シートに適用したが、飛行機用、船用、電車用等のシートに適用しても良い。
2 自動車用リヤシート(乗物用シート)
4 シートバック
6 シートクッション
8 ヘッドレスト
10 発泡樹脂成形体(端末固定部)
10A 溝
12 シートカバー
12A 端末
14 背裏カーペット(カーペット)
14A 端末
16 フック(挿入体)
16A 引掛部(膨出部)
16B 延出部
18 縫製部

Claims (2)

  1. 骨格としてのシートフレームの着座面側を、クッション体であるシートパッドを介在させてシートカバーで被い、非着座面側をシートカバーより変形に対する剛性の高い表皮材であるカーペットによって被って成り、
    前記シートカバーと前記カーペットとの境界線上の各端末を、前記シートフレームの非着座面側に固定した端末固定部の溝に嵌め込んで固定する乗物用シートの製造方法であって、
    前記シートカバーの前記端末には、そのシートカバーと一体化されて前記溝内に挿入して固定することが可能な剛性を備えた板状の挿入体を固定し、
    前記カーペットは、その前記端末が前記溝の入口を被うように前記溝の上まで食み出して配置し、
    前記挿入体を前記溝内に挿入するとき、前記カーペットの前記端末が、前記挿入体に当接し、前記挿入体に引き摺られて、前記シートカバーと共に溝内に押し込まれて固定され
    前記挿入体は、その先端に前記溝の幅より幅が大きく、前記溝の内壁に食い込む形状の膨出部を備え、
    前記端末固定部は、前記挿入体が挿入されることによって溝幅が大きくなるように変形可能に構成されており、
    前記カーペットは、前記溝内に押し込まれた状態で、前記挿入体の膨出部より前記溝内への挿入深さが浅くなるように前記端末の長さが設定されており、
    前記挿入体は、前記端末固定部の溝内に挿入された状態で、前記膨出部が溝の内壁に食い込んで挿入状態を維持可能とされていることを特徴とする乗物用シートの製造方法。
  2. 骨格としてのシートフレームの着座面側を、クッション体であるシートパッドを介在させてシートカバーで被い、非着座面側をシートカバーより変形に対する剛性の高い表皮材であるカーペットによって被って成り、
    前記シートカバーと前記カーペットとの境界線上の各端末を、前記シートフレームの非着座面側に固定した端末固定部の溝に嵌め込んで固定する乗物用シートであって、
    前記シートカバーの前記端末には、そのシートカバーと一体化されて前記溝内に挿入して固定することが可能な剛性を備えた板状の挿入体を備え、
    前記カーペットは、前記挿入体及び前記シートカバーと共に溝内に押し込まれることによって固定されており、
    前記挿入体は、その先端に前記溝の幅より幅が大きく、前記溝の内壁に食い込む形状の膨出部を備え、
    前記端末固定部は、前記挿入体が挿入されることによって溝幅が大きくなるように変形可能に構成されており、
    前記カーペットは、前記溝内に押し込まれた状態で、前記挿入体の膨出部より前記溝内への挿入深さが浅くなるように前記端末の長さが設定されており、
    前記挿入体は、前記端末固定部の溝内に挿入された状態で、前記膨出部が溝の内壁に食い込んで挿入状態を維持可能とされていることを特徴とする乗物用シート。
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