以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システム100は、アノード11a、及びカソード11bを備える固体酸化物型燃料電池11(以下、「燃料電池11」と略す;図中に「SOFC」と表記する場合がある)と、改質器12a及び燃焼器12bを含み、炭化水素原料を改質した改質ガスをアノード11aに供給する熱交換型改質装置12と、アノード11aより排出されるアノードオフガスを循環させる循環ポンプ13と、循環ポンプ13より送出されるアノードオフガスを所望の比率で分流させ、一方の系統を改質器12aに供給し、他方の系統を燃焼器12bに供給する分流弁14と、を備えている。分流弁14は、分流率を適宜変更することにより、アノードオフガスを改質器12aに循環させる際の循環率を変更することが可能とされている。
また、改質器12aに炭化水素原料を送出する第1燃料ポンプ15と、燃焼器12bに燃焼用の燃料を供給する第2燃料ポンプ16と、燃焼器12bに空気を供給する第2空気ブロワ17と、アノード11aに空気(酸化剤)を供給する第1空気ブロワ21と、燃焼器12bの排気ガスの熱で第1空気ブロワ21より送出される空気を加熱する熱交換器20と、を備えている。熱交換型改質装置12は、改質器12aと燃焼器12bの流体の入口が反対方向となっている。即ち、改質器12aの入口と燃焼器12bの出口が近接し、改質器12aの出口と燃焼器12bの入口が近接している。
更に、熱交換器20にて加熱された空気を更に加熱する加熱バーナ18と、該加熱バーナ18に燃焼用の燃料を供給する第3燃料ポンプ19と、を備えている。
また、燃料電池11の入口には第1温度計T1が設けられ、出口には第2温度計T2が設けられ、改質器12aの入口には第3温度計T3が設けられ、出口には第4温度計T4が設けられている。更に、燃料電池11には、該燃料電池11より出力される出力電流を検出する電流計I1が設けられている。
また、循環ポンプ13の出力、分流弁14の分流比率、第1〜第3燃料ポンプ15,16,19の出力、第1,第2空気ブロワ21,17の出力を制御する制御部31を備えており、該制御部31は、各温度計T1〜T4の検出信号、及び電流計I1の検出信号に基づいて、各ポンプ、ブロワを制御する。
具体的には、制御部31は、加熱バーナ18(燃料電池加熱手段)により燃料電池11が加熱されて発電可能な温度に昇温され、且つ、燃焼器12b(改質器加熱手段)により改質器12aが加熱されて改質可能な所定温度に昇温された際に、循環ポンプ13を作動させてアノードオフガスの改質器12aへの循環を開始し、且つ、燃料電池11の発電電力に応じてアノードオフガスの循環量を制御する。即ち、制御部31は、循環制御手段としての機能を備える。
また、制御部31は、改質器12aが改質可能な所定温度に到達するまでに要する時間と、燃料電池11が発電可能な温度に到達するまでに要する時間が略同一となるように、加熱バーナ18(燃料電池加熱手段)、及び燃焼器12b(改質器加熱手段)による加熱を制御する。即ち、制御部31は、加熱制御手段としての機能を備える。
更に、制御部31は、燃料電池11の発電電流の変化量に応じて、第1燃料ポンプ15から改質器12aに供給する燃料量、及び循環ポンプ13より送出されるアノードオフガス量を制御する。即ち、制御部31は、原料供給制御手段としての機能を備えている。
なお、制御部31は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。また、本実施形態では、ガソリンや炭化水素ガス等の炭化水素燃料を「燃料」と称し、燃料及び水等の改質反応に必要な成分を含む概念を「原料」と称することにする。
そして、本実施形態に係る燃料電池システム100では、燃焼器12bにて燃料を燃焼させることにより改質器12aに供給される原料を加熱し、改質器12aより出力される改質ガス温度が予め設定した所定温度に達するように制御する。これと同時に、加熱バーナ18にて燃料を燃焼させることにより、燃料電池11のカソード11bに供給される空気(酸化剤)を加熱し、燃料電池11の温度が所定温度に達するように制御する。この際、改質ガス温度、及び、燃料電池温度がそれぞれの所定温度に達する時刻がほぼ一致するように制御する。そして、この時刻に達した際に、アノードオフガスの循環を開始して、発電制御を行う。
以下、改質器12aの昇温開始時における温度変化、及び燃料電池11の昇温開始時における温度変化を、図11に示す特性図を参照して説明する。
図11(a)は、熱交換型改質装置12の説明図であり、改質器12aには改質原料が供給され、燃焼器12bには燃料、及び空気が供給される。上述したように、改質器12aの入口と燃焼器12bの入口は、反対の位置とされている。燃焼器12bに燃料、及び空気が供給されて燃焼が開始されると、燃焼器12bの入口における燃焼ガス温度は、図11(b)の曲線S11に示すように徐々に温度が上昇し、一定の時間が経過した後に略一定の温度となるように燃焼器12bに供給される燃料流量と空気流量が制御される。これに伴って、改質器12aの出口温度(第4温度計T4で検出される温度)は、曲線S12に示すように、燃焼器12bの入口における燃焼ガス温度S11よりも若干低い温度で徐々に上昇する。
また、燃焼器12bの出口における燃焼ガス温度は、曲線S13に示すように入口の燃焼ガス温度S11よりも低い温度で徐々に上昇し、改質器12aの入口温度(第3温度計T3で検出される温度)は、曲線S14に示すように、燃焼器12bの出口における燃焼ガス温度S13よりも若干低い温度で徐々に上昇する。そして、改質器12aの入口温度が、改質触媒のライトオフ温度(触媒が作用する温度;例えば、300℃)に達した時点で、改質器12aによる燃料改質が可能となるので、燃焼器12bへの燃料の供給を停止し、且つ、循環ポンプ13を作動させて燃焼器12bへのアノードオフガスの供給を開始する。更に、改質器12aへの改質原料(燃料及びアノードオフガス)の供給を開始する。
これにより、改質器12aにて改質ガスが生成され、この改質ガスが燃料電池11のアノード11aに供給されることになる。
一方、燃料電池11の昇温開始時には、第3燃料ポンプ19より加熱バーナ18に燃料が供給され、且つ第1空気ブロワ21より送出される空気(酸化剤)が供給されて燃焼することにより、燃焼ガスが生成され燃料電池11のカソード11bに供給される。燃料電池11の入口における燃焼ガス温度は、図11(c)の曲線S21に示すように、徐々に上昇し、所定の時間が経過すると略一定温度となるように制御される。これに伴って、燃料電池11の入口温度(第1温度計T1で検出される温度)は、曲線S22に示すように、燃焼ガス温度S21よりも若干低い温度で徐々に上昇する。
更に、燃料電池11の出口における燃焼ガス温度は、曲線S23に示すように、入口での燃焼ガス温度S21よりも低い温度で徐々に上昇し、これに伴って、燃料電池11の出口温度(第2温度計T2で検出される温度)は、曲線S24に示すように、出口での燃焼ガス温度S23よりも若干低い温度で徐々に上昇する。また、燃料電池11の入口温度と出口温度の平均温度は、曲線S25に示すように入口温度と出口温度の中間付近で変化する。
そして、燃料電池11の平均温度S25が発電可能温度に達すると、加熱バーナ18による燃焼を停止して発電を開始する。発電が開始されると、発電時に生じる発熱により、燃料電池11の温度は高温に維持されることになる。
本実施形態では、図11(b)に示した改質器12aの入口温度S14がライトオフ温度に達する時刻と、図11(c)に示した燃料電池11の平均温度S25が所定温度に達する時刻と、の双方が一致するように、燃焼器12bに供給する燃料及び空気を制御し、且つ、加熱バーナ18に供給する燃料を制御する。これにより、炭素析出等の問題が発生することなく安定的に燃料電池システム100を起動させる。
次に、改質器12aの入口温度がライトオフ温度に到達し、該改質器12aに原料の供給が開始された後の改質器12aの温度変化、及び改質器12aのS/C(スチーム、カーボン比)、O2/Cの(酸素、カーボン比)変化を、図12に示す特性図を参照して説明する。
図12(a)は、熱交換型改質装置12の改質器12a、燃焼器12bを示す図である。そして、改質器12aによる改質が開始されているので、燃焼器12bにはアノード11aより排出されるアノードオフガスの一部(改質器12aに循環されないアノードオフガス)、及び第2空気ブロワ17より送出される空気が供給されて燃焼する。その結果、改質器12aに供給される改質原料が改質されて改質ガスが生成される。
図12(b)に示すように、燃焼器12bの入口ガス温度は、曲線S31に示すように、ほぼ一定値とされ、改質器12aの出口温度は曲線S32に示すように、燃焼器12bの入口ガス温度S31よりも若干低い温度でほぼ一定値となるように変化する。更に、燃焼器12bの出口温度は、曲線S33に示すようにほぼ一定値で変化する。また、改質器12aの入口温度は、曲線S34に示すように徐々に上昇し、ほぼ一定値となるように変化する。
このとき、図12(c)に示すように、改質器12aの入口におけるS/Cは、原料の供給を開始した後、ゼロから急激に上昇し、ほぼ2〜3秒程度の短時間で一定値に到達する。また、O2/Cは、原料の供給を開始した後変化し、ほぼ2〜3秒程度の短時間で一定値に安定する。この結果から、燃料電池11内で水蒸気が不足する時間は極めて短く、炭素析出の影響を抑制することができることが理解される。
そして、本実施形態では、以下に示す処理手順により、改質器12aの入口温度がライトオフ温度に到達する時刻と、燃料電池11の平均温度が発電可能温度に到達する時刻が一致するように制御ことにより、炭素析出がなく、且つ、水分が結露することなく燃料電池11を運転させる。
次に、上述のように構成された本実施形態に係る燃料電池システム100の作用を、図2〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。図2は、本実施形態の基本的な処理手順を示すフローチャートである。この処理は、図1に示した制御部31により、予め設定した所定の演算周期で実行される。
初めに、ステップS11において、制御部31は、燃料電池11の温度が予め設定した第1所定温度以上であるか否かを判断する。具体的には、燃料電池11の入口側に設置した第1温度計T1による測定温度と、出口側に設置した第2温度計T2による測定温度の平均値を算出し(図11(c)のS25参照)、この平均値が発電可能温度として設定した第1所定温度に達したか否かを判断する。そして、第1所定温度未満である場合には、ステップS12に処理を進め、第1所定温度以上である場合には、ステップS13に処理を進める。
ステップS12では、燃料電池11の昇温制御を実行する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、燃料電池11の昇温制御の処理手順を詳細に説明する。図2に示すステップS31において、制御部31は、燃料電池11の入口温度の検知値「Tmps_i」を読み込む。次いで、ステップS32において、制御部31は、燃料電池11の出口温度の検知値「Tmps_O」を読み込む。
ステップS33において、制御部31は、上記の各検知値「Tmps_i」、「Tmps_O」に基づき、これらの平均値を算出して平均温度「Tmps_av」とする。ステップS34において、制御部31は、平均温度「Tmps_av」に基づいて、燃料電池11が発電可能な温度(第1所定温度)に到達するまでに要する時間である発電可能到達時間「Time_g」を推定する。更に、制御部31は、発電可能到達時間「Time_g」と予め設定されている目標到達時間「Tg_Time_g」との差分値「(Tg_Time_g)−(Time_g)」を演算し、この差分値に応じて第1空気ブロワ21より送出する空気量、及び第3燃料ポンプ19より供給する燃料量を設定する。
図13は、加熱バーナ18を起動した後の経過時間と燃料電池11の温度との関係を示す特性図であり、曲線P11は、時間経過に対する燃料電池11の目標温度を示し、曲線P12は、実測される平均温度の変化を示している。燃料電池11の目標温度P11のデータは図示省略のメモリ等に記憶されている。更に、該メモリには、上記の差分値(Tg_Time_g)−(Time_g)と、増量あるいは減量する空気量との関係が記憶されており、この関係に基づいて、第1空気ブロワ21での増量する空気量、或いは減量する空気量を設定する。
そして、ステップS35において、制御部31は、設定された空気量となるように、加熱バーナ18に供給する空気量、即ち、第1空気ブロワ21より送出する空気量を制御する。
更に、ステップS36において、制御部31は、第3燃料ポンプ19より加熱バーナ18に供給する燃料量が所定量になるように制御する。具体的には、図示省略のメモリ等に図14に示す如くの、加熱バーナ18を起動した後の時間経過と空気過剰率λ(λ=空気量/燃料量;質量比)との関係を示す特性データが記憶されており、この特性データに基づいて空気過剰率λを求める。更に、空気過剰率λ、及び上記の処理で設定した空気量に基づいて、燃料量を求め、この燃料量が供給されるように第3燃料ポンプ19の出力を制御する。
そして、上記のステップS31〜S36の処理を所定の演算周期で繰り返して実行することにより、図13に示す目標到達時間「Tg_Time_g」の経過後に、燃料電池11の温度が発電可能温度(第1所定温度)に到達するように制御することができる。
次に、図2のステップS13以降の制御について説明する。ステップS13において、制御部31は、改質器12aの温度が予め設定した第2所定温度以上であるか否かを判断する。具体的には、改質器12aの入口側に設置した第3温度計T3による測定温度がライトオフ温度として設定した第2所定温度(例えば、300℃)に達したか否かを判断する。そして、第2所定温度未満である場合には、ステップS14に処理を進め、第2所定温度以上である場合には、ステップS15に処理を進める。
ステップS14では、改質器12aの昇温制御を実行する。以下、図4に示すフローチャートを参照して、改質器12aの昇温制御の処理手順を詳細に説明する。ステップS51において、制御部31は、改質器12aの入口に設けられた第3温度計T3により、改質器12aの入口温度「Tr_i」を読み取る。次いで、ステップS52において、制御部31は、改質器12aの出口に設けられた第4温度計T4により、改質器12aの出口温度「Tr_O」を読み取る。
ステップS53において、制御部31は、読み取った入口温度「Tr_i」に基づいて、この入口温度が原料(炭化水素系燃料、アノードオフガス)の投入を開始することが可能な温度(第2所定温度)に達するまでの時間(原料投入可能時間)「Time_r」を推定する。この際、原料投入が可能な温度は、改質器12aの入口温度が、該改質器12aにおける触媒反応が可能となる温度(例えば、300℃)に設定される。図15は、加熱バーナ18を起動した後の経過時間と、改質器12aの入口温度との関係を示す特性図であり、曲線P13は、経過時間に対する改質器12aの目標温度を示し、曲線P14は、第3温度計T3により測定される改質器12aの入口温度変化を示している。改質器12aの目標温度P13のデータは図示省略のメモリ等に記憶されている。そして、検出した入口温度「Tr_i」と目標温度の曲線P13に基づいて、原料投入可能時間「Time_r」を推定する。
ステップS54において、制御部31は、原料投入可能時間「Time_r」での、改質器12aの出口側温度「Es_tr_O」を推定する。この処理では、時間経過に伴う出口側温度の特性曲線(図示省略)を用いることにより、ステップS52の処理で読み取った出口側温度「Tr_o」に基づいて、出口側温度「Es_tr_O」を推定することができる。
ステップS55において、制御部31は、図示省略のメモリ等に記憶されている改質器12aの目標出口温度「Tg_tr_o」を読み取る。この目標出口温度は、例えば、改質器12a出口でカーボンが析出しない温度である700℃に設定される。
ステップS56において、制御部31は、図15に示す曲線P13のデータに基づいて、改質器12aの入口温度が改質可能温度に到達するまでの目標到達時間「Tg_time_r」を取得し、更に、ステップS53の処理で推定した原料投入可能時間「Time_r」との関係に基づいて、「Tg_time_r」と「Time_r」が一致するように、燃焼器12bに供給する空気量、及び燃料量を制御する。詳細には、両者の差分値「(Tg_time_r)−(Time_r)」と増加或いは減少する空気量との関係を示す関数をメモリ(図示省略)等に記憶しておき、更に、基本空気量を記憶しておき、上記の差分値が求められた際に、これに対応する空気の増加量、減少量に基づいて供給する空気量を算出し、この空気量となるように図1に示す第2空気ブロワ17を制御する。
ステップS57において、制御部31は、ステップS56の処理で設定した空気量と、メモリ(図示省略)等に記憶されている空気過剰率λ(λ=空気量/燃料量;質量比)との関係に基づいて、燃焼器12bに供給する燃料量を求める。更に、制御部31は、出口温度「Es_tr_o」と目標出口温度「Tg_tr_o」との差分値「(Tg_tr_o)−(Es_tr_o)」を演算し、この差分値に応じて空気過剰率λを変更する。上記の差分値が正の値である場合、即ち(Tg_tr_o)>(Es_tr_o)の場合には、空気過剰率λが小さくなるように補正する。一方、差分値が負の値である場合、即ち(Tg_tr_o)<(Es_tr_o)の場合には、空気過剰率λが大きくなるように補正する。
つまり、上記の差分値が正の値であるということは、改質器12a出口の推定温度が目標温度よりも低いので、空気過剰率λが小さくなるように補正して改質器12aの出口温度と入口温度の差が大きくなるように制御することによって、出口温度が高くなるように制御し、これとは反対に、負の値であるということは、改質器12a出口の推定温度が目標温度よりも高いので、空気過剰率λが大きくなるように補正して、改質器12aの出口温度が低くなるように制御する。
そして、上記のステップS51〜S57の処理を所定の演算周期で繰り返して実行することにより、目標到達時間「Tg_time_r」にて改質器12aの入口温度が改質触媒のライトオフ温度(第2所定温度)に到達し、且つ、改質器12aの出口温度がカーボンが析出しない温度に到達するように制御することができる。また、急激な温度変動を抑制されるので、改質器12aに生じる熱衝撃を緩和することができる。
次に、図2のステップS15以降の制御について説明する。ステップS15において、制御部31は、改質器12aへの原料供給量制御を実施する。以下、原料供給量制御の詳細な処理手順を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
初めに、ステップS71において、制御部31は、燃料電池11に設置した電流計I1にて検出される電流値を読み取る。ステップS72において、制御部31は、燃料電池11による発電が開始されているか否かを判断する。そして、発電が開始されている場合には、ステップS73に処理を進め、開始されていない場合には、ステップS77に処理を進める。
ステップS77において、制御部31は、初期供給原料量を読み込む。この処理では、メモリ(図示省略)等に初期的に設定されている原料の供給量「Q_int」を読み込む。そして、ステップS78において、改質器12aに供給する原料量Qを初期的な原料量「Q_int」に設定する。その後、ステップS76に処理を進める。
一方、発電が開始されている場合にはステップS73において、制御部31は、電流計I1にて検出される電流値に基づき、所定時間間隔での出力電流の変化量ΔAを演算する。
ステップS74において、制御部31は、電流変化量ΔAに基づいて、改質器12aに供給する原料の変化量ΔQを演算する。原料の変化量ΔQは出力電流の変化量ΔAに比例するので、ΔQ=K*ΔAの演算で求めることができる。なお、Kは係数であり、既知の数値である。
ステップS75において、制御部31は、供給原料量Qを演算する。具体的には、前回演算時の供給原料量に、変化量ΔQを加算して今回の供給原料量とする。即ち、前回の供給原料量に対して、変化量ΔQを加算して今回の供給原料量を求める。
ステップS76において、制御部31は、燃料供給装置の駆動量を設定する。この処理では、第1燃料ポンプ15から改質器12aに供給する燃料量、及び循環ポンプ13,分流弁14によるアノードオフガスの供給量を設定する。そして、設定された燃料、アノードオフガスを改質器12aに供給する。
こうして、原料供給量制御を実行することにより、燃料電池11の発電電流に応じた原料供給量が設定され、改質器12aに原料が供給されることとなる。
次に、図2のステップS16以降の処理について説明する。ステップS16において、制御部31は、燃料電池11により発電された電力を取り出す処理を行う。即ち、燃料電池11より出力される電力を負荷に供給する処理を行う。更に、燃料電池11を構成する各セルのセル電圧が目標となるセル電圧となるように制御する。
ステップS17において、制御部31は、循環ポンプ13の制御を行う。以下、循環ポンプ制御の詳細な処理手順を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。初めに、ステップS91において、制御部31は、電流計I1により燃料電池11の発電電流を検出する。
ステップS92において、制御部31は、アノード11aより排出されるアノードオフガス量を演算する。アノードオフガス量は、燃料電池11の発電電流、改質器12aへの原料の供給量、及び循環ポンプ13による循環量、分流弁14による循環率に基づいて、演算により求めることができる。
ステップS93において、制御部31は、メモリ等に予め記憶されている発電電流と循環率との関係を示すデータ(例えば、図16に示す特性曲線)と、燃料電池11の発電電流とに基づいて、分流弁14における目標循環率を求める。
ステップS94において、制御部31は、目標負荷に応じて循環ポンプ13の回転数を設定し、且つ、ステップS95において、分流弁14の分流比を、上記のステップS93の処理で設定された目標循環率に設定する。こうすることにより、改質器12aにて必要とされるアノードオフガスを確実に該改質器12aに供給することが可能となる。
次に、図2のステップS18では、再加熱判断処理を実行する。以下、再加熱判断処理を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この処理では、燃焼器12bにより改質器12aを加熱し、且つ、加熱バーナ18にて燃料電池11のカソード11bに供給する空気を加熱したにも拘わらず、燃料電池11にて所望の発電電流が得られない場合に、改質器12a、及び燃料電池11を再度加熱することにより、所望の発電電流が得られるように制御する。以下、詳細に説明する。
初めに、図7のステップS101において、制御部31は、電流計I1により、燃料電池11の発電電流を検出する。
ステップS102において、制御部31は、発電が開始されているか否かを判断する。そして、発電が開始されていない場合には(ステップS102でNO)、ステップS108において、制御部31は、カウンタAをインクリメントし、ステップS109において、カウンタBをクリアする。
その後、ステップS110において、制御部31は、カウンタAのカウント値が予め設定した閾値Amaxを上回ったか否かを判断し、上回った場合には(ステップS110でYES)、ステップS111において、再加熱処理を実行する。再加熱処理の詳細については、後述する図8にて詳細に説明する。一方、カウント値が閾値Amaxを上回らない場合には(ステップS110でNO)、本処理を終了する。
即ち、ここでの処理では、加熱バーナ18によるカソード11bの加熱を行い、且つ燃焼器12bによる改質器12aの加熱を行ってシステムを起動しているにも拘わらず、発電が開始されない時間が所定時間(閾値Amaxで規定される時間)に達している場合には、何らかの原因で燃料電池11の一部の温度が発電を妨げる温度状態になっているものと考えられるので、ステップS111において、再加熱処理を実行する。
一方、ステップS102の処理において、発電が開始されたと判断された場合には、ステップS103において、制御部31は、電流計I1にて検出される電流値に基づいて、電流の変化量を計算する。具体的には、所定時間間隔での電流増加量ΔIを求める。
ステップS104において、制御部31は、カウンタAをクリアする。ステップS105において、制御部31は、電流増加量ΔIが予め設定した所定値D(Dは、負の値または0)を下回っているか否かを判断する。そして、下回っていない場合(ΔI>Dの場合)には、正常に発電が行われていると判断して、本処理を終了する。
一方、下回っている場合(ΔI≦D)には、ステップS106において、制御部31は、カウンタBをインクリメントする。次いで、ステップS107において、カウンタBのカウント値が予め設定した閾値Bmaxを上回ったか否かを判断し、上回った場合にはステップS111において、再加熱処理を実行する。また、上回らない場合には本処理を終了する。
即ち、ここでの処理では、燃料電池11による発電が開始されているにも拘わらず、発電電流が上昇せず、且つ上昇しない時間が所定時間(閾値Bmaxで規定される時間)に達している場合には、何らかの原因で燃料電池11の一部の温度が発電を妨げる温度状態になっているものと考えられるので、ステップS111において、再加熱処理を実行する。なお、カウンタA、カウンタBは、制御部31の起動時の初期化において、0に設定されている。
次に、図7のステップS111に示した再加熱制御の詳細な処理手順を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。初めに、ステップS131において、制御部31は、メモリ等(図示省略)に予め記憶されている、燃料電池11を加熱するための加熱バーナ18の再加熱時の燃料供給量を読み込む。
ステップS132において、制御部31は、メモリ等(図示省略)に予め記憶されている、改質器12aを加熱するための燃焼器12bの、再加熱時の燃料供給量を読み込む。
ステップS133において、制御部31は、カウンタCのカウント値が予め設定した閾値Cmaxを上回ったか否かを判断する。そして、上回らない場合には、ステップS134において、制御部31は、カウンタCをインクリメントする。その後、ステップS135において、加熱バーナ18に燃料を供給して該加熱バーナ18を燃焼させ、燃料電池11を加熱する。また、ステップS136において、燃焼器12bに燃料を供給して燃焼量を増大させ、改質器12aを加熱する。これにより、燃料電池11、及び改質器12aを昇温させることができ、ひいては燃料電池11の出力電流を増大させることができる。
一方、カウンタCのカウント値が閾値Cmaxを上回った場合には(ステップS133でYES)、ステップS137において、再加熱判断処理(図7)で用いるカウンタA、カウンタBと共に、カウンタCをクリアし、本処理を終了する。即ち、再加熱処理では、閾値Cmaxで規定される時間だけ、燃料電池11、及び改質器12aを加熱することにより、燃料電池11,及び改質器12aを昇温させ、システムが正常に作動するように制御する。なお、カウンタCは、制御部31の起動時の初期化において、0に設定されている。
そして、図2のステップS18に示した再加熱判断処理が終了すると、ステップS19において、制御部31は、改質器供給空気制御処理を実行し、更に、ステップS20において、燃料電池供給空気量制御を行う。
以下、図9に示すフローチャートを参照して、改質器供給空気量制御の詳細な処理手順について説明する。初めに、ステップS151において、制御部31は、改質器12aの出口温度の検知値を読み取る。この処理では、図1に示した第4温度計T4で検出される温度を読み取る。
次いで、ステップS152において、制御部31は、メモリ等に記憶されている改質器12aの目標出口温度を読み取る。
ステップS153において、制御部31は、メモリ等に予め記憶されている改質器12aの目標出口温度と、検知値との関係を示す関数に基づいて、改質器12aに供給する空気量を求め、この空気量となるように、図1に示す第2空気ブロワ17を制御する。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、燃料電池供給空気量制御の詳細な処理手順について説明する。初めに、ステップS171において、制御部31は、燃料電池11の出口温度の検知値を読み取る。この処理では、図1に示した第2温度計T2で検出される温度を読み取る。
次いで、ステップS172において、制御部31は、メモリ等に記憶されている燃料電池11の目標出口温度を読み取る。
ステップS173において、制御部31は、メモリ等に予め記憶されている燃料電池11の目標出口温度と検知値との関係を示す関数に基づいて、燃料電池11のカソード11bに供給する空気量を求め、この空気量となるように、図1に示す第1空気ブロワ21を制御する。なお、図9に示した改質器供給空気量制御、及び図10に示した燃料電池供給空気量制御は、上述したステップS18の再加熱判断処理時にも行っている。
こうして、燃料電池システム100を安定的に起動させ、また、起動した後には改質器12a及び燃料電池11の温度を安定的に制御することができ、所望の出力電流を得ることができるのである。
このようにして、本実施形態に係る燃料電池システム100では、改質器12aを改質可能温度(第2所定温度)に昇温し、燃料電池11を発電可能温度(第1所定温度)に昇温し、燃料電池11より発電電流が得られた時点で、改質器12aへのアノードオフガスの循環を開始する。そして、発電電流が小さい場合には、分流弁14による分流率を変更して、改質器12aへの循環率を増加させる。従って、改質器12aに供給する水蒸気量を安定的に制御することができる。このため、発電開始初期において、燃料電池11の状態(温度の面内ばらつきなど)に起因する発電量のばらつきによる改質器12aへの供給水蒸気量のばらつきの影響をキャンセルでき、改質触媒へのカーボン堆積を防止することができる。
ここで、改質器12aへ原料を導入する直後で、アノードオフガスが改質器12aに到達するまでのごくわずかな期間、改質反応はPOx反応となるため、カーボン析出条件となるが、改質器12a内にアノードオフガスが到達すると、該改質器12aに水蒸気が供給されるので、カーボン析出を防止できる。また、POx反応で触媒表面にカーボンの核が極微量に堆積するが、供給される水蒸気によって除去されるので問題とはならない。
また、改質器12aが改質可能温度(第2所定温度)に到達する時刻と、燃料電池11が発電可能温度(第1所定温度)となる時刻がほぼ一致するように制御されるので、燃料電池11による発電のタイミングと、改質器12aへの原料投入のタイミングを一致させることができ、水蒸気を含んだアノードオフガスを循環させて改質器12aに供給可能となるので、改質触媒へのカーボン析出をより確実に防止できる。
即ち、改質器12aへの原料投入可能時期(改質可能温度到達時期)が、燃料電池11の発電開始可能時期よりも早くなると、改質触媒へのカーボン析出を抑制できないため、改質触媒の劣化が加速されるという問題があり、他方、改質器12aへの原料投入可能時期が、燃料電池11の発電開始可能時期より遅くなると、燃料電池11が所定温度に到達した後に原料を投入することによって、カーボン析出は防止できるが、システムの発電開始時期が遅れることにより、電力が供給されないという問題が生じる。しかし、本実施形態を採用することにより、これらの問題を解決することができる。
更に、燃料電池加熱手段として加熱バーナ18(第1燃焼器)を用い、改質器加熱手段として燃焼器12b(第2燃焼器)を用いるので、それぞれに供給する空気量、及び燃料量を調整することにより、温度制御を容易に行うことが可能となる。
また、燃料電池11における発電電流の増加、または減少に応じて、改質器12aに供給する原料量を増減させるように制御するので、燃料電池11の起動直後で、該燃料電池11の発電状態が安定しない場合で、発電電流が減少した場合には、投入原料量を低減できるので、余分な燃料の消費が抑制でき、ひいてはシステム効率を向上することができる。他方、発電電流が増加した場合、原料投入量を増加させるので、燃料電池11が燃料不足状態となることを防止でき、燃料電池11が損傷する等のトラブルの発生を防止することができる。
更に、アノード11aより排出されるアノードオフガスのうちの非循環分(改質器12aに循環させない分)を燃焼器12bに供給するので、アノードオフガスの持つ熱エネルギーを改質器12aに与えることができ、システム効率を向上させることができる。
また、改質器12aへの原料投入後の所定期間で発電電流が得られない、或いは、発電電流が減少した場合には、燃料電池11の昇温不足と判断して、加熱バーナ18を起動させることにより、燃料電池11を加熱し、発電電流が増加できる状態に移行させる。
更に、この加熱期間において、燃料電池11で発電される電流量が減少する場合は、燃焼器12bに供給されるアノードオフガス流量が少なくなり、改質器12aが必要とする熱流が、燃焼器12b側から改質器12a側に要求できなくなるので、燃焼器12bについても燃料を供給することによって熱流を確保し、改質器12aでの改質反応が正常に進行するようにする。
その結果、燃料電池11の昇温不良により、発電電流が不安定となることを回避することができる。更に、改質器12aにおける改質反応が正常に進行し、改質器12aへのカーボン堆積が防止できるばかりでなく、アノード11aに未改質原料が供給されることを防止でき、燃料電池11のアノード電極へのカーボン析出を防止することができる。
以上、本発明の燃料電池システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。