JP6181053B2 - ポルフィラジン色素及びその用途 - Google Patents
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Description
この熱線遮蔽性材料を住宅や自動車の窓ガラスへ付与する場合、視認性確保の点から可視光透過率が高いこと、また、省エネルギーや地球環境問題の観点から熱線遮蔽能力が高いこと、屋外使用でも耐えられる高耐久性が望まれている。また、意匠性の点から、出来るだけ無色透明、若しくは着色が薄いことが望ましいとされている。
特許文献1では、透明性に優れた熱線遮蔽性材料としてポルフィラジン色素が開示されている。しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載の色素は、可視光透過率が高く、熱線遮蔽性も優れていたが、黄色味が強く、意匠性を著しく損なっており、産業上使用し難いものであった。
即ち、本発明は
(1)下記式(1)で表されるポルフィラジン色素
(2)式(1)中の環A、B、Cがそれぞれ式(2)、式(4)または式(8)である(1)に記載のポルフィラジン色素、
(3)式(1)中の環A、B、Cがそれぞれ式(4)または式(8)である(1)に記載のポルフィラジン色素、
(4)式(1)中のMはVOまたはCuである(3)に記載のポルフィラジン色素、
(5)式(1)中、Yは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Zは置換基を有してもよいフタルイミド基又は置換基を有してもよいピペラジノ基である(4)に記載のポルフィラジン色素、
(6)下記式(9)で表されるポルフィラジン色素
(7)(1)〜(6)の何れか一項に記載のポルフィラジン色素を分散媒中に分散することを特徴とする色素分散組成物、
(8)分散媒がアクリル系粘着組成物であることを特徴とする(7)に記載の色素分散組成物、
(9)(8)に記載の色素分散組成物を塗布してなるシート、
(10)(8)に記載の色素分散組成物に熱線遮蔽性金属微粒子を含有することを特徴とする色素分散組成物、
(11)(10)に記載の熱線遮蔽性金属微粒子が酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化亜鉛のいずれかである色素分散組成物、
(12)(11)に記載の色素分散組成物を塗布してなるシート、
に関する。
下記の例は、本発明の色素を具体的に説明するために代表的な色素を示すものであり、本発明は下記の例に限定されるものではない。また、環A乃至Cの含窒素複素芳香環が前記式(2)、(3)及び(5)である場合、窒素原子の位置異性体が存在し、色素合成の際には異性体の混合物として得られる。これら異性体の単離は困難であり、また分析による異性体の特定も困難である。このため、通常は混合物のまま使用する。本発明の色素は、このような混合物をも含むものである。本明細書においては、これらの異性体等を区別することなく、構造式で表示される場合は、便宜的に代表的な1つの構造式を記載する。
前記式(1)で表されるポルフィラジン色素は、例えば、国際公開第2010/143619号パンフレット及び国際公開第2010/013455号パンフレットに開示された公知の方法に準じて合成することができる。また、式(1)で表されるポルフィラジン色素は、公知の二トリル法、又はワイラー法にて合成を行う際に、反応原料として使用する前記式(2)乃至(7)それぞれの誘導体と、ナフタル酸誘導体との配合比率を変化させることによっても合成することが出来る。なお、上記方法によって得られる前記式(1)で表される化合物は、環A乃至Cにおける含窒素複素芳香環の置換位置、及び含窒素複素芳香環の窒素原子の置換位置に関する位置異性体の混合物となることも、上記公知文献に記載の通りである。
表1中の化合物No.3やNo.18で示される化合物は、例えば、特許第2507786号パンフレット、国際公開2010/013455号パンフレット及び特許第3813750号パンフレットに開示された公知の方法に準じて合成することが出来る。
分散剤としては、脂肪酸塩(石けん)、α−スルホ脂肪酸エステル塩(MES)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸塩(AS)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキル硫酸トリエタノールといった低分子陰イオン性(アニオン性)化合物、脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE)、ソルビトール、ソルビタンといった低分子非イオン系化合物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド、といった低分子陽イオン性(カチオン性)化合物、アルキルカルボキシルベタイン、スルホベタイン、レシチンといった低分子両性系化合物や、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とカルボン酸系単量体の共重合体塩、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどに代表される高分子水系分散剤、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミンといった高分子非水系分散剤、ポリエチレンイミン、アミノアルキルメタクリレート共重合体といった高分子カチオン系分散剤が代表的なものであるが、本発明の粒子に好適に適用されるものであれば、ここに例示したような形態のもの以外の構造を有するものを排除しない。
スルホラン120部にフタル酸無水物3.0部、ナフタル酸無水物11.9部、尿素29部、モリブデン酸アンモニウム0.40部及び塩化バナジル(V)3.5部加え、得られた組成物を200℃まで昇温し、同温度で11時間反応させた。反応終了後反応液を65℃まで冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100部加え、析出固体をろ過分離した。得られた固体をDMF50部で洗浄し、ウェットケーキ20.3部得た。得られたウェットケーキをDMF100部に加え、得られた組成物を80℃に昇温し、同温度で2時間撹拌した。析出固体をろ過分離し、水200部で洗浄しウェットケーキを18.9部得た。得られたウェットケーキを水150部に加え、得られた組成物を90℃に昇温し、同温度で2時間撹拌した。析出固体をろ過分離し、水200部で洗浄してウェットケーキ16.1部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、前記化合物例No.1を12.3部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は943nmであった。
実施例1中のフタル酸無水物3.0部を5.9部に、ナフタル酸無水物11.9部を7.9部にする以外は実施例1と同様にして、前記化合物例No.2を12.1部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は951、882、815nmであった。
スルホラン120部に3,4−ピリジンジカルボン酸3.3部、ナフタル酸無水物7.9部、尿素29部、モリブデン酸アンモニウム0.40部及び塩化バナジル(V)3.5部加え、得られた組成物を200℃まで昇温し、同温度で11時間反応させた。反応終了後反応液を65℃まで冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100部加え、析出固体をろ過分離した。得られた固体を80℃のDMF200部で洗浄し、ウェットケーキ20.3部得た。得られたウェットケーキをDMF100部に加え、得られた組成物を80℃に昇温し、同温度で2時間撹拌した。析出固体をろ過分離し、水200部で洗浄しウェットケーキを40.1部得た。得られたウェットケーキを水150部に加え、得られた組成物を90℃に昇温し、同温度で2時間撹拌した。析出固体をろ過分離し、水7.9部で洗浄してウェットケーキ35.2部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、前記化合物例No.9を10.8部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は933nmであった。
実施例3中の3,4−ピリジンジカルボン酸3.3部を6.7部に、ナフタル酸無水物11.9部を7.9部にする以外は実施例3と同様にして、前記化合物例No.10を11.4部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は939、804、711nmであった。
ポリリン酸(116%)40部中に、実施例1で得られた化合物No.1を3.4部、フタルイミド4.9部、パラホルムアルデヒド1.0部加え、得られた組成物を140℃に昇温し、同温度で6時間反応させた。反応終了後、反応液を60℃まで冷却し、水100部を加えた。析出固体をろ過分離、水洗してウェットケーキを34.0部得た。
得られたウェットケーキを10%水酸化カリウム水溶液100部に加え、得られた組成物を50℃で2時間反応させた。析出固体をろ過分離し、水洗してウェットケーキ29部を得た。
得られたウェットケーキをDMF100部に加え、得られた組成物を25℃で反応させた。析出固体をろ過分離し、水洗してウェットケーキを13.3部得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、化合物No.3を6.5部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は949nmであった。
実施例5中、実施例1で得られた化合物No.1の3.4部を実施例4で得られた化合物No.10の3.1部に替える以外は実施例5と同様にして化合物No.11を5.7部得た。この化合物の濃硫酸中の極大吸収波長は940nmであった。
トルエン7mlに、実施例1で得た前記式(4)の化合物0.21g、分散剤DisperBYK140を0.21g加え、さらに解砕ビーズとしてジルコニアビーズを加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)にて分散処理を行った。得られた分散体を、遠心分離機(日立工機株式会社
himac CR18)を用いて遠心処理を行うことにより、色素分散組成物1を得た。
実施例7中の色素を実施例2、3、又は5で得られた化合物に替える以外は実施例7と同様にして、色素分散組成物2〜4を得た。
アクリル酸n−ブチル291gとアクリル酸9gをトルエン366gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.15gを添加して、窒素気流下において70℃で6時間重合してアクリル樹脂共重合体(重量平均分子量:Mw=32万)を得た。この共重合体をトルエンで希釈し、固形分率29.36%、粘度2700mPasのアクリル系粘着組成物を得た。
実施例13
合成例1で得たアクリル系粘着組成物 100重量部(アクリル酸ブチル:アクリル酸=97:3)、実施例7で得た色素分散組成物2 8.1重量部を均一になるように混合溶解し、色素分散組成物を得た。また、これを離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 3811 厚さ:38μm)上にコンマコーターで塗布して塗膜を乾燥し、離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 3801 厚さ:38μm)で覆うことにより色素分散組成物塗布シート(厚さ:15μm)を作製した。
実施例7で得た色素分散組成物を実施例8〜10で得られた色素分散組成物に替える以外は実施例13と同様にして色素分散組成物塗布シート(厚さ:15μm)2〜4を得た。
実施例1で得られた色素の代わりに特許文献1に記載の式(2)で示される化合物を用いた以外実施例7と同様にして色素分散組成物を作製し、実施例7で得た色素分散組成物の代わりにこの色素分散組成物を用いた以外実施例13と同様にして色素分散組成物塗布シート(厚さ:15μm)を作製した。
実施例13〜16、比較例1で作成した組成物塗布シートの評価を行った。試験方法及び結果の評価方法を以下に記載する。
上記で得られた組成物塗布シートの透過スペクトルを、分光光度計(島津製作所製
UV−3150)を用いて測定し、透過率を算出した。
全日射エネルギー(Tts;Total
Solar Transmittance)は太陽からの熱的エネルギーが、対象となる材料をどの程度透過するかという尺度であり、ISO13837に定義されている計算式にて算出した。算出された数値が小さいほど全日射エネルギーが小さいことを示し、熱線遮蔽性が高いことを示す。
CIE1976(L*a*b*)表色系のb*値は測定対象物の黄色の色相を表す数値であり、数値が大きいほど黄色味が強くなり、数値が小さいほど黄色味が弱くなる。このb*値は(a)で得られた透過スペクトルより算出した。
トルエン70部に、酸化インジウムスズ11.2部、アセチルアセトン7.0部、分散剤DisperBYK140を1.75部加え、さらに解砕ビーズとしてジルコニアビーズを加えてバッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)にて分散処理をおこなった。また、得られた分散体(熱線遮断性金属微粒子分散液)を、遠心分離機(日立工機株式会社
himac CR18)を用いて遠心処理を行った。
実施例18
合成例1で得たアクリル系粘着剤A 100重量部(アクリル酸ブチル:アクリル酸=97:3)、製造例1で得たスズ含有酸化インジウム(ITO)のトルエン分散液 144部、実施例7で得た色素分散液 14.7部を均一になるように混合溶解し、熱線遮蔽性粘着組成物を得た。また、これを離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 3811 厚さ:38μm)上にコンマコーターで塗布して塗膜を乾燥し、離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 3801 厚さ:38μm)で覆うことにより、色素分散組成物塗布シート(厚さ:15μm)を作製した。
実施例7で得た色素分散液の代わりに比較例1で作製した色素分散組成物を用いた以外実施例18と同様にして熱線遮蔽性金属微粒子を含有した色素分散組成物塗布シート(厚さ:15μm)を作製した。
実施例18、比較例2で得られたシートを実施例17と同様にして評価を行った。その結果を表3にまとめた。
Claims (11)
- 下記式(1)で表されるポルフィラジン色素
[式(1)中、Mは金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、又は金属ハロゲン化物を表し、環A、B、Cは、それぞれ独立して下記式(3)〜(8)
(ただしA、B、Cがすべて上記式(8)であるものを除く)であり、上記式(3)〜(8)中の*は結合部位を示し、Xは低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホンアミド基を表し、Yは二価の架橋基を、Zはスルホン酸基、カルボキシ基、第1〜2級アミノ基の窒素原子上の水素の少なくとも1つを除いた残基、又は窒素を含む複素環の窒素原子上の水素の少なくとも1つを除いた残基を表し、a及びbはいずれも平均値であり、a、bはそれぞれ0以上12以下、かつ、aとbとの和は0以上12以下である]。 - 式(1)中の環A、B、Cがそれぞれ式(4)または式(8)である請求項1に記載のポルフィラジン色素。
- 式(1)中のMはVOまたはCuである請求項2に記載のポルフィラジン色素。
- 式(1)中、Yは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Zは置換基を有してもよいフタルイミド基又は置換基を有してもよいピペラジノ基である請求項3に記載のポルフィラジン色素。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のポルフィラジン色素を分散媒中に分散することを特徴とする色素分散組成物。
- 分散媒がアクリル系粘着組成物であることを特徴とする請求項6に記載の色素分散組成物。
- 請求項7に記載の色素分散組成物を塗布してなるシート。
- 請求項7に記載の色素分散組成物に熱線遮蔽性金属微粒子を含有することを特徴とする色素分散組成物。
- 請求項9に記載の熱線遮蔽性金属微粒子が酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化亜鉛のいずれかである色素分散組成物。
- 請求項10に記載の色素分散組成物を塗布してなるシート。
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