次に、本発明に係る使い捨ておむつ10の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)使い捨ておむつの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る使い捨ておむつ10の展開平面図である。図2は、図1に示したF1-F1線に沿った使い捨ておむつの断面図である。図3は、図1に示したF2-F2線に沿った使い捨ておむつの断面図である。図1に示す展開図は、使い捨ておむつを構成するトップシート50、サイドフラップ70等の皺が形成されない状態まで、レッグ伸縮部75及びレッグサイドギャザー80の弾性部材を伸長させた状態の図である。
使い捨ておむつ10は、前胴回り域20と、股下域25と、後胴回り域30とを有する。前胴回り域20は、着用者の前胴回り部(腹部分)と接する部分である。また、後胴回り域30は、着用者の後胴回り部(背部分)と接する部分である。股下域25は、前胴回り域20と後胴回り域30との間に位置する。
また、使い捨ておむつ10には、一対のレッグ開口部35が形成される。レッグ開口部35は、使い捨ておむつの製品幅方向の側端部に設けられており、使い捨ておむつが着用者に着用された状態で、着用者の脚回りに沿って配置される部分である。
なお、本実施形態では、前胴回り域20から後胴回り域30に向かう方向を製品長手方向Lと呼び、製品長手方向Lと直交する方向を製品幅方向Wと呼ぶ。
使い捨ておむつ10は、股下域25を跨ぎ、かつ股下域25から前胴回り域20及び後胴回り域30のうち少なくともいずれか一方に向かって延びる吸収体40を備える。吸収体40は、吸収性コア40aとコアラップ40bとによって構成される。
吸収性コア40aは、従来の使い捨ておむつと同様であり、粉砕パルプや高吸収ポリマーなど、公知の部材や材料を用いて適宜構成することができる。吸収性コア40aは、シート状のコアラップ40bによって包まれている。
コアラップ40bは、吸収性コア40aを被覆するシートである。コアラップ40bの少なくとも肌面側の一部は、透液性を有する各種の繊維不織布もしくはティッシュシートによって構成される。例えば、質量約10〜30g/m2のエアースルー繊維不織布、スパンボンド不織布、SMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)不織布、または質量約10〜30g/m2のティッシュシートを用いることができる。
吸収体40の表面側(肌当接面側)には、液透過性のトップシート50が備えられる。また、吸収体40の裏面側(非肌当接面側)には、液不透過性のバックシート60aが備えられる。
吸収体40の製品幅方向Wにおける側縁部には、サイドフラップ70がそれぞれ備えられる。サイドフラップ70は、前胴回り域20、股下域25、及び後胴回り域30を跨ぎ、かつ吸収体40よりも製品幅方向外側に配置される。サイドフラップ70は、1枚または2枚以上の複数枚重ねた不織布によって構成されている。また、一対のサイドフラップ70には、ファスニングテープ90がそれぞれ備えられる。
ファスニングテープ90は、一対であって、後胴回り域30において、製品幅方向Wに沿って延び、前胴回り域20の非肌当接面に止着されることにより、使い捨ておむつ10を着用者の身体に保持する。ファスニングテープの構成については、後述にて詳細に説明する。
ターゲット部95は、一対であって、前胴回り域内の非肌当接面に配置され、一対のファスニングテープ90がそれぞれ止着するように構成されている。
本実施形態において、前胴回り域20、後胴回り域30、及びファスニングテープ90によって胴回り保持部が構成される。後胴回り域30の胴回り保持部は、ファスニングテープ90の係合部材が設けられた領域から幅方向に延びる範囲である。前胴回り域20の胴回り保持部は、ターゲット部95が設けられた領域から幅方向に延びる範囲である。
また、使い捨ておむつ10は、股下域25の吸収体に重なる領域に配置されたクロッチ伸縮部200を備えている。なお、クロッチ伸縮部200の構成については、後述にて詳細に説明する。
サイドフラップ70には、レッグ開口部35よりも製品幅方向内側に配置され、製品長手方向Lに伸縮可能な一対のレッグ伸縮部75が備えられる。
レッグ伸縮部75は、製品長手方向Lにおいて、クロッチ伸縮部200よりも長いと共に、製品幅方向Wにおいて、クロッチ伸縮部200よりも外側に備えられている。
レッグ伸縮部75は、レッグ開口部35を製品長手方向に伸縮できるように構成されていればよく、レッグ開口部35に沿って配置されていてもよいし、一部がレッグ開口部35に対して傾斜した状態で配置されていてもよい。
また、レッグ伸縮部75は、伸縮性シートや糸ゴム等によって構成されている。レッグ伸縮部75は、実質的に製品長手方向に収縮する部分であり、収縮力が発揮されない状態で伸縮性シートが配置された部分を除く概念である。
また、一対のレッグ伸縮部75の内側(製品幅方向Wにおける中央寄り)には、製品長手方向Lに沿って延びる一対のレッグサイドギャザー80が備えられる。レッグサイドギャザー80は、サイドフラップ70の製品幅方向の内側端部に設けられており、レッグ伸縮部75よりも製品幅方向内側に配置される起立性の伸縮ギャザーである。レッグサイドギャザー80は、レッグ伸縮部75よりも製品幅方向内側に配置されている。レッグサイドギャザー80は、従来において周知の構成を採用することができ、具体的には、サイドフラップ70と別のシート材によって構成されていてもよい。
また、製品幅方向における一対のファスニングテープ90間には、製品幅方向に伸縮可能な腰回り伸縮部85が設けられている。腰回り伸縮部85は、ファスニングテープ90間を製品幅方向に収縮する。
本実施形態において、腰回り伸縮部85は、伸縮性シートによって構成されている。腰回り伸縮部85を構成する部材については、特に限定されないが、出来る限り薄くて曲げ剛性が低く、幅入り率が小さいものを用いることが好ましい。曲げ剛性を低い材料によって腰回り伸縮部85を構成することにより、腰回り伸縮部85が身体に沿って曲がりやすくなり、着用者の身体に負荷をかけずに腰回り伸縮部85を身体に沿わせてフィットさせることができる。また、幅入りが小さい材料によって腰回り伸縮部85を構成することにより、使い捨ておむつが製品幅方向に伸長した場合における使い捨ておむつの製品長手方向の収縮を抑制し、着用者の腰回りにおいて使い捨ておむつが股下側に引き下がることを抑制できる。
本実施形態では、腰回り伸縮部85として、目付けが20〜45g/m2の伸縮性フィルムを用いた。
腰回り伸縮部85は、非伸長状態(自然状態)における長さの1.5〜2.5倍に引き延ばされた後、ホットメルト接着剤又は加熱処理等によって外装シート60に接着される。
本実施形態では、腰回り伸縮部85は、外装シート60とバックシート60aとの間に配置されている。しかし、コアラップ40bが吸収性コア40aよりも製品長手方向外側に延出する構成にあっては、腰回り伸縮部85は、コアラップ40bと、バックシート60a又は外装シート60と、の間に配置されていてもよい。腰回り伸縮部の位置は、特に限定されない。また、吸収体が配置されない領域にあっては、サイドフラップ70と、バックシート60a又は外装シート60と、の間に配置されていてもよい。
なお、本実施形態に係る腰回り伸縮部は、製品幅方向に伸縮するように構成されているが、腰回り伸縮部が製品幅方向と製品長手方向に伸縮するように構成されていてもよい。
(2)ファスニングテープの構成
次いで、図4に基づいてファスニングテープ90の構成について詳細に説明する。図4は、ファスニングテープ90の平面図である。ファスニングテープ90は、後胴回り域30に対応するサイドフラップ70に取り付けられている。ファスニングテープ90は、サイドフラップ70に連結された基材シート91と、複数の係合部材としての係合突起99が設けられ、基材シート91に固定されたフックシート92と、を備える。フックシート92は、係合突起99が設けられたシートである。
フックシート92は、基材シート91に固定、具体的には接合されている。フックシート92と基材シート91との接合は、ファスニングテープ90の剛性が必要以上に高くなることがないようされていることが好ましい。具体的には、フックシート92と基材シート91とは、点状、線状或いはスパイラル状のような間欠的に塗布されたホットメルト接着剤によって接合されていることが好ましい。なお、フックシート92と基材シート91とは、熱シールなどで接合されてもよい。
本実施の形態では、ファスニングテープは、基材シート91とフックシート92が接合された複数の接合部94aと、基材シートとフックシートが接合されていない複数の非接合部94bと、を有する。接合部94aは、基材シート91とフックシート92が接合された部分であり、非接合部94bは、基材シート91とフックシート92が重なっているが、基材シート91とフックシート92とが接合されていない部分である。図4において、接合部に斜線を付して示す。
接合部94aと非接合部94bは、製品幅方向と製品長手方向の一方である第1方向としての製品長手方向Lに沿って延びており、かつ製品幅方向と製品長手方向の他方である第2方向である製品幅方向Wにおいて交互に配置されている。
図5に、フックシート92がターゲット部95から剥離する状態を模式的に示す。図5(a)は、接合部におけるフックシートの剥離状態を示しており、図5(b)は、非接合部におけるフックシートの剥離状態を示している。図5(c)は、接合部と非接合部との境界におけるフックシートの剥離状態を示している。
フックシートには、複数の接合部94aと複数の非接合部94bが交互に配置されている。図5(b)に示すように、非接合部94bは、基材シート91から浮き上がり、基材シートと異なる変形が可能である。一方、図5(a)に示すように、接合部94aは、基材シート91に固定され、基材シート91と一体化して変形する。よって、非接合部94bの剛性は、接合部94aの剛性よりも低くなる。比較的剛性の低い非接合部94bが接合部94a間に設けられていることにより、変形し易い部分が交互に位置し、ファスニングテープ90全体が身体に沿って配置されやすくなる。更に、非接合部94bと接合部94aとの境界は、剛性が異なり、折れ基点となりやすい。ファスニングテープに折れ基点が複数形成されるため、より身体に沿ってファスニングテープが配置され易くなる。
また、図6に、図1に示すF1−F1線を基準とした断面において、ファスニングテープとターゲット部との係合状態を模式的に示す。非接合部94bは、基材シート91から浮き上がり、基材シート91と異なる変形が可能である。一方、非接合部94bは、基材シート91から浮き上がらず、基材シート91と一体化して変形する。よって、非接合部94bの係合突起99と接合部94aの係合突起99とは、異なる方向に向かって配置される。よって、例えば、ループ材であるターゲット部95に係合突起99を止着した際に、係合突起99が多様な角度に配置される。係合突起99をターゲット部95から剥離する力が加えられた場合に、剥離の力が加わる方向によらずに係合突起99がターゲット部95に係合した状態となり、係合力を維持できる。
ファスニングテープ90をターゲット部95から剥離する力が加えられた際は、接合部94aの係合突起99は、基材シートと共にループ材から剥離する。よって、図5(a)に示すように、係合突起99は、その突出方向Pと引き剥がし方向(ループ材から離間する方向)Qとが略平行になるように移動する。よって、接合部94aにおける係合突起99は、ターゲット部95から比較的スムーズに離間する。
一方、非接合部94bの係合突起99は、基材シート91と共にループ材から剥離せず、ループ材に係合した状態で基材シート91のみが移動することとなる。そのため、図5(b)に示すように、係合突起99は、その突出方向Pが引き剥がし方向Qに対して傾斜するように移動する。よって、非接合部94bの係合突起99とループ材には、せん断力が生じ、剥離し難くなる。このように、複数の接合部94aと複数の非接合部94bとを有しているため、どのような方向の剥離であっても所定の係合力を得ることができる。
また、接合部と非接合部とが製品幅方向において交互に設けられているため、図6に示す断面視において、接合部による凹部と非接合部による凸部とが交互に形成される。このように凹部と凸部が交互に形成されるため、係合突起の突出方向が変化し、隣接する係合突起の先端部の距離が変化する。よって、係合突起の先端部が密に配置される領域と、係合突起の先端部が疎に配置される領域とが、バランスよく配置され、全体として安定した係合力を得ることができる。
更に、非接合部による凸部が形成されるため、当該凸部の係合突起がターゲット部側に近づいて配置され、係合突起がターゲット部に係合し易くなる。また、ターゲット部が不織布によって構成されている場合、特に、エンボス加工又は繊維の目付けの差によってターゲット部の表面に凹凸が形成されている場合において、好ましく係合できる。具体的には、ファスニングテープとターゲット部の止着する面が着用者の体の丸みに沿って配置される際には、図6に示すように、ファスングテープには、凸状になる部位と凹状になる部位とが形成される。このファスニングテープの凸状になる部位が、ターゲット部の凸と凸との間に入り込み、より係合力が安定し易くなる。
また、図7は、実施の形態のファスニングテープにおいて、引き剥がす際の引き剥がす力の変化の一例を模式的に示した図である。横軸が、ファスニングテープの製品幅方向の位置を示している。横軸の「0」は、先端部96とフックシート92との境界の製品幅方向の位置を示す。当該境界から製品幅方向に沿って非接合部94bと接合部94aとが交互に配置されている。縦軸は、引き剥がす力の大きさを示している。この引き剥がす力は、引き剥がす部分の係合力に対応する値である。図7に示す実線は、本実施の形態に係るファスニングテープの引き剥がす力の変化の一例を示しており、一点鎖線は、フックシート全面が基材シートに接合されたファスニングテープの引き剥がす力の変化の一例を示している。図7を示すように、先端部96側からファスニングテープをターゲット部から剥離しようとすると、引き剥がす力のピークが複数繰り返される。
係合力のピークが複数存在するため、ファスニングテープが衣服に引っかかった場合等、意図せずにファスニングテープを引き剥がす力がかかった場合であっても、ファスニングテープ全体がターゲット部から剥がれることを防止できる。
引き剥がす際は、剥離し易い部分と剥離しにくい部分とが交互に発現される。剥離し易い部分と剥離しにくい部分とが交互に発現されることから、着用者又は着用補助者は、ファスニングテープが簡単に剥離できる印象ではなく、比較的安定に係合されている印象を受け易く、安心感を得やすい。
フックシートの製品幅方向の両端部には、非接合部94bが設けられている。フックシートの製品幅方向の両端部に非接合部94bを設けることにより、フックシートの製品幅方向の両端部の係合力を高め、着用者の動きによってフックシートの係合が外れることを抑止できる。
更に、第1非接合部941bに隣接する第1接合部941a及び第2接合部942aの製品幅方向の長さL941a、L942aは、フックシートの製品幅方向の両端部に位置する各第1非接合部941bの製品幅方向の長さL941bよりも長い。第1非接合部941bの製品幅方向の長さL941bよりも、各第1非接合部941bに隣接する第1接合部941a及び第2接合部942aの製品幅方向の長さL941a、L942aが長いため、フックシートと基材シートの接合幅を確保することができる。よって、基材シートの先端部をつかんでファスニングテープを係合する際に、両端部の非接合部はテープ基材のターゲット部への押し付けに伴い、係合する状態をより確実にとることができるなお、第1接合部941a及び第2接合部942aは、第1非接合部941bよりも製品幅方向内側に位置する。
具体的には、第1非接合部941bの製品幅方向の長さL941bは、1mmである。第1非接合部941bに隣接する接合部のうち、製品幅方向内側に位置する第1接合部941aの製品幅方向の長さL941aは、2.5mmである。第1非接合部941bに隣接する接合部のうち、製品幅方向外側に位置する第2接合部942aの製品幅方向の長さL942aは、2.0mmである。第1接合部941aに隣接し、当該第1接合部941aよりも製品幅方向外側に位置する第2非接合部942bの製品幅方向の長さL942bは、1.5mmである。複数の非接合部のうち、第1非接合部941b及び第2非接合部942b以外の第3非接合部943bは、4本設けられており、各第3非接合部943bの製品幅方向の長さL943bは、2.0mmである。複数の接合部のうち、第1接合部941a及び第2接合部942a以外の第3接合部943aは、4本設けられており、各第3接合部の製品幅方向の長さL943aは、1.5mmである。
本実施の形態の各第1非接合部941bの製品幅方向の長さは、1mmであり、第1非接合部941b間の製品幅方向の長さ20mmの5%である。例えば、非接合部の幅方向の長さが接合部の幅方向の長さの5%よりも大きいと、剥離させる力が加えられた場合に、フックシートの非接合部が基材シートに固定されずに浮き上がるため、非接合部の係合突起とループ材にせん断力が生じ、非接合部の係合力が接合部の係合力よりも強くなることがある。例えば、使い捨ておむつの幅方向に沿ってフックシートをターゲット部から引き剥がす際に、最初と最後に引き剥がし難くなり、ファスニングテープの着脱時の操作性が悪化することがある。
これに対して、本実施の形態のように、各第1非接合部941bの製品幅方向の長さが、第1非接合部941b間の製品幅方向の長さ20mmの5%以下、より好ましくは、4%以下であることにより、フックシートの非接合部が基材シートから浮き上がることを抑制し、ファスニングテープの着脱時の操作性の悪化を抑制できる。
また、本実施の形態の非接合部94bは、製品長手方向に連続して設けられているが、製品長手方向に不連続に設けられていてもよい。非接合部が製品長手方向に不連続に(製品長手方向に途切れて)配置されているため、脚の付け根等、製品長手方向において身体の凹凸が形成されている箇所においても、身体にフィットして配置できる。
接合部は、製品幅方向両端部に位置する第1接合部941a及び第2接合部942aのみならず、第3接合部943aを備えていることが望ましい。接合部が第1接合部941a及び第2接合部942aのみであると、フックシートの製品幅方向の両端部のみが基材シートに接合される。例えば、お腹が膨らんだ場合等、製品幅方向にファスニングテープが引っ張られた場合には、製品幅方向に引っ張る力が製品幅方向両端部に位置する第1接合部941a及び第2接合部942aに対して局所的に作用する。よって、フックシートが千切れることがある。しかし、第1接合部941a及び第2接合部942aのみならず、第3接合部を有することにより、局所的な応力集中を抑制し、フックシートが千切れる不具合を抑制できる。
また、製品幅方向に引っ張る力は、製品幅方向両端部に位置する第1接合部941a及び第2接合部942aのうち、特に、製品幅方向内側に位置する第1接合部941aに対して局所的に作用する。よって、複数の接合部のうち最も製品幅方向内側に位置する第1接合部941aの製品幅方向の長さは、最も製品幅方向外側に位置する第2接合部942aの製品幅方向の長さL942a及び第1接合部よりも製品幅方向外側に位置する第3接合部943aの製品幅方向の長さL943aよりも長いことが望ましい。
ファスニングテープは、ターゲット部等に止着した状態で着用者の腰回りに保持され、幅方向に沿った力が作用しやすい。また、基材シートを介してフックシートに掛かる力は、フックシートのうち最も製品幅方向内側に位置する第1接合部に作用する。例えば、当該第1接合部の製品幅方向の長さが短いと、フックシートと基材シートとの係合力を維持できず、フックシートと基材シートとが分離するおそれがある。しかし、第1接合部の製品幅方向の長さの長くすることにより、当該不具合を防止できる。
各接合部の製品幅方向の長さは、2mm以上、10mm以下であり、より好ましくは、2mm以上、5mm以下である。また、各非接合部の製品幅方向の長さは、1mm以上、5mm以下であることが望ましい。例えば、接合部の製品幅方向の長さが10mmよりも長いと、各接合部の面積が広く、各接合部全面が身体の凹凸に沿って配置され難くなる。
また、非接合部の製品幅方向の長さが、5mmよりも長いと、フックシートが基材シートから浮き上がり、フックシートが安定して配置されにくくなる。更に、フックシートが浮き上がることによって、係合突起の違和感が強調され易くなり、浮いたフックシートの係合突起同士がこすれ、係合突起がこすれる音による違和感が生じることがある。
一方、非接合部の製品幅方向の長さが、1mm未満であったり、接合部の製品幅方向の長さが2mm未満であったりすると、接合部と非接合部との境界による折れ基点としての機能が発揮されにくい。
基材シート91は、1枚または2枚以上の複数枚重ねた不織布によって構成されている。基材シート91としては、スパンボンド(SB)またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)などの製法によって製造された不織布を用いることができる。基材シート91を構成する不織布の目付け(複数枚の場合は合計目付け)は、30〜120g/m2であり、好ましくは40〜90g/m2である。
なお、不織布が複数積層された積層体によって基材シート91を構成する場合には、目付10〜80g/m2の不織布を用いることができ、より好ましくは、15〜75g/m2の不織布を用いることができる。ファスニングテープの強度(破断強度)を確保しつつ、柔軟なテープとする場合、1枚の不織布より複数枚の不織布を重ね、互いの接合面にて接合部と非接合部とを有する方が、柔軟なファスニングテープを構成できる。
基材シート91は、サイドフラップ70と外装シート60との間に配置され、サイドフラップに重なって配置された第1領域R1と、サイドフラップよりも製品幅方向外側に延出した第2領域R2とを有する。なお、基材シートは、少なくともサイドフラップに連結されていればよく、サイドフラップ70及び外装シート60に連結されずに外装シートに連結されていない構成であってもよい。
基材シート91は、サイドフラップに接合された接合部93と、フックシート92よりも製品幅方向外側に延出する先端部96と、を有する。本実施の形態の基材シート91の接合部93は、サイドフラップ70又は外装シートに接合された領域である。接合部93は、第1領域R1内に設けられている。なお、接合部93は、第1領域R1の一部に設けられているが、第1領域R1の全域に設けられていてもよい。先端部96は、フックシート92よりも製品幅方向外側に延出しており、ファスニングテープ90の幅方向の外側端部を含む。
基材シート91の先端部96の製品幅方向Wの長さL11は、5mm以上12mm以下である。先端部96は、フックシート92が設けられなく、ファスニングテープ90がターゲット部に止着した状態で、ターゲット部に止着しない部分である。先端部96は、装着者がファスニングテープ90を着脱する際に把持する部分である。よって、先端部96は、装着者が把持しやすい寸法であることが望ましい。このような寸法の先端部96によれば、装着者が指で把持することができ、円滑にファスニングテープ90の着脱操作が可能となる。また、装着者が確実に先端部96を把持できることにより、ファスニングテープ90の取り付け位置の微調整が可能となり、意図した位置に取り付けることができる。よって、装着時の操作性を向上できる。
基材シート91の製品幅方向の内側端部は、接合部93が設けられており、基材シート91において製品長手方向の長さが最も長く構成されている。当該基材シートの製品長手方向の長さが最も長く構成された領域R3よりも製品幅方向外側において、基材シートの外縁形状は、製品長手方向内側に括れている。基材シート91の先端部96の製品幅方向Wの長さL11は、領域R3の製品幅方向の外側端部と、フックシート92の製品幅方向の内側端部と、の製品幅方向の距離L16よりも、長い。このような構成によれば、先端部96の製品幅方向の長さを確保することができ、装着者が指で把持し易くなり、円滑にファスニングテープ90の着脱操作が可能となる。
接合部93の製品長手方向の外側端部とフックシートの製品長手方向の外側端部との製品長手方向における距離L12は、2mm以上12mm以下である。フックシートは、ターゲット部に止着する部分であり、フックシートの面積を広く設けることにより、係合力を高めることができる。しかし、従来のファスニングテープ90においては、フックシートの面積を広げようとすると、ファスニングテープ90を接合する接合部93の面積が広くなり、剛性が高い領域が増えることによる違和感が高くなるおそれがある。
しかし、接合部93の製品長手方向の外側端部とフックシートの製品長手方向の外側端部との距離L12は、2mm以上12mm以下に設定することにより、フックシートによる係合力を得つつ、接合部93による着用時の違和感を抑制できる。
また、フックシートと先端部96との境界の製品長手方向の長さL13は、基材シート91の製品長手方向の内側端部とフックシートの製品長手方向の内側端部との製品長手方向における距離L14の2倍よりも大きい。ファスニングテープ90がターゲット部95に止着した状態で着用者の脚回りを囲むレッグ開口部35が形成される。レッグ開口部35が形成された状態でファスニングテープ90は、レッグ開口部35の近傍に位置する。よって、着用者が脚を動かした際に、ファスニングテープ90が着用者の脚にあたることがある。特に、基材シート91の製品長手方向の内側端部は、着用者の脚に当たりやすい。
また、基材シート91の製品長手方向の内側端部は、ターゲット部との係合力に寄与しない領域である。したがって、基材シート91の製品長手方向の内側端部とフックシートの製品長手方向の内側端部との製品長手方向における距離L14は短い方が望ましく、短いほど、ターゲット部との係合力に寄与しない領域を狭くして、着用者の脚にファスニングテープを当たり難くできる。
更に、ファスニングテープ90は、製品幅方向内側から製品幅方向外側に向かって製品幅方向の長さが短くなる先細り形状である。よって、フックシートと先端部96との境界は、フックシートの製品長手方向の長さが最も短くなる。このフックシートと先端部96との境界における製品長手方向の長さL13を、基材シート91の製品長手方向の内側端部とフックシートの製品長手方向の内側端部との製品長手方向における距離L14の2倍より大きくすることにより、着用者への当りを抑制しつつ、係合力を確保することができる。フックシートと先端部96との境界における製品長手方向の長さL13は、基材シート91の製品長手方向の内側端部とフックシートの製品長手方向の内側端部との製品長手方向における距離L14の2倍よりも大きければよいが、より好ましくは、2.5倍以上である。
また、フックシートは、フックシートの製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X1と先端部96の製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X2との中間点C1よりも製品長手方向外側に延出している。フックシートは、製品幅方向内側から製品幅方向外側に向かって製品幅方向の長さが短くなる先細り形状である。よって、フックシートの製品幅方向の内側端部と、フックシートの製品幅方向の外側端部とでは、フック材による係合力が異なる。よって、フックシート全体の係合力にばらつきが生じる。
また、レッグ開口部35が形成された状態でファスニングテープ90は、レッグ開口部35の近傍に位置しており、着用者が脚を動かした際に、ファスニングテープ90がターゲット部から剥がれる力が作用することがある。このとき、ファスニングテープ90がターゲット部から剥がれる力は、レッグ開口部35側から作用する。フックシートの製品幅方向の内側端部の係合力と、フックシートの製品幅方向の外側端部の係合力との差が大きいと、係合力が強い部分を起点に回転する方向にファスニングテープ90が移動し、前胴回り域と後胴回り域との位置や方向がずれてしまうことがある。
しかし、フックシートの製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X1と先端部96の製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X2との中間点C1よりも製品長手方向外側に延出しているため、フックシートの幅方向中心よりも幅方向外側に亘る領域において、フックシートの製品幅方向の内側端部の係合力を近付けることができ、係合力のばらつきを抑制できる。
より好ましくは、フックシートの製品長手方向端部における外縁は、フックシートの製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X1と先端部96の製品幅方向の内側端部における製品長手方向の外側端部X2とを繋ぐ仮想線FL1よりも、製品長手方向外側に延出していることが望ましい。当該構成によれば、フックシートの幅方向中心よりも幅方向外側に亘る領域において、フックシートの製品幅方向の内側端部の係合力を近付けることができ、係合力のばらつきを抑制できる。
フックシートは、第1領域と第2領域の境界の製品長手方向の外側端部と、第2領域の製品幅方向の外側端部における製品長手方向の外側端部と、の中間点C2よりも製品長手方向外側に延出している。ファスニングテープ90製品長手方向の長さは、製品幅方向外側に向かって徐々に短くなるが、例えば、ファスニングテープ90の根元である幅方向内側において短くなり過ぎると、先端部96の面積を確保できなかったり、先端部96側のフックシートの係合力を確保できなかったりするおそれがある。しかし、第1領域と第2領域の境界の製品長手方向の外側端部と、第2領域の製品幅方向の外側端部における製品長手方向の外側端部と、の中間点C2よりも製品長手方向外側に延出しているため、ファスニングテープ90の先端部96側の面積を大きくすることができる。
基材シートの第2領域の外形は、曲線形状である。基材シートの第2領域は、サイドフラップから延出した領域であり、装着時に手が触れる部分である。基材シートの第2領域の外形は、曲線形状であることにより、手への刺激を抑制し、操作性を向上できる。また、基材シートの端部が脚や手に意図せずにあたった場合において、脚等への刺激及びファスニングテープ端部による線圧を低く保つことができる。なお、基材シートの第2領域の外形の少なくとも一部が、曲線形状であればよく、基材シートの第2領域の外形の一部が直線形状であってもよい。
フックシート92と接合部93との距離L15は、2mm以上12mm以下であることが望ましい。接合部93はサイドフラップに接合され、使い捨ておむつが装着された状態でフックシート92はターゲット部95に止着しているため、フックシート92と接合部93との領域は、使い捨ておむつが装着された状態でいずれにも固定されてなく、変形し易い領域である。フックシート92と接合部93との距離が長すぎると、着用者が脚を動かした際等外力が作用した際に変形し易くなり、ファスニングテープ90の係合状態を維持し難くなる。一方、フックシート92と接合部93との距離が短すぎると、着用者が脚を動かした際等に変形する領域がなく、着用者の自由な動きを阻害するおそれがある。フックシート92と接合部93との距離は、2mm以上12mm以下であることにより、自由な動きを確保しつつ、ファスニングテープ90の係合状態を維持できる。
基材シートの製品長手方向端部には、製品長手方向外側に向けて突出する形状となる凸部97と、製品長手方向内側に向けて凹む形状となる凹部98とが形成されていることが望ましい。凸部97と凹部98とを設けることにより、基材シートを変形させる力が作用した際に、製品長手方向端部において応力を分散することができる。また、基材シートの製品長手方向端部が凸部97と凹部98を有する曲線形状であるため、着用者への肌への刺激を低減し、着用者の違和感を低減できる。
凸部及び凹部は、曲線形状である。基材シートの製品長手方向端部に凸部と凹部が連続して存在し、かつ凸部及び凹部が曲線形状であることにより、ファスニングテープの外側端部が脚や手に意図せずにあたった場合において、脚等への刺激及びファスニングテープ端部による線圧を低く保つことができる。
ファスニングテープと前胴回り域との係合力は、0.3N/30mm以上1.5N/30mm以下である。本出願人が種々検証を行った結果、ファスニングテープの係合力が1.5N/30mmを超えると、付け外しし難いという印象を試験者(乳幼児を持つ母親)が有するようになる傾向にあった。一方、0.3N/30mmより小さいと、ファスニングテープが使い捨ておむつ本体に係合し難い印象を与え、実際にはファスニングテープが外れなくても、ファスニングテープが外れてしまうという印象を抱いてしまうため好ましくないことが解った。よって、ファスニングテープと前胴回り域との係合力は、0.3N/30mm以上1.5N/30mm以下であることが望ましい。
なお、本明細書における「係合力」の測定は、以下の測定方法によって行われるものとする。
係合力は、島津製作所株式会社製のオートグラフ試験機(AG-X10plus)を用いて測定した。具体的には、測定対象のファスニングテープからフックシートと基材シートとを幅30mm(幅30mmで切り出すことが不可能の場合は、幅30mm当たりに換算して結果を判断)で切り出したサンプルを準備した。同様に、ファスニングテープが係止されるターゲット部(外装シート)を、フックシートよりも大きなサイズで切り出したサンプルを準備した。
次いで、700gローラー(直径85mm、幅45mm)を5mm/分の速度で主なファスニングテープの着脱方向に沿って動かして両サンプルを圧着した。圧着した両サンプルを、オートグラフ試験機にセットし、引っ張り速度300mm/分における両サンプルの係合力を測定した(単位:N/30mm)。この際、引っ張る方向は、ターゲットテープ面に対して、フックシート面が135°の角度となるように設定した。また、フックシートのピール方向は、ファスニングテープをターゲット部から外す時における主な方向とした。
なお、本明細書における「長さ」の測定は、以下の測定方法によって行われるものとする。
使い捨ておむつ10がパッケージなどに封入されている場合には、パッケージから取り出し、その状態にて20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において12時間放置したサンプルを用いる。
次いで、シンワ測定株式会社製のスプリングメジャー(テープ:ガラス繊維入塩ビ被覆)を用いて、測定対象部位に沿わせるようにして、使い捨ておむつ10のこの状態の長さを測定する。ここで、10サンプルに対して、それぞれの状態で上述の測定を行い、その平均値を、長さとした。
(3)クロッチ伸縮部の形状
次に、クロッチ伸縮部200の形状について説明する。クロッチ伸縮部200は、吸収体40の他の部分よりも、使い捨ておむつの着用時において股下域の一部に平坦な形状を維持できるように構成されている。クロッチ伸縮部200は、少なくとも製品長手方向Lまたは製品幅方向Wに伸縮可能に構成されている。
クロッチ伸縮部200は、レッグ伸縮部75とは個別独立して設けられており、吸収性コア40aと重なる位置(本実施形態では、吸収性コア40aを包むコアラップ40bとバックシート60aとの間の位置)において、当該重なる位置における吸収性コア40aの製品幅方向の長さの60%以上を収縮させるように構成されている。このように、クロッチ伸縮部200によって吸収性コア40aが配置された部分を収縮させることにより、吸収性コア40aが縮み、吸収性コア40aが縮まない部分と比較して平坦な形状を維持し易くなる。
一方、クロッチ伸縮部200よりも製品長手方向外側に位置する前胴回り域や後胴回り域に位置する吸収性コア40aは、クロッチ伸縮部200によって収縮していない。したがって、ファスニングテープ90により、着用者の腰・ウエスト回りに保持された状態において、使い捨ておむつの股下部に平坦な形状で維持されるクロッチ伸縮部200が過度に身体に密着することなく、結果、クロッチ伸縮部200が適度に身体に沿って配置される。
また、クロッチ伸縮部200が、製品長手方向Lに沿って伸縮可能である場合、前胴回り域20及び後胴回り域30が、クロッチ伸縮部200の収縮によって立ち上がり易くなり、着用時には、着用者の股部にて身体に沿って平坦な股下域を形成することができる。
その結果、クロッチ伸縮部200から前胴回り域20及び後胴回り域30が立ち上がるので、使い捨ておむつ10の着用者へのフィット性が向上する。
すなわち、クロッチ伸縮部200の収縮によって、使い捨ておむつ10の股下域25が、着用者の股下部に配置されるように、安定して使い捨ておむつ10を装着することができる。
さらに、クロッチ伸縮部200は、製品長手方向Lにおける使い捨ておむつ10の中心を跨いで前胴回り域20側及び後胴回り域30側に延びるように構成されていてもよい。
また、製品長手方向Lにおけるクロッチ伸縮部200の中心は、製品長手方向Lにおける使い捨ておむつ10の中心よりも、前胴回り域20側に配置されている。
一方、着用者の動きがあった場合(特に、寝姿勢にて足を上げたり、立ったり、座ったりした際)には、着用者の身体の表面の皮膚の伸縮量(長さの変化量)は、腹側よりも背側(臀部)の方が大きくなる。
製品長手方向Lにおけるクロッチ伸縮部200の中心を製品長手方向Lにおける使い捨ておむつ10の中心よりも、前胴回り域20側に配置することによって、使い捨ておむつ10の自然状態の後胴回り域30の製品長手方向Lの長さを前胴回り域20の製品長手方向Lの長さよりも長くすることができる。よって、着用者の動きがあった場合であっても、着用者の皮膚の動きに影響を受けて、使い捨ておむつ10の前胴回り域20及び後胴回り域30が、製品長手方向Lに沿う向きに動いてしまうという事態を抑制することが可能となる。
クロッチ伸縮部200は、伸縮性シートによって構成されることが好ましい。
伸縮性シートによってクロッチ伸縮部200を構成することにより、伸縮性シートを配置した領域の吸収性コア40aが一様に縮められ、平坦な形状維持がより容易になる。なお、伸縮性シートは、例えば、レッグ伸縮部75と同様の伸縮性シートによって構成することができる。
また、かかる伸縮性シートの代わりに、ポリウレタン弾性繊維や天然ゴムからなる糸状・帯状の弾性部材を、複数本配置することによってクロッチ伸縮部200を構成してもよい。この場合、クロッチ伸縮部200によって吸収性コア40aを一様に縮めるためには、弾性部材同士の間隔を7mm以下、より好ましくは5mm以下であるとよい。また、吸収性コア40aを一様に縮めるために、隣り合う弾性部材の間隔の差は、2mm以下であることが望ましい。
また、クロッチ伸縮部200の伸長率は、具体的には、1.2倍以上、1.8倍以下であることが好ましい。本実施形態では、クロッチ伸縮部200の伸長率は、1.4倍に設定される。伸長率は、クロッチ伸縮部200の伸縮方向(製品長手方向L)における伸長の程度を意味し、以下のように規定される。
伸長率は、伸縮方向(本実施形態では、製品長手方向L)におけるクロッチ伸縮部200の伸長の程度を意味し、以下のように規定される。
伸長率=(最大伸張状態におけるクロッチ伸縮部200の伸縮方向における長さ)/(自然状態におけるクロッチ伸縮部200の伸縮方向における長さ)
なお、伸長率の測定は、上述のレッグ伸縮部と同様であり、説明を省略する。
クロッチ伸縮部200の伸長率を、1.2倍以上1.8倍以下とすることによって、着用者の皮膚の伸縮に好適に追従することができる。
例えば、着用者が、身体前側が縮むような前屈みの姿勢をとると、着用者の臀部側の皮膚において、身体を伸ばした状態に対して30%程度伸びる部位が存在する。
つまり、クロッチ伸縮部200の伸長率を1.2倍以下とすると、自然状態におけるクロッチ伸縮部200の収縮が十分でなく、クロッチ伸縮部200が設けられていない場合と比較して、使い捨ておむつ10の股部における吸収体領域の収縮が小さく、着用者の股部において、身体に沿うように平坦な形状をとる事が不十分になってしまう。
一方、クロッチ伸縮部200の伸長率を1.8倍よりも大きくすると、クロッチ伸縮部200の収縮方向における収縮寸法が大きくなり過ぎるため、クロッチ伸縮部200が存在する領域が、身体に沿うよりも密着する状態となり易く、使い捨ておむつ10が、着用者の下方にズレ易くなってしまう。
また、クロッチ伸縮部200の製品長手方向Lにおける収縮量は、使い捨ておむつ10の製品長手方向Lにおける長さの2〜8%となるように構成されていてもよい。
なお、収縮量は、皺が十分に小さくなり、サンプルの表面が平滑に近くなるように伸長した状態での長さ「b(mm)」と、サンプルの伸縮方向に沿う向きにおける自然状態での長さ「a(mm)」との差であり、(b-a)によって算出されることができる。
本発明者は、クロッチ伸縮部200の製品長手方向Lにおける収縮量を、使い捨ておむつ10の製品長手方向Lにおける長さの2〜8%とすると、使い捨ておむつ10を着用者に対して装着する過程において、クロッチ伸縮部200が、好ましく着用者の身体に沿い易くなることを確認することができた。
ここで、クロッチ伸縮部200の製品長手方向Lにおける収縮量を、8%より大きくすると、クロッチ伸縮部200が、縮み過ぎてしまい、使い捨ておむつ10の製品長手方向Lにおける長さが足りず、使い捨ておむつ10を着用者の身体に付け難くなったり、使い捨ておむつ10及び着用者の身体が、股下域25において、過度に密着してズレ易くなったりしてしまう。
一方、クロッチ伸縮部200の製品長手方向Lにおける収縮量を、2%以下とすると、使い捨ておむつ10を着用者の身体に近付けるというクロッチ伸縮部200の効果そのものが発現し難くなってしまう。
また、製品長手方向Lにおけるクロッチ伸縮部200の中心は、製品長手方向Lにおける使い捨ておむつ10の中心よりも、前胴回り域20側に配置されている。また、クロッチ伸縮部200は、製品長手方向Lにおける使い捨ておむつ10の中心を跨ぐように配置されている。
かかる場合、吸収性コア40aの剛性及び使い捨ておむつ10を構成する他の部材の剛性を考慮して、用いる弾性部材の太さや配置するピッチを適宜選択できるが、使い捨ておむつ10本体を自然状態(非伸張状態)とした際に、吸収性コア40aの製品幅方向Wにおける側縁部全域が収縮した状態となるようにすることが好ましい。
また、吸収体40の股下域25には、切欠き115(切欠き125)が形成される。切欠き115及び切欠き125は、吸収体40を構成する吸収性コア40aが存在しない領域である。本実施形態において、切欠き115及び切欠き125は、吸収性コア40aの目付けが吸収性コア40aの他の部分よりも低い低剛性部に該当する。なお、切欠き115及び切欠き125を形成することに代えて、切欠き115及び切欠き125の領域を、吸収性コア40aの目付けが吸収性コア40aの他の部分よりも低くするようにしてもよい。
切欠き115及び切欠き125は、クロッチ伸縮部200の製品長手方向Lにおける縁部に沿って存在する。なお、切欠き115及び切欠き125が形成されていても、前胴回り域20及び後胴回り域30に位置する吸収性コア40aと、股下域25に位置する吸収性コア40aとは、完全に切り離されることなく特に製品幅方向において連続していることが好ましい。
切欠き115及び切欠き125は、製品幅方向W外側に行くに連れて製品長手方向Lにおける長さ(使い捨ておむつ10の自然状態)が広くなっている。このような形状により、吸収性コア40aの製品幅方向W外側がより縮み易くなるため、平坦な「底部」がより容易に形成される。更には、切欠き115よりも前胴回り域20寄りに位置する吸収性コア40a、及び切欠き125よりも後胴回り域30寄りに位置する吸収性コア40aが、「底部」から立ち上がり、着用者の体(腹部および臀部)の丸みに沿うように湾曲し易くなるため、使い捨ておむつそのものの形状が着用者の体の形により近づくことができる。
また、切欠き115(切欠き125)の前胴回り域20(後胴回り域30)寄りの縁部は、円弧状である。切欠き115(切欠き125)の縁部は、円弧の中心が当該縁部よりも後胴回り域30(前胴回り域20)に位置するような形状である。このような形状により、着用者の体の丸みに沿った変形がより容易かつ顕著に起き易い。
(4)使い捨ておむつの製造方法
次に、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法の一例について説明する。なお、本実施形態において説明しない方法については、既存の方法を用いることができる。また、以下に説明する製造方法は、一例であり、他の製造方法によって製造することもできる。吸収性物品の製造方法は、構成部品形成工程と、構成部品載置工程と、脚回り形成工程と、切断工程とを少なくとも含む。
構成部品形成工程では、吸収性物品を構成する構成部品を形成する。具体的には、例えば、吸収材料を積層して吸収体40を成型したり、ファスニングテープ90を形成したりする。ファスニングテープ90は、積層体を切断して形成する。
図8は、ファスニングテープ90の製造工程を説明するための図であり、積層体100の切断態様を模式的に示した図である。積層体100は、基材シートが連続した連続基材シート体上に、フックシートが連続した連続フックシートが固定されたシート材である。図5に示すMDは、積層体の搬送方向であり、CDは、交差方向である。積層体の交差方向における寸法は、ファスニングテープ90の製品幅方向の2倍弱である。積層体の切断軌跡は、交差方向においてファスニングテープ90が隣接し、かつ搬送方向にファスニングテープ90に連続した状態である。積層体からファスニングテープ90を切りだすことにより、切断前の状態でファスニングテープ90間に位置するトリムが発生する。図8において、トリムの領域に斜線を付して示す。
トリムは、搬送方向に連続しており、トリムの交差方向における寸法は変化している。よって、トリムには、引張強度が異なる領域が設けられる。例えば、図5に示すA領域は、B領域よりも引張強度が低くなる。トリムは、ファスニングテープ90を切り出した後に廃棄する部分であり、廃棄するための回収という観点では、連続していることが望ましい。また、トリムを廃棄する際は、切断処理等の処理を機械で行う。そのとき、トリムが連続していると、機械に巻き込まれるおそれがある。しかし、トリムには、引張強度が異なる領域が設けられるため、機械処理時に比較的引張強度が低い領域が分離されやすくなる。よって、このようなファスニングテープ90を製造することにより、回収時に連続した状態でトリム回収でき、かつ機械処理時に力が掛かった際に細かくトリムが切断されるため、廃棄処理を円滑に行うことができる。
構成部品載置工程では、バックシートを構成するウェブ上に、レッグ伸縮部75を構成する伸縮性シートや、トップシートを構成するウェブ等の他のウェブ、防漏シート、吸収体、レッグ伸縮部75等の使い捨ておむつ10を構成する構成部品を載置する。
脚回り形成工程は、トップシート50、外装シート60、及びバックシート60aを切断する。これにより、着用者の脚回りに配置されるレッグ開口部35が形成される。
切断工程では、トップシート50、バックシート60a、吸収体40等が配置された連続体を製品幅方向Wに沿って一製品の大きさに切断する。これにより、使い捨ておむつ10が製造される。
(5)比較評価
表1及び表2は、ファスニングテープの比較評価結果を示す。表1及び表2に示すように、実施例1〜実施例7、及び比較例1〜4に係るファスニングテープについて試験を実施した。
表1に示すように、実施例1〜3、及び比較例1及び2に係るファスニングテープについて比較評価を行った。比較評価の試験では、市販のユニ・チャーム株式会社製の使い捨ておむつ「ムーニー ねんね仕立て Sサイズ」を用い、実施例1〜3に係るファスニングテープ及び比較例1及び2に係るファスニングテープを使い捨ておむつに付け替えることによって、評価試験用のサンプルを準備した。
評価試験では、ユニ・チャーム株式会社製の使い捨ておむつ「ムーニー ねんね仕立て Sサイズ」普段使用している母親を対象として、普段通りに装着・交換を各サンプルについて実施してもらい、「ファスニングテープの先端部をもって交換しやすいか」と質問をした。なお、サンプル毎に試験を行う対象者を変更して、試験を行った。よって、試験を行う対象者は、普段使用している「ムーニー ねんね仕立て Sサイズ」に対して交換しやすいか又は交換し難いかを質問した。
当該質問に対して、以下の(1)である人数の比率が70%を超えるサンプルを官能評価(触感)が良好であり、○と評価した。また、以下の(1)である人数の比率が70%以下のサンプルを官能評価(触感)が十分に良好でなく、×と評価した。
(1)交換しやすい
(2)交換しにくい
このような評価試験の結果によれば、先端部の製品幅方向の長さは、5mm以上12mm以下の範囲であることが好ましい。
表2に示すように、実施例4〜7、及び比較例3及び4に係るファスニングテープについて比較評価を行った。比較評価の試験では、市販のユニ・チャーム株式会社製の使い捨ておむつ「ムーニー ねんね仕立て Sサイズ」を用い、実施例4〜7に係るファスニングテープ及び比較例3及び4に係るファスニングテープを使い捨ておむつに付け替えることによって、評価試験用のサンプルを準備した。なお、基材シートは、目付70g/m2のスパンボンド不織布と、目付20g/m2のスパンボンド不織布とを積層した積層シートを用いた。
評価試験では、ユニ・チャーム株式会社製の使い捨ておむつ「ムーニー ねんね仕立て Sサイズ」普段使用している母親を対象として、普段通りに装着・交換を各サンプルについて実施してもらい、使用後のファスニングテープの接合部における赤ちゃんの肌の状態(赤みの有無)を母親に確認してもらった上で、「赤ちゃんの足まわりにやさしそうであるか」について5段階評価を受けた。
当該質問に対して、以下の(1)または(2)である人数の比率が70%を超えるサンプルを官能評価(触感)が良好であり、「◎」と評価し、(1)または(2)である人数の比率が60%を超えるサンプルを官能評価(触感)が良く、「○」と評価した。(1)または(2)である人数の比率が60%以下のサンプルを官能評価(触感)が十分に良好でなく、「×」と評価した。
(1)非常によい
(2)ややよい
(3)どちらとも言えない
(4)あまり良くない
(5)全く良くない
このような評価試験の結果によれば、接合部の製品長手方向の外側端部とフックシートの製品長手方向の外側端部との製品長手方向における距離は、2mm以上12mm以下の範囲であることが好ましい。
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、実施の形態に係る接合部と非接合部は、第1方向である製品長手方向に沿って延びており、かつ第2方向である製品幅方向において交互に配置されているが、この構成に限られない。例えば、第1方向が製品幅方向であり、かつ第2方向が製品長手方向であって、接合部と非接合部は、第1方向である製品幅方向に沿って延びており、かつ第2方向である製品長手方向において交互に配置されていてもよい。
フックシートの第2方向の両端部には、非接合部ではなく、接合部が設けられていてもよい。フックシートの第2方向の両端部を設けることにより、フックシートの両端部が基材シートから浮き上がることを抑制し、ファスニングテープの着脱時の操作性の悪化を抑制できる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。