JP6187325B2 - 乾燥装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥装置、画像形成装置に関する。
特許文献1には、長時間滞留した場合の過乾燥の発生を防止することが記載されている。すなわち、特許文献1では、シートに空気を吹き付け、紙のシートを冷却し、過乾燥限界温度に達することを防止している。
特許文献2には、印字面に空気流を供給することで、プリント表面の境界層を浄化(湿り空気を除去)し、乾燥時間を改善することで、用紙のコクリングを低減させることが記載されている。
特許文献3には、過乾燥発生を防止することが記載されている。すなわち、特許文献3では、乾燥機本体が、印刷機の待機状態に連動して輻射加熱手段への電源供給を自動的に断つコントローラを有する制御箱を備えている。
特開2001−146009号公報 特開2001−191507号公報 特開2006−015591号公報
本発明は、気体が乾燥領域から加熱領域に循環するのを抑制することができる乾燥装置及び画像形成装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明は、加熱手段を具備した加熱領域、並びに、記録媒体の搬送路が設けられ、前記加熱手段からの輻射熱で記録媒体を乾燥する乾燥領域を備え、前記乾燥領域と前記加熱領域との間を気体が行き来可能に仕切る仕切り部材を備えた乾燥部と、前記乾燥部へ、前記記録媒体の搬送方向に対向する方向に気体を供給する第1の供給手段と、
前記乾燥部へ、前記加熱手段から前記仕切り部材に向かう方向に気体を供給する第2の供給手段とを有し、前記第1の供給手段で供給される気体の供給口が、前記加熱領域及び前記乾燥領域の双方に設けられ、前記乾燥領域側の少なくとも流速を前記加熱領域側の流速よりも速くすることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記仕切り部材が、前記記録媒体が前記加熱手段の加熱源に接触することを防止し、かつ、前記加熱領域の気体を前記乾燥領域へ送り込むことが可能な孔を有する部材である。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2記載の発明において、前記第1の供給手段及び第2の供給手段で供給された気体を排出する排出手段をさらに有している。
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記排出手段が、前記加熱領域及び乾燥領域の双方に設けられ、前記第1の供給手段及び第2の供給手段から供給される気体の流量及び流速の設定、並びに、前記第1の供給手段及び第2の供給手段の供給口及び前記排出手段の排出口の選択によって、前記乾燥部内の気体の流動状態を制御する。
請求項5に記載の発明は、加熱手段を具備した加熱領域、並びに、記録媒体の搬送路が設けられ、前記加熱手段からの輻射熱で記録媒体を乾燥する乾燥領域を備え、前記乾燥領域と前記加熱領域との間を気体が行き来可能に仕切る仕切り部材を備えた乾燥部と、前記乾燥部へ、前記記録媒体の搬送方向に対向する方向に気体を供給する第1の供給手段と、前記乾燥部へ、前記加熱手段から前記仕切り部材に向かう方向に気体を供給する第2の供給手段と、前記第1の供給手段及び第2の供給手段で供給された気体を排出する排出手段とを有し、前記排出手段が、前記加熱領域及び乾燥領域の双方に設けられ、前記第1の供給手段及び第2の供給手段から供給される気体の流量及び流速の設定、並びに、前記第1の供給手段及び第2の供給手段の供給口及び前記排出手段の排出口の選択によって、前記乾燥部内の気体の流動状態を制御することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記乾燥部で搬送中の前記記録媒体の搬送が停止されときに、前記第2の供給手段から供給される気体が、前記加熱手段及び前記仕切り部材の冷却用として適用される。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の乾燥装置と、液滴を吐出することで記録媒体に画像を形成するインクジェット型画像形成部と、を有する画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、気体が乾燥領域から加熱領域に循環するのを抑制することができる。また、流速の差による気圧差で、加熱領域の気体を乾燥領域へ誘い込むことができる。
請求項2に記載の発明によれば、輻射エネルギーの増加により、加熱効率を向上することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の供給手段及び第2の供給手段で設定した流動状態を維持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、気体の流動状態を制御することができる。
請求項5に記載の発明によれば、気体が乾燥領域から加熱領域に循環するのを抑制することができる。また、第1の供給手段及び第2の供給手段で設定した流動状態を維持すると共に気体の流動状態を制御することができる。
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体の搬送停止時の過加熱を防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、筐体内の気体が乾燥領域から加熱領域に循環するのを抑制することができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施の形態に係る乾燥部の分解斜視図である。 (A)は乾燥風の供給口の選択、並びに流量が好ましいモードに設定された乾燥部の側面図、(B)は比較例としての乾燥部の側面図である。 (A)は乾燥部に設けられた背面ファンの斜視図、(B)は背面ファンによる乾燥風の流跡線を示す特性図、(C)は背面ファンによる乾燥風の流速特性図である。 実験例1に係る乾燥部の側面図であり、(A)はパターン1に係る乾燥部の側面図、(B)パターン2に係る乾燥部の側面図、(C)はパターン3に係る乾燥部の側面図、(D)は実験例1の評価図表である。 実験例2に係る乾燥部の側面図であり、(A)はパターン1に係る乾燥部の側面図、(B)パターン2に係る乾燥部の側面図、(C)はパターン3に係る乾燥部の側面図、(D)は実験例2の評価図表である。 実験例3に係る乾燥部の側面図であり、(A)はパターン1に係る乾燥部の側面図、(B)パターン2に係る乾燥部の側面図、(C)はパターン3に係る乾燥部の側面図、(D)はパターン4に係る乾燥部の側面図、(E)は実験例3の評価図表である。 (A)は細幅の記録媒体を搬送した場合の乾燥部の正面図、(B)は、本実施の形態に係る背面ファンが設けられた場合の細幅の記録媒体による流跡特性を示す乾燥部の正面図、(C)は比較例に係り背面ファンが無い場合の細幅の記録媒体による流跡特性を示す乾燥部の正面図である。
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置としてのインクジェット型画像記録装置10(以下、単に「画像記録装置10」という)の概略が示されている。
本実施の形態の画像記録装置10では、インクを用いて、所謂インクジェット方式で、インクを記録媒体12へ吐出して画像を記録(印字)し、乾燥させるようにしている。
図1に示される如く、記録媒体12は、予め給紙部14の給紙ローラ16に予め層状に巻き取られ装填されている。
給紙ローラ16に巻き取られた記録媒体12は、当該給紙ローラ16の最外層から引き出され、複数の巻掛ローラ18に巻欠けられ巻き掛けられて、収容部20の巻取ローラ22に巻き取られている。巻取ローラ22には、モータ(図示省略)が取り付けられ、記録媒体12を層状に巻き取るように巻取ローラ22を回転させる。すなわち、巻取ローラ22は駆動ローラであり、その他のローラは従動ローラとなる。
なお、給紙ローラ16、或いは巻掛ローラ18にモータを取り付けることで駆動ローラとし、それぞれのローラ間の記録媒体12のテンションを調整しながら、巻取ローラ22に巻き取るようにしてもよい。この場合、記録媒体12の弛みを検出する位置センサやテンションセンサを設け、各フィードバック制御によって駆動ローラの回転速度(回転方向を含む)を制御するようにしてもよい。
図1に示される如く、一対の巻掛ローラ18間は、記録媒体12が水平かつ直線的に搬送される領域が設けられ、画像形成部24とされている。
また、画像形成部24の下流側における一対の巻掛ローラ18間は、記録媒体12が垂直かつ直線的に搬送される領域が設けられ、乾燥部26とされている。
画像形成部24には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のインクジェットヘッド27Y、27M、27C、27Kが配列されている。以下、総称する場合は、インクジェットヘッド27という。
インクジェットヘッド27では、例えば、インクカセット(図示省略)に貯留されているインクを持ち込み、圧力制御、超音波制御等により、ノズルから液滴を、ノズルに対峙する記録媒体12に向けて吐出するようになっている。
本実施の形態における画像記録装置10では、ノズルが記録媒体12の主走査方向全域に配列されており、各色のインクジェットヘッド27が、記録媒体12の副走査方向に配列され、記録媒体12の搬送速度に同期して、各インクジェットヘッド27のノズルから画像データに応じたインク量の液滴が吐出される。
なお、この配列構成は、限定されるものではなく、インクジェットヘッド27を主走査方向に移動させる構成であってもよい。
乾燥部26では、前記画像形成部24で画像形成された記録媒体12が、図1の上から下に向けて搬送され、当該搬送に応じて、画像形成面が順次乾燥領域に対峙するようになっている。
図2は、乾燥部26の分解斜視図である。乾燥部26は、四方が壁面とされた主枠体28を備えている。すなわち、主枠体28は、図2の上下の板材が互いに平行とされ、かつ左右の板材が互いに平行とされて、矩形の枠が形成されている。
本実施の形態では、図番によって乾燥部26の向きが異なる場合があるため、以下、図2の主枠体28における下部の板材を「第1の壁部28A」という。また、図2の主枠体28における上部の板材を「第2の壁部28B」という。さらに、図2の主枠体28における左部の板材を「第3の壁部28C」という。また、図2の主枠体28における右部の板材を「第4の壁部28D」という。
前記第1の壁部28Aには、主枠体28の内方領域(後述する「加熱領域30」及び「乾燥領域32」)と連通する2個の乾燥風の供給口34、36が設けられている。乾燥風の供給口34、36は、第1の壁部28Aの長手方向に沿って設けられ、所謂スリット状となっている。
供給口34、36には、気体(空気)を供給する図示しない配管が施されている。配管は供給口34、36で独立して設けられている。このため、前記内方領域に向けて、供給口34、36から、それぞれ異なる流速で気体を供給可能となっている。
また、前記第2の壁部28Bには、主枠体28の内方領域と連通する2個の気体の排出口38、40が設けられている。気体の排出口38、40は、第2の壁部28Bの長手方向に沿って設けられ、所謂スリット状となっている。
排出口38、40には、気体を排出する図示しない配管が施されている。配管は排出口38、40で独立して設けられて図示しない吸引ポンプが介在されているが、計算上「自然開放」としてもポンプ吸引と同様の傾向を示す場合がある。以下、本実施の形態において、「自然開放」は、実際はポンプ吸引しているが、計算上、自然開放条件としている場合を含むものとする。なお、排出口38、40は、選択的に開閉可能である。
前記主枠体28の内側には、当該主枠体28の内方空間の開口面を区画するように仕切り部材としての網の部材(本実施の形態では金網42)が取り付けられている。
金網42は、主枠体28の内寸に対応しており、その周縁が、主枠体28の内面(第1〜第4の壁部28A、28B、28C、28Dの内面)に固定されている。なお、金網42を固定する手段は、限定されるものではなく、主枠体28の内面に溝を形成して嵌め込む、ブラケットを介して固定する、接着剤で固定する等、あらゆる固定手段のいずれであってもよい。
金網42は、耐熱性である必要があり金属製が好ましい。金属製の場合、アルミニウム、ステンレス、鉄、金等が挙げられるが、材質は限定されないが、停止時の用紙の過加熱を防ぐため、金属からの輻射熱が小さいものが好ましい。また、仕切り部材として、金網42の代わりに、金属製の板を孔開け加工した板でもよい。
金網42は、主枠体28の内方空間において、対面する開口面間を分割する役目を有している。分割された内方空間は、図2の奥側が加熱領域30とされ、ヒータユニット44が配置されている。ヒータユニット44は、棒状の発熱体であり、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して発熱している。なお、ヒータユニット44は、インクに当該ヒータユニット44からの熱エネルギー(輻射熱)を吸収させ、蒸発、乾燥を促進させることを目的としており、発熱体の発光エネルギー域が、水のエネルギー吸収波長域に重なるものが好ましい。例えば、赤外線ヒータが代表的であるが、赤外線ヒータに限定されるものではない。
一方、図2の手前側は、開口面に沿って記録媒体12が搬送される乾燥領域32とされる。
図3(A)は、図1及び図2に示した乾燥部26が、90°右に回転された状態で示されている。なお、図3(B)は、図3(A)に対する比較例であり、後述する。
図3(A)に示される如く、前記供給口34、36は、それぞれ金網42によって区画された加熱領域30と、乾燥領域32に仕分けられて配置されている。また、排出口38、40は、それぞれ金網42によって区画された加熱領域30と、乾燥領域32に仕分けられて配置されている。
すなわち、加熱領域30と乾燥領域32には、供給口34、36と排出口38、40が、それぞれ1個ずつ配置されている。
加熱領域30と乾燥領域32とは、金網42の構造的特性から、網穴より大きい物体の行き来が制限されるが、気体の行き来が可能となっている。言い換えれば、加熱領域30側から気体は、乾燥領域32へ流入可能であるが、乾燥領域32側から記録媒体12は、加熱領域30側へは至らない構造となっている。
ここで、加熱領域30側の開口面には、背面ファンユニット48が取り付けられている。
図4(A)に示される如く、背面ファンユニット48は、前記加熱領域30側の開口面を閉塞するベース部材50を備えている。ベース部材50には、9個の円孔が設けられ、気体の吐出口52とされている。吐出口52は、ベース部材50の主面領域を矩形状に均等に9分割し、それぞれ分割した矩形領域の対角線上に中心が来るように設けることが好ましい。なお、9個の吐出口52は、千鳥状に配置してもよいし、不均等に配置してもよい。
前記ベース部材50は、9個の背面ファン54が取り付けられている。背面ファン54は、所謂軸流ファンである。背面ファン54は、回転軸に羽根が取り付けられ、回転軸をモータで駆動して回転させる構造であり、本実施の形態では、羽根の直径が100mmとされている背面ファン54の回転軸は、前記吐出口52(円孔)の中心と一致するように、ベース部材50に取り付けられており、9個の吐出口52が、背面ファン54が駆動したときの乾燥風の吐出口となる。
図3(A)に示される如く、背面ファン54から供給される気体は、乾燥領域32に対してヒータユニット44(発熱体)の背面から前面に通過することで加熱され、金網42へ至る流れが主体となっている。
背面ファン54としては、軸流ファンに限定されるものではなく、9個である必要もなく、別の場所で気流を生成し、ダクトで案内するようにしてもよい。また、気体の吐出口52は、円孔に限るものではなく、スリット孔、網目口を含む他の開口形状であってもよい。
ここで、本実施の形態では、乾燥部26の内部を流動する気体は、乾燥部26内の過加熱を抑制する冷却を第1の目的としている(詳細後述)。一方、この気体は、第2の目的として、ヒータユニット44からの輻射熱による記録媒体12の乾燥に対し、当該乾燥を補助するべく、湿度の高い気体を記録媒体12から除去する役目を有している。従って、以下では、気体を「乾燥風」と称する。
乾燥部26は、乾燥風の入口として、第1の壁部28Aに設けられた供給口34、36に加え、背面ファンユニット48に設けられた吐出口52が存在する。
一方、乾燥部26は、乾燥風の出口として、第2の壁部28Bに設けられた排出口38、40が存在する。
ここで、本実施の形態の乾燥部26では、供給口34、36、吐出口52から供給された乾燥風を、搬送されている記録媒体12の画像記録面に吹き付ける。このため、輻射熱による乾燥で記録媒体12から蒸発した水分を含む気体が記録媒体12から排除されるようになっている。
また、乾燥風の主流は、供給口34、36からの供給によって生成され、記録媒体12の記録面に沿って、記録媒体12の搬送方向とは逆方向に流れ、乾燥後の湿った気体が、排出口38、40から排出されるようになっている。乾燥風と記録媒体搬送方向を逆方向とすることで、相対的な流速が速くなり、湿った気体の排除能力が向上する。
なお、加熱領域30と乾燥領域32とが、ガラス板や金属板を用いて仕切られた輻射加熱方式の乾燥装置に比べて、本実施の形態における金網42で仕切られた乾燥部26では、ヒータユニット44からの熱エネルギーを損失することなく利用可能であるため、乾燥効率が向上している。乾燥風はこの輻射熱による乾燥効率の向上に合わせて、単位時間当たりの湿った気体の除去能力を向上させている。
一方、乾燥風が行き来可能、ということは、逆に、乾燥が実行される過程において、乾燥領域32に発生する記録媒体12の紙粉が加熱領域30へ移行する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、背面ファンユニット48を取り付け、吐出口52から所望の乾燥風をヒータユニット44の背面から送り出し、乾燥領域32から金網42を超えようとする気流を抑制し、結果として、紙粉が加熱領域30へ到達することを防止している。
また、背面ファンユニット48からの乾燥風は、気流として、ヒータユニット44→金網42→記録媒体12の順に流動するため、例えば、記録媒体12が搬送停止するような非常時において、乾燥風が冷却機能を持ち、ヒータユニット44,金網42を冷却すると共に、記録媒体12の過加熱による過乾燥を防止することが可能である。
図4(B)は、背面ファンユニット48における流跡線を矢印で示したものであり、吐出口52から送り込まれた乾燥風は、加熱領域30において、ヒータユニット44に向けて均等に吹き付けられている。この結果、乾燥領域32では、供給口34から送り込まれた乾燥風が、記録媒体12の搬送方向と逆方向に沿って、加熱領域30に向くことなく、排出口38方向へ至るようになる。
また、図4(C)は、背面ファンユニット48における流速の分布特性図であり、循環流を発生させる速度のばらつきがないことがわかる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
図3(A)は、本実施の形態の乾燥部26において、後述する実験結果に基づいて得られた供給口34、36、吐出口52、排出口38、40の開閉状態、並びに、供給口34、36、吐出口52からの乾燥風の流速の好ましいモードの形態を示している。
なお、供給口34、36、吐出口52の開口面積が確定しているため、流速が特定されれば必然的に流量が特定される。
図3(A)は、本実施の形態に係る好ましいモードの乾燥部26であり、以下の条件に設定されている。
(条件1) 乾燥領域32側の供給口34から供給される乾燥風の流速は、10m/secである。
(条件2) 加熱領域30側の供給口36から供給される乾燥風の流速は、5m/secである。
(条件3) 背面ファンユニット48の吐出口52から供給される乾燥風の流速は、1m/secである。
(条件4) 乾燥領域32側の排出口38は、計算上の自然開放状態である。
(条件5) 加熱領域30側の排出口40は、閉止状態である。
図3(B)は、背面ファンユニットを設けていない比較例に係る乾燥部である。この比較例は、背面ファンを設けていない以外は本実施の形態の乾燥部26と同一なので、同一の符号の末尾に「P」を付して、その構成の説明は省略する。
比較例の乾燥部26Pでは、乾燥領域32P側の供給口34Pから供給される乾燥風の流速は、10〜20m/secである。
また、加熱領域30P側の供給口36Pは、大気開放されている。
さらに、2個の排出口38P、40Pは、計算上の自然開放状態である。
図3(A)及び(B)では、両者の乾燥風の流れ(4m/sec以上)の流れを矢印で示しており、図3(B)では明らかに逆流(循環流が発生)しているのに対し、図3(A)では循環流は発生していない。
図3(C)は、図3(A)の本実施の形態の好ましいモードと、図3(B)の比較例とを比較したものである(表1参照)。
表1に示される如く、背面ファンユニット48を設けた好ましいモードでは、循環流がなくなることで、乾燥領域32から加熱領域30への乾燥風の流れも抑制され、乾燥工程において生じる乾燥領域32の紙粉が、乾燥風の流れにのって加熱領域30へ移行することが防止された。
また、背面ファンユニット48は、図3(A)の上から下への乾燥風の流れを生成しているため、背面ファンユニット48が存在しない場合よりも金網42上での乾燥風の流速が速くなり、金網42の冷却効果が向上する。さらに、循環流が抑制されるので、記録媒体12から蒸発した水分を含む湿った空気が、効率よく排出口38から排出される。
また、記録媒体12が緊急停止した場合、ヒータユニット44がオフになっても、滞留している乾燥風が徐々に加熱され、結果として記録媒体12が過加熱に落ちる場合がある。この場合、本実施の形態では、背面ファン54からの乾燥風が、ヒータユニット44及び金網42を冷却する効果があり、記録媒体12の過加熱が防止される。
(実験例)
図5〜図7は、図3(A)に示した乾燥部26の好ましいモードのパラメータを設定するために行った実験例1〜実験例3である。
「実験例1」
実験例1は、乾燥風の供給側と排出側との組み合わせパターンによる乾燥部内の気体の流動特性を検証するものであり、乾燥風の加熱領域30側への気流の向きにより、紙粉が加熱領域30に混入するか否かを判断する。
実験例1では、パターン1、パターン2、パターン3の順に乾燥風の澱みが徐々に少なくなっている。乾燥風の澱みは、循環流が原因の1つである。
図5(A)に示される如く、パターン1では、加熱領域30側の供給口36から乾燥風を供給せず、加熱領域30側の排出口40を計算上、自然開放している。このパターン1では、背面ファンユニット48を設けても、澱みが最も発生し易くなることがわかる。
図5(B)に示される如く、パターン2は、パターン1に対して、加熱領域30側の排出口40を閉塞している。パターン2では、パターン1に対して改善は見られるが、依然として乾燥風の澱みが発生している。
一方、図5(C)に示される如く、パターン3は、パターン2に対して、加熱領域30側の供給口36から乾燥風を供給(5m/sec)した。パターン3では、背面ファンユニット48の機能が十分に発揮され、乾燥風の澱みが軽減される。
「実験例1の評価」
図5(D)に示される如く、実験例1では、供給口及び排出口の数によって、主として加熱領域30に乾燥風(気体)の澱みの発生量が変化しているが、供給は、乾燥領域32及び加熱領域30の双方、排出は乾燥領域32に特定することが好ましいことがわかる。
また、加熱領域30側の供給口36から乾燥風を供給することで、背面ファンユニット48の機能が十分に発揮され、循環流は発生せず、紙粉が加熱領域30へ混入することが防止される。
従って、実験例1における好ましいモードは、パターン3である。
「実験例2」
実験例2は、加熱領域30側の供給口36(供給側No.2)の流速が異なるパターンによる、乾燥部26(加熱領域30及び乾燥領域32)の乾燥風(気体)の流動特性を検証するものであり、金網42の温度遷移、乾燥領域32で発生した紙粉が加熱領域30に混入するか否かを判断する。
実験例2において、図6(A)に示される如く、パターン1では、金網42の温度が所望温度よりも上がる傾向にあるが、循環流の発生はない。
また、図6(B)に示される如く、パターン2では、金網42の温度が所望温度以下に抑制され、かつ、循環流の発生はない。
図6(C)に示される如く、パターン3では、金網42の温度が所望温度以下に抑制されるが、供給口側に循環流が発生し、紙粉が加熱領域30へ混入する可能性がある。
「実験例2の評価」
図6(D)に示される如く、実験例2では、加熱領域30側の供給口36の流速が速ければ速いほど、金網温度を所望温度に抑制が可能であるが、速すぎると、供給口34、36側に循環流(せん断流に起因する)が発生するため、加熱領域30側の供給口36の流速に、許容の上限及び下限が存在することがわかる。
従って、実験例2における好ましいモードは、パターン2である。
「実験例3」
実験例3は、背面ファンユニット48の流速が異なるパターンによる、乾燥部26(加熱領域30及び乾燥領域32)の乾燥風(気体)の流動特性を検証するものであり、金網42の温度遷移、乾燥領域32で発生した紙粉が加熱領域30に混入するか否かを判断する。
実験例3において、図7(A)に示される如く、パターン1の背面ファン54の吐出口52から吐出される乾燥風の流速は、1m/secである。
また、図7(B)に示される如く、パターン1の背面ファン54の吐出口52から吐出される乾燥風の流速は、0.8m/secである。
図7(C)に示される如く、パターン1の背面ファン54の吐出口52から吐出される乾燥風の流速は、0.5m/secである。
図7(D)に示される如く、パターン1の背面ファン54の吐出口52から吐出される乾燥風の流速は、0.3m/secである。
パターン1〜パターン4の何れにおいても、金網42の温度が所望温度以下に抑制される。また、パターン1〜パターン4の何れにおいても、紙粉が加熱領域30に混入するような循環流は発生しない。
「実験例3の評価」
図7(E)に示される如く、背面ファン54の流速は、循環流を発生させる主たる要因にはならない。また、背面ファン54の流速が速い方が、ヒータユニット44及び金網42の冷却効率(循環流抑制を含む)が高まる。なお、冷却効率は、上限(100%)に近づけば近づくほどフラット(変化量少)となり、必要以上に流速を速める必要はなく、1m/sec以上では、冷却効率に大きな変化はない。
従って、実験例3における好ましいモードは、パターン1である。
(実験例1から実験例3までの総括)
本実施の形態における乾燥部26は、上記実験例1から実験例3における、それぞれの好ましいモードを組み合わせて乾燥風を流速を決定した(図3(A)参照)。
すなわち、本実施の形態の乾燥部26は、乾燥領域32側の供給口34から供給する乾燥風の流速を10m/secとし、加熱領域30側の供給口36から供給する乾燥風の流速を5m/secとし、背面ファン54から供給する乾燥風の流速を1m/secとし、加熱領域30側の排出口38を閉止して乾燥領域32側の排出口40から排出(計算上、自然開放)することとし、表1(図3(C)に示すように、比較例に比べて、紙粉の加熱領域30の混入が抑制され、ヒータユニット44(発熱体)及び金網42の冷却効果を高め、湿り空気の除去効果(乾燥効率)が高まる。
なお、上記実験例1から実験例3では、検証する条件以外を固定値として行ったが、複数の条件を変数として、実験を行うようにしてもよい。
(細幅記録媒体12の搬送時の乾燥状態)
ここで、上記実施の形態では、乾燥領域32側の開口面に対して、記録媒体12が全てを閉塞することを前提として、紙粉の加熱領域30側への混入の要因となる循環流を抑制するようにしたが、乾燥部26の幅寸法よりも短い幅寸法の記録媒体12Sを乾燥対象とした場合、乾燥領域32側の開口面の全てを閉塞しない状態で乾燥が実行される場合がある。
図8(A)は、乾燥領域32側の開口面の正面図であり、記録媒体12Sが通過する領域以外は、金網42及びヒータユニット44(発熱体)が露出した状態となる。
図8(B)は背面ファン54を取り付けた構造(本実施の形態)での乾燥風(気体)の流れを矢印で示したものであり、図8(C)は背面ファンユニット48(背面ファン54)が無い構造(比較例)での乾燥風(気体)の流れを矢印で示したものである。
図8(C)に示されるように比較例では、記録媒体12S上において循環流が発生し、紙粉が加熱領域30へ混入する可能性がある。
一方、図8(B)に示されるように本実施の形態では、記録媒体12S上においても、循環流の発生が抑制され、この結果、紙粉が加熱領域30へ混入することは防止される。
10 画像記録装置
12 記録媒体
14 給紙部
16 給紙ローラ
18 巻掛ローラ
20 収容部
22 巻取ローラ
24 画像形成部
26 乾燥部
27(27Y、27M、27C、27K) インクジェットヘッド
28 主枠体
28A 第1の壁部
28B 第2の壁部
28C 第3の壁部
28D 第4の壁部
30 加熱領域
32 乾燥領域
34、36 供給口
38、40 排出口
42 金網(仕切り部材)
44 ヒータユニット
48 背面ファンユニット
50 ベース部材
52 吐出口
54 背面ファン

Claims (7)

  1. 加熱手段を具備した加熱領域、並びに、記録媒体の搬送路が設けられ、前記加熱手段からの輻射熱で記録媒体を乾燥する乾燥領域を備え、前記乾燥領域と前記加熱領域との間を気体が行き来可能に仕切る仕切り部材を備えた乾燥部と、
    前記乾燥部へ、前記記録媒体の搬送方向に対向する方向に気体を供給する第1の供給手段と、
    前記乾燥部へ、前記加熱手段から前記仕切り部材に向かう方向に気体を供給する第2の供給手段とを有し、
    前記第1の供給手段で供給される気体の供給口が、前記加熱領域及び前記乾燥領域の双方に設けられ、前記乾燥領域側の少なくとも流速を前記加熱領域側の流速よりも速くする乾燥装置。
  2. 前記仕切り部材が、前記記録媒体が前記加熱手段の加熱源に接触することを防止し、かつ、前記加熱領域の気体を前記乾燥領域へ送り込むことが可能な孔を有する部材である請求項1記載の乾燥装置。
  3. 前記第1の供給手段及び第2の供給手段で供給された気体を排出する排出手段をさらに有する請求項1又は請求項2記載の乾燥装置。
  4. 前記排出手段が、前記加熱領域及び乾燥領域の双方に設けられ、
    前記第1の供給手段及び第2の供給手段から供給される気体の流量及び流速の設定、並びに、前記第1の供給手段及び第2の供給手段の供給口及び前記排出手段の排出口の選択によって、前記乾燥部内の気体の流動状態を制御する請求項3記載の乾燥装置。
  5. 加熱手段を具備した加熱領域、並びに、記録媒体の搬送路が設けられ、前記加熱手段からの輻射熱で記録媒体を乾燥する乾燥領域を備え、前記乾燥領域と前記加熱領域との間を気体が行き来可能に仕切る仕切り部材を備えた乾燥部と、
    前記乾燥部へ、前記記録媒体の搬送方向に対向する方向に気体を供給する第1の供給手段と、
    前記乾燥部へ、前記加熱手段から前記仕切り部材に向かう方向に気体を供給する第2の供給手段と、
    前記第1の供給手段及び第2の供給手段で供給された気体を排出する排出手段とを有し、
    前記排出手段が、前記加熱領域及び乾燥領域の双方に設けられ、
    前記第1の供給手段及び第2の供給手段から供給される気体の流量及び流速の設定、並びに、前記第1の供給手段及び第2の供給手段の供給口及び前記排出手段の排出口の選択によって、前記乾燥部内の気体の流動状態を制御する乾燥装置。
  6. 前記乾燥部で搬送中の前記記録媒体の搬送が停止されときに、前記第2の供給手段から供給される気体が、前記加熱手段及び前記仕切り部材の冷却用として適用される請求項1〜請求項5の何れか1項記載の乾燥装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項記載の乾燥装置と、
    液滴を吐出することで記録媒体に画像を形成するインクジェット型画像形成部と、
    を有する画像形成装置。
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