JP6253473B2 - 管状体 - Google Patents

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本発明は、外周面に装飾(模様)を施した管状体に関する。
通常、管状体である釣竿の外周面には様々な装飾が施されており、光輝性を有する外観を形成することがある。このような光輝性を有する外観は、例えば、表面に金属(アルミニウム、金、銀など)の蒸着層を形成することにより、或いは、顔料として光輝性を有する装飾粒子(金属箔、パール粒子など)を混入した塗料を、塗装、インクジェット印刷、スクリーン印刷等によって形成することが可能である。この場合、上記のような蒸着や、光輝性を有する粒子を含有した塗料では、光輝性が強すぎて外観が均一になってしまうことから、例えば、特許文献1に開示されているように、光輝性を抑制することが行われている。すなわち、光輝性を有する粒子に加え、遮光性のある粒子を混入することにより、反射光を弱めることができ、光輝色をある程度抑制した外観にすることが可能となる。
特開2008−86241号
しかし、上記した従来技術では、光輝性のある粒子の中に遮光性のある粒子がランダムに分散することから、全体として光輝色を抑えた外観が得られるに過ぎず、また、アクセントのある外観とはならない。すなわち、上記した従来の管状体の外観模様は、光輝性のある粒子が遮光性のある粒子と共に深さ方向に亘って均一に分散した状態になることから、深みのある立体感に欠けるという問題がある。また、表面に何らかのアクセントを形成するに際しては、印刷等で表現しようとしても、それは平面的になってしまい、アクセント部分で深みのある(立体感のある)外観にはならない。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、外観にアクセントがある光輝性の模様を有し、かつ、そのアクセント部分で立体的で深みのある外観が得られる管状体を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る管状体は、繊維強化樹脂材によって表面にピッチ幅が0.5mm〜5.0mm、深さが20μm〜200μmの連続した凹凸部が形成され、前記凹凸部の表面に、顔料として平均径が60μm以下の偏光パール粒子を分散させた光輝性のある塗装を少なくとも一部に形成しており、前記凹凸部を、強化繊維を3軸方向に編成したプリプレグシートを表面に巻回することで形成し、前記凹凸部に分散される偏光パール粒子を、凸部の表面領域よりも凹部内領域に多数分散させたことを特徴とする。
上記した構成の管状体は、繊維強化樹脂材で形成され、その表面に、ピッチ幅が0.5mm〜5.0mm、深さが20μm〜200μmの連続した凹凸部が形成されている。このような大きさで連続的な凹凸部を表面に形成することで、外観は、連続した筋状の模様のアクセントが形成されることとなり、凹凸部が形成されていない表面とは印象が異なる(外観模様として区別化が図れる)外観を得ることが可能となる。また、このような筋状の模様において、顔料として平均径が60μm以下の偏光パール粒子を、凸部の表面領域よりも凹部内領域に多数分散させた(深い部分に沢山の偏光パール粒子が存在する)ことから、異なる方向で発色が異なる特性を有する偏光パール粒子からの反射光が、凹部の深いところでは明るい状態(光輝性が高く見る方向で色合いが変わる外観)となり、かつ凸部の高い位置では暗い状態(光輝性が低く見る方向で色合いが変わる外観)となる。すなわち、筋状の模様(アクセント模様)による凹凸感が外観として把握でき、また、凸部と凹部との境界部分が立体的となって(深みがある)、外観が向上した管状体となる。
なお、本発明において、顔料として偏光パール粒子を用いたのは、光輝性がある通常の金属箔では、光の反射が均一になる傾向が強いとともに同様な色調の反射光となり、見る方向が変わっても大きな外観変化が得られず、他の外観模様との区別化が十分に図れないことによる。すなわち、偏光パール粒子を用いれば、光輝性のあるパール光沢が得られるとともに、見る方向によって色調の変化が得られ、外観が著しく向上できるようになる。また、上記した大きさの粒子径を、上記した大きさの凹凸部の表面に、凹部内が多くなるように分散させることで、凹凸部によるアクセント(縞模様)を際立たせることができ、かつ凹部部分で深みのある立体的な外観が得られるようになる。
本発明によれば、外観にアクセントがある光輝性の模様を有し、かつ、そのアクセント部分で立体的で深みのある外観が得られる管状体が得られる。
本発明に係る管状体の一例(釣竿)を示した側面図。 管状体の表面に凹凸部を形成するための一例を示す図であり、管状体の表面に巻回される強化繊維を3軸方向に編成したプリプレグシートの平面拡大図。 塗料に分散される偏光パール粒子の構成を示す断面図。 図2のA−A線に沿った断面図。 偏光パール粒子を分散した塗料を塗装した管状体の比較写真であり、(a)は凹凸部内に偏光パール粒子を分散させた(凹部内の偏光パール粒子を多く分散させた)状態を示す写真、(b)は凹凸部を形成せずに偏光パール粒子を分散させた状態を示す写真。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る装飾層を備えた管状体の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明は、管状体として釣竿に適用することが可能である。図示のように、釣竿1は、複数の管状体としての竿杆、具体的には、グリップ3aを有する元竿3と、中竿5と、穂先竿7とによって構成される。この場合、各竿杆3,5,7は、振出し式または並継ぎ式に構成されており、各竿杆3,5,7を構成する管状体本体(素材本体10;図4参照)は、公知のように、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグをマンドルに巻回し、加熱・焼成・脱芯など常法に従って形成されている。また、各竿杆3,5,7の表面は、後述するような凹凸状態にされて模様20が形成されている。
以下、竿杆(元竿)3を例示して、竿杆表面に形成される模様20について説明する。
竿杆3の表面(素材本体10の表面10a)には、ピッチ幅Wが0.5mm〜2.0mm、深さHが20μm〜200μmの連続した凹凸部21が形成されている。本実施形態では、凹凸部21は、軸長方向に沿って連続的に形成されており、図4に示すように、前記ピッチ幅Wは、凹凸部21が連続した方向に沿って断面視した際、隣接する凸部21aの中心位置同士の距離によって定義され、前記深さDについては、表面10aに対する凸部21aの高さによって定義される。このため、竿杆3の表面は、連続形成される凹凸部によって、軸長方向に沿って輪帯状の縞模様が連続的に形成されるようになる。
このような凹凸部21は、例えば、竿杆(管状体)成形時に、マンドレルに巻回されるプリプレグシートによって形成することが可能である。具体的には、例えば、図2に示すように、多数の繊維を束状にすることで構成された強化繊維12a,12b,12cを3軸方向に編成したプリプレグシート12を表面に巻回することで形成することが可能である。この場合、各繊維の径は、直径が3〜10μmとしたものが用いられており、このようなプリプレグシート12を最外層に巻回することにより、容易に上記したピッチ幅W、深さDの凹凸部21を竿杆表面に形成することが可能となる。
上記したプリプレグシート12をマンドレルに巻回するに際しては、1つの平行状態にある強化繊維(図では強化繊維12aとなる)を軸長方向Xに対して直交するY方向に沿うように巻回することで、図4に示すような凹凸部21を軸長方向に沿って形成することが可能となる。すなわち、編成された強化繊維の隣接する強化繊維12a間に、重なった強化繊維12b,12cが入り込むことによって、1つの凸部21aが形成されるようになる。
本発明において、管状体の表面に形成される凹凸部21に関し、ピッチ幅Wを0.5mm〜5.0mmとし、かつ、深さHを20μm〜200μmに特定したのは、上記したような3軸プリプレグシート12を最外層となるように巻回した場合、容易に連続した凹凸部を形成することができるとともに、そのように形成される凹凸部21は、竿杆表面に形成されるアクセント(軸長方向に沿った連続的な縞模様となる)として、一般的な外観模様と区別化でき、外観的にも良い印象が与えることができることに基づく。また、後述するような大きさの偏光パール粒子を顔料として用いた場合に、凹凸部の大きさとの関係で立体的になった縞模様となり、好ましい外観が得られたことによる。
なお、凹凸部21については、上記したような構成のプリプレグシート12を巻回する以外にも、例えば、表面に緊締テープを密巻きし、剥離することによって形成しても良いし、表面を研磨することで形成しても良い。
上記したように形成された凹凸部21に対しては塗装が施される。この塗装に用いられる塗料30は、所定の合成樹脂(例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニール系樹脂等)31に、所望の大きさの偏光パール顔料(粒子)32を均一に混入したもので構成され、これにより光輝性のある外観にできるとともに、見た方向で色調が変わる(単色ではない)外観にすることが可能となる。
混入される偏光パール顔料32は、図3に概略で示すように、コア部材32aとして雲母(マイカ)が用いられ、その表面に、雲母に対して屈折率が高い酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物32b,32cを複数層、被着することで構成される。すなわち、偏光パール顔料は、コア部材32aに対して複数の高屈折率の外面被膜層32b,32cが重ねて被着されることから、単なる金属箔やパール顔料と比較すると、入射光、反射光の屈折する領域が増え、この結果、層間の境界部分での光干渉効果が高まって、光の当たり具合や見る位置によって、メタリック調の光沢を発現しつつ見る方向によって異なる色彩の外観が得られる。
上記のような偏光パール顔料32は、所定の合成樹脂に所望の密度で混入されるが、その大きさ(最大となる径L)を考慮した場合、分散される偏光パール顔料の平均径が、60μm以下のものが用いられる。これは、混入される偏光パール顔料の平均径が、60μmよりも大きくなってしまうと、偏光パール粒子が合成樹脂中に所望の密度で、均一に分散できなくなってしまい、凹凸部21に塗布した際、偏光パール粒子が密集する領域や存在しない領域が点在する傾向となり、凸部領域と凹部領域において、以下のように相対的に凹部内の密度が高い状態にならず、深みのある外観が得られなくなってしまうからである。
上記したような塗料30は、凹凸部21の表面に対して、その凹凸部に分散される偏光パール粒子32の割合が、凸部21aの表面領域よりも凹部21b内の領域に多数分散するように塗装される。具体的に、このような状態については、凹凸部21が形成されている方向に沿ってシゴキ塗装を施すことにより形成することが可能である。すなわち、上記したような径の顔料を含んだ塗料によれば、軸方向にしごくように凹凸部に付着させることで、偏光パール顔料は、凹部21bに多数入りこむことができ、図4に示すように、凹凸部21の深い部分(凹部の領域)では、頂部の領域と比較して、相対的に沢山の偏光パール粒子32が存在するように被着することが可能となる。
凹凸部21に対してこのような塗装を施すことで、異なる方向から見た際、発色が異なる特性を有する偏光パール粒子32からの反射光が、凹部21bの深いところでは明るい(薄い)状態になるとともに、凸部21aの高い位置では暗い(濃い)状態となり、凹部21bの領域では、明るい状態で色彩変化を多くすることができるようになる。また、凹凸部によって形成される筋状の模様(アクセント模様)による凹凸感が外観として把握できるようになり、凸部21aから凹部21bに至る境界領域が立体的となって(深みがある)、外観の向上が図れるようになる。
ここで、図5を参照して、上記したように形成される外観模様について説明する。
(a)は、上記した構成で得られる管状体の表面を撮影したものであり、(b)は、比較対象として、同じ塗料を、凹凸部を形成していない表面に同様なシゴキ塗装によって被着した状態の管状体の表面を撮影したものである。なお、両写真において写り込んでいるドット状の白色部分は、撮影時のフラッシュによって偏光パール顔料部分で瞬間的に反射した領域であり、実際に目視した際には、このようなドット状の白色は認識することはできない。
管状体表面に、上記したような連続的な凹凸部21が形成されていることで、凹部の深いところでは、多数の偏光パール顔料が密集して反射がランダムな状態となって明るい状態(光輝性がある薄い色;写真では薄い赤色部分)となる。また、凸部の高い位置では、少ない量の偏光パール粒子が分散(図5(b)に示すような状態で分散)しており、この領域では光輝性が低くなって暗い状態(光輝性がある濃い色;写真では黒に近い赤色部分)となる。すなわち、凸部の高い位置から低い位置(凹部)に移行するに当たり、光輝性が低い状態から高い状態に変化することから、色調が変化する縞状になったアクセント模様が得られるようになる。また、凹部には多数の偏光パール粒子が存在しているため、見る角度による色調の変化も大きくなる。
これに対して、凹凸部が形成されていない表面に、同様な塗料を同様な方法で被着しても、図5(b)に示すように、単に、全体的に光輝性のある反射光が得られるに留まり、アクセント模様による色調の変化は得られず、深みのある立体的な外観も得ることはできない。
また、上記のような偏光パール粒子32を含んだ塗装の表面には、保護層を形成することが好ましい。このような保護層は、例えば、エポキシ、ウレタン、アクリル、アクリルシリコン、シリコン等の合成樹脂を吹き付け、シゴキ、刷毛塗り等によって被着することができ、塗装表面を平滑化することができるようになる。また、保護層は、顔料等を混入して着色したものであっても良い。
さらに、上記した保護層については、図4に示すように複数層形成しても良い(保護層40,41)。このように、保護層を複数層形成することで、層間の境界部分で屈折率の変化が得られ、さらに外観に変化を持たせることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
上記した塗料は、顔料である偏光パール粒子のコア部材を雲母としているが、単に光輝性のある外観するのであれば、コア部材としてアルミニウム、金、銀などを用いて金属光沢の光輝性にすることも可能である。また、管状体の表面に形成される凹凸部については軸長方向に沿って連続的に形成したが、周方向に亘って連続するように形成しても良く、そのような凹凸部は、管状体の一部に形成しても良い。
1 釣竿
3,5,7 竿杆(管状体)
10 管状体本体
10a 表面
12 3軸プリプレグシート
12a,12b,12c 強化繊維
20 模様
21 凹凸部
21a 凸部
21b 凹部
30 塗料
31 樹脂
32 偏光パール粒子
40,41 保護層

Claims (3)

  1. 繊維強化樹脂材によって表面にピッチ幅が0.5mm〜5.0mm、深さが20μm〜200μmの連続した凹凸部が形成され、前記凹凸部の表面に、顔料として平均径が60μm以下の偏光パール粒子を分散させた光輝性のある塗装を少なくとも一部に形成した管状体であって、
    前記凹凸部を、強化繊維を3軸方向に編成したプリプレグシートを表面に巻回することで形成し、
    前記凹凸部に分散される偏光パール粒子を、凸部の表面領域よりも凹部内領域に多数分散させたことを特徴とする管状体。
  2. 前記凹凸部は、軸長方向に沿って連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状体。
  3. 前記偏光パール粒子を含んだ塗装の表面に複数層の保護層を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の管状体。
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