JP6280355B2 - 磁気ディスク用基板の製造方法及び研磨処理用キャリア - Google Patents
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Description
従来、このキャリアとして、機械的強度及びコストの点からガラス繊維で樹脂を補強した繊維強化樹脂が広く用いられている。特に、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた層を複数層積層させた構成のキャリアが好適に用いられる。しかし、このキャリアでは、ガラス基板が研削あるいは研磨されるとき、ガラス基板の端面(外周端面)に欠陥、例えば凹んだ傷が生じる場合がある。この傷の深さは端面に形成される他の傷に比べて深くかつ長い。この傷の凹んだ部分にスラリ中の砥粒が付着し、また、傷により発生したガラスチップが端面に付着して発塵源となる場合もある。特に、最終研磨で用いる研磨スラリ中の砥粒が端面とキャリアとの間に挟まれて微粒子として凹状の傷内に付着しさらには固着する。このように付着した微粒子は、ガラス基板に磁性層を形成するときに行うスパッタリング中にガラス基板の端面から離脱して主表面上に乗って磁性層に欠陥をつくる場合もある。
また、薄板状ワークを研磨機用キャリアで保持して研磨する際にワークの外周端面の傷や摩耗を防止する研磨機用キャリアが知られている(特許文献2)。
上述の被研磨体の側端面を傷付けることがない研磨キャリアは、被研磨体の装填される保持穴を有して、この保持穴の内壁面の平均面粗さRacが、被研磨体の側端面の平均面粗さRasに対して、Rac < 3Rasの関係を満たすように、保持穴の内壁面が鏡面加工されている。
一方、ガラス基板等のワークの外周端面の傷や摩耗を防止する上述の研磨機用キャリアでは、ワーク保持孔の内周端面に、厚み方向に沿って中間部が湾曲して陥没する曲面凹部が形成されている。
また、曲面凹部が内周端面に形成されている上述の研磨機用キャリアを用いてガラス基板の研磨を行った場合、外周端面の凹んだ傷は低減しなかった。特に、研磨中、ガラス基板の外周端面のうち、上定盤の側に位置したガラス基板の主表面に近い部分、すなわち、ガラス基板の主表面に直交する側壁面と面取り面の接続部分近傍において、比較的深い傷が生じた。
以上の知見より、本願発明者は、以下の発明を見出した。
前記研磨処理用キャリアは、ガラス繊維に樹脂材料を含浸させた板材で構成される。 前記保持穴を画する保持穴内周壁面は、前記研磨処理用キャリアの第1のキャリア主表面と接続する前記保持穴内周壁面の接続部分から延び、前記研磨処理用キャリアの第1のキャリア主表面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記第1のキャリア主表面に対して直交し、前記第1のキャリア主表面に対向する第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面とを接続するように、前記第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面の間に設けられる側壁面と、を備える。
前記保持穴の中心軸を通り前記研磨処理用キャリアの板厚方向に平行な面で切断した前記保持穴の断面において、前記第1の傾斜面の断面形状は、前記第1のキャリア主表面に対する第1の傾斜角度を一定にして延びた直線形状あるいは前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲線形状である。
前記保持穴内周壁面は、さらに、前記第1の傾斜面の端から前記側壁面の端まで延びる前記第1傾斜角度が変化した凸状の曲面を備える、こともまた好ましい。
前記保持穴の前記断面において、前記第1の傾斜面における曲率半径は、前記研磨処理用キャリアの板厚の0.03倍以上1.0倍以下である、ことが好ましい。
基板を、キャリアに設けられた保持孔に保持した状態で前記基板を上定盤と下定盤とで挟み、前記基板の主表面と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に移動させることで、前記基板の主表面を研磨する研磨処理を含む磁気ディスク用基板の製造方法である。当該製造方法において、 前記キャリアの板厚は、前記基板よりも薄い板厚であり、
前記キャリアは、ガラス繊維に樹脂材料を含浸させた板材で構成され、
前記保持孔を画する保持孔内周壁面は、前記キャリアの第1のキャリア主表面と接続する前記保持孔内周壁面の接続部分から延び、前記キャリアの第1のキャリア主表面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記第1のキャリア主表面に対して直交し、前記第1のキャリア主表面に対向する第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面とを接続するように、前記第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面の間に設けられる側壁面と、を備え、
前記保持孔の中心軸を通り前記キャリアの板厚方向に平行な面で切断した前記保持孔の断面において、前記第1の傾斜面の断面形状は、前記第1のキャリア主表面に対する第1の傾斜角度を一定にして延びた直線形状あるいは前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲線形状であり、
前記第1のキャリア主表面は前記上定盤に向き、前記第1のキャリア主表面と対向する第2のキャリア主表面は、前記下定盤を向くように前記キャリアは配される。
前記研磨処理を行うとき、前記下定盤の側に位置する基板面取り面と前記基板側壁面との接続部分の、前記下定盤の側に位置する前記基板の主表面からの距離Hgが、前記第1の傾斜面と前記キャリアの前記側壁面との接続部分の、前記第2のキャリア主表面からの距離Hcより短い、ことが好ましい。
前記基板は、例えば、ガラス基板である。
本実施形態の研磨処理用キャリアを用いるガラス基板の研磨装置について図1及び図2を参照して説明する。図1は、研磨装置(両面研磨装置)の分解斜視図である。図2は、研磨装置の断面図である。研削装置についても研磨装置と同様の構成を有するので、研削装置の説明は省略する。
研磨装置において、下定盤60の上面および上定盤50の下面には、研磨パッド10が貼り付けられている。図1では、研磨パッド10はシート状に記されている。研磨パッド10には、例えば、発泡ウレタン樹脂等を用いることができる。
キャリア30は、円板状のガラス基板Gを上定盤50と下定盤60で挟んでガラス基板Gの主表面を研磨する際に、ガラス基板Gを保持するための保持穴32を有する。具体的には、キャリア30は、外周部に設けられて太陽歯車61及び内歯車62に噛合する歯部31と、ガラス基板Gを収容し保持するための1または複数の保持穴32とを有する。太陽歯車61、外縁に設けられた内歯車62および円板状のキャリア30は全体として、中心軸CTRを中心とする遊星歯車機構を構成する。円板状のキャリア30は、内周側で太陽歯車61に噛合し、かつ外周側で内歯車62に噛合するともに、ガラス基板Gを1または複数を収容し保持する。下定盤60上では、キャリア30が遊星歯車として自転しながら公転し、ガラス基板Gと下定盤60とが相対的に移動させられる。例えば、太陽歯車61が反時計回りの方向に回転すれば、キャリア30は時計回りの方向に回転し、内歯車62は反時計回りの方向に回転する。その結果、下定盤60とガラス基板Gの間に相対運動が生じる。同様にして、ガラス基板Gと上定盤50とを相対的に移動させてもよい。
図3(a)は、保持穴32を画するキャリア30の保持穴内周壁面33の一例の断面図であり、図3(b)は、研磨中のガラス基板Gとキャリア30の関係を説明する図である。
保持穴32を画するキャリア30の保持穴内周壁面33は、キャリア30の第1のキャリア主表面34と接続する保持穴内周壁面33の接続部分36から延び、キャリア30の第1のキャリア主表面34に対して傾斜した第1の傾斜面37を備える。このとき、保持穴32の中心軸(図3(a)中の一点鎖線)を通りキャリア30の板厚方向に平行な面で切断した保持穴32の断面において、第1の傾斜面37の断面形状は、第1のキャリア主表面34に対する第1の傾斜角度θを一定にして延びた直線形状である。
このような保持穴内周壁面33の断面形状を有することで、図3(b)に示すように、研磨パッド10に挟まれてガラス基板Gが研磨されるとき、第1のキャリア主表面34と側壁面38との間に第1の傾斜面37が設けられるので、第1のキャリア主表面34と側壁面38とでつくられるエッジ部が存在しない。すなわち、ガラス基板Gの外周端面に接触するエッジ部はなく、ガラス基板Gの外周端面に集中した力を与えることにより傷をつけるエッジ部はない。ここで、キャリア30の板厚は、ガラス基板Gの板厚より薄く、キャリア30の側壁面38は、ガラス基板Gのガラス主表面に直交する側壁面80と当接する。このように、キャリア30の側壁面38とガラス基板Gの側壁面80とを当接させるためには、図3(b)に示す距離Hgが距離Hcより短いことが好ましい。距離Hgは、下定盤60の側に位置するガラス基板Gの面取り面82とガラス基板Gの側壁面80との接続部分81の、下定盤60の側に位置するガラス基板Gの主表面からの距離である。距離Hcは、第1の傾斜面37とキャリア30の側壁面38との接続部分43の、第2のキャリア主表面35からの距離である。
このとき、側壁面38と第1の傾斜面37との接続部分43に角が形成されるが、この角は、側壁面38と第1の傾斜面37との間に鈍角の角度で形成されるので、ガラス基板Gの外周端面に傷を付け難い。
図4(a)に示す保持穴内周壁面33には、図3(a)に示す第1の傾斜面37及びそく壁面38の他に、側壁面38と第2のキャリア主表面35との間に第2の傾斜面39が設けられている。第2の傾斜面39は、第2のキャリア主表面35と接続する保持穴内周壁面33の接続部分40から延び、第2のキャリア主表面35に対して傾斜している。保持穴30の断面において、第2の傾斜面39における断面形状は、第2のキャリア主表面35に対する第2の傾斜角度を一定にして延びた直線形状である。第2の傾斜面39は、第2のキャリア主表面35と接続する保持穴内周壁面33の接続部分40と側壁面38の端との間に設けられている。第2の傾斜角度は、第1の傾斜角度と同じであっても異なってもよいが、同じであることが好ましい。特に、第1の傾斜面37の長さと第2の傾斜面39の長さが同じであり、第1の傾斜角度と第2の傾斜角度が同じである場合、第1のキャリア主表面34と第2のキャリア主表面35を区別する必要がなくなる点で有効である。
なお、図5に示す第1の傾斜面37の断面形状は、直線形状であるが、曲線形状であってもよい。図5に示す第1の傾斜面37の断面形状が曲線形状である場合、第1の傾斜角度θ(第1の傾斜面37の接線の傾斜角度)の最大値は、ガラス基板Gの面取り面82の、ガラス基板Gの主表面に対する傾斜角度と同等か、それよりも高いことが、ガラス基板Gが保持穴32から外れることなく安定してガラス基板を研磨する点で好ましい。第1の傾斜角度θは、第1の傾斜面37と第2のガラス主表面35との接続部分43において最大となるので、接続部分43における第1の傾斜角度θ(第1の傾斜面37の接線の傾斜角度)が、ガラス基板Gの主表面に対する傾斜角度と同等かそれよりも大きいことが好ましい。
このようなキャリア30を用いた研磨装置さらには、この研磨装置と略同様の構成をした研削装置に用いて、以下に示すような磁気ディスク用ガラス基板の製造に好適に用いることができる。ガラス基板の研削装置を用いた研削では、研磨に比べて研削後のガラス基板の主表面の粗さRaは大きい。このような研削において、上定盤及び下定盤のそれぞれとガラス基板との間に研削液を供給してガラス基板の主表面を研削してもよい。あるいは、上定盤及び下定盤のそれぞれに固定砥粒を設け、この固定砥粒とガラス基板との間に潤滑液を供給してガラス基板の主表面を研削してもよい。
本実施形態の製造方法では、まず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクの成形処理が行われる。次に、このガラスブランクの粗研削が行われる。この後、ガラスブランクに形状加工及び端面研磨が施される。この後、ガラスブランクから得られたガラス基板に固定砥粒を用いた精研削が行われる。この後、第1研磨、化学強化、及び、第2研磨がガラス基板に施される。なお、本実施形態では、上記流れで行うが、上記処理がある必要はなく、これらの処理は適宜行われなくてもよい。以下、各処理について、説明する。
ガラスブランクの成形では、例えばプレス成形法を用いることができる。プレス成形法により、円形状のガラスブランクを得ることができる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスブランクに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラス基板が得られる。
粗研削では、具体的には、ガラスブランクを、図1,2に示す装置と同様の遊星歯車機構の周知の両面研削装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持穴内に保持しながらガラスブランクの両側の主表面の研削が行われる。この時、上述のキャリア30を用いることができる。研削材として、例えば遊離砥粒が用いられる。粗研削では、ガラスブランクが目標とする板厚寸法及び主表面の平坦度に略近づくように研削される。なお、粗研削は、成形されたガラスブランクの寸法精度あるいは表面粗さに応じて行われるものであり、場合によっては行われなくてもよい。
次に、形状加工が行われる。形状加工では、ガラスブランクの成形後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより、円孔があいた円盤形状のガラス基板を得る。その後、ガラス基板の端面の面取りを実施する。これにより、ガラス基板の端面には、主表面と直交している側壁面80(図3(b)参照)と、側壁面と両側のガラス主表面との間に、ガラス主表面に対して傾斜した面取り面82(図3(b)参照)が形成される。
次にガラス基板の端面研磨が行われる。端面研磨は、例えば研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周側端面及び外周側端面を研磨対象とし、内周側端面及び外周側端面を鏡面状態にする。
次に、ガラス基板の主表面に精研削が施される。具体的には、固定砥粒を貼り付けた定盤を用い、図1,2に示した研磨装置と同様の遊星歯車機構の両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削を行う。この場合、研磨パッドの代わりに固定砥粒を定盤に設ける。具体的には、ガラス基板を、両面研削装置の保持部材である上述したキャリア30に設けられた保持穴内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を固定砥粒で行う。研削による取代量は、例えば10μm〜200μm程度である。
本実施形態の研削では、固定砥粒を含んだ研削面とガラス基板の主表面とを接触させてガラス基板の主表面を研削するが、遊離砥粒を用いた研削を行ってもよい。
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨が施される。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、図1,2に示される研磨装置のキャリア30に設けられた保持穴32内に保持しながらガラス基板Gの両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨は、遊離砥粒を用いて、定盤に貼り付けられた研磨パッドを用いる。第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みの除去をする。第1研磨では、主表面端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の表面粗さ、例えば算術平均粗さRaを低減することができる。
第1研磨に用いる遊離砥粒は特に制限されないが、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などが用いられる。
研磨パッドの種類は特に制限されないが、例えば、硬質発泡ウレタン樹脂ポリッシャが用いられる。
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化の後に研磨を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
次に、化学強化後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する遊星歯車機構の両面研磨装置が用いられる。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、図1〜3に示される研磨装置のキャリア30に設けられた保持穴32内に保持しながらガラス基板Gの両側の主表面の研磨が行われる。こうすることで主表面の端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の粗さを低減することができる。第2研磨が第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類が異なり及び粒子サイズが小さくなることと、研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度が軟らかくなることである。
第2研磨は、必ずしも必須ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。このようにして、第2研磨の施されたガラス基板は磁気ディスク用ガラス基板となる。
また、図3(b)に、研磨中のキャリア30とガラス基板Gの関係が示されているように、研磨のとき、ガラス基板Gの面取り面82におけるガラス基板Gの板厚方向に沿った長さ、すなわち下定盤60の側に位置するガラス基板Gの面取り面82とガラス基板Gの側壁面80との接続部分81の、下定盤60の側に位置するガラス基板Gの主表面からの距離Hgが、第1の傾斜面37とキャリア30の側壁面38との接続部分43の、第2のキャリア主表面35からの距離Hcより短いことが、ガラス基板Gが研磨中に保持穴32から外れて破損すること(不安定な研磨)を防止する点で好ましい。
本実施形態の効果を確認するために、種々のキャリアを作製して、このキャリアを用いて複数のガラス基板の研磨を行い、ガラス基板の外周端面の傷(端面欠陥)を調べた。ガラス基板Gの側壁面80を挟む両側の面取り面82の、ガラス基板Gの主表面に対する傾斜角度は、いずれも45度である。加工対象の磁気ディスク用ガラス基板は、2.5インチサイズで板厚が0.8mmのガラス基板とした。
上述したガラス基板Gの製造方法において(e)精研削まで行った後、下記表1〜3に示すキャリアを用いて、ガラス主表面の(f)第1研摩を以下の条件で行った。
・研磨剤:酸化セリウム(平均粒径d50:1.2〜1.4μm)
・研磨パッド:軟質ウレタンパッド(スウェード)
・研磨による取代量:40μm
・キャリア:ガラス繊維から成るガラスクロスをエポキシ樹脂で含浸させた板材。
また、保持穴内周壁面33の断面形状の曲率半径は、市販品の輪郭形状測定器を用いて計測した結果から求めた。
キャリア30の板厚をt[mm]とした。下記表1は、実施例1〜6と従来例のキャリアの形態と、端面欠陥(傷)の評価結果を示している。実施例1〜6では、第1の傾斜面37及び第2の傾斜面39の曲率半径を変更した。第1の傾斜面37及び第2の傾斜面39の曲率半径は同じに揃えた。表1に示す従来例は、第1の傾斜面37がなく、第1のキャリア主表面とキャリア側壁面が直交してできたエッジ部がある形態である。
表2の評価結果によれば、図5に示す第1の傾斜面37の形態では、第1の傾斜角度θは、0度より大きく85度以下において、端面欠陥(傷)の発生が許容範囲内であった。図5に示す第1の傾斜面37の形態では、第1の傾斜角度θは、ガラス基板が保持穴32から外れず安定した研磨ができ、かつ、端面欠陥を発生させないためには、45度(ガラス基板Gの面取り面82の主表面に対する傾斜角度)以上80度以下であることが好ましい。
表3の評価結果によれば、距離Hc=0[mm]の条件を含む、距離Hcが距離Hgより小さい条件では、第1の傾斜角度θが15度以上45度未満である場合、端面欠陥は発生しないが、一部のガラス基板Gが破損し、不安定な研磨であった。これは、ガラス基板Gの一部が保持穴32から外れ第1の傾斜面37の上に乗って、ガラス基板Gに余分な力が加わったことによる。図3(a)の第1の傾斜面37の形態において、第1の傾斜角度θが45度(ガラス基板Gの面取り面82の主表面に対する傾斜角度)以上85度以下である場合、距離Hcが距離Hgより大きくても、あるいは距離Hg以下であっても、安定した研磨ができ、かつ、端面欠陥の発生は抑制される。そして、距離Hcが距離Hgより小さい条件では、第1の傾斜角度θが15度以上85度以下であることが端面欠陥の発生を抑制する点で好ましく、表2の結果を合わせると、第1の傾斜角度θが15度以上80度以下であることが端面欠陥を発生させない点で好ましい。さらに、端面欠陥を発生させず、ガラス基板Gの安定した研磨を行う点で、45度以上80度以下であることがより好ましい。
30 キャリア
31 歯部
32 保持穴
33 保持穴内周壁面
34 第1のキャリア主表面
35 第2のキャリア主表面
36,40,42,43 接続部分
37 第1の傾斜面
38 側壁面
39 第2の傾斜面
41 曲面
50 上定盤
60 下定盤
61 太陽歯車
62 内歯車
71 供給タンク
72 配管
80 側壁面
81 接続部分
82 面取り面
Claims (9)
- 円板状のガラス基板を上定盤及び下定盤で挟んで前記ガラス基板のガラス主表面を研磨処理する際に前記ガラス基板を保持するための保持穴を有する板状の研磨処理用キャリアであって、
前記研磨処理用キャリアは、ガラス繊維に樹脂材料を含浸させた板材で構成され、
前記保持穴を画する保持穴内周壁面は、前記研磨処理用キャリアの第1のキャリア主表面と接続する前記保持穴内周壁面の接続部分から延び、前記研磨処理用キャリアの第1のキャリア主表面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記第1のキャリア主表面に対して直交し、前記第1のキャリア主表面に対向する第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面とを接続するように、前記第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面の間に設けられる側壁面と、を備え、
前記保持穴の中心軸を通り前記研磨処理用キャリアの板厚方向に平行な面で切断した前記保持穴の断面において、前記第1の傾斜面の断面形状は、前記第1のキャリア主表面に対する第1の傾斜角度を一定にして延びた直線形状あるいは前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲線形状である、ことを特徴とする研磨処理用キャリア。 - 前記第1の傾斜面は、前記第1の傾斜角度を一定にして前記第1のキャリア主表面に対して傾斜した面であり、
前記保持穴内周壁面は、さらに、前記第1の傾斜面の端から前記側壁面の端まで延びる前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲面を備える、請求項1に記載の研磨処理用キャリア。 - 前記保持穴の前記断面において、前記第1の傾斜面の端から前記側壁面の端まで延びる前記凸状の曲面における曲率半径は、前記研磨処理用キャリアの板厚の0.03倍以上の長さである、請求項2に記載の研磨処理用キャリア。
- 前記第1の傾斜面は、前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲面であり、
前記保持穴の前記断面において、前記第1の傾斜面における曲率半径は、前記研磨処理用キャリアの板厚の0.03倍以上1.0倍以下である、請求項1に記載の研磨処理用キャリア。 - 前記第1のキャリア主表面は前記上定盤に向くように配される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨処理用キャリア。
- 基板を、キャリアに設けられた保持孔に保持した状態で前記基板を上定盤と下定盤とで挟み、前記基板の主表面と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に移動させることで、前記基板の主表面を研磨する研磨処理を含む磁気ディスク用基板の製造方法であって、
前記キャリアの板厚は、前記基板よりも薄い板厚であり、
前記キャリアは、ガラス繊維に樹脂材料を含浸させた板材で構成され、
前記保持孔を画する保持孔内周壁面は、前記キャリアの第1のキャリア主表面と接続する前記保持孔内周壁面の接続部分から延び、前記キャリアの第1のキャリア主表面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記第1のキャリア主表面に対して直交し、前記第1のキャリア主表面に対向する第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面とを接続するように、前記第2のキャリア主表面と前記第1の傾斜面の間に設けられる側壁面と、を備え、
前記保持孔の中心軸を通り前記キャリアの板厚方向に平行な面で切断した前記保持孔の断面において、前記第1の傾斜面の断面形状は、前記第1のキャリア主表面に対する第1の傾斜角度を一定にして延びた直線形状あるいは前記第1の傾斜角度が変化した凸状の曲線形状であり、
前記第1のキャリア主表面は前記上定盤に向き、前記第1のキャリア主表面と対向する第2のキャリア主表面は、前記下定盤を向くように前記キャリアは配される、ことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記基板の外周端面は、両側の基板の主表面に対して直交した基板側壁面と、前記基板側壁面と前記両側の基板の主表面のそれぞれとの間に設けられた基板面取り面と、を備え、
前記研磨処理を行うとき、前記下定盤の側に位置する基板面取り面と前記基板側壁面との接続部分の、前記下定盤の側に位置する前記基板の主表面からの距離Hgが、前記第1の傾斜面と前記キャリアの前記側壁面との接続部分の、前記第2のキャリア主表面からの距離Hcより短い、請求項6に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記研磨処理は、遊離砥粒を含む研磨スラリを前記基板の主表面と前記上定盤及び前記下定盤との間に供給して行う研磨である、請求項6または7に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記基板は、ガラス基板である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2013247312A JP6280355B2 (ja) | 2013-11-29 | 2013-11-29 | 磁気ディスク用基板の製造方法及び研磨処理用キャリア |
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