[詳細な説明]
一般に、OLEDは、アノードとカソードとの間に配置され且つそれらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が流された場合、有機層(1又は複数)にアノードは正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電した電極に向かって移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在化された電子−正孔対である「励起子」が形成される。励起子が発光機構によって緩和するときに光が発せられる。いくつかの場合には、励起子はエキシマー又はエキシプレックス上に局在化されうる。非放射機構、例えば、熱緩和も起こりうるが、通常は好ましくないと考えられる。
初期のOLEDは、一重項状態から光を発する(「蛍光」)発光性分子を用いており、例えば、米国特許第4,769,292号明細書(この全体を参照により援用する)に記載されているとおりである。蛍光発光は、一般に、10ナノ秒よりも短いタイムフレームで起こる。
より最近、三重項状態から光を発する(「燐光」)発光物質を有するOLEDが実証されている。Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998 (“Baldo-I”);
及び、Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999) (“Baldo-II”)、これらを参照により全体を援用する。燐光は、米国特許第7,279,704号明細書の第5〜6欄に、より詳細に記載されており、これを参照により援用する。
図1は有機発光デバイス100を示している。この図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子阻止層130、発光層135、正孔阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含み得る。カソード160は、第一導電層162および第二導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記載した層を順次、堆積させることによって作製できる。これらの様々な層の特性及び機能、並びに例示物質は、米国特許第7,279,704号明細書の第6〜10欄により詳細に記載されており、これを参照により援用する。
これらの層のそれぞれについてのより多くの例が得られる。例えば、可撓性且つ透明な基材−アノードの組み合わせが米国特許第5,844,363号明細書に開示されており、参照により全体を援用する。p型ドープ正孔輸送層の例は、50:1のモル比で、F4−TCNQでドープしたm−MTDATAであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。発光物質及びホスト物質の例は、Thompsonらの米国特許第6,303,238号明細書に開示されており、その全体を参照により援用する。n型ドープ電子輸送層の例は、1:1のモル比でLiでドープされたBPhenであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。米国特許第5,703,436号明細書及び同5,707,745号明細書(これらはその全体を参照により援用する)は、上に重ねられた透明な電気導電性のスパッタリングによって堆積されたITO層を有するMg:Agなどの金属の薄層を有する複合カソードを含めたカソードの例を開示している。阻止層の理論と使用は、米国特許第6,097,147号明細書及び米国特許出願公開第2003/0230980号公報に、より詳細に記載されており、その全体を参照により援用する。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号公報に提供されており、その全体を参照により援用する。保護層の記載は米国特許出願公開第2004/0174116号公報にみられ、その全体を参照により援用する。
図2は倒置型(inverted)OLED200を示している。このデバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、およびアノード230を含む。デバイス200は記載した層を順に堆積させることによって製造できる。最も一般的なOLEDの構成はアノードの上方に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下方に配置されたカソード215を有するので、デバイス200を「倒置型」OLEDとよぶことができる。デバイス100に関して記載したものと同様の物質を、デバイス200の対応する層に使用できる。図2は、デバイス100の構造からどのようにいくつかの層を省けるかの1つの例を提供している。
図1および2に例示されている簡単な層状構造は非限定的な例として与えられており、本発明の実施形態は多様なその他の構造と関連して使用できることが理解される。記載されている具体的な物質および構造は事実上例示であり、その他の物質および構造も使用できる。設計、性能、およびコスト要因に基づいて、実用的なOLEDは様々なやり方で上記の記載された様々な層を組み合わせることによって実現でき、あるいは、いくつかの層は完全に省くことができる。具体的に記載されていない他の層を含むこともできる。具体的に記載したもの以外の物質を用いてもよい。本明細書に記載されている例の多くは単一の物質を含むものとして様々な層を記載しているが、物質の組合せ(例えばホストおよびドーパントの混合物、または、より一般的には混合物)を用いてもよいことが理解される。また、層は様々な副層(sublayer)を有してもよい。本明細書において様々な層に与えられている名称は、厳格に限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し且つ発光層220に正孔を注入するので、正孔輸送層として、あるいは正孔注入層として説明されうる。一実施形態において、OLEDは、カソードとアノードとの間に配置された「有機層」を有するものとして説明できる。この有機層は単一の層を含むか、または、例えば図1および2に関連して記載したように様々な有機物質の複数の層をさらに含むことができる。
具体的には説明していない構造および物質、例えばFriendらの米国特許第5,247,190号(これはその全体を参照により援用する)に開示されているようなポリマー物質で構成されるOLED(PLED)、も使用することができる。さらなる例として、単一の有機層を有するOLEDを使用できる。OLEDは、例えば、Forrestらの米国特許第5,707,745号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているように積み重ねられてもよい。OLEDの構造は、図1および2に示されている簡単な層状構造から逸脱していてもよい。例えば、基板は、光取出し(out-coupling)を向上させるために、Forrestらの米国特許第6,091,195号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているメサ構造、および/またはBulovicらの米国特許第5,834,893号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているピット構造などの、角度の付いた反射表面を含みうる。
特に断らないかぎり、様々な実施形態の層のいずれも、何らかの適切な方法によって堆積されうる。有機層については、好ましい方法には、熱蒸着(thermal evaporation)、インクジェット(例えば、米国特許第6,013,982号および米国特許第6,087,196号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、有機気相成長(organic vapor phase deposition、OVPD)(例えば、Forrestらの米国特許第6,337,102号(その全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびに有機気相ジェットプリンティング(organic vapor jet printing、OVJP)による堆積(例えば、米国特許出願第10/233,470号(これはその全体を参照により援用する)に記載されている)が含まれる。他の適切な堆積方法には、スピンコーティングおよびその他の溶液に基づく方法が含まれる。溶液に基づく方法は、好ましくは、窒素または不活性雰囲気中で実施される。その他の層については、好ましい方法には熱蒸着が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクを通しての蒸着、圧接(cold welding)(例えば、米国特許第6,294,398号および米国特許第6,468,819号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかに関連するパターニングが含まれる。その他の方法も用いることができる。堆積される物質は、それらを特定の堆積方法に適合させるために改変されてもよい。例えば、分枝した又は分枝していない、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキルおよびアリール基などの置換基が、溶液加工性を高めるために、小分子に用いることができる。20個又はそれより多い炭素を有する置換基を用いてもよく、3〜20炭素が好ましい範囲である。非対称構造を有する物質は対称構造を有するものよりも良好な溶液加工性を有しうるが、これは、非対称物質はより小さな再結晶化傾向を有しうるからである。デンドリマー置換基は、小分子が溶液加工を受ける能力を高めるために用いることができる。
本発明の実施形態により製造されたデバイスは多様な消費者製品に組み込むことができ、これらの製品には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータのモニタ、テレビ、広告板、室内もしくは屋外の照明灯および/または信号灯、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明な(fully transparent)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンタ、電話機、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、乗り物、大面積壁面(large area wall)、映画館またはスタジアムのスクリーン、あるいは標識が含まれる。パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスを含めて、様々な制御機構を用いて、本発明にしたがって製造されたデバイスを制御できる。デバイスの多くは、18℃から30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの、人にとって快適な温度範囲において使用することが意図されている。
本明細書に記載した物質及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有しうる。例えば、その他のオプトエレクトロニクスデバイス、例えば、有機太陽電池及び有機光検出器は、これらの物質及び構造を用いることができる。より一般には、有機デバイス、例えば、有機トランジスタは、これらの物質及び構造を用いることができる。
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロ環基、アリール、芳香族基、及びヘテロアリールの用語は、当分野で公知であり、米国特許第7,279,704号明細書の第31〜32欄で定義されており、これを参照により援用する。
[発明の説明]
有機電子供与体及び有機電子受容体を含む有機層を溶液堆積させることによる有機発光デバイスの作製方法であって、この方法によって非極性溶媒に対して不溶性の層が形成される方法を提供する。好ましくは、この有機層はデバイス中の正孔注入層(HIL)を形成する。HILはOLED中で特に重要な有機層であり、なぜなら、それは発光層中の発光物質に正孔を提供することを助けるからである。
溶液加工されたOLEDにとって、有機層は、次の有機層に用いられる溶媒に対して耐性でなければならない。これまで、次の層に対して耐性の有機層をもたらすために利用できるわずか2つの方法しかなかった。第一には、直交溶媒(orthogonal solvent)を用いることができ、例えば、水溶液中のPEDOT/PSSである。第二には、架橋性ポリマーを用いることができる。この第二の場合、層を処置してポリマーを架橋させた後に膜が不溶性になる(国際公開第2008/073440号公報を参照されたい)。
本発明では、非架橋性有機化合物の混合物が、次の有機層に用いられる非極性溶媒に不溶な層を形成する。本明細書で用いる場合、「非極性溶媒」は3.5以下の極性指数(polarity index)を有する。この極性指数は、フェノメネックス(Phenomenex)社のカタログの付録中の溶媒混和性表(Solvent Miscibility Table)において定義されている(http://www.chemical-ecology.net/java/solvents.htmも参照されたい)。この不溶性有機層には、有機電子供与体、例えば、トリアリールアミン誘導体、及び有機電子受容体、例えば、アザトリフェニレンが含まれる。特に好ましい有機電子供与体は、0.6V(vs Fc+/Fc)未満の酸化電位を有する。有機電子受容体は、−1.0V(vs Fc+/Fc)よりも高い第一還元電位を有する。理論に縛られないが、この有機電子供与体と有機電子受容体は、イオン性電荷移動錯体を形成し、それによって非極性溶媒に対して不溶性の層を作りだすと考えられる。
トリアリールアミン誘導体を含む真空熱蒸着OLEDは文献に報告されている(例えば、米国特許出願公開第2008/107919号公報、同第2008/124572号公報、及び米国特許第6344283号公報を参照されたい)。特に、真空蒸着OLEDのためのHIL材料としてp−ドープされたトリアリールアミン誘導体を用いることが報告されている(Walzerら,Chemical Review, 2007, 107, 1233を参照されたい)。無機電子供与体と組み合わせたトリアリールアミンの不溶性層を含む溶液加工されたOLED(この場合、その層は金属酸化物に埋め込まれている)もまた報告されている(Suzukiら,SID Digest, 2007, 1840-1843を参照されたい)。しかし、有機電子受容体と組み合わせて非架橋性トリアリールアミン誘導体を含む有機層はまだ報告されていない。これらの化合物を用いる良好な有機層膜の形成は、いくつかの理由から予測できなかった。それらの化合物の特性は、それらが溶液加工された多層デバイスのためには劣る膜しか作らないであろうことを示唆している。特に、トリアリールアミン誘導体及びアザトリフェニレンの結晶性は、芳しくない膜形成を示唆している。さらに、これらの化合物は、層がVTE加工法、すなわち溶液加工とは非常に異なる方法を用いて堆積されたOLEDに伝統的に用いられてきている。
さらに、トリアリールアミン誘導体と導電性ドーパントの組成物を加熱して、不溶性の層が形成されることは驚くべきことだった。その膜は非常に劣る耐溶剤性を有し、したがって、溶液加工された多層デバイスの用いるためには適していないことが予測される。別個に加熱した場合には、これらの化合物は不溶性にはならないだろう。本発明では、有機電子供与体、すなわち、トリアリールアミン誘導体と、有機電子受容体、すなわち、アザトリフェニレンを含む有機層を加熱することで、予期せぬことに、非極性溶媒に対して不溶性の層の形成をもたらした。架橋する必要がない小分子化合物を含む不溶性の有機層はこれまでに報告がない。したがって、これらの小分子物質が加熱したときに不溶性になるという予測は存在しなかった。本明細書に記載した不溶性層は、溶液加工されたOLEDの作製にとって特に有利である。
さらに、有機電子供与体、すなわちトリアリールアミン誘導体と、有機電子受容体、すなわちアザトリフェニレンを含む有機層を有するデバイスは、向上した特性を有することができ、それには、より長い寿命、良好な再現性、発光効率を維持すると同時により低い作動電圧、及び向上した精製を有することができ、図3に示したとおりである。
有機発光デバイスの作製方法を提供する。この方法は、電極を準備する工程、溶液法によってその電極と接触した第一の有機層を堆積させる工程、及び、その第一の有機層を加熱して非極性溶媒に不溶性である層を形成させる工程を含む。好ましくは、その電極はアノードであり、且つ、第一の有機層はそのアノードと接触させて堆積される。
第一の有機層は、有機電子受容体と、下記式:
を有する有機電子供与体を含む。
上記式中、A、B、及びCは、5又は6員の環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cは任意選択で、A、B、及びCと縮合していてもよい。R
A、R
B、及びR
Cのうち少なくとも2つは下記構造:
を含む。
式中、X及びYは独立に5又は6員の環又はヘテロ環である。RX及びRYは独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。RX及びRYは任意選択によりX及びYと縮合していてもよい。RX及びRYは任意選択によりA及びBと結合していてもよい。
一つの側面では、有機電子供与体は下記式:
を有する。
式中、L1は、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリーレン基、置換もしくは非置換のフルオレニレン基、又は環を形成している5〜60の原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基を表し;Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、又は環を形成している5〜60の原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアリール基を表し;R′1は、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基を表し;R′2は、水素原子、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、1〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、環を形成している6〜50の原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、環を形成している5〜50の原子を有する置換もしくは非置換のアリールチオ基、2〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、その芳香環を形成している6〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基で置換されたアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基を表し;但し、Ar1とAr2のいずれもフルオレン構造を含まず、且つ上記式によって表される芳香族アミン誘導体中のカルバゾール構造の数が1又は2であることを条件とする。
別の側面では、上記の有機電子供与体は下記式:
を有する。
Zは、置換もしくは非置換C1〜C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルケニレン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリーレン基、及び置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロ環基からなる群から選択され;R′3、R′4、R′5、R′6、R′7、及びR′8のそれぞれは独立に、水素原子、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロ環基、置換もしくは非置換のC6〜C30縮合多環式基、ヒドロキシ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアミノ基からなる群から選択され、且つ、あるいは、R′3、R′4、R′5、R′6、R′7、及びR′8のなかの2つ以上の隣接する基が互いに結合して飽和もしくは不飽和の炭素環を形成していることもでき;且つ、Ar3及びAr4のそれぞれは独立に、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、又は置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基である。
なお別の側面では、有機電子供与体は下記式:
を有する。
L
0は、2つ、3つ、又は4つの環を有し且つ置換基を有するo−、p−、及びm−フェニレン基のいずれか一つであり、但し、L
0が4つの環を有するフェニレン基である場合には、そのフェニレン基はそのどこかに非置換もしくは置換アミノフェニル基を有することができることを条件とし、且つ、R
01、R
02、R
03、及びR
04は以下の基:
のうちのいずれか一つであることを条件とする。
R′9、R′10、R′11、R′12、及びR′13はそれぞれ、置換もしくは非置換のアリール基であり、且つr1、r2、r3、及びr4はそれぞれ0〜5の整数であり、但し、r1+r2+r3+r4≧1であることを条件とする。
一つの側面では、有機電子受容体は、以下のものからなる群から選択される。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は独立に、水素、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、スルホニル、スルホキシド、スルホンアミド、スルホネート、トリフルオロメチル、エステル、アミド、長鎖又は分岐C1〜C12アルコキシ、直鎖又は分岐C1〜C12アルキル、芳香族又は非芳香族の(置換もしくは非置換の)ヘテロ環、置換もしくは非置換のアリール、モノ−又はジ−(置換もしくは非置換の)アリールアミン、及び(置換もしくは非置換の)アルキル−(置換もしくは非置換の)アリールアミンからなる群から選択され;あるいは、R
1及びR
2、R
3及びR
4、並びにR
5及びR
6は一緒に結合して、芳香族環、ヘテロ芳香族環、又は非芳香族環を含めた環構造を形成し、且つ各環は置換されているかもしくは非置換である;
Y
1〜Y
4は独立に炭素原子又は窒素原子である。R
7〜R
10は独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロ環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、又はシアノ基である。R
7及びR
8、並びにR
9及びR
10は独立に結合して置換もしくは非置換の芳香族環又は置換もしくは非置換のヘテロ環を形成している。X
1は以下のもの:
からなる群から選択され、
Y
5〜Y
7は独立に、水素原子、フルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基であり;且つ、Y
6及びY
7は環を形成していてもよい;
X
2は、
、すなわちC(R
23)、又はNであり、R
11〜R
23はそれぞれ独立に、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
11〜R
23のうち少なくとも2つがそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
11〜R
23の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;
R
24〜R
39はそれぞれ独立に、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
24〜R
39のうち少なくとも2つがそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
24〜R
39の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;
R
40〜R
57は互いに独立して、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
40〜R
57のうち少なくとも2つがそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
40〜R
57の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;並びに
R
58〜R
61は独立に、水素、フッ素、あるいは、ニトリル(−CN)、ニトロ(−NO
2)、スルホニル(−SO
2R)、スルホキシド(−SOR)、トリフルオロメチル(−CF
3)、エステル(−CO−OR)、アミド(−CONHR又は−CO−NRR′)、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、又は置換もしくは非置換のアルキルから独立に選択される基を表し、ここで、R及びR′には置換又は非置換のアルキル又はアリールが含まれ;あるいは、R
58及びR
59、又はR
60及びR
61は一緒に結合されて、芳香族環、ヘテロ芳香族環、又は非芳香族環を含めた環構造を形成し、且つ各環は置換されているか又は非置換である。
好ましくは、有機電子供与体は、以下のもの:
からなる群から選択される。
さらに好ましくは、有機電子受容体が、
であり、且つ、有機電子供与体が、以下のもの:
からなる群から選択される。
最も好ましくは、有機電子受容体がドーパント1であり、有機電子供与体が、
である。
一つの側面では、非極性溶媒を含む第二の有機層が第一の有機層の上に堆積され、その第一の有機層はその第二の有機層中の非極性溶媒に不溶性である。好ましくは、第一の有機層は正孔注入層である。好ましくは、第二の有機層は、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又は発光層である。
本明細書で用いる場合、非極性溶媒は、3.5以下の極性指数(polarity index)を有する。非極性溶媒の例には、ベンゼン、四塩化炭素、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ヘプタン、ヘキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル、トルエン、及びキシレンが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、非極性溶媒はトルエンである。
一つの側面では、溶液法(溶液加工)は、スピンコーティング又はインクジェット印刷である。
別の側面では、有機電子受容体及び有機電子供与体は、1:1又は2:1のモル比で混合される。理論に縛られないが、有機電子受容体の高いモル比は、その有機電子受容体と有機電子供与体との間のイオン錯体の良好な形成をもたらすと考えられる。ドープされたVTE HILにおいては、わずか数パーセントの電子受容体、通常は5%未満が、アノードからの効率的な電子注入と高い導電性を達成するために必要とされる。しかし、低い電子受容体パーセント割合では、不溶性の層を形成するためには充分ではないかもしれない。例えば、供与体(ドナー)と受容体(アクセプター)のモル比が1:20である場合は、電子供与体の多くは電子受容体と反応しない。したがって、ずっと高い電子受容体濃度(モル比)が必要とされうる。
なお別の側面では、その組成物が約100℃以上且つ約250℃以下の温度で加熱された場合に、不溶性有機層が形成される。この温度の範囲内では、有機電子受容体と有機電子供与体の間で形成されるイオン性錯体がより効率的に形成され、溶媒はより良好に蒸発され、且つ材料が分解しないと考えられる。
さらに、第一のデバイスを提供し、そのデバイスは有機発光デバイスを含み、これはさらに、アノード;カソード;及び、そのアノードとカソードの間に配置された第一の有機層を含む。その第一の有機層は、有機電子受容体と、下記式を有する有機電子供与体を含む。
A、B、及びCは、5又は6員の環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cは任意選択により、A、B、及びCと縮合していてもよい。R
A、R
B、及びR
Cのうちの少なくとも2つは下記の構造を含む。
X及びYは独立に、5又は6員の環又はヘテロ環である。RX及びRYは独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。RX及びRYは任意選択により、X及びYと縮合していてもよい。RX及びRYは任意選択によりA及びBと縮合していてもよい。有機電子受容体及び有機電子供与体が加熱された場合、それらは非極性溶媒に不溶性である層を形成する。
一つの側面では、第一の有機層はアノードと接して堆積される。
一つの側面では、有機電子供与体は下記式:
を有する。
上記式中、L1は、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリーレン基、置換もしくは非置換のフルオレニレン基、又は環を形成している5〜60の原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基を表し;Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、又は環を形成している5〜60の原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアリール基を表し;R′1は、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基を表し;R′2は、水素原子、その芳香環を形成している6〜60の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、1〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、環を形成している6〜50の原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ基、環を形成している5〜50の原子を有する置換もしくは非置換のアリールチオ基、2〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、その芳香環を形成している6〜50の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基で置換されたアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基を表し;但し、Ar1とAr2のいずれもフルオレン構造を含まず、且つ上記式によって表される芳香族アミン誘導体中のカルバゾール構造の数が1又は2であることを条件とする。
別の側面では、上記の有機電子供与体は下記式:
を有する。
Zは、置換もしくは非置換C1〜C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルケニレン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリーレン基、及び置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロ環基からなる群から選択され;R′3、R′4、R′5、R′6、R′7、及びR′8のそれぞれは独立に、水素原子、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロ環基、置換もしくは非置換のC6〜C30縮合多環式基、ヒドロキシ基、シアノ基、及び置換もしくは非置換のアミノ基からなる群から選択され、且つ、あるいは、R′3、R′4、R′5、R′6、R′7、及びR′8のなかの2つ以上の隣接する基が互いに結合して飽和もしくは不飽和の炭素環を形成していることもでき;且つ、Ar3及びAr4のそれぞれは独立に、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、又は置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基である。
なお別の側面では、有機電子供与体は下記式:
を有する。
L
0は、2つ、3つ、又は4つの環を有し、且つ置換基を有するo−、p−、及びm−フェニレン基のいずれか一つであり、但し、L
0が4つの環を有するフェニレン基である場合には、そのフェニレン基はそのなかのどこかに非置換もしくは置換アミノフェニル基を有することができることを条件とし、且つ、R
01、R
02、R
03、及びR
04は以下の基:
のうちのいずれか一つであることを条件とする。
R′9、R′10、R′11、R′12、及びR′13はそれぞれ、置換もしくは非置換のアリール基であり、且つr1、r2、r3、及びr4はそれぞれ0〜5の整数であり、但し、r1+r2+r3+r4≧1であることを条件とする。
一つの側面では、有機電子受容体は、以下のものからなる群から選択される。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は独立に、水素、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、スルホニル、スルホキシド、スルホンアミド、スルホネート、トリフルオロメチル、エステル、アミド、長鎖又は分岐C1〜C12アルコキシ、直鎖又は分岐C1〜C12アルキル、芳香族又は非芳香族の(置換もしくは非置換の)ヘテロ環、置換もしくは非置換のアリール、モノ−又はジ−(置換もしくは非置換の)アリールアミン、及び(置換もしくは非置換の)アルキル−(置換もしくは非置換の)アリールアミンからなる群から選択され;あるいは、R
1及びR
2、R
3及びR
4、並びにR
5及びR
6は一緒に結合して、芳香族環、ヘテロ芳香族環、又は非芳香族環を含めた環構造を形成し、且つ各環は置換されているかもしくは非置換である;
Y
1〜Y
4は独立に炭素原子又は窒素原子である。R
7〜R
10は独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロ環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、又はシアノ基である。R
7及びR
8、並びにR
9及びR
10は独立に結合して置換もしくは非置換の芳香族環又は置換もしくは非置換のヘテロ環を形成している。X
1は以下のもの:
からなる群から選択され、
Y
5〜Y
7は独立に、水素原子、フルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基であり;且つ、Y
6及びY
7は環を形成していてもよい;
X
2は、
、すなわちC(R
23)、又はNであり、R
11〜R
23はそれぞれ独立に、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
11〜R
23のうち少なくとも2つはそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
11〜R
23の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;
R
24〜R
39はそれぞれ独立に、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
24〜R
39のうち少なくとも2つはそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
24〜R
39の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;
R
40〜R
57はそれぞれ独立して、水素原子、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基、1〜30の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ基、6〜40の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリール基、アルキル基が1〜20の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、アリール基が6〜40の炭素原子を有し且つ置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、但し、R
40〜R
57のうち少なくとも2つはそれぞれ、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子を表し、且つR
40〜R
57の互いに隣接するものが一緒に結合されて環構造を形成していてもよいことを条件とする;並びに
R
58〜R
61は独立に、水素、フッ素、あるいは、ニトリル(−CN)、ニトロ(−NO
2)、スルホニル(−SO
2R)、スルホキシド(−SOR)、トリフルオロメチル(−CF
3)、エステル(−CO−OR)、アミド(−CONHR又は−CO−NRR′)、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、又は置換もしくは非置換のアルキルから独立に選択される基を表し、ここで、R及びR′には置換又は非置換のアルキル又はアリールが含まれ;あるいは、R
58及びR
59、又はR
60及びR
61は一緒に結合されて、芳香族環、ヘテロ芳香族環、又は非芳香族環を含めた環構造を形成し、且つ各環は置換されているか又は非置換である。
好ましくは、有機電子供与体は、以下のものからなる群から選択される。
より好ましくは、有機電子受容体がドーパント1であり、且つ、有機電子供与体が以下のもの:
から選択される。
一つの側面では、有機電子受容体と有機電子供与体は、3.5以下の極性指数(plarity index)を有する非極性溶媒に不溶性である層を形成する。非極性溶媒の例には、ベンゼン、四塩化炭素、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ヘプタン、ヘキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル、トルエン、及びキシレンが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、非極性溶媒はトルエンである。
一つの側面では、第一のデバイスは消費者製品である。別の側面では、第一のデバイスは有機発光デバイスである。
別の側面では、有機電子受容体と有機電子供与体が約100℃以上且つ約250℃以下で加熱された場合に、非極性溶媒中で不溶性である層が生成する。上で論じた理由により、有機電子受容体と有機電子供与体との間のイオン錯体は、この温度範囲内でより効率的に生成すると考えられる。
一つの側面では、有機電子授与体と有機電子供与体は、1:1又は2:1のモル比で混合される。
別の側面では、非極性溶媒を含む第二の有機層がその第一の有機層の上に堆積され、且つその第一の有機層は、その第二の有機層中に含まれる非極性溶媒に不溶性である。好ましくは、第一の有機層は正孔注入層である。なおさらなる側面では、第二の有機層は、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又は発光層である。
有機発光デバイス中の具体的な層に有用として本明細書に記載した物質は、そのデバイス中に存在するその他の広範囲にわたる物質と組み合わせて用いることができる。例えば、本明細書に開示した発光ドーパントは、存在してもよい広い範囲のホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極、及びその他の層と組み合わせて用いることができる。以下に記載乃至言及した物質は、本明細書に記載した化合物と組み合わせて有用でありうる物質の非制限的な例であり、当業者は組み合わせて有用でありうるその他の物質を特定するために文献を容易に参考にすることができる。
本明細書に開示した物質に加えて、及び/又はそれと組み合わせて、多くの正孔注入物質、正孔輸送物質、ホスト物質、ドーパント物質、励起子/正孔阻止層物質、電子輸送及び電子注入物質をOLEDに用いてもよい。本明細書に開示した物質と組み合わせてOLEDに用いてもよい物質の非限定的な例を、以下の表1に列挙している。表1は、非限定的な物質群、各群についての錯体の非限定的な例、及びその物質を開示している参考文献を列挙している。
いくつかのデバイスを以下のように作製した。
有機溶媒中で、トリアリールアミン誘導体及び導電性ドーパント(モル比1:1又は2:1)を混合することによって、正孔注入層(HIL)の溶液を調製した。表2は、そのHIL溶液の組成を示している。HIL膜は、様々な速度でそのHIL溶液をスピンコーティングすることによって形成させた。その膜を次に250℃ベーキングした。
緑色発光OLEDは、正孔注入層のために、HIL1、HIL2、及びHIL3を用いて作った。HILを形成させるために、パターン形成したインジウム錫オキシド(ITO)電極上に、上記溶液を2500rpmで60秒間スピンコーティングした。得られた膜を30分間、250℃でベーキングした。
本明細書で用いるとおり、以下の化合物は以下の構造を有する。
本明細書で用いるとおり、ドーパント1は、1.9:18.0:46.7:32.8の比のA、B、C、及びDの混合物であり、A、B、C、及びDは以下の構造を有する。
不溶性を調べるために、HIL1溶液をSiウェハーの上にスピンコーティングし、そのスピン及びベーキング条件はITO上と同じだった。ベーキングした後、HIL1の膜を測定した。次に、添加物なしのトルエン溶媒を、そのHILの膜を洗い落とすようにHIL1の膜の上にスピン塗布したが、これはデバイス作製において用いた正孔輸送層(HTL)のスピンコーティング工程と同じだった。HIL1膜の厚さは、洗浄前に133Åと測定され、トルエン洗浄後で86Åだった。膜厚の約60%が、トルエン洗浄後に残っていた。
比較の緑色発光デバイスを、HIL材料としてPEDOT:PSS(Bayton,CH8000)を用いて作製した。水性分散液中のPEDOT:PSSを、パターン形成したインジウム錫オキシド(ITO)電極上に4000rpmで60秒間スピンコーティングさせた。得られた膜を5分間、200℃でベーキングした。
HILの上に、正孔輸送層(HTL)及び次に発光層(EML)もスピンコーティングによって形成した。HTLは、トルエン中の正孔輸送物質HTL−1の0.5質量%溶液をスピンコーティングすることによって作成した。そのHTL膜を200℃で20分間ベーキングした。ベーキング後、HTLは不溶性膜になった。
ホスト物質としてホスト−1を、発光物質として緑色発光リン光ドーパント−1を用いてEMLを作成した。EMLを形成するために、ホスト−1及びドーパント−1(合計0.75質量%)を88:12のホスト−1:ドーパント−1の質量比で含むトルエン溶液を、その不溶性HTLの上に1000rpmにて60秒間スピンコーティングし、次に100℃で30分間ベーキングした。
正孔阻止層(化合物HPTを含む)、電子輸送層(Alq3を含む)、電子注入層(LiFを含む)、及びアルミニウム電極を順次、真空蒸着させた。
性能試験のために、これらの緑色発光デバイスを一定の直流(DC)電流下で作動させた。図3は、上記デバイスについての発光強度対時間のグラフを示している。寿命LT80(初期レベルの80%まで輝度が低下するために経過した時間として測定して)は、比較例、HIL1、HIL2、及びHIL3のデバイスについて、それぞれ9時間、143時間、87時間、及び131時間だった。新規なHIL物質を用いたデバイスは、比較のPEDOT:PSSデバイスよりもずっと長い寿命をもっている。
表3には緑色発光デバイスの性能をまとめている。表3に見られるとおり、4000cd/m2において比較デバイス(42cd/A、8.1V)と比較して、HIL1デバイスは発光効率(39cd/A)及びより低い駆動電圧(7.8V)において類似した性能をもっていた。しかし、HIL2及びHIL3は、比較デバイスよりも低い効率と高い電圧をもっていた。
本明細書に記載した様々な態様は例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。