JP6288063B2 - 動的観察方法および動的観察装置 - Google Patents
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1.対象物を観察するための撮像装置と、
前記撮像装置を内部に収容し、少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明であるケースとを備える動的観察装置を用い、金属の腐食現象を継続的に観察する動的観察方法。
前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われていない時にのみ動作させるよう制御する、前記4に記載の動的観察方法。
対象物を観察するための撮像装置と、
前記撮像装置を内部に収容し、少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明であるケースとを備える、動的観察装置。
前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われていない時にのみ動作させるよう制御する制御手段を有する、前記18に記載の動的観察装置。
本発明においては、対象物を観察するための撮像装置と、前記撮像装置を内部に収容し、少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明であるケースとを備える動的観察装置を使用して金属の腐食現象を継続的に観察することが重要である。該ケース内に撮像装置を収容しているため、外部の腐食環境による撮像装置の動作不良や腐食、破損を防止することができ、長期にわたって撮像装置を安定に動作させることができる。
上記撮像装置の種類は特に限定されず、対象物である金属の腐食状態を観察できるものであれば、任意のものを使用することができる。微細な腐食部分や塗膜膨れを詳細に観察するという観点からは、CCDやCMOSセンサーを備えたマイクロスコープカメラを用いることが好ましい。また、対象物の種類や使用条件によっては、赤外線カメラを用いても良い。なお、工業用内視鏡などのファイバースコープカメラを撮像装置として使用する場合には、対物レンズが取り付けられたファイバーの一方の末端をケース内に収容し、カメラ等が取り付けられたファイバー他方の末端をケースの外部に設置することもできる。
上記ケースは、撮像装置を内部に収容し、かつ少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明である。これは、該透明である部分(透明部)を通して撮像装置により対象物の表面を観察するためである。したがって、撮像装置は、その対象物側先端が前記透明部に対向するように設置される。換言すれば、前記ケースを構成する部材のうち、少なくとも撮像装置と対象物との間の、撮像装置の視野内に位置する部分が、透明な材料で構成されている。前記透明部の材質としては、光を透過して撮像装置による観察が可能である材質であれば、透明塩ビやアクリル等の樹脂やガラスなど、任意のものを使用することができるが、強度や加工性、透明度の点からはアクリル樹脂を使用することが好ましい。
また、本発明においては、上記ケースの撮像装置が対向する面に、該ケースの外側へ向かって突出する突出部が設けられており、前記突出部に撮像装置の少なくとも一部が収容されていることが好ましい。このように突出部を設け、該突出部の内部に撮像装置の少なくとも対象物側を収容すれば、前記ケースの対象物側の面のうち、該突出部のみを対象物に近接させて観察を行うことが可能となり、突出部以外の部分を相対的に対象物から遠ざけることができる。これにより、ケースによって覆われる対象物の面積を小さくし、対象物の腐食の進行に動的観察装置が及ぼす影響を低減することができる。
また、本発明においては、上記ケースの、撮像装置が対向する部分の厚みを10mm以下とすることが好ましい。前記撮像装置が対向する部分を薄くすることにより、ケース内部に収容されている撮像装置を、対象物表面に近づけることができ、より詳細に腐食状態を観察することが可能となる。さらに、ケース外表面を対象物の表面から遠ざけ、対象物の腐食の進行に本発明の動的観察装置が及ぼす影響を低減することができる。なお、撮像装置が対向する部分のみを厚み10mm以下とし、その他の部分の厚みを10mm超とすることもできるし、その他の部分の厚みも10mm以下とすることもできる。また、上述したように突出部を設ける場合、該突出部の撮像装置が対向する部分の厚みを10mm以下とすればよい。
さらに、本発明においては、ケースの外側にワイパー機構を設け、該ワイパー機構により該ケース外表面への付着物を除去することが好ましい。本発明の動的観察方法を、腐食試験機中の試験片に対して適用する場合、動的観察装置は塩水や高温多湿といった環境にさらされる。その結果、ケースの外面には塩水やケース内外の温度差により凝結した水滴などが付着し、それにより観察が妨げられることがある。また、大気暴露試験や移動体における観察においては、雨水や大気中の水分が凝結した水滴、大気や雨水に含まれる汚染物質、泥、埃等がケース表面に付着することがある。そこで、上述のようにワイパー機構を設け、ケースの外表面、特に撮像装置の視野内に付着した水滴や汚れなどの付着物を除去することにより、どのような環境においても、長期にわたってより鮮明に金属の腐食状態を観察することができる。
本発明の一実施態様においては、前記撮像装置および前記ケースを傾斜させた状態で観察を行うことができる。例えば、腐食試験機を用いた促進試験や、大気曝露試験等を行う際には、垂直(90°)、45°、30°、水平(0°)など、試験法によって定められた様々な角度で対象物を設置した状態で試験が行われる。その際、対象物の被観察面に対して撮像方向が垂直となるように、前記撮像装置および前記ケースを傾斜させた状態で観察を行えば、試験法によらず、対象物の被観察面を正面から観察することができる。また、反対に、対象物の被観察面に対して撮像方向が斜めとなるように、前記撮像装置および前記ケースを傾斜させた状態で観察を行えば、正面からとは異なる視点で腐食現象を観察することもできる。なお、ここで「傾斜させた状態」とは、水平面に対して傾斜させた状態を意味するものとする。
本発明の動的観察装置は、撮像装置と対象物との距離を調節するための距離調節手段を備えることが好ましい。距離調節手段を設けることにより、撮像装置の焦点位置や観察範囲を調節することが可能となる。また、前記距離調節手段は、対象物と撮像装置の少なくとも一方を移動させることができるものであればよい。前記距離調節手段としては、撮像装置と対象物との距離を調節することができるものであれば任意のものを用いることができるが、ケースは移動させずに、該ケース内に収容された撮像装置を、対象物に対して前後方向に移動させることができるようにすることが好ましい。これにより、ケースごと移動させて、ケースやワイパーが対象物と干渉することを防止できる。また、動的観察装置自体が対象物を支持する構造である場合には、対象物を移動させることによって距離を調整してもよい。
本発明の動的観察装置は、前記対象物表面上における観察位置を、上下方向および左右方向の少なくとも一方に調節するための位置調節手段を備えることが好ましい。位置調節手段を設けることにより、対象物の任意の位置を観察することが可能となる。前記位置調節手段は、上下方向と左右方向の両者に調節可能であることが好ましい。また、前記位置調節手段は、対象物と撮像装置の少なくとも一方を移動させることができるものであればよい。なお、ここで上下方向および左右方向とは、対象物の被観察面に向かって見たときの、被観察面に平行な面内における方向とし、被観察面が垂直となるように対象物が設置されている際の上下を上下方向とする。
また、本発明においては、ケース内部を除湿することが好ましい。本発明の動的観察装置は、促進試験における相対湿度100%といった高湿度雰囲気や、大気暴露試験における雨、雪など、様々な環境にさらされるため、撮像装置をケース内に収容して保護している。しかし、何らかの理由により水蒸気等の水分がケース内部に侵入すると、撮像装置の光学部品やケース内面へ結露して観察の妨げとなるだけでなく、撮像装置の故障の原因となるおそれがある。そこで、ケース内部を除湿することにより、このような水分に侵入による影響を抑制することができる。なお、除湿の効果を十分に得るためには、ケース内の相対湿度を80%以下とすることが好ましく、70%以下とすることがより好ましい。
本発明においては、ケース内部の圧力を該ケース外部よりも高くすることが好ましい。上述したように、水分がケース内部に侵入すると、結露等の問題が生じる。また、ケース外部から腐食性物質や高温の空気などがケース内に侵入することによっても撮像装置に異常をきたすおそれがある。そこで、ケース内を陽圧とすることにより、外部から水分、腐食性物質、高温の空気等がケース内部へ侵入することを防ぐことができる。
本発明の動的観察装置は、金属の腐食現象を観察するためのものであり、少なくとも一部が金属からなる、あらゆる物品を観察対象とすることができる。促進試験や大気暴露試験において用いる場合には、板状の対象物(試験片)を用いることが一般的であるが、対象物の形状はこれに限定されず、あらゆる形状とすることができる。例えば、自動車や鉄道車両などの移動体、機械、構造物、建築物などを観察対象とすることも可能である。また、観察対象の金属は、材質を問わない他の部材の表面に被覆されたもの、例えば、めっき皮膜、溶射皮膜などであってもよい。また、金属の表面に、化成処理などの表面処理や、塗装が施されたものであってもよい。
本発明の動的観察方法においては、撮像装置によって得た映像をケース外に送信することが好ましい。映像をケース外へ送信することにより、対象物と離れた位置において金属の腐食状態を観察することが可能となる。送信の方法は特に限定されず、有線、無線を問わず、任意の方法を用いることができる。
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態において用いられる動的観察装置の正面概略図であり、図2は同実施形態において用いられる動的観察装置の上面概略図である。図1、2に示した動的観察装置1は、撮像装置としてのマイクロスコープカメラ10を備えており、マイクロスコープカメラ10はケース20に収容されている。
次に、撮像装置が対向する前記ケースの面に、該ケースの外側へ向かって突出する突出部を設けた第2の実施形態について説明する。図3は第2の実施形態において使用される動的観察装置2の正面概略図であり、図4は同実施形態において使用される動的観察装置2の上面概略図である。なお、第2の実施形態における、以下に説明する以外の点は、第1の実施形態と同様である。また、第1の実施例と共通するものには第1の実施例で用いたものと同様の符号を付している。
次に、動的観察装置が傾斜手段、距離調節手段、および位置調節手段を備えている第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態における動的観察装置3の正面概略図、図6は、動的観察装置3の上面概略図である。図5、6、および後述する図7では、ケース20等の構造を一部簡略化して示している。なお、第3の実施形態における、以下に説明する以外の点は、第2の実施形態と同様である。また、第1および第2の実施形態と共通するものには、第1および第2の実施形態と同様の符号を付している。
10 :マイクロスコープカメラ(撮像装置)
11 :ケーブル
20 :ケース
21 :第1ケース部材
22 :第2ケース部材
23 :キャップボルト
24 :Oリング
30 :ワイパー機構
40 :コンプレッサ
41 :給気用チューブ
42 :給気口
43 :排気口
44 :排気用チューブ
45 :中空糸膜式エアドライヤー
50 :円筒状突出部
51 :薄肉部
60 :支持構造体
70 :傾斜板
71 :角度固定板
72 :ネジ
73 :支点
80 :対象物
81 :対象物固定構造体
Claims (24)
- 対象物を観察するための撮像装置と、
前記撮像装置を内部に収容し、少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明であるケースとを備える動的観察装置を用い、
前記撮像装置が対向する前記ケースの面に、該ケースの外側へ向かって突出するケースの突出部が設けられており、前記突出部に前記撮像装置の少なくとも一部が収容されている動的観察装置を用い、前記対象物に与える影響を低減した状態で金属の腐食現象を継続的に観察する動的観察方法。 - 前記撮像装置による撮像を、1秒〜24時間の間隔で断続的に行う、請求項1に記載の動的観察方法。
- 前記ケースの外側にワイパー機構を設け、該ワイパー機構により該ケース外表面への付着物を除去する、請求項1または2に記載の動的観察方法。
- 前記撮像装置による撮像を断続的に行い、
前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われていない時にのみ動作させるよう制御する、請求項3に記載の動的観察方法。 - 前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われる1秒〜1分前に動作させるよう制御する、請求項4に記載の動的観察方法。
- 前記撮像装置および前記ケースを傾斜させた状態で観察を行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 前記ケース内部を除湿する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 前記ケース内部の圧力を該ケース外部よりも高くする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 前記対象物が腐食試験機内に設置されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 前記対象物が屋外の暴露場に設置されており、大気曝露試験が行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 前記対象物が移動体であり、
前記移動体が、自動車、鉄道車両、自転車、オートバイ、船舶、または航空機である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の動的観察方法。 - 前記撮像装置によって得た映像を前記ケース外に送信する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の動的観察方法。
- 金属の腐食現象を継続的に観察するための動的観察装置であって、
対象物を観察するための撮像装置と、
前記撮像装置を内部に収容し、少なくとも前記撮像装置の視野に入る部分が透明であるケースとを備え、
前記撮像装置が対向する前記ケースの面に、該ケースの外側へ向かって突出するケースの突出部が設けられており、前記突出部に前記撮像装置の少なくとも一部が収容されている、動的観察装置。 - 前記ケースの、前記撮像装置が対向する部分の厚みが10mm以下である、請求項13に記載の動的観察装置。
- 前記撮像装置による撮像を1秒〜24時間の間隔で断続的に行うよう制御する制御手段を有する、請求項13または14に記載の動的観察装置。
- 前記ケースの外側の、前記撮像装置が対向する面への付着物を除去するためのワイパー機構を備える、請求項13〜15のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記撮像装置による撮像を一定の時間間隔で断続的に行い、
前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われていない時にのみ動作させるよう制御する制御手段を有する、請求項16に記載の動的観察装置。 - 前記ワイパー機構を、前記撮像装置による撮像が行われる1秒〜1分前に動作させるよう制御する制御手段を有する、請求項17に記載の動的観察装置。
- 前記ケース内部を除湿するための除湿手段を備える、請求項13〜18のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記ケース内部の圧力を、該ケース外部よりも高くするための与圧部を備える、請求項13〜19のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記撮像装置および前記ケースを傾斜させる傾斜手段を備える、請求項13〜20のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記撮像装置と前記対象物との距離を調節するための距離調節手段を備える、請求項13〜21のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記対象物表面上における観察位置を、上下方向および左右方向の少なくとも一方に調節するための位置調節手段を備える、請求項13〜22のいずれか一項に記載の動的観察装置。
- 前記撮像装置によって得た映像を前記ケース外に送信する送信装置を有する、請求項13〜23のいずれか一項に記載の動的観察装置。
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