JP6308024B2 - 白色度に優れた遮光性パウチ - Google Patents
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Description
アルミニウム箔等の金属層は酸素の透過を完全に遮断すると共に、遮光性にも優れていることから、このような金属層を備えたパウチは優れた保存性を有しているが、アルミニウム箔等の金属層を有すると電子レンジによる加熱が困難になると共に、金属層と他の層との分離が困難であり、焼却処理が難しく環境問題上好ましくない、という問題がある。
白色度を向上させるためには、白色インキ層の厚みを厚くすること、或いは白色インキ層の白色系顔料の含有量を多くすることが考えられる。しかしながら、本発明者等が検討した結果、白色インキ層の厚みが厚いと、インキ層の割れが発生し、また白色系顔料の含有量が多いと、食品等の内容物を充填してレトルト殺菌を施した際に、部分的に変色が生じるという問題が判明した。
本発明の他の目的は、食品等の内容物が充填され、電子レンジ加熱された場合にも、パウチの穴あき等を生じることがないパウチ詰め食品を提供することである。
1.前記遮光性印刷層のハンター白色度が、75%以上であること、
2.300〜800nmの光線透過率が20%以下であること、
3.前記グレーインキ層が、白色インキ100重量部に対して、墨インキ2〜4重量部、黄色インキ1〜3重量部を配合したグレーインキから成ること、
4.前記グレーインキ層の厚みが、2〜3.5μmの範囲にあること、
5.前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成ること、
6.前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、易引裂き性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成ること、
7.前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、耐熱性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成ること、
が好適である。
本発明においては特に、遮光性印刷層を構成する白色インキ層が、インキを構成する樹脂分に対して特定の範囲の白色系顔料を含有し、且つ、特定の範囲の厚みにすることにより、高い白色度を実現でき、インキ層の割れが発生するおそれがないと共に、レトルト殺菌に賦された場合も部分的な変色による色むらの発生することも有効に防止されている。
すなわち本発明者等は、レトルト殺菌後に部分的な変色が生じたパウチの基材樹脂層を剥がし、走査電子顕微鏡を用いて2500倍で遮光性印刷層を観察したところ、変色のない白色度の高い部分は遮光性印刷層が空隙のある粗の状態となっており、これに対し、くすんだ変色部は前述の空隙のない密の状態となっていることがわかった。変色のない白色度の高い部分は、空隙が光を乱反射しているために白色度が高くなっていることが推察された。
このように、本発明者等は、レトルト殺菌後のパウチ表面の部分的な変色は、レトルト殺菌により粗と密が発生することに起因した色むらであると推察し、レトルト殺菌に賦しても色むらが発生しない遮光性印刷層の組成が重要であると考え、本発明に至った。
これに対して、白色インキ層における白色系顔料の重量比が上記範囲よりも小さい場合には、インキの割れやレトルト後の変色は生じないが、その厚みが上記範囲にあっても、白色度及び遮光性が本発明に比して劣っている(比較例1)。また、白色インキ層における白色系顔料の重量比が上記範囲よりも多い場合には、白色度及び遮光性、更にはインキ層の割れも生じないが、レトルト殺菌後に部分的な変色が生じている(比較例2)。また白色インキ層の白色系顔料の重量比が上記範囲内にあっても、白色インキ層の厚みが上記範囲よりも厚い場合には、インキ層の割れが生じ(比較例3)、上記範囲よりも薄い場合には、白色度及び遮光性の点で満足いくものではない(比較例4)。
本発明のパウチは、少なくとも、基材樹脂層、遮光性印刷層及びヒートシール性樹脂層から成る積層体から成り、この遮光性印刷層が、樹脂分に対する白色系顔料の重量比(顔料/樹脂)が3.5〜4.2の範囲にある白色インキ層と、グレーインキ層とから成り、該白色インキ層の厚みが4〜11μmの範囲にあることが重要な特徴である。
遮光性印刷層は、白色インキ層とグレーインキ層の2層構成から成り、後述する基材樹脂層上に、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等公知の印刷方式によって形成することができるが、特にグラビア印刷により形成されていることが好適である。
白色インキ層を形成する白色インキは、前述したとおり、インキ組成物を構成する樹脂分に対して白色系顔料が、顔料/樹脂(重量比)が3.5〜4.2、特に3.7〜4.1の範囲となるように配合されている以外は、従来公知の処方のものを使用することができる。
白色系顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等を挙げることができるが、特に酸化チタンを好適に使用できる。
樹脂分は、インキ組成物中のバインダー樹脂であり、グラビア印刷又はフレキソ印刷に用いられるインキ組成物においては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、スチレン/アクリル樹脂、エチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂等の樹脂を列挙することができる。これらの樹脂は組み合わせで使用することもできる。本発明においては、特に耐熱性の点でポリウレタン樹脂を主バインダー樹脂とし、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併用したインキ組成物を好適に使用できる。
またインキ組成物は溶剤型でも水性型のいずれであってもよいが、上記ポリウレタン樹脂を主バインダー樹脂とする場合には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系有機溶剤等を使用することができ、従来公知の処方に従ってインキ組成物を調製することができる。
尚、本発明の遮光性印刷層は、ハンター白色度が75%以上となる限りにおいて、他の有色顔料や光輝性顔料等を配合することもできる。
具体的にはグラビア印刷による場合で、版の深さに応じて1〜5回白色インキ層を印刷して、トータルで上記範囲の厚みの白色インキ層を形成すればよい。
グレーインキ層を形成するグレーインキは、グレー色を発現できる限り、従来遮光性印刷層の形成に用いられていた白色インキと黒色インキから成るグレーインキも使用できるが、本発明においては特に、前述した白色インキ層を形成する白色インキ100重量部に対して、墨インキ2〜4重量部、黄色インキ1〜3重量部を配合したグレーインキから成ることが好適である。上記組成のグレーインキを用いることにより白色度を損なうことなく、可視光を遮断することが可能になり、高い遮光性を確保することができる。また、黄色インキを配合したグレーインキとすることにより、青みを帯びない暖色系のグレーインキ層を形成することができ、特に、食品の絵柄や写真をデザインとして印刷した際に、清潔感があり、内容物を美味しそうに見せることができる。
墨インキとしては、上記白色インキに用いたインキ組成物に対してカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を含有する墨インキを好適に使用することができる。
同様に黄色インキとしては、上記白色インキに用いたインキ組成物に対して亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料を含有する黄色インキを使用することができる。
尚、墨インキ及び黄色インキは、市販のものをそのまま使用することもできる。
またグレーインキ層の厚みは、2〜3.5μm、特に2.5〜3μmの範囲にあることが、遮光性の点から望ましい。
パウチの外面側となる基材樹脂層としては、従来パウチの基材樹脂フィルムとして使用されていた樹脂フィルムを使用することができ、特に、機械的強度が高いフィルムを使用することが望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミドフィルムが挙げられる。これらのフィルムは、一軸又は二軸延伸したフィルムとして用いられる。
上記延伸フィルムの中でも、機械的強度、耐クラック性、耐熱性に優れた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートを好適に使用することができる。
パウチの内面側となるヒートシール性樹脂層しては、従来公知のヒートシール性樹脂を用いることができ、これに限定されないが、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー等を挙げることができ、単層或いは複数のヒートシール性樹脂を積層した多層としてもよい。本発明においては特に、耐熱性の点から、無延伸ポリプロピレンを好適に使用することができる。
ヒートシール性樹脂層の厚みは、50〜100μmの範囲にあることが好適である。
本発明のパウチを構成する積層体は、前述した基材樹脂層、遮光性印刷層及びヒートシール性樹脂層以外にも他の樹脂層を備えることができ、これに限定されないが、バリア性樹脂層、易引裂き性樹脂層、耐熱性樹脂層、或いは耐衝撃性樹脂層等を備えることが好ましい。すなわち、バリア性樹脂層を備えることにより、内容物の保存性や風味の保持性を向上することができ、易引裂き製樹脂層を備えることにより、パウチの開封性を向上することができ、更に耐熱性樹脂層を備えることによりレンジで加熱した際の穴あき等を防止することが可能になる。
バリア性樹脂層としては、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリグリコール酸等のバリア性樹脂から成るフィルム、酸化アルミニウム等の金属酸化物蒸着層やケイ素酸化物蒸着層、或いはダイヤモンドライクカーボン等の炭化水素系蒸着層を有する無機蒸着フィルム、或いは、ポリビニルアルコール系ポリマーやポリカルボン酸系ポリマー等のガスバリア性樹脂から成るコーティング剤を塗布したフィルム、等従来公知のバリア性樹脂層を挙げることができる。蒸着層或いはガスバリア性塗膜を形成するフィルムとしては、これに限定されないが、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートやポリアミド樹脂を好適に使用することができる。
上記バリア性樹脂層は、酸素バリア性に優れていると共に、臭気成分のバリア性にも優れており、インキ組成物に由来する臭気成分を内容物に移行させないために、ヒートシール性樹脂層と遮光性印刷層の間に形成することが好ましい。
本発明においては、レトルト後も優れた酸素バリア性を発現可能であり、且つ酸素バリア性及び臭気バリア性の両方に優れた前述の無機蒸着フィルムやコーティング剤を塗布したフィルムを好適に使用することができる。
易引裂き性樹脂層としては、易引き裂き性が付与された、一軸(MD方向)又は二軸(MD方向及びTD方向)に延伸加工が施された、ポリプロピレンフィルム,高密度ポリエチレン,ポリエステルフィルム,ポリアミドフィルム等の従来公知の易引き裂き性樹脂フィルムを用いることができる。
この易引き裂き性樹脂層は、その延伸方向がパウチを開封する際の引裂き方向と一致するように積層することにより、開封時のパウチ表裏の引裂き幅のずれ、所謂カットずれを防止し、パウチの易開封性を向上することができる。
易引裂き性樹脂層は、積層体の何れかに形成されれば良く、単独の易引裂き性樹脂層として積層したり、基材樹脂層、ヒートシール性樹脂層、バリア性樹脂層、耐熱性樹脂層に易引裂き性機能を付与した特殊なフィルムを用いることも可能であるが、特殊なフィルムを用いずパウチのカットずれを防止して真っ直ぐな引裂き性を付与する場合には、バリア性樹脂層とヒートシール性樹脂層の間に単独で易開封製樹脂層を形成しておくことが好ましい。
本発明のパウチは、レトルト殺菌に賦された場合にも部分的な変色による色むらの発生等が抑制され、レトルト殺菌にも耐え得る耐熱性を有しているが、内容物として高い粘度の内容物や固形物を含有した内容物を充填し、これを電子レンジ等で加熱して使用する場合には、局所的に高温の箇所が発生してパウチの穴あき等のおそれがある。この耐熱性樹脂層は、上述した易引裂き性樹脂層と同様に、積層体の何れかに単独又は耐熱性機能のある各種樹脂層が形成されれば良いが、より内容物に近い位置であるバリア性樹脂層とヒートシール性樹脂層との間に単独で耐熱性樹脂層を形成しておくことが特に好ましい。
このような耐熱性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂やナイロン等のポリアミド樹脂等を挙げることができ、一軸又は二軸延伸されたものを好適に使用することができる。
パウチの耐突き刺し性や耐落下衝撃性等をより向上させるために、延伸ナイロンフィルム等から成る耐衝撃性樹脂層を備えることもできる。
また本発明に用いる積層体は、積層方法によっては各層の間に接着層を有する場合がある。積層に用いる接着樹脂としては、従来公知のものを使用することができるが、耐熱性の点から、ポリウレタン系接着剤を好適に使用することができる。
本発明のパウチに使用される積層体の積層構造としては、これに限定されないが、図1に示すように、基材樹脂層1、白色インキ層2a及びグレーインキ層2bから成る遮光性印刷層2、バリア性樹脂層3及びパウチの内面側となるヒートシール性樹脂層4から成っている。図1に示す態様では、遮光性印刷層2とバリア性樹脂層3の間、及びバリア性樹脂層3とヒートシール性樹脂層4の間に接着層5が形成されている。
本発明に用いる積層体の他の一例の積層構造を示す図2では、図1に示した積層構造において、バリア性樹脂層3とヒートシール性樹脂層4の間に更に易引裂き性樹脂層6が備えられている。この易引裂き性樹脂層6は、図1の基材樹脂層1に易引裂き性機能を付与し、易引裂き性の基材樹脂層とすることもできる。
また前述した耐熱性樹脂層7は、図2の易引き裂き性樹脂層6に変えて設けることもできる。また図3に示す態様においては、基材樹脂層1と遮光性印刷層2の間に、絵柄印刷層8が形成されている。
本発明に用いる積層体は、従来公知の積層方法及び印刷方式により形成することができるが、好適には、基材樹脂層に、グラビア印刷により白色インキ層を形成した後、その上にグレーインキ層を形成し、遮光性印刷層を有する基材樹脂層を予め形成する。尚、絵柄等のデザイン印刷や文字印刷を行う場合には、積層体形成後、或いはパウチを成形した後、基材樹脂層の外面側にこれらの印刷層及び仕上げニス層を施すこともできるが、基材樹脂層の内面側に、白色インキ層を形成する前に、これらの印刷層を形成し、その上に白色インキ層及びグレーインキ層を順次形成するとよい。
遮光性印刷層を有する基材樹脂層と、バリア性樹脂層又はヒートシール性樹脂層の積層は、ドライラミネート法や、押出ラミネート法等公知の方法により行うことができる。
本発明のパウチは、上述した積層体から成る限りその形態は限定されず、積層体の2辺、3辺、或いは4辺をシールして成るパウチ、或いはピロータイプのパウチ、ガセットタイプのパウチ、スタンディングパウチ等、種々の形態を採用することできる。また、電子レンジ加熱用途の場合には、加熱時に発生する内圧を外部に逃すベント機構を形成することもできる。
本発明のパウチ詰め食品は、上述した本発明のパウチに、食品を充填密封して成るものであり、本発明においては特に、パウチがレトルト殺菌に賦された場合でも部分的な変色を生じることがないことから、レトルト殺菌に賦される食品を好適に充填することができる。
また本発明のパウチは優れた耐熱性を有することから、粘性の高い食品や固形物を含有した食品を好適に充填することができる。すなわち、高粘度の食品や固形物を含有した食品が電子レンジにより加熱されると、内容物の対流が生じ難い箇所が局所的に高温になることから、穴あき等のダメージが生じるおそれがあったが、本発明のパウチは優れた耐熱性を有することから、このような電子レンジ加熱用の高粘度の食品或いは固形物を含有した食品にも対応することが可能になる。
本発明のパウチ詰め食品としては、例えば、カレー、シチュー、麻婆豆腐、おかゆ等の調理済み食品、パスタソース、ミートソース、ハヤシソースなどの各種ソース類、コーンスープ、ポタージュスープなどの各種スープ類、牛丼、親子丼、中華丼等の丼の素などの丼の素、豆乳鍋の素などの各種鍋の素などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(ハンター白色度)
分光式色差計(日本電色工業株式会社製 SE−2000)を使用し、遮光性印刷層を白色インキ層側からLabを測定し、ハンター白色度(W)を下記式(1)から算出した。
W=100−[(100−L)2+a2+b2]1/2 ・・・(1)
(光線透過率)
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製 V−570)を使用し、300〜800nmの波長領域の光線透過率を測定した。測定された300〜800nmの範囲の光線透過率のうち最も大きかった光線透過率を表1に示す。
(インキの割れ)
レトルト殺菌後のパウチの外観を目視で観察し、印刷層のインキの割れの有無を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:変化なし ×:部分的なインキの割れがある。
(レトルト後の変色評価)
レトルト殺菌後のパウチの外観を目視で観察し、色の変化を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:変化なし ×:部分的な変色(グレー)がある。
(総合評価)
ハンター白色度が75%以上、光線透過率が20%以下、レトルト殺菌後のインキの割れ及び変色なし、のすべてを満足した場合は○、一つでも満足しないものがある場合は×とした。
膜厚12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材樹脂フィルムとし、この基材樹脂層上に、表1に示す白インキを用い、版深40μmのベタ版によりグラビア印刷を行って、7.8μmの厚みの白インキ層を形成した。次いで、白色インキ層の形成に用いた白色インキ100重量部に対し、市販の墨インキ3重量部、黄色インキ2重量部を混合して、グレーインキを調製した。このグレーインキを用い、白色インキ層上にグラビア印刷により2.7μmのグレーインキ層を形成した。
次いで、バリア性樹脂層として、膜厚15μmのナイロンフィルムを用い、ポリウレタン系接着剤を用いて、遮光性印刷層を形成した基材樹脂フィルムとドライラミネートした後、ポリウレタン系接着剤を用いて、膜厚70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムから成るヒートシール性樹脂層を、前記ナイロンフィルムから成るバリア性樹脂層とドライラミネートして、積層体を作成した。
またこのスタンディングパウチを125℃30分のレトルト殺菌処理を行った後、インキの割れ及び変色の有無を判断した。結果を表1に示す。
白色インキ層における、顔料/樹脂の重量比及び厚みを表1に示す値に変えた以外は実施例1と同様にしてパウチを作成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2で用いた積層体のヒートシール性樹脂層とバリア性樹脂層の間に、易引き裂き性樹脂層として直進カット性二軸延伸ポリエステル樹脂を、ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネートした以外は実施例2と同様にしてパウチを作成した後、レトルト殺菌処理(125℃30分)を行った。
ハンター白色度83%、300〜800nmの光線透過率は全て15%以下であり、インキの割れやレトルト後の変色が起こらず、実施例1〜7及び比較例1〜4で作成されたパウチよりも、カットずれなく真っ直ぐに引裂けて開封できた。
実施例2で用いた積層体のヒートシール性樹脂層とバリア性樹脂層の間に、耐熱性樹脂層として二軸延伸ポリエチレンテレフタレートを、ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネートして積層体を作成し、パウチの所定位置に自動開口ベント機構である蒸気抜きシールを施した以外は実施例2と同様にしてスタンディングパウチを作成した。
このスタンディングパウチに粘度713mPa・s(80℃、B型粘度計を用い60rpmで測定)の市販の具入りビーフシチュー200gを充填し、ヒートシールにて密封した後、125℃30分でレトルト殺菌し、パウチ詰め食品を作成した。
ハンター白色度は83%、全300〜800nmの光線透過率は全て15%以下であり、インキの割れやレトルト後の変色は起こらなかった。
このパウチ詰め食品を、500Wの電子レンジにて2分間加熱したが、内容物に由来する穴あきはなく、良好な密封状態を維持した。
しかも食品等の内容物を収納し、電子レンジ加熱されても、パウチの穴あき等が発生しないため、電子レンジ加熱用途のパウチとして有効に利用できる。
Claims (9)
- 少なくとも、基材樹脂層、遮光性印刷層及びヒートシール性樹脂層を含む積層体から成るパウチであって、
前記遮光性印刷層が、樹脂分に対する白色系顔料の重量比(顔料/樹脂)が3.5〜4.2の範囲にある白色インキ層と、グレーインキ層とから成り、該白色インキ層の厚みが4〜11μmの範囲にあることを特徴とするレトルト殺菌可能なパウチ。 - 前記遮光性印刷層のハンター白色度が、75%以上である請求項1記載のパウチ。
- 300〜800nmの光線透過率が20%以下である請求項1又は2記載のパウチ。
- 前記グレーインキ層が、白色インキ100重量部に対して、墨インキ2〜4重量部、黄色インキ1〜3重量部を配合したグレーインキから成る請求項1〜3の何れかに記載のパウチ。
- 前記グレーインキ層の厚みが、2〜3.5μmの範囲にある請求項1〜4の何れかに記載のパウチ。
- 前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成る請求項1〜5の何れかに記載のパウチ。
- 前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、易引裂き性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成る請求項1〜5の何れかに記載のパウチ。
- 前記積層体が、外側から順に、基材樹脂層、遮光性印刷層、バリア性樹脂層、耐熱性樹脂層、ヒートシール性樹脂層から成る請求項1〜5の何れかに記載のパウチ。
- 請求項1〜8の何れかに記載のパウチに、食品を充填密封して成るパウチ詰め食品。
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