JP6335577B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート上のトナー像を定着する定着装置に関する。この定着装置は、例えば、複写機、プリンタ、FAX、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置において用いられ得る。
電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置においては、シート状の記録材(シート)の上に未定着のトナー画像を静電的に形成し、そのトナー画像を定着装置内の定着部材により加熱・加圧して記録材上に定着している。
このような画像形成装置においては、トナー画像の転写時に高圧が印加されることや、定着部材との摺擦により記録材が帯電することによる問題が良く知られている。
帯電した記録材は画像形成装置の搬送路を形成する搬送ガイドに静電吸着されることで、搬送不良を発生する場合がある。また、記録材が帯電することで、記録材上の定着前のトナー画像が定着部材表面に静電的に吸着される現象(以下、静電オフセットと呼ぶ)が発生する場合がある。静電吸着されたトナーは、定着部材から別の記録材上に再転写されることで、画像品の低下の要因となる。
上述した課題を解決するために特許文献1では、定着ニップ直後の搬送ローラ対を導電化することで、記録材帯電や定着部材帯電を抑止する構成が開示されている。また、特許文献2では、定着ニップを形成する部材に導電部材を用いることで、同様の効果を得る方法が開示されている。
一方、定着ニップを形成する定着部材、及び定着ニップを通過した直後に通過する搬送ローラ対においては、溶解したトナーが付着した記録材を剥離させる必要があるため、部材の表層に離形層を有するものが広く用いられる。離形層は一般にフッ素樹脂等の離形性に優れた材料から成るチューブやコーティングにより形成される。
上述した構成においては、記録材と接触する表層を導電化することが効果的であり、離形層を形成する材料に導電体(カーボン等)を混入させ体積抵抗率を下げる方法が良く知られている。
特開2011−232439号公報 特開平04−019687号公報
近年の高速化や多様な記録材の採用に対する要求の高まりにより、記録材の帯電量は増加しつつある。例えば高速化や厚みのある記録材に対応するためには、記録材にトナー像を転写する際の効率を向上させるための印加電圧の増加により記録材の帯電量が増加する。また、高速で記録材の搬送を行う場合には、定着部材と記録材、あるいは記録材と搬送ガイドとの摺擦量が増加し帯電し易い状態となる。
静電的に記録材上に形成されたトナー画像は電気的に不安定な状態にある。そのため、記録材上にトナー画像を定着させる定着ニップからその直後に除電を効果的に行うことで、定着装置で発生する画像異常や定着装置以降の記録材搬送経路で発生する搬送不良を効果的に改善することができる。
定着装置近傍で除電効果を向上させるためには、前述した定着ニップを形成する定着部材、及び定着ニップを通過した直後に通過する搬送ローラ対の表層部材の体積抵抗率を下げることが効果的である。
しかしながら、たとえば定着部材の体積抵抗率を下げ除電効率を単純にあげると、記録材にトナー画像を転写させるために電圧をかける際に電流が定着部材に導通してしまう場合が有る。これにより転写部位で十分な電圧を記録材に印加することができず、記録材へのトナー画像の転写不良が発生してしまう場合がある。
また、離形層にチューブ材料を用いる場合、チューブの体積抵抗率を下げるためにはチューブ材料への導電体の混入量を増やす必要があるが、それによりチューブ耐久性が劣化する懸念がある。チューブの耐久性が劣化すると、断裂や摩耗性能の低下が発生してしまう場合がある。
更には、離形層に導電材を混入させることによる離形性能の低下も問題になる。記録材のトナー画像定着面側と接触する部材表層の離形性能が不十分であると、溶解後定着しつつあるトナーが部材表面に堆積し、記録材上に再定着してしまうことで画像異常が発生してしまう場合がある。
本発明は、画像不良の発生を抑制しつつ、シートの除電を好適に行うことが可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、
シート上のトナー像を定着するためシートを挟持搬送する定着部であって、シートのトナー像担持面に接触する第1のフッ素樹脂層を備えた第1の定着部材と、前記第1の定着部材と協働してシートを挟持搬送する第2の定着部材であってシートのトナー像担持面とは反対側の面に接触する体積抵抗率が10 〜10 11 Ω・cmの第2のフッ素樹脂層を備えた第2の定着部材と、を有する定着部と、
前記定着部よりもシート搬送方向下流側に設けられシートを挟持搬送する搬送部であって、シートのトナー像担持面と接触する第3のフッ素樹脂層を備えた第1の搬送ローラと、前記第1の搬送ローラと協働してシートを挟持搬送する第2の搬送ローラであってシートのトナー像担持面とは反対側の面に接触する体積抵抗率が10 〜10 Ω・cmの第4のフッ素樹脂層を備えた第2の搬送ローラと、を有する搬送部と、
前記第2のフッ素樹脂層に接触して前記第2のフッ素樹脂層を除電する第1の除電部材と、
前記第4のフッ素樹脂層に接触して前記第4のフッ素樹脂層を除電する第2の除電部材と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像不良の発生を抑制しつつ、シートの除電を好適に行える
実施例における定着装置を説明する断面図 実施例における画像形成装置の概略断面図 実施例における定着装置の斜視図 実施例における定着装置の駆動構成を説明するための側面図 従来の構成における定着装置の記録材帯電状態を説明するためのグラフ 実施例における定着装置の記録材除電効果を説明するためのグラフ 従来の構成における定着装置の記録材帯電状態を説明するためのグラフ 実施例における定着装置の記録材除電について説明するためのグラフ 定着装置の構成部材の構成説明図
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<画像形成装置>
図2は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置および複合機など画像形成装置の一例の概略図である。この画像形成装置100には、記録材や転写材などのシートS上に転写された未定着トナー画像に熱と圧を加えて固着画像として定着処理する定着装置27が備わっている。但し、画像形成装置100の具体例としてフルカラー中間転写方式のものが図示されているが、特にそれに限定されるものではない。
画像形成装置100は、たとえばY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色トナー像に対応して表面で静電潜像を担持する像担持体(電子写真感光体)20Y,20M,20C,20Kを備えている。以下、記述の煩雑化を避けるためにそれら4つの像担持体を符号20で代表させて説明し、以下の帯電手段、露光手段、現像装置などについても同様に代表させた符号で記述する。
4つの像担持体20の表面は一次帯電手段21によって所要の電位に一様に帯電され、その後、露光手段22によって像担持体20の表面を露光することによって、それら像担持体20上に静電潜像が形成される。そして、像担持体20上の静電潜像は、現像装置23によって現像剤を用いて現像され、トナー像として可視画像化される。そして、上記4色のトナー像形成に対応する画像形成部200Y,200M,200C,200Kが直列に配置され、可視画像化するまでのプロセスを各色毎に並列処理するタンデム方式が採用されている。
現像装置23によって現像された像担持体20上のトナー像は、一次転写装置24によってたとえば無端状ベルトによる中間転写体25上に順次重畳させて一次転写とされる。そして、全色一次転写された中間転写体25上のトナー像は、二次転写部7を有する二次転写装置26によってシートS上に一括転写される。
シートSはストック部31,32,33の何れかから搬送手段によって二次転写装置26まで搬送される。二次転写後、未定着のトナー像を担持したシートSは後述するベルト方式の定着装置27へと搬送され、定着装置27で加熱されかつ加圧されることで未定着のトナー像が溶融軟化して定着され、定着を終えると排出トレイ28へと排出される。
シートSの裏面側に画像を形成する際(両面画像形成モード)には、定着装置27を出た表面側画像形成済みのシートSをシート反転路29によって反転させた後、両面搬送路30を介して再度、二次転写部7に搬送して裏面側に画像を形成する。
以上のように、帯電、露光、現像、転写、そして定着までの一連の画像形成プロセスが実行され、シートS上に画像が記録形成される。なお、モノクロの画像形成装置ではブラックの画像形成部のみが存在する。Y,M,C,Kの各色の画像形成部の並び順や構成はこの限りではない。160は画像形成装置100に搭載した原稿自動搬送装置(ADF、RDF)である。
<定着装置>
次に、図1及び図3〜4を参照して定着装置27の構成について詳細に説明する。図1は定着装置27の横断面図、図3は定着装置27の外観斜視図である。図4は定着装置27の駆動系の構成の説明図である。
図3を参照して、定着装置27について正面とはシート入口側の面、背面とはシート出口側の面、左右とは装置を正面側から見て左または右である。上流または下流とはシートSの搬送方向Vに関して上流または下流である。
図1を参照して、定着装置27は、定着枠体115に組み立てられた誘導発熱体である加熱ベルト130に、加圧枠体117に組み立てられた加圧ベルト120を圧接させてニップ部N(シート上のトナー像を定着するためのシートを挟持搬送する定着部)を形成している。この定着装置27において、加熱ベルト130と加圧ベルト120が、シート上のトナー像tをその間のニップ部Nにて挟持搬送して定着する一対の定着部材である。加熱ベルト130がシートSのトナー像担持面に接触する第1の定着部材、加圧ベルト120がシートSのトナー像担持面とは反対側の面に接触し、加熱ベルト130と協働してシートSを挟持搬送する第2の定着部材である。
二次転写部7から定着装置27に搬送された未定着トナーtを担持したシートSは定着装置正面のシート入口側から定着装置内に導入され、ニップ部Nで挟持搬送されて定着処理を受ける。
磁束発生手段であるIHヒータ(加熱装置)170は、励磁コイルと磁性体コアとそれらを保持するホルダから構成され、加熱ベルト130の上部表層近傍に設けられている。励磁コイルは交流電流によって交流磁束を発生し、交流磁束はコア磁性体に導かれて誘導発熱体である加熱ベルト130に渦電流を発生させる。その渦電流は誘導発熱体の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。コイルに供給される交流電流は加熱ベルト130の表層温度を検知するための図示されないサーミスタ等の温度検知手段による温度情報をもとに加熱ベルト130表面温度が180℃程度となるように制御される。
加熱ベルト130は、定着枠体115に軸支された複数のローラ、本例では、駆動ローラ131とテンションローラ132とに所定の張力(例えば200N)で掛け渡されて、矢印の時計方向に循環回転が可能である。
本実施例において、加熱ベルト130は、図9の(a)の層構成模式図に示すような複合層部材である。即ち、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層もしくはステンレス層などの磁性金属層130aに絶縁性の弾性層130bとしての厚さ300μmのシリコンゴム層をコーティングしてある。そして、さらに表層(離形層)130cとしてPFAチューブ(第1のフッ素樹脂層)を被覆したものが用いられる。
加熱ベルト130は、これに限らず、IHヒータ170により電磁誘導発熱させられるとともに耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。表層にPFAチューブを被覆することで、熱溶解させたトナー像の離形性を向上させることが可能になり、シートSにトナー画像を定着させた際のトナー残留を低減させることが可能になる。
加熱ベルト130のPFAチューブは、チューブ表面へのトナー残留を抑制するために高い離形性が要求される。そこで、PFA(あるいはPTFA)等の高離形性材料を使用することが望ましい。
また、シートS上の熱融解前のトナー画像は、シートSに静電気力により付着している。そのため、加熱ベルト130の表層が高い導電性能を有する場合には、シートS上の電荷が乱され、トナー画像が乱されることによる画像異常が発生する場合がある。そこで、加熱ベルト130の表層130cであるPFAチューブの体積抵抗率としては10の12乗Ω・cm以上(10 12 Ω・cm以上)であることか好ましい。ここで、後述する加圧ベルト120における導電性PFAチューブ120cとの対比において、加熱ベルト130の離形層130cの体積抵抗率が、導電性PFAチューブ120cの体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。
加熱ベルト130は、駆動ローラ131の回転によって搬送される。ニップ部NにてシートSを安定的に搬送するために、加熱ベルト130と駆動ローラ131間では確実に駆動を伝達している。
駆動ローラ131は、加熱ベルト130の内面を支持してニップ部Nに圧力を発生させる機能を有する。駆動ローラ131は、加熱ベルト130と加圧ベルト120とのニップ域の出口側に配設され、加圧ローラ121の圧接により弾性層が所定量弾性的に歪ませられる。駆動ローラ131は、中実ステンレスによって外径がφ18mmに形成された芯金表層に耐熱シリコンゴムの弾性層を一体成型により形成したローラである。
テンションローラ132は、一端側を昇降させて傾動することにより加熱ベルト130の寄り制御を行う機能と、加熱ベルト130にベルトテンションを付与する機能とを有する。テンションローラ132は、ステンレスによって外径がφ20mm、内径φ18mm程度に形成された中空ローラであり、ベルト張架ローラとして働く。
加熱ベルト130は、回転に伴ってテンションローラ132の回転軸線方向の一方に寄り移動するため、不図示のステアリング機構によってテンションローラ132を傾動させて加熱ベルト130の寄り移動を制御している。
加熱ベルト130と加圧ベルト120とのニップ域の入口側(駆動ローラ131の上流側)に対応する加熱ベルト130の内側には、ステンレス鋼(SUS材)で形成されたパッドステー137が配置される。パッドステー137は、400Nの所定圧で加圧パッド125に向かって押し当てられて、駆動ローラ131とともにニップ部Nを形成している。
加圧ベルト120は、加圧枠体117に軸支された加圧ローラ121とテンションローラ122とに所定の張力(例えば200N)で架け渡されて、矢印の反時計方向に循環回転が可能である。
本実施例において、加圧ベルト120は、図9の(b)の層構成模式図に示すような複合層部材である。即ち、厚さ50μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層120aに絶縁性の弾性層120bとしての例えば厚さ300μmのシリコンゴム層をコーティングしている。そして、さらに表層(導電性の離形層)120cとして導電性PFAチューブ(第2のフッ素樹脂層:例えばクンゼ株式会社のGFチューブSTにカーボンブラックを分散させたもの)を被覆したものが用いられる。即ち、表層120cには導電性フィラーが添加されている。本実施例における加圧ベルト120は表層の体積抵抗率が10の9乗程度である。
加圧ベルト120は、これに限らず、耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えないが、導電性の離形層としての導電性PFAチューブ120cの体積抵抗率としては10の7乗〜11乗Ω・cm(10 〜10 11 Ω・cm)が好ましい。ここで、後述するローラ対150の搬送駆動ローラ151における導電性の離形層151cとの対比において、加圧ベルト120の離形層120cの体積抵抗率が、搬送駆動ローラ151の記離形層151cの体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。
シートSの除電性能としてはチューブ120cの抵抗が低い方が望ましいが、10の7乗Ω・cm以下では、シートSにトナーを拘束するために必要な電荷がリークしてしまう。そのため、トナー画像のシートSへの拘束力が低下し、定着前のシート上のトナー飛散に起因する画像不良が発生する場合がある。また、シートSが二次転写部7−ニップ部N間をまたがって搬送されているときに二次転写部7でトナー画像を転写するための電流がシートを経由して過流出することによる転写不良などの画像不良が発生する場合がある。
また、PFAチューブに導電性能を具備するため導電材料(導電性フィラー:カーボンブラック等)を混入させると、PFAチューブ自体のトナー離形性が低下する。シートSの除電のために加熱ベルト130の表層130cを導電化する場合、シートSにトナー画像を定着させる際に発生する残留トナーの蓄積量が増加するため、蓄積された残留トナーがシートSに再定着されることで画像異常が発生する場合がある。そのため、画像品位に影響無くシート除電を実現させるためには、シートSの非トナー画像面(トナー像担持面とは反対側の面)と接触する加圧ベルト120表層120cを導電化する方式が好適である。
加圧ベルト120の表層420cには除電ブラシ162(第1の除電部材)が加圧ベルト120の回転方向に対して鈍角に接触される。除電ブラシ162は加圧枠体117を介してアースGと電気的に接続されている。除電ブラシ162はステンレスのブラシ部162aをステンレス板162b上に導電テープにより固定されることで構成される。除電ブラシ162の構成は、除電対象(加圧ベルト130、搬送従動ローラ152)に接触することでPFAチューブを傷つけないものが望ましく、ステンレス以外の材料としてアモルファスやチタン、ニッケル等でブラシを構成するものが良く知られている。
加圧ローラ121は、中実ステンレスによって外径がφ20mmに形成された加圧ベルト120を懸架するローラで、加圧ベルト120と加熱ベルト130のニップ域の出口側に配設されている。
テンションローラ122は、一端側を昇降させて傾動することにより加圧ベルト120の寄り制御を行う機能と、加圧ベルト120にベルトテンションを付与する機能とを有する。テンションローラ122は、ステンレスによって外径がφ20mm、内径φ18mm程度に形成された中空ローラであり、ベルト張架ローラとして働く。
加圧ベルト120は、回転に伴ってテンションローラ122の回転軸線方向の一方に寄り移動するため、不図示のステアリング機構によってテンションローラ122を傾動させて加圧ベルト120の寄り移動を制御している。
加圧ベルト120と加熱ベルト130のニップ域の入口側(加圧ローラ121の上流側)に対応する加圧ベルト120の内側には、シリコンゴムで形成された加圧パッド125が配置される。加圧パッド125は、400Nの所定圧で加圧ベルト120に押し当てられて、加圧ローラ121とともにニップ部Nを形成している。
図4に示すように、テンションローラ132の両端部は、軸受133によって支持され、テンションバネ134によって200N(20kgf)のテンションを加熱ベルト130に付与している。テンションローラ122の両端部は、軸受126によって支持され、テンションバネ127によって200N(20kgf)のテンションを加圧ベルト120に付与している。
モータ301(図3)によって、ギア128に外部から駆動が入力される。ギア128は、駆動ローラ131の軸端に連結されている。駆動ローラ131と加圧ローラ121は、ギア128の反対側に配置された不図示のギア列によって連結されているので、連動して回転する。
<定着ニップ後の搬送構成>
上記のように、定着装置27は、加熱ベルト130と加圧ベルト120により形成されるニップ部Nでトナー像tが静電転写されたシートSを挟持搬送して通過させることで、トナー像をシートSに定着させる。シートSに担持されたトナーは、加熱ベルト130より与えられる熱により溶融する。この時、溶融したトナーは粘着性を持ち、シートSを加熱ベルト130の表面に付着させようとする。特に、剛度の小さい(腰が弱い)薄いシートSに定着処理を施す場合、シートSが加熱ベルト130に巻き付いてジャムを発生させてしまう恐れがある。
このため、本例の定着装置27では、加熱ベルト130に非接触配置された分離部材141を設けている。分離部材141は、加熱ベルト130のその幅方向(シートSの搬送方向Vと直交する方向、駆動ローラ131の軸線方向)におけるシート材搬送領域全域に亘り近接配置されており、加熱ベルト130からシートSを分離させる機能を担っている。
分離部材141により加熱ベルト130から分離されたシートSは、搬送ガイド156と分離部材141によりガイドされ、定着部よりもシート搬送方向下流側に設けられたシートを挟持搬送する搬送部である定着ニップ後搬送ローラ対150により挟持搬送されて、定着装置27から外に送り出される。即ち、ローラ対150はニップ部Nから出たシートSを挟持搬送する。
ニップ部Nとローラ対150のニップ部との距離は装置で使用可能な搬送方向長さが最小サイズのシートSの長さよりも小さい。したがって、ニップ部Nとローラ対150のニップ部との双方にシートSがまたがって同時期に挟持される状態を生じる。つまり、定着部と搬送部は定着装置に使用可能な搬送方向長さが最小のシートが加熱ベルト130及び加圧ベルト120とともに、ローラ対150によって同時に挟持されるような位置関係にある。
ローラ対150は、搬送枠体155に回転可能に回転可能に支持された搬送駆動ローラ151と搬送従動ローラ152により構成される。本実施例において、搬送従動ローラ152がニップ部Nから出たシートSの定着トナー像担持面と接触する第1の搬送ローラである。搬送駆動ローラ151が当該シートSの定着トナー像担持面とは反対側の面に接触する第2の搬送ローラである。
搬送駆動ローラ151は、加熱ベルト130と同一の不図示の駆動源からの駆動力をギア等の駆動伝達部によって伝達されてシート搬送方向に回転する。搬送従動ローラ152は、両端を加圧ばね153により200gf程度で加圧されて搬送駆動ローラ151に圧接され、搬送駆動ローラ151の回転駆動に従動して回転する。シートSはこの回転するローラ対150に挟持されて搬送される。
ローラ対150は、ニップ部Nにより挟持搬送されてニップ部Nを出たシートSがガイド156の搬送抵抗等でたるみ、再度加熱ベルト130に接触することを抑止するため、ニップ部Nのシート出口側近傍に配置される。本実施例ではローラ対150はニップ部Nのシート出口側からシート搬送方向下流側に40mmの位置に配置され、ニップ部Nでのシート搬送速度に比して速い速度でシートSを挟持搬送する。本実施例の構成では、ニップ部Nでのシート搬送速度300mm/secに対して315mm/secでシートSを搬送するように設定している。
ローラ対150の配置は、用いるトナーの性質により好適な位置に配置することが可能である。例えばトナーを主成分であるバインダー樹脂が溶解点に達する前、あるいはニップ部Nにより加熱されたトナー画像とシートSの温度が100℃以上の場所に配置されることが好適である。
つまり、ローラ対150の配置は、ニップ部Nから出たシートSがローラ対150を通過する際のトナー温度がトナーを構成するバインダー樹脂の溶融温度以上である場所に配置されることが好適である。あるいはニップ部Nから出たシートSがローラ対150を通過する際のシート温度が100℃以上である場所に配置されることが好適である。そこで、ローラ対150のニップ部はニップ部Nのシート出口側から50mm以内の位置に配置されることが好ましい。
ニップ部Nで溶解したシート上のトナー画像は自然冷却により固着する過程において、粘着性を有する。そのため、分離部材141及び、ローラ対150は表層に離形性の良い材料を選択することが望ましい。そのため分離部材141は表層にPFAコーティングを具備する。分離部材141は離形性の良い材料であれば良く、テープ状のPFAやPTFEシートを接着する構成でも良い。
図9の(c)の模式図に示すように、搬送従動ローラ152は、アルミニウム合金により外径がφ14mmに形成された芯金152aの外周面に表層152bとしてPFAチューブ(第3のフッ素樹脂層)を被覆したものが用いられる。表層(離形層)152bとしてPFAチューブを被覆することで、シートSのトナーが蓄積することを低減させることが可能になる。
搬送従動ローラ152のPFAチューブ152cは、ニップ部Nにより融解されたトナー画像と接触するため、チューブ表面へのトナー残留を抑制するために高い離形性が要求される。そこで、PFA(あるいはPTFA)等の高離形性材料を使用することが望ましい。
また、PFAチューブに導電性能を具備するため導電材料(カーボンブラック等)を混入させると、PFAチューブ自体のトナー離形性が低下する。よって搬送従動ローラ152のPFAチューブ152cは、非導電材料を用いることが望ましく、体積抵抗率としては10の13乗Ω・cm以上(10 13 Ω・cm以上)であることか好ましい。ここで、後述する搬送駆動ローラ151における導電性PFAチューブ151c(第4のフッ素樹脂層)との対比において、搬送従動ローラ152のPFAチューブ152cの体積抵抗率が、導電性PFAチューブ151cの体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。
また、搬送駆動ローラ151は、中実ステンレスによって外径がφ12mmに形成された芯金151aの外周面に発砲シリコンゴムの弾性層151bを一体成型により形成する。そして、さらにその外周面に表層(導電性の離形層)151cとして導電性PFAチューブ(例えばクンゼ株式会社のGFチューブSTにカーボンブラックを分散させたもの)を被覆したものが用いられる。即ち、表層151cには導電性フィラーが添加されている。本実施例における搬送駆動ローラ151は表層151cの体積抵抗率が10の6乗程度である。
搬送駆動ローラ151は、これに限らず、耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えないが、表層151cである導電性PFAチューブの体積抵抗率としては10の5乗〜8乗Ω・cm(10 〜10 Ω・cm)が好ましい。
本実施例では、ニップ部Nで加圧ベルト120の導電性の離形層である表層120cによりシートSの除電が為される。そのため、搬送駆動ローラ151の導電性の離形層である表層151cの体積抵抗率を加圧ベルト120の表層120cの体積抵抗率よりも小さくすることが効果的である。
また、シート上のトナー画像はニップ部Nで定着なされる。そのため、ローラ対150におけるシート上のトナー飛散の影響が少ないものの、搬送駆動ローラ151の導電性の離形層である表層151cはシートSの電荷をリークさせる。そのため、シートSか二次転写部7、ニップ部N、ローラ対150にまたがって搬送される状態においては、二次転写部7でトナー画像を転写するための電流がシートSを経由して過流出することによる転写不良などの画像不良が発生する場合がある。
そこで、搬送駆動ローラ151の導電性の離形層である表層151cの体積抵抗率は10の5乗Ω・cm以上確保することが望ましい。
また、シートSがローラ対150を通過する際、シート上のトナー画像はニップ部Nで熱溶解され固着しつつある。そのため、シートSの定着トナー像担持面とは反対側の面に接触する第2の搬送ローラである搬送駆動ローラ151の表層151cを導電化する方式が好適である。
搬送駆動ローラ151の表層151cには除電ブラシ161(第2の除電部材)が接触される。除電ブラシ161は搬送枠体155を介してアースGと電気的に接続される。除電ブラシ161はステンレスのブラシ部161aをステンレス板161b上に導電テープにより固定されることで構成される。
<除電効果>
次に図5〜8を用いて、上述した加圧ベルト120と搬送駆動ローラ151によるシート(記録材)の除電効果について説明する。図5は従来における帯電状況を説明する図、図6は本実施例による除電効果を説明する図である。
二次転写装置26において二次転写部7でトナー画像をシートに転写させるために、シートには電圧が印加されシートは帯電される。形成されたトナー画像は定着装置27においてニップ部Nにより定着さるとともにシートSはニップ部Nとローラ対150により搬送される。
図5、図6はシートSの帯電電位を時刻歴で示したものであり、実線Aが二次転写部7から5.0mm地点でのシートSの電位、破線Bがローラ対150から10.0mm地点でのシートSの電位である。横軸と縦軸の交点は、シートSが二次転写部7に突入したタイミングである。シートSは二次転写部7に突入後、約0.16秒後にAの測定点に到達する。シートSは二次転写部7を経過後、ニップ部Nに導入されトナー画像が定着される。トナー画像が定着されたシートSはローラ対150により挟持搬送され、二次転写部7にシートSが突入してから約0.7秒後にBの測定点に到達する。
従来の構成として、搬送駆動ローラ151の表層を非導電のPFAチューブを被覆した構成を用いた。従来の構成、本実施例における構成共に、二次転写後のシートSの電位はほぼ同一である。一方、従来の構成に比してローラ対150通過後のシート電位Bが大きく低減されている。これにより、シートの帯電による画像異常や、帯電したシートが搬送路の搬送ガイドに電気的に吸着されることにより発生する搬送不良を好適に改善することが可能となる。
図7は加圧ベルト120の表層120cよりも搬送駆動ローラ151の表層151cの体積抵抗率を下げたことによる本実施例の効果を説明するための図である。比較用の構成として本実施例の定着装置の構成に対して、搬送駆動ローラ151の表層151cの体積抵抗率を10の9乗Ω・cmとした際のシートの帯電電位を時刻歴で示したものである。
図5、図6と同様に実線Aが二次転写部7から5.0mm地点でのシートの電位、破線Bがローラ対150から10.0mm地点でのシートの電位である。比較用の構成においては、ローラ対150後のシート電位Bが従来の構成より低下しているものの、本実施例の構成に比して高くなっている。
図8は本実施例の構成でのシートへのトナー画像の二次転写に対する影響を説明するための図であり、二次転写部7で電圧を印加際の二次転写電流(二転電流)の時刻歴を示したものである。実線Cが上述の従来の構成における二転電流、破線Dが本実施例の構成における二転電流である。横軸と縦軸の交点は、シートが二次転写部7に突入したタイミングである。
従来の構成と比して二次転写電流の量は同等であり、本実施例における構成によるシート除電の方式による、シートからの電荷過流出による画像異常等の影響は小さい。
尚、本実施例で示すシートの電位はTREK社製高圧高速表面電位計(MODEL 341B)を用いた測定装置を画像形成装置100の内部に設置して測定を実施した。測定対象のシートとしては、王子製紙社製のコート紙(OKトップコート、坪量128gsm、A3)を用いた。シートへの二次転写時のシート帯電による影響を確認するため、作成するトナー画像は測定用のテストチャートを用いたが、本実施例ではその画像の詳細について説明は割愛する。
本実施例で説明した構成における除電方式によれば、従来の構成に比して好適なシート除電が可能になる。また、加圧ベルト120と搬送駆動ローラ151の体積抵抗率を好適に設定することで過剰な除電によりシートからトナー保持のための電荷を過流出させることで発生する画像異常等を抑止することが可能になる。
本実施例では、シート上のトナー画像を定着するためのニップ部Nをベルト状部材により構成する定着装置を用いて説明したが、ニップ部Nを構成する第1及び第2の定着部材がローラ対、あるいはベルト状部材とローラ状部材であっても良い。また、第2の定着部材は表面の摩擦係数が小さい非回転のパッドを用いる仕打ち構成であってもよい。
[実施例2]
画像形成装置100と定着装置27の構成は実施例1と類似しているため、図1を用いて実施例1との差異のみを説明する。
加圧ベルト120は、表層120cに導電性PFAチューブ(例えばクンゼ株式会社のGFチューブSTにカーボンブラックを分散させたもの)を被覆したものが用いられる。本実施例における加圧ベルト120は表層120cの体積抵抗率が10の7乗程度である。
加圧ベルト120の表層120cには除電ブラシ162が加圧ベルト120の回転方向に対して鈍角に接触される。除電ブラシ162は加圧枠体117に固定される。加圧枠体117は図示されない1000Ωの電気抵抗素子を介してアースGと電気的に接続されている。
搬送駆動ローラ151は、表層151cに導電性PFAチューブ(例えばクンゼ株式会社のGFチューブSTにカーボンブラックを分散させたもの)を被覆したものが用いられる。本実施例における表層151cの体積抵抗率は10の7乗程度である。搬送駆動ローラ151の表層151cには除電ブラシ161が接触される。除電ブラシ161は搬送枠体155に配され、搬送枠体155は図示されない10Ωの電気抵抗素子を介してアースと電気的に接続される。
即ち、加圧ベルト120の導電性の離形層120cに接触する除電ブラシ162とアースGの間の抵抗値(第1の除電部材と接地間の抵抗値)が、搬送駆動ローラ151の導電性の離形層151cに接触する除電ブラシ161とアースGの間の抵抗値(第2の除電部材と接地間の抵抗値)よりも大きい。本実施例で示す構成によれば、実施例1と同様の効果を得ることが可能になる。
本実施例では、除電部材とアースの間に異なる電気抵抗素子を接続することで実現しているが、除電部材とアースの間の抵抗値を変える構成であれば上述した構成に限定されない。例えば、除電部材とアースの間の抵抗を除電部材自体の抵抗値を変えることで実現可能である。
本発明によれば、画像異常等を招くことなく好適に定着ニップ近傍でのシート除電が可能になる。
また、未定着トナー像tをシートSに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
また、加熱装置として電磁誘導加熱方式について説明したが、本発明は、これに限らず、ハロゲンヒータなどの他の方式の加熱装置を用いる場合にも同様に適用することができる。具体的には、例えば、駆動ローラ131や加圧ローラ121の内部にハロゲンヒータなどの加熱装置を配設したものである。
100・・画像形成装置、7・・二次転写部、26・・二次転写装置、27・・定着装置、117・・加圧枠体、120・・加圧ベルト、130・・加熱ベルト、141・・分離部材、150・・定着ニップ後搬送ローラ対、151・・搬送駆動ローラ、152・・搬送従動ローラ、155・・搬送枠、161・・除電部材、162・・除電部材、170・・IHヒータ

Claims (12)

  1. シート上のトナー像を定着するためシートを挟持搬送する定着部であって、シートのトナー像担持面に接触する第1のフッ素樹脂層を備えた第1の定着部材と、前記第1の定着部材と協働してシートを挟持搬送する第2の定着部材であってシートのトナー像担持面とは反対側の面に接触する体積抵抗率が10 〜10 11 Ω・cmの第2のフッ素樹脂層を備えた第2の定着部材と、を有する定着部と、
    前記定着部よりもシート搬送方向下流側に設けられシートを挟持搬送する搬送部であって、シートのトナー像担持面と接触する第3のフッ素樹脂層を備えた第1の搬送ローラと、前記第1の搬送ローラと協働してシートを挟持搬送する第2の搬送ローラであってシートのトナー像担持面とは反対側の面に接触する体積抵抗率が10 〜10 Ω・cmの第4のフッ素樹脂層を備えた第2の搬送ローラと、を有する搬送部と、
    前記第2のフッ素樹脂層に接触して前記第2のフッ素樹脂層を除電する第1の除電部材と、
    前記第4のフッ素樹脂層に接触して前記第4のフッ素樹脂層を除電する第2の除電部材と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2のフッ素樹脂層の体積抵抗率は、前記第4のフッ素樹脂層の体積抵抗率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1のフッ素樹脂層の体積抵抗率は、前記第2のフッ素樹脂層の体積抵抗率よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の定着装置。
  4. 前記第1のフッ素樹脂層の体積抵抗率は10 12 Ω・cm以上であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記第3のフッ素樹脂層の体積抵抗率は、前記第4のフッ素樹脂層の体積抵抗率よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第3のフッ素樹脂層の体積抵抗率は10 13 Ω・cm以上であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着部と前記搬送部は、前記定着装置に使用可能な搬送方向長さが最小のシートが、前記第1の定着部材及び前記第2の定着部材とともに、前記第1の搬送ローラ及び前記第2の搬送ローラによって同時に挟持されるような位置関係にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. シートが前記第1の搬送ローラと前記第2の搬送ローラの間を通過する際のトナーの温度、トナーを構成するバインダー樹脂の溶融温度以上であることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. シートが前記第1の搬送ローラ及び前記第2の搬送ローラの間を通過する際のシート温度は100℃以上であることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  10. 前記第1の除電部材と接地間の抵抗値、前記第2の除電部材と接地間の抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記第2のフッ素樹脂層と前記第4のフッ素樹脂層には導電性フィラーが添加されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記導電性フィラーは、カーボンであることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
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