JP6376149B2 - 自動車用ブレーキディスクローター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、鋳造品は形状の自由度が大きいという利点はあるものの、靭性が低く割れや欠けを生じやすい。そのため強度を確保するため厚肉の部品設計にならざるを得ない。
オートバイ用のブレーキディスクローターの製造方法としては、例えば特許文献1に示されるように、ステンレス鋼板を円盤状に打ち抜いて、ブラケット部(接合部)に相当する部位に開口部を形成し、さらに絞り加工によってブラケット部に傾斜面の加工を施すというものである。
他方、オートバイ用のブレーキディスクローターは、ステンレス鋼板によって製造されてため、靭性が高く薄肉化、軽量化が可能であるという利点がある。
しかし、特許文献1で示されている製造方法で自動車用ブレーキディスクローター27を製造しようとすると以下のような問題がある。
この点、特許文献1に開示されているように、ブラケット部(接合部33)に相当する部位に円周方向に複数の開口部を設けたとしても、ブラケット部(接合部33)をほぼ垂直に立ち上げるような絞り加工を施すと、ブラケット部(接合部33)が薄肉になって強度を確保できないという問題が生ずる。
前記取付面部の中央に形成された開口部と、一端側が前記開口部に連通して他端側が前記接合部と前記摺動面部との境界に至る板厚方向に貫通して形成された少なくとも3本の放射状のスリットとを備えてなることを特徴とするものである。
ブランク材となる金属板を準備する金属板準備工程と、前記金属板における前記接合部に相当する部位となる円内に、中心から前記接合部と前記摺動面部との境界に相当する部位に至るように径方向に延びる少なくとも3本の放射状のスリットを、各スリットの前記中心側の端部がスリット同士で又はスリットを延長した空間を介して繋がるように形成するスリット形成工程と、前記取付面部に相当する部分を、板厚方向に押し出すことによって前記スリットを開くと共に前記取付面部と前記摺動面部が平行になるようにプレス成形して前記接合部及び前記取付面部を形成するプレス成形工程とを備えたことを特徴とするものである。
接合部7は、摺動面部5からほぼ垂直に立ち上がっており、摺動面部5と取付面部3は、接合部7によって板厚方向にオフセットされて平行になっている。
自動車用ブレーキディスクローター1の製造方法は、ブランク材となる金属板を準備する金属板準備工程と、スリット形成工程と、プレス成形工程とを備えている。以下、各工程を詳細に説明する。
金属板準備工程は、例えばステンレス鋼の板材を打ち抜いて円盤状の金属板13を準備する工程である(図2(a)参照)。
金属板13の外径寸法は、製品形状と同一寸法にすることが好ましい。後述するように、本実施の形態の製造方法によれば、プレス成形工程において、摺動面部5に相当する部位をダイとブランクホルダで挟持してプレス成形中にほとんど移動しないようにするので、プレス成形工程で外径寸法の変化がほぼないためである。
もっとも、金属板13の外径を製品形状よりも大径にしておいて、プレス成形後に製品形状と同じになるように切削等の加工をしてもよい。
スリット形成工程は、図2(b)、図3に示すように、中心から接合部7と摺動面部5との境界に相当する部位(図3の点線参照)に至るように径方向に延びる3本以上の放射状のスリット11を、各スリット11の中心側の端部がスリット11同士で繋がるように形成する。
プレス成形工程は、取付面部3に相当する部分を、板厚方向に押し出してスリット11を開くことにより(図2(c)、(d)参照)、取付面部3と摺動面部5がオフセットした状態で平行になるようにプレス成形して接合部7及び取付面部3を形成する工程である。
プレス成形工程では、ダイ21とブランクホルダ25で摺動面部5に相当する部位を強固に挟持すると共に、パッド23とパンチ19で取付面部3と接合部7に相当する部位を緩やかに挟んだ状態でパンチ19を移動させる。このとき、摺動面部5は移動しないように固定しているので、パンチ19の移動に伴って、スリット11が開くと共に、スリット11によって分離された部位が外方向(摺動面部5の方向)に移動する。
プレス成形工程の完了によって、図2に示すように、取付面部3と摺動面部5との板厚方向の距離が所定の距離にオフセットされるが、この距離は20mm以上にすることも可能である。
また、本実施の形態の製造方法によれば、接合部7の高さが高い(取付面部3と摺動面部5のオフセット量が大きい)場合であっても、1ストロークでのプレス成形が可能となり、製造コストの増大を招くこともない。
もっとも、円弧状に切除するタイミングは、スリット形成工程の前後において、図7に示すように、円形穴26を形成するようにしてもよい。
3 取付面部
5 摺動面部
7 接合部
9 開口部
11 スリット
13 金属板
15 小孔
17 金型
19 パンチ
21 ダイ
23 パッド
25 ブランクホルダ
26 円形穴
27 自動車用ブレーキディスクローター(従来例)
29 取付面部(従来例)
31 摺動面部(従来例)
33 接合部(従来例)
Claims (6)
- 1枚の金属板からなり、ホイールに固定する取付面部と、該取付面部よりも外周部に設けられパッドで挟圧される摺動面部と、該摺動面部から立ち上がって前記摺動面部と前記取付面部を繋ぐ接合部とを備えて構成される自動車用ブレーキディスクローターであって、
前記取付面部の中央に形成された開口部と、一端側が前記開口部に連通して他端側が前記接合部と前記摺動面部との境界に至る板厚方向に貫通して形成された少なくとも3本の放射状のスリットとを備えてなることを特徴とする自動車用ブレーキディスクローター。 - 前記接合部に形成された部位は、スリット幅が取付面部から前記摺動面部側に向かって徐々に幅狭になっていることを特徴とする請求項1記載の自動車用ブレーキディスクローター。
- 前記スリットにおける前記接合部と前記摺動面部との境界側の端部に、アール形状が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ブレーキディスクローター。
- 1枚の金属板からなり、ホイールに固定する取付面部と、該取付面部よりも外周部に設けられパッドで挟圧される摺動面部と、該摺動面部から立ち上がって前記摺動面部と前記取付面部を繋ぐ接合部とを備えて構成される自動車用ブレーキディスクローターの製造方法であって、
ブランク材となる金属板を準備する金属板準備工程と、
前記金属板における前記接合部に相当する部位となる円内に、中心から前記接合部と前記摺動面部との境界に相当する部位に至るように径方向に延びる少なくとも3本の放射状のスリットを、各スリットの前記中心側の端部がスリット同士で又はスリットを延長した空間を介して繋がるように形成するスリット形成工程と、
前記取付面部に相当する部分を、板厚方向に押し出すことによって前記スリットを開くと共に前記取付面部と前記摺動面部が平行になるようにプレス成形して前記接合部及び前記取付面部を形成するプレス成形工程とを備えたことを特徴とする自動車用ブレーキディスクローターの製造方法。 - 前記取付面部の中央に相当する部位に開口部を形成する開口部形成工程を有し、該開口部形成工程を、前記金属板準備工程の後で前記スリット形成工程の前、又はスリット形成工程の後で前記プレス成形工程の前、又は前記プレス成形工程の後に行うことを特徴とする請求項4に記載の自動車用ブレーキディスクローターの製造方法。
- 前記スリットにおける前記接合部と前記摺動面部との境界に相当する部位側の端部に、円形の貫通孔を形成する貫通孔形成工程を、前記スリット形成工程の直前又は直後に行うようにしたことを特徴とする請求項4又は5に記載の自動車用ブレーキディスクローターの製造方法。
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