JP6435575B2 - めっき線材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の基板端子や接続端子に用いられる金属角線コネクタ端子に加工されるめっき線材の製造方法に関する。
従来、電気部品を相互に接続するために金属端子が用いられている。例えば、金属端子を樹脂台座に固定して電気部品としてのプリント基板に半田付けすることで基板用コネクタを構成し、外部電線の末端に設けられた他方の電気部品としてのコネクタとプリント基板を相互に接続したり、基板間接続端子として、電気部品としての一対のプリント基板を相互に接続するため等に用いられている。
このような金属端子は、従来、導電性金属板の上に金属がめっきされたものをプレス打ち抜き加工して形成されたり、金属線材に金属めっきが施されためっき線材を所定の長さで切り出して成形されたりしている。このような金属端子は、例えば、特開2004−303680号公報(特許文献1)に開示されている。
近年、自動車の電装化が進行し、電気機器の回路数が増加するため、端子の多極化が進んでおり、端子の数に比例して組立て時の挿入力が上昇し、作業負荷の増加の抑制や接続を安定的に確保することが課題になっている。
従来、挿抜可能な接続端子の材料として、導体素材の最外層に金属めっきや金属との合金層を生成させたり、合金層の露出度を規定したりすることによって、摩擦係数の低減を図ることが行われている(例えば、特開2003−147579号公報(特許文献2)参照)。
また、例えば、特開2006−183068号公報(特許文献3)においては、素材の表面に凹凸を形成して接触面積を少なくするとともに、凸部においてCu−Sn合金被覆層を露出させることによって、挿入力を低くする方法も提案されている。
さらに、特開2002−212582号公報(特許文献4)においては、水溶性金属表面潤滑剤をコネクタなどの電子部品の表面に塗布することにより、摩擦係数を低くして接触抵抗値を低くする方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−303680号公報 特開2003−147579号公報 特開2006−183068号公報 特開2002−212582号公報
導体素材の最外層の金属との合金層の割合や合金層の露出度を規定することは、接触抵抗が増大する、ハンダ濡れ性が低下するといった問題がある。また、素材の表面凹凸の形成や水溶性金属表面潤滑剤の塗布は全体としての工数や管理の大幅な増加につながる。更に、導体素材の最外層の金属めっきのめっき厚にばらつきが生じた場合には、その最外層による効果が薄まることとなっていた。
導電性金属板の上に金属めっきされたものをプレス打ち抜き加工して形成された金属端子は、打ち抜き加工面側にめっき面が無いため、半田付け性が悪いことや腐食するなど問題がある。
また金属線材にめっきが施されためっき線材を所定の長さで切り出して成形された金属端子は、辺部のめっき厚が薄く、角部のめっき厚が厚くなるという問題がある。
さらに、内部応力を除去してウィスカーの発生の抑制や合金層を生成するために、電気めっきの直後にリフロー処理が行われているが、このようなリフロー処理を行うと辺中央部のめっき厚が厚く、角部のめっき厚が薄くなる。いずれも辺部、角部のめっき厚がばらつくことで半田付け性が悪いことやコネクタやプリント基板に接続性が安定しない問題がある。
本発明は、相手方への挿入性に優れ、かつ接続を安定的に確保することが出来る構造の金属角線コネクタ端子用のめっき線材及びその製造方法を提供することを目的とする。更には前記めっき線材を用いることで品質が大幅に向上した金属角線コネクタ端子を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、相手方との接続を安定的に確保することが出来る構造の金属角線コネクタ端子に加工されるめっき線材の製造方法を見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりのものである。
(1)断面が長方形を形成する線材の導電性金属材料を母材とし、少なくとも前記母材上に金属めっきを施す工程と、
前記金属めっき後の線材を全長に亘って連続的に熱処理を施す工程と、
前記熱処理後に前記線材を伸線する工程と、
を有し、
前記線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布を、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下とする、めっき線材の製造方法。
本発明のめっき線材を用いることで、相手方への挿入性に優れ、かつ接続を安定に確保することが可能な金属角線コネクタ端子を製造することが可能となる。また、本発明の金属角線コネクタ端子は高品質であり、相手方との接続を安定的に確保できる。このため、例えば、金属角線コネクタ端子を樹脂台座に固定して電気部品としてのプリント基板に半田付けすることで基板用コネクタを構成して用いた場合には、半田付け性の向上や電気的接続の安定性を確保することが出来る。
本発明のめっき線材の一例の概略を表す断面斜視図である。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るめっき線材は、導電性金属材料を含む母材に金属めっきが施されためっき線材であって、前記めっき線材は断面が長方形の平角線であり、前記めっき線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布は、角部のめっき厚(a)と、中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下である。
(2)また、本発明の実施形態に係るめっき線材は、前記めっき線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と、前記めっき線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)が0.8以上、1.9以下であることが好ましい。
上記(1)に記載のめっき線材により、相手方への挿入性に優れ、かつ接続を安定的に確保することが可能な金属角線コネクタ端子を作製することが可能となる。また、上記(2)に記載のめっき線材により、挿入性、接続の安定性により優れた金属角線コネクタ端子を作製することが可能となる。
(3)本発明の実施形態に係るめっき線材は、前記金属めっきの最表面が錫(Sn)を主成分とする金属のめっきであることが好ましい。
上記(3)に記載のめっき線材により、耐食性に優れた金属角線コネクタ端子を作製することが可能となる。
(4)本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法は、断面が長方形を形成する線材の導電性金属材料を母材とし、少なくとも前記母材上に金属めっきを施す工程と、前記金属めっき後の線材を全長に亘って連続的に熱処理を施す工程と、前記熱処理後に前記線材を伸線する工程と、を有し、前記線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布を、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下とするめっき線材の製造方法、である。
(5)また、本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法は、前記線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と、前記線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)を0.8以上、1.9以下とすることが好ましい。
(6)また、本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法は、伸線する前の前記線材の断面の短辺側の全長(A)と、伸線した後の前記線材の断面の短辺側の全長(B)との比率(B/A)が、0.93以上、0.98以下とすることが好ましい。
上記(4)に記載のめっき線材の製造方法により、相手方への挿入性に優れ、かつ接続を安定的に確保することが可能な金属角線コネクタ端子を作製することが可能なめっき線材を製造することができる。また、上記(5)及び(6)に記載のめっき線材の製造方法により、挿入性、接続の安定性により優れた金属角線コネクタ端子を作製することが可能なめっき線材を製造することができる。
(7)上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載のめっき線材を加工して得られた金属角線コネクタ端子。
上記(7)に記載の金属角線コネクタ端子は、相手方への挿入性、接続の安定性に優れた金属角線コネクタ端子である。
本発明の実施形態に係るめっき線材は、ダイス又は圧延ローラー等で成型加工された導電性金属に金属めっきを施し、熱処理後にダイス加工することにより良好に製造することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明について実施形態を用いて具体的に説明する。
本発明の実施形態に係るめっき線材等の具体例を以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<めっき線材>
本発明の実施形態に係るめっき線材は、図1に示すように、導電性金属材料を含む母材1に金属めっき2が施されためっき線材であり、前記めっき線材は断面が長方形の平角線である。図1は本発明の実施形態に係るめっき線材の断面の概略を表す斜視図である。
前記めっき線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布は、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下である。この比率(a/b)が0.9未満であると、半田付けをする場合に角部で半田の濡れムラが生じるようになり好ましくない。また、前記比率(a/b)が1.4超であると、金属角線コネクタ端子に加工した場合に、挿入性が悪くなるため好ましくない。前記比率(a/b)は0.9以上、1.0以下であることがより好ましい。
なお、前記めっき線材の断面の長辺側の辺内において、角部とは、前記長辺において端部から1/3までの範囲をいうものとする。そして前記角部のめっき厚(a)とは、前記角部の平均めっき厚をいうものとする。
また、前記めっき線材の断面の長辺側の辺内において、中央部とは、前記長辺を3等分した場合のその中央部分の範囲をいうものとする。そして前記中央部のめっき厚(b)とは、前記中央部の平均めっき厚をいうものとする。
本発明の実施形態に係るめっき線材は、前記めっき線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と、前記めっき線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)が0.8以上、1.9以下であることが好ましい。この比率(c/b)を0.9以上とすることで、半田付けをする場合に角部で半田の濡れムラが発生しないようにすることができる。また、前記比率(c/b)が1.9以下であることにより、金属角線コネクタ端子に加工した場合に、挿入性が悪くなることを抑制することが可能となる。特に、前記めっき線材の断面の短辺側の表面のめっきを良好なものとすることが出来る。
なお、前記めっき線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)とは、前記断面の短辺側の辺を3等分した場合のその中央部分の範囲をいうものとする。そして前記断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)とは、前記短辺側の中央部の平均めっき厚をいうものとする。
<めっき線材の製造方法>
本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法は、断面が長方形を形成する線材の導電性金属材料を母材とし、その母材の表面に金属めっきを施す。そして、金属めっき後に全長にわたって連続的に熱処理を施す。なお、以下においてこの熱処理はリフロー処理ともいう。続いて、ダイス加工等により前記線材を伸線する。
そして、上記の金属めっき処理と伸線加工とを調整することで、前記線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布が、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下となるようにする。前述の様に、前記比率(a/b)は0.9以上、1.0以下とすることがより好ましい。
また、本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法においては、金属めっき処理と伸線加工とを調整することで、前記線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と、前記線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)を0.8以上、1.9以下となるようにすることが好ましい。
更に、本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法においては、伸線する前の前記線材の断面の短辺側の全長(A)と、伸線した後の前記線材の断面の短辺側の全長(B)との比率(B/A)が、0.93以上、0.98以下となるようにすることが好ましい。前記比率(B/A)が0.93以上とすることで、伸線後のめっき線材の最表面のめっき膜のめくれが発生しないようにすることができる。また、前記比率(B/A)が0.98以下とすることで、めっき線材の最表面のめっき膜に曇りが発生しないようにすることができる。前記比率(B/A)は0.94以上、0.97以下とすることがより好ましい。
前記比率(B/A)を0.93以上、0.98以下となるようにするためには、前記熱処理工程後にめっき線材を伸線する工程において、その条件を適宜調整すればよい。
前記伸線する前の線材の断面の短辺側の全長(A)とは、伸線する前の線材において、前記母材の断面の短辺側の辺長とその両端部のめっき厚の合計をいうものとする(図1参照)。また、前記伸線した後の線材の断面の短辺側の全長(B)とは、伸線した後の線材において、前記母材の断面の短辺側の辺長とその両端部のめっき厚の合計をいうものとする(図1参照)。
(導電性金属材料)
母材として用いる導電性金属材料は、予め所望の平角線状に成型加工された導電性金属材料を用いることができる。成型加工はダイスや圧延ローラー等を用いて行うことができる。導電性金属としては銅やタフピッチ銅又は黄銅などの銅合金、あるいはFe又はFe合金などが用いられるが必要に応じてこれらを組み合わせて用いることもできる。また、素材としては特に限定されるものではないが、導電性が良いものが好ましい。また、コネクタ端子に加工する場合の取扱い上、機械加工性のある素材であることが好ましい。これらの中でも、導電性、加工性が良い観点から、タフピッチ銅、銅合金、特に黄銅が好ましい。導電性、強度、結晶組織は限定的でなく、用途に応じて適宜に設定することができる。
(金属めっき)
金属めっきとしては銅、ニッケル、錫、銀、又は金などのめっきを用いることができ、必要に応じてこれらを組み合わせて用いることもできる。
接続端子の材料として、接触抵抗が小さく、接触信頼性、耐久性、半田付け性、経済性の観点から銅や銅合金などの導体素材の最外層に錫(Sn)めっきを施すことが好ましい。すなわち、銅やニッケル等の下地めっきに、錫、あるいは錫を主成分とする合金が積層めっきされて形成されたものを使用することが好ましい。めっき層は金属線材の全周に亘って被着されている。
金属めっきは無電解めっき法により形成する方法と、電解めっき法(電気めっき法)により形成する方法とどちらを採用しても構わないが、電気めっき法により金属めっき層を形成する方法を採用することが好ましい。電気めっき処理は、常法に従って行えばよい。
合計のめっき量は限定的でなく、通常1μm以上、5μm以下程度、好ましくは1μm以上、3μm以下とすればよい。めっき量の合計量を1μm以上とすることにより、相手方と接触した際に母材である導電性金属材料の表面が露出しないようにすることができる。また、めっき量の合計量を5μm以下とすることにより、コストの増加を抑制し、かつ、相手方に挿入した場合に金属めっき粉が発生しないようにすることができる。
めっき厚の比率(a/b及びc/b)を調整する方法としては、めっき対象となる母材に電気めっき処理をする際に、母材の各面に対して電気めっきのアノードと端子面との間に遮蔽板を挿入して各めっき厚の比率を調整する方法を採用することが好ましい。
(熱処理)
一般に、Snめっきは電気めっきによって行われており、Snめっき材の内部応力を除去してウィスカーの発生を抑制するために、電気めっきの直後にリフロー処理(Sn溶融処理)が行われている。本発明の実施形態に係るめっき線材の製造方法においても金属めっき後の熱処理としてこのリフロー処理を行う。リフロー処理は金属層を形成後、大気雰囲気の下、250〜400℃で1〜10分程度加熱するなどにより行うことができる。
(スキンパス加工)
リフロー処理した場合には、表面張力に起因すると考えられる錫めっきの偏肉が発生する場合がある。本発明の実施形態に係る製造方法においては、この偏肉を抑えるため、前記リフロー処理後のめっき線材の伸線を行う。例えば、ダイスなどで成型加工する方法を採用することが好ましい。
<金属角線コネクタ端子>
本発明の実施形態に係る金属角線コネクタ端子は、前記本発明の実施形態に係るめっき線材を加工して得られるものであり、その形状や加工方法は、目的、用途に応じて適宜変更すればよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明の金属管等はこれらに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
[実施例1]及び[実施例2]
ダイスで成型加工された0.65mm×1.05mmのタフピッチ銅の平角線材を母材として用いた。この母材の表面に銅めっきによる下地めっきを施し、下地めっきに積層して錫めっきを施した。この場合、銅(Cu)めっきのめっき条件は硫酸銅浴(硫酸銅250g/L、硫酸40g/L、液温度25℃、電流密度5A/dm)にて1μmの銅めっきを実施した。錫(Sn)めっきは硫酸錫(硫酸錫80g/L、硫酸80g/L、添加剤10g/L、液温25℃、5A/dm)にて1.3μmの錫めっきを実施した。
その後、250℃で3分のリフロー処理を実施した後、ダイス加工を実施し0.64mm×1.5mmに伸線した。
上記の様にして得られるめっき線材の断面の長辺側の辺内において、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)は錫めっき後、すなわちリフロー及びダイス加工前の角部のめっき厚と中央部のめっき厚との比率と相関があることから、錫の電気めっき後のめっき面に対する遮蔽量を調整することで、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)を0.9としためっき線材1と、1.4としためっき線材2を作製した。
[比較例1]及び[比較例2]
比較例として、錫の電気めっき後のめっき面に対する遮蔽量を調整して角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.8、1.5となるようにした以外は実施例1、2と同様にして比較例1、2のめっき線材a及びめっき線材bを得た。
[実施例3]及び[実施例4]
ダイスで成型加工された0.67mm×1.53mmのタフピッチ銅の平角線材を母材として用いた。この母材の表面に1μmの銅めっきの下地めっきを施し、この下地めっきに積層して1.3μmの錫めっきを施した。この場合、銅めっきのめっき条件は硫酸銅浴(硫酸銅250g/L、硫酸40g/L、液温度25℃、電流密度5A/dm)にてめっきを実施した。錫めっきは硫酸錫(硫酸錫80g/L、硫酸80g/L、添加剤10g/L、液温25℃、5A/dm)にて2μmの錫めっきを実施した。
その後、リフロー処理を実施した後、ダイス加工を実施して伸線し、0.64mm×1.5mmに平坦加工した。
錫の電気めっき後のめっき面に対する遮蔽量を調整することで、めっき線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)を0.8としためっき線材3と、1.9としためっき線材4を作製した。
[実施例5]及び[実施例6]
錫の電気めっき後のめっき面に対する遮蔽量を調整して、めっき線材の短辺側中央部のめっき厚(c)と長辺側中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)が0.7、2.0となるようにした以外は実施例3、4と同様にして2種類のめっき線材を作製した。c/bが0.7のものを実施例5のめっき線材5とし、c/bが2.0のものを実施例6のめっき線材6とした。
[実施例7]及び[実施例8]
ダイスで成型加工された0.68mm×1.53mm、0.65mm×1.53mmのタフピッチ銅の平角線材を母材として用いた。この母材の表面に銅めっきの下地めっきを施し、下地めっきに積層して錫めっきを施した。この場合、銅めっきのめっき条件は、硫酸銅浴(硫酸銅250g/L、硫酸40g/L、液温度25℃、電流密度5A/dm)にてめっきを実施した。錫めっきは硫酸錫(硫酸錫80g/L、硫酸80g/L、添加剤10g/L、液温25℃、5A/dm)にて1.3μmの錫めっきを実施した。
その後、リフロー処理を実施した後、ダイス加工を実施し0.64mm×1.5mmに平坦加工を施した。
前記ダイス加工により伸線する工程においては、伸線する前のめっき線材の断面の短辺側の全長(A)、即ち、母材の断面の短辺側の辺長およびめっき厚の合計と、伸線した後の同全長(B)との比率(B/A)が、0.93となるようにしためっき線材7と、0.98となるようにしためっき線材8を得た。
めっき線材の断面の長辺側の辺内における、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)は、めっき線材7及びめっき線材8の両方とも1.1であった。
[比較例3]及び[比較例4]
比較例とし、ダイスで成型加工された0.69mm×1.53mm、0.64mm×1.53mmのタフピッチ銅に実施例5及び実施例6と同様にして銅めっきと錫めっきを施した。そして、ダイス加工により伸線する前の短辺側の全長(A)、即ち、母材の断面の短辺側の辺長およびめっき厚の合計と、伸線した後の同全長(B)との比率(B/A)が、0.93、0.98となるようにした以外は実施例7、8と同様にして比較例3、4のめっき線材を作製した。B/Aが0.93のものを比較例3のめっき線材cとし、0.98のものを比較例4のめっき線材dとした。
めっき線材の断面の長辺側の辺内における、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)は、めっき線材cは0.8であり、めっき線材dは1.5であった。
<評価方法>
<めっき厚み>
蛍光X線微小部膜厚計を用いて各めっき線材の表面めっき厚さの測定を行った。測定条件として、測定時間100秒、コリメータφ0.05mm、測定回数2回の条件でめっき厚さを測定した。
<半田付け試験>
下記の条件にて、プレッシャーカーク試験(PCT)後の半田付けの試験を行い、浸漬した面積の半田濡れの外観を確認した。
(半田付け条件)
半田:Sn−3.0Ag−0.5Cu(M705 千住金属) 浸漬深さ3mm
フラックス:CF−110VH−2A(タムラ化研製) 浸漬時間3秒
半田温度:245±3℃
(PCT条件)
前処理:温度105℃、湿度100%、気圧1.22×10Paの雰囲気中に8時間放置する。
半田:Sn−3.0Ag−0.5Cu(M705 千住金属) 浸漬深さ2mm
フラックス:NA200(タムラ化研製) 浸漬時間3秒
半田温度:245±3℃
<挿入性>
各めっき線材を用いて、金属角線コネクタ端子を作製した場合の挿入性の評価を実施した。具体的には、基板金属端子と同形状(0.64mm×1.5mm)が10個打ち抜かれたプラスチック基板に、各めっき線材を加工した金属端子を10個挿入し、挿入後の金属端子面の外観と基板板側での錫カスの発生数をカウントした。
なお、各めっき線材を加工して得た金属角線コネクタ端子において、断面の長辺側の辺の面を「b面」、断面の短辺側の辺の面を「c面」として評価した。
<ダイス加工後の外観確認>
各めっき線材のダイス加工後の錫表面の光沢及び錫めくれを目視及び顕微鏡状態にて確認した。
実施例1〜6及び比較例1、2の結果を表1に示す。
Figure 0006435575
半田付け試験の結果が95%以上であれば、金属角線コネクタ端子として良好に実用可能である。めっき線材1〜6においてはPCT後においても98%以上という非常に優れた結果が得られ、金属角線コネクタ端子として優れることが示された。これに対し、めっき線材の断面の長辺側の角部と中央部とのめっき厚の比率(a/b)が0.8であるめっき線材aはPCT後における半田付け試験の結果が95%未満であり、半田付け性が悪いことが確認された。
また、挿入性は、端子接点となるb面の評価結果の方が重要であり、この点においても実施例1〜6のめっき線材1〜6はいずれもb面の評価において基板上に錫カスが発生せず、挿入性に優れていることが示された。更に、めっき線材の断面の短辺側の中央部と長辺側の中央部のめっき厚との比率(c/b)が0.8以上、1.9以下である実施例1〜4のめっき線材1〜4は、c面においても錫カスが発生せず、外観上も挿入性も優れていることが確認された。
実施例7、8及び比較例3、4の結果を表2に示す。
Figure 0006435575
比較例3のめっき線材cでは錫のめくれが発生し、比較例4のめっき線材dでは最表面のめっき膜に光沢ムラが発生した。これに対し、実施例7、8のめっき線材7、8はダイス加工後の光沢及び錫のめくれが無く良好なめっき線材を得ることができた。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明のめっき線材は、挿入性に優れ、かつ相手方との接続を安定的に確保することが出来る構造の金属角線コネクタ端子として好適に用いることができる。特に純錫層は軟質で変形しやすいため、リフロー後の錫表面層の角部のめっき厚(a)が薄くなる点では、リフロー処理後のダイス加工を行うことでより安定的な物理的および電気的接続を行うことが可能である。
1 母材
2 金属めっき
a めっき線材の断面の長辺側の角部のめっき厚
b めっき線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚
c めっき線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚
A 伸線前のめっき線材の断面の短辺側の母材の辺長とめっき厚の合計
B 伸線後のめっき線材の断面の短辺側の母材の辺長とめっき厚の合計

Claims (3)

  1. 断面が長方形を形成する線材の導電性金属材料を母材とし、少なくとも前記母材上に金属めっきを施す工程と、
    前記金属めっき後の線材を全長に亘って連続的に熱処理を施す工程と、
    前記熱処理後に前記線材を伸線する工程と、
    を有し、
    前記線材の断面の長辺側の辺内でのめっき厚の分布を、角部のめっき厚(a)と中央部のめっき厚(b)との比率(a/b)が0.9以上、1.4以下とするめっき線材の製造方法。
  2. 前記線材の断面の短辺側の中央部のめっき厚(c)と、前記線材の断面の長辺側の中央部のめっき厚(b)との比率(c/b)を0.8以上、1.9以下とする請求項1に記載のめっき線材の製造方法。
  3. 伸線する前の前記線材の断面の短辺側の全長(A)と、伸線した後の前記線材の断面の短辺側の全長(B)との比率(B/A)が、0.93以上、0.98以下とする請求項1又は請求項2に記載のめっき線材の製造方法。
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