JP6436773B2 - 光透過性充填材料、それを用いる表示装置の製造方法および表示装置 - Google Patents
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Description
このような液晶表示装置は、液晶分子の配列方式によって、TN方式、STN方式、VA方式、IPS方式、OCB方式など種々に分類されるが、いずれの配列方式の液晶表装置であっても液晶セルと一組の偏光板が用いられている。したがって、このような液晶表示装置では、観察者は液晶セル表面に配置された偏光板を透過した直線偏光性の光を観察している。
また、有機EL表示装置は、自発光表示装置であるが、反射率の高い金属電極で外光が反射してコントラストを低下させてしまう。この外光反射を防ぐために1/4波長板と偏光板を積層した円偏光板が使われている。したがって、有機EL表示装置でも、観察者は有機EL表示装置表面に配置された偏光板を透過した直線偏光性の光を観察している。
一方、偏光眼鏡は、車両運転中のダッシュボードのフロントガラスへの映り込みによる視認性低下の解消、前走行車両のリヤウィンドウでの太陽光の反射による眩しさの解消、釣り、マリンスポーツでの水面のギラツキ軽減などに有効である。このため、観察者が偏光眼鏡を使用して液晶表示装置、有機EL表示装置を観察する場面も少なくない。観察者が偏光眼鏡を使用して液晶表示装置、有機EL表示装置を観察した場合、偏光眼鏡の偏光吸収軸と液晶表示装置からの光の偏光軸が一致した場合に表示が暗くなり、著しく視認性が低下してしまう問題がある。
本発明の光透過性充填材料は、光学的に異方性を示さない、硬化性のマトリックス材料中に、光学的に異方性を有する粒子状物を含有することにより形成されている。硬化前の光透過性充填材料は、流動性を有する。
本発明において硬化性のマトリックス材料は、充填・硬化後においてマトリックスを形成する、光学的異方性を有さない、光透過性の材料であり、具体的には後述するマトリックスを形成する成分だけでなく、場合によってはマトリクス形成成分の硬化に必要な硬化剤を含有している。
本発明において光学的に異方性を有する粒子状物は、表示パネルにおける表示面と外部部材の表示パネル側の面との間隙などの所定空間に充填硬化後において、前記マトリックス中に分散固定化されることにより、表示画面から射出する表示光の偏光状態を、分散した光学的に異方性の領域で部分的に変化させ、偏光眼鏡を着用した場合でも、表示が暗くなることを防ぎ、表示装置の視認性を保つことに寄与するものである。
本発明において、光学的異方性を有する粒子状物としては、具体的にはマトリックス中に分散可能な液晶粒子または無機系光学異方性結晶粒子が挙げられ、液晶粒子は、低分子液晶または液晶ポリマーから形成されていることが好ましい。
光学的異方性の無機結晶粒子としては、光学的異方性を示すものであれば特に限定するものではなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ストロンチウム、炭酸コバルト、炭酸マンガン、酸化チタン(ルチル型)、石英ガラス(シリカ)、ホウケイ酸ガラス等の鉱物;セラミックス等の無機化合物の粒子が挙げられる。これらの粒子は1種類以上を用いることができる。かかる無機結晶粒子の粒子形状は、球状、棒状、針状のいずれでもよく、また、後述のマトリックス材料中に分散させるために表面処理を施してもよい。
低分子液晶としては、シッフ塩基系、ビフェニル系、ターフェニル系、エステル系、チオエステル系、スチルベン系、トラン系、アゾキシ系、アゾ系、フェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、トリメシン酸系、トリフェニレン系、トルクセン系、フタロシアニン系、ポルフィリン系分子骨格を有する低分子液晶化合物、またはこれら化合物の混合物等が挙げられる。
無機系光学異方性結晶、低分子液晶または液晶ポリマーが、偏光解消機能を有するためには、液滴、固体粉末の光学的異方性や透過性充填材の厚みにもよるが、マトリックス100重量部に対して、0.1重量部から30重量部の範囲内で存在することが望ましく、さらには、1重量部から15重量部の範囲内で存在することが好ましく、さらには、1重量部から10重量部の範囲内で存在することが好ましい。
本発明において、光学的に異方性を有する粒子状物を含有させるマトリックス材料は、光透過性があり、光学的異方性がないことが好ましい。さらに、かかるマトリックス材料は、光学的異方性のある粒子状物を分散状態に保持しつつ、表示装置の表示部前面と外側部後面との間の間隙に充填可能な流動性を有することが好ましい。さらに、かかるマトリックス材料は、充填後に硬化して、流動性が低下・消失して、光学的に異方性のある粒子状物の分散状態を固定するものであるものが望ましい。かかるマトリックス材料としては、例えば硬化性粘着剤(接着剤を含む)が挙げられる。
本発明においては、これらの粘着剤は充填後において硬化することのできる硬化性の粘着剤であることが必要である。また、必要に応じて粘着剤は硬化開始剤を含む粘着剤組成物として用いてもよい。このために粘着剤組成物中には、モノマー成分やオリゴマー成分およびこれらの成分を硬化させる開始剤を含有させておくことが好ましい。
このような硬化性の粘着剤としては、紫外線硬化型、電子線硬化型、加熱により硬化する加熱硬化型、水分の存在により硬化する水分硬化型のものなどが挙げられる。このような硬化性の粘着剤には、上記のような開始剤が含まれるが、保存期間中に重合が始まらないように、粘着剤を構成するポリマーおよびモノマーと開始剤とを分離した2液型で構成される場合がある。紫外線硬化性粘着剤には、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフエノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどの光開始剤が配合されている。なお、本発明においては、上記の紫外線硬化型だけでなく、電子線硬化型の粘着剤を用いることもできる。
加熱型硬化性粘着剤には、過酸化t−ブチルベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ過酸化ベンゾイルヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイドなどの加熱により重合効果を開始する開始剤が配合されており、水分硬化型粘着剤は、粘着剤を構成する成分が加熱によって吸水剤から放出される水と反応して硬化するもので、公知の水分硬化型粘着剤を用いることができる。
上記の紫外線硬化型、電子線硬化型、加熱硬化型、水分硬化型の粘着剤は、それぞれ一つの型に限定されることなく、二つの型を併せ持っていてもよい。
本発明においては、上記のマトリックス材料(好ましくは、硬化性粘着剤)に光学的異方性を有する無機結晶、低分子液晶または液晶ポリマーの液状物や固体粉末が加えられ、攪拌されて、光学的異方性を有する粒子状物を含有する光透過性充填材料が得られる。また、上記の硬化性粘着剤の一部に光学的異方性を有する無機結晶、低分子液晶または液晶ポリマーの液状物や固体粉末を加えてマスターバッチを作製し、その後残りの硬化性粘着剤を加えて混合してもよい。
本発明の光透過性充填材料が適用される表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置などの偏光板を備えた表示装置である。前述のように、観察者が偏光眼鏡を使用して液晶表示装置、有機EL表示装置を観察した場合、偏光眼鏡の偏光吸収軸と表示装置からの光の偏光軸が一致した場合に表示が暗くなり、著しく視認性が低下してしまう問題がある。
また、例えば、表示装置の偏光板を備える表示パネル(例えば、LCDパネルまたはOLEDパネル)の表示面と保護ガラスの表示パネル側の面との間、LCDパネルの表示面とタッチパネルのLCDパネル側の面との間、LCDパネルの表示面と意匠ガラスのLCDパネル側の面との間には空気層があり(本発明においては、保護ガラス、タッチパネル、意匠ガラスを総称して外部部材と称することがある)、これらの面と空気層との界面における反射の問題がある。
本発明においては、上記の光透過性充填材料を表示パネルの表示面と外部部材の表示パネル側の面との間の間隙に充填・硬化することにより、空気を完全に排除して反射の問題を解消するとともに、光透過性充填材料が光異方性の粒子状物を含有していることにより、視認性の低下も解消している。
本発明の光透過性充填材料は、マトリックス材料を構成するポリマー成分が前駆体であるので、流動性があり、上記の間隙に充填を行うことができる。充填方法としては、表示装置の表面部に空隙をもって表面保護ガラス、タッチパネル、意匠ガラスを予め配置し、この空隙に前記充填材料を注入する方法、表示装置の表示部前面および外側部の後面の少なくとも一方の面に、前記光透過性充填材料を予め塗布した後、表示部の前面と外側部の後面を対面させ、対面された表示部の前面と外側部の後面間の空隙を所定の位置とすることにより、前記充填材料を押し拡げて前記空隙に充填する方法などが挙げられる。但し、これらの方法に限定されるものではない。充填後の光透過性充填材料は、紫外線硬化型、電子線硬化型、加熱硬化型、または水分硬化型、またはこれらのタイプが組み合わされたタイプに応じて、紫外線、電子線などの電磁波を照射するか、加熱、水分付与、またはそれらの組み合わせによって硬化され、流動性を低下あるいは消失することにより、光学的異方性を有する粒子状物を固定化して、視認性を低下を防ぐとともに、間隙の空気を排除して反射を抑制することができる。
また、偏光解消機能を有するためには、粒子状物の平均粒子径としては、表示装置の画素の大きさなどにもよるが、視認性の面から0.5μmから100μmの範囲にあることが好ましく、さらには、1μmから50μmの範囲内にあることがより好ましい。
液晶材料(メルク社製、商品名:ZLI−4792)を紫外線硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に10wt%を混合し攪拌して光透過性充填材料を作製した。この充填材料を、80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、高圧水銀灯を光源とする紫外線照射装置の光を100秒間照射した。なお、液晶材料の波長550nmにおける複屈折率Δnは、約0.01以上が好ましく、約0.05以上がより好ましく、約0.1以上がさらに好ましい。また、本願発明において、複屈折率Δnの上限は特に限定されないが、例えば、存在する液晶材料のうち波長550nmにおける複屈折率Δnが最大となる液晶材料の複屈折率Δn値が上限となる。この場合、波長550nmにおける複屈折率Δnの上限値は約0.2である。
光透過性充填材料は、照射により硬化し、流動性が消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着し空気界面は生じていなかった。偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコルの観察において液晶材料の液晶液滴が光透過性充填材料の全域に分散し、光学的に異方性を有するポリマー粒子(平均粒子径約1〜5μm)を形成していることが確認された。また、液晶表示装置の前面に試験サンプルを配置して、液晶表示装置の偏光板からの画像を観察したところ、偏光板の透過軸を回転しても表示画面が暗化することがなく、画像を認識できた。
液晶材料(メルク社製、商品名:ZLI−4792)を2液硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に10wt%で混合し攪拌して光透過性充填材料を作製した。この光透過性充填材料を、80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、50℃の恒温槽中に8時間放置した。なお、液晶材料の複屈折率Δnの好ましい範囲は上述したとおりである。
このようにして光透過性充填材料は流動性を消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着し空気界面は生じていなかった。また、液晶表示装置の前面に配置し、偏光板を介して観察したところ、偏光板の透過軸を回転しても表示画面が暗化することがなく、画像を認識できた。
光学的異方性を有する充填剤として4,4´−ビフェノールの微結晶粒子(平均粒子径約1〜5μm)を用いた。この微結晶粒子を紫外線硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に10wt%を混合し攪拌して光透過性充填材料を作製した。この充填材料を、80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、高圧水銀灯を光源とする紫外線照射装置の光を100秒間照射した。
このようにして光透過性充填材料は流動性を消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着し空気界面は生じていなかった。また、液晶表示装置の前面に配置し、偏光板を介して観察したところ、偏光板の透過軸を回転しても表示画面が暗化することがなく、画像を認識できた。
光学的異方性を有する充填剤として4,4´−ビフェノールの微結晶粒子を用いた。この微結晶粒子を2液硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に10wt%を混合し攪拌して光透過性充填材料を作製した。この充填材料を、80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、50℃の恒温槽中に8時間放置した。
加熱により充填材料は流動性を消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着して硬化したので、空気界面は生じていなく、このため空気界面による反射は抑制された。また、液晶表示装置の前面に配置し、偏光板を介して観察したところ、偏光板の透過軸を回転しても表示画面が暗化することがなく、画像を認識できた。
実施例1で用いた紫外線硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に光学的に異方性を有する粒子状物を加えることなく、該粘着剤を80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、高圧水銀灯を光源とする紫外線照射装置の光を100秒間照射した。
このようにして、紫外線硬化性粘着剤は流動性が消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着し空気界面は生じていなかったものの、液晶表示装置の前面に配置し、偏光板を介して観察したところ、偏光板の透過軸を回転すると、特定の軸角度で表示画面が暗化した。
実施例2で用いた2液硬化性粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)に、光学的異方性を有する粒子状物を加えることなく、該粘着剤を、80μmのスペーサーを用いて、対向させた2枚のガラスの空隙に充填後、50℃の恒温槽中に8時間放置した。
このようにして粘着剤は流動性が消失するとともに、対向する2枚のガラスに密着し空気界面は生じていなかったものの、液晶表示装置の前面に配置し、偏光板を介して観察したところ、偏光板の透過軸を回転すると、特定の軸角度で表示画面が暗化した。
12:外部部材
13:光透過性充填材料
14:光学的に異方性を有する粒状物
15:マトリックス材料
Claims (9)
- 光学的に異方性を示さない、硬化性のマトリックス材料中に、光学的に異方性を有する粒子状物を含有した、偏光解消機能を有する光透過性充填材料であって、
前記光透過性充填材料は流動性を有しており、
前記粒子状物は、液晶粒子であり、
予め配置された表示パネルの表示面と外部部材の表示パネル側の面との間隙に注入し、前記間隙に存在する空気を排除するために用いられる、光透過性充填材料。 - 前記粒子状物が、低分子液晶または液晶ポリマーである、請求項1に記載の光硬化性充填材料。
- 前記マトリックス材料中に、前記粒子状物が液滴状または固体状で分散している、請求項1または請求項2に記載の光透過性充填材料。
- 前記マトリックス材料が硬化性粘着剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光透過性充填材料。
- 前記硬化性粘着剤は、紫外線硬化型粘着剤、電子線硬化型粘着剤、加熱硬化型粘着剤、水分硬化型粘着剤および2液硬化型粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の光透過性充填材料。
- 前記液晶ポリマーが、非架橋性または架橋性ポリマーである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の光透過性充填材料。
- 表示パネルと、前記表示パネルの表示面側に配置された外部部材とを有する表示装置の製造方法であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過性充填材料を、前記表示パネルの表示面と前記外部部材の前記表示パネル側の面との間隙に注入して前記間隙に存在する空気を排除し、しかる後、前記マトリックス材料を硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記硬化は、光、熱または水の存在によって行われる、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
- 表示パネルと、前記表示パネルの表示面側に配置された外部部材との空隙に充填材料を注入して充填する方法であって、前記充填材料が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過性充填材料である、充填方法。
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