JP6458687B2 - プレス金型の表面補修方法 - Google Patents

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本発明はプレス金型の表面補修方法に関するものである。
プレス金型の表面が損傷した場合の従来の補修方法を図3を参照して説明する。
従来の補修方法は、図3(a)で示すように、プレス金型Diの表面に形成された損傷部位Fに対し、図3(b)で示すように、不図示のグラインダーで損傷部位Fを荒削りして荒削り部位Gを形成する。
次に、図3(c)で示すように、形成された荒削り部位Gに対して肉盛溶接Wをおこない、最後に図3(d)で示すように、不図示のグラインダーにて表面仕上げする。
図3で示す従来の補修方法では、図3(d)のIV部を拡大した図4で示すように、プレス金型Diと肉盛溶接W双方の硬度の相違等により、双方の界面の補修表面に凹部Cが生じ易いことが本発明者等によって特定されている。
ここで、特許文献1には、アルミ金型の補修用穴に、溶体化処理あるいは過時効によって軟化した熱処理型アルミ合金からなる補修充填部材を挿入押圧して穴を埋め、その後、時効硬化処理、あるいは溶体化処理後時効硬化処理を行って補修充填部材を硬化させる、アルミ金型の補修方法が開示されている。
一方、特許文献2には、鋳造欠陥部上に固相状態の金属を重合して両者を圧着させ、この圧着部を適正温度に加熱して拡散接合させる鋳造欠陥部の補修方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、アルミニウムを重量百分率で10〜50%含有する亜鉛基合金からなる材料を275℃以上の温度で溶体化処理し、水焼入れを施した補修材を200〜270℃の温度に加熱して金型の補修箇所に圧着せしめた後に所望の形状に加工する、金型の補修方法が開示されている。
特開平7−237225号公報 特開昭52−139627号公報 特開平4−88156号公報
特許文献1に開示の補修方法によれば、金型加工ミスや設計変更があっても、容易に対処でき、補修部が成形品に転写されないとしている。また、特許文献2に開示の鋳造欠陥部の補修方法によれば、溶接割れや結晶粒の粗大化を阻止でき、補修部とその周辺部の機械的性質の低下を防止できるとしている。さらに、特許文献3に開示の金型の補修方法によれば、溶接欠陥やピンホール等のない金型の補修を容易におこなうことができるとしている。
しかしながら、これらの補修方法によっても、上記する課題、すなわち、プレス金型の補修表面のうち、プレス金型と充填部材の界面やその周辺の補修表面における凹部の発生を解消することは難しい。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、金型の補修表面のうち、金型と補修部材の界面やその周辺の補修表面において凹部が生じないプレス金型の表面補修方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるプレス金型の表面補修方法は、プレス金型の表面に形成された損傷部位を含む領域に孔開けをおこなって加工孔を形成する第1のステップ、前記加工孔に打込み部材を打ち込み、該打込み部材とその周囲のプレス金型の表面を表面仕上げする第2のステップからなるものである。
本発明によるプレス金型の表面補修方法は、プレス金型の表面に形成された損傷部位を含む領域に孔開けをおこなった後、加工孔に打込み部材を打ち込んで補修する点に特徴を有するものである。
加工孔に打込み部材を打ち込んだ後、打込み部材とその周囲のプレス金型の表面を表面仕上げすることにより、プレス金型と打込み部材の界面の補修表面において凹部が生じ難くなる。
ここで、「損傷部位を含む領域」とは、損傷部位とその周辺の領域を意味しており、ドリル等で加工孔を形成することで損傷部位は完全に加工孔に包含される。
加工孔に打込まれる打込み部材は、プレス金型と同素材のものが好ましい。加工部位(打込み部材が打込まれた部位)とその周辺で硬度に相違がないことから、表面仕上げ後の双方の界面において凹部が一層生じ難くなり、プレス金型の表面において強度分布が発生し難くなる。
ここで、ドリル等で形成される加工孔を縦断面で見た際に、加工孔がその途中で角度が変化する隅角部を有し、この加工孔に対して、打込み方向の先端に同様に隅角部を備えた打込み部材を打ち込むのが好ましい。
打込み部材の打込みに応じてその先端の隅角部が加工孔の隅角部に係止され、打込み部材がさらに打込まれることで打込み部材の隅角部が塑性変形しながら加工孔の隅角部の内部に埋め込まれていく。
このように、加工孔の隅角部の内部に打込み部材の一部が埋め込まれることでアンカー効果が期待でき、プレス金型に形成された加工孔に対する打込み部材の高い埋め込み強度(接続強度)が奏される。
加工孔への打込み部材の打込みにより、打込み部材の後方端はプレス金型の表面から多少突出した状態となる。そこで、打込み部材の突出部をグラインダー等で削りながら打込み部材の表面とその周辺のプレス金型の表面をたとえば平坦に表面仕上げすることにより、打込み部材とその周辺のプレス金型の界面の補修表面に凹部の無い状態で表面補修をおこなうことができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のプレス金型の表面補修方法によれば、プレス金型の表面に形成された損傷部位を含む領域に孔開けをおこなった後、加工孔に打込み部材を打ち込んで補修することにより、打込み部材とその周辺のプレス金型の界面の補修表面に凹部の無い状態で表面補修をおこなうことができる。
(a)〜(d)の順に、本発明のプレス金型の表面補修方法を説明したフロー図である。 (a)は図1(d)のIIa部の拡大図であり、(b)は図1(d)のIIb部の拡大図である。 (a)〜(d)の順に、従来のプレス金型の表面補修方法を説明したフロー図である。 図3(d)のIV部の拡大図である。
以下、図面を参照して本発明のプレス金型の表面補修方法の実施の形態を説明する。なお、図示するプレス金型は、多様な形態のプレス金型の一部を拡大して示したものである。
(プレス金型の表面補修方法の実施の形態)
図1(a)〜(d)の順に、本発明のプレス金型の表面補修方法を説明したフロー図である。
図1(a)で示すように、プレス金型Diの一部の表面に損傷部位Fが生じており、この損傷部位Fとその周辺の領域を含む表面の補修をおこなう。
まず、図1(b)で示すように、損傷部位Fを含む領域に対し、ドリルDoにてプレス金型Diの表面から所定深度まで加工孔Pを形成する(第1のステップ)。
ここで、ドリルDoはその途中から先端に向かって縮径して先端が鋭利な形状を呈しており、図示する縦断面で見た際に、ドリルDoの先端は三角形状を呈している。
このようなドリルDoを用いることで、形成される加工孔Pの先端もドリルDoの先端形状に相補的な形状を呈することになり、加工孔Pを縦断面で見た際に、その途中で角度が変化する隅角部P1を具備することになる。
損傷部位Fを含む領域に加工孔Pが形成されたら、図1(c)で示すように、加工孔Pと同程度の直径を有する打込み部材Aを加工孔Pに打込む(X方向)。
ここで、打込み部材Aはプレス金型Diと同素材の金属部材である。このように打込み部材Aとプレス金型Diが同素材から形成されていることで双方の硬度も同じになる。
打込み部材Aを加工孔Pに打込むことで表面仕上げ後の双方の界面において凹部が生じ難くなるが、打込み部材Aとプレス金型Diが同素材であることにより、双方の界面における凹部は一層生じ難くなる。さらに、プレス金型Diの表面において強度分布も発生し難くなる。
図1(c)で示すように、打込み部材Aを加工孔Pに打込んだ状態において、打込み部材Aの後方端はプレス金型Diの表面から多少突出した状態となる。
次に、図1(d)で示すように、打込み部材Aの突出部を不図示のグラインダー等で削りながら打込み部材Aの表面とその周辺のプレス金型Diの表面をたとえば平坦に表面仕上げする(以上、第2のステップ)。
図示する表面補修方法では、加工孔Pに打込み部材Aを打ち込む方法を適用することにより、打込み部材Aが打込まれた箇所とその周辺のプレス金型Diの界面の補修表面に凹部が生じ難くなる。さらに、既述するように、打込み部材Aがプレス金型Diと同素材の金属部材であることから、表面仕上げ後の界面やその周辺における凹部は一層生じ難くなる。
したがって、図示する表面補修方法により、図1(d)のIIa部を拡大した図2(a)で示すように、打込み部材Aの補修表面Sとその周辺のプレス金型Diの補修表面Sの界面には凹部の無い補修表面が形成される。
また、使用する打込み部材Aは、その先端の形状において、外周部が鋭利であり、中央に向かってすり鉢状に窪んでいる三次元形状を呈し、図1(c)、(d)で示す縦断面図においては打込み方向に逆三角形状を呈しており、左右に隅角部A1を有している。
このような形状の打込み部材Aを適用することにより、打込み部材Aの打込みに応じてその先端の隅角部A1が加工孔Pの隅角部P1に係止され、打込み部材Aがさらに打込まれることで打込み部材Aの隅角部A1が塑性変形しながら加工孔Pの隅角部P1の内部に埋め込まれていく。
すなわち、図1(d)のIIb部を拡大した図2(b)で示すように、打込み部材Aの隅角部A1が塑性変形して塑性変形部A1’が形成され、この塑性変形部A1’が加工孔Pの隅角部P1の内部に埋め込まれる。
塑性変形部A1’が加工孔Pの隅角部P1の内部に埋め込まれることでアンカー効果が期待でき、プレス金型Diに形成された加工孔Pに対する打込み部材Aの高い埋め込み強度が奏される。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
Di…プレス金型、F…損傷部位、P…加工孔、P1…隅角部、Do…ドリル、A…打込み部材、A1…隅角部、A1’…塑性変形部、S…補修表面

Claims (1)

  1. プレス金型の表面に形成された損傷部位を含む領域に、先端に向かって縮径するドリルで孔開けをおこなって加工孔を形成し、該ドリルの先端形状に相補的な形状を呈し該加工孔の途中で角度が変化する隅角部を該加工孔に形成する第1のステップ、
    前記加工孔にプレス金型と同素材からなり打ち込み方向の先端に外周部が鋭利で中央に向かって窪んでいる隅角部を備えた打込み部材を打ち込み、該打込み部材とその周囲のプレス金型の表面を表面仕上げする第2のステップからなる、プレス金型の表面補修方法。
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