JP6458917B1 - H形鋼の製造方法 - Google Patents

H形鋼の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6458917B1
JP6458917B1 JP2018545241A JP2018545241A JP6458917B1 JP 6458917 B1 JP6458917 B1 JP 6458917B1 JP 2018545241 A JP2018545241 A JP 2018545241A JP 2018545241 A JP2018545241 A JP 2018545241A JP 6458917 B1 JP6458917 B1 JP 6458917B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
rolled
edging
web
auxiliary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018545241A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018216742A1 (ja
Inventor
浩 山下
浩 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6458917B1 publication Critical patent/JP6458917B1/ja
Publication of JPWO2018216742A1 publication Critical patent/JPWO2018216742A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21B—ROLLING OF METAL
    • B21B1/00—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/088—H- or I-sections

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

被圧延材を所定形状に圧延造形するエッジング圧延工程と、被圧延材を回転させてウェブ部の圧延を行うと共に被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる、隆起部生成工程と、隆起部生成工程で1パス以上圧延した被圧延材を再度回転させてエッジング圧延工程の最終孔型に戻し入れて軽圧下圧延を行う補助的エッジング圧延工程と、隆起部生成工程において形成された隆起部を圧下し消去する隆起部消去工程と、を有し、隆起部生成工程を行う上下孔型ロールには、被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる窪み部が当該上下孔型ロールのロール胴長中央部に設けられ、当該上下孔型ロールのロール形状は、被圧延材のフランジ部先端が非接触であるように設計され、隆起部生成工程及び補助的エッジング圧延工程の2工程は連続的に1又は複数回行われ、隆起部消去工程は、隆起部生成工程及び補助的エッジング圧延工程が行われた後に実施される。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2017年5月24日に日本国に出願された特願2017−102423号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に関する。
H形鋼を製造する場合には、加熱炉から抽出されたスラブやブルーム等の素材を粗圧延機(BD)によって粗形材(所謂ドッグボーン形状の被圧延材)に造形し、中間ユニバーサル圧延機によって上記粗形材のウェブやフランジの厚さを圧下し、併せて前記中間ユニバーサル圧延機に近接したエッジャー圧延機によって被圧延材のフランジに対し幅圧下や端面の鍛錬と整形が施される。そして、仕上ユニバーサル圧延機によってH形鋼製品が造形される。
このようなH形鋼の製造方法において、矩形断面であるスラブ素材から所謂ドッグボーン形状の粗形材を造形する際には、粗圧延工程の第1の孔型においてスラブ端面に割り込みを入れた後、第2以降の孔型において当該割り込みを割広げる、又は、割り込み深さを深くさせ、それ以降の孔型にてスラブ端面の割り込みを消去する技術が知られている。
また、H形鋼の製造においては、スラブ等の素材の端面(スラブ端面)をエッジングするいわゆるエッジング圧延の後に、被圧延材を90°又は270°回転させ、ウェブ相当部の圧下を行う平造形圧延を行うことが知られている。この平造形圧延では、ウェブ相当部の圧下と共にフランジ相当部の圧下及び整形が行われる。
ところで、近年は、より大型のH形鋼製品が求められている。そのため従来より大型のスラブ素材からH形鋼製品を製造することが検討されている。ここで、一般的な平造形圧延では、大型の素材を被圧延材とした場合に、ウェブ高さ方向の伸びやフランジ相当部の変形等、種々の問題が生じることがあり、形状の修正が求められる場合があった。具体的には、ウェブ相当部の圧下に伴い、ウェブ相当部が長手方向に延伸し、当該延伸に引っ張られてフランジ相当部も長手方向に延伸し、フランジ相当部の厚みが薄くなってしまうといった現象が懸念されていた。
このような平造形圧延に関し、例えば特許文献1には、平造形孔型の中央部に溝部を形成し、圧延時にウェブ相当部の中央に未圧下部を設け、クロップ部の長さを減少させる技術が開示されている。この特許文献1には、ウェブ相当部の中央に凸部(本発明の隆起部に相当)が形成された状態でエッジング圧延を行う旨が記載されており、更なるクロップ部の減少や圧延の効率化が図られている。
また、例えば特許文献2には、形鋼の製造過程において粗形鋼片を有利に造形加工するための幅出し圧延方法が開示されている。具体的には、この特許文献2には、ウェブ相当部に対し局部圧延を行い、次いで、ウェブ相当部の中央の凸部を平坦化し幅出しする圧延を行い、その後、被圧延材を立ててエッジング圧延を行う圧延方法が開示されている。この方法によりフランジ幅、ウェブ厚さ、ウェブ高さを調整し、多数種の粗形鋼片を製造することができるとされている。
特開昭59−35802号公報 特開昭57−146405号公報
上述したように、近年、構造物等の大型化に伴い大型のH形鋼製品の製造が望まれている。特にH形鋼の強度・剛性に大きく寄与するフランジを従来に比べて広幅化した製品が望まれている。フランジが広幅化されたH形鋼製品を製造するためには、粗圧延工程における造形から従来に比べフランジ幅の大きな被圧延材を造形する必要がある。
H形鋼製品の製造では、従来、平造形圧延時にフランジ外側面位置における噛み出しを防止するために、平造形圧延後にエッジング孔型に被圧延材を戻し入れて軽圧下圧延を行うことが知られている。この軽圧下圧延は、いわば補助的な位置づけのエッジング圧延ということができる。本明細書ではこれを「補助的エッジング圧延工程(supplementary edging process)」あるいは単に「補助的エッジング圧延(supplementary edging rolling)」と呼称する。この補助的エッジング圧延では、平造形圧延によってウェブ厚み圧下やフランジ幅方向の圧下が行われた後に、エッジング孔型に戻し入れされるため、フランジ幅が短くなった被圧延材がエッジング孔型に充満せず、通材性の悪化や被圧延材形状の悪化が懸念される。このような補助的エッジング圧延時の通材性の悪化や被圧延材形状の悪化は、被圧延材が大型であり、特にウェブ高さの大きいH形鋼製品を製造する場合にはより顕著となる恐れがある。
上記特許文献1に開示の技術は、クロップ部の長さを減少させる技術であり、フランジ幅の大きな被圧延材を造形するといった技術思想は何ら開示されておらず、上記「補助的エッジング圧延」を行う旨や、その際に問題となる通材性の悪化や被圧延材形状の悪化については何ら言及されていない。また、上記特許文献2に開示された、ウェブ相当部の中央に凸部を形成し、次いで、ウェブ相当部の中央の凸部を平坦化し幅出しする圧延を行い、その後、被圧延材を立ててエッジング圧延を行うといった技術においては、ウェブ相当部の中央に凸部を形成するたびに、当該凸部を平坦化させるといった工程を採っており、被圧延材の孔型間移動回数の増加が懸念され、特に、上記「補助的エッジング圧延」を複数回行う場合には、孔型移動回数の増加が顕著となり、圧延効率が低下するといった問題がある。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、平造形圧延においてウェブに隆起部を形成した後にエッジング孔型に被圧延材を戻し入れて軽圧下圧延を行う、「補助的エッジング圧延」において、通材性の悪化や被圧延材形状の悪化を抑制させ、補助的エッジング圧延の安定化を図ることが可能なH形鋼の製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程は、被圧延材を所定のドッグボーン形状に圧延造形するエッジング圧延工程と、エッジング圧延工程完了後の被圧延材を90°あるいは270°回転させてウェブ部の圧延を行うと共に被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる、隆起部生成工程と、前記隆起部生成工程で1パス以上圧延した被圧延材を再度90°あるいは270°回転させて前記エッジング圧延工程の最終孔型に戻し入れて軽圧下圧延を行う補助的エッジング圧延工程と、前記隆起部生成工程において形成された隆起部を圧下し消去する隆起部消去工程と、を有し、前記隆起部生成工程を行う上下孔型ロールには、被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる窪み部が当該上下孔型ロールのロール胴長中央部に設けられ、当該上下孔型ロールのロール形状は、被圧延材のフランジ部先端が非接触であるように設計され、前記隆起部生成工程及び補助的エッジング圧延工程の2工程は連続的に1又は複数回行われ、前記隆起部消去工程は、前記隆起部生成工程及び前記補助的エッジング圧延工程が行われた後に実施されることを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。
前記補助的エッジング圧延工程では、前記エッジング圧延工程の最終孔型において被圧延材のフランジ部先端が当該孔型に充満するように軽圧下圧延を行っても良い。
前記補助的エッジング圧延工程では、当該補助的エッジング圧延工程の直前に前記隆起部生成工程を行う孔型に供給された被圧延材のウェブ高さよりも、被圧延材のウェブ高さが小さくなるように軽圧下圧延を行っても良い。
前記補助的エッジング圧延工程は、最終パスのエッジング高さを一定とした複数パス1組を1チャンスとした場合の1チャンス又は2チャンスによって実施されても良い。
前記隆起部生成工程において形成される隆起部の幅は被圧延材のウェブ部内法の25%以上50%以下に設定されても良い。
本発明によれば、平造形圧延においてウェブに隆起部を形成した後にエッジング孔型に被圧延材を戻し入れて軽圧下圧延を行う、「補助的エッジング圧延」において、通材性の悪化や被圧延材形状の悪化を抑制させ、補助的エッジング圧延の安定化を図ることが可能となる。
H形鋼の製造ラインについての概略説明図である。 第1平造形孔型の概略説明図である。 第2平造形孔型の概略説明図である。 H形鋼の製造における粗圧延工程のエッジング圧延工程の最終孔型の概略図である。 エッジング最終孔型と一般的な平造形孔型との間の補助的エッジング圧延に関する概略説明図である。 本実施の形態に係る補助的エッジング圧延の概略説明図である。 平造形圧延時に複数パス経過した際の、パスごとの被圧延材Aのフランジ幅の推移を示すグラフである。 第1平造形孔型、第2平造形孔型、及び、後段の3つの拡幅孔型を用いた計18パスでの圧延造形によってH形粗形材を造形した場合のフランジ幅の推移を示すグラフである。 図8のデータに基づき、逃がし率とH形粗形材造形後のフランジ幅増減との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(製造ラインの概略)
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、サイジングミル3、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブ11である矩形断面素材(後の被圧延材A)がサイジングミル3ならびに粗圧延機4において粗圧延される。次いで、中間ユニバーサル圧延機5において中間圧延される。この中間圧延時には、必要に応じてエッジャー圧延機9によって被圧延材のフランジ先端部(フランジ対応部12)に対して圧下が施される。通常の場合、サイジングミル3及び粗圧延機4のロールには、エッジング孔型及びウェブ部分を減厚し、フランジ部分の形状を成形するいわゆる平造形孔型が刻設されている。これらサイジングミル3及び粗圧延機4を経由して複数パスのリバース圧延でH形粗形材13が造形される。該H形粗形材13を前記中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスの圧下が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される。
ここで、加熱炉2から抽出されるスラブ11のスラブ厚は、例えば、290mm以上310mm以下の範囲内である。これは、大型のH形鋼製品を製造する際に用いられるいわゆる300厚スラブと呼ばれるスラブ素材の寸法である。
図1に示すサイジングミル3及び粗圧延機4では、まず前段工程として、エッジング圧延工程が行われる。エッジング圧延工程では、矩形断面の素材(スラブ11)を立てた状態で圧延造形を行い、所定の略ドッグボーン形状となるように造形する。
エッジング圧延工程に続いて、平造形圧延工程が後段工程として行われる。平造形圧延工程では、まずエッジング圧延工程を経た被圧延材Aは、90°あるいは270°回転させられる。この回転により、エッジング圧延工程では被圧延材A(スラブ11)の上下端に位置していたフランジ部が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。次に、2箇所のフランジ部同士を繋ぐ接続部であるウェブ部を圧下する。これらエッジング圧延工程及び平造形圧延工程により、図1に示すH形粗形材13が造形される。
一般的に、上記前段工程と後段工程を合わせて粗圧延工程と呼称される。本実施の形態に係るH形鋼の製造方法においては、粗圧延工程のうち、前段工程であるエッジング圧延工程は従来より知られた一般的な方法によって行われれば良い。そこで、本明細書では、エッジング圧延工程についての詳細な説明は省略する。以下では、図面を参照して後段工程である平造形圧延工程について詳細に説明する。
(孔型構成の概略)
図2及び図3は、平造形圧延工程に用いられる、第1平造形孔型KH1及び第2平造形孔型KH2の概略説明図である。第1平造形孔型KH1は、一対の水平ロールである上孔型ロール85と下孔型ロール86から構成される。図2に示すように、第1平造形孔型KH1では、エッジング圧延工程で圧延造形された被圧延材Aが90°あるいは270°回転させられ、上記前段工程までは被圧延材Aの上下端に位置していたフランジ部80が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。そして、第1平造形孔型KH1では、2か所のフランジ部80を繋ぐ接続部であるウェブ部82の圧下が行われる。
ここで、第1平造形孔型KH1の上下孔型ロール85、86は、そのロール胴長中央部において所定長さL1の窪み部85a、86aが形成された形状となっている。このような図2に示す孔型構成により、ウェブ部82の圧下は部分的に行われる。その結果、圧下後のウェブ部82には、ウェブ高さ方向両端の圧下部分82aと、その中央部に未圧下部分としての隆起部82bが形成される。このようにして、いわゆるドッグボーン形状の被圧延材においてウェブ部82に隆起部82bを形成する圧延造形が行われる。本明細書では、この第1平造形孔型KH1においてウェブ部82に隆起部82bを形成させる工程を「隆起部生成工程」とも記載する。
なお、この第1平造形孔型KH1では、ウェブ部82を部分的に圧下し、隆起部82bを形成されるような圧延造形が実施されることから、当該孔型は「ウェブ部分圧延孔型」とも呼称される。形成後の隆起部82bの幅長さは窪み部85a、86aの幅長さL1と同じ長さとなる。ここで、図2の拡大図に示すように、本明細書における窪み部85a、86aの幅長さL1は、当該窪み部85a、86aの深さhmの1/2の深さでの幅長さとして規定する。後述する逃がし量L1も同様の規定によるものとする。
図3は第2平造形孔型KH2の概略説明図である。第2平造形孔型KH2は、一対の水平ロールである上孔型ロール95と下孔型ロール96から構成される。第2平造形孔型KH2では、上記第1平造形孔型KH1において圧延造形された被圧延材Aに対し、ウェブ部82に形成された隆起部82bを消去し、且つ、ウェブ部82の内法を拡幅するような圧延造形が行われる。
この第2平造形孔型KH2においては、ウェブ部82に形成された隆起部82bに上下孔型ロール95、96を当接させて当該隆起部82bを圧下(消去)する圧延が行われる。隆起部82bの圧下に伴い、ウェブ高さ方向への拡がり及びフランジ部80へのメタルフローが促進される。このようなメタルフローにより、フランジ減面をなるべく生じさせずに圧延造形を実施することが可能となる。本明細書では、この第2平造形孔型KH2において隆起部82bを圧下(消去)する工程を「隆起部消去工程」とも記載する。また、この第2平造形孔型KH2は、ウェブ部82に形成された隆起部82bを消去することから、「隆起部消去孔型」とも呼称される。
第1平造形孔型KH1及び第2平造形孔型KH2における圧延造形に関し、その詳細な条件等(孔型の寸法形状等)については、本発明者らが得られた知見等に基づき、本実施の形態での説明においてより詳しく後述する。
これら第1平造形孔型KH1及び第2平造形孔型KH2を経て造形されたH形粗形材13に対し、中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスのリバース圧延が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される(図1参照)。
H形鋼の製造における粗圧延工程では、エッジング圧延工程と平造形圧延工程を行うに際し、前述したように、ウェブ部の減厚を行った後、それに連続して再度エッジング孔型に被圧延材Aを戻し入れ、平造形孔型での被圧延材フランジ部の外側面位置からの噛み出しを防止するために「補助的エッジング圧延」を行うことが知られている。この「補助的エッジング圧延」は、被圧延材の非定常部の形状整形や、噛み出し等の形状不良の抑制等を目的として従前より行われている技術である。
(従前の補助的エッジング圧延)
先ず、図4、図5を参照して従前の補助的エッジング圧延について簡単に説明する。図4はH形鋼の製造における粗圧延工程のエッジング圧延工程の最終孔型KE(以下、エッジング最終孔型KEとも記載)の概略図である。図4に示すように、エッジング最終孔型KEは、一対の水平ロールである上孔型ロール50と下孔型ロール51に刻設される。上孔型ロール50の周面(即ち、孔型上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部55が形成されている。更に、下孔型ロール51の周面(即ち、孔型底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部56が形成されている。これら突起部55、56はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部55と突起部56とでそれぞれ等しく構成されている。
図4に示すように、エッジング最終孔型KEでは、被圧延材Aを立てた状態でウェブ幅方向への圧下を行い、フランジの幅出しが行われる。具体的には、上記突起部55、56の形成された上下孔型ロール50、51により、フランジ部80の外面(被圧延材Aの上下端面)を圧下する。
従来のH形鋼製造技術では、図4に示すエッジング最終孔型KEを経た被圧延材Aが一般的な平造形孔型に導入され、ウェブ部の減厚が行われる。図5は、エッジング最終孔型KEと一般的な平造形孔型GHとの間の補助的エッジング圧延に関する概略説明図であり、(a)が補助的エッジング圧延実施前、(b)が補助的エッジング圧延実施時を表している。図5(a)に示すように、一般的な平造形孔型GHでは、被圧延材Aのウェブ部減厚と同時にフランジ部80の幅方向への圧下も行われる。そのため、図5(b)に示すように、フランジ部80の幅長さがかなり短くなる。その結果、幅長さが短いフランジ部80を備えた被圧延材Aが補助的エッジング圧延のためにエッジング最終孔型KEに戻されることになる。
図5(b)に示すように、幅長さが短いフランジ部80を備えた被圧延材Aがエッジング最終孔型KEに再導入されると、当該エッジング最終孔型KEにおいてフランジ部80が未充満の状態となる(図5(b)中の破線囲み部参照)。このような孔型内でのフランジ部80の未充満により、圧延時の左右センタリング性の不良やウェブ座屈、フランジ部80の左右肉量アンバランスといった寸法不良、形状不良といった現象が生じやすいことが問題となっていた。
(本実施の形態に係る補助的エッジング圧延)
これに対し、本実施の形態では、補助的エッジング圧延時に用いる平造形孔型を、図2に示す第1平造形孔型KH1である「ウェブ部分圧延孔型」とする。これに加えて、更に、当該ウェブ部分圧延孔型による圧延造形でのフランジ部80の幅引けが最小となるような適切な条件を規定する。これにより、エッジング最終孔型KEに被圧延材Aを再導入した際に、孔型未充満が生じない。図6は、本実施の形態に係る補助的エッジング圧延の概略説明図であり、(a)が補助的エッジング圧延実施前、(b)が補助的エッジング圧延実施時を表している。
図6に示すように、本実施の形態に係る第1平造形孔型KH1では、ウェブ減厚時に、隆起部82bが生成される。これにより、フランジ部80のプルダウンが生じにくく、フランジ幅の減少率が低くなる。そのため、図6(b)に示すように、フランジ部80の幅長さはほとんど小さくならない。フランジ幅の変化が小さいため、エッジング最終孔型KEに戻され、補助的エッジング圧延が行われた際の孔型の側壁部の拘束力も維持される。このため、左右センタリング性が良好であり、また、ウェブ座屈、フランジ部80の左右肉量アンバランスといった寸法不良、形状不良が抑制される。なお、この第1平造形孔型KH1の第1パス目では、圧延造形時にフランジ部80の先端が孔型に非接触となるような形状とし、補助的エッジング圧延前の平造形圧延(即ち、隆起部生成工程)においてちょうどフランジ先端部がロール孔型に接触するようなロール設計とすることが望ましい。このような条件で補助的エッジング圧延を実施することで、エッジング最終孔型KEに被圧延材Aを戻した際の孔型充満性が上がり、圧延安定性の向上が図られる。
補助的エッジング圧延時には、例えば約40mm以下のエッジング圧延が実施されることが好ましく、この場合、フランジ幅拡がり量は約24mm以下である。
ところで、平造形圧延時には、第1平造形孔型KH1である「ウェブ部分圧延孔型」の孔型幅長さW(図2参照)に対し、被圧延材Aのウェブ高さをできるだけ小さくとることで、フランジ部80の外側面と孔型ロール外壁との間の距離を大きくすることができる。これにより、平造形圧延時のウェブ圧下に伴うウェブ高さ方向への被圧延材Aの拡がりに対し、孔型ロール外壁によるすり下げ疵に対する余裕を持った圧延が実施できる。このような観点からは、補助的エッジング圧延時のエッジング量はできるだけ大きくとることが望ましい。
一方で、平造形圧延における圧延安定性の向上のためには、被圧延材Aの孔型拘束力を高めることが求められる。孔型拘束力に関し、平造形孔型の孔型ロール外壁と被圧延材Aとの距離を大きくとればとる程、且つ、ウェブ内法の拡幅量を大きくとればとる程、誘導性が低下し、圧延が不安定になる。このような通材性の観点からは、補助的エッジング圧延時のエッジング量はできるだけ小さくとることが望ましい。
上述した理由から、補助的エッジング圧延時のエッジング量の最適値は、疵の発生と圧延安定性とのバランスを考慮して定められるべきである。補助的エッジング圧延終了後に平造形圧延を行う場合に、平造形孔型の側壁(外壁)と被圧延材Aのウェブ高さとがほぼ一致するように設計することが望ましい。
ここで、ウェブ部82の圧延を板圧延と見立てる。通常の形鋼圧延機のロール径と大型H形鋼の被圧延材の寸法関係から、板幅比は3〜4程度、板厚比は4〜5程度である。更に板厚両端にフランジ部を有するために更に拡がり量が大きくなる。その結果、ウェブ圧下による被圧延材Aのウェブ高さ方向の広がり率は、ウェブ高さの4%以上である。即ち、大型H形鋼として例えばウェブ高さ寸法が1000mmであるような被圧延材Aを考えた場合、ウェブ高さの拡がり率は少なくとも40mmである。よって、平造形孔型の孔型ロール外壁に接触しない条件として、平圧延時のウェブ高さの拡がり量以上となる40mm以上のエッジング量を補助的エッジング圧延時に行うことで通材性等の観点について、平造形圧延のロール出側では孔型側壁に接触する状態となり、通材性を損なうことは無い。即ち、補助的エッジング圧延時のエッジング量は40mm以下とすることが好ましい。
また、エッジング圧延に伴うフランジ幅拡がりについては、スラブエッジングによる幅拡がり圧延特性が適用できる。つまり、いわゆるボックス孔型の中央部に突起部を有する孔型による従来のスラブエッジング法によるフランジ幅拡がり特性が適用される。この場合、少なくともおよそ圧下量の60%程度以下がフランジ幅拡がりとなることが知られていることから、40mm×0.6(60%)=24mmと算出される。
図7は、平造形圧延時に複数パス経過した際の、パスごとの被圧延材Aのフランジ幅の推移を示すグラフである。なお、図7の例は2000mm×300mm断面スラブを素材としてFEM計算を行った場合のデータである。図7では、従前の一般的な平造形孔型GHでの平造形圧延(以下、「従来法」と呼称する)と本実施の形態に係る第1平造形孔型KH1での平造形圧延(以下、「本発明方法」と呼称する)とが比較されている。
図7に示すように、本実施の形態に係る平造形圧延によるフランジ幅の減少率は、従来法によるフランジ幅の減少率よりも小さかった。例えば平造形圧延13パス経過後では、それぞれの平造形圧延によるフランジ幅の差が100mm以上であった。この図7の結果から、本実施の形態に係る第1平造形孔型KH1による平造形圧延では、フランジ幅の減少率が低くなり、補助的エッジング圧延時の孔型未充満が抑制されることが理解できる。
本発明者らは、補助的エッジング圧延時の孔型の充満性に応じて通材性が異なり、孔型未充満である場合には通材性に問題があることを、実験によっても確認した。以下に示す表1は、補助的エッジング圧延における孔型充満性と通材性との関係を示す実験例である。表1は、ケース1〜ケース4の条件で従来法と本発明方法における、孔型充満性と通材性との関係を示したものである。なお、補助的エッジング圧延時には、ケース1〜4のすべてで、約40mmのエッジング量となるエッジング圧延を2パスで施した。そのため、表1に示す補助的エッジング圧延時のウェブ高変化の値はケース1〜4の全てで−40mmと表されている。
Figure 0006458917
表1に示すように、補助的エッジング圧延時において、孔型が充満している場合、通材性は良好であった。これに対し、孔型が未充満である場合、曲がりが発生していた。また、ケース2〜4を参照すると、従来法と本発明方法とで、補助的エッジング圧延時に同じ累積ウェブ圧下量を採った場合に、従来法では孔型未充満となるような累積ウェブ圧下量であっても、本発明方法では孔型が充満し、通材性が良好に保たれることがあった(表1中のケース2、3参照)。なお、補助的エッジング圧延時には約40mmのエッジング圧延を施すものとしたため、表1に示す補助的エッジング圧延時のウェブ高の値はケース1〜4の全てで−40mmとなっている。
次に、本発明者らは、本実施の形態に係る補助的エッジング圧延のスケジュール設計(圧下量やパススケジュール等)によって、寸法不良や形状不良の抑制効果が異なると考えた。そこで、2000mm×300mm断面スラブを素材としてH形鋼を製造する場合における、補助的エッジング圧延によるフランジ幅の推移を実験により検証した。
以下に示す表2は、第1平造形孔型KH1(即ちウェブ部分圧延孔型)による平造形圧延を実施したときの、パスごとのフランジ幅の推移を示す。表2のケース1〜3は、平造形圧延のパスごとに補助的エッジング圧延を行った回数が異なる。補助的エッジング圧延を行った場合(つまりケース2及びケース3)では、補助的エッジング圧延を行ったあとのフランジ幅の推移が示されている。また、表中の第15パス〜第23パスとの記載は、平造形圧延前に第1〜第14パスとして前段にてエッジング圧延が行われたことを示すものであり、第15パス以降が平造形圧延であることを示している。
補助的エッジング圧延時には、約40mmのエッジング圧延を施した。具体的には、ケース2では、2パスで約40mmのエッジング圧延を1回行った。ケース3では、2パスで約20mmのエッジング圧延を2回連続で行った。表2に示されるように、補助的エッジング圧延によるフランジ幅の拡がり量は、ケース2では、いずれのパスにおいても約24mm、ケース3では、いずれのパスにおいても約44mmであった。
Figure 0006458917
なお、表2中の「ケース2:補助的エッジング圧延1回」、「ケース3:補助的エッジング圧延2回」との記載は、2パスを1組として実施される補助的エッジング圧延の回数を示しており、この2パスを1組とした補助的エッジング圧延回数の表記は「1チャンス」、「2チャンス」とも表記される。実際には、1チャンスでの補助的エッジング圧延パス回数は1パスでも良いし、2パス以上の複数であっても構わないが、トータルのエッジング量は一定の条件(即ち、最終パスのエッジング高さを一定とする条件)としてパスケジュールが設計される。
また、表2には、参考のためケース1として補助的エッジング圧延無しで平造形圧延を行った場合の各パスでのフランジ幅推移を載せている。
表2のケース2は、ケース1で示した各パスにおいて、補助的エッジング圧延を各パスにおいて1チャンスだけ、フランジ幅の拡がりを制約しない条件下で行った後のフランジ幅を示すものである。
表2のケース2に示すように、補助的エッジング圧延を1チャンスで行う場合、第15パス〜第17パスにて補助的エッジング圧延後のフランジ幅が平造形圧延前のエッジング孔型幅(1010mm)を上回っていた。そのため、補助的エッジング圧延時にエッジング最終孔型KEにおいて孔型充満が実現される。表2中に「○」と記載しているものは孔型充満が実現され、圧延安定性が良好であることを示している。
一方、第18パス以降については補助的エッジング圧延後のフランジ幅が平造形圧延前のエッジング孔型幅(1010mm)を下回っているため、補助的エッジング圧延時にエッジング最終孔型KEが未充満となり、寸法不良、形状不良が生じる恐れがある。表2中に「×」と記載しているものは、孔型未充満となり圧延安定性に問題があることを示している。
また、本発明者らは、表2のケース3に示すように補助的エッジング圧延を2チャンス(表中:補助的エッジング圧延2回)で行う場合についても検証を行った。このケース3は、ケース2では孔型未充満となった第18パス以降において、補助的エッジング圧延回数を増やし、2チャンスでフランジ幅の拡がりを制約しない条件下で補助的エッジング圧延を行った後のフランジ幅を示すものである。
補助的エッジング圧延を2チャンスで行う場合、補助的エッジング圧延時のフランジ幅拡がりが1チャンスの場合に比べ大きく見込めるため、より後段のパスでも補助的エッジング圧延時のエッジング最終孔型KEでの孔型充満が実現可能となる。本検証条件下では、表2に示すように、第22パスまで補助的エッジング圧延時にエッジング最終孔型KEにおいて孔型充満が実現される。
一般的に、補助的エッジング圧延は、平造形圧延のより後段パスにおいて安定的に実施されることが望まれる。これは、平造形圧延の後段パスにおいて補助的エッジング圧延を実施する程、更に後工程である中間圧延や仕上圧延に送る被圧延材形状の寸法精度が向上し、圧延の安定性や製品寸法精度の向上が図られるからである。
即ち、補助的エッジング圧延を2チャンスで行うことで、被圧延材の寸法不良や形状不良を生じさせることなく、より後段での補助的エッジング圧延が実現され、圧延の効率化が図られることがわかる。
また、参考として、以下の表3は従来法での平造形圧延後のフランジ幅の推移(ケース1)と、各パス後に補助的エッジング圧延を行った後の当該補助的エッジング圧延時のフランジ幅拡がりを考慮したフランジ幅の推移(ケース2)を示したものである。表3に示すように、従来法では、第15パスにおいてのみ補助的エッジング圧延後のフランジ幅が平造形圧延前のエッジング孔型幅(1010mm)を上回っており、補助的エッジング圧延時にエッジング最終孔型KEにおいて孔型充満が実現されている。一方、第16パス以降については補助的エッジング圧延後のフランジ幅が平造形圧延前のフランジ幅(1010mm)を下回っているため、補助的エッジング圧延時にエッジング最終孔型KEが未充満となり、寸法不良、形状不良が生じる恐れがある。
Figure 0006458917
表2と表3を比較して分かるように、本発明方法を適用すると、補助的エッジング圧延を1チャンスのみで行う場合には第17パスまで孔型充満を実現させた補助的エッジング圧延が実施可能であった。補助的エッジング圧延を2チャンスで行う場合には第22パスまで孔型充満を実現させた補助的エッジング圧延が実施可能であった。これに対し、従来法では、第15パスまでしか孔型充満を実現させた補助的エッジング圧延が実施できなかった。即ち、本発明方法を適用することでより後段パスでの補助的エッジング圧延が実施でき、疵の発生といった寸法不良や形状不良を抑制させ、高精度で粗圧延工程を実施することが可能となる。
(第1平造形孔型KH1での逃がし量(隆起部形成幅)の比率)
上述した通り、本実施の形態に係る第1平造形孔型KH1(図2等参照)では、被圧延材Aのウェブ部82の中央に隆起部82bが形成される。形成された隆起部82bは、後段の第2平造形孔型KH2において消去される。そして、隆起部消去後に必要に応じてウェブ内法の拡幅圧延が行われ、H形粗形材が造形される。
本発明者らは、第1平造形孔型KH1において形成する隆起部82bの幅長さL1(即ち、第1平造形孔型KH1での圧延造形におけるウェブ内法の逃がし量である。以下、単に「逃がし量」とも呼ぶ。)を変えることで、最終的に得られるH形粗形材のフランジ幅に違いが出ることを見出した。これは、隆起部82bの幅長さL1を大きくする程フランジ肉量が確保しやすいこと、一方で、後の隆起部消去時において被圧延材Aの長手方向延伸作用によってフランジ幅が減少することに起因する。
そこで、本発明者らは、第1平造形孔型KH1での圧延造形におけるウェブ内法の逃がし量と、最終的に得られるH形粗形材のフランジ幅との関係について検証した。
図8は、本実施の形態に係る第1平造形孔型KH1、第2平造形孔型KH2、及び、更に後段の3つの拡幅孔型を用いた計18パスでの圧延造形によってH形粗形材を造形した場合の、パスごとのフランジ幅の推移を示すグラフである。なお、図8は約2000mm幅の素材スラブを用いたデータである。
また、図8のグラフにおける横軸を1〜18パスとしているが、そのうち1〜13パスが第1平造形孔型KH1に対応し、14、15パスが第2平造形孔型KH2に対応し、16〜18パスが拡幅圧延の孔型に対応している。
また、図8には、上記逃がし量L1を変えた場合のそれぞれのデータを記載している。図8では、逃がし率として以下の式(1)に示す値を定義し、当該逃がし率が12%、17%、23%、28%、33%、39%、44%、49%の場合のデータを記載し、逃がし率が0%の場合を従来法として記載している。
逃がし率[%]=(逃がし量L1/ウェブ内法L2)×100 ・・・(1)
逃がし率を大きくすることで第1平造形孔型KH1におけるフランジ部80での肉引け量(フランジ肉量の減少量)が削減される。そのため、図8に示すように、最終的に得られるH形粗形材のフランジ幅は逃がし率の上昇と共に大きくなる傾向にある。この傾向は、図8に示すように、実験によっても認められた。但し、その後の第2平造形孔型KH2での隆起部消去や拡幅圧延を経た後のフランジ幅は、逃がし率をある所定値以上に大きくしてもフランジ幅は必ずしも大きくなっていなかった。これは、逃がし部を大きくした場合には、第2平造形孔型KH2での隆起部消去時にフランジ肉引け量が拡大していることに起因するものと推定される。
即ち、大型H形鋼の製造プロセスとして、本実施の形態で説明している隆起部82bを形成させるような方法を採用した場合において、逃がし率には好適な範囲が存在しているものと考えられる。そこで本発明者らは、逃がし率とH形粗形材造形後のフランジ幅の増減との関係に着目し、逃がし率の好適な数値範囲を導き出した。
図9は、図8のデータに基づき、逃がし率とH形粗形材造形後のフランジ幅増減率との関係を示すグラフである。なお、図9におけるフランジ幅増減率とは、逃がし率が0%である場合のフランジ幅を基準(1.000)として、逃がし率が各値(12%〜55%)である場合のフランジ幅を示した値である。
図9に示すように、逃がし率が小さい領域では、逃がし率が大きくなるにつれてH形粗形材のフランジ幅を増大する傾向であった。しかし、逃がし率が約25%以上約50%以下の領域ではフランジ幅増減率はほぼ一定値であった(図9中の破線部参照)。
図9に示す結果から、従来に比べフランジ幅の大きな大型H形鋼製品を製造する場合には、H形粗形材のフランジ幅も大きくなるような圧延造形が所望されることに鑑み、逃がし率の数値範囲は25%〜50%とすることが望ましいことが分かる。また、圧延造形プロセスにおいて、圧延荷重の増大化を防いだり、生産効率を高めるといった観点から、逃がし率はできるだけ低い値とすることが好ましいことから、逃がし率は約25%に設定することが望ましい。
(作用効果)
以上説明した、本実施の形態に係るH形鋼の製造方法によれば、エッジング圧延後に実施される平造形圧延にて、隆起部82bを形成させる第1平造形孔型KH1を用いて実施している。これにより、平造形圧延後にエッジング最終孔型KEに被圧延材Aを戻し入れて軽圧下圧延を行う、「補助的エッジング圧延」において、通材性の悪化や被圧延材形状の悪化を抑制させ、補助的エッジング圧延の安定化を図ることが可能となる。また、従来に比べフランジ幅の大きなH形粗形材13を圧延造形することが可能となり、結果として従来に比べフランジ幅の大きなH形鋼製品を製造する事が可能となる。
また、例えば、300厚スラブと呼ばれる厚み約300mm、幅約2000mmの素材をもとに本実施の形態に係るH形粗形材の圧延造形を行う場合、平造形圧延時に、いわゆる「ウェブ部分圧延孔型」である第1平造形孔型KH1を用いるに際し、隆起部82bの形成において逃がし率を25%〜50%の範囲内(より好ましくは約25%)に設定することで、圧延造形されるH形粗形材のフランジ幅を最大化させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、第1平造形孔型KH1を用いて平造形圧延を実施する前段階として、矩形断面素材(スラブ)をエッジング圧延によって圧延造形した後に平造形圧延を行うものとして説明したが、本発明技術の適用範囲はこれに限られるものではない。即ち、ビームブランクといったエッジング圧延工程を経ていない被圧延材に対し平造形圧延を行う場合にも本発明技術は適用可能である。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
50…上孔型ロール(エッジング最終孔型)
51…下孔型ロール(エッジング最終孔型)
55、56…突起部(エッジング最終孔型)
80…フランジ部
82…ウェブ部
82a…圧下部分
82b…隆起部(未圧下部分)
85…上孔型ロール(第1平造形孔型)
85a…窪み部
86…下孔型ロール(第1平造形孔型)
86a…窪み部
95…上孔型ロール(第2平造形孔型)
96…下孔型ロール(第2平造形孔型)
KH1…第1平造形孔型
KH2…第2平造形孔型
KE…エッジング最終孔型
GH…一般的な平造形孔型
T…製造ライン
A…被圧延材

Claims (5)

  1. 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
    前記粗圧延工程は、被圧延材を所定のドッグボーン形状に圧延造形するエッジング圧延工程と、
    エッジング圧延工程完了後の被圧延材を90°あるいは270°回転させてウェブ部の圧延を行うと共に被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる、隆起部生成工程と、
    前記隆起部生成工程で1パス以上圧延した被圧延材を再度90°あるいは270°回転させて前記エッジング圧延工程の最終孔型に戻し入れて軽圧下圧延を行う補助的エッジング圧延工程と、
    前記隆起部生成工程において形成された隆起部を圧下し消去する隆起部消去工程と、を有し、
    前記隆起部生成工程を行う上下孔型ロールには、被圧延材のウェブ部中央に隆起部を形成させる窪み部が当該上下孔型ロールのロール胴長中央部に設けられ、
    当該上下孔型ロールのロール形状は、被圧延材のフランジ部先端が非接触であるように設計され、
    前記隆起部生成工程及び補助的エッジング圧延工程の2工程は連続的に1又は複数回行われ、
    前記隆起部消去工程は、前記隆起部生成工程及び前記補助的エッジング圧延工程が行われた後に実施されることを特徴とする、H形鋼の製造方法。
  2. 前記補助的エッジング圧延工程では、前記エッジング圧延工程の最終孔型において被圧延材のフランジ部先端が当該孔型に充満するように軽圧下圧延を行うことを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
  3. 前記補助的エッジング圧延工程では、当該補助的エッジング圧延工程の直前に前記隆起部生成工程を行う孔型に供給された被圧延材のウェブ高さよりも、被圧延材のウェブ高さが小さくなるように軽圧下圧延を行うことを特徴とする、請求項2に記載のH形鋼の製造方法。
  4. 前記補助的エッジング圧延工程は、最終パスのエッジング高さを一定とした複数パス1組を1チャンスとした場合の1チャンス又は2チャンスによって実施されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
  5. 前記隆起部生成工程において形成される隆起部の幅は被圧延材のウェブ部内法の25%以上50%以下に設定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
JP2018545241A 2017-05-24 2018-05-23 H形鋼の製造方法 Expired - Fee Related JP6458917B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017102423 2017-05-24
JP2017102423 2017-05-24
PCT/JP2018/019883 WO2018216742A1 (ja) 2017-05-24 2018-05-23 H形鋼の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6458917B1 true JP6458917B1 (ja) 2019-01-30
JPWO2018216742A1 JPWO2018216742A1 (ja) 2019-06-27

Family

ID=64396084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545241A Expired - Fee Related JP6458917B1 (ja) 2017-05-24 2018-05-23 H形鋼の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20200078842A1 (ja)
EP (1) EP3593915A1 (ja)
JP (1) JP6458917B1 (ja)
CN (1) CN110636908A (ja)
PH (1) PH12019502500A1 (ja)
WO (1) WO2018216742A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114309057A (zh) * 2021-12-30 2022-04-12 无锡市方顺型钢科技有限公司 一种异型钢的冷轧加工方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57146405A (en) * 1981-03-05 1982-09-09 Kawasaki Steel Corp Broadside rolling method and rolling roll for large sized blank material for rough shape
JPS57171501A (en) * 1981-04-13 1982-10-22 Kawasaki Steel Corp Rolling method for rough shape billet
WO2018029869A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 新日鐵住金株式会社 H形鋼の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57146405U (ja) 1981-03-09 1982-09-14
JPS5935802A (ja) * 1982-08-25 1984-02-27 Kawasaki Steel Corp 偏平鋼片を素材とするh形鋼粗形鋼片の製造方法
JPS5935802U (ja) 1982-08-31 1984-03-06 トヨタ自動車株式会社 ブレ−キブ−スタ−のプツシユロツド測定治具
JPS6156702A (ja) * 1984-08-27 1986-03-22 Nippon Steel Corp H形鋼の粗圧延方法
JPH07178401A (ja) * 1993-12-24 1995-07-18 Nkk Corp 鋼製連壁用形鋼の製造方法
JP3298438B2 (ja) * 1997-01-10 2002-07-02 日本鋼管株式会社 形鋼用素材のエッジング圧延方法および装置
CN203030624U (zh) * 2013-01-24 2013-07-03 中冶赛迪工程技术股份有限公司 H型钢的x-i短流程轧制机组
CN205673363U (zh) * 2016-03-29 2016-11-09 中冶华天南京工程技术有限公司 大h型钢精轧机组以及大h型钢轧机系统

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57146405A (en) * 1981-03-05 1982-09-09 Kawasaki Steel Corp Broadside rolling method and rolling roll for large sized blank material for rough shape
JPS57171501A (en) * 1981-04-13 1982-10-22 Kawasaki Steel Corp Rolling method for rough shape billet
WO2018029869A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 新日鐵住金株式会社 H形鋼の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
PH12019502500A1 (en) 2020-07-13
JPWO2018216742A1 (ja) 2019-06-27
US20200078842A1 (en) 2020-03-12
CN110636908A (zh) 2019-12-31
EP3593915A1 (en) 2020-01-15
WO2018216742A1 (ja) 2018-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6434461B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP2019111584A (ja) 圧延h形鋼
WO2018216742A1 (ja) H形鋼の製造方法
JP6642784B1 (ja) ハット形鋼矢板の製造方法
JP6614396B1 (ja) H形鋼の製造方法
JP2012071346A (ja) H形鋼の製造方法およびh形鋼製造設備
JP6536415B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP3065877B2 (ja) H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法
JP4167572B2 (ja) H形鋼の粗圧延方法
JP5742652B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法
JP6593456B2 (ja) H形鋼の製造方法及びh形鋼製品
JP6447285B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP2023131970A (ja) H形鋼の製造方法
JP6515365B1 (ja) H形鋼の製造方法
JP5831139B2 (ja) H形鋼製造用粗圧延機
CN111465458B (zh) H型钢的制造方法
JP7003841B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP6501047B1 (ja) H形鋼の製造方法
JP5938983B2 (ja) 粗形鋼片の造形圧延方法およびh形鋼の製造方法
JP2008155262A (ja) 平鋼の製造方法
JP6569535B2 (ja) H形鋼の製造方法及びh形鋼製品
JP2019136741A (ja) H形鋼の製造方法
JP2017121652A (ja) H形鋼の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180827

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180827

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181210

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6458917

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees