以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1乃至図6を参照しながら、第1実施形態に係る冷媒蒸発器1について説明する。図1に示される本実施形態の冷媒蒸発器1は、車室内の温度を調整する車両用空調装置ACに搭載され、冷凍サイクルに用いられる。具体的には、冷媒蒸発器1は、車室内に吹き出される空気から熱を奪うとともに、その熱を液相の冷媒に与えて蒸発させることで空気を冷却する冷却用熱交換器である。冷凍サイクルは、周知のように、冷媒蒸発器1の他に、図示しない圧縮機、放熱器及び膨張弁等から構成される。
冷媒蒸発器1は、車両用空調装置ACのケース90に組み付けられる。ケース90は、図示しない車両の外部から取り込んだ空気を、車室内に導く流路を形成する部材である。図1及び図2では、ケース90のうち、冷媒蒸発器1を支持するとともにドレン93を形成する一部を断面視で図示している。冷媒蒸発器1は、2つの蒸発部10,20と、入替えタンク30(第3タンク)と、風上側パッキン60と、を備えている。
蒸発部10,20は、矢印Xで示される空気の流れ方向において対向するように、上流側と下流側に配置されている。本実施形態では、矢印X方向は、鉛直方向上方である矢印Y1方向と、鉛直方向下方である矢印Y2方向と直交する方向となっている。以下、矢印X方向における上流側に配置される蒸発部10を「風上側蒸発部10」と称する。また、矢印X方向における下流側に配置される蒸発部20を「風下側蒸発部20」と称する。
風上側蒸発部10は、風上側集合タンク11と、風上側熱交換部12(第1熱交換部)と、風上側分配タンク13(第1タンク)とを有している。風上側集合タンク11、風上側熱交換部12及び風上側分配タンク13は、この順序で、矢印Y1方向に並べて配置されている。
風上側熱交換部12は、全体として略直方体形状を呈している。風上側熱交換部12は、矢印X方向が厚さ方向となるように配置されている。風上側熱交換部12の矢印Y1方向の端面12dには、風上側分配タンク13が接続されている。風上側熱交換部12の矢印Y2側の端面12eには、風上側集合タンク11が接続されている。風上側熱交換部12は、複数のチューブ12aと、複数のフィン12bとが水平方向に交互に積層された構造からなる。なお、図2では、チューブ12a及びフィン12bの図示が省略されている。
チューブ12aは、断面が扁平状で矢印Y1,Y2方向に延びるように配置されている。チューブ12aの内部には、冷媒が流れる流路が形成されている。
フィン12bは、薄い金属板を屈曲させることで形成される、いわゆるコルゲートフィンである。フィン12bは、水平方向に隣り合うチューブ12a,12aの間に配置されており、チューブ12aの外側面に接続されている。
図2に示されるように、風上側熱交換部12は、チューブ12a及びフィン12bの積層方向において、第1風上側コア部121と第2風上側コア部122とに区画されている。また、図1に示されるように、風上側熱交換部12は、チューブ12a及びフィン12bの積層方向の両端にサイドプレート12cを有している。サイドプレート12cは、風上側熱交換部12を補強するための部材である。
風上側分配タンク13は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風上側分配タンク13の軸方向の両端部は閉塞されている。図2に示されるように、風上側分配タンク13は、軸方向の中央部に仕切り板13aを有している。仕切り板13aは、風上側分配タンク13の内部流路を第1分配部131と第2分配部132とに区画している。
また、風上側分配タンク13の外側面には、チューブ12aの矢印Y1側の端部が挿入される図示しない複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔により第1分配部131の内部流路は第1風上側コア部121のチューブ12aに連通し、第2分配部132の内部流路は第2風上側コア部122のチューブ12aに連通している。すなわち、第1分配部131は、第1風上側コア部121のチューブ12aに冷媒を分配する。また、第2分配部132は、第2風上側コア部122のチューブ12aに冷媒を分配する。
図3に示されるように、風上側分配タンク13の外側面には、平面状の接続部133が軸方向に延びるように形成されている。接続部133は、入替えタンク30が接続される部分である。接続部133には、第1分配部131の内部流路に貫通する貫通孔134が形成されている。貫通孔134は、入替えタンク30内の冷媒を第1分配部131に導くための導入口となる。また、接続部133には、第2分配部132の内部流路に貫通する貫通孔135が形成されている。貫通孔135は、入替えタンク30内の冷媒を第2分配部132に導くための導入口となる。
図1及び図2に示されるように、風上側集合タンク11は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風上側集合タンク11の軸方向の一端部は閉塞されている。風上側集合タンク11の軸方向の他端部には冷媒排出口11aが形成されている。冷媒排出口11aは、図示しない圧縮機の吸入側に接続されている。
また、風上側集合タンク11の外側面には、チューブ12aの矢印Y2方向側の端部が挿入される図示しない複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔により風上側集合タンク11の内部流路は第1風上側コア部121のチューブ12a及び第2風上側コア部122のチューブ12aにそれぞれ連通している。すなわち、第1風上側コア部121のチューブ12aを流れる冷媒及び第2風上側コア部122のチューブ12aを流れる冷媒は、風上側集合タンク11に集められる。この風上側集合タンク11に集められた冷媒は冷媒排出口11aを介して圧縮機に導かれる。
風下側蒸発部20は、風下側分配タンク21と、風下側熱交換部22(第2熱交換部)と、風下側集合タンク23(第2タンク)とを有している。風下側分配タンク21、風下側熱交換部22及び風下側集合タンク23は、この順序で、矢印Y1方向に並べて配置されている。
風下側熱交換部22は風上側熱交換部12と略同一の構造を有している。すなわち、風下側熱交換部22は、全体として略直方体状を呈しており、矢印X方向が厚さ方向となるように配置されている。また、風下側熱交換部22は、複数のチューブ22aと、複数のフィン22bとが水平方向に交互に積層された構造からなり、チューブ22a及びフィン22bの積層方向の両端にサイドプレート22cを有している。風下側熱交換部22の矢印Y1方向の端面22dには、風下側集合タンク23が接続されている。風下側熱交換部22の矢印Y2方向側の端面22eには風下側分配タンク21が接続されている。また、図2に示されるように、風下側熱交換部22は、矢印X方向において第1風上側コア部121に対向する第1風下側コア部221と、第2風上側コア部122に対向する第2風下側コア部222とに区画されている。
風下側分配タンク21は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風下側分配タンク21の軸方向の一端部は閉塞されている。風下側分配タンク21の軸方向の他端部には冷媒流入口21aが形成されている。冷媒流入口21aには、図示しない膨張弁により減圧された低圧冷媒が流入する。
また、風下側分配タンク21の外側面には、チューブ22aの矢印Y2方向側の端部が挿入される図示しない複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔により風下側分配タンク21の内部流路は第1風下側コア部221のチューブ22a及び第2風下側コア部222のチューブ22aにそれぞれ連通している。すなわち、冷媒流入口21aから風下側分配タンク21に流入した冷媒は、第1風下側コア部221のチューブ22a及び第2風下側コア部222のチューブ22aに分配される。
風下側集合タンク23は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風下側集合タンク23の軸方向の両端部は閉塞されている。風下側集合タンク23は、軸方向の中央部に仕切り板23aを有している。図2に示されるように、仕切り板23aは、風下側集合タンク23の内部流路を第1集合部231と第2集合部232とに区画している。
また、風下側集合タンク23の外側面には、チューブ22aの矢印Y1方向の端部が挿入される図示しない複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔により第1集合部231の内部流路は第1風下側コア部221のチューブ22aに連通し、第2集合部232の内部流路は第2風下側コア部222のチューブ22aに連通している。すなわち、第1風下側コア部221のチューブ22aを流れる冷媒は第1集合部231に集められる。また、第2風下側コア部222のチューブ22aを流れる冷媒は第2集合部232に集められる。
図3に示されるように、風下側集合タンク23の外側面には、平面状の接続部233が軸方向に延びるように形成されている。接続部233は、入替えタンク30が接続される部分である。接続部233には、第1集合部231の内部流路に貫通する貫通孔234が形成されている。貫通孔234は、第1集合部231内の冷媒を入替えタンク30に導くための流路となる。また、接続部233には、第2集合部232の内部流路に貫通する貫通孔235が形成されている。貫通孔235は、第2集合部232内の冷媒を入替えタンク30に導くための流路となる。
入替えタンク30は、風上側分配タンク13と風下側集合タンク23との間に設けられている。入替えタンク30は、冷媒の流路を内部に有する筒状の部材からなる。入替えタンク30の内部には仕切部材301が設けられている。仕切部材301は、入替えタンク30の内部空間を第1冷媒流路302と第2冷媒流路303とに区画している。
図3に示されるように、入替えタンク30の外側面には、風上側分配タンク13の接続部133が接続される平面状の接続部304と、風下側集合タンク23の接続部233が接続される平面状の接続部305とが形成されている。
接続部304には、第1冷媒流路302に貫通する貫通孔306が形成されている。貫通孔306は、風上側分配タンク13の貫通孔134に繋がるように配置されている。接続部305には、第1冷媒流路302に貫通する貫通孔307が形成されている。貫通孔307は、風下側集合タンク23の貫通孔235に繋がるように配置されている。すなわち、風下側集合タンク23の第2集合部232に集められる冷媒は、風下側集合タンク23の貫通孔235及び入替えタンク30の貫通孔307を介して第1冷媒流路302に流入する。第1冷媒流路302に流入した冷媒は、入替えタンク30の貫通孔306及び風上側分配タンク13の貫通孔134を介して風上側分配タンク13の第1分配部131に導かれる。
また、接続部304には、第2冷媒流路303に貫通する貫通孔308が形成されている。貫通孔308は、風上側分配タンク13の貫通孔135に繋がるように配置されている。接続部305には、第2冷媒流路303に貫通する貫通孔309が形成されている。貫通孔309は、風下側集合タンク23の貫通孔234に繋がるように配置されている。すなわち、風下側集合タンク23の第1集合部231に集められる冷媒は、風下側集合タンク23の貫通孔234及び入替えタンク30の貫通孔309を介して第2冷媒流路303に流入する。第2冷媒流路303に流入した冷媒は、入替えタンク30の貫通孔308及び風上側分配タンク13の貫通孔135を介して風上側分配タンク13の第2分配部132に導かれる。
このように、入替えタンク30は、風下側集合タンク23に集められた冷媒を風上側分配タンク13に導く部分として機能する。また、入替えタンク30は、風下側熱交換部22における冷媒の流れと、風上側熱交換部12における冷媒の流れとをチューブ12a,22aの積層方向において入れ替える部分として機能する。
風上側パッキン60(シール部材)は、図2に示されるように、風上側分配タンク13や入替えタンク30の軸方向に沿って延びるように形成された平板状の部材である。風上側パッキン60は、大きな弾性を有するゴム材料によって形成されている。また、風上側パッキン60は、図1に示されるように、風上側分配タンク13と入替えタンク30とを跨ぐようにして、両者の外側面の形状に追従するように変形して貼り付けられている。
ケース90に対する冷媒蒸発器1の組み付けにおいては、ケース90の風上側支持壁91に形成されている支持突起91a,91bが、風上側パッキン60に食い込むように当接する。これにより、冷媒蒸発器1と風上側支持壁91との間のシールが成される。この風上側パッキン60により、冷媒蒸発器1と風上側支持壁91との間への空気の流入が抑制される。
また、冷媒蒸発器1は、その風下側集合タンク23の外側面が、ケース90の風下側支持壁92の上端部近傍に貼り付けられている風下側パッキン70と当接する。これにより、冷媒蒸発器1は、風上側パッキン60と風下側パッキン70とによって矢印X方向に挟持され、ケース90のドレン93の上方において支持される。
続いて、冷媒蒸発器1における冷媒の流れと、空気の冷却方法について説明する。図示されない膨張弁により減圧された冷媒は、図4に矢印Aで示されるように、冷媒流入口21aから風下側分配タンク21の内部に導入される。この冷媒は、風下側分配タンク21の内部において分配され、矢印B,Cで示されるように、風下側熱交換部22の第1風下側コア部221及び第2風下側コア部222に流入する。
第1風下側コア部221及び第2風下側コア部222に流入した冷媒は、それぞれのチューブ22aの内部を矢印Y1方向に向かって流れる。このとき、チューブ22aの内部を流れる冷媒は、チューブ22aの外部をX方向に流れる空気と、チューブ22aの壁面を介して熱交換を行う。これにより、冷媒の一部が蒸発して空気から熱を奪い、空気の冷却が行われる。
第1風下側コア部221のチューブ22aを流れる冷媒は、矢印Dで示されるように、風下側集合タンク23の第1集合部231に集められる。第1集合部231に集められた冷媒は、矢印Fで示されるように、入替えタンク30の第2冷媒流路303を介して風上側分配タンク13の第2分配部132に流入する。第2分配部132に流入した冷媒は、矢印Hで示されるように、第2風上側コア部122に流入する。
一方、第2風下側コア部222のチューブ22aを流れる冷媒は、矢印Eで示されるように、風下側集合タンク23の第2集合部232に集められる。第2集合部232に集められた冷媒は、矢印Gで示されるように、入替えタンク30の第1冷媒流路302を介して風上側分配タンク13の第1分配部131に流入する。第1分配部131に流入した冷媒は、矢印Iで示されるように、第1風上側コア部121に流入する。
第1風上側コア部121及び第2風上側コア部122に流入した冷媒は、それぞれのチューブ12aの内部を矢印Y2方向に向かって流れる。このとき、チューブ12aの内部を流れる冷媒は、チューブ12aの外部を矢印X方向に流れる空気と、チューブ12aの壁面を介して熱交換を行う。これにより、冷媒の一部が蒸発して空気から熱を奪い、空気の冷却が行われる。
第1風上側コア部121及び第2風上側コア部122を流れる冷媒は、矢印K,Jで示されるように風上側集合タンク11に集められる。風上側集合タンク11に集められた冷媒は、矢印Lで示されるように、風上側集合タンク11の冷媒排出口11aから、図示されない圧縮機の吸入側に供給される。
続いて、図5及び図6も参照しながら、冷媒蒸発器1に発生する凝縮水の排出について説明する。図5は、冷媒蒸発器1を図1の矢印V方向に見た場合を示す斜視図であり、ケース90の図示は省略している。
冷媒との熱交換によって空気の温度が低下すると、風上側熱交換部12や風下側熱交換部22の外側面に結露による凝縮水(以下、単に「水」とも称する)が発生する。この水は、風上側熱交換部12や風下側熱交換部22の外側面を伝って矢印Y1方向に流れる。
図6に示されるように、この水は風上側分配タンク13、風下側集合タンク23及び入替えタンク30の間の隙間CLに流入し、滞留することがある。この凝縮水は、飛沫となって空気に混入したり、空気の流れを阻害したりして性能低下の原因となるおそれがある。そこで、本実施形態の冷媒蒸発器1には、隙間CLから水を排出するための排水構造が設けられている。
図3に示されるように、入替えタンク30の接続部304には、当該接続部304の斜面に沿って複数の排水溝310が形成されている。また、風上側分配タンク13の接続部133には、入替えタンク30の接続部304の排水溝310に対応する位置に排水溝136が形成されている。
図6に示されるように、入替えタンク30と風上側分配タンク13とが接続されることにより、入替えタンク30の接続部304の排水溝310と、風上側分配タンク13の接続部133の排水溝136とによって囲まれる排水路40が2つ形成される。排水路40,40は、いずれも円柱状の空間であり、互いに間隔を空けて形成される。
各排水路40の一端部には、隙間CLに開口する流入口41が形成されている。また、各排水路40の他端部には、風上側分配タンク13の矢印Y1方向側の空間に開口する排出口42が形成されている。各排出口42は、隙間CLよりも矢印Y1方向側に配置されている。
また、図3に示されるように、入替えタンク30の接続部305には、当該接続部305の斜面に沿って複数の排水溝311が形成されている。また、風下側集合タンク23の接続部233には、入替えタンク30の接続部305の排水溝311に対応する位置に排水溝236が形成されている。
図6に示されるように、入替えタンク30と風下側集合タンク23とが接続されることにより、入替えタンク30の接続部305の排水溝311と、風下側集合タンク23の接続部233の排水溝236とによって囲まれる排水路50が4つ形成されている。各排水路50は、いずれも円柱状の空間であり、互いに間隔を空けて形成される。
各排水路50の一端部には、隙間CLに開口する流入口51が形成されている。また、各排水路50の他端部には、風下側集合タンク23の矢印Y1方向側の空間に開口する排出口52が形成されている。各排出口52は、隙間CLよりも矢印Y1方向側に配置されている。
なお、図2及び図4では、入替えタンク30の排水溝310,311、風上側分配タンク13の排水溝136及び風下側集合タンク23の排水溝236のそれぞれの図示が省略されている。
さらに、図5に示されるように、風上側パッキン60のうち排出口42と対応する部位には、排水部61,61が形成されている。各排水部61は、風上側パッキン60の上端部の一部を下方に向けて三角形状に切り欠いた切欠き状に形成されており、溝部63と、傾斜面部64,64と、を有している。風上側パッキン60のうち排水部61,61の間の部位は、排出口42,42の間隔に配置される間隔シール部62となっている。
溝部63は、排出口42よりも下方に配置され、排出口42側から外方に向かって延びる面である。溝部63は、排出口42側から外方に向かって下方に傾斜するように延びている。また、溝部63は、排出口42側を底辺とする三角形状を呈しており、排出口42側から外方に向かって、その幅が漸次減少するように形成されている。
傾斜面部64,64は、排出口42の側方に配置される面であり、その下端において溝部63に接続している。傾斜面部64,64は、排出口42を挟んで互いに対向しており、溝部63に向かって下方に傾斜することで、排出口42側から溝部63側にかけて両者の距離が小さくなるように配置されている。
風上側熱交換部12及び風下側熱交換部22の外側面に発生し、隙間CLに流入した水は、排水路40あるいは排水路50を介して隙間CLから排出される。このうち排水路50を介して隙間CLから排出された水は、図6に矢印W3で示されるように、ケース90の風下側支持壁92の内側面に沿って矢印Y1方向に流れ、ケース90内から水を排出するためのドレン93に導かれる。
一方、排水路40を介して隙間CLから排出された水は、風上側分配タンク13及び入替えタンク30の外側面と風上側パッキン60との間に形成される空間に流入する。この水は、さらに、風上側パッキン60に形成された排水部61,61を介して外部に排出される。
図5に矢印W1で示されるように、この水は、排水部61の溝部63に沿って外部に排出される。前述したように、溝部63は排出口42側から外方に向かって下方に傾斜しているため、水の排出はその自重を利用してスムーズに行われる。排水部61を介して外部に排出された水は、図6に矢印W2で示されるように、ケース90の風上側支持壁91の内側面に沿って矢印Y1方向に流れ、ケース90のドレン93に導かれる。
以上のように、冷媒蒸発器1によれば、風上側熱交換部12や風下側熱交換部22の外側面に発生した凝縮水が風上側分配タンク13、風下側集合タンク23及び入替えタンク30の間の隙間CLに流入すると、当該凝縮水は排水路40を介して隙間CLから排出される。また、車両用空調装置ACのケース90に対して風上側パッキン60を当接させることでシールする場合にも、排水路40の排出口42から流出した凝縮水は、風上側パッキン60の排水部61によって外部に排出される。したがって、風上側パッキン60によってシールしながらも、凝縮水を外部に排出することが可能となる。
また、冷媒蒸発器1では、排水部61は、風上側パッキン60のうち排出口42と対応する部位に形成されている。したがって、排出口42から排出された凝縮水を、さらに風上側パッキン60の外部にスムーズに排出することが可能となる。
また、冷媒蒸発器1では、排水路40,40は、互いに間隔を空けて形成され、風上側パッキン60は、この間隔に配置される間隔シール部62を有している。したがって、排水部61による凝縮水の排出を行いながらも、風上側パッキン60のシール性能をさらに高めることが可能となる。
また、冷媒蒸発器1では、排水部61は、排出口42よりも下方に配置され排出口42側から外方に向かって延びる溝部63と、排出口42の側方に配置され溝部63に向かって下方に傾斜する傾斜面部64と、を有している。これにより、排出口42から排出された凝縮水は、傾斜面部64の傾斜に沿って下方の溝部63に集められる。したがって、溝部63において凝縮水が水滴状となる場合でも、当該水滴は比較的大きなものとなる。その結果、水滴状の凝縮水を溝部63に留まらせることなく、その自重によってスムーズに排水部61から排出することが可能となる。
また、溝部63は、排出口42側から外方に向かってその幅が漸次減少するように形成されている。これにより、溝部63を流れる凝縮水は、排出口42側から外方に向かうに伴って漸次集められる。したがって、溝部63において凝縮水が水滴状となる場合でも、当該水滴は比較的大きなものとなる。その結果、水滴状の凝縮水を溝部63に留まらせることなく、その自重によってスムーズに排水部61から排出することが可能となる。
続いて、図7を参照しながら、第2実施形態に係る冷媒蒸発器1Aについて説明する。この第2実施形態に係る冷媒蒸発器1Aは、第1実施形態に係る冷媒蒸発器1と同様に、車両用空調装置ACの冷凍サイクルに用いられるものである。図7は、図5と同様の方向(図1の矢印V方向)に冷媒蒸発器1Aを見た場合を示す斜視図である。第1実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
第2実施形態に係る風上側パッキン60Aには、排水部61A,61Aが形成されている。各排水部61Aは、風上側パッキン60Aの上端部の一部を下方に向けて矩形状に切り欠いた切欠き状に形成されており、溝部63Aと、垂直面部65,65と、を有している。排出口42から排出される水は、矢印W4で示されるように、排水部61の溝部63Aに沿って外部に排出される。
この第2実施形態では、各排水部61Aが矩形状を呈しているため、比較的簡単な加工によって形成することが可能となる。したがって、製造コストの抑制を図るとともに、風上側パッキン60Aによってシールしながらも、凝縮水を外部に排出することが可能となる。
続いて、図8を参照しながら、第3実施形態に係る冷媒蒸発器1Bについて説明する。この第3実施形態に係る冷媒蒸発器1Bは、前述した実施形態に係る冷媒蒸発器1,1Aと同様に、車両用空調装置ACの冷凍サイクルに用いられるものである。図8は、図5と同様の方向(図1の矢印V方向)に冷媒蒸発器1Bを見た場合を示す斜視図である。前述した実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
第3実施形態に係る風上側パッキン60Bには、排水部61B,61Bが形成されている。各排水部61Bは、溝部63Bと、垂直面部65,65と、を有している。また、各排水部61Bは、排出口42の上方を覆う上方シール部66を有している。これにより、各排水部61Bは、風上側パッキン60Bの上部の一部を厚さ方向に貫通する貫通孔状に形成されている。排出口42から排出される水は、矢印W5で示されるように、排水部61Bの溝部63Bに沿って外部に排出される。
この第3実施形態では、各排水部61Bが排出口42の上方を覆う上方シール部66を有しているため、排出口42への空気の流入を抑制することが可能となる。したがって、排出口42からの凝縮水の排出をスムーズに行うことが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。