JP6479080B2 - ブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、車両に搭載されるエンジンや、トランスミッションないしトランスアクスル等に適用され、そのケースの内部と外部との通気を行うブリーザ装置に関する。
車両に搭載されるエンジンや、エンジンからのトルクを変換して伝達するトランスミッションやトランスアクスル等の本体のケースには、ケース内の圧力を外部に解放するブリーザ装置が設けられる。ブリーザ装置により、オイルがブリーザ装置の外部へ排出されることが抑えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−267581号公報
上記公報記載のブリーザ装置は、水が浸入する可能性がある場所に設置される。このため、ブリーザ装置の内部空間に浸入した水を排出可能であることを前提として、ブリーザ装置におけるいわゆるブリーザ吹きや、ブリーザ装置から高温のオイルミストが排出されることを抑えることが求められる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ブリーザチャンバ内において、液体のATFが噴霧状とされて混合された空気を気液分離可能なブリーザ装置を提供することを目的とする。
(1)車両に搭載される原動機ないし前記原動機に係る伝動機構のケース(例えば、後述するケース101)の内部と外部との通気を、ブリーザチャンバ(例えば、後述するブリーザチャンバ2)を通して行うブリーザ装置(例えば、後述するブリーザ装置1)であって、前記ブリーザチャンバの内部に前記ケースの内部から流体(例えば、後述するATF混合空気)を流通する管状の接続部(例えば、後述する接続部16)と、前記ブリーザチャンバ内に設けられ、一端部が閉塞され他端部が開口する筒状を有し、前記他端部の開口から一端部に向けて前記接続部からの流体が流通する筒状壁(例えば、後述する筒状壁30)と、を有するブリーザ装置。
上記(1)のブリーザ装置においては、接続部からの流体が、筒状壁の内部空間に確実に流入し、筒状を有する筒状壁の内面に全方位において衝突する。これにより、流体の気液分離が促進される。また、接続部を通して飛散する流体が、筒状壁部の内面に衝突する。これにより、接続部を通して流体をケース内に戻すことが可能となる。
(2)前記筒状壁には、前記筒状壁の内部の空間と前記筒状壁の外部の空間とを連通する筒状壁流路(例えば、後述する外側第1切り欠き321)が形成されている、(1)のブリーザ装置。
上記(2)のブリーザ装置においては、筒状壁の内部の空間から筒状壁の外部の空間へと流体が流通し、筒状壁の内部の空間に、流体が気液分離されて生じた空気が溜まることを抑えることが可能となる。
(3)前記ブリーザチャンバは、前記ブリーザチャンバの内部の気体を前記ブリーザチャンバの外部へ排出する排出口(例えば、後述する排気口2022)を有し、前記筒状壁流路は、前記筒状壁の軸心を中心として前記排出口と90度以上の角度をなす位置に形成されている、(2)のブリーザ装置。
上記(3)のブリーザ装置においては、筒状壁流路から排出口までの距離をより長く確保することが可能となる。この結果、流体が筒状壁等により多く接触し、流体の気液分離が促進される。
(4)前記筒状壁は、少なくとも二重の筒状壁部(例えば、後述する内側筒状壁部31、外側筒状壁部32)により構成される多重筒状を有し、各前記筒状壁部には、前記筒状壁部の内部の空間と前記筒状壁部の外部の空間とを連通する筒状壁部流路(例えば、後述する内側切り欠き311、外側第1切り欠き321)がそれぞれ形成され、最も外側に位置する前記筒状壁部に形成された前記筒状壁部流路(例えば、後述する外側第1切り欠き321)は、前記筒状壁部の軸心を中心として前記排出口と90度以上の角度をなす位置に形成され、最も外側に位置する前記筒状壁部以外の一の前記筒状壁部(例えば、後述する内側筒状壁部31)に形成された前記筒状壁部流路(例えば、後述する内側切り欠き311)は、前記一の筒状壁部の径方向において、前記一の筒状壁部の外側に隣接する他の前記筒状壁部(例えば、後述する外側筒状壁部32)の前記筒状壁部流路(例えば、後述する外側第1切り欠き321)には対向せずに前記他の筒状壁部に対向する、(3)のブリーザ装置。
上記(4)のブリーザ装置においては、筒状壁部流路から排出口までの距離をより長く確保することが可能となる。この結果、流体が筒状壁や周壁部により多く接触し、ATF混合空気の気液分離が促進される。
(5)前記ブリーザチャンバは、上半体(例えば、後述する上半体20)と下半体(例えば、後述する下半体10)とを有し、前記接続部の上端部は、前記下半体において上方向に開口し、前記筒状壁は、前記上半体から下方向へ延び、前記筒状壁の他端部の開口は、前記接続部の上端部の開口に対向し、前記上半体には、前記ブリーザチャンバの内部の気体を前記ブリーザチャンバの外部へ排出する排出口(例えば、後述する排気口2022)が、上下方向視で前記接続部の上端部の開口からずれた位置に形成されている、(2)〜(4)のブリーザ装置。
上記(5)のブリーザ装置においては、接続部からブリーザチャンバ内に流入した流体が、そのまま排出口から排出されることを抑えることが可能となる。また、筒状壁は上半体から延びているため上半体の剛性が高められる。
(6)前記上半体は、前記下半体に接近するように形成された下方接近部(例えば、後述する上側延出部2010)を有し、前記筒状壁流路は、前記下方接近部に沿った方向に前記筒状壁流路から流体が流れるように、前記下方接近部に向けて開口している、(5)のブリーザ装置。
上記(6)のブリーザ装置においては、上半体の内面の面積を広くすることが可能となり、より広い面積で流体が上半体に接触することが可能となる。この結果、流体の気液分離が促進される。また、下方接近部を有する上半体の部分の剛性が高められる。
(7)前記下半体は、前記ケースの取付部(例えば、後述する取付部1011)に嵌合し、前記上半体は、前記下半体を施蓋し、前記ケースに固定される、(5)又は(6)に記載のブリーザ装置。
上記(7)のブリーザ装置においては、ブリーザ装置をケースに確実に取付られるため、ブリーザ装置によって流体の気液分離が十分に行われるため、トランスアクスルのケース内の流体としてのATFの消泡性能の低下等によりブリーザ吹きが生じることが抑えられ、ケースの内部と外部との通気を、ブリーザ装置のブリーザチャンバを通して行うことが可能となる。
本発明によれば、ブリーザチャンバ内において、液体のATFが噴霧状とされて混合された空気を気液分離可能なブリーザ装置を提供することができる。
本発明の一実施形態としてのブリーザ装置がトランスアクスルに取付けられた状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるブリーザ装置の上半体を示す底面図である。 図2のA−A線に沿った位置に相当する本発明の一実施形態によるブリーザ装置の断面図である。 図2のB−B線に沿った位置に相当する本発明の一実施形態によるブリーザ装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのブリーザ装置1がトランスアクスル100に取付けられた状態を示す模式図である。
ブリーザ装置1は、図示しない原動機(例えば、車両に搭載される原動機)又は原動機に係る伝動機構としてのトランスアクスル100のケース101の上方の所定部位にある取付部1011に取付けられている。トランスアクスル100は原動機としてのエンジンにトルクコンバータを介して結合されている。トランスアクスル100のケース101内には、不図示の変速クラッチ及び変速ギアとデファレンシャルギヤが格納され、トルクコンバータにはATF(Automatic Transmission Fluid)が貯留されている。
ブリーザ装置1においては、トランスアクスル100のケース101内のATFの消泡性能の低下等によるブリーザ吹きを生じることが防止され、ケース101の内部と外部との通気が、ブリーザ装置1のブリーザチャンバ2を通して行われる。図2〜図4に示すようにブリーザ装置1は、それぞれ樹脂製でありブリーザチャンバ2を構成する下半体10と上半体20とを有している。車両が平地にあるときの通常の姿勢で、鉛直方向下側に位置する下半体10と鉛直方向上側に位置する上半体20とが接合された状態で、上半体20と下半体10とにより構成される、例えば、樹脂製の容器であるブリーザチャンバ2が構成される。
図2は、本発明の一実施形態によるブリーザ装置1の上半体20を示す底面図である。図3は、図2のA−A線に沿った位置に相当する本発明の一実施形態によるブリーザ装置1の断面図である。図4は、図2のB−B線に沿った位置に相当する本発明の一実施形態によるブリーザ装置1の断面図である。
図3に示すように、下半体10は、底板部11と、底板部11の全周囲から上方向へ延びる周壁部12と、を含む収容部13を有する。底板部11の一部(本例では図3に示す中央の部分)には、所定の深さに窪んだ凹所111が形成されている。この凹所111の底部の中央には、ケース101の内部に連通する連通口14が上方向へ開口して形成されている。凹所111は、収容部13の容積を下部で拡張する。
また、下半体10は、底板部11の連通口14が形成されている部位から下方に突出する管状(略円筒状)の接続部16を有している。管状の接続部16の内部には、流体(例えば、液体のATFが噴霧状(オイルミスト)とされて混合された空気(以下、「ATF混合空気」と言う))の流路161が形成されており、流路161は、下半体10の底板部11に設けられた連通口14の開口に連通している。また、接続部16がケース101に形成された連通穴103との間で気密が保たれるように、接続部16の外周の所定部には、Oリングパッキン162が嵌装されており、この部分が連通穴103に挿入されている。
上半体20は、上半体20の周縁部が、下半体10の周縁部に、図示しないパッキン等の封止部材を介して液密状態が保たれるようにして固定されることにより、下半体10に固定されている。この固定により、上半体20は、下半体10を施蓋する。
図2に示すように、上半体20は、底面視で、下半体10の連通口14を中心として3方向へ延びる形状を有している天板部21を有している。具体的には、天板部21は、下半体10の連通口14を中心として図2の上方向に延びる上側延出部2010と、下方向に延びる下側延出部2020と、左方向に延びる左側延出部2030とを有している。
左側延出部2030の延出端部は、ボルトが貫通されてケース101に固定される左側被固定部2031を有している。下側延出部2020の延出端部の近傍には、収容部13の内部と外部とを連通する、即ち、ブリーザチャンバ2の内部と外部とを連通する排気口2022が形成されている。この位置に排気口2022が形成されているため、上下方向視で、連通口14からずれた位置に排気口2022は位置している。排気口2022は、収容部13の内部の気体(例えば、ブリーザチャンバ2の内部において気液分離された空気(以下、「分離空気」と言う))を大気中へ排出可能である。排気口2022の周囲の部分は、上方向へ円筒状に突出する排気口周縁凸部2023を構成する。
また、下側延出部2020の延出端部は、左側延出部2030の延出方向とは反対の方向である、図2の右方向へ突出する右側被固定部2021を有している。右側被固定部2021にはボルトが貫通されて、ケース101(図1参照)に右側被固定部2021は固定される。左側被固定部2031と右側被固定部2021とは、それぞれ上半体20の天板部21よりも鉛直下側へ下がった位置にあり、更に、右側被固定部2021の方が左側被固定部2031よりも鉛直下側に位置している。
上側延出部2010は、図2に示すように、下側延出部2020、左側延出部2030のいずれよりも、上側延出部2010の延出方向である図2における上方向に直交する幅(図2における左右方向の幅)が広く形成されている。上側延出部2010は、図4に示すように、図4の右方向へ進むにつれて徐々に鉛直下方向へ下がっており、下半体10の底板部11へ接近している。従って、上側延出部2010の部分においては、ブリーザチャンバ2の内部の空間の高さは、下側延出部2020、左側延出部2030の部分における、ブリーザチャンバ2の内部の空間の高さよりも低く構成されている。このような上側延出部2010の形状により、上半体20の剛性が高められている。
図3等に示すように、下半体10の連通口14に対向する上半体20の部分は、筒状壁30を有している。筒状壁30は、それぞれ円筒形状を有して軸方向における長さが等しい内側筒状壁部31と、外側筒状壁部32と、を有している。外側筒状壁部32は、内側筒状壁部31に対して同軸的な位置関係で、内側筒状壁部31の外側に配置されている。従って、内側筒状壁部31と、外側筒状壁部32とは、二重の筒状壁部により構成される多重筒状を有して筒状壁30を構成し、ブリーザチャンバ2内に設けられている。内側筒状壁部31及び外側筒状壁部32の下端部は、下半体10の底板部11から離間しており、内側筒状壁部31及び外側筒状壁部32の下端部と、底板部11との間には、気体(例えば、ブリーザチャンバ2の内部の空間において気液分離された空気(以下、「分離空気」と言う))が通過可能である。
内側筒状壁部31の上端部は、天板部21によって閉塞され、内側筒状壁部31の下端部は開口する。内側筒状壁部31は、下半体10の凹所111の直径Yよりも大きい内径Xを有しており、凹所111及び連通口14と軸心が一致する位置関係を有している。この構成により、連通口14から流出する流体(例えば、液体のATFが噴霧状(オイルミスト)とされて混合された空気(以下、「ATF混合空気」と言う))が、内側筒状壁部31の内部の空間へ流通し、内側筒状壁部31の内面及び天板部21の下面に衝突し、ATFのオイルミストが液滴となり、内側筒状壁部31の下端部の開口から滴下して、連通口14を通してケース101内に戻る。また、連通口14を通してトランスミッションから飛散するATFが、内側筒状壁部31の内面及び天板部21の下面に衝突し、ATFのオイルミストと同様に、連通口14を通してケース101内に戻される。
図2に示すように、内側筒状壁部31には、1つの内側切り欠き311が形成されている。内側切り欠き311は、内側筒状壁部31の軸方向における一端部から他端部に至るまで延びて形成されており、図2に示すように底面視で、内側筒状壁部31の軸心に関して排気口2022とは反対側の位置、即ち、内側筒状壁部31の軸心を中心として排気口2022に対して180度回転した位置に形成されている。内側切り欠き311は、内側筒状壁部31の内部の空間と内側筒状壁部31の外部の空間とを連通する筒状壁部流路を構成する。
外側筒状壁部32の上端部は天板部21によって閉塞され、外側筒状壁部32の下端部は開口する。外側筒状壁部32は、内側筒状壁部31の外径よりも大きい内径を有しており、外側筒状壁部32の軸心と、凹所111及び連通口14の軸心とが一致する位置関係を有している。外側筒状壁部32には、外側第1切り欠き321と、外側第2切り欠き323との2つの切り欠きが形成されている。
外側第1切り欠き321は、外側筒状壁部32の軸方向における一端部から他端部(外側筒状壁部32の上端部から下端部)に至るまで延びて形成されており、図2に示すように、底面視で、内側筒状壁部31の軸心を中心として時計回り方向に、内側切り欠き311から排気口2022へ近づくように、45度程度回転した位置に形成されている。従って、外側第1切り欠き321は、図2に示すように、底面視で、内側筒状壁部31の軸心を中心として、排気口2022から90度以上の角度をなす位置に形成されている。
即ち、外側第1切り欠き321は、上側延出部2010に沿った方向(図2における上方向)に外側第1切り欠き321からATF混合空気が流れるように、上側延出部2010に向けて開口している。外側第1切り欠き321は、外側筒状壁部32の内部の空間と外側筒状壁部32の外部の空間とを連通する筒状壁部流路を構成する。また、外側第1切り欠き321は、筒状壁30の内部の空間と筒状壁30の外部の空間とを連通する筒状壁流路を構成する。
外側第2切り欠き323は、外側筒状壁部32の軸方向における一端部から他端部に至るまで延びて形成されており、図2に示すように、底面視で、内側筒状壁部31の軸心を中心として反時計回り方向に、内側切り欠き311から排気口2022へ近づくように、90度程度回転した位置に形成されている。従って、内側筒状壁部31の径方向外方における、内側切り欠き311に対向する位置には、外側筒状壁部32が存在し、逆方向における外側第1切り欠き321、外側第2切り欠き323に対向する位置には、内側筒状壁部31が存在する。従って、内側筒状壁部31と外側筒状壁部32とは、ラビリンス構造を構成する。
図4等に示すように、排気口2022には、ドレンパイプ51が設けられている。ドレンパイプ51は、ブリーザチャンバ2を構成する下半体10及び上半体20とは別体、即ち、別の金属製部品により構成されており、ブリーザチャンバ2を構成する下半体10及び上半体20よりも比熱が低い。ドレンパイプ51は、円筒形状を有しており、一端部である下端部の内径及び外径は、他端部である上端部の内径及び外径よりもそれぞれ大きい。即ち、ドレンパイプ51の下部は、大径部511を有しており、ドレンパイプ51の上部は、小径部512を有しており、大径部511と小径部512とは、一体成形されて接続されている。
小径部512には、図示しないチューブを接続可能である。大径部511は、排気口2022に挿入されており、大径部511の内部空間は、ブリーザチャンバ2の内部空間に連通する。大径部511の中央は、小フランジ部5111を有している。小フランジ部5111よりも一端寄りの大径部511の部分には、図4等に示すように、Oリング52が配置され、Oリング52によって排気口周縁凸部2023と大径部511との間のシールがなされている。
小径部512に接続されている大径部511の部分には、図4等に示すように、ドーム形状を有する金属製の周縁凸部被覆部513が接続されている。周縁凸部被覆部513は、排気口周縁凸部2023の全体をブリーザチャンバ2の外側から(鉛直方向上側から)覆っている。
以上のような構成のブリーザ装置1は次のように機能する。
先ず、ATFの温度が想定以上に上がることによってケース101内の圧力が高くなると、図3において矢印Aで示すように、ATF混合空気が、ケース101内から接続部16の連通口14を通してブリーザ装置1のブリーザチャンバ2の内部空間に流入する。そして、ATF混合空気は、内側筒状壁部31の下端部の開口から内側筒状壁部31の内部空間に流通する。
内側筒状壁部31の上端部は閉塞されているため、内側筒状壁部31の内部空間に流入したATF混合空気は、内側切り欠き311から流出して、内側筒状壁部31と外側筒状壁部32との間の空間に流入する。このとき、内側筒状壁部31の径方向外方向における内側切り欠き311の位置には、外側筒状壁部32が存在するため、ATF混合空気は、内側筒状壁部31と外側筒状壁部32との間の空間を流通して、外側第1切り欠き321、外側第2切り欠き323に至る。即ち、ATF混合空気は、ラビリンス構造を有する筒状壁30において、気液分離が促進される。
外側第1切り欠き321に至ったATF混合空気は、外側第1切り欠き321から筒状壁30の外部へと流出し、図2における上方向へ流れる。この上方向には、上側延出部2010が図2の上方向へ進むにつれて、鉛直下側へ徐々に下がっており、下半体10の底板部11へ接近しているため、上側延出部2010の面積が広く、ATF混合空気に含まれる液体のATFは、上側延出部2010の下面において液滴となり、ATF混合空気の気液分離が促進される。そして、十分に気液分離された空気は、図2において外側筒状壁部32の周囲を回るようにして、図2における外側筒状壁部32の右側を流れ、図2において下側に位置する排気口2022に至り、排気口2022からブリーザチャンバ2の外部へと排出される。
外側第2切り欠き323に至ったATF混合空気は、外側第2切り欠き323から筒状壁30の外部へ流出し、図2における左下方向へ流れる。この左下方向には、下半体10の周壁部12が存在し、ATF混合空気は、周壁部12に衝突する。周壁部12と、外側第2切り欠き323を形成している外側筒状壁部32の部分との隙間は、外側第1切り欠き321の幅と比較して遥かに小さいため、わずかな量のATF混合空気が、この隙間を通って気液分離が促進され、気液分離された空気が排気口2022の方向へ流れる。そして、十分に気液分離された空気は、図2において下側に位置する排気口2022に至り、排気口2022からブリーザチャンバ2の外部へと排出される。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、車両に搭載される原動機ないし原動機に係る伝動機構のケース101の内部と外部との通気を、ブリーザチャンバ2を通して行うブリーザ装置1は、ブリーザチャンバ2の内部にケース101の内部からATF混合空気を流通する管状の接続部16と、ブリーザチャンバ2内に設けられ、一端部が閉塞され他端部が開口する筒状を有し、他端部の開口から一端部に向けて接続部16からのATF混合空気が流通する筒状壁30と、を有する。
このため、接続部16からの流体としてのATF混合空気が、筒状壁30の内部空間に確実に流入し、筒状を有する筒状壁30の内面に全方位において衝突する。これにより、ATF混合空気の気液分離が促進される。また、連通口14を通してトランスミッションから飛散するATFが、内側筒状壁部31の内面及び天板部21の下面に衝突する。これにより、ATFのオイルミストと同様に、連通口14を通してATFをケース101内に戻すことが可能となる。
また、筒状壁30には、筒状壁30の内部の空間と筒状壁30の外部の空間とを連通する筒状壁流路としての外側第1切り欠き321が形成されている。このため、筒状壁30の内部の空間から筒状壁30の外部の空間へとATF混合空気が流通し、筒状壁30の内部の空間に、ATF混合空気が気液分離されて生じた空気が溜まることを抑えることが可能となる。
また、ブリーザチャンバ2は、ブリーザチャンバ2の内部の気体をブリーザチャンバ2の外部へ排出する排気口2022を有する。筒状壁流路としての外側第1切り欠き321は、筒状壁30の軸心を中心として排出口と90度以上の角度をなす位置に形成されている。このため、外側第1切り欠き321から排気口2022までの距離をより長く確保することが可能となる。この結果、ATF混合空気が筒状壁30や周壁部12により多く接触し、ATF混合空気の気液分離が促進される。
また、筒状壁30は、少なくとも二重の筒状壁部としての内側筒状壁部31及び外側筒状壁部32により構成される多重筒状を有し、内側筒状壁部31、外側筒状壁部32には、内側筒状壁部31、外側筒状壁部32の内部の空間と内側筒状壁部31、外側筒状壁部32の外部の空間とを連通する筒状壁部流路としての内側切り欠き311、外側第1切り欠き321がそれぞれ形成されている。
最も外側に位置する外側筒状壁部32に形成された筒状壁部流路としての外側第1切り欠き321は、外側筒状壁部32の軸心を中心として排気口2022と90度以上の角度をなす位置に形成されている。
最も外側に位置する筒状壁部である外側筒状壁部32以外の一の筒状壁部である内側筒状壁部31に形成された内側切り欠き311は、内側筒状壁部31の径方向において、内側筒状壁部31の外側に隣接する外側筒状壁部32の外側第1切り欠き321には対向せずに外側筒状壁部32の壁面に対向する。
このため、外側第1切り欠き321から排気口2022までの距離をより長く確保することが可能となる。この結果、ATF混合空気が筒状壁30や周壁部12により多く接触し、ATF混合空気の気液分離が促進される。
また、ブリーザチャンバ2は、上半体20と下半体10とを有する。接続部16の上端部は、下半体10において上方向に開口する。筒状壁30は、上半体20から下方向へ延び、筒状壁30の他端部の開口は、接続部16の上端部の連通口14に対向する。
上半体20には、ブリーザチャンバ2の内部の分離空気をブリーザチャンバ2の外部へ排出する排気口2022が、上下方向視で接続部16の上端部の連通口14からずれた位置に形成されている。このため、連通口14からブリーザチャンバ2内に流入したATF混合空気が、そのまま排気口2022から排出されることを抑えることが可能となる。また、筒状壁30は上半体20から延びているため上半体20の剛性が高められる。
また、上半体20は、下半体10に接近するように形成された上側延出部2010を有する。外側第1切り欠き321は、上側延出部2010に沿った方向に外側第1切り欠き321からATF混合空気が流れるように、上側延出部2010に向けて開口している。このため、上半体20の内面の面積を広くすることが可能となり、より広い面積でATF混合空気が上半体20に接触することが可能となる。この結果、ATF混合空気の気液分離が促進される。また、上側延出部2010を有する上半体の部分の剛性が高められる。
また、下半体10は、ケース101の取付部1011に嵌合する。上半体20は、下半体10を施蓋し、ケース101に固定される。このため、ブリーザ装置1をケース101に確実に取付られるため、ブリーザ装置1によってATF混合空気の気液分離が十分に行われるため、トランスアクスル100のケース101内のATFの消泡性能の低下等によりブリーザ吹きが生じることが抑えられ、ケース101の内部と外部との通気を、ブリーザ装置1のブリーザチャンバ2を通して行うことが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、ブリーザ装置の各部の構成は、本実施形態におけるブリーザ装置1の各部の構成に限定されない。具体的には、例えば、筒状壁や、筒状壁を構成する筒状壁部や、筒状流路は、筒状壁30や、内側筒状壁部31及び外側筒状壁部32や、内側切り欠き311及び外側第1切り欠き321の構成に限定されない。
また、筒状壁30は、二重の筒状壁部により構成される多重筒状を有していたが、この構成に限定されない。例えば、筒状壁は、三重、四重等の筒状壁部により構成される多重筒状を有していてもよいし、一つの筒状壁部により構成されて、多重筒状を有していなくてもよい。
1…ブリーザ装置
2…ブリーザチャンバ
16…接続部
10…下半体
20…上半体
30…筒状壁
31…内側筒状壁部(筒状壁部)
32…外側筒状壁部(筒状壁部)
101…ケース
311…内側切り欠き(筒状壁部流路)
321…外側第1切り欠き(筒状壁流路、筒状壁部流路)
1011…取付部
2010…上側延出部(下方接近部)
2022…排気口(排出口)

Claims (8)

  1. 車両に搭載される原動機ないし前記原動機に係る伝動機構のケースの内部と外部との通気を、ブリーザチャンバを通して行うブリーザ装置であって、
    前記ブリーザチャンバの内部に前記ケースの内部から流体を流通する管状の接続部と、
    前記ブリーザチャンバ内に設けられ、一端部が閉塞され他端部が開口する筒状を有し、前記他端部の開口から一端部に向けて前記接続部からの流体が流通する筒状壁と、を有し、
    前記接続部から、前記筒状壁の閉塞された一端部側への方向を上方向として、前記接続部の上端部は、前記筒状壁の下端より下で開口していることを、特徴とするブリーザ装置。
  2. 前記接続部の上端部は、前記ブリーザチャンバの底板部より上方向に突き出しておらず前記底板部よりも下にあることを、特徴とする請求項1に記載のブリーザ装置。
  3. 前記筒状壁には、切り欠きにより前記筒状壁の内部の空間と前記筒状壁の外部の空間とを連通する筒状壁流路が形成されている請求項に記載のブリーザ装置。
  4. 前記ブリーザチャンバは、前記ブリーザチャンバの内部の気体を前記ブリーザチャンバの外部へ排出する排出口を有し、
    前記筒状壁流路は、前記筒状壁の軸心を中心として前記排出口と90度以上の角度をなす位置に形成されている請求項に記載のブリーザ装置。
  5. 前記筒状壁は、少なくとも二重の筒状壁部により構成される多重筒状を有し、各前記筒状壁部には、前記切り欠きにより前記筒状壁部の内部の空間と前記筒状壁部の外部の空間とを連通する筒状壁部流路がそれぞれ形成され、
    最も外側に位置する前記筒状壁部に形成された前記筒状壁部流路は、前記筒状壁部の軸心を中心として前記排出口と90度以上の角度をなす位置に形成され、
    最も外側に位置する前記筒状壁部以外の一の前記筒状壁部に形成された前記筒状壁部流路は、前記一の筒状壁部の径方向において、前記一の筒状壁部の外側に隣接する他の前記筒状壁部の前記筒状壁部流路には対向せずに前記他の筒状壁部に対向する、請求項に記載のブリーザ装置。
  6. 前記ブリーザチャンバは、上半体と下半体とを有し、
    前記接続部の上端部は、前記下半体において上方向に開口し、
    前記筒状壁は、前記上半体から下方向へ延び、前記筒状壁の他端部の開口は、前記接続部の上端部の開口に対向し、
    前記上半体には、前記ブリーザチャンバの内部の気体を前記ブリーザチャンバの外部へ排出する排出口が、上下方向視で前記接続部の上端部の開口からずれた位置に形成されている請求項〜請求項に記載のブリーザ装置。
  7. 前記上半体は、前記下半体に接近するように形成された下方接近部を有し、
    前記筒状壁流路は、前記下方接近部に沿った方向に前記筒状壁流路から流体が流れるように、前記下方接近部に向けて開口している請求項に記載のブリーザ装置。
  8. 前記下半体は、前記ケースの取付部に嵌合し、
    前記上半体は、前記下半体を施蓋し、前記ケースに固定される請求項又は請求項に記載のブリーザ装置。
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