JP6488207B2 - すべり軸受装置 - Google Patents
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Description
近年、都市化の進展により、緑地の減少及び路面のコンクリート化、アスファルト化の拡大が進むことでヒートアイランド現象が発生し、いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる局所的な集中豪雨が都市部で頻発している。局所的な大量の降雨は、コンクリート化、アスファルト化した路面では、地中に吸収されることなくそのまま水路に導かれる。その結果、大量の雨水が、短時間のうちに排水機場に流入する。
図3に示すように、立軸ポンプ3は、ポンプ設置床に設置固定される吐出エルボ30と、この吐出エルボ30の下端に接続されるケーシング29と、ケーシング29の下端に接続されるとともにインペラ22を内部に格納する吐出ボウル28と、吐出ボウル28の下端に接続されるとともに水を吸い込むための吸い込みベル27とを備えている。
回転軸10は、支持部材を介してケーシング29に固定されている上部軸受32と、支持部材を介して吐出ボウル28に固定されている下部軸受33によって支持されている。回転軸10の一端側(吸い込みベル27側)には、水をポンプ内に吸い込むためのインペラ22が接続されている。回転軸10の他端側は、吐出エルボ30に設けられた孔を通って立軸ポンプ3の外部へ延び、インペラ22を回転させる図示しないエンジンやモータ等の駆動機へ接続される。
回転軸10と吐出エルボ30に設けられた孔との間には、フローティングシール、グランドパッキンまたはメカニカルシール等の軸シール34が設けられており、軸シール34により立軸ポンプ3が扱う水が立軸ポンプ3の外部に流出することを防止する。
尚、図3における立軸ポンプ3は、回転軸10について、軸受32,33が2箇所配置されているが、回転軸10の長さが長くなれば、それに応じてより多くの軸受が配置される。
また、ポンプ機場はより深い地下に配置されるようになり、それに応じた先行待機ポンプも長軸化と高揚程化が必要とされてきている。高揚程化に対応するには、回転数をあげる必要があり、また、長軸化に応じて軸径を太くし、剛性を高める必要が生まれてきた。
しかしながら、軸径を太くし、回転数を上げることにより、新たな技術的課題が発生する虞がある。図6(a),(b)は、ポンプ運転時における回転軸10、スリーブ11およびすべり軸受1の状態を示す模式的断面図である。ドライ運転においては、回転軸が従来に比べて高速で回転するので、軸受32,33におけるすべり軸受1と、回転軸10に取り付けたスリーブ11が摺動する際に、接触部で多大な摩擦熱が発生しやすくなり、そこで局所的に高温となる虞がある。図6(a),(b)において斜線部は局所的に高温になる部分である。
さらに、軸曲がりによる変位が軸受すきまより大きくなると、図6(b)に示すように、逆位相の2点接触状態となり、曲げ変位が拘束される。さらに熱膨張が続くために押付荷重が上昇するが、荷重上昇⇒発熱量増加⇒熱曲がり加速⇒荷重上昇といった悪循環に陥り、加速度的に軸受温度が上昇する。
このことにより、摺動層及び、すべり軸受が損傷する虞がある。したがって、摺動層の摺動摩擦による局部高温化を低減する必要があるが、摺動層の局部高温化する場所は予めどこに発生するかわからないので、摺動層のどこで高温化しても対応できるようにしなければならない。
本発明の好ましい態様によれば、前記複数個に分割された摺動層の軸方向の長さは、等しいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記伝熱環の軸方向の端面は、分割された前記摺動層の軸方向の端面と接していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記伝熱環の外径は、前記摺動層の外径と略等しいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記断熱層は、前記回転軸と前記伝熱層との間に空隙を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記断熱層は、前記回転軸と前記断熱層との間に空隙を有することを特徴とする。
本発明のポンプは、上記すべり軸受装置を用いたことを特徴とする。
本発明の回転流体機械用スリーブは、回転流体機械の回転軸に装着されるスリーブであって、前記スリーブは、回転軸側から断熱層、伝熱層、摺動層の順序で積層した三層構造からなり、前記摺動層を軸方向で分割し、分割した摺動層の間に円環状の伝熱環を配置し、前記伝熱環の内周面は前記伝熱層に接していることを特徴とする。
(1)内周から外周に断熱層、伝熱層、摺動層の順序で積層した三層構造のスリーブを回転軸の外周に設けた構造において、摺動層を軸方向で分割するとともに伝熱層と接する伝熱環を設けたので、すべり軸受と軸の接触部の摩擦熱に伴う局所的な高温化が摺動層表面のどこで発生しても、摺動層から伝熱層に伝熱するだけでなく発熱部に最も近い伝熱環を介して伝熱層に伝熱するので、熱を速やかに拡散させることができる。
(2)回転流体機械において、回転軸の軸径の拡大化あるいは軸の長軸化が進み、軸外周の周速がより高速化しても、すべり軸受と軸の接触部の摩擦熱に伴う局部的高温化を低減し、接触部の熱を速やかに分散して放熱することができる。
図7に示すように、スリーブ11は、回転軸側から断熱層11A、伝熱層11B、摺動層11Cに積層しており、摺動層11Cの外周がすべり軸受1の内周と相対している。断熱層11Aとは、材料自体の断熱特性を利用する場合も、材料自体は断熱性はなくても構造的に断熱特性を持たせた場合も含んでいる。
断熱層11Aは、回転軸10、摺動層11C、に比べて熱伝達が悪い。すなわち熱伝達係数が小さい。このため、摺動層11Cで局所的に発生する摩擦熱が回転軸10までの伝熱ルートの最短距離だけを通して回転軸10に熱を伝えることを防ぐ。伝熱層11Bから熱が回転軸10に容易に伝わらないようにするため、伝熱層11Bの面と回転軸10の面の間に断熱層11Aは介在し、伝熱層11Bが回転軸10に密着することを妨げている。なお、図示するように、断熱層11Aの端部にフランジ状に半径方向外側に延びる部分を形成し、伝熱層11Bと回転軸10との直接接触および摺動層11Cと回転軸10との直接接触を防止するようにしてもよい。
摺動層11Cの摩擦熱に応じて伝熱層11Bの温度が均等に上昇し、回転軸10との温度差が次第につくと、その温度差と断熱層11Aの熱伝達率にみあった熱が回転軸10に流れる。摩擦熱が一定になれば、伝熱層11Bと回転軸10の温度差は一定となる。断熱層11Aの熱伝達率が小さいほど、温度差は大きくなり、回転軸10の温度上昇は小さくなる。
このことにより、摺動層11C及びすべり軸受1が損傷する虞がある。
また、伝熱環11B’と各々の分断された摺動層11Cの位置を、一点鎖線Lに対して軸方向に線対称な状態にすると、分断された摺動層11Cのどちら側で局所高温化しても伝熱環11B’までの距離が比較的均等であるので、接触部の熱を速やかに分散して放熱でき、接触部の局所に熱が偏らないようにすることができる。
図9に示すように、本発明の軸受装置は、回転軸10の外周に、各層が異なる性質をもつ同心の三層構造からなるスリーブ11を有している。スリーブ11は回転軸10に固定されており、回転軸10の回転に伴って回転する。スリーブ11の外周に相対してすべり軸受1がスリーブ11を囲んで配置されている。すべり軸受1は、ポンプケーシングなどに接続している支持部材13に軸受ケース12を介して固定されている。
摺動層11Cの局所高温化する場所から、摺動層11Cの径方向の厚みを通る熱伝達の経路のほかに、摺動層11Cの局所高温化する場所に最も近い伝熱環11B’に熱を伝える熱伝達の経路が形成されるので、従来の熱伝達経路に比べて伝熱環11B’を介して伝熱層11Bにより速やかに熱を伝えることができる。
伝熱層11Bおよび伝熱環11B’は、必ずしも同じ材料でなくてもよいが、銅、金、銀、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属及びその合金、又は炭素及びその複合材料からなる。
摺動層11Cは、樹脂及びその複合材料、ステンレス鋼、セラミックス、焼結金属、表面改質された金属、炭素及びその複合材料からなる。
図9に示すように、複数の伝熱環11B’により摺動層11Cを更に細かく分断してもよい。分断された摺動層11Cの軸方向の長さをすべて加算した長さと、摺動層11Cの径方向の厚みは、摺動負荷に応じて決められる。
また、伝熱環11B’の軸方向の長さは、伝熱だけを考えると長い方が良いが、摺動負荷を考えると必ずしもそうではない。摺動層11Cの熱伝導率は、伝熱層11Bまたは伝熱環11B’の熱伝導率に比べて一桁以上小さいので、伝熱環11B’の長さは、摺動層11Cの径方向の厚みの1倍〜1/4倍程度でも構わない。
さらに、伝熱環11B’と各々の分断された摺動層11Cの位置は、図示のように中央の伝熱環11B’の軸方向の中心を通る一点鎖線Lに対して軸方向に線対称な状態にすることが好ましい。このようにすると、分断された摺動層11Cのどこで局所高温化しても伝熱環11B’までの距離が比較的均等であるので、接触部の熱を速やかに分散して放熱でき、接触部の局所に熱が偏らないようにすることができる。
尚、伝熱環11B’は、図8(b)に示すように1か所であってもよいし、図9に示すように複数個所あってもよい。
摺動層11Cの摩擦熱に応じて伝熱層11Bの温度が均等に上昇し、回転軸10との温度差が次第につくと、その温度差と断熱層11Aの熱伝達率にみあった熱が回転軸10に流れる。摩擦熱が一定になれば、伝熱層11Bと回転軸10の温度差は一定となる。断熱層11Aの熱伝達率が小さいほど、温度差は大きくなり、回転軸10の温度上昇は小さくなる。
図10に示す軸受装置は、図9に示したものと基本的な構成は同じである。すなわち、スリーブ11は、回転軸側から断熱層11A、伝熱層11B、摺動層11Cに積層しており、摺動層11Cの外周がすべり軸受1の内周と相対している。但し、摺動層11Cは伝熱環11B’により軸方向に複数に分割されている。
図10に示すように、図9の構成に加え、さらに、伝熱層11Bが摺動層11Cの両端から軸方向に延びる部分であって、伝熱層11Bの体積を大きくして熱容量を大きくするとともに外気と直接的に接する部分11Ba,11Baを設けている。
図10に示すように、断熱層11Aに空隙11gを設けている。図10に示す例では、空隙11gは回転軸10の周方向に帯状に設けられている。空隙の間の空間は空気なので、熱の伝達は固体によるものより小さくなる。このような空気の層をバランスよく持てば、単に熱伝導率の小さい材料を断熱層として用いるよりも断熱効果は向上する。
尚、空隙11gは断熱層11Aの内周側に軸方向に複数個設けてもよい。
図3に示した立軸ポンプ3は、ポンプ起動時には大気中で運転される。すなわち、軸受32、33は液体の潤滑のないドライ条件で運転される。ここでドライ条件とは、ポンプ運転中の軸受32、33の雰囲気が、液体の潤滑がない大気中である条件をいい、ドライ運転とはその条件で運転することをいう。また、図4に示した軸受32、33は軸受に通水した排水条件でも運転される。ここで、排水条件とは、ポンプ運転中の軸受32、33の雰囲気が、土砂等の異物(スラリー)が混入した水中である条件をいい、排水運転とはその条件で運転すること、例えば気水混合運転、全量運転等、エアロック運転等をいう。このような条件で軸受32、33が使用される。
ところで、本発明に係るスリーブ、あるいは摺動層と伝熱層の互いの端部が接した状態で摺動層と伝熱層が回転軸を環状に囲む構造のスリーブは、すべり軸受だけでなく、例えば、コンプレッサや蒸気タービンなどの液体の潤滑のない条件で運転する回転流体機械の回転軸に装着してラビリンスシール部などに用いることができる。また、立軸に限らず横軸回転機械にも用いられる。このようにすることにより、スリーブの高温化、回転軸の曲がりをおさえ、回転流体機械の大容量化や、高速回転化を行うことができる。
1a 内周面
1b 外周面
3 立軸ポンプ
5 貫通孔
6 空気管
6a 開口
10 回転軸
11 スリーブ
11A 断熱層
11B 伝熱層
11Ba 伝熱層の延長部分
11B’ 伝熱環
11C 摺動層
11g 空隙
12 軸受ケース
12a つば部
13 支持部材
22 インペラ
26 軸継手
27 吸い込みベル
28 吐出ボウル
29 ケーシング
30 吐出エルボ
32 上部軸受
33 下部軸受
34 軸シール
100 水槽
Claims (11)
- 回転流体機械の回転軸の支持に使用され、軸受すべり面が大気中に露出するドライ条件で使用されるすべり軸受装置であって、
前記回転軸の外周に固定されたスリーブと、
前記スリーブが摺接する軸受すべり面を有したすべり軸受とを備え、
前記スリーブは、回転軸側から断熱層、伝熱層、摺動層の順序で積層した三層構造からなり、
前記摺動層を軸方向で分割し、分割した摺動層の間に円環状の伝熱環を配置し、
前記伝熱環の内周面は前記伝熱層に接していることを特徴とするすべり軸受装置。 - 前記伝熱環は、前記摺動層より軸方向の長さが短いことを特徴とする請求項1記載のすべり軸受装置。
- 前記複数個に分割された摺動層の軸方向の長さは、等しいことを特徴とする請求項1または2記載のすべり軸受装置。
- 前記伝熱環の軸方向の端面は、分割された前記摺動層の軸方向の端面と接していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のすべり軸受装置。
- 前記伝熱環の外径は、前記摺動層の外径と略等しいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のすべり軸受装置。
- 前記伝熱層は、前記摺動層の一端または両端から軸方向に延びた部分を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のすべり軸受装置。
- 前記断熱層は、前記回転軸と前記伝熱層との間に空隙を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のすべり軸受装置。
- 前記断熱層は、前記回転軸と前記断熱層との間に空隙を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載のすべり軸受装置。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のすべり軸受装置を用いたことを特徴とする回転流体機械。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のすべり軸受装置を用いたことを特徴とするポンプ。
- 回転流体機械の回転軸に装着されるスリーブであって、
前記スリーブは、回転軸側から断熱層、伝熱層、摺動層の順序で積層した三層構造からなり、
前記摺動層を軸方向で分割し、分割した摺動層の間に円環状の伝熱環を配置し、
前記伝熱環の内周面は前記伝熱層に接していることを特徴とする回転流体機械用スリーブ。
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| JP2015137932A JP6488207B2 (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | すべり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2015137932A JP6488207B2 (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | すべり軸受装置 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2015137932A Active JP6488207B2 (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | すべり軸受装置 |
Country Status (1)
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2015
- 2015-07-09 JP JP2015137932A patent/JP6488207B2/ja active Active
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| JP2017020559A (ja) | 2017-01-26 |
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