JP6490976B2 - 2層プリフォームおよびブロー成形体 - Google Patents

2層プリフォームおよびブロー成形体 Download PDF

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Description

本発明は、共重合ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの2層からなるプリフォームおよびブロー成形体に関する。
従来、圧力容器は金属製の容器が主流であったが、重量が重いため持ち運びに苦労し、輸送する際のエネルギーコストも高くなる問題があり、樹脂製容器の検討が行われている。しかし、樹脂製の圧力容器は、容器の重量を軽くできる利点があるが、金属に比べるとガスバリア性に劣るため、容器の厚みを増す必要がある。
ポリエチレンテレフタレートは、安価で入手しやすく、ガスバリア性にも優れるため、広くペットボトルなどに使用されているが、プリフォーム成形中にプリフォームが結晶化し、ブロー成形できなくなるためプリフォームの厚みを増すことが出来ない。これに対し、特許文献1には、ガスバリア性に優れ、かつ結晶性の低いイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの多層容器が開示されている。イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートは共重合比率が増えるとガスバリア性は向上するが、共重合比率と共に重合度を上げることが困難になるため、特許文献1に記載の構成では付与できるガスバリア性には限界があり、また増やせるプリフォームの厚みにも限界があった。
一方、ポリエチレンナフタレートはポリエチレンテレフタレートを超えるガスバリア性を有し、結晶化速度も遅いためプリフォームの厚みを増すことが出来るため、圧力容器に適した材料である。しかしながら、ポリエチレンテレフタレートと比べ非常に高価である問題があった。このため、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの多層成形体が多く開示されている。例えば、特許文献2にはポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの多層プリフォームが例示されているが、容器胴部の肉厚は0.1〜0.5mmと薄いため、圧力容器などの高圧が加わる容器ではガスバリア性が不十分であった。
特開昭59−067049号公報 特開平4−039025号公報
本発明の目的は、肉厚であってもブロー成形可能であり、かつガスバリア性に優れ、設計どおりの胴部厚みとなり、かつ経済性に優れたプリフォームおよびブロー成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート層の厚み、ポリエチレンナフタレート層の厚みを特定範囲にすることで、肉厚であってもブロー成形可能で、かつガスバリア性に優れたプリフォームおよびブロー成形体が提供できることを見出し、上記課題を解決するに至った。
すなわち、上記課題は、(A)ジカルボン酸成分(A−1成分)が、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−1成分)80〜95モル%およびイソフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−2成分)5〜20モル%からなり、ジオール成分(A−2成分)がエチレングリコールからなる、共重合ポリエチレンテレフタレートよりなる層(A層)および(B)ジカルボン酸成分(B−1成分)が、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体(B−1−1成分)80〜100モル%並びにテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのエステル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種(B−1−2成分)0〜20モル%からなり、ジオール成分(B−2成分)がエチレングリコールからなる、ポリエチレンナフタレートよりなる層(B層)から構成される2層構造のプリフォームであり、プリフォーム胴部のA層の厚みが5mm以上であり、B層の厚みが10mm以上であり、かつ総厚みが15mm以上である2層構造のプリフォームにより達成される。
肉厚であってもブロー成形可能なプリフォームであるため、ガスバリア性に優れ、各種圧力容器、例えば、LPGボンベ、炭酸ボンベ、酸素ボンベ、天然ガスボンベなどのライナーとして使用することが出来るため、産業上有用である。
本発明に係るプリフォームの断面図である。 本発明に係るブロー成形体の断面図である。
以下、本発明に使用する各樹脂層の調製方法、成形加工方法について順次説明する。
<A層>
本発明においてA層で使用される共重合ポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分(A−1成分)が、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−1成分)80〜95モル%およびイソフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−2成分)5〜20モル%からなり、ジオール成分(A−2成分)がエチレングリコールからなる共重合ポリエチレンテレフタレートである。
A−1−1成分とA−1−2成分の共重合割合は、好ましくはA−1−1成分が80〜88モル%、A−1−2成分が12〜20モル%、さらに好ましくはA−1−1成分が85〜88モル%、A−1−2成分が12〜15モル%である。A−1−2成分の比率が5モル%未満であると、結晶性が高すぎるために肉厚のプリフォームを成形したときに結晶化してしまい、ブロー成形時に膨らむことが出来ずに破損する。A−1−2成分の比率が20モル%を超えると、結晶性が低下し、ブロー成形時に胴部厚みが薄くなるため好ましくない。なお、胴部厚みが薄くなることにより、肩部および底部の厚みは逆に厚くなる。なお、本発明の共重合ポリエチレンテレフタレートは、本発明の趣旨に反しない範囲で他のジカルボン酸成分およびジオール成分を10モル%以下の範囲で含むことができる。
共重合ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)は、0.5〜1.0dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.55〜0.90dl/g、さらに好ましくは0.6〜0.85dl/gである。固有粘度が1.0dl/gより大きいと、射出成形時に加わる樹脂圧力の増加により、ゲート部分(容器の底部)が白化する外観不良を起こすことがある。固有粘度が0.5dl/g未満であると、共重合ポリエチレンテレフタレートの結晶性が高くなり、肉厚プリフォームを成形したときに結晶化し、ブロー成形時に破損することがある。なお、固有粘度は、樹脂0.6gをフェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)混合溶媒50ml中に加熱溶融した後、室温に冷却し、得られた樹脂溶液の粘度を、オストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定し、得られた溶液粘度のデータから求めた。
本発明の共重合ポリエチレンテレフタレートは、エステル交換法あるいは直接エステル化法のいずれの方法でも製造することができる。なお、エステル交換法にて製造する場合はエステル交換反応触媒を必要とする。エステル交換反応触媒は特に限定されず、一般にポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応触媒として広く用いられるマンガン化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、チタン化合物、亜鉛化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セリウム化合物、リチウム化合物等が挙げられる。また、整色剤としても作用するエステル交換反応触媒として、コバルト化合物が含有されていてもよい。
本発明の共重合ポリエチレンテレフタレートを直接エステル化法にて製造する場合は、上記エステル交換法の場合のようにエステル交換反応触媒を使用しないため触媒を失活させる必要はないものの、安定剤としてリン化合物の残存量が全酸成分に対して5〜100ミリモル%となるよう添加することが好ましい。リン化合物の残存量が上記範囲にあれば、耐熱性および色相の点で好ましい。
重縮合触媒としてはチタン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物が好ましく用いられる。アンチモン化合物としては酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモン酸グリコレート等があげられるが中でも三酸化アンチモンが好ましく用いられる。アンチモン化合物が含有される場合、アンチモン化合物の含有量は三酸化アンチモンに換算して全酸成分に対して5〜40ミリモル%であることが好ましい。アンチモン化合物の含有量が5ミリモル%未満の場合重合活性が低く、重縮合時間が長くなり生産サイクルの低下等の経済面で好ましくないばかりでなく、副反応生成物の増加及び色相の悪化等の品質面でも劣るため好ましくない。アンチモン化合物の含有量が40ミリモル%を超える場合、アンチモン化合物の析出に起因する黒色化等、色相面及び分解反応の促進による副反応生成物が多くなるという点で好ましくない。
ゲルマニウム化合物としては二酸化ゲルマニウムが好ましく用いられる。ゲルマニウム化合物が含有される場合、ゲルマニウム化合物の含有量は全酸成分に対して15〜50ミリモル%であることが好ましい。15ミリモル%未満の場合重合活性が低く、重縮合時間が長くなり生産サイクルの低下等の経済面で好ましくないばかりでなく、副反応生成物の増加及び色相の悪化等の品質面でも劣るため好ましくない。ゲルマニウム化合物の含有量が50ミリモル%を超える場合、分解反応の促進による副反応生成物が多くなるという点で好ましくない。
チタン化合物としては、テトラアルキルチタネートが好ましく用いられる。チタン化合物が含有される場合、安定剤としてn−ブチルホスフェートが必要である。含まれるチタン原子に対するリン原子のモル比率(P/Ti)が1〜3となるようにする必要がある。P/Tiが1未満であると、相対的にリン原子濃度が少なくなるため、得られるポリマーの色相が、不十分になり黄味を帯びるようになり、かつその耐熱性が低下することもある。一方、P/Tiの値が3を超えると相対的にリン原子濃度が多くなるため重合性、すなわち重縮合反応速度が低下等の経済面で好ましくない。また、チタン化合物の含有量としては全酸成分に対して2〜40ミリモル%であることが好ましい。チタン化合物の含有量が2ミリモル%未満の場合重合活性が低く、重縮合時間が長くなり生産サイクルの低下等の経済面で好ましくない。チタン化合物の含有量が40ミリモル%を超える場合、得られるポリマーの色相が不十分になり、黄色味を帯びるようになり、その実用性が低下することがある。
共重合ポリエチレンテレフタレートを所望の固有粘度に調整するために、さらに固相重合をかけることが出来る。固相重合における反応温度は、230℃以下とすることが好ましい。固相重合反応温度が230℃を超えて実施される場合、得られるポリマーの結晶化度が高くなり、成形品の外観を損ない、核剤として作用するため成形品の白化等をもたらすため好ましくない。
<B層>
本発明においてB層で使用されるポリエチレンナフタレートは、ジカルボン酸成分(B−1成分)が、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体(B−1−1成分)80〜100モル%並びにテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのエステル誘導体からなる群より選ばれる1種(B−1−2成分)0〜20モル%からなり、ジオール成分(B−2成分)がエチレングリコールからなる、ポリエチレンナフタレートである。
B−1−1成分とB−1−2成分の共重合割合は、好ましくはB−1−1成分が85〜100モル%、B−1−2成分が0〜15モル%、さらに好ましくはB−1−1成分が90〜98モル%、B−1−2成分が2〜10モル%である。B−1−2成分が20モル%を超えると結晶性が低下し、ブロー成形時に胴部厚みが薄くなり、また急激にガスバリア性が悪化するため、容器としてのガスバリア性を維持できない。なお、本発明のポリエチレンナフタレートは、本発明の趣旨に反しない範囲で他のジカルボン酸成分およびジオール成分を10モル%以下の範囲で含むことができる。
ポリエチレンナフタレートの固有粘度(IV)は、0.5〜1.0dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.55〜0.90dl/g、さらに好ましくは0.6〜0.85dl/gである。固有粘度が1.0dl/gより大きいと、射出成形時に加わる樹脂圧力の増加により、ゲート部分(容器の底部)が白化する外観不良を起こすことがある。固有粘度が0.5dl/g未満であると、ポリエチレンナフタレートの結晶性が高くなり、肉厚プリフォームを成形したときに結晶化し、ブロー成形時に破損することがある。なお、固有粘度は、共重合ポリエチレンテレフタレートと同様の方法で測定した。
ポリエチレンナフタレートは、従来公知の製造方法によって製造することができる。すなわちジカルボン酸とジオールを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはジカルボン酸ジメチルエステルとジオールを反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度数を増大させるために固相重合を行うことができる。
上記のエステル交換反応、エステル化反応および重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。エステル交換触媒としてはマグネシウム化合物、マンガン化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物などが使用され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、および酸化物などが挙げられる。またエステル化反応は触媒を添加せずに、ジカルボン酸およびジオールのみで実施することが可能であるが、重縮合触媒の存在下に実施することもできる。重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アンチモン化合物などが使用可能であり、例えば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが挙げられる。安定剤としてはリン化合物を用いることが好ましい。好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステル、亜リン酸およびそのエステル並びに次亜リン酸およびそのエステルなどが挙げられる。またエステル化反応時には、ジエチレングリコール副生を抑制するためにトリエチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム、および炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物を添加することもできる。
なお、本発明の共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは、本発明の趣旨に反しない範囲で、加熱助剤、酸化防止剤、離型剤等の各添加剤を含むことが出来る。
<加熱助剤>
本発明のポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは、ブロー成形時の赤外線(IR)ヒーターによる加熱効率を良くし、加熱時間を短縮する目的で、加熱助剤を含むことが出来る。かかる加熱助剤としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムおよび酸化イモニウムなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系や酸化タングステン系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR−362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含む)およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤の含有量は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートそれぞれにおいて、樹脂成分100重量部に対し、0.0005〜0.2重量部が好ましく、0.0008〜0.1重量部がより好ましく、0.001〜0.07重量部がさらに好ましい。上記含有量が0.0005重量部より少ない場合は加熱助剤としての効果が十分に得られずに、ブロー成形時のプリフォームの加熱に時間を多く要する場合がある。また、かかる含有量が0.2重量部よりも多い場合、ブロー成形の過熱時に加熱助剤がブリードアウトする場合がある。金属酸化物系近赤外線吸収剤、金属ホウ化物系近赤外線吸収剤、酸化タングステン系赤外線吸収剤および炭素フィラーの含有量は、樹脂組成物中、0.1〜500ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.5〜300ppmの範囲がより好ましい。上記含有量が0.1ppmより少ない場合は加熱助剤としての効果が十分に得られずに、ブロー成形時のプリフォームの加熱に時間を多く要する場合がある。また、かかる含有量が500ppmよりも多い場合、樹脂成分が大きく分解する場合がある。
<酸化防止剤>
本発明のポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、およびチオエーテル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤を配合することにより、成形加工時の色相や流動性が安定するだけでなく、耐加水分解性の向上にも効果がある。
ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。上記化合物の中でも、テトラキス[メチレン−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましく利用される。特にオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ホスファイト系化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。さらに他のホスファイト系化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。好適なホスファイト系化合物は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイトである。
また、例えば2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン〔「スミライザーGP」(住友化学株式会社製)として市販されている。〕、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジエチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなどを挙げることができる。これらはいずれも入手容易である。上記ホスファイト系化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ホスホナイト系化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト系化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト系化合物との併用可能であり好ましい。ホスホナイト系化合物としてはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、該ホスホナイトを主成分とする安定剤は、Sandostab P−EPQ(商標、Clariant社製)およびIrgafos P−EPQ(商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)として市販されておりいずれも利用できる。上記ホスホナイト系化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
チオエーテル系化合物の具体例として、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。上記チオエーテル系化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化防止剤の含有量は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートそれぞれにおいて、樹脂成分100重量部に対し、0.01〜2重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。酸化防止剤の含有量が0.01重量部より少ない場合は酸化防止効果が不足し、成形加工時の色相や流動性が不安定になるだけでなく、耐加水分解性も悪化する場合がある。また、かかる含有量が2重量部よりも多い場合、酸化防止剤由来の反応成分などがかえって耐加水分解性を悪化させてしまう場合がある。
また、前記ヒンダードフェノール系化合物とホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、チオエーテル系化合物のいずれか2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。ヒンダードフェノール系化合物とホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、チオエーテル系化合物のいずれか2種類以上を組み合わせて使用することで、安定剤としての相乗効果が発揮され、より成形加工時の色相、流動性の安定化、耐加水分解性の向上に効果がある。
<離型剤>
本発明のポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは離型剤を含むことができる。離型剤として具体的には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、パラフィン、低分子量のポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸部分鹸化エステル、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルおよび変性シリコーン等を挙げることができる。これらを配合することで機械特性、成形性、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
脂肪酸としては炭素数6〜40のものが好ましく、具体的には、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、パルミチン酸、モンタン酸およびこれらの混合物等が挙げられる。脂肪酸金属塩としては炭素数6〜40の脂肪酸のアルカリ(土類)金属塩が好ましく、具体的にはステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム等が挙げられる。
オキシ脂肪酸としては1,2−オキシステリン酸等が挙げられる。パラフィンとしては炭素数18以上のものが好ましく、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等が挙げられる。
低分子量のポリオレフィンとしては例えば分子量5000以下のものが好ましく、具体的にはポリエチレンワックス、マレイン酸変性ポリエチレンワックス、酸化タイプポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
脂肪酸アミドとしては炭素数6以上のものが好ましく、具体的にはオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。
アルキレンビス脂肪酸アミドとしては炭素数6以上のものが好ましく、具体的にはメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド等が挙げられる。
脂肪族ケトンとしては炭素数6以上のものが好ましく、高級脂肪族ケトン等が挙げられる。
脂肪酸部分鹸化エステルとしてはモンタン酸部分鹸化エステル等が挙げられる。脂肪酸低級アルコールエステルとしてはステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、アジピン酸エステル、ベヘン酸エステル、アラキドン酸エステル、モンタン酸エステル、イソステアリン酸エステル等が挙げられる。
脂肪酸多価アルコールエステルとしては、グリセロールトリステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールモノステアレート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスルトールトリステアレート、ペンタエリスルトールジミリステート、ペンタエリスルトールモノステアレート、ペンタエリスルトールアジペートステアレート、ソルビタンモノベヘネート等が挙げられる。脂肪酸ポリグリコールエステルとしてはポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリトリメチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
変性シリコーンとしてはポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
そのうち脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドが好ましく、脂肪酸部分鹸化エステル、アルキレンビス脂肪酸アミドがより好ましい。なかでもモンタン酸エステル、モンタン酸部分鹸化エステル、ポリエチレンワックス、酸価ポリエチレンワックス、ソルビタン脂肪酸エステル、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドが好ましく、特にモンタン酸部分鹸化エステル、エチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
離型剤は、1種類で用いても良いし2種以上を組み合わせて用いても良い。離型剤の含有量は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートそれぞれにおいて、樹脂成分100重量部に対し、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.03〜2重量部である。
<プリフォーム>
本発明のプリフォーム胴部の厚みは、共重合ポリエチレンテレフタレート層(A層)の厚みが5mm以上であり、ポリエチレンナフタレート層(B層)の厚みが10mm以上であり、かつ総厚みが15mm以上である。A層の厚みは、好ましくは8mm以上であり、より好ましくは10mm以上である。また、上限は特に規定されないが、20mm以下が好ましい。B層の厚みは、好ましくは15mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。また、上限は特に規定されないが、30mm以下が好ましい。さらに、総厚みは、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上である。また、上限は特に規定されないが、50mm以下が好ましい。A層の厚みが5mm未満では、使用する共重合ポリエチレンテレフタレートの使用量が少なすぎるため、プリフォームのトータルコストが高くなる。B層の厚みが10mm未満では、容器としてのガスバリア性が十分でなくなる。また、総厚みが15mm未満では、容器としてのガスバリア性が十分でなくなる。
A層およびB層は、内層、外層のどちらにも用いることが出来るが、コスト的な観点から、少ない樹脂量で厚みを増やすことが出来るため内層にB層を用いることが好ましい。
本発明の共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートは、通常ペレットとして得られ、これを原料としてプリフォームを成形する。成形方法は、射出成形、プレス成形、押出成形など各種成形方法を選択出来るが、プリフォームを結晶化させずに急冷する観点から、射出成形、プレス成形が好ましい。射出成形においては、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ホットランナー方式の成形法も可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、急速加熱冷却金型成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。プリフォームの作製においては、共重合ポリエチレンテレフタレート層(A層)とポリエチレンナフタレート層(B層)からなるプリフォームを共射出成形にて1ステージで作製することもでき、また共重合ポリエチレンテレフタレート層(A層)またはポリエチレンナフタレート層(B層)を射出成形した後、他方の層を射出成形する2ステージの逐次成形で作製することもできる。プリフォームを作製する場合、例えば射出成形であれば、各ペレットを130〜170℃の熱風乾燥機で5時間以上予備乾燥した後、シリンダ温度260〜300℃で溶融し、射出成形するのが好ましい。予備乾燥温度が130℃未満では乾燥が不十分となり、ペレット中に残存した水分によって樹脂分解を起こし、固有粘度が安定しない場合があり、予備乾燥温度が170℃より高いとペレットが黄変し、成形体の外観が損なわれる場合がある。プリフォームを成形する際の金型温度は5〜40℃が好ましく、10〜30℃が更に好ましい。金型温度が5℃未満では、金型の結露により成形品にシルバーなどの外観が多発する場合があり、金型温度が40℃を超えるとプリフォームの結晶化が進み、ブロー成形の際に容器が破損する場合がある。
<ブロー成形>
本発明の容器の作製方法は、任意の方法が採用される。例えば、ダイレクトブロー成形、押出ダイレクトブロー成形、1ステージの2軸延伸ブロー成形、2ステージの2軸延伸ブロー成形などを挙げることができるが、2ステージの2軸延伸ブロー成形が好ましい。
本発明の容器は、胴部の厚み換算で10〜20倍の延伸倍率が好ましく、12〜18倍の延伸倍率が更に好ましい。延伸倍率が10倍未満の場合、容器に延伸ムラが発生するためガスバリア性が低下する場合がある。延伸倍率が20倍を超えると部分的に微細なクラックが生じることがあるため好ましくない。
2ステージにて2軸延伸ブローする場合、ブロー成形する前に予め加熱(予備加熱)しておくのが好ましい。予備加熱温度は、70〜140℃が好ましく、90℃〜130℃が好ましく、100℃〜110℃が最も好ましい。予備加熱温度が70℃未満では、後工程の本加熱時間に時間を要し、予備加熱温度が140℃を超えると共重合ポリエチレンテレフタレートが結晶化してしまい、ブロー成形中に容器が破損することがある。予備加熱の方法は、熱風乾燥機内でのプリフォームの保管、赤外線ヒーター加熱など任意の方法を取ることができる。
ブロー成形時の加熱(本加熱)は、プリフォームが肉厚であるため、プリフォーム内部からの加熱(内部加熱)、プリフォーム外部からの加熱(外部加熱)の両方から加熱するのが好ましい。加熱方式は、加熱効率が良いため赤外線加熱方式が好ましい。ここで、A層のガラス転移温度が70〜80℃であるのに対して、B層のガラス転移温度が100〜120℃であり、B層の方が30〜50℃高いため、A層側、B層側それぞれのガラス転移温度に対応した温度まで樹脂を加熱する必要がある。具体的には、本加熱においてA層側の樹脂温度は90〜110℃程度に温める必要があり、B層側の樹脂温度は130〜160℃程度に温める必要がある。かかる樹脂温度範囲でブロー成形することで、厚みムラが少なく、破れなどのない良好なブロー成形体を得ることが出来る。従って、内部加熱ヒーター、外部加熱ヒーターの出力制御は、A層およびB層の樹脂温度に応じて設定することが必要である。
以下、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートの製造方法
下記の製造例に示す方法により、共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートの製造を行った。また製造例中における固有粘度の値は下記方法によって求めた。
(1)固有粘度(IV)の測定方法
樹脂0.6gをフェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)混合溶媒50ml中に加熱溶融した後、室温に冷却し、得られた樹脂溶液の粘度をオストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定し、得られた溶液粘度のデータから当該樹脂の固有粘度(IV)を求めた。
(2)樹脂の製造
[製造例1〜7:共重合ポリエチレンテレタフレート PET−1〜7]
表1記載のポリマー組成となる様に数量を調合した高純度テレフタル酸,イソフタル酸およびエチレングリコールからなる混合スラリーを一定速度でエステル化反応器に供給し、撹拌しながら270℃で0.3MPaへ窒素加圧して、発生する水とエチレングリコールを系外に留去しながらエステル化反応を実施した。得られたオリゴマーの半分に同重量の前記混合スラリーを供給し、撹拌しながら270℃の常圧下で、発生する水とエチレングリコールを系外に留去しながらエステル化反応を実施した。同様の操作を5回繰り返し行い、品質の安定したポリエステルオリゴマーを作成した。
次いでこのポリエステルオリゴマーを重縮合反応容器に移送し、撹拌しながら重縮合触媒として二酸化ゲルマニウム触媒を全ジカルボン酸成分に対して25ミリモル%となるように投入した。そして、安定剤として正リン酸を全ジカルボン酸成分に対してリン原子が12.2ミリモル%となるように投入した。引続き系内の反応温度を270℃から285℃、又、反応圧力を常圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水、エチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。重縮合反応の進行度合いは撹拌翼の負荷として確認し、所望の重合度に達した時点で反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却しカッティングして、約3mmの粒状ペレットを得た。得られた組成、物性を表1に示した。
Figure 0006490976
[製造例8〜10,12,13:ポリエチレンナフタレート PEN−2〜4、6、7]
表2記載のポリマー組成となるように数量を調合した2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、エチレングリコール、エステル交換触媒としてジカルボン酸エステルの総モル数に対して30ミリモル%の酢酸コバルト四水塩およびジカルボン酸エステルの総モル数に対して70ミリモル%の酢酸マンガン四水塩を反応器に供給し、窒素雰囲気下240℃にてエステル交換反応を行った。続いて、三酸化アンチモンをジカルボン酸エステルの総モル数に対して80ミリモル%加えた後、正リン酸をジカルボン酸エステルの総モル数に対して60ミリモル%加えて、260℃で30分間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に300℃、0.1kPa以下で重合を行った。重縮合反応の進行度合いは撹拌翼の負荷として確認し、所望の重合度に達した時点で反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却しカッティングして、約3mmの粒状ペレットを得た。得られた組成、物性を表2に示した。
[製造例11:PEN−5]
テレフタル酸ジメチルエステルをイソフタル酸ジメチルエステルに変更した以外は、製造例8と同様な方法で行った。その結果を表2に示した。
Figure 0006490976
<その他の樹脂>
その他の樹脂として、以下に記載の樹脂を使用した。
PEN−1: 帝人(株)製 テオネックス TR−8065S[ナフタレンジカルボン酸100モル%およびエチレングリコール100モル%より製造されたポリエチレンナフタレート、固有粘度0.67dl/g]
2.樹脂のガスバリア性評価
製造例1〜13で作製した樹脂ペレットおよびPEN−1の樹脂ペレットを熱風乾燥機にて160℃、5時間予備乾燥を行った。続いて、幅30mmのTダイを備えた単軸押出機SZW40−28FPLG(テクノベル社製 φ40mm)のホッパーに予備乾燥済みペレットを投入し、押出温度290℃、スクリュウ回転数60rpmにて押出し、Tダイから出てきた樹脂をシート厚み300μmになるように、ロールの回転数を制御しながら巻き取った。得られた厚み300μmのシートの中央部分を70mm×70mmに切り出した。次に、2軸延伸試験装置X40HDHT((株)東洋精機製作所製)のチャックに、上記切り出したシートを挟み、延伸倍率の設定を縦3.6倍×横3.6倍にし、延伸速度500mm/minにて同時2軸延伸した。なお装置内の温度は、共重合ポリエチレンテレフタレートの場合は100℃とし、ポリエチレンナフタレートの場合は150℃とした。
得られた延伸フィルムを差圧式ガス・蒸気透過率測定装置GTR−30XAD2,G2700T・F(GTRテック(株)製)を用いてJIS K7126−1に準拠して酸素透過係数を測定した。なお測定は、試験温度23℃、試験差圧1atm、透過面積15.2×10−4、検出器ガスクロマトグラフ(熱伝導検出器[TCD])の条件にて行った。結果を表3および表4に示す。なお、フィルムの厚みは酸素透過係数を測定した部分をランダムに10点測定した数値の平均値である。
Figure 0006490976
Figure 0006490976
3.プリフォームおよびブロー成形体の評価
下記の実施例および比較例に示す方法により作成されたプリフォームおよびブロー成形体の評価を下記の方法で行った。
(1)プリフォームの結晶化度
プリフォームの胴部部分を糸鋸を用いて輪切りにした後、内層、外層それぞれの厚み方向中心部分(図1の1−1、1−2の箇所)をメスを用いてサンプリングした。続いて、示差走査熱量測定(DSC)を行い、20℃/分で昇温したときの結晶化エンタルピー(ΔHc)と融解エンタルピー(ΔHm)の値を用いて、下記式から結晶化度を求めた。
Figure 0006490976
(2)プリフォームの白化
下記基準で目視判定を行った。
白化無し:プリフォームを透かして蛍光灯を見た時に、蛍光灯が目視で確認できる。
白化有り:プリフォームを透かして蛍光灯を見た時に、蛍光灯が目視で確認できない。
(3)プリフォーム胴部厚み
プリフォームの胴部部分を糸鋸を用いて輪切りにした後、内層および外層の厚みを周方向に沿って等間隔に10点ノギスを用いて測定し、その平均値を算出した。
(4)ブロー成形可否
二軸延伸ブロー成形の可否について、下記基準にて判定した。
可:プリフォームの破損、破れがなく容器形状に成形できた。
不可(破損):ロッド延伸時に、プリフォームが破損してブロー成形できなかった。
(5)ブロー成形体の胴部厚み
ブロー成形体の胴部中心部分を糸鋸を用いて輪切りにし、内層および外層の厚みを周方向に沿って等間隔に10点ノギスを用いて測定し、その平均値を算出した。
(6)ブロー成形体胴部厚みの実測値/理論値
8L容器の延伸倍率設計である13倍を理論延伸倍率とし、プリフォームの内層および外層厚み、ブロー成形体の内層および外層厚みの測定値を用いて、下記式(2)から実測値/理論値の値を求めた。なお、実測値/理論値の値が100%に近いと設計どおりの胴部厚みになったと判断した。
Figure 0006490976
(TB1:ブロー成形体の内層厚み、TB2:ブロー成形体の外層厚み、TP1:プリフォームの内層厚み、TP2:プリフォームの外層厚み)
(7)胴部厚み比率から算出される酸素透過係数
表3および表4記載の各樹脂の酸素透過係数の測定結果と(5)で測定した胴部厚み測定値より、下記式(3)から容器としての酸素透過係数を算出した。
Figure 0006490976
(P1:内層の酸素透過係数、P2:外層の酸素透過係数、T1:内層の厚み比率、T2:外層の厚み比率)
(8)酸素透過度
(7)で算出した酸素透過係数および(5)で測定した胴部厚みの総厚み(内層厚み+外層厚み)より、下記式(4)から容器としての酸素透過度を算出した。
Figure 0006490976
(実施例1)
表4記載のPEN−1を160℃、5時間熱風乾燥機で乾燥したあと、内層プリフォームを成形した。成形機は住友重機械工業(株)製ULTRA−220−C560−NIV・Aを使用し、シリンダ温度300℃、金型温度30℃、冷却時間180秒にて成形を行った。プリフォーム金型の入れ子を外層成形用に交換したあと、PEN−1からなる内層プリフォームを金型内にインサートし、160℃、5時間熱風乾燥したPET−1を用いて、外層を成形した。成形機は住友重機械工業(株)製ULTRA−220−C560−NIV・Aを使用し、シリンダ温度280℃、金型温度30℃、冷却時間180秒にて成形を行い、図1記載の2層プリフォームを得た。得られたプリフォームを用いて、前述の各評価を行った。
次に、内部IR加熱ヒーター、外部IR加熱ヒーターを備えたフロンティア(株)製FGB−40LCをブロー機として用い、8L容器形状のブロー金型(縦3.1倍×横4.3倍の13倍延伸設計)を用いて、2層プリフォームの2軸延伸ブロー成形を行った。100℃、1時間熱風乾燥機内で予備加熱を行った2層プリフォームをブロー成形機内にセットし、PEN−1からなる内層側の温度が150℃、PET−1からなる外層側の温度が100℃になるようにIR加熱ヒーターの出力を設定し、本加熱を行った。続いて、ロッド延伸時間1.3秒、1次ブロー遅延時間0.5秒、1次ブロー時間2秒、1次ブロー圧1.2MPa、2次ブロー時間9秒、2次ブロー圧3.4MPa、金型温度20℃の条件にてブロー成形を行い、図2記載のブロー成形体を得た。得られたブロー成形体を用いて、前述の各評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例2〜20、比較例1〜9)
内層および外層に使用した樹脂種類およびプリフォーム厚みを表5〜表8に記載の内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて成形、各評価を行った。結果を表5〜表8に示す。
Figure 0006490976
Figure 0006490976
Figure 0006490976
Figure 0006490976
<実施例1〜20>
請求の範囲にある実施例1〜20は、厚肉のプリフォームでも成形可能であり、胴部が設計どおりの肉厚であり、酸素ガスバリア性に優れていた。特に、イソフタル酸共重合比率の高く、IVが0.5以上あるPET3〜4を使用すると実施例18、19にあるようにプリフォームの厚肉を増しても結晶化が抑えられ、プリフォームの透明性にも優れていた。
<比較例1、6>
イソフタル酸共重合比率が4モル%のPET−6を使用した場合、プリフォームの結晶化が確認され、ブロー成形のロッド延伸時にプリフォームが破損し、ブロー成形できなかった。
<比較例2、7>
イソフタル酸共重合比率が22モル%のPET−7を使用した場合、ブロー成形体の共重合ポリエチレンテレフタレート層(A層)の胴部厚みが極端に薄くなり、設計どおりの肉厚とならなかった。
<比較例3>
イソフタル酸共重合比率が22モル%のPET−7とテレフタル酸共重合比率が22モル%のPEN−7を使用した場合、共重合ポリエチレンテレフタレート層(A層)、ポリエチレンナフタレート層(B層)ともに胴部厚みが極端に薄くなり、設計どおりの肉厚にならず、かつ酸素透過度も悪化した。
<比較例4、5>
テレフタル酸共重合比率が22モル%のPEN−7を使用した場合、ポリエチレンナフタレート層(B層)の胴部肉厚が極端に薄くなり、設計どおりの肉厚にならなかった。またガスバリア性に優れるB層厚みが薄くなったため、酸素透過度も悪化した。
<比較例8>
総厚みが薄いため、酸素透過度が悪化した。
<比較例9>
ポリエチレンナフタレート層(B層)の厚みが薄いため、酸素透過度が悪化した。
1−A:プリフォーム外層
1−B:プリフォーム内層
1−C:プリフォーム胴部
1−D:プリフォーム口部
1−1:プリフォーム外層の結晶化度測定箇所
1−2:プリフォーム内層の結晶化度測定箇所
2−A:ブロー成形体の口部
2−B:ブロー成形体の首部
2−C:ブロー成形体の肩部
2−D:ブロー成形体の胴部
2−E:ブロー成形体の底部

Claims (5)

  1. (A)ジカルボン酸成分(A−1成分)が、ジカルボン酸成分を100モル%としたとき、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−1成分)80〜95モル%およびイソフタル酸またはそのエステル誘導体(A−1−2成分)5〜20モル%からなり、ジオール成分(A−2成分)がエチレングリコールからなる、共重合ポリエチレンテレフタレートよりなる層(A層)および(B)ジカルボン酸成分(B−1成分)が、ジカルボン酸成分を100モル%としたとき、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体(B−1−1成分)80〜100モル%並びにテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのエステル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種(B−1−2成分)0〜20モル%からなり、ジオール成分(B−2成分)がエチレングリコールからなる、ポリエチレンナフタレートよりなる層(B層)から構成される2層構造のプリフォームであって、プリフォーム胴部のA層の厚みが5mm以上であり、B層の厚みが10mm以上であり、かつ総厚みが15mm以上である2層構造のプリフォーム。
  2. 共重合ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.5〜1.0dl/gであり、かつポリエチレンナフタレートの固有粘度が0.5〜1.0dl/gである請求項1に記載のプリフォーム。
  3. ジカルボン酸成分(A−1成分)が、ジカルボン酸成分を100モル%としたとき、テレフタル酸およびそのエステル誘導体(A−1−1成分)80〜88モル%およびイソフタル酸およびそのエステル誘導体(A−1−2成分)12〜20モル%からなることを特徴とする請求項1または2に記載のプリフォーム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリフォームを2軸延伸ブロー成形して得られるブロー成形体。
  5. 延伸倍率が10〜20倍である請求項4に記載のブロー成形体。
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