JP6500915B2 - 水晶振動板、及び水晶振動デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、一主面に形成された第1励振電極と、他主面に形成された第2励振電極とが備えられたATカット型の水晶振動板及びこの水晶振動板が備えられた水晶振動デバイスに関する。
特許文献1には、励振電極を設けた圧電振動片と、圧電振動片の周囲に配置された支持枠と、支持枠と圧電振動片とを連結する連結部と、からなる圧電振動子において、連結部が、支持枠の−X方向側の2つのコーナーからそれぞれ振動部のコーナーに接続する第1連結部、及び第2連結部から構成されており、−X方向の一端を片持ち支持状態で支持枠に支持された圧電振動子が開示されている。
ところで、主振動の振動モードが厚み滑り振動であり、小型化、高周波数化に適し、且つ周波数温度特性が優れたATカット型の水晶振動子として特許文献2及び3が知られている。
なお、ATカット型の水晶振動子とは、人工水晶の結晶軸を、X軸、Y軸、Z軸としたときに、X軸の周りに35°15´回転させたものである。なお、本明細書では、Y軸から35°15´回転させた軸をY´軸、Z軸から35°15´回転させた軸をZ´軸とする。
特許文献2には、励振電極200を設けた振動部300と、振動部300の周辺を囲う枠部500と、枠部500と振動部300とを接続する接続部400と、からなる水晶振動子100において、接続部400は、水晶の結晶軸におけるX軸方向に沿って、振動部300の片側につき、各角部及び中央部の3個所(両側では6か所)で枠部500と接続された水晶振動子100が開示されている(図15参照)。
また、特許文献3には、主面に励振電極を形成した振動部と、当該振動部の外周側に、貫通溝を介して配置される枠部と、前記振動部と前記枠部とを接続する支持部とを有する圧電振動片であって、前記支持部の幅方向に沿って表裏面に、鋸歯状の切欠きを設けた圧電振動片が開示されている。
特開2011−91173号公報 特公平6−83011号公報 特開2007−214942号公報
特許文献1〜3に係る発明の課題を、図15及び図16を参照しながら説明する。図15は、従来の水晶振動板の平面図、図16(a)は、水晶振動板の振動偏位を説明する説明図、(b)は、水晶振動板のX軸方向の電荷分布を表すグラフ、(c)は、水晶振動板のZ´軸方向の電荷分布を表すグラフである。なお、図16(b)及び(c)のグラフにおいて、横軸は、水晶振動板の位置を示しており、縦軸は、当該位置における電荷量を示している。
図16(a)の水晶振動板の振動偏位を説明する説明図によれば、水晶振動板に電圧を印加すると、厚みすべり振動が生じ、その水晶振動板の振動方向は、X軸方向が支配的であり、その圧電振動の変位がZ´軸に比較して大きいことが一般的に知られている。
これにより、特許文献1のとおり、圧電振動片を圧電振動の変位の大きなX軸方向で保持(すなわち−X方向の一端を片持ち支持状態で保持)すると、第1連結部及び第2連結部によって圧電振動片における振動漏れが生じやすくなり、圧電振動効率が悪くなる。すなわち、圧電振動が支配的であるX軸方向に沿って連結部を設け、当該連結部によって圧電振動片を保持することは好ましくない。
また、図16(b)のグラフによれば、水晶振動板のX軸方向の電荷分布は、水晶振動板の中央位置に多く分布していることがわかる。一方、図16(c)によれば、水晶振動板のZ´軸方向については、水晶振動板の両端に向かって電荷分布が若干少なくなる傾向にあるが略一定であることがわかる。この結果から、上記水晶振動板に電圧を印加して圧電振動させると、X軸方向については、電荷がより多く分布している中央部の圧電振動の変位が大きいことがわかる。一方で、Z´軸方向については電荷が略一定に分布しているので、圧電振動の変位は一定であることがわかる。
これにより、図16(b)及び(c)のグラフから、圧電振動している水晶振動板において、圧電振動の変位が大きいX軸方向の中央部で水晶振動板を保持すると、圧電振動の妨げとなるため、圧電振動効率が悪くなることがわかる。
上記説明より、例えば、特許文献2のようなATカット型の水晶振動子において、X軸方向に沿った振動部300の中央位置で枠部500と接続すると、当該位置は圧電振動の変位が大きい位置であるため角部と比較して振動漏れが生じやすく、振動部300の圧電振動の妨げとなり、圧電振動効率が悪いものであった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧電振動効率が高くて効率的に圧電振動させることができるATカット型の水晶振動板及びこの水晶振動板を備えた水晶振動デバイスを提供することにある。
上記目的を達するために、本発明は次のとおりの構成としている。
本発明に係る水晶振動板は、一主面に形成された第1励振電極と、他主面に形成された第2励振電極とが備えられたATカット型の水晶振動板であって、前記第1励振電極と前記第2励振電極とが備えられた略矩形状の振動部と、前記振動部の角部から、ATカットのZ´軸方向に突出された保持部と、前記振動部の外周を取り囲むとともに、前記保持部を保持する外枠部と、を有することを特徴とする。
このような構成であるから、本発明の水晶振動板は、保持部が振動部の角部からATカットのZ´軸方向に突出し、外枠部で保持されているので、従来の水晶振動板と異なり、振動部がX軸方向に沿う辺の中央位置で保持されていない。従って、水晶振動板を圧電振動させた場合、効率的に圧電振動させることができる。
上記の水晶振動板であって、前記保持部をZ´軸方向に延長した延長線上の領域から前記振動部の中心方向側に離れた位置に、前記第1励振電極及び第2励振電極が形成されている構成とする。
このような構成によると、保持部をZ´軸方向に延長した線上に、第1励振電極及び第2励振電極が形成されていないので、水晶振動板の圧電振動が保持部を伝って外枠部に漏れることを防ぎ、水晶振動板の圧電振動を振動部に閉じ込めることができる。
上記の水晶振動板であって、前記保持部は、前記振動部において前記Z´軸上に有する2つの角部からそれぞれ前記外枠部に向けて突出されている構成としてもよい。
この場合、水晶振動板の振動部が、Z´軸上に有する2つの角部からそれぞれ保持部を介して外枠部に保持されているので、振動部を確実に保持することができる。さらに、水晶振動板の各主面に形成された第1励振電極と、第2励振電極の配線パターンを、2つの角部から突出された保持部によってそれぞれ独立して配置できるため、配線パターン間の寄生容量を抑えることができ、周波数可変量低減を防ぐことができる。
上記の水晶振動板であって、前記保持部は、前記振動部における1つの角部のみから前記外枠部に向けて突出されている構成としてもよい。
この場合、水晶振動板の振動部が、1つの角部のみから外枠部に向けて突出された保持部を介して外枠部に保持されているので、保持部の数を少なくしてより一層、外枠部への振動漏れを防ぐことができる。また、保持部を2つとした場合と比較して、応力のかかり具合を低減できるので、応力による周波数シフトを低減して安定して水晶振動板を圧電振動させることができる。
上記の水晶振動板であって、前記外枠部の厚みは、前記保持部の厚みよりも厚い構成とする。
このような構成によると、外枠部の厚みと保持部の厚みの違いにより、外枠部と保持部の圧電振動の固有振動数が異なるため、振動部を圧電振動させても保持部の圧電振動に外枠部が共鳴しにくくなる。
上記の水晶振動板であって、前記振動部における第1励振電極及び第2励振電極が形成された位置には、前記振動部の中央の領域の厚みがその周囲の領域に比べて厚くされたメサ構造が形成されている構成としてもよい。
この場合、振動部における第1励振電極及び第2励振電極が形成された位置には、メサ構造が形成されており、圧電振動させる部分の厚みが異なるので、圧電振動させる振動数が異なる。したがって、振動数が異なる境界を形成できるので、圧電振動の閉じ込めの効果が高まり、圧電振動を閉じ込めることで圧電振動の漏れを防ぐことができる。
上記の水晶振動板であって、前記振動部及び前記保持部の少なくとも一方には、溝が設けられており、前記溝は、ATカットのX軸に対して前記振動部の中心部側に傾斜されている構成としてもよい。
この場合、水晶振動板を圧電振動させても、振動部に形成された溝によって、圧電振動が振動部の外方に漏れることを防止することができる。すなわち、圧電振動を振動部に閉じ込めることができる。
上記の水晶振動板であって、前記溝は、前記振動部の一主面側に形成された一又は複数の第1溝と、前記振動部の他主面側に形成された一又は複数の第2溝とから構成されており、前記第1溝と前記第2溝は、前記保護部の前記振動部側から前記外枠部にかけて交互に配置されている構成であってもよい。
この場合、第1溝と第2溝が、保持部の振動部側から外枠部にかけて交互に配置されているため、圧電振動の閉じ込め効果を向上させることができる。
本発明に係る水晶振動デバイスは、上記の水晶振動板と、前記水晶振動板の前記一主面を覆う第1封止部材と、前記水晶振動板の前記他主面を覆う第2封止部材と、が備えられたことを特徴とする。
このような構成によると、水晶振動板を第1封止部材と第2封止部材とで挟まれた構造であるので、比較的に小型の水晶振動デバイスとすることができるとともに、上述した水晶振動板が備えられているので、振動漏れを防止するとともに、圧電振動効率が高くて効率的に圧電振動させることができる水晶振動デバイスとすることができる。
上記の水晶振動板であって、前記外枠部は、前記一主面側および前記他主面側の少なくとも一方で、前記保持部と連結される箇所に凹部を有しており、前記外枠部の厚み、前記凹部の厚み、および前記保持部の厚みは、(外枠部の厚み)>(凹部の厚み)≧(保持部の厚み)の関係を満たす構成であってもよい。
この場合、水晶振動デバイスに衝撃等が作用した時に、外枠部と保持部との接続箇所への応力集中を、凹部によって回避もしくは緩和することができ、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させることができる。さらに、凹部によって振動部から外枠部の振動漏れを抑制することもできる。振動部から漏れてきた振動は、保持部を伝って外枠部へと漏れる経路が考えられるが、保持部から外枠部へと伝わるところで凹部部があると、そこで外枠部と共鳴しないように調整することができ、外枠部に伝わりにくくなる。
上記の水晶振動板であって、前記凹部は、前記一主面および前記他主面の両方に形成されている構成であってもよい。
この場合、両主面に凹部を形成することで水晶振動デバイスにおける耐衝撃性をより向上させることができる。
上記の水晶振動板であって、前記凹部の底面は、前記保持部の表面と同一平面となるように形成されている構成であってもよい。
この場合、凹部の底面と保持部の表面との段差を無くすことで、枠部と保持部との接続箇所への応力集中を回避し、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させることができる。
上記の水晶振動板であって、前記凹部の底面は、前記保持部の表面との間に段差が生じるように形成されている構成であってもよい。
この場合、外枠部と保持部との接続箇所に段差は残るが、外枠部における凹部形成領域とそれ以外との領域の境界にも段差が生じる。その結果、水晶振動デバイスに衝撃等が作用した場合の応力は、上記2箇所の段差部分に分散され、外枠部と保持部との接続箇所における応力集中を緩和して、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させることができる。
上記の水晶振動板であって、前記外枠部の主面に垂直な方向から見て、前記外枠部からの前記保持部の突出方向と直交する方向を幅方向とするとき、前記凹部の幅は前記保持部の幅よりも広くされている構成であってもよい。
この場合、凹部の幅を保持部の幅よりも広くすることで、凹部による応力分散効果を向上させたり、振動減衰の効果を向上させたりすることができる。
上記の水晶振動板であって、前記凹部の内壁面は、前記外枠部の主面に垂直な方向から見て曲率を有する形状となっている構成であってもよい。
この場合、凹部の内壁面において頂点の無い形状とすることができ、頂点での応力集中を回避することができる。
本発明によれば、圧電振動効率が高くて効率的に圧電振動させることができるATカット型の水晶振動板及びこの水晶振動板を備えた水晶振動デバイスを提供できる。
図1は、本発明に係る水晶振動子の一実施形態の各構成を示した概略構成図である。 図2は、本実施形態に係る水晶振動子の第1封止部材の概略平面図である。 図3は、本実施形態に係る水晶振動子の第1封止部材の概略底面図である。 図4Aは、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の概略平面図である。 図4Bは、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の他の例の概略平面図である。 図5は、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の概略底面図である。 図6Aは、図4Aに示すA−A線に沿う断面図である。 図6Bは、図4Bに示すB−B線に沿う断面図である。 図6Cは、本発明に係る水晶振動板の別の例の断面図である。 図7は、本実施形態に係る水晶振動子の第2封止部材の概略平面図である。 図8は、本実施形態に係る水晶振動子の第2封止部材の概略底面図である。 図9は、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の第1変形例の概略平面図である。 図10は、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の第2変形例の概略平面図である。 図11は、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の第3変形例の概略平面図である。 図12は、本発明に係る水晶振動板の第1実施形態の第4変形例の概略平面図である。 図13は、図12に示すc−c線に沿う断面図である。 図14は、本発明に係る水晶振動板の第2実施形態の概略平面図である。 図15は、従来の水晶振動板の平面図である。 図16(a)は、水晶振動板の振動偏位を説明する説明図、同図(b)は、水晶振動板の結晶軸におけるX軸方向の電荷分布を示すグラフ、同図(c)は、水晶振動板の結晶軸におけるZ´軸方向の電荷分布を示すグラフである。 図17は、本発明の第3実施形態に係る水晶振動板の概略平面図である。 図18(a)は、外枠部に凹部を設けていない場合の保持部と外枠部との接続構造を示す斜視図、同図(b)は、凹部の底面と保持部の表面とが同一平面となるように形成されている場合の保持部と外枠部との接続構造を示す斜視図、同図(c)は、凹部の底面と保持部の表面との間に段差が生じるように形成されている場合の保持部と外枠部との接続構造を示す斜視図である。 図19(a)は、凹部形状の一変形例を示す平面図、同図(b)は、凹部形状の他の変形例を示す平面図である。 図20は、図の上部が外形形成エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。 図21Aは、図の上部がメサ形成エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。 図21Bは、図の上部がメサ形成エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。 図22Aは、図の上部が周波数調整エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。 図22Bは、図の上部が周波数調整エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。 図23は、図の上部が周波数調整エッチングを施した後の水晶板を示す平面図、下部がそのA−A断面図である。
以下、本発明に係る水晶振動デバイスについて、3つの実施形態について説明し、各実施形態の説明は、水晶振動デバイスの構成、水晶振動デバイスの製造方法、水晶振動デバイスの作用効果の順に説明する。
−第1実施形態の水晶振動デバイスの構成−
本発明に係る水晶振動デバイス1の構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、水晶振動子の一実施形態の各構成を示した概略構成図である。
なお、図面においては、電極に相当する部分にハッチングを施している。また、後述する断面図においては、図面の見易さの観点から、電極に相当する部分にハッチングを施し、その他の部分のハッチングを省略している。
本発明に係る水晶振動デバイス1は、例えば、水晶振動子であって、水晶振動板2と、水晶振動板2の一主面2aを覆って気密封止する第1封止部材3と、水晶振動板2の他主面2bを覆って気密封止する第2封止部材4と、を備えている。水晶振動デバイス1において、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合されており、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されている。
すなわち、水晶振動デバイス1は、第1封止部材3と水晶振動板2との間の内部空間13、及び水晶振動板2と第2封止部材4との間の内部空間13が気密封止されたサンドイッチ構造のパッケージ12とされている(図1参照)。
水晶振動デバイス1のパッケージサイズは、1.0×0.8mmであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、後述する貫通孔(第1貫通孔h1、第2貫通孔h2、第3貫通孔h3)を用いて電極の導通を図っている。
なお、内部空間13は、図1に示すようにパッケージ12の平面視一端側(平面視左側)に偏って位置する。
以下、各構成について詳述する。
・第1封止部材
本発明に係る水晶振動デバイス1の第1封止部材3について図2及び3を参照しながら説明する。図2は、第1封止部材の概略平面図、図3は、第1封止部材の概略底面図である。
第1封止部材3には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第1封止部材3は、図2、3に示すように、1枚のガラスウエハ又は水晶ウエハから形成された直方体の基板であり、一主面3a側を上面とし、他主面3b(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
この第1封止部材3の他主面3bには、水晶振動板2に接合するための封止側第1接合パターン31が内部空間13を囲うように設けられている。封止側第1接合パターン31は、図3に示すように第1封止部材3の他主面3bの平面視左側に偏って位置する。封止側第1接合パターン31の線幅は、全ての位置において同一幅とされる。
この封止側第1接合パターン31は、第1封止部材3上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。なお、本実施形態では、下地PVD膜には、Ti(若しくはCr)が用いられ、電極PVD膜にはAuが用いられている。また、封止側第1接合パターン31は、非Snパターンである。
・水晶振動板
本発明に係る水晶振動板2の実施形態について図4〜6を参照しながら説明する。 図4Aは、水晶振動板の第1実施形態の概略平面図、図4Bは、水晶振動板の第1実施形態の他の例の概略平面図、図5は、水晶振動板の第1実施形態の概略底面図、図6Aは、図4Aに示すA−A線に沿う断面図、図6Bは、図4Bに示すB−B線に沿う断面図、図6Cは、水晶振動板の別の例の断面図である。
本実施形態に係る水晶振動板2は、矩形状の水晶板を水晶の結晶軸であるX軸の周りに35°15´回転させて加工したATカット型の水晶であって、振動部21と、保持部22と、外枠部23と、を備えている(図4A及び5参照)。なお、本明細書において、人工水晶の結晶軸を、X軸、Y軸、Z軸とし、X軸の周りに35°15´回転させたATカット型の水晶のY軸及びZ軸をそれぞれ、Y´軸、Z´軸とする。
図示例では、矩形状の水晶板を切り抜いて形成した切り抜き部を有しており、当該切り抜き部は、平面視逆凹形状体k1と、平面視長方形状体k2とから構成されている。水晶振動板2は、圧電材料である水晶からなり、その両主面(一主面2a、他主面2b)が平坦平滑面(鏡面加工)とされている。
振動部21は、電圧の印加により圧電振動する略矩形状のものである。なお、振動部21の形状は、ウェットエッチングによって形成された場合は、角部が面取りされて、直角でなくてもよい。振動部21の一主面2a及び他主面2bに、それぞれ振動部21に電圧を印加するための第1励振電極211及び第2励振電極212が形成されている。振動部21における第1励振電極211及び第2励振電極212が形成された位置には、振動部21の中央の領域の厚みがその周囲の領域に比べて厚くされたメサ構造213が形成されていてもよい(図6A参照)。この場合、メサ構造213において中央部の水晶振動板2の厚みが厚いため、圧電振動の閉じ込め効果を向上させることができる。
第1励振電極211及び第2励振電極212は、後述する保持部22をZ´軸方向に延長した延長線上の領域から、振動部21の中心方向側に離れた位置に形成されている。これにより、保持部22をZ´軸方向に延長した線上に、第1励振電極211及び第2励振電極212が形成されていないので、水晶振動板2が圧電振動する領域と保持部22との間の距離を比較的長くとることができる。これにより、水晶振動板2の圧電振動が保持部22を伝って外枠部23に漏れることを防止し、水晶振動板2の圧電振動を振動部21に閉じ込めることができる。
第1励振電極211及び第2励振電極212は、振動部21上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜(Ti若しくはCr)と、下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜(Au)とからなる。
第1励振電極211及び第2励振電極212は、当該各電極を引き出す第1引出電極214又は第2引出電極215が形成された各保持部22、22によって振動部21の外に引き出されている。図示例では、一主面2a側は、第1励振電極211の角部から第1引出電極214が引き出されており、他主面2b側は、上述した一主面2a側において第1引出電極214が引き出された方向と逆側となるように、第2励振電極212の角部から第2引出電極215が引き出されている(図6A参照)。
保持部22、22は、矩形状の振動部21の角部から、ATカットのZ´軸方向に突出されている。本実施形態では、保持部22、22は、振動部21においてZ´軸上に有する2つの角部21aからそれぞれ外枠部23に向けて突出されており(図4A及び5参照)、図示例では、平面視左側(−Z´軸方向側)の保持部22によって、第1励振電極211が引き出され、底面視右側(+Z´軸方向側)の保持部22によって第2励振電極212が引き出されている。
外枠部23は、振動部21の外周を取り囲むとともに保持部22を保持するものである。一主面2aには、第1封止部材3と接合するための振動側第1接合パターン216が、他主面2bには、第2封止部材4と接合するための振動側第2接合パターン217が形成されている。振動側第1接合パターン216及び振動側第2接合パターン217は、図1に示すように、両主面2a、2bの平面視左側に偏って配置されている。
振動側第1接合パターン216及び振動側第2接合パターン217は、外枠部23上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜(Ti若しくはCr)と、下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜(Au)とからなり、非Snパターンである。つまり、第1励振電極211及び第2励振電極212と同一の材料を用いている。なお、振動側第1接合パターン216及び振動側第2接合パターン217は、第1励振電極211及び第2励振電極212と異なる電極材料であっても良い。
外枠部23には、第1励振電極211に繋がった振動側第1接合パターン216を他主面2b側に引き出すための第1貫通孔h1が形成されている。第1貫通孔h1は、内部空間13の外方に配され、図1に示すように両主面2a、2bの平面視他端側(平面視右側)に偏って位置し、第1貫通孔h1は内部空間13の内方に形成されていない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11(振動側第1接合パターン216)上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。
なお、外枠部23の厚みは、保持部22の厚みよりも厚いことが好ましい(図6A参照)。この場合は、外枠部23の厚みと保持部22の厚みの違いにより、外枠部23と保持部22の圧電振動の固有振動数が異なるため、保持部22の圧電振動に外枠部23が共鳴しにくくなる。また、圧電振動板2と第1封止部材3との間の空間及び圧電振動板2と第2封止部材4との間の空間を広くすることができ、圧電振動板2の振動部21と第1封止部材3及び第2封止部材4との接触を防ぐことができる。
なお、一般的に、圧電振動は、厚みが厚い部分から厚みが薄い部分へは伝搬しにくく、圧電振動を遮断する効果を奏する。
そこで、本実施形態の水晶振動板2の他の例として、図4B及び図6Bに示すとおり、保持部22の厚みを振動部21の厚みより厚くしてもよい。この場合、保持部22と振動部21の厚みが異なる位置に境界が形成されるため、振動部21の圧電振動において、保持部22を含んだ不要な振動を考慮しなくてもよい。
また、本実施形態の水晶振動板2の別の例として、図6Cに示すとおり、保持部22の厚みを振動部21のメサ構造213の厚みより厚くしてもよい。この場合は、保持部22の厚みがメサ構造213の厚みよりも厚いので、保持部22の振動と振動部21との振動とが共鳴し難く、振動部21の振動エネルギーが保持部へ伝達して損失することを効率的に防ぐことができる。
・第2封止部材
本発明に係る水晶振動デバイスの第2封止部材について図7及び8を参照しながら説明する。図7は、水晶振動子の第2封止部材の概略平面図、図8は、水晶振動子の第2封止部材の概略底面図である。
第2封止部材4には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第2封止部材4は、図7に示すように、1枚のガラスウエハ又は水晶ウエハから形成された直方体の基板であり、この第2封止部材4の一主面4a(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
第2封止部材4の一主面4aには、水晶振動板2に接合するための封止側第2接合パターン41が内部空間13を囲うように設けられている。封止側第2接合パターン41は、図1、図7に示すように第2封止部材4の一主面4aの平面視左側に偏って位置する。封止側第2接合パターン41の線幅は、全ての位置において同一幅とされる。
封止側第2接合パターン41は、第2封止部材4上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。
なお、本実施形態では、下地PVD膜には、Ti(若しくはCr)が用いられ、電極PVD膜にはAuが用いられている。また、封止側第2接合パターン41は、非Snパターンである。
第2封止部材4の他主面4bには、外部に電気的に接続する一対の外部電極端子(一外部電極端子42a、他外部電極端子42b)が設けられている(図8参照)。なお、外部電極端子は2つに限定されるものではなく、3つ以上であっても良い。
一外部電極端子42aは、振動側第1接合パターン216を介して第1励振電極211に電気的に直接接続され、他外部電極端子42bは、振動側第2接合パターン217を介して第2励振電極222に電気的に直接接続される。
一外部電極端子42a、他外部電極端子42bは、図8に示すように第2封止部材4の他主面4bの平面視長手方向両端にそれぞれ位置する。これら一対の外部電極端子(一外部電極端子42a、他外部電極端子42b)は、他主面4b上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜と、下地PVD膜上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜とからなる。
なお、外部電極端子(一外部電極端子42a、他外部電極端子42b)の下地PVD膜の厚みは、上記の振動側第1接合パターン216、振動側第2接合パターン217、封止側第1接合パターン31、封止側第2接合パターン41、の各下地PVD膜の厚みに対して厚い。また、一外部電極端子42a及び他外部電極端子42bは、第2封止部材4の他主面4bのうち1/3以上の領域をそれぞれ占めている。
また、第2封止部材4には、図1,7,8に示すように、2つの貫通孔(第2貫通孔h2と第3貫通孔h3)が形成されている。第2貫通孔h2及び第3貫通孔h3は、内部空間13の外方に配され、図7に示すように、第2貫通孔h2は、両主面(一主面4a,他主面4b)の平面視右側に位置し、第3貫通孔h3は、平面視左上側に位置する。すなわち、第2貫通孔h2及び第3貫通孔h3は、内部空間13の内方に形成されていない。
ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11(封止側第2接合パターン41)上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。
−第1実施形態の水晶振動デバイスの製造方法−
次に、上述した水晶振動板2、第1封止部材3、第2封止部材4を用いて水晶振動デバイス1を製造する方法について説明する。
第1封止部材3と水晶振動板2との接合は、水晶振動板2の振動側第1接合パターン216と第1封止部材3の封止側第1接合パターン31とを重ね合わせた状態で行う。
第2封止部材4と水晶振動板2との接合も同様に、水晶振動板2の振動側第2接合パターン217と第2封止部材4の封止側第2接合パターン41とを重ね合わせた状態で行う。
第1封止部材3と水晶振動板2との接合及び第2封止部材4と水晶振動板2との接合は、各接合パターンを重ね合わせることにより拡散接合されて接合される。接合方法に拡散接合を用いることによって、接着剤等を用いて接合する際に生じるガスの発生等を防止することができるが、接着剤などの公知の接合専用材を用いてもよい。
このようにして製造された製造されたパッケージ12では、第1封止部材3と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2封止部材4と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1封止部材3と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下であり、第2封止部材4と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下(具体的には、本実施形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)である。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
−第1実施形態の水晶振動デバイスの作用効果−
以上、説明したとおり、本実施形態に係る水晶振動板2は、保持部22が振動部21の角部21aからATカットのZ´軸方向に突出し、外枠部23で保持されているので、従来の水晶振動板と異なり、圧電振動の変位が大きいX軸方向に沿った振動部21の中央位置で振動部21が保持されていない。従って、水晶振動板2を圧電振動させた場合、振動効率が高くて効率的に圧電振動させることができる。
また、水晶振動板2の振動部21が、Z´軸上に有する2つの角部21aからそれぞれ保持部22を介して外枠部23に保持されているので、振動部21を確実に保持することができる。さらに、水晶振動板2の各主面に形成された第1励振電極211と、第2励振電極212の配線パターンを、2つの角部21aから突出された保持部22によってそれぞれ独立して配置できるため、配線パターン間の寄生容量を抑えることができ、周波数可変量低減を防ぐことができる。
−第1実施形態の水晶振動デバイスの変形例の構成−
次に、第1実施形態の水晶振動デバイスの4つの変形例の構成について、図9〜図13を参照しながら説明する。なお、本変形例は、上述した水晶振動板2に溝mが形成されている点が上記実施形態とは異なるだけであるので、以下、その相違点についてのみ説明し、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
なお、変形例1から変形例4の構成を組み合わせた構造としてもよいものとする。
・水晶振動板
本変形例に係る水晶振動板2は、振動部21及び保持部22の少なくとも一方には、溝mが設けられており、溝mは、ATカットのX軸に対して振動部21の中心部側(第1励振電極211及び第2励振電極212の平面視での中心C側)に傾斜されている(図9〜図13参照)。
<第1変形例>
図9における変形例では、メサ構造213における底の角部から、保持部22に向けて溝mが形成されている。本変形例では、溝mは角部21aと接触するように設けられているので、圧電振動の漏れを効果的に抑制することができるが、溝mは角部21aと接触していなくてもよい。なお、溝mは、振動部21から保持部22に亘って形成されていてもよい。
<第2変形例>
図10における変形例では、メサ構造213におけるZ´軸に沿う辺から振動部21の外周端に向けて溝mが形成されている。
これら図9及び図10の変形例の場合は、Z´軸方向に伝搬する圧電振動の漏れを効果的に抑制することができる。
<第3変形例>
図11における変形例では、メサ構造213におけるX軸に沿う辺から振動部21の外周端に向けて溝mが形成されている。
図11の変形例の場合は、X軸方向に伝搬する圧電振動の漏れを効果的に抑制することができる。
<第4変形例>
図12及び13における変形例では、溝mは、振動部21の一主面側に形成された一又は複数の第1溝m1と、振動部21の他主面側に形成された一又は複数の第2溝m2とから構成されており、第1溝m1と第2溝m2は、保持部22の振動部21側から外枠部23にかけて交互に配置されている。
図示例では、第1溝m1は2つ形成されており、一方は振動部21に、他方は保持部22に形成されている。同様に第2溝m2(図13参照)は2つ形成されており、一方は振動部21に、他方は保持部22に形成されている。
図12の変形例の場合は、第1溝m1と第2溝m2が、保持部22の振動部21側から外枠部23にかけて交互に配置されているため(図13参照)、圧電振動の閉じ込め効果を向上させることができる。
なお、本変形例では、第1溝m1は角部21aと接触するように設けられているので、圧電振動の漏れを効果的に抑制することができるが、第1溝m1は角部21aと接触していなくてもよい。
−第2実施形態の水晶振動デバイスの構成−
次に、第2実施形態の水晶振動デバイスの構成について、図14を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、水晶振動板2における保持部22の位置及び数が異なるだけであるので、以下、その相違点についてのみ説明し、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
・水晶振動板
本実施形態の水晶振動板2の保持部22は、振動部21における1つの角部21aのみから外枠部23に向けて突出されている。
この場合、水晶振動板の振動部21が、1つの角部21aのみから外枠部23に向けて突出された保持部22を介して外枠部23に保持されているので、保持部22の数を少なくして効率的に振動部21を保持することができる。
−第3実施形態の水晶振動デバイスの構成−
次に、第3実施形態の水晶振動デバイスの構成について、図17および図18を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、水晶振動板2における保持部22と外枠部23との接続構造が異なるだけであるので、以下、その相違点についてのみ説明し、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る水晶振動デバイスは、図17に示すように、水晶振動板2の外枠部23において、保持部22との境界の周囲に厚みを小さくした凹部23aを有している。図18(a)は、外枠部23に凹部23aを設けていない場合の保持部22と外枠部23との接続構造を示す斜視図である。図18(b)および(c)は、外枠部23に凹部23aを設けている場合の保持部22と外枠部23との接続構造を示す斜視図である。
図18(b)に示すように、凹部23aの底面は保持部22の表面と同一平面となるように(すなわち、凹部23aと保持部22との間に段差が生じないように)形成されていてもよい。あるいは、図18(c)に示すように、凹部23aの底面と保持部22の表面との間に段差が生じるように形成されていてもよい。尚、凹部23aの底面および保持部22の表面とは、水晶振動板2の一主面2aおよび他主面2bと平行な面である。また、図18(b)および(c)では、凹部23aが水晶振動板2の両主面に設けられた構成を例示しているが、凹部23aは水晶振動板2の少なくとも一方の主面に設けられていれば良い。これにより、外枠部23、凹部23a、および保持部22の厚みは、(外枠部23の厚み)>(凹部23aの厚み)≧(保持部22の厚み)の関係となる。
また、図17および図18では、凹部23aの平面視形状は扇形状となっており、外枠部23における凹部23a以外の領域と凹部23aの領域との境界線は曲率を有している。しかしながら、本発明において、凹部23aの平面視形状は特に限定されるものではなく、凹部23aの形状は、図19(a)に示すような矩形形状や、図19(b)に示すような台形形状などであってもよい。
−第3実施形態の水晶振動デバイスの製造方法−
次に、本実施形態に係る水晶振動デバイスにおいて、水晶振動板2の製造方法について説明する。尚、水晶振動デバイスの製造方法において、水晶板に振動部21、保持部22および外枠部23を形成するためのエッチング工程以外は第1実施形態と同じであるため、ここでは上記エッチング工程のみを説明する。また、以下の説明では、振動部21の中央にメサ構造213が形成されている構造(図6A参照)を前提としている。
本実施形態における水晶振動板2は、矩形状の水晶板に対し、外形形成エッチング、メサ形成エッチング、および周波数調整エッチングの3回のエッチング工程を経て、振動部21、保持部22および外枠部23が形成される。
図20は、図の上部が外形形成エッチングを施した後の水晶板を示す平面図であり、下部がそのA−A断面図である。外形形成エッチングでは、矩形状の水晶板に切り抜き部k3を形成し、振動部21、保持部22および外枠部23の外形形状を形成する。
図21Aおよび図21Bは、図の上部が図20に示す水晶板に対してメサ形成エッチングを施した後の水晶板を示す平面図であり、下部がそのA−A断面図である。図21Aおよび図21Bでは、エッチングに用いるマスクが異なっており、すなわち、エッチング領域に相違がある。
メサ形成エッチングは、振動部21の中央にメサ構造213の外形形状を形成するためのエッチング工程である。メサ形成エッチングでは、少なくとも、振動部21におけるメサ構造213以外の領域と保持部22の領域とをエッチングする。図21Aに示す水晶板では、振動部21(メサ構造213以外)および保持部22の領域のみをエッチングしているのに対し、図21Bに示す水晶板では、これに加えて凹部23aの領域をエッチングしている。
図22A,図22Bおよび図23は、図の上部が周波数調整エッチングを施した後の水晶板を示す平面図であり、下部がそのA−A断面図である。図22A,図22Bおよび図23では、周波数調整エッチングを施す前の水晶板の状態、もしくは、エッチングに用いるマスクが異なっている。
周波数調整エッチングは、水晶振動デバイスの発振振動数を所定の値とするために、振動部21および保持部22の厚みを調整するエッチング工程である。周波数調整エッチングでは、少なくとも、振動部21の領域(メサ構造213含む全領域)と保持部22の領域とをエッチングする。
図22Aに示す水晶板は、図21Aに示す水晶板に対し振動部21、保持部22および凹部23aの領域をエッチングするか、あるいは、図21Bに示す水晶板に対し振動部21および保持部22の領域をエッチングすることで形成される。すなわち、図22Aに示す水晶板は、保持部22に対してはメサ形成エッチングおよび周波数調整エッチングの2回のエッチングが施されるが、凹部23aに対してはメサ形成エッチングおよび周波数調整エッチングの何れか1回のエッチングが施される。これにより、図18(c)に示すような、凹部23aの底面と保持部22の表面との間に段差が生じる水晶振動板2が形成される。
尚、図21A、図21B、図22Aおよび図22Bでは、メサ形成エッチングによるエッチング深さと周波数調整エッチングによるエッチング深さとをほぼ同程度に記載している。しかしながら、これらのエッチングにおけるエッチング深さが異なる場合には、凹部23aを形成するエッチング工程を選択することで凹部23aの深さを調整可能である。
図22Bに示す水晶板は、図21Bに示す水晶板に対し振動部21、保持部22および凹部23aの領域をエッチングすることで形成される。すなわち、図22Bに示す水晶板は、保持部22および凹部23aの両方に対し、メサ形成エッチングおよび周波数調整エッチングの2回のエッチングが施される。これにより、図18(b)に示すような、凹部23aの底面と保持部22の表面とが同一平面となる水晶振動板2が形成される。
尚、図23に示す水晶板は、図21Aに示す水晶板に対し振動部21および保持部22の領域をエッチングすることで形成されるものであり、この水晶板には凹部23aは存在しない。すなわち、凹部23aを形成する場合と、凹部23aを形成しない場合とは、エッチングに用いるマスクを変えるだけであって、エッチング回数に違いは無い。したがって、本実施形態に係る水晶振動デバイスにおいて、凹部23aが形成された水晶振動板2を製造工程の追加なく作製することが可能である。
−第3実施形態の水晶振動デバイスの作用効果−
本発明が適用される水晶振動デバイスにおいて、図18(a)に示すように、外枠部23に凹部23aを設けていない構造では、水晶振動デバイスに衝撃等が作用した場合に、外枠部23と保持部22との接続箇所の段差エッジに応力が集中し、折れが生じてしまう虞がある。
これに対し、図18(b)に示す構造では、外枠部23に凹部23aを設けることで外枠部23と保持部22との接続箇所に段差を無くしており、該接続箇所における応力集中を回避して、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させることができる。
また、図18(c)に示す構造では、外枠部23と保持部22との接続箇所に段差は残っているが、外枠部23に凹部23aを設けることで、外枠部23における凹部23a形成領域とそれ以外との領域の境界(以下、凹部エッジ)にも段差が生じる。これにより、水晶振動デバイスに衝撃等が作用した場合の応力は、上記2箇所の段差部分に分散され、その結果、外枠部23と保持部22との接続箇所における応力集中を緩和して、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させることができる。
また、外枠部23に凹部23aを設ける構造は、水晶振動デバイスにおける耐衝撃性を向上させるだけでなく、振動部21から外枠部23への振動漏れを抑制する効果も期待できる。圧電振動は振動部21に閉じ込められている状態が理想であるが、振動の完全な閉じ込めは困難であり、実際は外枠部23へのいくらかの漏れが生じる。特に、本実施形態で説明した構成では、振動部21、保持部22および外枠部23を水晶板で一体形成しているため、振動漏れの影響は顕著に表れる。すなわち、振動部21から漏れてきた振動は、保持部22を伝って外枠部23へと漏れる経路が考えられるが、保持部22から外枠部23へと伝わるところで凹部部23aがあると、そこで枠体と共鳴しないように調整することができ、外枠部23に伝わりにくくなる。
特に、本発明の構成では、第1実施形態に述べているように、振動部21からの保持部22の突出方向をZ´軸方向としている。これは、AT振動の変位方向と直交する方向に保持部22を突出させることで振動もれを防ごうとする構成である。理想的にはAT振動は振動部21に閉じ込められるが、実際は別の振動モードである副振動となっていくらかの振動が漏れる。Z´軸方向に突出した保持部22は、この振動もれを外枠部23へ伝えやすく、CI変動や周波数変動の原因となる。そこで、凹部23aを設けることで外枠部23への振動漏れを抑え、より安定した特性を得ることができる。
その他、本実施形態に係る水晶振動デバイスの好適例を説明する。例えば、凹部23aの幅D1は、保持部22の幅D2よりも広くされていることが好ましい(図17参照)。尚、ここでの幅方向とは、平面視において、外枠部23からの保持部22の突出方向と直交する方向を指す。該構成が好適な理由は以下の通りである。
まず、応力緩和の観点からは、水晶振動デバイスへの衝撃などで振動部21が振られて保持部22が屈曲する場合、凹部23aがあるとその凹部エッジが応力集中箇所となる。この凹部エッジが振動部21よりも遠いと圧電振動に影響しにくくなると考えられ、また凹部エッジが長くなるほど応力分散効果は高くなる。すなわち、凹部23aの幅D1を、保持部22の幅D2よりも広くする構成は、凹部エッジを長くなることにつながり、凹部23aによる応力分散効果を向上させる。また、振動漏れ抑制の観点からは、凹部23aが大きい方が振動減衰の効果が高くなり、より外枠部23への振動漏れを抑え、CI低減の効果や変動を抑制する効果が期待できる。
また、凹部23aの凹部エッジの形状は、図19(a),(b)に示す矩形や台形形状に比べ、図17に示すような円弧形状の方が好ましい。言い換えれば、凹部エッジの形状は、曲率を有する形状であることが好ましい。凹部エッジの形状を曲率を有する形状とすることで、凹部エッジの平面視形状において頂点の無い形状とすることができ、頂点での応力集中を回避することができる。
また、上記説明では、水晶振動板の振動部21が1つの保持部22によって保持されている構成、すなわち第2実施形態の構成において凹部23aを設けた場合を例示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、水晶振動板の振動部21が2つの保持部22によって保持されている構成、すなわち第1実施形態の構成において凹部23aを設けてもよい。但し、第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成に比べて保持部22の数が少ない分、耐衝撃性が低くなる。このため、凹部23aを設けて耐衝撃性を向上させる第3実施形態の構成の適用が好適となる。
なお、上記に示した本発明の実施形態及び実施例はいずれも本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
上記各実施形態では、水晶振動デバイスを水晶振動子としたが、水晶振動子以外の水晶振動デバイス(例えば、水晶発振器)にも本発明を適用することが可能である。
1 水晶振動デバイス
11 接合材
12 パッケージ
13 内部空間
2 水晶振動板
2a 一主面
2b 他主面
21 振動部
21a 角部
22 保持部
23 外枠部
23a 凹部
211 第1励振電極
212 第2励振電極
213 メサ構造
214 第1引出電極
215 第2引出電極
216 振動側第1接合パターン
217 振動側第2接合パターン
k1 平面視逆凹形状体
k2 平面視長方形状体
3 第1封止部材
3a 第1封止部材の一主面
3b 第1封止部材の他主面
31 封止側第1接合パターン
4 第2封止部材
41 封止側第2接合パターン
42a 一外部電極端子
42b 他外部電極端子
h1 第1貫通孔
h2 第2貫通孔
h3 第3貫通孔
C 中心部
m 溝
m1 第1溝
m2 第2溝

Claims (14)

  1. 一主面に形成された第1励振電極と、他主面に形成された第2励振電極とが備えられたATカット型の水晶振動板であって、
    前記第1励振電極と前記第2励振電極とが備えられた略矩形状の振動部と、
    前記振動部の角部から、ATカットのZ´軸方向に突出され、当該振動部を保持する保持部と、
    前記振動部の外周を取り囲むとともに、前記保持部を保持する外枠部と、
    を有し、
    前記外枠部は、前記一主面側および前記他主面側の少なくとも一方で、前記保持部と連結される箇所に凹部を有しており、
    前記外枠部の厚み、前記凹部の厚み、および前記保持部の厚みは、
    (外枠部の厚み)>(凹部の厚み)≧(保持部の厚み)
    の関係を満たすこと
    を特徴とする水晶振動板。
  2. 請求項1に記載された水晶振動板であって、
    前記保持部をZ´軸方向に延長した延長線上の領域から前記振動部の中心方向側に離れた位置に、前記第1励振電極及び第2励振電極が形成されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  3. 請求項1又は2に記載された水晶振動板であって、
    前記保持部は、前記振動部において前記Z´軸上に有する2つの角部からそれぞれ前記外枠部に向けて突出されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  4. 請求項1又は2に記載された水晶振動板であって、
    前記保持部は、前記振動部における1つの角部のみから前記外枠部に向けて突出されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記外枠部の厚みは、前記保持部の厚みよりも厚いこと
    を特徴とする水晶振動板。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記振動部における第1励振電極及び第2励振電極が形成された位置には、前記振動部の中央の領域の厚みがその周囲の領域に比べて厚くされたメサ構造が形成されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記振動部及び前記保持部の少なくとも一方には、溝が設けられており、
    前記溝は、ATカットのX軸に対して前記振動部の中心部側に傾斜されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  8. 請求項7に記載された水晶振動板であって、
    前記溝は、
    前記振動部の一主面側に形成された一又は複数の第1溝と、
    前記振動部の他主面側に形成された一又は複数の第2溝とから構成されており、
    前記第1溝と前記第2溝は、前記保持部の前記振動部側から前記外枠部にかけて交互に配置されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記凹部は、前記一主面および前記他主面の両方に形成されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記凹部の底面は、前記保持部の表面と同一平面となるように形成されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記凹部の底面は、前記保持部の表面との間に段差が生じるように形成されていること
    を特徴とする水晶振動板。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記外枠部の主面に垂直な方向から見て、前記外枠部からの前記保持部の突出方向と直交する方向を幅方向とするとき、前記凹部の幅は前記保持部の幅よりも広くされていること
    を特徴とする水晶振動板。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載された水晶振動板であって、
    前記凹部の内壁面は、前記外枠部の主面に垂直な方向から見て曲率を有する形状となっていること
    を特徴とする水晶振動板。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載された水晶振動板と、
    前記水晶振動板の前記一主面を覆う第1封止部材と、
    前記水晶振動板の前記他主面を覆う第2封止部材と、
    が備えられた水晶振動デバイス。
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